JP2005103742A - 研磨具、研磨具の製造方法、研磨具の使用方法、砥粒、砥粒の製造方法 - Google Patents

研磨具、研磨具の製造方法、研磨具の使用方法、砥粒、砥粒の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】微細な砥粒同士つまり一次粒子同士が適切な結合力を持つ砥粒あるいはその砥粒が固定された研磨具を、容易に瞬時に大量に製造する。
【解決手段】多数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子を、加熱しながらノズルから噴射した砥粒を室温まで冷却することによって製造する。一例として、ジルコニアを研磨具基材に照射しないで、自然または強制的に冷却しながら落下させる。すると一次粒子同士の結合は部分的に空隙を有するように結合されており、砥粒として抜群の特性を持った砥粒を得ることができる。その砥粒を研磨作用面に固定した研磨具は、目詰まりせずに自生発刃を生じるために、高品位な加工面を高能率で得る研磨を実現する。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコン、ガラス、セラミックス等の高脆材料や鉄鋼、アルミニウム、銅等の金属材料を仕上げ加工するための研磨具及びその製造方法に関し、特に加工の高品位化、高能率化を行うための研磨具、研磨具の製造方法、研磨具の使用方法、砥粒、砥粒の製造方法に関する。
シリコンウエハーやガラスディスクをはじめ、各種硬脆材料や金属材料からなる部品の最終仕上げには、研磨剤スラリーを用いた研磨加工が用いられてきた。この加工法では微細な砥粒を使用しやすいため優れた仕上げ面粗さを容易に得ることができ、また大量の研磨剤スラリーを使用することで安定した加工特性を維持することができるため、多くの加工現場で用いられてきた。
しかし、研磨加工においては大量の研磨剤スラリーを要するとともに、大量の廃液を排出するため環境への負荷が極めて高く、また加工能率の向上にも限界がある。こうしたことから、研磨加工仕上げ相当の優れた仕上げ面粗さを得ることのできる固定砥粒加工工具の開発が各方面で活発に行われている。砥粒加工において良好な加工面粗さを得るには、通常、微細な砥粒を使用することが有利であり、固定砥粒加工工具においても、それは同様である。
しかし、鏡面といった優れた加工面を得るために、固定砥粒加工工具において粒径数μm以下の砥粒を使用すると、加工時に砥粒結合材と工作物との接触が生じやすく、あるいは切りくずが砥粒同士の間に蓄積され目詰まりが発生しやすく、その結果、加工抵抗の急増、最悪の場合には加工不可の状態に陥ってしまう。また砥粒結合材と工作物との接触を抑制するような手段を講じた場合も、砥粒径が小さいため、加工能率が低下してしまうといった問題がある。一方、加工能率を向上させるため、大粒径の砥粒を選択しなければならない。その結果、加工能率が向上されるものの、加工面品位が落ち、鏡面が得にくくなる。
これらの問題を解決するものとして、微細な砥粒を造粒し、凝集した状態の粉末を砥粒として使用する固定砥粒加工工具があるが、特許文献1においては、微細な一次粒子が凝集して形成された二次粒子を電気炉で加熱処理して砥粒とし、それをウレタン樹脂と混合し溶媒で溶かしてから攪拌機で攪拌して、研磨具の基材に塗布することで研磨具を製造することが開示されているが、このように研磨具を製造するのは工程が複雑である。
また、従来技術として、特許文献2〜5があるが、すべてが砥粒を結合するためのバインダを使用している。鏡面加工のために微細な砥粒をバインダで結合すると、バインダからの微細砥粒の突き出し量が充分でないため、目つぶれや目詰まりが発生しやすく高品位な加工面を得るのは困難である。
特開2003−105324号公報 特開平5−329778号公報 特開平6−47676号公報 特開平4−223871号公報 特開2000−117642号公報
本発明では多数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子を、加熱しながらノズルから噴射することによって、微細な砥粒同士つまり一次粒子同士が適切な結合力を持つ砥粒あるいはその砥粒が固定された研磨具を、容易に瞬時に大量に製造することを目的とする。
また、本発明では、一次粒子同士を結合するためのバインダを使用しないで結合した二次粒子を砥粒として固定した研磨具によって、高品位な加工面を高能率で得ることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明では、多数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子を、加熱しながらノズルから噴射し、室温まで冷却することによって製造された砥粒を有する研磨具であって、前記砥粒を少なくとも研磨具基材の研磨作用面に固定したことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、多数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子を、加熱しながらノズルから噴射した砥粒を有する研磨具であって、前記砥粒を前記ノズルと相対的に移動する研磨具基材に衝突させて固定したことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の研磨具において、前記研磨具は、研磨フィルム、研磨布および研磨砥石の何れかであることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1から3の何れか1項に記載の研磨具において、前記研磨具は、前記砥粒を研磨具基材に固定するためのバインダを配置して、そのバインダにたいして二次粒子を加熱しながらノズルから噴射して固定することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1から3の何れか1項に記載の研磨具において、二次粒子を噴射する前記ノズルを複数本有しており、複数の前記ノズルから異なる砥粒が製造され、前記砥粒を固定したことを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の研磨具において、前記異なる砥粒は、該砥粒の圧縮破壊強度が異なることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の研磨具において、前記研磨具は、圧縮破壊強度が強い砥粒から順に弱い砥粒へと、または逆に圧縮破壊強度が弱い砥粒から順に強い砥粒へと並べたことを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項6に記載の研磨具において、前記研磨具は、圧縮破壊強度が強い砥粒から順に弱い砥粒へと、または逆に圧縮破壊強度が弱い砥粒から順に強い砥粒へと並べて、その配列を繰り返したことを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項5に記載の研磨具において、前記異なる砥粒は、該砥粒の材料が異なることを特徴とする。
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の研磨具において、前記異なる砥粒は、工作物より高硬度で機械的な作用をおよぼす砥粒と、工作物にたいして化学的な作用をおよぼす砥粒であることを特徴とする。
請求項11に係る発明は、請求項1から10の何れか1項に記載の研磨具において、前記研磨具基材上に島状あるいは格子状、ライン状、帯状の領域に砥粒を固定することを特徴とする。
請求項12に係る発明は、請求項1から10の何れか1項に記載の研磨具の製造方法であって、前記研磨具を製造することを特徴とする。
請求項13に係る発明は、請求項7または8記載の研磨具における研磨具の使用方法であって、工作物に作用する順番が圧縮破壊強度の強い砥粒から弱い砥粒となるように、研磨具に連続的に、または断続的に送りをかけて研磨をすることを特徴とする。
請求項14に係る発明は、多数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子を、加熱しながらノズルから噴射した砥粒であって、前記砥粒を室温まで冷却することによって製造されたことを特徴とする。
請求項15に係る発明は、請求項14に記載の砥粒であって、前記砥粒は、一次粒子同士を結合するためのバインダを含まないことを特徴とする。
請求項16に係る発明は、請求項14または15に記載の砥粒であって、前記砥粒は、多数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子を一次粒子どうしの結合点にネックが形成され、多数の微細な切れ刃形成粒子が部分的に、かつ、空隙を形成して、互いにゆるく結合してなる粒状の多孔質体であることを特徴とする。
請求項17に係る発明は、請求項14から16の何れか1項に記載の砥粒の製造方法であって、前記砥粒を製造することを特徴とする。
本発明によれば、多数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子を、加熱しながらノズルから噴射し、室温まで冷却することによって、二次粒子が噴射されると同時に砥粒が製造されるので、微細な一次粒子同士が適切な結合力を持つ砥粒を少なくとも研磨作用面に固定した研磨具であるので、固定された砥粒は微細な一次粒子同士が適切な結合力を持つ砥粒であり、この研磨具は目詰まりせずに自生発刃を生じるために、高品位な加工面を高能率で得る研磨を実現することが可能となる。
また、多数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子を、加熱しながらノズルから噴射して、ノズルと相対的に移動する研磨具基材に衝突させて固定することで、二次粒子が噴射されると同時に研磨具が製造されるので、微細な一次粒子同士が適切な結合力を持つ砥粒が固定されている研磨具を、容易に瞬時に大量に製造することができる。
また、研磨具が研磨フィルム、研磨布および研磨砥石のいずれかであるので、高品位な加工面を高能率で得る研磨を特に効果的に実現することが可能となる。また、固定砥粒研磨具によってスラリーが不要となり、環境負荷が大幅に低減となる。
また、研磨具は砥粒を研磨具基材に固定するためのバインダを配置して、そのバインダにたいして二次粒子を加熱しながらノズルから噴射して固定するので、研磨具上での砥粒の保持力を容易に調整できて、その保持力を高めることができるので、加工中のスクラッチの原因となる砥粒の脱落を、防ぐことが可能となる。
また、二次粒子を噴射するノズルが複数本であり、複数のノズルから異なる砥粒が製造されるので、研磨具の研磨面において異なる砥粒を混在させたり、分布させたりすることが容易に実現できる。
また、異なる砥粒はその砥粒の圧縮破壊強度が異なるので、異なる加工特性、たとえば加工能率と加工面粗さが得られるため、研磨具の使用する位置によって加工特性を変化させることが可能となる。
また、研磨具は、圧縮破壊強度が強い砥粒から順に弱い砥粒へと、または逆に圧縮破壊強度が弱い砥粒から順に強い砥粒へと並べたので、圧縮破壊強度が強い部分から順に弱い部分を使用して研磨することによって、その研磨具において、研磨具を交換せずに、能率優先の加工から加工面の表面粗さ優先の加工を順に行うことが可能となる。
また、研磨具は、圧縮破壊強度が強い砥粒から順に弱い砥粒へと、または逆に圧縮破壊強度が弱い砥粒から順に強い砥粒へと並べて、その配列を繰り返したことで、圧縮破壊強度が強い部分から順に弱い部分を使用して研磨することによって、その研磨具において、研磨具を交換せずに、能率優先の加工から加工面の表面粗さ優先の加工を順に、繰り返して行うことが可能となる。
また、異なる砥粒は、材料が異なるので、それぞれで違う加工特性、たとえば加工能率と加工面粗さが得られるため、研磨具の使用する位置によって加工特性を変化させたり、また、それぞれの加工特性を重畳させることが可能となる。
また、異なる砥粒は、工作物より高硬度で機械的な作用をおよぼす砥粒と、工作物にたいして化学的な作用をおよぼす砥粒であるので、それぞれの加工特性を重畳させることで高品位な加工面を高能率で得ることができる。
また、研磨具基材上に島状あるいは格子状、ライン状、帯状の領域に砥粒を固定することで、同じ研磨荷重においても加工点での加工圧力を高めることができ、また、潤滑や冷却、その他のために使用する液体を加工点へ供給することが容易になり、また、研磨により発生する切粉の排出が可能となり、高品位な加工面を高能率で安定して得ることができる。とくに、加工時の研磨具と工作物との接触面積が大きな加工のときに効果が得られる。
また、工作物に作用する順番が圧縮破壊強度の強い砥粒から弱い砥粒となるように、研磨具に連続的に、または断続的に送りをかけて研磨をするので、研磨具を交換せずに、能率優先の加工から加工面の表面粗さ優先の加工を行うことが可能となり、また、工作物をワンチャックで(チャックし直すことなく)仕上げることができるため、効率よく加工することができる。
また、多数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子を、加熱しながらノズルから噴射し、室温まで冷却することによって、二次粒子が噴射されると同時に砥粒が製造されるので、微細な一次粒子同士が適切な結合力を持つ砥粒を、容易に瞬時に大量に製造することができる。
また、砥粒は一次粒子同士を結合するためのバインダを含まないので、凝集砥粒内における微細な切れ刃の突き出しをじゅうぶんに得ることができるので高品位な加工面を高能率で得ることができる。
また、砥粒は、多数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子を一次粒子どうしの結合点にネックが形成され、多数の微細な切れ刃形成粒子が部分的に、かつ、空隙を形成して、互いにゆるく結合してなる粒状の多孔質体であるので、切刃形成粒子の少なくとも空隙に接する部分が切刃として機能し、該切刃形成粒子が摩耗して切刃となる部分を失うにしたがって脱落するとともに、新たな切刃形成粒子が加工面に順次突き出され、さらに切刃形成粒子同士の結合力が最適化されているために、優れた品位を維持して極めて能率良く、かつ、長時間に亘って安定して加工をおこなうことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。砥粒としては、加工対象物にもよるが、一般には硬質無機材料であって、平均粒径が5μm以下の一次粒子の微細粉末が凝集して、平均粒径10〜300μm程度、さらに好ましくは平均粒径40〜100μm程度の二次粒子径を備えたものが適する。通常の砥粒に供する材料は、シリカ、セリア、cBN、アルミナ、炭化珪素、ジルコニア、タングステンカーバイド等を代表とする酸化物、窒化物、炭化物等である。凝集体はゾルゲル法、スプレードライヤー等、気相法の手段でつくることができる。
気相法により作成されたアルミナの凝集体である二次粒子を図1で示すようなノズルに供給する。燃料ガスとしてアセチレン、水素、プロパンまたはこれらの混合ガスと酸素を混合し燃焼炎を発生させる。その燃焼炎中に送給ガスによってアルミナの二次粒子が送り込まれ、ノズルより噴射される。燃焼炎中における温度は約3000℃になっており、アルミナの一次粒子の表面は瞬間的に溶融して隣接する一次粒子同士が結合する。この一次粒子同士の結合は部分的に空隙を有するように結合されており、砥粒として抜群の特性を持っている。つまり、切刃形成粒子の少なくとも空隙に接する部分が切刃として機能し、該切刃形成粒子が摩耗して切刃となる部分を失うにしたがって脱落するとともに、新たな切刃形成粒子が加工面に順次突き出され、さらに切刃形成粒子同士の結合力が最適化されているために、優れた品位を維持して極めて能率良く、かつ、長時間に亘って安定して加工をおこなうことができる。噴射されたアルミナの二次粒子は回転するアルミニウム合金製の円筒形状部材の円筒面に衝突して付着する。このようにして一瞬のうちにアルミニウム合金を台金とした研磨用砥石が作成される。ここで円筒面におけるアルミナの二次粒子が噴射される範囲が円筒面の研磨用砥石として必要な範囲より小さい場合は、円筒面を回転させるとともにノズルまたは円筒面を横方向にも移動させて、滞留時間を研磨用砥石として必要な範囲全面において一定となるように砥粒の噴射を行う。これにより全面に砥粒が均一に固定された研磨用砥石を得ることができる。
作成された砥石を使用して直径150mmの光学ガラス(粗さ1μmRy)の研磨を行ったところ30nmRyの鏡面を約5分で得ることができた。研磨条件は、砥石回転数300rpm、送り80mm/min、切り込み深さ1μmである。
炭素鋼製の円筒形状部材の円筒面にNi-Cr合金の溶射皮膜を成膜する。次に、気相法により作成されたアルミナの凝集体である二次粒子をノズルに供給する。本実施例の概念図を図1に示す。燃料ガスとしてアセチレン、水素、プロパンまたはこれらの混合ガスと酸素を混合し燃焼炎を発生させる。その燃焼炎中に送給ガスによってアルミナの二次粒子が送り込まれ、ノズルより噴射される。燃焼炎中における温度は約2800℃になっており、アルミナの一次粒子の表面は瞬間的に溶融して隣接する一次粒子同士が結合する。この一次粒子同士の結合は部分的に空隙を有するように結合されており、砥粒として抜群の特性を持っている。噴射されたアルミナの二次粒子は回転する円筒形状部材の円筒面に衝突して付着する。このようにして一瞬のうちに炭素鋼を台金とした研磨用砥石が作成される。ここで円筒面におけるアルミナの二次粒子が噴射される範囲が円筒面の研磨用砥石として必要な範囲より小さい場合は、ノズルまたは円筒面を横方向にも移動させて、滞留時間を研磨用砥石として必要な範囲全面において一定となるように溶射を行う。Ni-Cr合金はアルミナ砥粒と炭素鋼との間の熱応力を緩和して密着性を増すために形成された層であり、必要に応じて複数のノズルから同時にアルミナ砥粒とNi-Cr合金を噴射して傾斜組成にしてもよい。これにより全面に砥粒が均一に固定された研磨用砥石を得ることができる。
作成された砥石を使用して直径50mm、表面粗さ2μmRyの光学ガラスの研磨を行ったところ25nmRyの鏡面を約5分で得ることができた。研磨条件は、砥石回転数200rpm、送り100mm/min、切り込み深さ0.5μmである。
超微細ジルコニア粉末を水で泥しょう化し、スプレードライヤーで噴霧させて、所望のサイズを有する、例えば平均粒径で約50μmの二次粒子を得る。この二次粒子をノズルに供給する。本実施例の概念図を図2に示す。燃料ガスとしてアセチレン、水素、プロパンまたはこれらの混合ガスと酸素を混合し燃焼炎を発生させる。その燃焼炎中に送給ガスによってジルコニアの二次粒子が送り込まれ、ノズルより噴射される。燃焼炎中における温度は約3500℃になっており、ジルコニアの一次粒子の表面は瞬間的に溶融して隣接する一次粒子同士が結合する。本実施例ではジルコニアを研磨具基材に照射しないで、自然または強制的に冷却しながら落下させる。一次粒子同士の結合は部分的に空隙を有するように結合されており、砥粒として抜群の特性を持った砥粒を得ることができる。砥粒の様子を図10に示す。多数の一次粒子どうしの結合点にネックが形成され、多数の微細な切れ刃形成粒子が部分的に、かつ、空隙を形成して、互いにゆるく結合してなる粒状の多孔質体であるという特徴を示している。ここで、1次粒子同士の結合力を評価するために、島津製作所(株)製微小圧縮試験機MCTM500PCを用いて、砥粒に対して圧縮破壊試験を評価した。試験条件としては、一次粒子の結合力によるが、試験荷重は10〜1000mN、負荷速度は0.446mN/sec以上を採用した。測定の手順はここで簡単に述べる。平面圧子を用いて、顆粒に対して一定の荷重で一定の負荷速度で圧縮を行い、砥粒が圧縮により破壊された時の強度を測定する。この測定法によれば、本実施例の砥粒の圧縮破壊強度は150MPaである。
平均粒径50μmを持つ砥粒を液状のウレタン樹脂に混入し、さらにメチルエチルケトンを加え、10分程度混合攪拌する。そして、混合溶液を基材上(例えば、厚さ約75μmのPETフィルム)にワイヤバーコータを用いて塗布し、その後、恒温槽60℃程度で1時間程度乾燥を施し、研磨フィルムを作成した。
このように作成した研磨フィルムをラップ定盤に取りつけ、直径30mm、表面粗さ0.8μmRyの光学ガラスディスクを加工した結果(加工条件:定盤回転数60rpm、加工圧力50kPa)、2分間でスクラッチフリー、かつ30nmRy以下の鏡面を得ることができた。
実施例3と同様に、得られたジルコニア砥粒(35体積%)とポリウレタン樹脂と混合し、攪拌機で60rpm、15分間混合攪拌して、混合物を得た。この際に必要に応じて独立気泡を形成するための発泡剤を添加する場合もある。その後、混合溶液を円形金型(Φ450mm)に注入し、110〜130℃程度で8〜10時間程度キュアリングを施し、研磨布を作成した。このように作成した研磨布をさらに所望なサイズに切り出して、定盤に貼り付け、シリコンウエハーを研磨した結果、12分間で表面粗さ20nmRy以下の高品位な加工面が得られた。
気相法により作成されたジルコニアの凝集体である二次粒子を図1で示すようなノズルに供給する。燃料ガスとしてアセチレン、水素、プロパンまたはこれらの混合ガスと酸素を混合し燃焼炎を発生させる。その燃焼炎中に送給ガスによってジルコニアの二次粒子が送り込まれ、ノズルより噴射される。燃焼炎中における温度は約3500℃になっており、ジルコニアの一次粒子の表面は瞬間的に溶融して隣接する一次粒子同士が結合する。この一次粒子同士の結合は部分的に空隙を有するように結合されており、砥粒として抜群の特性を持っている。噴射されたジルコニアの二次粒子は研磨フィルム基材上の砥粒を固定するためのバインダに固定される。その断面は図3のようである。このときに、ノズルは図4のように4本使用して、それぞれから圧縮破壊強度の異なる砥粒を噴射する。領域Aは圧縮破壊強度が600MPa、領域Bは500MPa、領域Cは300MPa、領域Dは100MPaとなり、研磨フィルムの長手方向にその配列が繰り返されるように研磨フィルムを作成する。ここで圧縮破壊強度については燃焼炎中における温度によって4通りの値を得たが、図8に示すように圧縮破壊強度によって得られる加工特性(加工能率と表面粗さ)が異なるため、圧縮破壊強度の高い砥粒(領域A)ではじめに研磨加工を行い、次に領域B、C、Dの順に研磨加工を実施する。つまり、領域Aから領域Dの順に粗加工から仕上げ加工を行う。このような工程で直径150mmの光学ガラスの研磨を行ったところ、7μmRyの粗面から30nmRyの鏡面を約8分で得ることができた。研磨条件は、ワーク回転数は30rpm、研磨フィルム送り方向(フィルム長手方向)にたいして直交方向の揺動は2Hz、2分間加工して研磨フィルムを次の領域に送った。
ここで従来例として図11に示したような研磨フィルムがある。鏡面加工を目的としているために0.5μm程度の直径を持つ砥粒を使用しているが、バインダからの砥粒突き出し量が極わずかである。その量は最大に見積もっても0.5μm以下である。このような研磨フィルムで研磨加工をすると、砥粒の摩耗による目つぶれや砥粒の突き出し量が小さいことによる目詰まりが容易に発生してしまい、能率が非常に低いため鏡面を得るには加工前の表面粗さにもよるが長時間を要する。それにたいして本実施例の図3に示した研磨フィルムでは、砥粒径が大きい(たとえば50μm)にもかかわらず、加工面に作用するのは微細な切れ刃であるために、砥粒突き出し量が大きい状態で鏡面加工が実現できるので、高能率で鏡面を得ることができる。
タングステンカーバイドの微粉末を一次粒子とした凝集体である二次粒子を図1で示すようなノズルに供給する。燃料ガスとしてアセチレン、水素、プロパンまたはこれらの混合ガスと酸素を混合し燃焼炎を発生させる。その燃焼炎中に送給ガスによってタングステンカーバイドの二次粒子が送り込まれ、ノズルより噴射される。燃焼炎中における温度は約3500℃になっており、タングステンカーバイドの一次粒子の表面は瞬間的に溶融して隣接する一次粒子同士が結合する。この一次粒子同士の結合は部分的に空隙を有するように結合されており、砥粒として抜群の特性を持っている。同様にセリアの微粉末を一次粒子とした凝集体である二次粒子を図1で示すようなタングステンカーバイドとは別のノズルから噴射させる。これら別々の粒子を別々のノズルから研磨フィルム基材上に噴射して図5のようにランダムに分布するように固定する。
作成された研磨フィルムを使用して直径50mm、表面粗さ1μmRyの光学ガラスの研磨を行ったところ30nmRyの鏡面を約5分で得ることができた。研磨条件は、ワーク回転数は30rpm、研磨フィルム送り方向(フィルム長手方向)にたいして直交方向の揺動は2Hzとした。5分間の加工終了後に、研磨フィルムを送って新規な研磨フィルム面を出してから、次の光学ガラスを研磨した。その結果、安定して30nmRyの鏡面を得ることができた。
気相法により作成されたアルミナの凝集体である二次粒子を図1で示すようなノズルに供給する。燃料ガスとしてアセチレン、水素、プロパンまたはこれらの混合ガスと酸素を混合し燃焼炎を発生させる。その燃焼炎中に送給ガスによってアルミナの二次粒子が送り込まれ、ノズルより噴射される。燃焼炎中における温度は約3000℃になっており、アルミナの一次粒子の表面は瞬間的に溶融して隣接する一次粒子同士が結合する。この一次粒子同士の結合は部分的に空隙を有するように結合されており、砥粒として抜群の特性を持っている。噴射されたアルミナの二次粒子は図7に示されるような複数のノズルから、直前に研磨フィルム基材上にバインダが塗布された帯状のバインダ塗布領域にたいして噴射されバインダの固化にともなって固定される。
この様に作成された研磨フィルムをウェブタイプの研磨機(図9)に装着して、直径30mmの光学ガラスディスクを加工した結果(加工条件:ワーク回転数30rpm、加工圧力50kPa)、2分間でスクラッチフリー、かつ30nmRy以下の鏡面を得ることができた。また、図6に示されているような島状、ライン状あるいは格子状の砥粒固定領域を持つ研磨フィルムにおいても同様な効果が得られる。ここで、島状、格子状の砥粒固定領域を持つ研磨フィルムは図7に示されるような複数のノズルから、砥粒噴射をONとOFFに制御しながら製造することができる。
最後に、実施例では、二次粒子を加熱するために燃料ガスとしてアセチレン、水素、プロパンまたはこれらの混合ガスと酸素を混合し燃焼炎を使用しているが、この方法に限定されるものではない。例えば、プラズマジェット、レーザーなども利用が可能である。
研磨用砥石製造方法の概念図である。 砥粒製造方法の概念図である。 研磨具の断面図である。 異なる砥粒が固定された研磨具である。 2本のノズルから異なる種類の砥粒が噴射された研磨具の図である。 研磨工具の砥粒固定領域を種々変形させた図である。 研磨具へのノズルによる砥粒固定イメージである。 一次粒子同士の結合力と加工特性を表したグラフである。 ウェブタイプの研磨装置である。 ジルコニア砥粒の様子を表した図である。 従来の研磨具の断面図である。

Claims (17)

  1. 多数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子を、加熱しながらノズルから噴射し、室温まで冷却することによって製造された砥粒を有する研磨具であって、
    前記砥粒を少なくとも研磨具基材の研磨作用面に固定したことを特徴とする研磨具。
  2. 多数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子を、加熱しながらノズルから噴射した砥粒を有する研磨具であって、
    前記砥粒を前記ノズルと相対的に移動する研磨具基材に衝突させて固定したことを特徴とする研磨具。
  3. 前記研磨具は、研磨フィルム、研磨布および研磨砥石の何れかであることを特徴とする請求項1または2に記載の研磨具。
  4. 前記研磨具は、前記砥粒を研磨具基材に固定するためのバインダを配置して、そのバインダにたいして二次粒子を加熱しながらノズルから噴射して固定することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の研磨具。
  5. 二次粒子を噴射する前記ノズルを複数本有しており、複数の前記ノズルから異なる砥粒が製造され、前記砥粒を固定したことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の研磨具。
  6. 前記異なる砥粒は、該砥粒の圧縮破壊強度が異なることを特徴とする請求項5に記載の研磨具。
  7. 前記研磨具は、圧縮破壊強度が強い砥粒から順に弱い砥粒へと、または逆に圧縮破壊強度が弱い砥粒から順に強い砥粒へと並べたことを特徴とする請求項6に記載の研磨具。
  8. 前記研磨具は、圧縮破壊強度が強い砥粒から順に弱い砥粒へと、または逆に圧縮破壊強度が弱い砥粒から順に強い砥粒へと並べて、その配列を繰り返したことを特徴とする請求項6に記載の研磨具。
  9. 前記異なる砥粒は、該砥粒の材料が異なることを特徴とする請求項5に記載の研磨具。
  10. 前記異なる砥粒は、工作物より高硬度で機械的な作用をおよぼす砥粒と、工作物にたいして化学的な作用をおよぼす砥粒であることを特徴とする請求項9に記載の研磨具。
  11. 前記研磨具基材上に島状あるいは格子状、ライン状、帯状の領域に砥粒を固定することを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の研磨具。
  12. 前記研磨具を製造することを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の研磨具の製造方法。
  13. 請求項7または8記載の研磨具における研磨具の使用方法であって、
    工作物に作用する順番が圧縮破壊強度の強い砥粒から弱い砥粒となるように、研磨具に連続的に、または断続的に送りをかけて研磨をすることを特徴とする研磨具の使用方法。
  14. 多数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子を、加熱しながらノズルから噴射した砥粒であって、
    前記砥粒を室温まで冷却することによって製造されたことを特徴とする砥粒。
  15. 前記砥粒は、一次粒子同士を結合するためのバインダを含まないことを特徴とする請求項14に記載の砥粒。
  16. 前記砥粒は、多数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子を一次粒子どうしの結合点にネックが形成され、多数の微細な切れ刃形成粒子が部分的に、かつ、空隙を形成して、互いにゆるく結合してなる粒状の多孔質体であることを特徴とする請求項14または15に記載の砥粒。
  17. 前記砥粒を製造することを特徴とする請求項14から16の何れか1項に記載の砥粒の製造方法。
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