JP2010235043A - エアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エアバッグ装置のインフレータの衝撃吸収特性を良好にする。
【解決手段】カーテンエアバッグ装置について、インフレータ20を、ブラケット22で車体3のルーフサイドレール5aに取り付ける。インフレータ20は、インフレータ本体部45の外周面に取付ボルト46を固着する。ブラケット22は、車体3に取り付けるブラケット基部50と、このブラケット基部50から上側に突設した支持片部51とを備える。支持片部51は、自由端である先端部に設けたインフレータ取付部55を備える。インフレータ取付部55に取付ボルト46を固定し、片持ちでインフレータ20を支持する。インフレータ20に乗員が当接すると、ブラケット22が車体3側に変形し、衝撃を吸収する。
【選択図】図1
【解決手段】カーテンエアバッグ装置について、インフレータ20を、ブラケット22で車体3のルーフサイドレール5aに取り付ける。インフレータ20は、インフレータ本体部45の外周面に取付ボルト46を固着する。ブラケット22は、車体3に取り付けるブラケット基部50と、このブラケット基部50から上側に突設した支持片部51とを備える。支持片部51は、自由端である先端部に設けたインフレータ取付部55を備える。インフレータ取付部55に取付ボルト46を固定し、片持ちでインフレータ20を支持する。インフレータ20に乗員が当接すると、ブラケット22が車体3側に変形し、衝撃を吸収する。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば、自動車の側部の窓部に沿って展開するエアバッグ装置に関する。
従来、ガスを導入して膨張展開するエアバッグを備えたエアバッグ装置について、自動車の車室の側部のドアの窓部などに沿ってエアバッグを展開するいわゆるカーテンエアバッグ装置が知られている。このようなエアバッグ装置のエアバッグ、すなわちカーテンエアバッグは、通常時は細長く折り畳まれ、窓部の上縁部のルーフサイド部に沿って配置されている。そして、側面衝突や横転(ロールオーバー)などの衝撃を受けた際に、インフレータからガスが供給され、カーテンエアバッグが側部の窓部などに沿って上側から下方に展開して、乗員を拘束して保護する。また、インフレータは、細長い柱状をなし、ブラケットを介して車体に取り付けられているとともに、パイプを介してエアバッグに接続されている。
このようなエアバッグにおいて、インフレータの本体部に、ブラケットを溶接して一体的に取り付け、インフレータの運搬及び取付作業性の向上を図った構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記従来のように、インフレータの本体部にブラケットを一体的に取り付ける構成では、衝撃を受けた際のブラケットの偏倚可能な領域が狭く、衝撃吸収特性の向上が容易でない。ここで、インフレータを乗員の頭部から離間して配置すると、インフレータがエアバッグの膨張部分から離間して配置されることになり、ガスの到達距離が大きくなって、エアバッグの展開特性に影響が生じる。また、インフレータをエアバッグの膨張部分に近接して、すなわち乗員の頭部に近接して配置するとともに、このインフレータを衝撃吸収構造体で覆う構成が考えられるが、部品点数が増加し、製造コストが上昇する問題を有している。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、エアバッグの展開特性を容易に良好にできるエアバッグ装置を提供することを目的とする。
請求項1記載のエアバッグ装置は、車体の被設置部に設置され、前記車体と乗員の頭部との間にエアバッグを展開して前記乗員の頭部を保護するエアバッグ装置であって、前記エアバッグにガスを供給するガス供給部を設けたインフレータ本体部、及びこのインフレータ本体部から突設された取付軸部を備えたインフレータと、前記インフレータの反乗員側に離間して前記車体に取り付けられる車体取付部、前記取付軸部が取り付けられるインフレータ取付部、これら車体取付部とインフレータ取付部とを連結しかつ反乗員側に変形可能な連結部を備えたブラケットとを具備したものである。
請求項2記載のエアバッグ装置は、請求項1記載のエアバッグ装置において、ブラケットは、車体取付部から突設され自由端である先端部をインフレータ取付部とした支持片部を備えたものである。
請求項3記載のエアバッグ装置は、請求項1または2記載のエアバッグ装置において、インフレータ本体部は、エアバッグの内側に配置され、取付軸部は、前記エアバッグを貫通してインフレータ取付部に取り付けられたものである。
請求項4記載のエアバッグ装置は、請求項1ないし3いずれか一記載のエアバッグ装置において、被設置部は、車室の側部上縁部のルーフサイド部であり、エアバッグは、前記ルーフサイド部に沿って折り畳んで収納され、ガスが供給されて前記車室の側部に沿って展開し、インフレータ本体部は、細長い棒状をなして前記ルーフサイド部に沿って配置され、取付軸部は、前記インフレータ本体部の周面から略上方に突設され、インフレータ取付部は、前記インフレータ本体部の上部に沿って配置されたものである。
請求項1記載のエアバッグ装置によれば、インフレータのガス供給部からガスを供給することにより、エアバッグが車体と乗員の頭部との間に展開して乗員の頭部を保護する。インフレータは、反乗員側に変形可能な連結部を備えたブラケットにより支持されるため、乗員がインフレータに当接した場合に、インフレータが反乗員側に移動して衝撃を吸収し、乗員を保護できる。インフレータを乗員の頭部に近接して配置することが可能になり、頭部を保護する部分に迅速にガスを供給可能となり、エアバッグの展開特性を容易に向上できる。インフレータを覆う衝撃吸収部材を削減でき、製造コストを低減できる。
請求項2記載のエアバッグ装置によれば、請求項1記載の効果に加え、ブラケットは、片持ち構造でインフレータを支持する支持片部を備えたため、簡略な構成で、インフレータを反乗員側に移動させて衝撃を吸収する構成を実現できる。
請求項3記載のエアバッグ装置によれば、請求項1または2記載の効果に加え、インフレータ本体部をエアバッグの内側に配置したため、エアバッグに迅速にガスを供給可能となり、エアバッグの展開特性を容易に向上できる。インフレータの取付軸部をエアバッグを貫通してインフレータ取付部に取り付けたため、インフレータとこのインフレータ用のブラケットとでエアバッグを挟持し、エアバッグを保持できる。インフレータ用のブラケットでエアバッグを保持することにより、構造を簡略化し、製造コストを低減できる。
請求項4記載のエアバッグ装置によれば、請求項1ないし3いずれか一記載の効果に加え、細長い棒状をなすインフレータ本体部をルーフサイド部に沿って配置することにより、空間の効率良くインフレータを配置できる。インフレータの取付軸部を略上方に突設し、インフレータ本体部の上部に沿って配置されたインフレータ取付部に取り付けることにより、取付軸部及びブラケットがエアバッグの展開や乗員に干渉することを防止できる。
以下、本発明のエアバッグ装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1ないし図5において、1はエアバッグで、このエアバッグ1を備えたエアバッグ装置2は、カーテンエアバッグ装置、カーテンエアバッグモジュール、あるいは頭部保護用エアバッグ装置などとも呼ばれるもので、車両としての自動車を構成する車体3の車室4の被設置部である側部上縁部としてのルーフサイド部5に配置されている。そして、このエアバッグ1は、カーテンエアバッグ、側突用エアバッグ、インフレータブルカーテン、あるいは頭部保護用エアバッグなどとも呼ばれるもので、側面衝突の衝撃を受けた際や横転(ロールオーバー)の際などに、被保護物としての座席に着席した乗員の側方にほぼ面状に展開し、乗員を保護するようになっている。
なお、以下、前後方向、車幅方向である両側方向、上下方向などの方向は、車体3の直進方向を基準とし、前側方向(図2に示す矢印F方向)、上方(図1及び図2に示す矢印U方向)、外方(図1に示す矢印W方向)などを説明する。また、図1におけるAは乗員の頭部を模したダミーである。
そして、この自動車の車体3は、車室4内に乗員が着座可能な前席及び後席を備え、これら前席及び後席に対応して、開口可能な窓部(サイドウィンドウ)8を備えたドアが設けられている。また、車室の両側の側部10には、前側(図2における左側)から順に、Aピラーとも呼ばれるフロントピラー11、Bピラーとも呼ばれるセンターピラー12、Cピラーとも呼ばれるリアピラー13が設けられている。そして、これら窓部8、ドア及び各ピラー11,12,13などにより、車室の両側部10に所定面14が構成されている。また、これらピラー11,12,13の上側、すなわち窓部8の一縁部である上縁部に、車体パネルを構成する被取付部材であるルーフサイドレール5aが設けられ、このルーフサイドレール5aを介して天井部としての天井パネルが支持されている。また、両側のフロントピラー11の前側にはフロントガラス(フロントウインドシールド)が設けられ、両側のリアピラー13の後側にはリアガラスが設けられている。そして、ルーフサイド部5は、天井パネルの両側の縁部の部分から、この縁部の部分と交差する方向に伸びるフロントピラー11及びリアピラー13のほぼ全長にかかる部分にまで設定され、これら天井パネルの縁部の部分とフロントピラー11及びリアピラー13とで仮想的に構成される弧の内側に、エアバッグ1が展開する所定面14が設定される。
なお、ここで、センターピラー12とは、前席及び後席の間の部分の側方の側部10に位置し前後の端部のピラーではないピラーであり、展開したエアバッグ1に覆われるピラーを示す。また、車両の種類によっては、片側に例えば4本以上のピラーを備える場合があるが、前から3本目以後のピラーは、リアピラー13として説明する。
そして、エアバッグ装置2は、前席及び後席の乗員を保護可能な、いわゆる前後席用エアバッグであり、車体パネルとヘッドライニング15となどに囲まれたルーフサイド部5すなわち車体3のドア開口部の上縁に沿って細長く折り畳んで収納されたエアバッグ1と、後席の上部に位置してエアバッグ1内に配置されこのエアバッグ1に膨張のためのガスを供給するインフレータ20と、このインフレータ20を支持するブラケット22と、エアバッグ1の前端部に連結されたテザーベルトなどとも呼ばれるストラップ24となどを備えている。また、このエアバッグ装置2は、必要に応じて、折り畳んだエアバッグ1に沿って取り付けられて展開時にエアバッグ1を保護する樹脂製のプロテクタ、及び折り畳んだエアバッグ1の形状を保持する破断可能な筒状あるいはひも状の形状保持部材としてのスリーブなどが備えられている。
そして、エアバッグ1は、単数あるいは複数の基布を組み合わせ、例えば1枚の基布を折り返し、あるいは2枚の基布を重ねて接合して、扁平な袋状に形成されたエアバッグ本体部31と、このエアバッグ本体部31の複数カ所から延設された図示しない取付片部となどを備え、細長く折り畳んでルーフサイド部5に収納される。
例えば、エアバッグ本体部31は、車室4側に配置される内側の基布部と車体3側である外側に配置される外側の基布部とを重ね、接合部である所定の縫製部で縫い合わせ、ガスが流入して膨張展開する袋状の膨張部35と、この膨張部35に連通するインフレータ配置部36と、ガスが流入せず膨張展開しない非膨張部37となどが設けられている。
そして、膨張部35は、中空部である気室であり、図2に示すように、連通路40、第1の気室41、及び第2の気室42を備えている。
そして、連通路40は、エアバッグ本体部31の上縁部に沿って前後方向を長手方向として設けられ、エアバッグ1をルーフサイド部5のルーフサイドレール5aに取り付けた状態では、前席と後席との間の部分から後席上方の側部10に位置し、エアバッグ1が展開すると、センターピラー12及びセンターピラー12の後側の部分を覆うようにして、ルーフサイドレール5aの長手方向に沿って弧状に展開する。また、第1の気室41は、連通路40の前側に連通し、展開時に前席の乗員の側方に対向して展開する前席保護部となっている。一方、第2の気室42は、連通路40の後側に連通し、展開時に後席の乗員の側方に対向して展開する後席保護部となっている。
また、インフレータ配置部36は、連通路40から上側に分岐し、さらに連通路40から第2の気室42に沿って後側に延びる筒状に配置されている。すなわち、このインフレータ配置部36は、後席に着座した乗員に比較的近接し、いわば頭部近傍エリアに配置されている。また、このインフレータ配置部36には、上側に位置し、前後一対の取付孔36aが形成されている。また、インフレータ配置部36の後端部は、開口したインフレータ挿入口36bとなっている。なお、このインフレータ配置部36には、必要に応じて基布を筒状としたインナを配置し、ガスを案内するとともに、各基布部を保護する防炎布あるいは補強布の一方あるいは両方として機能させることができる。
また、基布部どうしを接合する縫製部は、縫製、接着、あるいは縫製とシール手段との併用などにより略気密あるいは高度な気密に構成され、インフレータ配置部36に連通する部分を除いて膨張部35の外周を縫製する外周縫製部と、この外周縫製部に囲まれた領域に位置し、第1の気室41及び第2の気室42の展開時の幅寸法を規制する規制部とを備えている。
また、この実施の形態では、連通路40の下側、すなわち、第1の気室41と第2の気室42との間の通常乗員が対向しない位置に、例えば外側の基布部のみの1枚の基布で構成される非膨張部37が形成されている。
また、エアバッグ1の取付片部は、車体取付用の取付片であり、インフレータ配置部36に対向する位置を除き、エアバッグ本体部31の上縁部の所定位置に複数形成されている。そして、各取付片部は、エアバッグ本体部31を構成する基布部と一体に形成され、例えば、内側の基布部と外側の基布部とを重ね縫着して形成されている。そして、各取付片部は、エアバッグ本体部31から舌片状に突設され、車体に取り付けられる固定点を構成する円孔状をなす取付孔が形成されている。そして、各取付片部は、ボルトなどを用いて直接に、あるいは取付ブラケットを介して、車体3のルーフサイドレール5aに取り付けられている。
また、インフレータ20は、胴部であるインフレータ本体部45と、このインフレータ本体部45の外周面に固着された取付軸部としての2個の取付ボルト46とを備えている。そして、インフレータ本体部45は、インフレータ配置部36に挿入して配置され、金属製のケース体を備え、ルーフサイドレール5aの幅寸法よりも直径が小さい細長い棒状で、薬剤を燃焼させる燃焼式(パイロテクニックタイプ)、ガスを高圧で貯蔵する貯蔵式(ストレージタイプ)、あるいはこれら燃焼式と貯蔵式とを組み合わせたハイブリッド式などのガス発生手段が内蔵されている。さらに、このインフレータ本体部45の長手方向の一端部である前端部には、外周部にガスを噴射する多数の通孔が形成されたディフューザとも呼ばれるガス供給部47が設けられている。さらに、図示しないが、インフレータ本体部45の後端部には、コネクタ部が設けられ、ハーネスと呼ばれる電線が接続されるようになっている。
また、取付ボルト46は、取付孔36aを挿通する部分で、金属製であり、ねじ部が形成されたボルト本体部46aと、このボルト本体部46aの基端部に位置する台部46bとを備えている。そして、台部46aは、ボルト本体部46aよりも系寸法が大きく、回転しながら圧接することにより、インフレータ本体部45のケース体に一体的に溶着して固定され、ボルト本体部46aが略上方に向かって突出するようになっている。また、各ボルト本体部46aには、それぞれナット48が螺合して締め付けられる。
さらに、ブラケット22は、金属板をプレス加工などして形成され、図1及び図4に示すように、前後方向を長手方向とする車体取付部としてのブラケット基部50と、このブラケット基部50から上側に突設された2個の支持片部51とを備えている。そして、ブラケット基部50は、ルーフサイドレール5aなど車体3側の部材に沿った形状に屈曲されているとともに、ボルトやリベットなどの固着具52によりルーフサイドレール5aに取り付けられる車体取付孔53が複数形成されている。一方、支持片部51は、舌片状をなし、自由端である先端部に設けられたインフレータ取付部55と、このインフレータ取付部55とブラケット基部50とを連結する連結部56とを備えている。そして、インフレータ取付部55は、平板状をなし、円孔状のインフレータ取付孔55aが形成されている。また、連結部56は、インフレータ取付部55とブラケット基部50とを傾斜した状態で連結し、本実施の形態では、平板状の部材の中間位置に屈曲部56aが形成されている。そして、各インフレータ取付部55をインフレータ本体部45の上側部に沿わせ、ボルト本体部46aをインフレータ取付孔55aに挿入し、ナット48を螺合して締め付けることにより、インフレータ20がブラケット22に取り付けられている。すなわち、ブラケット22は、一端であるブラケット基部50が車体3に取り付けられ、自由端である他端がインフレータ20に添着され、いわば片持ちでインフレータ20を支持するようになっている。
そして、これらエアバッグ1及びブラケット22などのエアバッグ装置2は、軟質で変形可能なヘッドライニング15の縁部により覆われている。
また、エアバッグ装置2は、車体3に、センサなどを備えた図示しない制御装置を備え、この制御装置が、ハーネスを介してインフレータ20に電気的に接続されている。
次に、このエアバッグ装置2の組み立て工程及び車体3への取付工程を説明する。
まず、エアバッグ1は、エアバッグ本体部31を所定の細長い形状に折り畳み、スリーブなどを用いて折り畳み形状を保持するとともに、インフレータ挿入口36bからインフレータ配置部36にインフレータ20を挿入する。そして、取付孔36aにボルト本体部46aを挿入して外側に引き出す。また、エアバッグ1には、必要に応じて、各取付片部にプロテクタ及び取付ブラケットを取り付ける。なお、エアバッグ本体部31の折畳方法は、種々の方法を採ることができるが、例えば、下側部をロール状に折り畳んで集積部を形成するとともに、上側部はこの集積部を上側部から両側部まで包むパラソル状の案内部として折り畳むことができる。例えば、集積部は、エアバッグ本体部31を下端部から外側すなわち所定面14側に巻き上げるように巻回している。また、案内部は、連通路40を含む部分であり、上側部を車室側に折り線が向くように折返し、下側部を車外側に折り線が向くように折返して構成されている。
一方、ブラケット22は、インフレータ取付孔55aに固着具52を挿入し、ブラケット基部50を車体3のルーフサイドレール5aに取り付けておく。
そして、エアバッグ装置2を車室内に持ち込み、車体3への取付作業を行う。この取付作業は、エアバッグ1の各取付片部をボルトなどの固定具で直接にあるいは取付ブラケットを介して車体3のルーフサイド部5のルーフサイドレール5aに固定するとともに、ブラケット22の各インフレータ取付部55をエアバッグ1のインフレータ配置部36を介してインフレータ本体部45の上側部に沿わせ、上側に突出するインフレータ20の取付ボルト46のボルト本体部46aをインフレータ取付孔55aに挿入し、ナット48を螺合して締め付ける。すると、このナット48とインフレータ20の台部46bとの間に、ブラケット22のインフレータ取付部55とエアバッグ1のインフレータ配置部36とが挟持され、インフレータ20がエアバッグ1のインフレータ配置部36とともにブラケット22に支持される。
また、エアバッグ1の前端部のストラップ24の先端部は、フロントピラー11に取り付ける。さらに、インフレータ20から導出されたハーネスを車体3に備えた制御装置に接続する。次いで、車体3の天井パネルにヘッドライニング15を取り付け、各ピラー11,12,13にピラーガーニッシュを取り付けてエアバッグ装置2を覆うことにより、エアバッグ装置2の車体3への取付作業が完了する。
そして、この状態で、エアバッグ1は、車体3のルーフサイド部5のルーフサイドレール5aの長手方向に沿って配置されるともに、インフレータ20のインフレータ本体部45も、ルーフサイドレール5aすなわちエアバッグ1の長手方向に沿って配置される。さらに、インフレータ20は、エアバッグ1に挿入された状態で、後席の乗員の頭部の上方に配置され、すなわち、後席に着座する乗員の頭部近傍エリアに配置されている。また、ブラケット22は、車体3に取り付けられるブラケット基部50が、反乗員側、すなわち乗員からみてインフレータ20の背面側である車体3側に位置し、このブラケット基部50から傾斜して突設された連結部56すなわち支持片部51の先端部のインフレータ取付部55にインフレータ20が支持されている。ここで、連結部56がブラケット基部50から傾斜して突設されるとは、ブラケット基部50すなわちブラケット基部50が取り付けられたルーフサイドレール5aの面方向に対して、垂直及び水平でないとの意味であり、車体3に取り付けた状態では、連結部56はほぼ水平な状態となっている。そして、このように連結部56を、車体3側すなわち反乗員側のブラケット基部50から傾斜して延設したため、乗員側から見て、図1に示すように、インフレータ20と車体3側のルーフサイドレール5aとの間には寸法Lの空間が設けられている。そこで、乗員側から例えば矢印A1方向に向かって、インフレータ20に力が加わった際に、ブラケット22はブラケット基部50を支点として反乗員方向に主として連結部56が変形し、インフレータ20が矢印Cに示すように回動し反乗員方向に移動可能となっている。
次に、エアバッグ1の展開動作を説明する。
車両の側面衝突あるいは横転などの際には、制御装置によりインフレータ20が作動し、このインフレータ20のガス供給部47からガスが噴射され、エアバッグ1のインフレータ配置部36から膨張部35の内側に迅速に供給される。すると、エアバッグ本体部31の膨張部35は、まず、通気抵抗が小さく迅速に展開する形状の例えば断面視波形のいわゆるパラソル状に折り畳まれた案内部が膨張展開してヘッドライニング15及び前後のピラーガーニッシュを押しのけ、次いで、若干通気抵抗が大きい形状、例えば断面視ロール状に折りたたまれた集積部が車室4の側部10内面である所定面14をこすりながら巻き戻されるように所定面14に沿った所定方向(図1に示す矢印B方向)である略下方に展開し、図2に示すように、いわば側部10に沿ってカーテン状に膨張展開して、窓部8及びセンターピラー12などを覆う。すなわち、第1の気室41が前席の乗員の着座位置の側方に対向する領域に迅速に展開し、第2の気室42が後席の乗員の着座位置の側方に対向する領域に迅速に展開して、乗員を効果的に保護する。
この時、膨張部35では、インフレータ配置部36から膨張部35の長手方向の中央部分に位置する連通路40にガスが供給され、この連通路40から第1の気室41と第2の気室42とに迅速にガスが供給され、これら連通路40、第1の気室41、及び第2の気室42が迅速に展開する。
さらに、車両の横転などの際には、乗員から矢印A1方向にインフレータ20に力が加わった際に、ブラケット22が反乗員方向に変形し、インフレータ20が矢印Cに示すように回動し反乗員方向に移動して、衝撃を吸収する。
このように、本実施の形態のエアバッグ装置2によれば、インフレータ20のガス供給部47からエアバッグ1にガスを供給することにより、エアバッグ1を車室4の側部10の所定面14に沿って車体3と乗員の頭部などとの間に展開させて、乗員の頭部などを保護できる。
そして、インフレータ20は、反乗員側に変形可能な連結部56を備えたブラケット22により支持されるため、乗員の頭部などがインフレータ20に当接した場合に、インフレータ20が反乗員側に移動して衝撃を吸収し、乗員を保護できる。特に、ブラケット22は、インフレータ20の反乗員側から延設された支持片部51により片持ち構造でインフレータ20の上側部を支持し、インフレータ20及びブラケット22と車体3との間に偏倚可能な領域として隙間(スペース)を大きく確保できるため、車室4内側の斜め下方から当接する乗員に対して、ブラケット22を大きく変形させ、インフレータ20を反乗員側に安定して移動させ、十分に衝撃を吸収し、乗員の衝撃を緩和できるとともに、構造を簡略化して、製造コストを低減できる。
そして、良好な衝撃吸収特性を備えたインフレータ20の取付構造により、インフレータ20を車両中央部の乗員の頭部に近接し、いわばインパクトゾーンにインフレータ20を配置することが可能になる。このため、エアバッグ20の長手方向の端部からパイプを介してガスを供給する構成などに比べて、インフレータ20を乗員頭部近傍であるエアバッグ1展開エリアの中央部分に配置でき、膨張部35の頭部を保護する部分へのガス到達距離を短縮して迅速にガスを供給し、エアバッグ1を迅速に展開して、エアバッグ1の展開特性を容易に向上できる。
また、インフレータ20を覆う衝撃吸収部材についても削減が可能になり、製造コストを低減できるとともに、例えばヘッドライニング15の厚さ寸法を大きくして乗員側に突出させる必要がなく、乗員の側方上部のいわゆる側頭空間を悪化させることなく、居住性を向上できる。
また、インフレータ20のインフレータ本体部45は、エアバッグ1の内側に配置したため、パイプなどを用いずにエアバッグ1の膨張部35に迅速にガスを供給可能となり、エアバッグ1の展開特性を容易に向上できる。すなわち、パイプを用いてインフレータ20とエアバッグ1とを連結する構成に比べ、パイプの圧力損失の発生やパイプ内の流動時間が費やされることがなく、円滑迅速にガスを供給して、エアバッグ1の展開特性を容易に良好にできるとともに、エアバッグ装置2の軽量化及び製造コストの低減も容易にできる。
また、インフレータ本体部45のケース体に直接固定した取付ボルト46を、エアバッグ1を貫通してブラケット22のインフレータ取付部55に取り付けたため、インフレータ20とこのインフレータ20用のブラケット22とでエアバッグ1を挟持し、エアバッグ1のインフレータ配置部36の付近を保持できる。このように、インフレータ20用のブラケット22でエアバッグ1を保持することにより、言い換えればエアバッグ1用のブラケットとは別にインフレータ20用のブラケットが不要になり、部品点数を削減し、構造を簡略化して、製造コストを低減できる。
さらに、インフレータ20の取付ボルト46は、略上方に突設し、インフレータ本体部45の上部に沿って配置されたインフレータ取付部55に取り付けたため、これらインフレータ20の取付ボルト46及びブラケット22がエアバッグ1の展開や乗員に干渉することを防止できる。特に、取付ボルト46は、乗員の頭部が接触する方向(矢印A1参照)、エアバッグ1の展開方向(矢印B参照)、及びブラケット22の変形方向(矢印C参照)を避けて、いわば回動するブラケット22の径方向に向けて突設したため、乗員の頭部がインフレータ20に接触した時に、取付ボルト46が車体3などに干渉せず、ブラケット22のインフレータ取付部55すなわちインフレータ本体部45が車体に接触するまで大きく変形させることができる。
また、細長い棒状をなすインフレータ本体部45をルーフサイド部5に沿って配置することにより、空間の効率良くインフレータ20を配置できる。
なお、上記の実施の形態では、インフレータ20は、後席の側部上方に配置したが、この構成に限られず、前席の側部上方に配置することもできる。
また、インフレータ20はエアバッグ1の内側に配置する構成に限られず、エアバッグ1の外側に配置することもできる。
本発明は、例えば、自動車の側部の窓部に沿って展開するカーテンエアバッグ装置と呼ばれるエアバッグ装置に適用できる。
1 エアバッグ
2 エアバッグ装置
3 車体
4 車室
5 被設置部としてのルーフサイド部
10 側部
20 インフレータ
22 ブラケット
45 インフレータ本体部
46 取付軸部としての取付ボルト
47 ガス供給部
50 車体取付部としてのブラケット基部
51 支持片部
55 インフレータ取付部
56 連結部
2 エアバッグ装置
3 車体
4 車室
5 被設置部としてのルーフサイド部
10 側部
20 インフレータ
22 ブラケット
45 インフレータ本体部
46 取付軸部としての取付ボルト
47 ガス供給部
50 車体取付部としてのブラケット基部
51 支持片部
55 インフレータ取付部
56 連結部
Claims (4)
- 車体の被設置部に設置され、前記車体と乗員の頭部との間にエアバッグを展開して前記乗員の頭部を保護するエアバッグ装置であって、
前記エアバッグにガスを供給するガス供給部を設けたインフレータ本体部、及びこのインフレータ本体部から突設された取付軸部を備えたインフレータと、
前記インフレータの反乗員側に離間して前記車体に取り付けられる車体取付部、前記取付軸部が取り付けられるインフレータ取付部、これら車体取付部とインフレータ取付部とを連結しかつ反乗員側に変形可能な連結部を備えたブラケットと
を具備したことを特徴とするエアバッグ装置。 - ブラケットは、車体取付部から突設され自由端である先端部をインフレータ取付部とした支持片部を備えた
ことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置。 - インフレータ本体部は、エアバッグの内側に配置され、取付軸部は、前記エアバッグを貫通してインフレータ取付部に取り付けられた
ことを特徴とする請求項1または2記載のエアバッグ装置。 - 被設置部は、車室の側部上縁部のルーフサイド部であり、
エアバッグは、前記ルーフサイド部に沿って折り畳んで収納され、ガスが供給されて前記車室の側部に沿って展開し、
インフレータ本体部は、細長い棒状をなして前記ルーフサイド部に沿って配置され、
取付軸部は、前記インフレータ本体部の周面から略上方に突設され、
インフレータ取付部は、前記インフレータ本体部の上部に沿って配置された
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載のエアバッグ装置。
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-
2009
- 2009-03-31 JP JP2009087531A patent/JP2010235043A/ja active Pending
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