JP2005104864A - 2−置換アミノ−4−アリールブチロニトリルまたはその塩 - Google Patents

2−置換アミノ−4−アリールブチロニトリルまたはその塩 Download PDF

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Abstract

【課題】2−置換アミノ−4−アリールブチロニトリルおよびその塩を収率よく、工業的に有利に製造すること。
【解決手段】3−アリールプロパナール誘導体にアミン化合物およびシアノ化剤を反応させることを特徴とする2−置換アミノ−4−アリールブチロニトリルの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、2−置換アミノ−4−アリールブチロニトリルまたはその塩およびそれらの製造方法に関する。
本発明により提供される2−置換アミノ−4−アリールブチロニトリルまたはその塩のうち、2−[(1−フェニルエチル)アミノ]フェニルブチロニトリルは、ジアステレオマー分離工程を経て、μ−選択的オピオイド受容体作用薬の合成中間体として有用な(D)−ホモフェニルアラニンに誘導可能であり(後述の参考例1〜4参照)、また、鎮痛薬の合成中間体として有用な(L)−ホモフェニルアラニンに誘導可能である[ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry)、第45巻、1395頁(2002年)および国際出願WO98/05421参照]。
従来、2−アミノ−4−アリールブチロニトリルの製造方法としては、水中において3−アリールプロパナールを塩化アンモニウムの存在下にシアン化カリウムと反応させることにより取得する方法(例えば、特許文献1参照)、または、水中において3−アリールプロパナールをアンモニア水、塩化アンモニウムの存在下にシアン化ナトリウムと反応させることにより取得する方法(例えば、非特許文献1参照)が知られている。
特開平2−31694号公報(第4〜5頁) テトラヘドロン:アシンメトリー(Tetrahederon:Asymmetry)、2001年、第12巻、p.225
本発明者は、2−アミノ−4−アリールブチロニトリルのアミノ基に置換基、特に光学活性な置換基を導入することによりジアステレオマーを形成し、化学的に通常用いられる分離方法、例えば、再結晶法、光学活性体分離用カラムを装備した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によりジアステレオマーを分離し、官能基変換を経て、医薬中間体として有用な光学活性ホモフェニルアラニンに誘導できることを見出した(後述の参考例1〜4参照)。
本発明の目的は、医薬中間体として有用な化合物に誘導可能な新規物質である2−置換アミノ−4−アリールブチロニトリルまたはその塩を提供することにある。
本発明の他の目的は、2−置換アミノ−4−アリールブチロニトリルまたはその塩を収率よく、工業的に有利に製造し得る方法を提供することにある。
本発明は、一般式(I)
Figure 2005104864
(式中、R は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、ニトロ基または保護されていてもよい水酸基を表し、R およびR はそれぞれ水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。)
で示される2−置換アミノ−4−アリールブチロニトリル[以下、これを2−置換アミノ−4−アリールブチロニトリル(I)と称する]である。
本発明は、一般式(II)
Figure 2005104864
(式中、R 、R およびR はそれぞれ前記定義のとおりであり、X はアニオンを表す。)
で示される2−置換アミノ−4−アリールブチロニトリル塩[以下、これを2−置換アミノ−4−アリールブチロニトリル塩(II)と称する]である。
本発明は、一般式(III)
Figure 2005104864
(式中、R 、R およびR はそれぞれ前記定義のとおりである。)
で示されるシッフ塩基[以下、これをシッフ塩基(III)と称する]をシアノ化剤と反応させることを特徴とする2−置換アミノ−4−アリールブチロニトリル(I)の製造方法である。
本発明は、一般式(IV)
Figure 2005104864
(式中、R は前記定義のとおりである。)
で示される3−アリールプロパナール誘導体[以下、これを3−アリールプロパナール誘導体(IV)と称する]に一般式(V)
Figure 2005104864
(式中、R およびR はそれぞれ前記定義のとおりである。)
で示されるアミン化合物[以下、これをアミン化合物(V)と称する]およびシアノ化剤を反応させることを特徴とする2−置換アミノ−4−アリールブチロニトリル(I)の製造方法である。
本発明は、2−置換アミノ−4−アリールブチロニトリル(I)を酸性物質と反応させることを特徴とする2−置換アミノ−4−アリールブチロニトリル塩(II)の製造方法である。
本発明によれば、医薬中間体として有用な化合物に誘導可能な新規物質である2−置換アミノ−4−アリールブチロニトリル(I)またはその塩が提供される。
本発明によれば、2−置換アミノ−4−アリールブチロニトリル(I)またはその塩を収率よく、工業的に有利に製造することができる。
上記一般式中、X が表すアニオンとしては、例えば、F 、Cl 、Br 、I などのハロゲン原子のアニオン;HSO 、SO 2− 、NO 、PO 3− などの鉱酸のアニオン;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、カンファースルホン酸などの有機スルホン酸のアニオン;酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、酒石酸、安息香酸、2−フェニルプロピオン酸、マンデル酸などのカルボン酸のアニオンなどが挙げられる。
が表すハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
、R およびR がそれぞれ表すアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基などが挙げられる。
が表す保護されていてもよい水酸基の保護基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、メトキシメチル基などの置換基を有していてもよいアルキル基;ベンジル基、2,6−ジメチルベンジル基、4−メトキシベンジル基などの置換基を有していてもよいアラルキル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基などの三置換シリル基;アセチル基、トリクロロアセチル基、ベンゾイル基などのアシル基などが挙げられる。
およびR がそれぞれ表すアリール基としては、例えばフェニル基、4−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、3−メトキシフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが挙げられる。
およびR がそれぞれ表すアラルキル基としては、例えばベンジル基、4−メチルベンジル基、3−メトキシベンジル基、ジフェニルメチル基、ナフチルエチル基、1−フェニル−2−メチルプロピル基などが挙げられる。
次に、本発明の製造方法における各工程について順を追って説明する。
第1工程:3−アリ−ルプロパナール誘導体(IV)にアミン化合物(V)を反応させることによりシッフ塩基(III)を得る工程
3−アリ−ルプロパナール誘導体(IV)としては、例えば3−フェニルプロパナール、3−(2−クロロフェニル)プロパナール、3−(2−ブロモフェニル)プロパナール、3−(2−ニトロフェニル)プロパナール、3−(2−シアノフェニル)プロパナール、3−(2−メトキシフェニル)プロパナール、3−(3−クロロフェニル)プロパナール、3−(3−ブロモフェニル)プロパナール、3−(3−ニトロフェニル)プロパナール、3−(3−シアノフェニル)プロパナール、3−(3−メトキシフェニル)プロパナールなどが挙げられる。
アミン化合物(V)としては、例えば、メチルアミン、アリルアミン、ベンジルアミン、(+)−1−フェニルエチルアミン、(−)−1−フェニルエチルアミン、(±)−1−フェニルエチルアミン、(+)−1−(4−メチルフェニル)エチルアミン、(−)−1−(4−メチルフェニル)エチルアミン、(±)−1−(4−メチルフェニル)エチルアミン、(+)−1−(4−クロロフェニル)エチルアミン、(−)−1−(4−クロロフェニル)エチルアミン、(±)−1−(4−クロロフェニル)エチルアミン、(+)−1−(4−ブロモフェニル)エチルアミン、(−)−1−(4−ブロモフェニル)エチルアミン、(±)−1−(4−ブロモフェニル)エチルアミン、(+)−1−(3−ブロモフェニル)エチルアミン、(−)−1−(3−ブロモフェニル)エチルアミン、(±)−1−(3−ブロモフェニル)エチルアミン、(+)−1−ナフチルエチルアミン、(−)−1−ナフチルエチルアミン、(±)−1−ナフチルエチルアミン、(+)−2−ナフチルエチルアミン、(+)−2−ナフチルエチルアミン、(−)−2−ナフチルエチルアミン、(±)−2−ナフチルエチルアミン、(+)−3−メチル−2−フェニルブチルアミン、(−)−3−メチル−2−フェニルブチルアミン、(±)−3−メチル−2−フェニルブチルアミンなどが挙げられる。アミン化合物(V)の使用量は、3−アリ−ルプロパナール誘導体(IV)に対して0.9〜2倍モルの範囲であるのが好ましく、1〜1.2倍モルの範囲であるのがより好ましい。
反応は溶媒の存在下に行うのが好ましい。溶媒としては、反応に悪影響を与えない限り特に限定されるものではなく、例えば、水;メタノール、エタノール、2−プロパノールなどの低級アルコール;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、イソプロピルベンゼンなどの芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル;またはこれらの混合溶媒などが使用される。これらのうち、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどの低級アルコールが好ましい。溶媒の使用量は、特に制限されないが、3−アリ−ルプロパナール誘導体(IV)に対して5〜50倍重量の範囲であるのが好ましい。
反応温度は、−20〜100℃の範囲であるのが好ましく、0〜40℃の範囲であるのがより好ましい
本反応においては、3−アリ−ルプロパナール誘導体(IV)を溶媒に溶解した後、アミン化合物(V)と反応させることによりシッフ塩基(III)を形成するのが好ましい。その際、反応系から生成する水を共沸などの操作により除去してもよい。得られるシッフ塩基(III)はシス体およびトランス体の混合物として存在する。得られた反応混合物は、精製操作を行うことなく第2工程の反応に付すことができる。
第2工程:シッフ塩基(III)をシアノ化剤と反応させて2−アミノ−4−アリールブチロニトリル(I)を得る工程
シアノ化剤としては、例えば、シアン化リチウム、シアン化ナトリウム、シアン化カリウムなどのアルカリ金属シアン化物;シアン化水素;アセトンシアンヒドリンなどのシアンヒドリン類が挙げられる。シアノ化剤の使用量は、シッフ塩基(III)に対して0.5〜3倍モルの範囲であるのが好ましく、1.0〜2.0倍モルの範囲であるのが好ましい。
反応は溶媒の存在下に行うのが好ましい。溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、イソプロピルベンゼンなどの芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル;またはこれらの混合溶媒などが使用される。溶媒の使用量は、溶媒の種類、混合溶媒の場合にはその混合組成によっても異なるが、シッフ塩基(III)に対して0.30〜30倍重量の範囲であるのが好ましい。
反応温度は、20〜40℃の範囲であるのが好ましい。
また、3−アリ−ルプロパナール誘導体(IV)にアミン化合物(V)およびシアノ化剤を反応させることにより、2−アミノ−4−アリールブチロニトリル(I)を形成させることもできる。
本反応で得られる2−アミノ−4−アリールブチロニトリル(I)は、一般式(V)においてR およびR が同一であるアキラルなアミン化合物を用いた場合には、2種類のエナンチオマーの混合物であり、R およびR が同一であり、かつR およびR が不斉炭素を有する光学活性なアミン化合物を用いた場合、また、R およびR がそれぞれ異なる光学活性なアミン化合物を用いた場合には、2種類のジアステレオマーの混合物であり、さらに、R およびR がそれぞれ異なるラセミ体のアミン化合物を用いた場合には、2種類のジアステレオマーおよびそれらのエナンチオマーの混合物である。エナンチオマー混合物またはジアステレオマー混合物は、定法に従い、例えば、光学活性体分離用カラムを装備した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分離することが可能である(後述の参考例1参照)。
本反応で得られた反応混合物は、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどにより精製可能であるが、通常、精製操作を行うことなく第3工程の反応に付すことができる。
第3工程:2−アミノ−4−アリールブチロニトリル(I)を酸性物質と反応させて2−アミノ−4−アリールブチロニトリル塩(II)を得る工程
酸性物質としては、例えば、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、カンファースルホン酸などの有機スルホン酸;酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、酒石酸、安息香酸、2−フェニルプロピオン酸、マンデル酸などのカルボン酸などが挙げられる。酸性物質の使用量は、2−アミノ−4−アリールブチロニトリル(I)に対して0.5〜2.0倍モルの範囲であるのが好ましく、0.7〜1.0倍モルの範囲であるのがより好ましい。
反応は溶媒の存在下に行うのが好ましい。溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、イソプロピルベンゼンなどの芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル;またはこれらの混合溶媒などが挙げられる。これらのうち、メタノールを用いるのが好ましい。溶媒の使用量は、溶媒の種類、混合溶媒の場合にはその混合組成によっても異なるが、2−アミノ−4−アリールブチロニトリル(I)対して0.25〜25倍重量の範囲であるのが好ましい。
反応温度は、0〜40℃の範囲であるのが好ましい。
本発明において出発原料として用いられる3−アリ−ルプロパナール誘導体(IV)は、例えば、スチレン誘導体をロジウム触媒の存在下に一酸化炭素および水素と反応させることにより製造することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
[(R)−(1−フェニルエチル)アミノ]フェニルブチロニトリルの合成
滴下ロート、温度計およびマグネチックスターラを備え、内部を窒素置換した容量50mlの3ツ口フラスコに、3−フェニルプロパナール3.35g(25.0mmol)およびメタノール50mlを入れ、氷浴で5℃以下に冷却した。得られた溶液に、(R)−1−フェニルエチルアミン3.02g(25.0mmol)を反応液の内温を0〜5℃に保ちながら滴下した。滴下終了後、反応混合液を5℃以下で1時間撹拌した。その後、アセトンシアンヒドリン2.13g(25.0mmol)を添加し、氷浴を外し、1時間撹拌した。得られた反応混合液から、溶媒などの揮発性成分を留去し、淡黄色油状物質として[(R)−(1−フェニルエチル)アミノ]フェニルブチロニトリル6.08g(純度99%、23.0mmol、収率92%)を2種類のジアステレオマー混合物として得た。
実施例2
[(R)−(1−(4−メチルフェニル)エチル)アミノ]フェニルブチロニトリル硫酸塩の合成
滴下ロート、温度計およびマグネチックスターラを備え、内部を窒素置換した容量50mlの3ツ口フラスコに、3−フェニルプロパナール6.70g(50.0mmol)およびメタノール50mlを入れ、氷浴で5℃以下に冷却した。得られた溶液に、(R)−1−(1−(4−メチルフェニル)エチル)アミン6.75g(50.0mmol)を反応液の内温を0〜5℃に保ちながら滴下した。滴下終了後、反応混合液を5℃以下で1時間撹拌した。その後、アセトンシアンヒドリン4.26g(50.0mmol)を添加し、氷浴を外し、1時間撹拌した。その後、反応混合液に濃硫酸2.45g(25.0mmol)を添加したところ、結晶が析出した。さらに、同温度で1時間撹拌した後、5℃以下に冷却し、結晶をグラスフィルターにより吸引ろ過し、[(R)−(1−(4−メチルフェニル)エチル)アミノ]フェニルブチロニトリル硫酸塩13.1g(純度99%、40.0mmol、収率80%)を2種類のジアステレオマー混合物として得た。
実施例3
[(R)−(1−ナフチルエチル)アミノ]フェニルブチロニトリルの合成
滴下ロート、温度計およびマグネチックスターラを備え、内部を窒素置換した容量25mlの3ツ口フラスコに、3−フェニルプロパナール807mg(5.9mmol)およびメタノール10mlを入れ、氷浴で5℃以下に冷却した。得られた溶液に、(R)−1−ナフチルエチルアミン1.00g(5.9mmol)を反応液の内温を0〜5℃に保ちながら滴下した。滴下終了後、反応混合液を5℃以下で1時間撹拌した。その後、アセトンシアンヒドリン497mg(5.9mmol)を添加し、氷浴を外し、1時間撹拌した。得られた反応混合液から、溶媒などの揮発性成分を留去し、淡黄色油状物質を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[シリカゲル重量:20g、移動相:ヘキサン/酢酸エチル=5/1(容量比)]により精製して淡黄色油状物質である[(R)−(1−ナフチルエチル)アミノ]フェニルブチロニトリル1.66g(純度:99%、5.2mmol、収率:89%)を2種類のジアステレオマー混合物(光学純度:50%d.e.、 H−NMR積分値より算出)として得た。[(R)−(1−ナフチルエチル)アミノ]フェニルブチロニトリルは下記の物性を有していた。
H−NMRスペクトル(270MHz,CDCl ,TMS,ppm、主成分)δ:1.53(d,3H,J=6.9Hz)、2.01−2.10(m,2H)、2.71−2.81(m,2H)、3.27(br,1H)、4.87(q,1H,J=6.9Hz)、7.06−7.86(m,11H)、8.34(d,1H,J=7.9Hz)
H−NMRスペクトル(270MHz,CDCl ,TMS,ppm、副成分)δ:1.46(d,3H,J=6.9Hz)、2.01−2.10(m,2H)、2.71−2.81(m,2H)、3.71(br,1H)、4.87(q,1H,J=6.9Hz)、7.06−7.86(m,11H)、8.25(d,1H,J=7.9Hz)
13C−NMRスペクトル(67.5MHz,CDCl ,TMS,ppm、混合物)δ:22.4、24.2、31.6、31.7、35.2、35.6、47.4、47.9、53.1、53.2、120.2、120.7、122.9、123.1、123.5、123.6、123.7、123.7、125.5、125.6、125.6、126.0、126.3、126.4、127.9、128.0、128.3、128.4、128.5、128.6、128.9、129.0、130.7、131.3、133.9、134.1、138.5、139.9、140.0、140.1
参考例1
[(R)−(1−フェニルエチル)アミノ]フェニルブチロニトリルのジアステレオマーの分離
ジムロート型冷却管、温度計およびマグネチックスターラを備え、内部を窒素置換した容量50mlの3ツ口フラスコに、[(R)−(1−フェニルエチル)アミノ]フェニルブチロニトリル(49%d.e.)5.67g(純度99%、21.5mmol)およびジイソプロピルエーテル50mlを入れ、60℃に昇温し、完全に溶解した。反応混合液を15分間で30℃まで冷却したところ、結晶が析出し、さらに10分かけて5℃まで冷却し、同温度で1時間保持した。析出した結晶をグラスフィルターにより吸引ろ過し、(2R)−2−[(R)−(1−フェニルエチル)アミノ]フェニルブチロニトリル2.94g(純度99%、11.1mmol、収率69%([(R)−(1−フェニルエチル)アミノ]フェニルブチロニトリル中に含まれる(2R)−2−[(R)−(1−フェニルエチル)アミノ]フェニルブチロニトリル基準)を得た。得られた[(R)−(1−フェニルエチル)アミノ]フェニルブチロニトリルは下記の物性を有していた。なお、光学純度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で下記に示す条件で分析して決定した。
使用カラム:wakosil・5SIL(カラム径4.6mm、カラム長250mm)
検出波長:UV254nm
移動相:へキサン/酢酸エチル(容量比95/5)
流速:1.0ml/min
温度:25℃
融点:97.0〜98.0℃
比旋光度:[α] =+114.7°(c1.0、メタノール、25℃)
光学純度:98.1%d.e.(本分析条件における両異性体の保持時間:20.0分、22.9分)
H−NMRスペクトル(270MHz,CDCl ,TMS,ppm)δ:1.38(d,3H,J=6.9Hz)、1.97−2.06(m,2H)、2.73−2.80(m,2H)、3.18(br,1H)、4.08(q,1H,J=6.9Hz)、7.08−7.33(m,10H)
13C−NMRスペクトル(67.5MHz,CDCl ,TMS,ppm)δ:24.8、31.7、35.5、47.7、56.6、120.4、126.3、126.9、127.6、128.3、128.5、128.7、140.1、143.1
参考例2
[(R)−(1−(4−メチルフェニル)エチル)アミノ]フェニルブチロニトリル硫酸塩のジアステレオマーの分離
ジムロート型冷却管、温度計およびマグネチックスターラを備え、内部を窒素置換した容量50mlの3ツ口フラスコに、[(R)−(1−(4−メチルフェニル)エチル)アミノ]フェニルブチロニトリル硫酸塩(54%d.e.)5.59g(純度99%、17.1mmol)およびメタノール50mlを入れ、60℃に昇温し、完全に溶解した。反応混合液を15分間で40℃まで冷却したところ、結晶が析出し、さらに15分かけて25℃まで冷却し、同温度で10時間保持した。析出した結晶をグラスフィルターにより吸引ろ過し、(2R)−2−[(R)−(1−(4−メチルフェニル)エチル)アミノ]フェニルブチロニトリル硫酸塩1.35g(純度99%、4.13mmol、収率31%([(R)−(1−(4−メチルフェニル)エチル)アミノ]フェニルブチロニトリル硫酸塩中に含まれる(2R)−2−[(R)−(1−(4−メチルフェニル)エチル)アミノ]フェニルブチロニトリル硫酸塩基準)を得た。得られた(2R)−2−[(R)−(1−(4−メチルフェニル)エチル)アミノ]フェニルブチロニトリル硫酸塩は下記の物性を有していた。なお、光学純度は、得られた硫酸塩の100mgを5%炭酸水素ナトリウム水溶液1mlにより複分解し、酢酸エチル1mlで抽出し、酢酸エチル層を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で参考例1と同じ条件で分析して決定した。
融点:138.5〜140.0℃
比旋光度:[α] =−67.1°(c0.5、メタノール、25℃)
光学純度:95.4%d.e.(本分析条件における両異性体の保持時間:19.8分、22.5分)
H−NMRスペクトル(270MHz,CD OD,ppm)δ:1.63(d,3H,J=6.9Hz)、2.20(q,2H,J=6.9Hz)、2.44(s,3H)、2.71−2.91(m,2H)、3.53(t,1H,J=6.9Hz)、4.37(q,1H,J=6.9Hz)、7.20−7.38(m,9H)
13C−NMRスペクトル(67.5MHz,CD OD,ppm)δ:21.2、32.5、34.8、35.6、53.4、58.6、105.5、113.5、126.9、127.5、128.3、129.3、129.4、129.7、130.8.1
参考例3
(2R)−2−[(R)−(1−フェニルエチル)アミノ]フェニルブタン酸の合成
冷却管、温度計およびマグネチックスターラを備え、内部を窒素置換した容量25mlの3ツ口フラスコに、(2R)−2−[(R)−(1−フェニルエチル)アミノ]フェニルブチロニトリル1.00g(3.79mmol)、濃塩酸7.5mlおよび酢酸5mlを入れ、95℃で5時間加熱した。25℃まで冷却した後、4N水酸化カリウム水溶液25mlを30℃以下を保ちながら滴下した。滴下終了後、反応混合液を5℃以下で1時間撹拌した。析出した結晶をグラスフィルターにより吸引ろ過し、(2R)−2−[(R)−(1−フェニルエチル)アミノ]フェニルブタン酸0.88g(純度99%、3.11mmol、収率82%)を得た。得られた(2R)−2−[(R)−(1−フェニルエチル)アミノ]フェニルブタン酸は下記の物性を有していた。なお、光学純度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で実施例1と同じ条件で分析して決定した。
融点:>250℃
比旋光度:[α] =−17.9°(c0.5、AcOH、25℃)
H−NMRスペクトル(270MHz,DMSO−d +DCl,ppm)δ:1.64(d,3H,J=6.3Hz)、2.04−2.17(m,2H)、2.40−2.55(m,1H)、2.66−2.74(m,1H)、3.20(br,1H)、4.41(q,1H,J=6.3Hz)、7.07−7.24(m,5H)、7.38−7.40(m,3H)、7.53−7.55(m,2H)
13C−NMRスペクトル(67.5MHz,CDCl ,TMS,ppm)δ:20.6、30.8、31.6、56.7、57.6、126.8、128.6、128.7、129.0、129.7、129.8、169.8
参考例4
(D)−ホモフェニルアラニン塩酸塩の合成
温度計、水素ガス導入用キャピラリー、オフガス排出用バブラーおよびマグネチックスターラを備え、内部を窒素置換した容量25mlの3ツ口フラスコに、(2R)−2−[(R)−(1−フェニルエチル)アミノ]フェニルブタン酸0.30g(1.06mmol)、メタノール10mlおよび濃塩酸0.11g(1.10mmol)を入れ、室温で溶解させた。次いで、10%活性炭担持パラジウム(エヌイーケムキャット社製、NCA−19)30mgを仕込み、水素ガス導入用キャピラリーから水素ガスをバブリングしながら48時間撹拌した。その後、反応器を窒素ガスで置換し、触媒を膜ろ過により除去した。ろ液を濃縮し、(D)−ホモフェニルアラニン塩酸塩0.22g(純度98%、1.02mmol、収率96%)を得た。得られた(D)−ホモフェニルアラニン塩酸塩は下記の物性を有していた。なお、光学純度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で下記に示す条件で分析して決定した。
使用カラム:CrownPack CR(+)(カラム径4.6mm、カラム長150mm)
検出波長:UV254nm
移動相:過塩素酸水溶液(pH=1.7)/メタノール(容量比85/15)
流速:0.8ml/min
温度:45℃
融点:>250℃
比旋光度:[α] =−47.2°(c1.0、1N HCl、25℃)
光学純度:99.0%d.e.(上記分析条件における両異性体の保持時間:13.9分、29.9分)
H−NMRスペクトル(270MHz,D O+TFA,ppm)δ:1.81−2.00(m,2H)、2.39−2.45(m,2H)、3.71(t,1H、J=6.3Hz)、6.91−7.01(m,5H)
本発明により提供される2−置換アミノ−4−アリールブチロニトリル(I)またはその塩のうち、2−[(1−フェニルエチル)アミノ]フェニルブチロニトリルは、μ−選択的オピオイド受容体作用薬の合成中間体として有用な(D)−ホモフェニルアラニンに誘導可能であり、また、鎮痛薬の合成中間体として有用な(L)−ホモフェニルアラニンに誘導可能である。

Claims (5)

  1. 一般式(I)
    Figure 2005104864
    (式中、R は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、ニトロ基または保護されていてもよい水酸基を表し、R およびR はそれぞれ水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。)
    で示される2−置換アミノ−4−アリールブチロニトリル。
  2. 一般式(II)
    Figure 2005104864
    (式中、R は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、ニトロ基または保護されていてもよい水酸基を表し、R およびR はそれぞれ水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、X はアニオンを表す。)
    で示される2−置換アミノ−4−アリールブチロニトリル塩。
  3. 一般式(III)
    Figure 2005104864
    (式中、R は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、ニトロ基または保護されていてもよい水酸基を表し、R およびR はそれぞれ水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。)
    で示されるシッフ塩基をシアノ化剤と反応させることを特徴とする一般式(I)
    Figure 2005104864
    (式中、R 、R およびR は前記定義のとおりである。)
    で示される2−置換アミノ−4−アリールブチロニトリルの製造方法。
  4. 一般式(IV)
    Figure 2005104864
    (式中、R は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、ニトロ基または保護されていてもよい水酸基を表す。)
    で示される3−アリールプロパナール誘導体に一般式(V)
    Figure 2005104864
    (式中、R およびR はそれぞれ水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。)
    で示されるアミン化合物およびシアノ化剤を反応させることを特徴とする一般式(I)
    Figure 2005104864
    (式中、R 、R およびR は前記定義のとおりである。)
    で示される2−置換アミノ−4−アリールブチロニトリルの製造方法。
  5. 一般式(I)
    Figure 2005104864
    (式中、R は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、ニトロ基または保護されていてもよい水酸基を表し、R およびR はそれぞれ水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。)
    で示される2−置換アミノ−4−アリールブチロニトリルを酸性物質と反応させることを特徴とする一般式(II)
    Figure 2005104864
    (式中、R 、R およびR は前記定義のとおりであり、X はアニオンを表す。)
    で示される2−置換アミノ−4−アリールブチロニトリル塩の製造方法。
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JP2011057606A (ja) * 2009-09-09 2011-03-24 Mitsui Chemicals Inc イミンの不斉シアノ化方法

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