JP2005106528A - 圧力センサ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】感圧素子を配設したコネクタハウジングと,シールダイヤフラム50をレーザ溶接したセンサハウジング40とを組み合わせてなる圧力センサを製造する方法である。この製造方法では、センサハウジング作製工程を実施し、その後、レーザ照射工程を実施する。センサハウジング作製工程は、シールダイヤフラム50の外周平面部501を接合する台座部401を有してなり、かつ、台座部401と異なる材質よりなるメタル層402を台座部401の表面である接合面458に形成してなるセンサハウジング40を作製する工程である。レーザ照射工程は、センサハウジング作製工程により作製したセンサハウジング40の接合面458にシールダイヤフラム50の外周平面部501を当接させ、レーザを照射する工程である
【選択図】図2
Description
しかしながら、上記シールダイヤフラムと、該シールダイヤフラムを接合する相手部材の材質との組み合わせによっては、溶融接合が困難になるおそれがある。特に、上記シールダイヤフラムを接合する相手部材の材質が黄銅やアルミ等の場合には、レーザ溶接等が困難になるおそれがある。すなわち、従来では、シールダイヤフラムを溶融接合により接合しようとすると、接合箇所を構成する部品の材質の選択が制約されるおそれがあり、このことが圧力センサの設計自由度を低下させていた。
上記シールダイヤフラムの外周平面部を接合する台座部を有してなり、かつ、上記シールダイヤフラムをレーザ溶接するのに適し、該台座部と異なる材質よりなるメタル層を上記台座部の表面の接合面に形成してなる上記センサハウジングを作製するセンサハウジング作製工程を実施し、
その後、該センサハウジング作製工程により作製した上記センサハウジングの上記接合面に上記シールダイヤフラムの上記外周平面部を当接させ、該外周平面部の表面側からレーザを照射して、レーザ照射による射込み先端の深さ位置が上記メタル層の内部に位置した溶融凝固部を形成するレーザ照射工程を実施することを特徴とする圧力センサの製造方法にある(請求項1)。
したがって、上記第1の発明の圧力センサの製造方法は、上記シールダイヤフラムをレーザ溶接するに当たって、上記センサハウジングの本体部分はもとより上記台座部の材質を問わない。すなわち、上記製造方法によれば、製造する上記圧力センサにおける上記センサハウジングの本体部分及び上記台座部の材質の選択範囲を格段に拡げ、その設計自由度を高くすることができる。なお、上記第1の発明は、シールダイヤフラムをレーザ溶接により接合する場合のみならず、電気抵抗溶接、プロジェクション溶接、電子ビーム等のレーザ照射以外の様々な溶融接合について有効である。
上記シールダイヤフラムの外周平面部をレーザ溶接した上記センサハウジングの接合面は、上記シールダイヤフラムをレーザ溶接するのに適し、上記センサハウジングの本体部分とは異なる金属材料よりなるメタル層によって形成してあることを特徴とする圧力センサにある(請求項7)。
また、上記センサハウジング作製工程は、少なくとも上記台座部を形成してなる中間部材を形成し、その後、上記台座部に上記メタル層となる平板状のプレート材を圧接する圧接加工ステップを含んでいることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記接合面を上記メタル層により形成した上記センサハウジングを効率良く作製することができる。
この場合には、上記プレート材を圧接した上記中間部材をさらに加工して、形状精度の高い上記センサハウジングを作製することができる。
また、上記センサハウジング作製工程は、上記メタル層を形成する金属材料よりなる第1金属層と、該第1金属層と異なる金属材料よりなる第2金属層とを圧接して積層してなるクラッド材を塑性加工して、上記メタル層を上記接合面に有する上記台座部を形成する塑性加工ステップを含む工程であることが好ましい(請求項4)。
この場合には、上記クラッド材を塑性加工すれば、上記接合面を上記メタル層により形成した上記センサハウジングを効率良く作製することができる。一般に、上記クラッド材では、上記第1金属層と上記第2金属層との接合強度が強固である。それ故、このクラッド材よりなる上記センサハウジングでは、上記接合面を形成する上記メタル層の接合強度が特に優れている。
この場合には、上記台座部を形成した上記クラッド材をさらに加工して、形状精度の優れた上記センサハウジングを作製することができる。
この場合には、一般に、レーザ溶接に適していない黄銅よりなる上記センサハウジングであっても、上記メタル層よりなる上記接合面に対して上記シールダイヤフラムを確実性高くレーザ溶接することができる。
この場合には、本体部分が黄銅よりなる上記センサハウジングであっても、リン青銅よりなる上記接合面に対して、上記シールダイヤフラムを確実性高くレーザ溶接することができる。
また、上記メタル層の厚さは、50μm以上500μm以下であることが好ましい(請求項9)。
この場合には、上記シールダイヤフラムの外周平面部と上記接合面との間の溶融凝固部の射込み先端の深さ位置を上記メタル層の内部に位置させることができ、レーザ照射による影響が上記センサハウジングの本体部分に及ぶおそれを抑制することができる。
上記メタル層の厚さが50μm未満であると、レーザ照射による射込み先端が上記メタル層を貫通し、上記センサハウジングの本体部分にダメージを発生するおそれがある。一方、上記メタル層の厚さが500μmを超える場合には、例えば、上記センサハウジングについて塑性加工処理や加熱処理を施す際、上記メタル層と上記センサハウジングの本体部分との接合箇所に応力が発生しシール性が損なわれるおそれがある。
本例は、シールダイヤフラム50により密閉した圧力室52を有する圧力センサ1の製造方法に関する例である。
本例の製造方法は、図8に示すごとく、感圧素子20を配設したコネクタハウジング30と,シールダイヤフラム50をレーザ溶接したセンサハウジング40とを組み合わせ、シールダイヤフラム50により感圧素子20を密閉してなる圧力センサ1を製造する方法である。このセンサハウジング40の製造方法においては、センサハウジング作製工程を実施し、その後、レーザ照射工程を実施する。
上記センサハウジング作製工程は、図1及び図2に示すごとく、シールダイヤフラム50の外周平面部501を接合する台座部401を有してなり、かつ、シールダイヤフラム50をレーザ溶接するのに適し、上記台座部401と異なる材質よりなるメタル層402を台座部401の表面である接合面458に形成してなるセンサハウジング40を作製する工程である。
そして、上記レーザ照射工程は、上記センサハウジング作製工程により作製したセンサハウジング40の上記接合面458にシールダイヤフラム50の外周平面部501を当接させ、該外周平面部501の表面側からレーザを照射して、レーザ照射による射込み先端の深さ位置が上記メタル層402の内部に位置した溶融凝固部60を形成する工程である。以下に、この内容について図1〜図8を参照しながら詳しく説明する。
上記凹部45の底面としての台座部401には,図4に示すごとく,小径の作用部457を穿孔してある。そして、該作用部457の内周面と、凹部45の内周面との間には、棚面状の接合面458を形成してある。特に、本例のセンサハウジング40では、台座部401の表面である接合面458に、リン青銅よりなる厚さ200μmのメタル層402(図2)を形成してある。
そして、その後、プレート部材455を圧接してなる中間部材450の外表面を切削加工することで、図4に示すごとく、上記接合面458をリン青銅よりなるメタル層402(図2)により形成した上記センサハウジング40を作製する。
このレーザ照射工程によれば、リン青銅よりなるメタル層402による上記接合面458に対して、シールダイヤフラム50の外周平面部501を強固にレーザ溶接することができる。上記のごとく、本例では、上記接合面458をなすメタル層の厚さを200μmとしてある。そのため、上記レーザ照射工程では、レーザ照射による射込み先端の深さ位置を、メタル層402の内部に確実性高く位置させることができる。それ故、本例のレーザ照射工程では、黄銅よりなる台座部401にレーザ照射による影響が及ぶおそれが少ない。
また、ソケット部300は,図7に示すごとく,外部機器(図示略)と電気的に接続するための外部コネクタ(図示略)を挿入するように構成してあると共に,該ソケット部300の内部には,各ターミナルピン10における一方の端部を突出させてある。
そして,受圧面32における配設部320の外周側には,さらに,受圧面32に向けて突出する3本のターミナルピン10をそれぞれ収容する3箇所のピン凹部322を形成してある。そして、上記配設部320の底面に配置した感圧素子20の外部端子(図示略)と、各ピン凹部322に収容した各ターミナルピン10とは、ボンディングワイヤ201を介して電気的に接続してある。なお,ピン凹部322には、フッ素系シール材からなるシール層323を形成してあり、該シール層323により各ターミナルピン10の外周を気密性高くシールしてある。
本例は、実施例1の圧力センサの製造方法に基づいて、センサハウジング40を作製する手順を変更した例である。この内容について、図4及び図9〜図11を用いて説明する。
本例のセンサハウジング作製工程は、実施例1とは工程手順が相違するが、実施例1と同様のセンサハウジング40(図4)を作製する工程である。
このセンサハウジング作製工程では、まず、図9に示すごとく、リン青銅よりなる第1金属層481と、黄銅よりなる第2金属層482とを圧接した圧延クラッド材480を準備する。そして、図10に示すごとく、図示しないプレス装置を用いて、上記圧延クラッド材480から略円柱状の円柱材485を打ち抜く。その後、図11に示すごとく、この円柱材485について鍛造プレス加工を実施し、上記第1金属層481側から上記凹部45となる凹み491を設けてなると共に、上記第2金属層側から圧力導入孔441となる凹み492を設けなる第1中間部材490を作製する。該第1中間部材490では、第1金属層481側から形成した凹み491の内周面がリン青銅により形成されることになる。
10 ターミナルピン
20 感圧素子
30 コネクタハウジング
35 挿入部
40 センサハウジング
401 台座部
402 メタル層
45 凹部
458 接合面
480 圧延クラッド材
481 第1金属層
482 第2金属層
485 円柱材
490 第1中間部材
50 シールダイヤフラム
500 保護リング
501 外周平面部
60 溶融凝固部
Claims (9)
- 感圧素子を配設したコネクタハウジングと,シールダイヤフラムをレーザ溶接したセンサハウジングとを組み合わせ、上記シールダイヤフラムにより上記感圧素子を密閉してなる圧力センサの製造方法において,
上記シールダイヤフラムの外周平面部を接合する台座部を有してなり、かつ、上記シールダイヤフラムをレーザ溶接するのに適し、該台座部と異なる材質よりなるメタル層を上記台座部の表面の接合面に形成してなる上記センサハウジングを作製するセンサハウジング作製工程を実施し、
その後、該センサハウジング作製工程により作製した上記センサハウジングの上記接合面に上記シールダイヤフラムの上記外周平面部を当接させ、該外周平面部の表面側からレーザを照射して、レーザ照射による射込み先端の深さ位置が上記メタル層の内部に位置した溶融凝固部を形成するレーザ照射工程を実施することを特徴とする圧力センサの製造方法。 - 請求項1において、上記センサハウジング作製工程は、少なくとも上記台座部を形成してなる中間部材を形成し、その後、上記台座部に上記メタル層となる平板状のプレート材を圧接する圧接加工ステップを含んでいることを特徴とする圧力センサの製造方法。
- 請求項2において、上記センサハウジング作製工程は、上記圧接加工ステップを行った後の中間部材に機械加工を施す仕上げステップを含む工程であることを特徴とする圧力センサの製造方法。
- 請求項1において、上記センサハウジング作製工程は、上記メタル層を形成する金属材料よりなる第1金属層と、該第1金属層と異なる金属材料よりなる第2金属層とを圧接して積層してなるクラッド材を塑性加工して、上記メタル層を上記接合面に有する上記台座部を形成する塑性加工ステップを含む工程であることを特徴とする圧力センサの製造方法。
- 請求項4において、上記センサハウジング作製工程は、上記塑性加工ステップを行った後の上記クラッド材に機械加工を施す仕上げステップを含む工程であることを特徴とする圧力センサの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項において、上記シールダイヤフラム及び上記メタル層はリン青銅よりなり、上記センサハウジングの本体は黄銅よりなることを特徴とする圧力センサの製造方法。
- 感圧素子を配設したコネクタハウジングと,シールダイヤフラムをレーザ溶接したセンサハウジングとを組み合わせ、上記シールダイヤフラムにより上記感圧素子を密閉してなる圧力センサにおいて,
上記シールダイヤフラムの外周平面部をレーザ溶接した上記センサハウジングの接合面は、上記シールダイヤフラムをレーザ溶接するのに適し、上記センサハウジングの本体部分とは異なる金属材料よりなるメタル層によって形成してあることを特徴とする圧力センサ。 - 請求項7において、上記シールダイヤフラム及び上記メタル層はリン青銅よりなり、上記センサハウジングの本体部分は黄銅よりなることを特徴とする圧力センサ。
- 請求項7又は8において、上記メタル層の厚さは、50μm以上500μm以下であることを特徴とする圧力センサ。
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