JP2005102130A - 印刷制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】原稿画像に別の画像を合成して印刷する機能を備えた画像形成装置において、合成する画像の機能を損なうことなく、合成結果の画像に画像処理を施す。
【解決手段】原稿読取で得られた入力画像データ100に対して、桜紙画像などの合成対象データ102を合成して合成画像データ110を生成する。この合成の際、合成画像データ110中で、合成対象データ102の機能を果たす部分(例えば警告文字の領域)が合成された領域を示す合成タグデータ112が生成される。合成画像データ110と合成タグデータ112がプリンタコントローラへ転送される。プリンタコントローラは、合成画像データ110のうち合成タグデータ112が示す領域以外の領域に対し、階調補正などの画像処理を施す。この画像処理の結果がプリントエンジンに供給され、用紙に印刷される。
【選択図】図4
【解決手段】原稿読取で得られた入力画像データ100に対して、桜紙画像などの合成対象データ102を合成して合成画像データ110を生成する。この合成の際、合成画像データ110中で、合成対象データ102の機能を果たす部分(例えば警告文字の領域)が合成された領域を示す合成タグデータ112が生成される。合成画像データ110と合成タグデータ112がプリンタコントローラへ転送される。プリンタコントローラは、合成画像データ110のうち合成タグデータ112が示す領域以外の領域に対し、階調補正などの画像処理を施す。この画像処理の結果がプリントエンジンに供給され、用紙に印刷される。
【選択図】図4
Description
本発明は、2つの画像を合成して合成画像を生成し、この合成画像を印刷するための機能を備えた印刷制御装置に関する。
従来より、機密文書の不正複写防止などのために桜紙と呼ばれる特殊な用紙が用いられている。桜紙とは、人間の目には見えにくいが、複写機で複写すると隠されていた警告文字等が浮かび上がってくる特殊なパターンがあらかじめ印刷されている用紙である。この桜紙に印刷された文書を複写機で複写した場合、複写物には警告文字が目立つように印刷される。
この桜紙はコストが高いため、警告文字を示す画像(桜紙画像と呼ぶ)上に原稿画像を合成して印刷することで、桜紙に印刷したのと同等の機能を果たす印刷物を作成可能な画像形成装置が開発されている(例えば特許文献1)。
一方、トナー消費量低減のために低トナー消費モードに合わせた階調補正を行う画像形成装置が知られている(特許文献2)。
上述の桜紙画像印刷機能を持つ画像形成装置において、特許文献2に示されるような階調補正を施した場合、桜紙画像の印刷濃度が低下する。このため、この画像形成装置で作成した印刷物を複写機で読み取らせても、複写機が桜紙画像を適切に読み取ることができず、その結果複写物に警告文字が印刷されなくなるという問題がある。
以上、桜紙印刷を行う画像形成装置において、印刷する画像に対して階調補正を行う場合に考えられる問題点を説明した。しかしながら、桜紙印刷以外でも画像形成装置にて2つ以上の画像を合成する場合はあり得、2つの画像の合成結果に対して画像形成装置にて階調補正以外の画像処理を行う場合もあり、このような場合でも合成する画像のうちの一方について画像処理による画像の変化を防止したり、低減したりしたい場合がある。
本発明は、印刷制御装置で印刷対象の第1画像に別の第2画像を合成し、この合成結果の画像に対して画像処理を施し、この画像処理結果を印刷装置に供給して印刷させる場合において、画像処理による第2画像の劣化を防止又は低減することを目的とする。
本発明では、第1画像に第2画像を合成するとともに、その結果としてできる合成画像のうち画像の合成が行われた領域を示す合成領域情報を作成し、合成画像に対して階調補正等の画像処理を施す際に、この合成領域情報を参照し、画像の合成が行われた領域とそうでない領域とで異なる処理を適用する。
本発明に係る印刷制御装置は、画像を印刷装置に供給して所定媒体に印刷させる印刷制御装置であって、第1画像を入力する画像入力手段と、前記第1画像に対して所定の第2画像を合成して合成画像を生成すると共に、この合成画像のうち前記第2画像が合成された領域を示す合成領域情報を生成する合成手段と、前記合成手段で生成された合成画像を受け取って該合成画像に対して画像処理を施し、この画像処理の結果得られる画像を印刷装置へ出力する画像処理手段であって、前記合成領域情報を参照して前記合成画像のうち第2画像が合成された領域を合成領域として特定し、該合成領域とそれ以外の領域とで異なる処理を適用する画像処理手段と、前記画像処理手段で処理された前記合成画像を印刷装置へ出力して印刷させる画像出力手段と、を備える。
好適な態様では、画像処理手段は、前記合成領域には前記画像処理を行わない。
また別の好適な態様では、前記画像処理手段における画像処理の度合いについての設定値の入力を受け付ける設定手段を更に備え、前記画像処理手段は、前記合成画像のうちの前記合成領域以外の領域については、前記設定手段で受け付けた設定値に従って画像処理を施し、前記合成画像のうちの前記合成領域については、前記設定手段で設定された画像処理の度合いの設定値が、前記第2画像の機能を維持できる該度合いの限度である所定の限度値よりも画素値の変化度合いが小さい側の値である場合は、前記設定値に従って画像処理を施し、前記限度値よりも画素値の変化度合いが大きい側の値である場合は、前記限度値に従って画像処理を施す。
また本発明の別の側面では、第1画像に所定の画像処理を行った後、第2画像を合成することで、第2画像の劣化を防止又は低減する。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
上記従来技術の課題を解決するための方法として、まず図1に示す方法が考えられる。
図1は、画像形成装置で実行される処理の概要を示したものである。図1において、入力画像データ100は、例えば、スキャナで読み取った原稿を示すラスタ画像や、ローカル・エリア・ネットワーク上のクライアント装置から当該画像形成装置に送られてきたPDL(ページ記述言語)の印刷データを解釈して得たラスタ画像などである。合成対象データ102は、上記入力画像データ100に対して合成されるラスタ画像である。合成対象データ102の一例としては、例えば桜紙印刷のための警告文字を示した桜紙画像を挙げることができる。合成対象データ102では、画像領域102a(図では「A」の形をしている)内の画素が0より大きい画素値を有し、画像領域102aの外の画素は画素値が0(カラー画像の場合は各原色CMYKの全ての値が0)である。画像領域102aは、この合成対象データ102が果たすべき機能を担う重要部分である。合成結果の画像において、この領域102aの画像が劣化していたり、欠損していたりすると、合成対象データ102に求められる機能が果たせなくなる。合成対象データ102が桜紙画像である場合、この画像領域102aは、警告文字を表す画素の領域である。
図1の方法では、入力画像データ100に対して、トナー節約などのための階調補正処理(低濃度化)を施し、この補正により得られた補正後画像データ104を合成対象データ102と合成することにより、合成画像データ106を生成する。ここでいう2つの画像の「合成」の一例としては、例えば、それら2つの画像を重ね合わせる(すなわち画素毎に論理和する)処理を挙げることができる。合成画像データ102が桜紙画像の場合は、ここでの合成には、特許文献2に開示された合成方法を利用することもできる。
この図1の処理方法によれば、合成対象データ102に対しては階調補正が行われないので、合成対象データ102中の画像領域102aの画像濃度を保ったまま、補正後画像データ104と合成することができる。したがって、例えば桜紙画像を合成対象データ102として合成する場合、この方法を用いれば、桜紙画像の濃度を落とすことなく、入力画像データ100のみの濃度を落とした合成画像データ106を作成することができる。すなわち、桜紙の機能を保ったまま、トナー節約のための階調補正を実現することができる。
図1の方法を用いた画像形成装置の構成の一例を図2に示す。図2には、本実施形態の制御の説明のために必要な構成要素を図示し、その他の構成要素については図示を省略している。
図2に例示した画像形成装置は、ディジタル複写機やディジタル複合機など、原稿を光学的に読み取って印刷する機能と、ホスト装置から送信されてきた印刷データを印刷する機能を備えた装置である。
この装置においてROM(リード・オンリ・メモリ)12には、この画像形成装置の動作制御のための制御プログラムなどのディジタル情報が格納されている。CPU(中央処理装置)10がこのROM12内の制御プログラムを実行することにより、画像形成装置の各部の制御が実現される。
RAM(ランダム・アクセス・メモリ)14は、この画像形成装置の主記憶装置であり、制御プログラムの実行の際にワークメモリとしても用いられる。RAM14は、例えば、プリントエンジン35に供給する画像データを蓄えるためにも用いることもできる。
HDD(ハードディスク・ドライブ)16は、各種のデータを保存するための補助記憶装置である。例えば、HDD16には、画像形成装置が、要求される各種ジョブのために受信したり生成したりしたジョブデータが保存される。このようなジョブデータとしては、例えば、リモートのホスト装置からネットワークを介して依頼されたPDL(ページ記述言語)の印刷データ、この印刷データから生成した画像データ、コピーのためにスキャンエンジン25で読み取った原稿の画像データや、スキャン指示に従ってスキャンエンジン26(25)で読み取った画像データなどがある。
DMA(ダイレクト・メモリ・アクセス・コントローラ)17は、HDD16やスキャナコントローラ20、プリンタコントローラ30などと、RAM14との間のダイレクト・メモリ・アクセスによるデータ転送を制御する制御装置である。
操作パネル18は、この画像形成装置のユーザインタフェースのための表示や、ユーザからの各種指示の入力受付などのためのユーザインタフェース手段である。操作パネル18は、典型的には、コピースタートボタンなどの機械的な操作ボタンや液晶タッチパネルを備える。液晶タッチパネルは、CPU10で実行される制御プログラムが生成したGUI(グラフィカルユーザインタフェース)画面を表示し、そのディスプレイに対するユーザのタッチ位置を検出して制御プログラムに渡す。制御プログラムは、そのタッチ位置の情報からユーザの入力内容を解釈する。
ネットワークI/F(インタフェース)40は、ローカルエリアネットワークなどのネットワークとのデータ通信のための制御を行う装置である。ネットワーク上のホスト装置からの印刷データは、このネットワークI/F40を介して画像形成装置内に入力される。
スキャンエンジン25は、原稿を光学的に読み取って電子的な画像データを生成するスキャナ機能を提供する装置である。自動原稿送り装置(ADF)(図示省略)にセットされた原稿は、ADFの機能により1枚ずつスキャンエンジンに送られ、光学的に読み取られる。スキャナコントローラ20は、スキャンエンジン25を制御する装置である。
プリントエンジン35は、CPU10の制御により供給される画像データを用紙に画像形成(印刷)するプリンタ機能を提供する装置である。プリンタコントローラ30は、プリントエンジン35を制御して印刷を行わせる装置である。図2の例のプリンタコントローラ30は、印刷対象の画像データ(原稿画像と呼ぶ)と共に、この画像データに合成する桜紙画像のデータを受け入れ、原稿画像に桜紙画像を合成し、その合成結果の画像をプリントエンジン35に供給する。
より詳細には、プリンタコントローラ30は、切換部31,画像処理部32,及び合成部33を備える。切換部31は、供給される原稿画像と桜紙画像とを識別し、前者の送り先を画像処理部32に、後者の送り先を合成部33にと切り換える。画像処理部32は、切換部32から供給される原稿画像に対し、所定の画像処理を施す。ここで、画像処理部32が実行する画像処理の代表例は、トナー節約等のための階調補正である。画像処理部32で処理された原稿画像は、合成部33に供給される。合成部33は、原稿画像と桜紙画像とを合成し、この結果出来た合成画像をプリントエンジン35に印刷させる。合成部33が実行する合成処理は、特許文献1等に示される従来の合成処理と同様のものでよい。切換部31,画像処理部32,及び合成部33は、ソフトウエア的に実現することも、ハードウエア回路として実現することもできる。
以上に説明したCPU10,ROM12,RAM14,HDD16,DMA17,スキャナコントローラ20,プリンタコントローラ30及びネットワークI/F40は、データバス50に接続されており、それら各ユニットはデータバス50を介して、画像データを初めとする各種データのやりとりを行う。
なお、図2には、画像形成装置のうち本発明との関係が深い構成要素を示しており、本発明との関係の薄い構成要素は図示を省略している。
次に図3を参照して、図2の構成における、桜紙合成印刷時のプリンタコントローラ30への画像データの流れを説明する。
この桜紙合成印刷の際には、例えばHDD16やROM12などに格納されている桜紙画像データ(ラスタ画像でもそれをPDL等で記述したものでもよい)から作成したラスタ画像の桜紙画像305がRAM14上に保持されているものとする。なお、桜紙画像データは、ネットワーク上のホスト装置からネットワークI/F40を介して取得し、HDD16やRAM14に格納することができる。
スキャンエンジン25で読み取った原稿画像300aに対して桜紙画像305を合成する場合は、CPU10の制御により、スキャナコントローラ20からの原稿画像300aと、RAM14からの桜紙画像305とが、所定の転送手順に従ってプリンタコントローラ30に送られる。プリンタコントローラ30の切換部31は、送られてきた画像データが原稿画像300aである場合はそれを画像処理部32へと送り、桜紙画像305である場合はそれを合成部33へ送る。画像処理部32は、原稿画像300aに対して階調補正などの所定の画像処理を施し、その結果を合成部33に出力する。合成部33は、この画像処理済みの原稿画像と、桜紙画像305とを合成し、その合成結果をプリントエンジン35に供給する。
ネットワークI/F40を介してホスト装置から受け取った印刷データに対して桜紙合成印刷をする場合は、次のようになる。すなわち、PDL等で記述された印刷データは、所定のインタプリタプログラムをCPU10で実行することにより、ラスタ画像の原稿データ300bに変換され、RAM14に格納される。この原稿画像300bと桜紙画像305とが、CPU10の制御の下、互いに対応づけてプリンタコントローラ30へと送信される。これら原稿画像300bと桜紙画像305とを受け取ったプリンタコントローラ30は、上述のスキャナ画像を桜紙印刷する場合と同様の処理を実行する。
以上説明したように、図2に示す構成では、画像処理部32による画像処理が、原稿画像300a又は300bにのみ施され、桜紙画像305には画像処理が施されないので、桜紙画像を劣化させることなく合成することができる。
以上説明したように、図1〜図3に示した構成によれば、合成対象データ102の機能を担う画像領域102aを損なうことなく、合成画像データ106中の該画像領域102a以外の部分について、階調補正などの所定の画像処理を施すことができる。
このように、図1〜図3の構成は有益ではあるが、プリンタコントローラ30に対して原稿画像300a又は300bと桜紙画像305を転送する際に、データバス50上のデータ転送効率が低下してしまうという問題がある。すなわち、桜紙画像をカラー画像とした場合、データ量は原稿画像と同等程度となってしまうため、原稿画像と合わせると、桜紙合成印刷でない通常印刷の場合の2倍のデータ量の転送が必要となる。このため、桜紙合成印刷をリアルタイムで実現しようとすると、従来の一般的な画像形成装置よりも高速なデータバス50を採用する必要がある。逆に従来と同等の転送速度のデータバスを用いた場合は、桜紙合成印刷時にはデータ転送が間に合わず、プリンタコントローラ30側で画像データのアンダーラン(不足)が発生する。
また、画像形成装置の機種によっては、原稿を複数部数の複写する場合や、両面印刷を行う場合などに、原稿画像をRAM14又はHDD16に一時的に保存しておくことがある。そのような画像形成装置では、その原稿画像に対応づけて桜紙画像をもRAM14やHDD16に一旦保存するため、RAM14又はHDD16の容量を大量に消費してしまうという問題があった。
そこで、このような問題を解決するための方法及び装置構成を以下に説明する。
図4は、この改良型の画像形成装置での画像データの合成方式を説明するための図である。図4では、図1に示した画像データと同等の画像データには、同じ符号を付してその説明を省略する。
図1の方法では、入力画像データ100と合成対象データ102をプリンタコントローラ30に転送し、プリンタコントローラ30にて合成を行った。これに対し、図4の処理方法では、プリンタコントローラ30に送る前に入力画像データ100と合成対象データ102を合成する。この合成の際に、合成対象データ102が合成された領域を示す合成タグデータ112を作成する。印刷時には、これら合成画像データ110と合成タグデータ112をプリンタコントローラ30に転送する。そして、プリンタコントローラ30が合成タグデータ112に基づき、合成画像データ110のうち前述の「合成された領域」以外の領域に対し、トナー消費量低減のための階調補正を施すことにより、プリントエンジン35に供給する階調補正済みの合成画像データ106を生成する。
以上の処理において、入力画像データ100と合成対象データ102との合成は、特許文献1等に示される従来手法を用いればよい。
また、合成タグデータ112は、例えば、合成画像データ110の各画素に対応して、当該画素が「合成された領域」に属する画素であるか否かを示す1ビットのデータを持つデータである。「合成された領域」は、入力画像データ100と合成対象データ102を合成する処理において求めることができる。例えば、合成対象データ102のうち画素値が0でない画素を「合成された領域」に属する画素と判定すればよい。この場合、画像領域102aが「合成された領域」に該当する。また、合成対象データ102内の値が0でない画素のすべてではなく、そのうちのある領域(限定領域と呼ぶ)に属するものだけを入力画像データ100に合成する場合もある。この場合、「合成された領域」は、画素領域102aと限定領域の両方に属する画素の集まりとなる。
このような処理では、入力画像データに合成対象データを合成して印刷するモードにおいて、プリンタコントローラ30に対して印刷対象のデータを転送するフェーズにおいて転送されるのは、階調補正前の合成画像データ110と合成タグデータ112とになる。このうち合成画像データ110は入力画像データ100と同等のデータ量であり、合成タグデータ112は1画素当たり1ビットでよいので合成対象データ102よりも遙かに少ないデータ量で済む。このため、図4の方式によれば、プリンタコントローラ30への画像データ転送時に必要なデータ転送レートを低くすることができるので、図1〜図3の構成のときの問題は解消又は軽減出来る。
次に、図4の方法を用いた画像形成装置の構成の一例を、図5を参照して説明する。図5において、図2に示した構成要素に相当する構成要素には、図2の場合と同じ符号を付してその説明を省略する。
図5の構成では、スキャンエンジン25を制御するスキャナコントローラ20A内に、原稿画像(入力画像データ100に対応)と桜紙画像(合成対象データ102に対応)合成部22Aが設けられ、プリントエンジン35を制御するプリンタコントローラ30Aには、分離部31Aと画像処理部32Aが設けられている。スキャナコントローラ20Aの合成部22Aは、スキャンエンジン25で読み取られた原稿画像に対し、桜紙画像を合成し、合成画像データと合成タグデータを生成する。プリンタコントローラ30の分離部31Aは、データバス50をから供給されるデータから、合成画像データと合成タグデータを分離し、画像処理部32Aに供給する。画像処理部32Aは、合成タグデータを参照しながら、合成画像データに対し階調補正などの所定の画像処理を施す。分離部31A及び画像処理部32Aは、ソフトウエア的に構築することもできるし、ハードウエア的に構築することもできる。
次に図6を参照して、図5の構成における、桜紙合成印刷時のプリンタコントローラ30Aへの画像データの流れを説明する。
この桜紙合成印刷に用いる桜紙画像605のデータは、スキャナコントローラ20A内のメモリに保持される。この桜紙画像605は、HDD16やROM12に保持されていたデータを元に作成し、これをスキャナコントローラ20Aに転送して記憶させるようにすることもできる。スキャンエンジン25での原稿読み取りにより生成された原稿画像600は、スキャナコントローラ20Aの合成部22Aにて、桜紙画像605と合成される。この合成処理により合成画像データ610が生成されると共に、合成タグデータ615が生成される。これら合成画像データ610と合成タグデータ615が、プリンタコントローラ30Aに転送される。プリンタコントローラ30Aでは、受信したデータの中から分離部31Aが合成画像データ610と合成タグデータ615とを識別し、それら各データ610及び615を画像処理部32Aに渡す。画像処理部32Aは、合成タグデータ615に基づき、合成画像データ610のうち、桜紙画像605が合成された領域を判別し、その「合成された領域」以外の領域に対し、階調補正等の所定の画像処理を適用する。これにより、合成画像データ610のうち、桜紙画像605のうち画像劣化を抑止したい領域102aの画像の状態を保ったまま、他の領域に対して画像処理を行うことができる。この画像処理の出力が、プリントエンジン35に供給され、用紙に印刷される。
図7は、図5及び図6に示した構成の変形例を示す図である。図5及び図6の例では、スキャンエンジン25で読み取った原稿画像を桜紙画像と合成する場合の例であったが、図7の例は、ホスト装置から受信したPDLの印刷データに対し、桜紙合成印刷を行う場合の一例である。
図7では、ホスト装置から受信したPDLデータ700を、CPU10で実行されるインタプリタプログラムにより、ラスタ画像の原稿画像702に変換し、これを桜紙画像705と合成する。ここで、桜紙画像705は、少なくともこの桜紙合成印刷の開始の時点でRAM14内に展開されており、PDLデータ700や原稿画像702もRAM14内に保持される。CPU10は桜紙合成プログラムを実行することにより、原稿画像702と桜紙画像705を合成して合成画像データ710を生成し、これに伴って合成タグデータ715を生成する。合成画像データ710及び合成タグデータ715が作成出来ると、CPU10の制御の下、それらデータ710及び715がプリンタコントローラ30Aに転送される。これらデータの転送を受けたプリンタコントローラ30Aでは、図6の例と同様の処理を実行することで、合成画像データ710のうち桜紙画像705の重要部分が合成された領域を維持したまま、他の領域に対して階調補正等の画像処理を施し、その処理結果をプリントエンジン35に印刷させることができる。
このように、図5〜図7に示した例では、プリンタコントローラ30Aに対して印刷対象のデータを転送するフェーズにおいて、データバス50上を流れるデータが合成画像データ710及び合成タグデータ715となる。このうち合成タグデータ715は、図1〜3の例においてデータバス50上を流れる桜紙画像305よりデータ量が少ないので、該フェーズのために必要となるデータバス50の伝送容量が少なくて済む。また、複数部数の複写や両面印刷などの際に、いったん作成した合成画像データ710をRAM14やHDD16に一時的に保存する場合、従来ならば原稿画像と桜紙画像のペアを保存していたのに対し、図5〜図7の例では合成画像データ710と合成タグデータ715のペアを保存するので、保存するデータ量を少なくすることができる。
なお、図7の例では、原稿画像と桜紙画像の合成をCPU10とRAM14にて行ったが、この代わりに、RAM14から原稿画像702と桜紙画像705を、データバス50に接続されたハードウエア合成処理を行う合成回路に転送し、この合成回路でそれら両者の合成及び合成タグデータ715の作成を行うようにしてもよい。この構成では、合成回路で作成した合成画像データ710及び合成タグデータ715は、RAM14に返され、蓄積される。そしてRAM14に蓄積した合成画像データ710及び合成タグデータ715をプリンタコントローラ30Aに転送して印刷させる。この構成では、RAM14から合成回路へ画像データを送って合成させて合成結果のデータをRAM14に戻す合成フェーズと、RAM14からプリンタコントローラ30Aに合成画像及び合成タグデータを転送する印刷転送フェーズとを分けている。このため、印刷転送フェーズ時にはデータバス50を流れるデータは合成画像及び合成タグデータとなるので、原稿画像及び桜紙画像を転送する場合よりも転送データ量を減らすことができる。なお、この構成において、スキャナコントローラ20Aがハードウエアの合成部22Aを備えている場合は、この合成部22Aを上記合成回路として利用してもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、原稿画像に対して桜紙画像を合成して印刷する場合に、桜紙画像の機能を果たす部分の画像の劣化を抑えつつ、他の部分に対して階調補正等の画像処理を施すことができる。また、図4〜図7に例示した構成によれば、印刷すべき画像データをプリンタコントローラ30Aに転送するフェーズでの転送データ量を、図1〜図3の構成に比べて低減することができる。
以上、画像処理部32及び32Aが実行する画像処理の例として、トナー消費量低減のための階調補正を例示したが、図1〜図7で説明した方式は、階調補正以外の様々な画像処理を施す場合にも有効である。一例を挙げると、画像中の指定された領域を白抜きする(すなわち該領域内の画素の値を0にする)画像処理を施す場合、図1〜図7で説明した方式によれば、入力画像データ100のみに白抜き処理が施され、合成対象データ102には白抜き処理が施されないため、合成画像データ106中でも画像領域102aの画像を維持することができる。
また、以上の例では、合成対象データ102が合成された領域に対しては、画像処理部32又は32Aによる画像処理をまったく行わなかったが、その「合成された領域」に対してそれ以外の領域よりも画素値の変化度合いの小さい画像処理を施す場合でも、従来技術の問題に対する改善効果があり、このような構成も本発明の範囲に含まれる。
例えば、階調補正での濃度低減の程度があまり大きくなければ、桜紙画像に対して階調補正を施しても、桜紙の機能が問題なく発揮される場合もある。そこで、桜紙画像の機能が維持できる限度となる濃度低減の割合を予め実験等により求めておき、階調補正での濃度低減の割合がその限度までなら桜紙画像に対して原稿画像の部分と同等の階調補正を施すという制御も可能である。この場合、階調補正における濃度低減の割合がその限度を越えて大きい場合は、原稿画像に対してはその割合で階調補正を施すが、桜紙画像には桜紙機能を維持できる限度の濃度低減割合で階調補正を施すようにする。
すなわち、この階調補正制御では、原稿画像に対しては、図8Aに示すように、階調補正の設定通りに階調補正を施す。例えば階調補正しない場合を100%として、階調補正の濃度割合設定が70%(すなわち濃度低減割合が30%)であれば原稿画像に対し実際に70%の濃度割合となるように階調補正を施し、40%の設定なら40%の濃度割合となるように階調補正を施す。
これに対し、桜紙画像に対しては、図8Bに示すように、桜紙画像の機能を維持できる限度(この例では濃度割合70%、すなわち濃度低減割合30%)までは階調補正の濃度割合の設定通りに桜紙画像に階調補正を施し、設定がその限度を超える場合(この例では濃度割合が70%未満に設定された場合)には、桜紙画像に対する階調補正はその限度(この例では濃度割合70%)の濃度割合で実行する。
なお、桜紙画像の機能を維持できる濃度低減の限度は、画像形成装置のメーカー側で実験等により求め、画像形成装置に記憶させておく。
このような階調補正を行う場合の桜紙合成印刷時のデータの流れの例を、図9を参照して説明する。図9の例は、図7のケースに対応するものであり、図7の場合と同じ構成要素には同じ符号を付してその説明を省略する。
図9の例が図7のケースと異なるのは、プリンタコントローラ30Aに対し、合成画像データ710及び合成タグデータ715の他に、CPU10から処理選択情報800を供給する点である。処理選択情報800は、印刷する合成画像データ710のうち桜紙画像705が合成された領域(例えば合成タグデータの値が1の画素)と、合成されていない領域(例えば合成タグデータの値が0の画素)との各々についての階調補正の処理方法を示す情報である。処理選択情報800としては、例えば合成されていない領域は濃度割合50%、合成された領域は濃度割合70%といった具合に、領域ごとに階調補正の濃度割合を示したデータを用いることができる。CPU10は、画像形成装置の操作部やリモートのコンピュータからユーザが入力した階調補正の濃度割合の設定値、または画像形成装置に管理者などが予め設定した階調補正の濃度割合の設定値を受け取り、図8A及び図8Bの関数に基づき、その設定値に対応する実際の濃度割合を、桜紙画像が合成されていない領域及び合成された領域のそれぞれについて求め、処理選択情報800を生成する。そして、その処理選択情報800をプリンタコントローラ30Aに送る。プリンタコントローラ30Aでは、入力される合成画像データ710、合成タグデータ715及び処理選択情報800を分離部31Aにて分離し、画像処理部32Aに渡す。画像処理部32Aは、合成タグデータ715と処理選択情報800に基づき、合成画像データ710の各画素に対する階調補正の濃度割合を選択し、これに従って合成画像データに対し階調補正などの所定の画像処理を施す。
図9の例は、ホスト装置から受信したPDLの印刷データに対し桜紙合成印刷を行う図7のケースに対応するものであったが、スキャンした画像に対して桜紙合成印刷を行う図6のケースも同様の階調補正制御が可能であることは明らかであろう。
また、図3の例のようにプリンタコントローラ30側で原稿画像300bと桜紙画像305を合成する構成の場合にも、図8A、図8Bのような階調補正濃度割合の制御が可能である。この例を、図10を参照して説明する。
図10の例でも、図9の例と同様、CPU10からプリンタコントローラ30に対して処理選択情報800を供給する。プリンタコントローラ30側では、入力される原稿画像データ300a又は300b、桜紙画像305及び処理選択情報800を分離部31Bにて分離し、原稿画像データ300a又は300bは第1画像処理部32aに、桜紙画像305は第2画像処理部32bに、処理選択情報800は第1及び第2画像処理部32a及び32bに、それぞれ供給する。第1画像処理部32aは、桜紙画像が合成されていない領域についての濃度割合を処理選択情報800から求め、この濃度割合になるように原稿画像データ300aに対して階調補正を施す。第2画像処理部32bは、桜紙画像が合成された領域についての濃度割合を処理選択情報800から求め、この濃度割合になるように桜紙画像305に対して階調補正を施す。なお、ここでは原稿画像用に第1画像処理部32a、桜紙紙画像用に第2画像処理部32bと、それぞれ個別の画像処理部を用いる場合を例示したが、原稿画像と桜紙画像を同じ1つの画像処理部で処理するようにしてももちろんよい。ただし、画像処理部をハードウエア回路で構成する場合、原稿画像用の第1画像処理部32aと桜紙画像用の第2画像処理部32bを別々に設ければ、画像処理の所要時間が短くできるというメリットがある。
そして、合成部33が、階調補正された原稿画像データと階調補正された桜紙画像とを合成し、この結果得られる合成画像をプリントエンジン35に供給する。
このように、桜紙画像の領域(合成された領域)に対し、桜紙の機能を維持できる限度までは原稿画像の領域と同等の階調補正を施すことにより、印刷結果における桜紙画像の領域とその他の領域との間の濃度差を縮小することができる。
100 入力画像データ、102 合成対象データ、106 合成画像データ(補正後)、110 合成画像データ(補正前)、112 合成タグデータ。
Claims (8)
- 画像を印刷装置に供給して所定媒体に印刷させる印刷制御装置であって、
第1画像を入力する画像入力手段と、
前記第1画像に対して所定の第2画像を合成して合成画像を生成すると共に、この合成画像のうち前記第2画像が合成された領域を示す合成領域情報を生成する合成手段と、
前記合成手段で生成された合成画像を受け取って該合成画像に対して画像処理を施し、この画像処理の結果得られる画像を印刷装置へ出力する画像処理手段であって、前記合成領域情報を参照して前記合成画像のうち第2画像が合成された領域を合成領域として特定し、該合成領域とそれ以外の領域とで異なる処理を適用する画像処理手段と、
前記画像処理手段で処理された前記合成画像を印刷装置へ出力して印刷させる画像出力手段と、
を備える印刷制御装置。 - 請求項1記載の印刷制御装置であって、前記画像処理手段は、前記合成領域には前記画像処理を行わないことを特徴とする印刷制御装置。
- 請求項1記載の印刷制御装置であって、前記画像処理手段は、前記合成領域には、それ以外の領域よりも画素値の変化度合いが小さい画像処理を行うことを特徴とする印刷制御装置。
- 請求項1に記載の印刷制御装置であって、前記合成領域情報は、前記第2画像において画素値が0である画素と0でない画素とに異なる値を割り当てた二値画像情報であることを特徴とする印刷制御装置。
- 前記画像処理手段における画像処理の度合いについての設定値の入力を受け付ける設定手段を更に備え、
前記画像処理手段は、
前記合成画像のうちの前記合成領域以外の領域については、前記設定手段で受け付けた設定値に従って画像処理を施し、
前記合成画像のうちの前記合成領域については、前記設定手段で設定された画像処理の度合いの設定値が、前記第2画像の機能を維持できる該度合いの限度である所定の限度値よりも画素値の変化度合いが小さい側の値である場合は、前記設定値に従って画像処理を施し、前記限度値よりも画素値の変化度合いが大きい側の値である場合は前記限度値に従って画像処理を施す、
ことを特徴とする請求項1記載の印刷制御装置。 - 画像データを印刷装置に供給して印刷を実行させる印刷制御装置であって、
第1画像を入力する画像入力手段と、
前記第1画像に対して所定の画像処理を施して処理済み第1画像を生成する第1画像処理手段と、
前記処理済み第1画像に対し、所定の第2画像を合成して合成画像を生成する合成手段と、
前記合成手段で生成された合成画像を印刷装置へ出力して印刷させる画像出力手段と、
を備える印刷制御装置。 - 前記第1画像処理手段における画像処理の度合いについての設定値の入力を受け付ける設定手段と、
前記合成手段は、
前記第2画像に対して、前記設定手段で設定された画像処理の度合いの設定値が、前記第2画像の機能を維持できる該度合いの限度である所定の限度値よりも画素値の変化度合いが小さい側の値である場合は前記設定値に従って前記所定の画像処理を施し、前記限度値よりも画素値の変化度合いが大きい側の値である場合は前記限度値に従って画像処理を施す第2の画像処理手段を備え、
前記処理済み第1画像に対し前記第2の画像処理手段による処理済みの第2画像を合成して合成画像を生成する、
ことを特徴とする請求項6記載の印刷制御装置。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の印刷制御装置であって、前記画像処理手段が施す前記所定の画像処理は階調補正処理である、ことを特徴とする印刷制御装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103856680A (zh) * | 2012-12-04 | 2014-06-11 | 柯尼卡美能达株式会社 | 图像处理装置、以及图像处理装置的控制方法 |
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2004
- 2004-04-05 JP JP2004111138A patent/JP2005102130A/ja active Pending
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