JP2005104404A - ハイブリッド車両の冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 インバータやコンバータに対する冷却性能を損なうことなく、駆動用モータや発電用モータに対する冷却性能を高めることにある。
【解決手段】 駆動用モータ21や発電用モータ22を車両前部に搭載し、インバータ60やコンバータ63を車両後部に搭載する。駆動用モータ21や発電用モータ22を冷却した冷却水は、ラジエータ71を介して冷却された後に、冷却配管74に案内されてインバータ60やコンバータ63に供給される。インバータ60やコンバータ63を冷却した冷却水を駆動用モータ21に案内する冷却配管73は、車両後部から車両前部に向けてフロアパネルの下方に配設される。冷却水は冷却配管73を通過する際に、インバータ60やコンバータ63から吸収した熱を外気に放出することができるため、インバータ60の通過直後よりも低い温度で冷却水を駆動用モータ21に供給することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】 駆動用モータ21や発電用モータ22を車両前部に搭載し、インバータ60やコンバータ63を車両後部に搭載する。駆動用モータ21や発電用モータ22を冷却した冷却水は、ラジエータ71を介して冷却された後に、冷却配管74に案内されてインバータ60やコンバータ63に供給される。インバータ60やコンバータ63を冷却した冷却水を駆動用モータ21に案内する冷却配管73は、車両後部から車両前部に向けてフロアパネルの下方に配設される。冷却水は冷却配管73を通過する際に、インバータ60やコンバータ63から吸収した熱を外気に放出することができるため、インバータ60の通過直後よりも低い温度で冷却水を駆動用モータ21に供給することができる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、ハイブリッド車両に搭載される冷却装置に関する。
ハイブリッド車両に搭載される駆動装置は、エンジン、駆動用モータ、発電用モータなどを備えている。駆動用モータにはインバータを介して高電圧バッテリからの電力が供給され、発電用モータによって発電された電力はインバータを介して高電圧バッテリに充電される。また、高電圧バッテリにはコンバータが接続されており、このコンバータを介して降圧された電力が各種電装品に供給される。
このような、発電用モータ、駆動用モータ、インバータおよびコンバータは、通電することによって発熱するため、安定した性能を発揮させるためには冷却が不可欠となる。そこで、発電用モータや駆動用モータを収容するケースには、ウォータジャケットが形成されており、インバータやコンバータにはウォータジャケットを備えるヒートシンクが取り付けられている。これらのウォータジャケットに冷却水を循環させることによって、発電用モータや駆動用モータなどの温度が所定範囲内に保たれている。
また、発電用モータや駆動用モータは、インバータやコンバータに比べて発熱量が多いため、発熱量の少ないインバータやコンバータに冷却水を案内した後に、発熱量の多い発電用モータや駆動用モータに冷却水を案内するようにした冷却装置が開発されている(たとえば、特許文献1参照)。これにより、温度が低い状態で冷却水をインバータやコンバータに案内することができ、発電用モータ、駆動用モータ、インバータおよびコンバータを効率良く冷却することができる。
特開平10−238345号公報(第3頁、図2)
しかしながら、発電用モータや駆動用モータに供給される冷却水は、初めにインバータやコンバータを冷却した冷却水であるため、発電用モータや駆動用モータを冷却する際には既に温度が上昇したものとなっていた。このため、システム全体としては効率良く冷却できるものの、発電用モータや駆動用モータの冷却効率を高めることは困難であった。
さらに、近年の駆動装置においては、駆動用モータや発電用モータの高出力化が図られており、駆動用モータや発電用モータの発熱量も増大している。このため、インバータやコンバータに対する冷却性能を損なうことなく、駆動用モータや発電用モータに対する冷却性能を高めることのできる冷却装置が所望されている。
本発明の目的は、インバータやコンバータなどに対する冷却性能を損なうことなく、モータに対する冷却性能を高めるようにしたハイブリッド車両の冷却装置を提供することにある。
本発明のハイブリッド車両の冷却装置は、エンジンとモータとを備えるハイブリッド車両の冷却装置であって、前記モータを車両前部に搭載する一方、電気機器を車両後部に搭載し、前記電気機器から前記モータに冷却媒体を案内する第1冷却配管と、前記モータからラジエータを介して再び前記電気機器に冷却媒体を案内する第2冷却配管とを形成し、車室を区画するフロアパネルの下方に前記第1冷却配管を配設することを特徴とする。
本発明のハイブリッド車両の冷却装置は、前記第1冷却配管と前記エンジンの排気管との間に、後輪に動力を伝達するプロペラシャフトを配置することを特徴とする。
本発明のハイブリッド車両の冷却装置は、前記第1冷却配管の上方に前記モータと前記電気機器とを接続する通電ケーブルを配置することを特徴とする。
本発明のハイブリッド車両の冷却装置は、前記第1冷却配管は、前記冷却媒体の冷却機能を備えることを特徴とする。
本発明によれば、フロアパネルの下方に配設された第1冷却配管により、車両後部の電気機器から車両前部のモータに冷却媒体を案内するようにしたので、モータに供給される冷却媒体の温度を低く抑えることができる。つまり、電気機器を冷却することにより温度上昇した冷却媒体の熱を、第1冷却配管を通過する際に外気に放出することができ、電気機器の通過直後よりも低い温度で冷却媒体をモータに供給することができる。しかも、第1冷却配管は車両後部から車両前部にかけて配設されるため、第1冷却配管の放熱面積を大きく設定することが容易となり、冷却媒体の温度を十分に低下させることができる。
また、第1冷却配管と排気管との間にプロペラシャフトを配置するようにしたので、排気管から放出される熱をプロペラシャフトによって遮断することができ、第1冷却配管を流れる冷却媒体の温度上昇を回避することができる。
さらに、第1冷却配管の上方に通電ケーブルを配設するようにしたので、分解整備時などにおいて通電ケーブルに対する冷却媒体の付着を防止することができ、安全性を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1はハイブリッド車両に搭載された本発明の一実施の形態である冷却装置10を示す概略図であり、図2はハイブリッド車両に搭載された駆動装置11の一部を示すスケルトン図である。
図1に示すように、車両前部にはエンジンルーム12が形成されており、車両後部にはトランクルーム13が形成されている。これらエンジンルーム12とトランクルーム13との間には車室14が形成されており、エンジンルーム12と車室14とはダッシュパネル15やフロアパネル16によって区画され、トランクルーム13と車室14とはシートバックサポート17やシェルフパネル18によって区画されている。また、フロアパネル16にはエンジンルーム12から車両後方に延びるフロアトンネル19が形成されており、エンジンルーム12からフロアトンネル19にかけて駆動装置11が縦置きに搭載されている。
図2に示すように、駆動装置11は2つの動力源としてエンジン20と駆動用モータ21とを備えており、エンジン20と駆動用モータ21との間には、発電用モータ22、フロントディファレンシャル機構23そして変速機24が設けられている。ギヤケース27に組み込まれる変速機24は相互に平行となる変速入力軸25と変速出力軸26とを備えており、変速入力軸25には入力クラッチ28と発電用モータ22とを介してエンジン20が連結される一方、変速出力軸26にはフロントディファレンシャル機構23と駆動用モータ21とが連結されている。
ギヤケース27の車両前方側にはジェネレータケース29が組み付けられており、このジェネレータケース29内に発電用モータ22が組み込まれている。発電用モータ22はロータ22aとステータ22bとを備えており、ロータ22aはエンジン20のクランク軸20aに連結され、ステータ22bはロータ22aを囲むようにジェネレータケース29に固定されている。ロータ22aはエンジン動力によって回転駆動されるため、エンジン20を始動することによって発電が可能となる。
また、クランク軸20aにはロータ22aを介してエンジン出力軸30が連結されており、エンジン出力軸30はエンジン動力によって駆動される。エンジン出力軸30と変速入力軸25との間には入力クラッチ28が設けられており、入力クラッチ28を締結することによってエンジン動力が変速入力軸25に伝達され、締結を解除することによってエンジン動力の伝達は遮断される。なお、この入力クラッチ28は、電磁コイル28aを励磁することによって締結状態に切り換えられ、励磁を解除することにより遮断状態に切り換えられる電磁クラッチとなっている。
変速入力軸25には2つの駆動歯車31a,32aが回転自在に設けられており、変速出力軸26には2つの従動歯車31b,32bが固定されている。それぞれの駆動歯車31a,32aと従動歯車31b,32bは相互に噛み合って低速段と高速段の変速歯車列を形成しており、変速入力軸25には低速段と高速段のいずれかを動力伝達状態に切り換える切換機構33が設けられている。この切換機構33はシンクロメッシュ機構となっており、変速入力軸25に固定されるシンクロハブ33aと、これに常時噛み合うシンクロスリーブ33bとを備えている。シンクロスリーブ33bを駆動歯車31aに噛み合わせると低速段が動力伝達状態となり、駆動歯車32aに噛み合わせると高速段が動力伝達状態となる。
入力クラッチ28を締結するとともに、低速段または高速段を動力伝達状態に切り換えることにより、変速出力軸26はエンジン動力によって駆動される。このような変速出力軸26の一端には、フロントディファレンシャル機構23のリングギヤ34に噛み合うドライブピニオンギヤ35が固定されており、変速出力軸26を経たエンジン動力がフロントディファレンシャル機構23を介して左右の前輪に分配されるようになっている。
また、ギヤケース27内には変速出力軸26に平行となって連結軸36が回転自在に収容されている。連結軸36には伝達歯車37が固定されており、この伝達歯車37に常時噛み合う伝達歯車38が変速出力軸26に固定されている。なお、変速出力軸26と連結軸36とは車幅方向にずれており、作図の便宜上、図2において連結軸36と伝達歯車37とは破線で示している。
ギヤケース27の車両後方側にはモータケース40が取り付けられており、このモータケース40内に駆動用モータ21が組み込まれている。駆動用モータ21はロータ21aとステータ21bとを備えており、ステータ21bはロータ21aを囲むようにモータケース40に固定されている。ロータ21aに固定されるモータ駆動軸21cは、ロータ21aの両端からそれぞれ突出するようになっており、モータ駆動軸21cの一端が連結軸36にスプライン結合されている。このように、変速出力軸26にはモータ駆動軸21cが連結されており、駆動用モータ21を駆動することによって、変速出力軸26にはエンジン動力だけでなくモータ動力の伝達が可能となっている。
また、モータケース40の車両後方側にはトランスファケース41が取り付けられており、トランスファケース41内には後輪50に対して動力を伝達するトランスファ機構42が組み込まれている。トランスファ機構42は、モータ駆動軸21cの他端にスプライン結合されるトランスファ入力軸43と、これに平行に配置されるトランスファ出力軸44とを備えている。トランスファ入力軸43とトランスファ出力軸44とは歯車列45を介して噛み合っており、モータ駆動軸21cからの動力はトランスファ出力軸44に伝達されるようになっている。
トランスファケース41より突出するトランスファ出力軸44の端部には、ジョイント48がスプライン結合されており、図1に示すように、このジョイント48にはリヤディファレンシャル機構49を介して後輪50を駆動するプロペラシャフト51が連結されている。また、トランスファケース41内にはトルク配分機構として、トランスファ出力軸44上に組み込まれる電子制御式のカップリング52が収容されている。このカップリング52は電磁コイル52aを励磁することによって締結状態に切り換えられ、励磁を解除することにより遮断状態に切り換えられる電磁クラッチとなっている。
電磁コイル52aを励磁してカップリング52を締結状態に切り換えることにより、前輪だけでなく後輪50に対しても動力を伝達することができる。しかも、電磁コイル52aに対する通電電流の大きさに応じてカップリング52の締結力を制御することができるため、車両の走行状態に応じて前後輪間のトルク分配比を100:0〜50:50の範囲で設定することができる。
このような駆動装置11に組み込まれた駆動用モータ21を駆動制御するため、図2に示すように、駆動用モータ21は電気機器であるインバータ60を介して高電圧バッテリ61に接続されている。高電圧バッテリ61からの直流電流は、インバータ60によって交流電流に変換された後に駆動用モータ21のステータコイル21dに供給される。インバータ60はステータコイル21dに供給する電力の周波数や電圧を調整することにより、走行状況に応じて駆動用モータ21の駆動状態を制御することができる。
また、発電用モータ22のステータコイル22cもインバータ60を介して高電圧バッテリ61に接続されており、発電された交流電流はインバータ60によって直流電流に変換されて高電圧バッテリ61に充電される。さらには、インバータ60を介して発電用モータ22に電力を供給することができるため、発電用モータ22をスタータモータとして作動させることができ、発電用モータ22によってエンジン20を始動させることができる。なお、各種電装品62には電気機器であるDC/DCコンバータ63(以下、コンバータという。)を介して高電圧バッテリ61が接続されており、各種電装品62に供給される電力はコンバータ63によって所定の電圧(たとえば、12V)に降圧される。
駆動用モータ21や発電用モータ22に接続されるインバータ60は車両後部に搭載されており、発電用モータ22のステータコイル22cとインバータ60とを接続する通電ケーブル64は、図1に示すように、車両後部に向けてフロアトンネル19に配設される。同様に、駆動用モータ21のステータコイル21dとインバータ60とを接続する通電ケーブル65も、車両後部に向けてフロアトンネル19に配設されている。なお、高電圧バッテリ61と各種電装品62との間に設けられるコンバータ63も車両後部に搭載されている。
続いて、車両に搭載される冷却装置10について説明する。図3は冷却装置10の循環流路を示す説明図である。図3に示すように、冷却装置10としては、内燃機関であるエンジン20を冷却するエンジン冷却系と、発電用モータ22、駆動用モータ21、インバータ60およびコンバータ63を冷却するモータ冷却系とが設けられている。エンジン冷却系とモータ冷却系とにそれぞれ形成される循環流路は別系統となっており、これらの循環流路を介してエンジン20や発電用モータ22などには冷却媒体である冷却水が案内される。
図1および図3に示すように、エンジンルーム12内の駆動装置11前方には、エンジン用ラジエータ70とモータ用ラジエータ71とが設けられている。これらのラジエータ70,71は、冷却水を案内する図示しない複数のチューブを備えており、相互に平行となるチューブ間には図示しない放熱フィンが取り付けられている。この放熱フィンの間に冷却風を流すことにより、冷却水の熱を冷却風に放出することができる。なお、図1および図3において、ラジエータ70,71に冷却風を送り込む冷却ファンは省略して図示している。
図3に破線の矢印で示すように、エンジン20とラジエータ70とは冷却配管72a,72bによって接続されており、これらの冷却配管72a,72bによってエンジン冷却系の循環流路が形成されている。冷却配管72aには図示しないポンプが設けられており、ポンプを駆動することによってエンジン20とラジエータ70との間で冷却水を循環させることができる。エンジン20内を通過する際に冷却水によって吸収された熱は、冷却水がラジエータ70を通過する際に冷却風に放出されるため、冷却水を所定の温度範囲に保つことができ、エンジン20を所定の温度範囲に保つことができる。なお、エンジン20を形成するシリンダヘッドやシリンダブロックには、冷却水を案内するための図示しないウォータジャケットが形成されている。
続いて、図3に実線の矢印で示すように、インバータ60と駆動用モータ21とは第1冷却配管73を介して接続されており、発電用モータ22とコンバータ63とはラジエータ71が組み込まれた第2冷却配管74を介して接続されている。また、コンバータ63とインバータ60とは冷却配管75を介して接続されており、駆動用モータ21と発電用モータ22とは冷却配管76を介して接続されている。このように、ラジエータ71、コンバータ63、インバータ60、駆動用モータ21および発電用モータ22は、冷却配管73〜76を介して直列に接続されており、これらの冷却配管73〜76によってモータ冷却系の循環流路が形成されている。
また、ラジエータ71とコンバータ63とを接続する冷却配管74にはポンプ77が設けられており、ラジエータ71とポンプ77との間にはタンク78が設けられている。このポンプ77を駆動することにより、冷却水はコンバータ63およびインバータ60に案内され、コンバータ63およびインバータ60を通過した後に駆動用モータ21および発電用モータ22に案内される。そして、駆動用モータ21および発電用モータ22を通過した冷却水は、ラジエータ71を通過することによって放熱した後に、タンク78を介して再びポンプ77に供給されることになる。なお、冷却水が注水されるタンク78は循環流路の中で最も高い位置に搭載されており、タンク78からモータ冷却系の循環流路に冷却水を充填することができる。また、タンク78よりも下流側にポンプ77を設けることにより、タンク78から冷却水を溢れ出させることなく冷却水を循環させることができる。
循環する冷却水によって駆動用モータ21や発電用モータ22を冷却するため、図2に示すように、発電用モータ22を収容するジェネレータケース29や、駆動用モータ21を収容するモータケース40には、ウォータジャケット29a,40aが形成されている。また、インバータ60やコンバータ63を冷却するため、インバータ60やコンバータ63には図示しないヒートシンクが組み付けられ、このヒートシンクにもウォータジャケットが形成されている。これらのウォータジャケット29a,40aに冷却水を案内することにより、通電によって発熱するコンバータ63、インバータ60、駆動用モータ21および発電用モータ22を冷却して所定の温度範囲に保つことができる。なお、ジェネレータケース29やモータケース40は放熱性の良いアルミニウム製となっている。
このようなウォータジャケット29a,40aに案内される冷却水は、ラジエータ71を経て冷却された後に、まず、発熱量の少ないコンバータ63やインバータ60に供給され、続いて、発熱量の多い駆動用モータ21や発電用モータ22に供給されることになる。このため、コンバータ63やインバータ60とこれらを冷却する冷却水との温度差と、駆動用モータ21や発電用モータ22とこれらを冷却する冷却水との温度差とを、それぞれ適切に設定することができ、コンバータ63、インバータ60、駆動用モータ21および発電用モータ22のそれぞれを効率良く冷却することができる。
しかも、車両後部に搭載されたインバータ60から車両前部に搭載された駆動用モータ21に冷却水を案内する冷却配管73は、図1に示すように、フロアパネル16に形成されたフロアトンネル19内に配設されるため、インバータ60を通過した直後に駆動用モータ21に冷却水が供給されることはなく、駆動用モータ21に供給される冷却水温を低く抑えることができる。
つまり、コンバータ63およびインバータ60の熱を吸収した冷却水は、冷却配管73を通過する際に外気に熱を放出するため、インバータ60通過直後よりも低い水温で冷却水を駆動用モータ21に供給することができる。また、冷却配管73は車両後部から車両前部にかけて配設されるため、冷却配管73の放熱面積を大きく設定することができ、十分に冷却水温を低下させることができる。このように、冷却水の冷却機能を備えた冷却配管73を介して、インバータ60から駆動用モータ21に冷却水を案内するようにしたので、駆動用モータ21や発電用モータ22の冷却効率を高めることができる。なお、冷却水の熱を外気に放出する冷却配管73は熱伝導性に優れた金属製が好適である。
また、図1および図3に示すように、フロアトンネル19内には冷却配管73だけでなく、エンジン20からの燃焼ガスを車両後方に排気する排気管79が設けられているが、進行方向を向いて設けられる冷却配管73と排気管79との間には、後輪50に動力を伝達するプロペラシャフト51が配置されるため、冷却配管73に対して放射される排気管79の熱による影響を抑制することができる。つまり、排気管79から放出される熱をプロペラシャフト51によって遮断することができ、排気管79による冷却配管73の温度上昇を回避することができる。これにより、冷却装置10の冷却性能を高く維持することができる。
さらに、図1に示すように、フロアトンネル19内に通電ケーブル64,65が配設されているが、この通電ケーブル64,65を冷却配管73の上方に配置するようにしたので、車両の安全性を高めることができる。つまり、冷却配管73や通電ケーブル64,65を分解整備する際にも、通電ケーブル64,65に対する冷却水の付着を防止することができ、高電圧の電力が流れる通電ケーブル64,65からの漏電を防止することができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。たとえば、図示する駆動装置11は、シリーズ・パラレル式のハイブリッド車両に搭載される駆動装置11であるが、シリーズ式やパラレル式のハイブリッド車両に搭載される駆動装置に本発明を適用するようにしても良い。また、四輪駆動用の駆動装置に限られることはなく、二輪駆動用の駆動装置に本発明を適用しても良い。
また、フロアトンネル19内には冷却配管73を配設するだけでなく、図1に示すように、冷却配管74を配設するようにしても良い。このように、フロアトンネル19内に冷却配管74を配設することにより、冷却配管73と同様に冷却水の熱を走行風などに伝達することができ、ラジエータ71を経た冷却水の温度を更に低下させてコンバータ63に案内することができる。これにより、モータ冷却系の冷却効率を更に高めることができる。
さらに、発電用モータ22や駆動用モータ21としては、三相交流モータが用いられているが、単相交流モータ、多相交流モータ、さらには直流モータであっても良い。
10 冷却装置
14 車室
16 フロアパネル
20 エンジン
21 駆動用モータ(モータ)
22 発電用モータ(モータ)
50 後輪
51 プロペラシャフト
60 インバータ(電気機器)
63 DC/DCコンバータ(電気機器)
64,65 通電ケーブル
71 モータ用ラジエータ(ラジエータ)
73 冷却配管(第1冷却配管)
74 冷却配管(第2冷却配管)
79 排気管
14 車室
16 フロアパネル
20 エンジン
21 駆動用モータ(モータ)
22 発電用モータ(モータ)
50 後輪
51 プロペラシャフト
60 インバータ(電気機器)
63 DC/DCコンバータ(電気機器)
64,65 通電ケーブル
71 モータ用ラジエータ(ラジエータ)
73 冷却配管(第1冷却配管)
74 冷却配管(第2冷却配管)
79 排気管
Claims (4)
- エンジンとモータとを備えるハイブリッド車両の冷却装置であって、
前記モータを車両前部に搭載する一方、電気機器を車両後部に搭載し、
前記電気機器から前記モータに冷却媒体を案内する第1冷却配管と、前記モータからラジエータを介して再び前記電気機器に冷却媒体を案内する第2冷却配管とを形成し、
車室を区画するフロアパネルの下方に前記第1冷却配管を配設することを特徴とするハイブリッド車両の冷却装置。 - 請求項1記載のハイブリッド車両の冷却装置において、前記第1冷却配管と前記エンジンの排気管との間に、後輪に動力を伝達するプロペラシャフトを配置することを特徴とするハイブリッド車両の冷却装置。
- 請求項1または2記載のハイブリッド車両の冷却装置において、前記第1冷却配管の上方に前記モータと前記電気機器とを接続する通電ケーブルを配置することを特徴とするハイブリッド車両の冷却装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の冷却装置において、前記第1冷却配管は、前記冷却媒体の冷却機能を備えることを特徴とするハイブリッド車両の冷却装置。
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