JP2005104172A - 後突用エアバッグ装置及びその取付構造 - Google Patents

後突用エアバッグ装置及びその取付構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 エアバッグの展開膨張方向を適正にガイドすることが容易な後突用エアバッグ装置及びその取付構造を提供する。
【解決手段】 後突用エアバッグ装置の装置本体13は、ルーフ12の後端部に折り畳み状態で固定されるエアバッグ15と、該エアバッグ15にガスを供給するインフレータ14とを備えている。ルーフパネル31の後端部下面には、鋼板により側断面L字状に形成されたL字板51が固定されている。このL字板51は、折り畳み状態のエアバッグ15の下方に配設される支持部53と、該支持部53をルーフパネル31に固定するための固定部52とからなる。支持部53は、ルーフヘッドライニング32に沿って延びる板状に形成されているうえ、最後部座席の上方全体を覆うように設けられている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、後突用エアバッグ装置及びその取付構造に関するものである。
従来より、この種の後突用エアバッグ装置としては、折り畳まれたエアバッグを、車両のルーフパネルとルーフヘッドライニングとの間の車両後端部に収容し、前記装置の作動時にはエアバッグを最後部座席の後方に展開膨張させる技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2002―362284号公報
ところが、前記従来の後突用エアバッグ装置では、前記ルーフヘッドライニングが車室内側の面全体を覆うように設けられていたことから、該ルーフヘッドライニングによりエアバッグの展開膨張方向を局所的にガイドする機能が若干弱かった。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、エアバッグの展開膨張方向を適正にガイドすることが容易な後突用エアバッグ装置及びその取付構造を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の後突用エアバッグ装置の取付構造の発明は、ルーフの後端部に折り畳み状態で固定されるエアバッグと、該エアバッグにガスを供給するガス供給部とを備え、ガス供給部から供給されるガスによりエアバッグを最後部座席の後方に展開膨張するように構成した後突用エアバッグ装置において、前記ルーフの後端部には、折り畳み状態のエアバッグの下方に配設される下方板と、該下方板をルーフに固定するための固定手段とを設けるように構成したものである。
この構成により、折り畳み状態のエアバッグが展開膨張する際には、該エアバッグの下端部が固定手段を介してルーフ後端部に固定された下方板に沿ってガイドされながらルーフの後方へと展開膨張する。このとき、前記下方板は、エアバッグにより下方側に押圧される力を受けるとともに、原位置に留まるための反作用をエアバッグに対して及ぼす。その結果、エアバッグの展開膨張方向が適正にガイドされ、該エアバッグを最後部座席の後方に適正に展開膨張すること容易となる。
請求項2に記載の後突用エアバッグ装置の取付構造の発明は、請求項1に記載の発明において、前記下方板を最後部座席の上方全体を覆うように設けたことを特徴とするものである。この構成により、折り畳み状態のエアバッグは、下方板に沿って最後部座席の後端部まで適正にガイドされながら展開膨張することから、エアバッグの展開膨張方向の適正化がより一層図られやすくなる。
請求項3に記載の後突用エアバッグ装置の取付構造の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記下方板を金属板により構成するとともに、前記固定手段を下方板の前端部又は両側部とルーフの上端部との間を繋ぐ金属製の架設部材により構成したことを特徴とするものである。この構成により、下方板及び固定手段が硬質材である金属により構成されていることから、エアバッグの展開膨張時にも下方板が原位置に確実に留まって、該エアバッグの展開膨張方向を適正にガイドすることができる。
請求項4に記載の後突用エアバッグ装置の取付構造の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記下方板及び固定手段を側断面L字状のL字板により構成したことを特徴とするものである。この構成により、著しく簡単な構成で、エアバッグの展開膨張方向をガイドする機能を容易に発揮させることができる。
請求項5に記載の後突用エアバッグ装置の取付構造の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記固定手段にエアバッグ及びガス供給部を固定したことを特徴とするものである。この構成は、エアバッグ、ガス供給部、下方板及び固定手段を一体化させることに主眼をおいている。そして、この構成により、車両の組立て工程において、前記エアバッグ、ガス供給部、下方板及び固定手段を一度の組付け作業で同時に組付けることが可能となる。従って、このエアバッグ装置を備えた車両の製造にかかる手間と時間を低減させるのが著しく容易となる。
請求項6に記載の後突用エアバッグ装置の発明は、ルーフの後端部に折り畳み状態で固定されるエアバッグと、該エアバッグにガスを供給するガス供給部とを備え、ガス供給部から供給されるガスによりエアバッグを最後部座席の後方に展開膨張するように構成した後突用エアバッグ装置であって、折り畳み状態のエアバッグの下方に配設される下方板と、該下方板をルーフに固定するための固定手段とを備えるとともに、前記固定手段にエアバッグ及びガス供給部が固定されていることを特徴とするものである。この構成により、エアバッグ、ガス供給部、下方板及び固定手段を一体化させ、車両の組立て工程においてそれら全てを一度の組付け作業で同時に組付けることが可能となる。従って、車両に組付けやすいエアバッグ装置を容易に提供することができる。
本発明によれば、エアバッグの展開膨張方向を適正にガイドすることが容易な後突用エアバッグ装置及びその取付構造を提供することができる。
以下、本発明を1ボックスタイプ又は2ボックスタイプの車両11に取着される後突用エアバッグ装置の取付構造に具体化した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、後突用エアバッグ装置は、車両11のルーフ12後端部に配設される装置本体13を備えている。この装置本体13は、ガスを発生するガス供給部としてのインフレータ14と、該インフレータ14で発生するガスにより展開膨張するエアバッグ15とを備えている。エアバッグ15は、折り畳まれた状態でインフレータ14の後方に設けられている。
この後突用エアバッグ装置は、前記装置本体13に加えて、インフレータ14におけるガスの発生を制御するセンサ21及び制御装置22を備えている。センサ21は、後部バンパ23などの車両11の後端部に配設されているうえ、前記制御装置22と電気的に接続されており、車両11に後方から所定値以上の衝撃が加えられたときに制御装置22に対して信号を出力する。制御装置22は、マイクロコンピュータにより構成され、センサ21及びインフレータ14に対しそれぞれ電気的に接続されている。この制御装置22は、センサ21からの信号が入力されたとき、インフレータ14に対してガスを発生させる作動信号を出力する。そして、前記作動信号がインフレータ14に出力されたとき、該インフレータ14からガスが発生し、図1及び図2に2点鎖線で示されるようにエアバッグ15を最後部座席24の後方にほぼ上下方向に延びるように展開膨張する。
図3に示すように、ルーフ12は、ほぼ水平方向に延びる鋼板からなるルーフパネル31と、該ルーフパネル31の下方においてルーフパネル31とほぼ平行に延びる平板状のルーフヘッドライニング32とを備えている。ルーフパネル31は車両11の外装部材を構成し、内装部材を構成するルーフヘッドライニング32は合成樹脂によりルーフ12の車室11a側の側面全体を覆うように設けられている。前記ルーフパネル31の後端部には、凹部33が凹設されている。この凹部33の上面には、ヒンジ機構34を介してバックドア35の上端部が回動可能に軸着されている。このバックドア35の上端部には、リアウインドウガラス36がほぼ上下方向に延びるように設けられている。
前記ルーフヘッドライニング32の後端部は、ルーフ12の後端部において、ルーフパネル31とルーフヘッドライニング32との間の上下の隙間を塞ぐように上下方向に延設されている。さらに、同ルーフヘッドライニング32の後端は、前記凹部33の後端部に取着されたシール用のウエザーストリップ37の基端部から突出するカバー片37a(ゴム又は熱可塑性エラストマー製)に係脱可能に係合されている。
ルーフパネル31の後端部下面には、鋼材により長棒状に形成されたルーフボウ41が車両11の左右方向へと延びるように固設されている。このルーフボウ41には、図示しない挿通孔が前後方向に貫設されている。このルーフボウ41の後方に位置するルーフパネル31の下面には、ルーフ12後端部の剛性を高めるためのインナーパネル42の前端部が固定されている。このインナーパネル42は、鋼板を折り曲げることにより下方に膨出するように形成されているうえ、凹部33の下面を取り囲みつつルーフパネル31の下面と凹部33の後端との間を前後方向に繋いでおり、ルーフパネル31とともに中空状のリアルーフレールを形成している。また、前記インナーパネル42の後端部は、凹部33の後端部とともに前記ウエザーストリップ37により被覆されている。
このインナーパネル42の前端部下面には、ブラケット43が第1ボルト44及び第1ナットにより固着されている。このブラケット43の先端部には、前記インフレータ14がインナーパネル42の前方に位置するように固定されている。さらに、前記ブラケット43の後方に位置するインナーパネル42の前端部下面には、前記エアバッグ15の基端部(前端部)が第2ボルト45及び第2ナットにより固定されている。
図4に示すように、エアバッグ15は、織布などの基布46により略四角形状をなす袋状に形成されている。このエアバッグ15は、展開膨張時には図4に2点鎖線で示されるように略四角板状に形成され、折り畳み時には図2〜図4に示されるようにルーフヘッドライニング32に沿って車両11の左右方向に延びる略長四角棒状に形成されている。このエアバッグ15の上端部(前端部)中央には、前記インフレータ14に接続されるガス供給管47が設けられている。このガス供給管47は、インフレータ14から発生するガスをエアバッグ15の基布46内へと供給する。
このエアバッグ15の上端部には、所定間隔をおいて複数の取付片48が設けられている。これら取付片48は、基布46と同じ材料により略四角形状に形成されているうえ、基布46の上端縁に沿って縫着されている。さらに、これら取付片48は、その中央部に円孔状の取付孔48aが設けられており、前記インナーパネル42の前端部下面に前記第2ボルト45及び第2ナットを介して固定されている(図3を参照)。その結果、折り畳み状態のエアバッグ15は、その上端部(前端部)がインナーパネル42に固定された状態で、該インナーパネル42とルーフヘッドライニング32との間の空間に前後方向に延びるように収納されている。
図3及び図5に示すように、前記ルーフボウ41には、鋼板をL字状に折り曲げることにより側断面L字状に形成されたL字板51が固着されている。このL字板51は、上下方向に延びる平板状に形成された固定手段及び架設部材としての固定部52と、ほぼ水平方向に延びる平板状に形成された下方板としての支持部53とから構成されている。なお、本実施形態におけるL字板51において、固定部52と支持部53とのなす角θは、90〜120°となるように構成されている。図5に示すように、固定部52の上端部には、ルーフボウ41に貫設された上記図示しない挿通孔と対応する位置に、複数の固定孔54が貫設されている。また、支持部53の前端部には、所定間隔をおいて左右方向に配置された複数の係止孔55が円孔状に貫設されている。
図3に示すように、前記固定部52は、前記固定孔54及びルーフボウ41の挿通孔内に固定ボルト56を挿通して固定ナットで螺着することにより、ルーフパネル31の下面に上下方向に延びるように固定されている。この固定部52は、インフレータ14及びエアバッグ15の前方を覆うように配設されているうえ、支持部53を所定位置に配置させるように固定する役割を果たす。
前記支持部53は、前記固定部52の下端から後方に延びるように配設されているうえ、エアバッグ15の下方全体を覆うようにルーフ12の後端部まで延設されている。さらに、この支持部53の後端は、最後部座席24の後端よりも後方に位置している。また、この支持部53は、合成樹脂製のクリップ57をルーフヘッドライニング32の下面から係止孔55内へと挿通することにより、該ルーフヘッドライニング32の後端部を添着させるようになっている。なお、前記クリップ57は、その先端部が係止孔55内に挿通された状態で抜止め係止されるように構成されている。
また、この支持部53の後部は、前記インナーパネル42の後部とほぼ平行に延びるように配設されているうえ、その上面に折り畳み状態のエアバッグ15を載置している。なお、前記支持部53の後部とほぼ平行に延設されたインナーパネル42の後部は上方板を構成する。さらに、この支持部53の後端縁は、インナーパネル42の後端部に対し上下方向に所定間隔離間しており、その間隔を通して折り畳み状態のエアバッグ15の展開膨張が行われるようになっている。また、前記折り畳み状態のエアバッグ15の上端部は、エアバッグ15の展開膨張方向を容易かつ適正にガイドするために、上方板としてのインナーパネル42の後部下面と近接しているのが好ましく、エアバッグ15の収まりが良好であることからインナーパネル42の後部下面と接しているのがより好ましい。
次に、上記後突用エアバッグ装置の作用について、以下に説明する。
本実施形態の後突用エアバッグ装置の装置本体13は、インフレータ14、エアバッグ15及びL字板51とから構成されている。この装置本体13を車両11のルーフ12後端部に取付ける際には、まず、予め所定の様式にて折り畳まれたエアバッグ15及びインフレータ14を第1及び第2ボルト44,45によりインナーパネル42の下面に固定した後、固定ボルト56をルーフボウ41の挿通孔及びL字板51上端部の固定孔54に挿通して固定ナットで螺着する。次に、ルーフヘッドライニング32を支持部53の下面に密着させ、クリップ57にて両者を固定する。なお、前記エアバッグ15は、展開膨張時の基布46の先端部が滑らかに展開膨張しやすい展開膨張方向先端部(後端部)に位置していることから、図3に示されるように側断面蛇腹状となるような様式で折り畳まれているのが好ましいが、この折り畳まれ方に限定される必要はない。
さて、この後突用エアバッグ装置を備えた車両11に後方から所定値以上の衝撃が加えられたとき、センサ21からの信号が制御装置22に入力され、該制御装置22がインフレータ14に作動信号を出力する。この作動信号がインフレータ14に入力されると、該インフレータ14は内部でガスを発生させる。発生したガスは、ガス供給管47を通って折り畳み状態のエアバッグ15の基布46内へと供給され、該エアバッグ15を図1及び図2に2点鎖線で示されるように最後部座席24の後方にほぼ上下方向に延びるように展開膨張させる。
前記折り畳み状態のエアバッグ15は、基布46内へのガスの供給により、通常はその基端部(折り畳み状態の前端部)側から先端部(折り畳み状態の後端部)側へと順に膨出される。しかしながら、この折り畳み状態のエアバッグ15の上下には、いずれも鋼板からなるインナーパネル42及び支持部53がエアバッグ15の上下端部とほぼ接する位置に配設されており、エアバッグ15の基端部側の膨出を適切に抑えて先端部側へのガスの送り込みを容易に促進させる。さらに、この折り畳み状態のエアバッグ15は、著しく剛性の高いリアルーフレール(ルーフパネル31の後端部及びインナーパネル42からなる)に進路を阻まれて下方に展開膨張する力が作用するが、鋼材からなる支持部53の上面に規制されつつ支持部53に沿って適切な方向である後方側へと展開膨張が行われる。
前記実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 実施形態の後突用エアバッグ装置の取付構造は、折り畳み状態のエアバッグ15の下方に鋼板からなる支持部53が該エアバッグ15の展開膨張方向に沿うように延設されている。このため、このエアバッグ15が展開膨張する際には、硬質材からなる支持部53の上面が折り畳み状態のエアバッグ15の下端部と当接することにより、該エアバッグ15が略重力方向である下方側に展開膨張するのが極めて効果的に規制される。その結果、折り畳み状態のエアバッグ15は、ルーフヘッドライニング32の後端部から車室11a内後端へと適正にガイドされながら展開膨張することができる。さらにこのとき、前記支持部53は、エアバッグ15がルーフヘッドライニング32を車室11a側(下方)へと押圧する力を極めて効果的に抑えることと、クリップ57でルーフヘッドライニング32を保持していることから、ルーフヘッドライニング32が車室11a内側に膨出しにくくなる。特に、展開膨張途中のエアバッグ15がリアウインドウガラス36の上端部と極めて近接した位置を通りながら下方に展開されることは特筆に値する。
さらに、この取付構造では、前記支持部53が鋼材からなる固定部52を介して所定位置に固定されるとともに所定方向に延設されるようにルーフパネル31に固定されている。このため、前記支持部53は、いずれも硬質材からなるルーフパネル31及び固定部52によってその配設位置や延設方向が強固に固定されていることから、エアバッグ15の展開膨張時にもその配設位置及び延設方向の変更が抑えられ、原位置をそのまま維持し続ける。従って、支持部53がエアバッグ15の展開膨張方向を適正にガイドする機能は極めて効果的に発揮される。
・ 支持部53が最後部座席24の上方全体を覆うように設けられていることから、折り畳み状態のエアバッグ15の展開膨張方向を展開膨張の初期から中期に渡って継続的にガイドすることができる。特に、本実施形態の車両11のようにルーフパネル31とバックドア35とが急角度となっている(バックドア35がほぼ鉛直方向に延設されている)場合には、車室11a後端部の形状に沿うようにエアバッグ15が側面逆L字状に展開膨張するのが好ましい。この意味から、前記支持部53の後端縁は、前記側面逆L字状に展開膨張するエアバッグ15の屈曲点と一致した位置に設けられている点は特筆すべき点である。その結果、前記折り畳み状態のエアバッグ15は、最後部座席24の後方から車室11a内へとその展開膨張角度を劇的に変更して展開膨張するのが極めて容易となる。
(変形例)
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 支持部53の後端を折り畳み状態のエアバッグ15の前後方向中央部に位置するように配設してもよい。即ち、前記支持部53は、折り畳み状態のエアバッグ15の前端から中央部の下方を覆うように設けられていてもよい。なおこのとき、前記支持部53の後端は、最後部座席24の上方全体を覆っているのが好ましい。このように構成した場合でも、エアバッグ15の展開膨張初期において該エアバッグ15の展開膨張方向を適正化させることができることから、エアバッグ15の展開膨張全体に渡ってその展開膨張方向を適正にガイドすることが容易となる。
・ L字板51の固定部52をルーフパネル31の下面から斜め前方又は斜め後方に延びるように垂下させてもよい。なおこのとき、前記角θは90〜120°でなくても構わない。
・ 固定部52の下端部と支持部53の前端部との間を、側面からみたときに滑らかな曲面形状(いわゆるアール形状)となるように形成してもよい。
・ 図6に示すように、固定部52の上端部に後方に延びる添着板71を設け、該添着板71をルーフパネル31の下面に沿って固定する構成を採用してもよい。なお、前記添着板71は、固定部52の上端縁全体に沿って設けられていてもよく、或いは固定部52の上端縁両側部のみに設けられていてもよい。このとき、前記添着板71は固定部52とともに固定手段を構成する。また、前記添着板71は、固定部52の上端部から前方に延びるように構成されていても構わない。このように構成した場合、エアバッグ15の展開膨張方向を適正にガイドする機能を極めて効果的に発揮させることができる。
・ 図6に示される添着板71を固定部52の上端縁から後方に延びるように形成するとともに、該添着板71の後端部にインナーパネル42の下面に固定するための固定手段を構成する固定部材72を設けるように構成してもよい。前記固定部材72は、インナーパネル42の前端部下面に沿う板状部材73と、該板状部材73をインナーパネル42に固定するための固定ネジ74及び樹脂グロメット75とにより構成される。このように構成した場合、エアバッグ15の展開膨張方向を適正にガイドする機能を極めて効果的に発揮させることができる。また、前記固定部材72を、折り畳み状態のエアバッグ15の上方を覆うとともに、インナーパネル42に沿って延設された板状に形成してもよく、この場合には折り畳み状態のエアバッグ15の展開膨張をガイドする上記リアルーフレール(上方板)と同等の機能を果たすことができる。
・ ルーフパネル31の両側部、インナーパネル42の両側部、前記添着板71の両側部又は前記板状部材73の両側部と、支持部53の両側部との間を上下方向に繋ぐ架設部材を設けること。前記架設部材は、例えば、インフレータ14又は折り畳み状態のエアバッグ15の両側方に配設される上下方向に延びる架設板76(図5に2点鎖線で示される)により構成される。なお、図5に示される架設板76は、支持部53の両側縁と、インナーパネル42の両側縁、前記添着板71の両側縁及び前記板状部材73の両側縁との間を上下方向及び前後方向全体に繋ぐように形成されている。なおこのとき、L字板51の固定部52を省略しても構わない。また、前記架設部材は、支持部53の右端部又は左端部のみ設けられているだけでもよい。このように構成した場合、エアバッグ15の展開膨張方向を適正にガイドする機能を極めて効果的に発揮させることができる。
・ 図6に示されるように、インフレータ14を固定部52に固定させるように構成してもよい。なおこのとき、インフレータ14の前端部には第3ボルト77が車両前方に延びるように固設されている。そして、このインフレータ14は、前記第3ボルト77を固定部52に貫設された図示しない固定孔内に挿通した状態で第3ナット78を螺着することにより固定部52に固定されるようになっている。また、インフレータ14を前記添着板71又は板状部材73に固定させるように構成しても構わない。
・ 図6に示されるように、折り畳み状態のエアバッグ15を前記固定部材(板状部材73)に固定させるように構成してもよい。このエアバッグ15は、例えば、前記固定ネジ74及び樹脂グロメット75により板状部材73に固定される。また、折り畳み状態のエアバッグ15を固定部52又は前記添着板71に固定させるように構成しても構わない。特に、前記インフレータ14及び折り畳み状態のエアバッグ15は、L字板51の固定部52に固定するのが好ましく、この場合には、L字板51への取付け作業が容易であるうえ、取付け状態におけるL字板51全体の薄型化(上下方向に薄型化されやすい)を図るのが極めて容易である。
・ 図6に示されるように、折り畳み状態のエアバッグ15の少なくとも後端部(好ましくは後端部及び上端部、更に好ましくは後端部、上端部及び両側部)をシートやフィルム79などで覆ってもよい。またこのとき、折り畳み状態のエアバッグ15は、支持部53の上面に載置されていなくてもよく、例えば、折り畳み状態のエアバッグ15全体をシートやフィルム79などでラッピングした状態で、該エアバッグ15をインナーパネル42の下面から吊下させる構成を採用してもよい。
・ 図6に示されるように、装置本体13をユニット化し、該ユニット化した装置本体13を組立て時の車両11に組付けるように構成すること。このとき、ユニット化された装置本体13は、インフレータ14、折り畳み状態のエアバッグ15及びL字板51を備え、必要に応じて前記添着板71、固定部材(板状部材73)及び架設部材(架設板76)から選ばれる少なくとも1種が設けられている。またこのとき、折り畳み状態のエアバッグ15を含む装置本体13全体がシートやフィルム79などでラッピングされているのが好ましい。
・ L字板51を鋼材以外の金属からなる金属板により構成してもよく、或いは繊維強化プラスチック(FRP)などの硬質材により構成してもよい。
・ ルーフヘッドライニング32とL字板51の支持部53とをクリップ57により係止する代わりに、例えば接着剤により接着する構成を採用してもよい。
・ 1ボックスタイプ又は2ボックスタイプの車両11以外にも、3ボックスタイプの車両において具体化してもよい。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記下方板をルーフヘッドライニングに沿って延びるように構成するとともに、該ルーフヘッドライニングの後端部を下方板に係止するように構成したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の後突用エアバッグ装置の取付構造。
・ 前記折り畳み状態のエアバッグの上方に配設される上方板を設けたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の後突用エアバッグ装置の取付構造。前記折り畳み状態のエアバッグの上方に配設される上方板を設け、該上方板の下面を折り畳み状態のエアバッグの上端部と接するように配設したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の後突用エアバッグ装置の取付構造。これらのように構成した場合、エアバッグの展開膨張方向をより一層適正にガイドすることが容易である。
・ 前記下方板の後端部をリアルーフレールの後端部まで延設したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の後突用エアバッグ装置の取付構造。
・ 前記下方板をリアルーフレールに対し前後方向に平行に延びるように構成したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の後突用エアバッグ装置の取付構造。前記下方板をリアルーフレールに対し前後方向に平行に延びるように構成するとともに、折り畳み状態のエアバッグの上下端部を下方板及びリアルーフレールと当接可能に構成したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の後突用エアバッグ装置の取付構造。これらのように構成した場合、折り畳み状態のエアバッグの展開膨張方向を下方板及びリアルーフレールの両方によって適正にガイドすることができる。
実施形態の車両の後部を示す側面図。 実施形態の車両を示す背面図。 図2の3−3線から見た車両の一部を示す側断面図。 実施形態のエアバッグを示す正面図。 実施形態のL字板を示す斜視図。 実施形態以外の車両の一部を示す側断面図。
符号の説明
12…ルーフ、13…後突用エアバッグ装置を構成する装置本体、14…ガス供給部としてのインフレータ、15…エアバッグ、24…最後部座席、51…L字板、52…固定手段及び架設部材としての固定部、53…下方板としての支持部、71…固定手段を構成する添着板、72…固定手段を構成する固定部材、76…固定手段及び架設部材としての架設板。

Claims (6)

  1. ルーフの後端部に折り畳み状態で固定されるエアバッグと、該エアバッグにガスを供給するガス供給部とを備え、ガス供給部から供給されるガスによりエアバッグを最後部座席の後方に展開膨張するように構成した後突用エアバッグ装置において、
    前記ルーフの後端部には、折り畳み状態のエアバッグの下方に配設される下方板と、該下方板をルーフに固定するための固定手段とを設けるように構成した後突用エアバッグ装置の取付構造。
  2. 前記下方板を最後部座席の上方全体を覆うように設けたことを特徴とする請求項1に記載の後突用エアバッグ装置の取付構造。
  3. 前記下方板を金属板により構成するとともに、前記固定手段を下方板の前端部又は両側部とルーフの上端部との間を繋ぐ金属製の架設部材により構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の後突用エアバッグ装置の取付構造。
  4. 前記下方板及び固定手段を側断面L字状のL字板により構成したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の後突用エアバッグ装置の取付構造。
  5. 前記固定手段にエアバッグ及びガス供給部を固定したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の後突用エアバッグ装置の取付構造。
  6. ルーフの後端部に折り畳み状態で固定されるエアバッグと、該エアバッグにガスを供給するガス供給部とを備え、ガス供給部から供給されるガスによりエアバッグを最後部座席の後方に展開膨張するように構成した後突用エアバッグ装置であって、
    折り畳み状態のエアバッグの下方に配設される下方板と、該下方板をルーフに固定するための固定手段とを備えるとともに、前記固定手段にエアバッグ及びガス供給部が固定されていることを特徴とする後突用エアバッグ装置。
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