JP2005104025A - ガスバリア性積層フィルム、及びそれを用いた画像表示素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐屈曲性及び耐熱性に優れ、かつ高ガスバリア性能を有する積層ガスバリア性フィルムの提供、及び該ガスバリア性積層フィルムを基板として用いた、高精細及び高耐久性を有する画像表示素子の提供。
【解決手段】 基材フィルム上に、少なくとも1層の無機層と、少なくとも1層のポリシルセスキオキサンを含有する層(欠陥補填層)とを有するガスバリア性積層フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、優れた耐熱性、耐久性及びガスバリア性を兼ね備えた積層フィルム、並びに該積層フィルムを基板として用いた有機エレクトロルミネッセンス素子(以下「有機EL素子」という)や液晶表示素子などの画像表示素子に関する。特に本発明は、フレキシブルな支持体を用いたガスバリア性積層フィルム基板及び画像表示素子に関する。
パソコンや携帯用情報端末の普及に伴い、軽くて薄い電子ディスプレイの需要が急増している。現在、最も普及している液晶表示素子、及び自己発色性による視認性の高さから最近注目されている有機EL素子の基板は、主としてガラス基板が用いられている。素子の軽量化、衝撃に対する耐久性、柔軟性などの観点からは、液晶表素子や有機EL素子における基板は、フレキシブルなプラスチック基板を用いることが好ましい。しかしながら、プラスチック基板は、ガラス基板と比べて耐熱性やガスバリア性が劣るため、高精細なパターンを作製する場合には不向きであり、さらに耐久性も欠けるという欠点があった。
このようなプラスチック基板における欠点を改善するための研究がこれまで数多く報告されている。例えば、ガスバリア性を改善する技術としては、下記の特許文献が報告されている(特許文献1〜6参照)。
特許文献1は、層状化合物を含有する層を有する多層構造プラスチック基板を液晶表示装置に用いた例を開示する。特許文献1には、層状化合物を使用することにより耐熱性、硬度、耐透気性を改善できる旨が記載されている。しかしながら、ガスバリア性は十分なものとはいえず、さらなる改良が必要とされていた。
また、特許文献2は、防湿性と酸素バリア性を両立させるために、ポリオレフィン系樹脂層間に、特定のアスペクト比を有する層状無機化合物と樹脂よりなる組成物層を設けた積層フィルムを開示する。さらに、特許文献3は、アルコキシドの部分加水分解重縮合物と水溶性高分子との混合物からなるガスバリア層を有するフィルムを開示する。しかし、これらのフィルムは、いずれも高湿度下における酸素バリア性が十分ではなく、高温条件下で用いられる晶表示基板や有機ELの基板に使用するためには、積層フィルムのガスバリア性をさらに改良する必要があった。
一方、特許文献4は、ポリマー層と無機層とを組み合わせた有機EL素子用基材を開示する。しかし、この基板のポリマー層と無機層との密着性は満足できるものではなかった。さらに、この基板のポリマー層は、アクティブマトリクス型画像素子作製時のTFTを設置する際に求められる隣接層との線膨張係数差等に起因する耐熱性は十分ではなく、更なる改良が必要であった。
さらに、特許文献5は、有機無機ハイブリッドポリマー層と無機層を組み合わせたガスバリア性積層フィルムを開示する。しかし、このフィルムのガスバリア性のレベルは十分でなく更なる改良が望まれていた。
さらに、特許文献6は、有機層と無機層を交互に積層したガスバリア性積層フィルムを開示する。しかし、このフィルムでは屈曲性はある程度改善できるものの、有機層の耐熱性は不十分であり、更なる改良が望まれていた。
特開2001−205743号公報(第3頁[0012]〜第10頁[0062]) 特開平7−251489号公報(第3頁[0005]〜第8頁[0034]) 特開2000−343659号公報(第2頁[0010]〜第7頁[0058]) 米国特許第6268695号公報(第4頁[2−5]〜第5頁[4−49]) 特開2002−301793号(第4頁[0010]〜第13頁[0126]) 特開2003−53881号(第3頁[0006]〜第4頁[0008])
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の第一の目的は、優れた耐久性、耐熱性及びガスバリア性を兼ね備えたガスバリア性積層フィルムを提供することにある。また、本発明の第二の目的は、前記ガスバリア性積層フィルムを用いた、高精細及び高耐久性を有する画像表示素子を提供することにある。
本発明者は、耐屈曲性、耐熱性に優れ、かつ高ガスバリア性能を有するフィルムの開発を鋭意検討した。その結果、ポリシルセスキオキサンを用いることにより耐屈曲性、耐熱性及びガスバリア性の全てを満足するガスバリアフィルムの開発に成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第一の目的は、基材フィルム上に、少なくとも1層の無機層と、少なくとも1層のポリシルセスキオキサンを含有する層とを有するガスバリア性積層フィルムにより達成される。
本発明のガスバリア性積層フィルムは、前記無機層とポリシルセスキオキサンを含有する層とをこの順に前記基材フィルム上に有することが好ましい。
さらに、本発明のガスバリア性積層フィルムは、前記ポリシルセスキオキサンが籠型ポリシルセスキオキサン又はその部分開裂構造体であることが好ましい。
さらに、本発明のガスバリア性積層フィルムは、前記ポリシルセスキオキサンを含有する層が重合性官能基を有するポリシルセスキオキサンと多官能モノマーとの共重合体を含む層であることが好ましい。
さらに、本発明のガスバリア性積層フィルムは、前記基材フィルムが無機層状化合物を含有することが好ましい。
さらに、本発明のガスバリア性積層フィルムは、38℃、相対湿度90%における酸素透過率が0.01ml/m2・day・atm以下であり、かつ38℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が0.01g/m2・day以下であることが好ましい。
また、本発明の第二の目的は、前記ガスバリア性積層フィルムを基板として用いた画像表示素子により達成される。
本発明は、ポリシルセスキオキサンを含む層(ここでは欠陥補填層とも記載する)を無機薄膜層上に積層させる。この構成により高いガスバリア性能、特に耐屈曲性及び耐熱性に優れたガスバリア性積層フィルムを得ることができる。
さらに、本発明の画像表示素子は、本発明のガスバリア性積層フィルムを有するため、本発明であればフレキシブル支持体を用いた高精細及び高耐久性を有する液晶表示装置、有機EL素子などの画像表示素子を提供することができる。
以下に本発明のガスバリア性積層フィルム及び該フィルムを用いた画像表示素子について詳細に説明する。
[ガスバリア性積層フィルム]
本発明のガスバリア性積層フィルムは、基材フィルム上に、少なくとも1層の無機層と少なくとも1層のポリシルセスキオキサンを含有する層とを有する。すなわち、本発明のガスバリア性積層フィルムは、ポリシルセスキオキサンを含有する層(欠陥補填層)を適用することにより、無機層に存在する「欠陥」を補填すると同時に、ガスバリアフィルムに耐熱性、屈曲性及びガスバリア性を付与することができる。
なお、本明細書において無機層とポリシルセスキオキサンを含有する層(欠陥補填層)とからなる積層体を「ガスバリアコート層」ともいう。
<ポリシルセスキオキサンを含む層>
本発明のガスバリア性積層フィルムにおいて、ポリシルセスキオキサンを主成分とする層であり、欠陥を補填する効果があることから、ここでは欠陥補填層とも記載する。
(ポリシルセスキオキサン)
本発明で用いるポリシルセスキオキサンについて説明する。ポリシルセスキオキサンはシルセスキオキサンを構造単位に含む化合物である。「シルセスキオキサン」とは、[RSiO3/2]で表される化合物であり、通常、RSiX3(Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラアルキル基等であり、Xは、ハロゲン、アルコキシ基等である)型化合物が加水分解−重縮合して合成されるポリシロキサンである。シスセスオキサンの分子配列の形状としては、代表的には無定形構造、ラダー状構造、籠型構造又はその部分開裂構造体(籠型構造からケイ素原子が一原子欠けた構造や籠状構造の一部ケイ素−酸素結合が切断された構造)等が知られている。無定形構造及びラダー状構造を有するポリシルセスキオキサンの場合は、シルセスキオキサンをモノマー単位としてポリマーの形で欠陥補填層に存在する。また、籠型構造又はその部分開裂構造を有するポリシルセスキオキサンの場合は、1つの構造を有するシルセスキオキサンを複数個含む形で欠陥補填層に存在する。
本発明では、上記シルセスキオキサンの中でも特に、籠型ポリシルセスキオキサン及びその部分開裂構造体を好ましく用いることができる。
籠型シルセスキオキサンの例としては、[RSiO3/2]8 の化学式で表される下記一般式(1)のシルセスキオキサン、[RSiO3/2]10 の化学式で表される下記一般式(2)のシルセスキオキサン、[RSiO3/2]12 の化学式で表される下記一般式(3)のシルセスキオキサン、[RSiO3/2]14 の化学式で表される下記一般式(4)のシルセスキオキサン、[RSiO3/2]16 の化学式で表される下記一般式(5)のシルセスキオキサンが挙げられる。
Figure 2005104025
[RSiO3/2]n で表される籠型シルセスキオキサンにおけるnの値としては、6から20の整数であり、好ましくは8、10又は12であり、特に好ましくは8又は8、10及び12の混合物である。また、籠型シルセスキオキサンの一部のケイ素−酸素結合が部分的に開裂した[RSiO3/2]n-m(O1/2H)2+m(nは6〜20の整数であり、mは0又は1である。)で表される籠型シルセスキオキサンの好ましい例としては、一般式(1)の一部が開裂したトリシラノール体、[RSiO3/2]7(O1/2H)3 で表わされる下記一般式(6)のシルセスキオキサン、[RSiO3/2]8(O1/2H)2 の化学式で表される下記一般式(7)のシルセスキオキサン、[RSiO3/2]8(O1/2H)2 の化学式で表される下記一般式(8)のシルセスキオキサンが挙げられる。
Figure 2005104025
上記一般式(1)〜(8)におけるRは、水素原子、炭素数1〜20の飽和炭化水素基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20のアラアルキル基、炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。中でもRは重合反応が可能な重合性官能基であることが好ましい。
炭素数1〜20の飽和炭化水素基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、ブチル基(n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、sec−ブチル基等)、ペンチル基(n−ペンチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基等)、ヘキシル基(n?ヘキシル基、i−ヘキシル基、シクロヘキシル基等)、ヘプチル基(n−ヘプチル基、i−ヘプチル基等)、オクチル基(n−オクチル基、i−オクチル基、t−オクチル基等)、ノニル基(n−ノニル基、i−ノニル基等)、デシル基(n−デシル基、i−デシル基等)、ウンデシル基(n−ウンデシル基、i−ウンデシル基等)、ドデシル基(n−ドデシル基、i−ドデシル基等)などが挙げられる。成形時の溶融流動性、難燃性及び操作性のバランスを考慮すると、好ましくは炭素数1〜16の飽和炭化水素であり、特に好ましくは炭素数1〜12の飽和炭化水素である。
炭素数2〜20のアルケニル基としては、非環式アルケニル基及び環式アルケニル基が挙げられる。その例としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキセニルエチル基、ノルボルネニルエチル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基などが挙げられる。成形時の溶融流動性、難燃性及び操作性のバランスを考慮すると、好ましくは炭素数2〜16のアルケニル基であり、特に好ましくは炭素数2〜12のアルケニル基である。
炭素数7〜20のアラアルキル基の例としては、ベンジル基、フェネチル基又は炭素数1〜13、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基のうち1置換又は複数置換されたベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基の例としては、フェニル基、トリル基又は炭素数1〜14、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基で置換されたフェニル基、トリル基、キシリル基等が挙げられる。
上記の籠型シルセスキオキサン類は、Aldrich社、Hybrid Plastic社、チッソ株式会社、アヅマックス社等から市販されている化合物をそのまま用いてもよく、また、Journal of American Chemical Society誌、第111巻、1741頁(1989年)等に基づいて合成された化合物を用いてもよい。
ポリシルセスキオキサンの籠型構造の部分開裂構造体とは、[RSiO3/2]8 の化学式で表される一つの籠型ユニットからSi−O−Si結合が開裂して生成したSi−OHが3個以下の化合物、又は[RSiO3/2]8 の化学式で表される閉じた籠型構造の中からSi原子の欠損が一つ以下の化合物を示す。
上記ポリシルセスキオキサンは、官能基Rと反応可能なバインダーと混合して用いることが好ましい。反応可能なバインダーとしては、熱硬化性樹脂や放射線硬化性樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂及び放射線硬化性樹脂が挙げられる。
エポキシ系樹脂としては、ポリフェノ−ル型、ビスフェノール型、ハロゲン化ビスフェノール型、ノボラック型のものが挙げられる。エポキシ系樹脂を硬化させるための硬化剤は、公知の硬化剤を用いることができる。例えば、アミン系、ポリアミノアミド系、酸及び酸無水物、イミダゾール、メルカプタン、フェノール樹脂等の硬化剤が挙げられる。中でも耐溶剤性、光学特性、熱特性等の観点から、酸無水物及び酸無水物構造を含むポリマー又は脂肪族アミン類が好ましく用いられ、酸無水物及び酸無水物構造を含むポリマーが特に好ましく用いられる。さらに、公知の第三アミン類やイミダゾール類等の硬化触媒を適量加えることが好ましい。
放射線硬化性樹脂は、紫外線や電子線等の放射線を照射することにより硬化が進行する樹脂であり、具体的には分子又は単体構造内にアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を含む樹脂である。これらの中でも特に、アクリロイル基を含むアクリル系樹脂が好ましい。放射線硬化性樹脂は、一種類の樹脂を用いても、数種の樹脂を混合して用いてもよいが、分子又は単位構造内に2個以上のアクリロイル基を有するアクリル系樹脂を用いることが好ましい。こうした多官能アクリレート樹脂としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ウレタンアクリレート、エステルアクリレート、エポキシアクリレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの放射線硬化性樹脂には、紫外線硬化法を用いる場合には、前述の放射線硬化性樹脂に公知の光反応開始剤を適量添加する。
本発明のシルセスキオキサンを含む層(欠陥補填層)は、上記シルセスキオキサンとバインダーとの組み合わせは、重合性官能基を有するシルセスキオキサンと多官能モノマーとの共重合体からなる層であることが好ましい。シルセスキオキサンの重合性官能基Rと共重合可能なバインダーとの組み合わせは、Rがアクリロイル基であり、反応可能なバインダーが多官能アクリレートである態様が好ましい。また、Rがエポキシ基であり、反応可能なバインダーが多官能エポキシである態様も好ましい。
上記エポキシ系樹脂及び放射線硬化性樹脂には、さらにシルセスキオキサンとの相互作用を強めるために、アルコキシシランの加水分解物やシランカップリング剤を混合してもよい。シランカップリング剤としては、一方にメトキシ基、エトキシ基、アセトキシ基等の加水分解可能な反応基を持ち、もう一方にはエポキシ基、ビニル基、アミノ基、ハロゲン基、メルカプト基を有するものが好ましい。この場合、特に好ましくは主成分樹脂に固定するため、同じ反応基を持つビニル基を有するものであり、例えば、信越化学工業(株)のKBM−503、KBM−803、日本ユニカー(株)製のA−187などが用いられる。これらの添加量は0.2〜3質量%であることが好ましい。
欠陥補填層中のポリシルセスキオキサンの含有率は、50〜100質量%であることが適当であり、60〜90質量%であることが好ましい。ポリシルセスキオキサンの含有率が50〜100質量%であれば、良好な耐熱性及びガスバリア性を有するガスバリア性積層フィルムが得られる。
本発明におけるポリシルセスキオキサンを含有する層(欠陥補填層)の厚みは特に限定されないが、10nm〜5μmの範囲であることが好ましく、10nm〜2μmの範囲であることがより好ましく、10nm〜0.5μmの範囲であることがさらに好ましい。欠陥補填層の厚みが薄すぎると、厚みの均一性を得ることが困難となるため、無機層の構造欠陥を効率よく欠陥補填層で埋めることができずに、バリア性の向上は見られない。逆に欠陥補填層の厚みが厚すぎると、曲げ等の外力により欠陥補填層がクラックを発生し易くなるためバリア性が低下してしまう不具合が発生する。
本発明の欠陥補填層を形成する方法としては、塗布による方法、真空成膜法等を挙げることができる。真空成膜法としては、特に制限はないが、蒸着、プラズマCVD等の成膜方法が好ましく、有機物質モノマーの成膜速度を制御しやすい抵抗加熱蒸着法がより好ましい。本発明の有機物質モノマーの架橋方法は何ら制限されないが、活性エネルギー線照射による電子線や紫外線等による架橋が、真空槽内に容易に取り付けられる点や架橋反応による高分子量化が迅速である点で望ましい。
塗布方式で作成する場合には、従来用いられる種々の塗布方法、例えば、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、カーテンフローコート、スプレーコート、バーコート等の方法を用いることができる。
上記活性エネルギー線は、紫外線、X線、電子線、赤外線、マイクロ波等の照射することによりエネルギーを伝播し得る放射線を意味し、その種類とエネルギーは用途に応じて任意に選択することができる。
<無機層>
本発明において、無機層は、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、スズなどの金属酸化物からなる層であることが透明性を得る観点から好ましい。また透明性を必要としない場合や無機薄膜層を2層以上形成する場合、無機層(2層以上の場合、そのうちの1層)を窒化物又は上記金属の単体若しくはそれらの複合物で形成してもよい。
無機層の形成法としては、蒸着法、スパッタリング法若しくはイオンプレーティング法等の物理的気相成長法(PVD)、種々の化学的気相成長法(CVD)若しくはめっきやゾルゲル法等の液相成長法がある。このうち、無機層形成時の基材フィルムへの熱の影響を回避し、生産速度が速く、均一な薄膜層を得やすい点で、化学的気相成長法(CVD)や物理的気相成長法(PVD)が好ましい。また、厚めの膜が得やすいという観点からゾルゲル法により無機層を形成することも好ましい。厚めの膜とは、ここでは100nm〜1μmの範囲の膜を示す。
無機層の厚みは、30nm〜1μmであることが好ましく、50〜200nmであることがさらに好ましい。無機層の厚みが50〜1μmの範囲であれば、欠陥部分や結晶間の密度の低い部分による影響を受けにくく、高ガスバリア性が得られる。また変形した場合においても無機層の破壊を少なくすることができ、実用上好ましい。
次にゾル−ゲル法を用いて無機層を塗設する方法について説明する。
<金属アルコキシド>
本発明において、金属アルコキシドは、ガスバリアコート層の無機酸化物成分として用いられる。反応性の観点から金属アルコキシドはアルコキシシランであることが好ましい。アルコキシシラン以外に、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド、アルミニウムアルコキシドなどを用いることも好ましい。金属アルコキシドは、単独又は2種以上の金属アルコキシドを混合して用いてもよい。
本発明で好ましく用いられるアルコキシシラン類についてさらに説明する。
アルコキシシラン類の例としては、以下の一般式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2005104025
上式中のR2は、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜4のアシル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、アセチル基などが挙げられる。また、R3は、炭素数1〜10の有機基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、n−デシル基、フェニル、ビニル基、アリル基などの無置換の炭化水素基、γ−クロロプロピル基、CF3CH2−、CF3CH2CH2−、C25CH2CH2−、C37CH2CH2CH2−、CF3OCH2CH2CH2−、C25OCH2CH2CH2−、C37OCH2CH2CH2−、(CF3)2CHOCH2CH2CH2−、C49CH2OCH2CH2CH2−、3−(パーフルオロシクロヘキシルオキシ)プロピル、(CF2)4CH2OCH2CH2CH2−、H(CF2)4CH2CH2CH2−、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メタクリロイルオキシプロピル基などの置換炭化水素基が挙げられる。xは2〜4の整数が好ましい。
これらのアルコキシシランの具体例を以下に示す。
x=4のものとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ-iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−アセトキシシランなどを挙げることができる。
x=3のものとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、iso−プロピルトリメトキシシラン、iso−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン、CF3CH2CH2Si(OCH3)3、C25CH2CH2Si(OCH3)3 、C25OCH2CH2CH2Si(OCH3)3、C37OCH2CH2CH2Si(OC25)3、(CF3)2CHOCH2CH2CH2Si(OCH3)3、C49CH2OCH2CH2CH2Si(OCH3)3、H(CF2)4CH2OCH2CH2CH2Si(OCH33、3−(パーフルオロシクロヘキシルオキシ)プロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
x=2のものとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−iso−プロピルジメトキシシラン、ジ−iso−プロピルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、(CF3CH2CH2)2Si(OCH3)2、(C37OCH2CH2CH2)2Si(OCH3)2、〔H(CF2)6CH2OCH2CH2CH22Si(OCH3)2、(C25CH2CH2)2Si(OCH3)2などを挙げることができる。
ゾルゲル反応時にはポリマーを併用してもよい。ポリマーとしては、水素結合形成基を有していることが好ましい。水素結合形成基を有するポリマーの例としては、ヒドロキシル基を有するポリマーとその誘導体(ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、フェノール樹脂、メチロールメラミン等とその誘導体);カルボキシル基を有するポリマーとその誘導体(ポリ(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の重合性不飽和酸の単位を含む単独又は共重合体と、これらのポリマーのエステル化物(酢酸ビニル等のビニルエステル、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル等の単位を含む単独又は共重合体)等);エーテル結合を有するポリマー(ポリアルキレンオキサイド、ポリオキシアルキレングリコール、ポリビニルエーテル、珪素樹脂等);アミド結合を有するポリマー(>N(COR)−結合(式中、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を示す)を有するポリオキサゾリンやポリアルキレンイミンのN−アシル化物);>NC(O)−結合を有するポリビニルピロリドンとその誘導体;ウレタン結合を有するポリウレタン;尿素結合を有するポリマー等を挙げることができる。
以下に無機層形成時における反応条件を説明する。
ゾル−ゲル反応では、水及び有機溶媒中で金属アルコキシドを加水分解及び重縮合させるが、この際、触媒を用いることが好ましい。加水分解の触媒としては、一般に酸が用いられる。酸は、無機酸又は有機酸が用いられる。
無機酸としては、塩酸、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、燐酸、亜燐酸など、有機酸化合物としてはカルボン酸類(蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸、シクロヘキサンカルボン酸、オクタン酸、マレイン酸、2−クロロプロピオン酸、シアノ酢酸、トリフルオロ酢酸、パーフルオロオクタン酸、安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、フタル酸など)、スルホン酸類(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸)、p−トルエンスルホン酸、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸など)、燐酸・ホスホン酸類(燐酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸など)、ルイス酸類(三フッ化ホウ素エーテラート、スカンジウムトリフレート、アルキルチタン酸、アルミン酸など)、ヘテロポリ酸(燐モリブデン酸、燐タングステン酸など)を挙げることができる。
酸の使用量は、金属アルコキシド(アルコキシシラン及び他の金属アルコキシドを含有する場合には、アルコキシシラン+他の金属アルコキシド)1モル当たり0.0001〜0.05モルであり、好ましくは0.001〜0.01モルである。
加水分解後、無機塩基やアミンなどの塩基性化合物を添加して溶液のpHを中性付近にし、縮重合を促進してもよい。
無機塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アンモニアなど、有機塩基化合物としてはアミン類(エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチルアミン、ジブチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、エタノールアミン、ジアザビシクロウンデセン、キヌクリジン、アニリン、ピリジンなど)、ホスフィン類(トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィンなど)を用いることができる。
また、酸による加水分解後、特に特願2002−110061号明細書に記載の、下記一般式で表されるアミンを用いることも好ましい。
Figure 2005104025
一般式中、R1、R2は水素原子、脂肪族基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、芳香族オキシカルボニル基、脂肪族スルホニル基、芳香族スルホニル基を表し、R3は、芳香族オキシ基、脂肪族チオ基、芳香族チオ基、アシルオキシ基、脂肪族オキシカルボニルオキシ基、芳香族オキシカルボニルオキシ基、置換アミノ基、複素環基、ヒドロキシ基を表す。但し、R3が芳香族基でないとき、R1とR2のいずれか一方又は両方が水素原子である。
この場合、アミンの添加量としては、酸と等モル〜100倍モル、好ましくは等モル〜20倍モルであることが適当である。
また、他のゾル−ゲル触媒も併用することができる。その例は以下に挙げられる。
(1)金属キレート化合物
一般式R4OH(式中、R4は炭素数1〜6のアルキル基を示す)で表されるアルコールと、R5COCH2COR6(式中、R5は炭素数1〜6のアルキル基、R6は炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜16のアルコキシ基を示す)で表されるジケトンとを配位子とした、金属を中心金属とするものであれば特に制限なく好適に用いることができる。この範疇であれば、2種以上の金属キレート化合物を併用してもよい。本発明の金属キレート化合物として特に好ましいものは中心金属にAl、Ti、Zrを有するものであり、一般式 Zr(OR4)p1(R5COCHCOR6)p2、Ti(OR4)q1(R5COCHCOR6)q2及び Al(OR4) r1(R5COCHCOR6)r2で表される化合物群から選ばれるものが好ましく、縮合反応を促進する作用をなす。
上記金属キレート化合物中のR4及びR5は、同一又は異なってもよく、炭素数1〜6のアルキル基、具体的にはエチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、フェニル基などである。また、R6は、前記と同様の炭素数1〜6のアルキル基のほか、炭素数1〜16のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ラウリル基、ステアリル基などである。また、金属キレート化合物中のp1、p2、q1、q2、r1、r2 は4又は6座配位となるように決定される整数を表す。
これらの金属キレート化合物の具体例としては、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシトリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウムキレート化合物;ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウムなどのチタニウムキレート化合物;ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、ジイソプロポキシアセチルアセトナートアルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアルミニウムキレート化合物などが挙げられる。これらの金属キレート化合物のうち好ましいものは、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムである。これらの金属キレート化合物は、1種単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。また、これらの金属キレート化合物の部分加水分解物を使用することもできる。
(2)有機金属化合物
好ましい有機金属化合物としては特に制限はないが、有機遷移金属は活性が高いため好ましい。中でもスズの化合物は安定性及び活性がよく、特に好ましい。これらの具体的化合物例としては、(C49)2Sn(OCOC1123)2、(C49)2Sn(OCOCH=CHCOOC49)2、(C817)2Sn(OCOC1123)2、(C817)2Sn(OCOCH=CHCOOC49)2、Sn(OCOCC817)2などのカルボン酸型有機スズ化合物;(C49)2Sn(SCH2COOC817)2、(C49)2Sn(SCH2COOC817)2、(C817)2Sn(SCH2CH2COOC817)2、(C817)2Sn(SCH2COOC1225)2
Figure 2005104025
などのメルカプチド型やスルフィド型の有機スズ化合物、(C49)2SnO、(C817)2SnO、又は(C49)2SnO、(C817)2SnOなどの有機スズオキサイドとエチルシリケートマレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジオクチルなどのエステル化合物との反応生成物などの有機スズ化合物などが挙げられる。
(3)金属塩類
金属塩類としては有機酸のアルカリ金属塩(例えばナフテン酸ナトリウム、ナフテン酸カリウム、オクタン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、ラウリル酸カリウムなど)が好ましく用いられる。
次に、ゾル−ゲル反応に用いられる溶媒について述べる。溶媒はゾル液中の各成分を均一に混合させ、本発明の組成物の固形分調製をすると同時に、種々の塗布方法に適用できるようにし、組成物の分散安定性及び保存安定性を向上させるものである。これらの溶媒は上記目的の果たせるものであれば特に限定されない。これらの溶媒の好ましい例として、例えば、水及び水と混和性の高い有機溶媒が挙げられる。
その例としては、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、蟻酸、酢酸、酢酸メチル、アルコール類(メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、tert−ブチルアルコール)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどを挙げることができる。
ゾル−ゲル反応の反応速度を調節する目的で、多座配位可能な有機化合物を添加して金属アルコキシドを安定化してもよい。その例としては、β−ジケトン及び/又はβ−ケトエステル類、及びアルカノールアミンが挙げられる。
このβ−ジケトン類及び/又はβ−ケトエステル類の具体例としては、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−iso−プロピル、アセト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec-ブチル、アセト酢酸−tert−ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4−ヘプタン−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,4−オクタン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−メチル−ヘキサン−ジオンなどを挙げることができる。これらのうち、アセト酢酸エチル及びアセチルアセトンが好ましく、特にアセチルアセトンが好ましい。これらのβ−ジケトン類及び/又はβ−ケトエステル類は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することもできる。
これらの多座配位可能な化合物は、ゾル−ゲル触媒として前記の金属キレート化合物を用いた場合、その反応速度を調節する目的にも用いることができる。
本発明の無機層のポリマーの含有率は、全固形分の質量に対して、3〜97質量%、好ましくは5〜65質量%である。ポリマーのゾル−ゲル反応系への添加タイミングは特に制限はないが、相溶性の点で、金属アルコキシドの縮合反応の初期までに添加することが好ましく、より好ましくはゾル−ゲル反応開始前、すなわち酸触媒添加前にポリマーと金属アルコキシドとが混合されていることが好ましい。
無機層形成時における反応温度及び時間は、反応系が不均一にならなければ特に問題はなく、使用する素材の組み合わせ、及び目標とする無機層形成時における有機ポリマーの加水分解率及び金属アルコキシドの縮合率などに合わせて、適宜調節することができる。
前記の方法で作製された、ゾルゲル法により得られる無機層は以下の方法で塗設することができる。ゾル液はカーテンフローコート、ディップコート、スピンコート、ロールコート等の塗布法によって、薄膜を形成することができる。この場合、加水分解のタイミングは製造工程中の如何なる時期であっても構わない。例えば、あらかじめ必要な組成の液を加水分解部分縮合して目的のゾル液を調製し、それを塗布−乾燥する方法、必要な組成の液を調製し塗布と同時に加水分解部分縮合させながら乾燥する方法、塗布−一次乾燥後、加水分解に必要な水含有液を重ねて塗布し加水分解させる方法等を好適に採用できる。また、塗布方法としては、様々な形態をとることが可能であるが、生産性を重視する場合には多段の吐出口を有するスライドギーサー上で下層塗布液と上層塗布液のそれぞれが必要な塗布量になる様に吐出流量を調整し、形成した多層流を連続的に支持体に乗せ、乾燥させる方法(同時重層法)が好適に用いられる。
塗布後の乾燥温度は、支持体の変形を起こさない範囲であれば特に制限はないが、好ましくは150℃以下、より好ましくは30〜150℃、特に好ましくは50〜130℃である。
塗布、乾燥後のフィルムをさらに緻密にするため、塗布直後から乾燥中及び/又は乾燥後にエネルギー線の照射を行ってもよい。その照射線種に特に制限はないが、支持体の変形や変性に対する影響を勘案し、紫外線、電子線あるいはマイクロ波の照射を特に好ましく用いることができる。このうち、マイクロ波を利用することが更に好ましい。照射強度は30〜500mJ/cm2であり、特に好ましくは50〜400mJ/cm2である。照射温度は、室温から支持体の変形温度の間を制限なく採用することが可能であり、好ましくは30〜150℃、特に好ましくは50〜130℃である。
本発明において、無機層を形成する際の塗設方法は、前述の様に、ゾル−ゲル反応で得られたゾル液をカーテンフローコート、ディップコート、スピンコート、ロールコート等の塗布法を用いて基材フィルム上に薄膜を形成することにより行うことができる。この場合、加水分解のタイミングは、製造工程中の如何なる時期であっても構わない。例えば、予め必要な組成の液を加水分解部分縮合して目的のゾル液を調製し、それを塗布−乾燥する方法、必要な組成の液を調製し塗布と同時に加水分解部分縮合させながら乾燥する方法、塗布−一次乾燥後、加水分解に必要な水含有液を重ねて塗布し加水分解させる方法等を好適に採用できる。
<基材フィルム>
本発明のガスバリア性積層フィルムで用いられる基材フィルムは、後述する画像表示素子として使用可能にするため、耐熱性を有する素材からなることが好ましい。好ましくは、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上及び/又は線熱膨張係数が40ppm/℃以下で耐熱性の高い透明なプラスチックフィルムを基材フィルムとして用いることである。Tgや線膨張係数は、添加剤などによって変化させることができる。
基材フィルムで用いられるポリマーは、熱可塑性ポリマー及び熱硬化性ポリマーいずれでもよい。
熱可塑性ポリマーは、ポリマー単体のTgが130〜300℃であるものが好ましく、160〜250℃であるものがさらに好ましい。また、光学的均一性を達成するためには、非晶性ポリマーであることが好ましい。このような熱可塑性樹脂として、以下のようなものが挙げられる(括弧内はTgを示す)。
ポリカーボネート(PC:140℃)、脂環式ポリオレフィン(例えば日本ゼオン(株)製 ゼオノア1600:160℃)、ポリアリレート(PAr:210℃)、ポリエーテルスルホン(PES:220℃)、ポリスルホン(PSF:190℃)、シクロオレフィンコポリマー(COC:特開2001−150584号公報の実施例1の化合物:162℃)、フルオレン環変性ポリカーボネート(BCF−PC:特開2000−227603号公報の実施例−4の化合物:225℃)、脂環変性ポリカーボネート(IP−PC:特開2000−227603号公報の実施例−5の化合物:205℃)、アクリロイル化合物(特開2002−80616号公報の実施例−1の化合物:300℃以上)。特に、透湿性を求める場合には脂環式ポレオレフィン等を使用するのが好ましい。
熱硬化性ポリマーとしては、エポキシ系樹脂及び放射線硬化性樹脂が挙げられる。
エポキシ系樹脂は、ポリフェノ−ル型、ビスフェノール型、ハロゲン化ビスフェノール型、ノボラック型のものが挙げられる。エポキシ系樹脂を硬化させるための硬化剤は、公知の硬化剤を用いることができる。例えば、アミン系、ポリアミノアミド系、酸及び酸無水物、イミダゾール、メルカプタン、フェノール樹脂等の硬化剤が挙げられる。中でも、耐溶剤性、光学特性、熱特性等の観点から、酸無水物及び酸無水物構造を含むポリマー又は脂肪族アミン類が好ましく用いられ、特に好ましいのは、酸無水物及び酸無水物構造を含むポリマーである。さらに、公知の第三アミン類やイミダゾール類等の硬化触媒を適量加えることが好ましい。
放射線硬化性樹脂は、紫外線や電子線等の放射線を照射することにより硬化が進行する樹脂であり、具体的には分子又は単体構造内にアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を含む樹脂である。これらの中でも特に、アクリロイル基を含むアクリル系樹脂が好ましい。放射線硬化性樹脂は、一種類の樹脂を用いても、数種の樹脂を混合して用いてもよいが、分子又は単位構造内に2個以上のアクリロイル基を有するアクリル系樹脂を用いることが好ましい。こうした多官能アクリレート樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エステルアクリレート、エポキシアクリレート等が挙げられるが、これらに限定されるのではない。特に、下記式[II]及び/又は[III]の単位を含み、少なくとも2個以上のアクリロイル基を有するアクリル樹脂であることが好ましい。
Figure 2005104025
これらの放射線硬化性樹脂には、紫外線硬化法を用いる場合には、前述の放射線硬化性樹脂に公知の光反応開始剤を適量添加する。
上記のエポキシ系樹脂及び放射線硬化性樹脂には、さらにポリマー分子との相互作用を強めるために、アルコキシシランの加水分解物やシランカップリング剤を混合してもよい。シランカップリング剤としては、一方にメトキシ基、エトキシ基、アセトキシ基等の加水分解可能な反応基を持ち、もう一方にはエポキシ基、ビニル基、アミノ基、ハロゲン基、メルカプト基を有するものが好ましく、この場合、特に好ましくは主成分樹脂に固定するため、同じ反応基を持つビニル基を有するものが好ましく、例えば、信越化学工業(株)のKBM−503、KBM−803、日本ユニカー(株)製のA−187などが用いられる。これらの添加量は、0.2〜3質量%であることが好ましい。
本発明のガスバリア性積層フィルムは、ディスプレイ等の画像表示素子として利用されることから、透明な基材フィルム、すなわち、光線透過率が80%以上、好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である基材フィルムを用いることが好ましい。基材フィルムの光線透過率が80%以上あれば、後述する有機EL素子の基材フィルムとして好適に用いることができる。
ディスプレイ用途に用いる場合でも観察側に設置しない場合や不透明包装材料など、必ずしも透明性が要求されない用途に対しては、不透明な材料を用いることができることはいうまでもない。例えばポリイミド、ポリアクリロニトリル、公知の液晶ポリマーなどが挙げられる。
なお、本明細書において透明の尺度として用いられる光線透過率は、JIS−K7105に記載された方法、すなわち積分球式光線透過率測定装置を用いて全光線透過率及び散乱光量を測定し、全光線透過率から拡散透過率を引いて算出することができる。
本発明の基材フィルムには、さらに無機層状化合物を含有させることもできる。基材フィルムに無機層状化合物を添加することにより、熱変形温度が2〜100℃改良されることが期待できる。また、無機層状化合物無添加の場合に比べ10℃以上の熱変形温度の改良されることが期待できる。
本発明の積層ガスバリア性フィルムで用いられる無機層状化合物は、特に限定されるものではないが、膨潤性及び/又は劈開性を有する粘土鉱物やハイドロタルサイト類化合物及びその類似化合物を好適に用いることができる。
これら粘土鉱物としては、例えば、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ソーコナイト、スチブンサイト、ヘクトライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、白雲母、マーガライト、タルク、バーミキュライト、金雲母、ザンソフィライト、緑泥石などを挙げることができる。
上記無機層状化合物は、天然物であっても合成物であってもよい。また、これらの層状珪酸塩は、単独で用いることができ、また複数を併用することもできる。
上記無機層状化合物の形状は、特に限定されるものではないが、無機層状化合物が多層に重なっていると、親有機化した後に劈開することが困難になることから、親有機化されていない無機層状化合物の厚さは、可能な限り1層における厚み(約1nm)であることが好ましい。また、平均長さは0.01〜50μm、好ましくは0.05〜10μm、アスペクト比は20〜500、好ましくは50〜200であるものを好適に用いることができる。
上記無機層状化合物は、その層間(最上又は最下の無機層状化合物の表面も含まれる)にイオン交換可能な無機カチオンを有する。イオン交換可能な無機カチオンとは、無機層状化合物(例えば層状珪酸塩)の結晶表面上に存在するナトリウム、カリウム、リチウムなどの金属イオンのことである。これらのイオンは、カチオン性物質とのイオン交換性を有し、イオン交換反応によりカチオン性を有する種々の物質を上記無機層状化合物の層間にインターカレートできる。
上記無機層状化合物の層間に存在する無機カチオンを有機カチオンでイオン交換する場合、長鎖のアルキル基を含むアルキルアンモニウムイオンを有機カチオンとして好適に用いることができる。長鎖のアルキル基を含むアルキルアンモニウムイオンは、例えば、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラヘキシルアンモニウムイオン、ジヘキシルジメチルアンモニウムイオン、ジオクチルジメチルアンモニウムイオン、ヘキサトリメチルアンモニウムイオン、オクタトリメチルアンモニウムイオン、ドデシルトリメチルアンモニウムイオン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムイオン、オクタデシルトリメチルアンモニウムイオン、ジオクタデシルジメチルアンモニウムイオン、ドコセニルトリメチルアンモニウムイオン、ヘキサデシルアンモニウムイオン、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムイオン、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムイオン、ジオレイルジメチルアンモニウムイオン、ポリオキシエチレンドデシルモノメチルアンモニウムイオンなどを用いることができる。
上記無機層状化合物のカチオン交換容量(CEC)は、特に限定されるものではないが、例えば25〜200meq/100gであることが好ましく、50〜150meq/100gであることがより好ましく、90〜130meq/100gであることがさらに好ましい。無機層状化合物のカチオン交換容量が25meq/100g未満であると、イオン交換により無機層状化合物の層間に挿入(インターカレート)されるカチオン性物質の量が少なくなるために、層間が十分に親有機化されないことがある。一方、カチオン交換容量が200meq/100gを超えると、無機層状化合物の層間の結合力が強固になりすぎて、結晶薄片が剥離しにくくなり、分散性が悪くなることがある。
上記無機層状化合物の具体例としては、例えば、クニミネ工業のスメクトンSA、クニミネ工業のクニピアF、コープケミカル社のソマシフME−100、コープケミカル社のルーセンタイトSWNなどの商品を挙げることができる。
上記無機層状化合物の層間に存在する無機カチオンを有機カチオンでイオン交換(親有機化)する方法としては、一般に、湿式法を挙げることができる。湿式法は、無機層状化合物を水やアルコール等で十分溶媒和させた後、有機カチオンを加えて撹拌し、無機層状化合物の層間に存在する金属イオンを有機カチオンに置換させ、その後、未置換の有機カチオンを十分に洗浄し、ろ過、乾燥する方法である。その他、有機溶剤中で無機層状化合物と有機カチオンを直接反応させたり、樹脂などの存在下、無機層状化合物と有機カチオンとを押出機中で加熱混練して反応させたりすることもできる。
上記無機層状化合物とTgが100〜400℃の樹脂との配合比率は、質量比で1/100〜100/20であることが好ましく、5/100〜100/50であることがさらに好ましい。無機層状化合物の配合量がTg100〜400℃の樹脂の質量100質量部に対して1質量部未満であると、充分な耐熱性及びガスバリア性が得られない場合がある。一方、Tgが100〜400℃の樹脂の配合量が無機層状化合物100質量部に対して20質量部未満であると、脆性等が悪化する場合がある。
上記Tgが100〜400℃の樹脂に無機層状化合物が含まれる層を形成する場合、先ず無機層状化合物とTgが100〜400℃の樹脂とを溶融混練又は溶液中で混合することにより、無機層状化合物を劈開した状態で樹脂中に分散した樹脂組成物を作製することが好ましい。製造プロセスやコストを考慮すると、溶融混練法により混合することが好ましい。
上記溶融混練で使用可能な溶融混練機としては、熱可塑性樹脂について一般に実用されている混練機を挙げることができる。例えば、一軸又は多軸混練押出機、ロール、バンバリーミキサー等を用いることができる。
上記樹脂組成物は、次いで通常の溶融押し出し法、カレンダー法、溶液流延法などによりフィルム状に成形することができる。さらに得られたフィルムは一軸延伸又は二軸延伸することも可能である。
得られた層の表面は、ガスバリアコート層との密着性を向上させる目的で、コロナ処理、グロー処理、UV処理、プラズマ処理などを行ってもよい。さらに、フィルム表面にアンカー層を設けてもよい。
本発明において、基材フィルムの厚みは5〜500μmであることが好ましく、5〜200μmであることがより好ましく、10〜100μmであることがさらに好ましい。基材フィルムが薄いと強度不足や取扱いが困難になり、厚いと透明性の低下や可撓性が損なわれる傾向がある。
本発明のガスバリア性積層フィルムは、上記の無機層及びポリシルセスキオキサンを含有する層(欠陥補填層)以外に、さらに以下の各種機能層を有することもできる。
<透明導電層>
透明導電層としては、公知の金属膜、金属酸化物膜が適用できるが、中でも透明性、導電性、機械的特性の点から、金属酸化物膜が好ましい。例えば、不純物としてスズ、テルル、カドミウム、モリブデン、タングステン、フッ素等を添加した酸化インジウム、酸化カドミウム及び酸化スズ、不純物としてアルミニウムを添加した酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸化物膜が挙げられる。なかでも酸化スズを2〜15質量%含有した酸化インジウム(ITO)の薄膜が、透明性、導電性の点で優れており、好ましく用いられる。透明導電層の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンビームスパッタリング法等の方法が挙げられる。
透明導電層の膜厚は、15〜300nmであることが適当であり、20〜250nmであることが好ましく、30〜200nmであることがさらに好ましい。膜厚が15〜300nmであれば、連続した膜となり、十分な導電性が得られ、かつ良好な透明性及び耐屈曲性が得られる。
透明導電層は、最外層であれば基材フィルム側でもガスバリアコート層側に形成してもよいが、基材フィルムに含まれる微量水分の浸入を防ぐ意味でガスバリアコート層側に形成することが好ましい。
本発明のガスバリア性積層フィルムは、基材フィルムとガスバリアコート層との間に、公知のプライマー層又は無機薄膜層を有することができる。プライマー層としては、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等を用いることが可能であるが、本発明においてはこのプライマー層として有機無機ハイブリッド層を無機薄膜層としては、無機蒸着層又はゾル−ゲル法による緻密な無機コーティング薄膜が好ましい。無機蒸着層としては、シリカ、ジルコニア、アルミナ等の蒸着層が好ましい。無機蒸着層は真空蒸着法、スパッタリング法等により形成することができる。
ガスバリアコート層の上層又は最外層にはそれぞれ種々の機能層を設置してもよい。該機能層の例としては、反射防止層・偏光層・カラーフィルター・紫外線吸収層・光取出効率向上層等の光学機能層や、ハードコート層・応力緩和層等の力学的機能層、帯電防止層・導電層などの電気的機能層、防曇層、防汚層、被印刷層などが挙げられる。
また、ガスバリアコート層の上に、さらに無機層、続いて上述のゾルゲル法による無機層又はポリシルセスキオキサンを含有する層(欠陥補填層)を1回ずつ以上繰り返し積層してもよい。
本発明のガスバリア性積層フィルムは、上記の基材フィルム、無機層及びポリシルセスキオキサンを含有する層(欠陥補填層)を有する。このため、本発明のガスバリア性積層フィルムは、38℃、相対湿度90%における酸素透過率が0〜0.01ml/m2・day・atmであり、好ましくは、0〜0.008ml/m2・day・atmであり、さらに好ましくは、0〜0.005ml/m2・day・atmである。38℃、相対湿度90%における酸素透過率が0.01ml/m2・day・atm以下であれば、例えば、有機EL発光素子に用いた場合にその劣化を防ぐことができるため好ましい。
また、本発明のガスバリア性積層フィルムは、38℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は、0〜0.01g/m2・dayであり、好ましくは0〜0.008g/m2・dayであり、さらに好ましくは、0〜0.005g/m2・dayである。38℃、相対湿度90%における酸素透過率が0.01g/m2・day以下であれば、例えば有機EL発光素子に用いた場合にその劣化を防ぐことができるため好ましい。
[画像表示素子]
本発明のガスバリア性積層フィルムの用途は特に限定されないが、光学特性と機械特性に優れるため、画像表示素子の透明電極用基板として好適に用いることができる。
ここでいう「画像表示素子」とは、円偏光板・液晶表示素子、タッチパネル、有機EL素子などを意味する。
<円偏光板>
本発明のガスバリア性積層フィルムにλ/4板と偏光板を積層し、円偏光板を作成することができる。この場合、λ/4板の遅相軸と偏光板の吸収軸とが45°になるように積層する。このような偏光板は、長手方向(MD)に対し45°方向に延伸されているものを用いることが好ましく、例えば、特開2002−865554号公報に記載のものを好適に用いることができる。
<液晶表示素子>
反射型液晶表示装置は、下から順に、下基板、反射電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、透明電極、上基板、λ/4板、そして偏光膜からなる構成を有する。本発明のガスバリア性積層フィルムは、前記透明電極及び上基板として使用することができる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を反射電極と下配向膜との間、又は上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。
透過型液晶表示装置は、下から順に、バックライト、偏光板、λ/4板、下透明電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、上透明電極、上基板、λ/4板及び偏光膜からなる構成を有する。このうち本発明のガスバリア性積層フィルムは、前記上透明電極及び上基板として使用することができる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を下透明電極と下配向膜との間、又は上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。
液晶セルは特に限定されないが、より好ましくはTN(Twisted Nematic )型、STN(Supper Twisted Nematic)型又はHAN(Hybrid Aligned Nematic)型、VA(Vertically Alignment)型、ECB型(Electrically Controlled Birefringence)、OCB型(Optically Compensatory Bend)、CPA型(Continuous Pinwheel Alignment)であることが好ましい。
<タッチパネル>
タッチパネルは、特開平5-127822号公報、特開2002-48913号公報等に記載されたものに応用することができる。
<有機EL素子>
本発明のガスバリア性積層フィルムを有機EL等に用いる場合には、特開平11−335661号、特開平11−335368号、特開2001−192651号、特開2001−192652号、特開2001−192653号、特開2001−335776号、特開2001−247859号、特開2001−181616号、特開2001−181617号、特開2002−181816号、特開2002−181617号、特開2002−056976号等の各公報記載の内容、及び特開2001−148291号、特開2001−221916号、特開2001−231443号各公報と併せて用いることが好ましい。
すなわち、本発明のガスバリア性積層フィルムを、有機EL素子を形成する場合の基材フィルム、及び/又は保護フィルムとして用いることができる。
以下、実施例に基づき本発明のガスバリア性積層フィルムを詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
1.樹脂層(支持体)の作製
ゼオノア1600R(Tg163℃、日本ゼオン(株)製シクロオレフィンポリマー)樹脂100質量部当たりに、ソマシフMTE(コープケミカル(株)製合成雲母)の10質量部を混合した後、二軸押出機(レオミックス600P/PTW25;独ハーケ社製)を用いて、270℃で混練・押出しすることにより、膜厚200μmのフィルム1Aを得た。なお、ソマシフMTEを用いない樹脂層を作製し、これをフィルム1Bとした。
なお、フィルム1A及び1Bの550nmの光透過率は、それぞれ90%及び93%であった。
2.第一無機層の作製
上記のフィルム1A及び1B上に、Si蒸発量と酸素ガス導入量をコントロールしつつ、真空下で反応蒸着させ、膜厚60nmの酸化ケイ素層を形成させた。これをフィルム2A及び2Bとした。
3.ポリシルセスキオキサンを含有する層(欠陥補填層)の作製
(籠型ポリシルセスキオキサン)
重合性官能基を有する籠型ポリシルセスキオキサンとして「ポリシクロペンチルシルセスキオキサン(メタクリロキシ置換体)重合性T8立方体(アヅマックス製:SST−H8C51)」を9g、光重合性バインダーとしてKAYARAD−DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)を1g、及び光重合開始剤としてIRGACURE907を0.1g、をメチルエチルケトン190gに溶解させ塗布液とした。この塗布液を、ワイヤーバーを用いて上記のフィルム2Aに塗布し、酸素濃度0.1%以下の窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度350mW/cm2、照射量500mJ/cm2の紫外線を照射及び120℃1分加熱することにより膜厚100nmの欠陥補填層を形成させたフィルム3Aを得た。同様にフィルム2Bに欠陥補填層を形成し、フィルム3Bを得た。
(無定形ポリシルセスキオキサン)
無定形ポリシルセスキオキサンとして「ポリメチルシルセスキオキサン100%メチル(アヅマックス製:SST−3M01)」10g、硬化触媒としてジジブチルスズジアセテート0.05gをメチルエチルケトン190gに溶解させて塗布液とした。この塗布液を、ワイヤーバーを用いて上記フィルム2A上に塗布し、120℃で1時間加熱することにより膜厚100nmの欠陥補填層を形成し、フィルム3Cを得た。
4.第二無機層の作製
上記のフィルム3A、3B及び3C上に、Si蒸発量と酸素ガス導入量をコントロールしつつ、真空下で反応蒸着させ、膜厚60nmの酸化ケイ素層を形成させた。これをそれぞれフィルム4A、4B及び4Cとした。
5.透明導電層の作製
上記フィルム4A、4B及び4Cを真空チャンバー内に導入し、ITOターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタリングにより、膜厚200nmのITO薄膜からなる透明電極を形成した。これをフィルム5A、5B及び5Cとした。
また、第二無機層を含まないサンプルとして、フィルム3Aに同様に透明導電層を形成した。これをそれぞれフィルム5Dとした。
6.ポリシルセスキオキサンを含有する層(欠陥補填層)を含まないサンプルの作製
フィルム5Aの欠陥補填層を作製しなかったこと以外は上記と同様の方法によりフィルム6Aを作製した。
7.ポリシルセスキオキサンを含有しない層を有するサンプルの作製
フィルム5Aの欠陥補填層の作製において用いた塗布液の替わりに以下に示すポリシルセスキオキサンを含まない比較用塗布液を用いたこと以外は、上記と同様の方法によりフィルム7Aを作製した。
比較用塗布液は、光重合性バインダーとしてKAYARAD−DPHA(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物:日本化薬製)10g、及び光重合開始剤としてIRGACURE907(チバガイギー製)0.1gをメチルエチルケトン190gに溶解させて作製した。
8.ポリシルセスキオキサンを含有する層(欠陥補填層)のみを有するサンプルの作製
フィルム1A上に籠型ポリシルセスキオキサンを含む欠陥補填層のみを積層したフィルム8Aを作製した。
<試験例1>
ガスバリア性の測定
本発明のフィルム5A〜5D並びに比較用フィルム2A、2B、6A、7A及び8Aの酸素透過率及び水蒸気透過率を、38℃、相対湿度10%及び90%、MOCON法(酸素:MOCON OX−TRAN 2/20L、水蒸気:MOCON PERMATRAN−W3/31)によって測定した。結果を表1に示す。
Figure 2005104025
<試験例2>
屈曲試験
前記フィルム試料を20cm×30cmに切り出し、ガスバリアコート層を外側にして両端を貼り合せ円柱状にした後、12mmΦの搬送ローラー2本を両ローラー間に約1Nの張力をかけてフィルムとローラー部が完全に接触し、かつフィルムが滑らぬよう注意しながら30cm/分でフィルムを回転搬送させた。試料は25℃、相対湿度60%の環境で8時間調湿したものを用い、同条件の実験室にて試験を行った。上記操作の後、ガスバリア性の測定を行った。結果を表2に示す。
Figure 2005104025
<試験例3>
耐熱試験
前記フィルム試料のバリア性コート層面に、市販の赤外線ヒーターを面照射し表面温度250℃に上昇するまで加熱しその後25℃に放冷したもののガスバリア性の測定を行った。表面温度は市販の放射温度計にてモニターした。結果を表3に示す。
Figure 2005104025
表1よりポリシルセスキオキサンを含有する層(欠陥補填層)にポリシルセスキオキサンを含有するガスバリア性積層フィルム(フィルム5A、5B、5C、5D)は、1層の無機層のみを有する場合(フィルム2A、2B)、2層の無機層を積層しているがポリシルセスキオキサンを含有する層を有しない場合(フィルム6A)、ポリシルセスキオキサンを含まない層を有する場合(フィルム7A)及び無機欠陥層のみを有する場合(フィルム8A)より酸素透過率及び水蒸気透過率が遥かに優れていることが分かる。また、本発明のガスバリア性積層フィルムのうち、基材フィルムに無機層状化合物が含まれるフィルム(フィルム2A)は、無機層状化合物を含まないフィルム(フィルム2B)より水蒸気透過率がかなり向上したことが分かる。これより、本発明のガスバリア性積層フィルムは、無機層とポリシルセスキオキサンを含む欠陥補填層を積層する相乗効果により良好なガスバリア性能が得られることが分かる。
さらに本発明のフィルム5A、5B、5Dは、屈曲試験及び耐熱試験によりガスバリア性能の劣化はなかった。また本発明のフィルム5Cはわずかに屈曲試験で劣化したが、ほとんど影響ないレベルであった。これに対し、2層の無機層を積層しているが欠陥補填層を持たない比較用サンプル6Aは屈曲性が悪く、屈曲試験によりガスバリア性能が悪化した。また、ポリシルセスキオキサンを含まない層を有する比較用フィルム7Aは、前述の比較用フィルム6Aよりは優れていたが、本発明より耐熱性が劣り、耐熱試験によりガスバリア性能が悪化した。これより本発明のガスバリア性積層フィルムは、無機層とポリシルセスキオキサンを含む層を積層する相乗効果により良好な耐屈曲性及び耐熱性が得られることが分かる。
(実施例2)
1.基板及び有機EL素子の作製
フィルム5Aの透明電極(ITO)より、アルミニウムのリ−ド線を結線し、積層構造体を形成した。
透明電極の表面に、ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホン酸の水性分散液(BAYER社製、Baytron P:固形分1.3質量%)をスピンコートした後、150℃で2時間真空乾燥し、厚さ100nmのホール輸送性有機薄膜層を形成した。これを基板Xとした。
一方、厚さ188μmのポリエーテルスルホン(住友ベークライト(株)製スミライトFS−1300)からなる仮支持体の片面上に、下記の組成を有する発光性有機薄膜層用塗布液をスピンコーターを用いて塗布し、室温で乾燥することにより、厚さ13nmの発光性有機薄膜層を仮支持体上に形成した。これを転写材料Yとした。
ポリビニルカルバゾール 40質量部
(Mw=63000、アルドリッチ社製)
トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体 1質量部
(オルトメタル化錯体)
1,2−ジクロロエタン 3200質量部
前記基板Xの有機薄膜層の上面に転写材料Yの発光性有機薄膜層側を重ね、一対の熱ローラーを用い160℃、0.3MPa、0.05m/minで加熱・加圧し、仮支持体を引き剥がすことにより、基板Xの上面に発光性有機薄膜層を形成した。これを基板XYとした。
25mm角に裁断した厚さ50μmのポリイミドフイルム(UPILEX−50S、宇部興産製)片面上に、パターニングしたマスク(発光面積が5mmx5mmとなるマスク)を設置し、蒸着法により、250nmの膜厚でAlを製膜し、更に蒸着法により3nmの膜厚でLiFを製膜した。得られた積層構造体の上に下記の組成を有する電子輸送性有機薄膜層用塗布液をスピンコーター塗布機を用いて塗布し、80℃で2時間真空乾燥することにより、厚さ15nmの電子輸送性有機薄膜層をLiF上に形成した。さらにAl電極よりアルミニウムのリード線を結線し、これを基板Zとした。
ポリビニルブチラール2000L 10質量部
(Mw=2000、電気化学工業社製)
1−ブタノール: 3500質量部
下記構造を有する電子輸送性化合物 20質量部
Figure 2005104025
基板XYと基板Zを用い、電極同士が発光性有機薄膜層を挟んで対面するように重ね合せ、一対の熱ローラーを用い160℃、0.3MPa、0.05m/minで加熱・加圧し、貼り合せて有機EL素子1を作製した。
また、比較用の有機EL素子として、基板Xの作製において、支持体としてフィルム5Aの代わりに比較用フィルム7Aを用いた以外は同様の方法により有機EL素子2を作製した。
得られた有機EL素子1及び2にソースメジャーユニット2400型(東洋テクニカ(株)製)を用いて、直流電圧を印加し、発光させた。本発明の有機EL素子1は良好に発光した。比較用の有機EL素子2は比較的良好に発光した。
有機EL素子1及び2を素子作成後25℃相対湿度10%と90%下にそれぞれ12時間ずつ10日間放置し、同様にして発光させてみたところ、有機EL素子1は同様に良好な発光が見られたものの、有機EL素子2においては、欠陥が増大していた。
本発明のガスバリア性積層フィルムは、耐屈曲性、耐熱性及びガスバリア性に優れるため、各種のデバイス、特に画像表示素子の基板として利用することができる。さらに本発明の画像表示素子は、優れた耐屈曲性、耐熱性及びガスバリア性を有するため、フレキシブルな基板を有する素子として様々なデバイス製品に利用することができる。

Claims (7)

  1. 基材フィルム上に、少なくとも1層の無機層と、少なくとも1層のポリシルセスキオキサンを含有する層とを有するガスバリア性積層フィルム。
  2. 前記基材フィルム上に、前記無機層と、前記ポリシルセスキオキサンを含有する層とをこの順に積層する請求項1に記載のガスバリア性積層フィルム。
  3. 前記ポリシルセスキオキサンが籠型ポリシルセスキオキサン又はその部分開裂構造体である請求項1又は2に記載のガスバリア性積層フィルム。
  4. 前記ポリシルセスキオキサンを含有する層が重合性官能基を有するポリシルセスキオキサンと多官能モノマーとの共重合体を含む層である請求項1〜3のいずれか一項に記載のガスバリア性積層フィルム。
  5. 前記基材フィルムが無機層状化合物を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のガスバリア性積層フィルム。
  6. 38℃、相対湿度90%における酸素透過率が0.01ml/m2・day・atm以下であり、かつ38℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が0.01g/m2・day以下であることを特徴とする請求項1〜5記載のガスバリア性積層フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のガスバリア性積層フィルムを用いた画像表示素子。
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