JP2005099687A - 偏光プラスチックレンズ、偏光プラスチックフィルム及びそれらの製造方法 - Google Patents

偏光プラスチックレンズ、偏光プラスチックフィルム及びそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 レンズ体からの偏光膜の剥離を抑制することができる偏光プラスチックレンズ及びその製造方法、フィルム体からの偏光膜の剥離を抑制することができる偏光プラスチックフィルム及びその製造方法を提供する。
【解決手段】偏光プラスチックレンズ11は、緩やかな曲面状に形成され、それぞれ厚みの異なる一対のレンズ体12が、ヒドロキシル基を有する樹脂としてのポリビニルアルコール樹脂から形成される偏光膜13の両面に設けられて構成されている。レンズ体12はイソシアナト基又はイソチオシアナト基を有する化合物を主成分の1つとする重合原料を重合して得られるようになっている。そして、偏光プラスチックレンズ11は、レンズ体12を形成する樹脂に含有されるイソシアナト基又はイソチオシアナト基と、偏光膜13を形成する樹脂に含有されるヒドロキシル基とがウレタン結合又はチオウレタン結合によって結合された状態で形成されている。
【選択図】 図1


Description

本発明は、例えば眼鏡用レンズ等の各種光学用レンズ、液晶表示装置の画像表示体等に用いられる偏光プラスチックレンズ、偏光プラスチックフィルム及びそれらの製造方法に関するものである。
従来、この種の偏光プラスチックレンズ等の偏光材には以下に示すものが知られている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂製のレンズ内にポリビニルアルコール樹脂製の偏光膜が保持されているタイプのものである。
この偏光プラスチックレンズは、円筒状をなし、内面には支持突条が周設されるとともに、外面の二箇所には樹脂注入部が突設されたガスケットと、その内周部に嵌合可能な一対のモールド部材とを用いて製造されるようになっている。
上記偏光プラスチックレンズを製造する場合には、まず偏光膜の周縁部を支持突条上に載せ、次いでモールド部材をガスケットの内周部に嵌合する。続いて、前記樹脂注入部を通じて両モールド部材間にジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂を充填する。そして、この樹脂を重合硬化させ、その後各モールド部材及びガスケットを離型することにより所望の偏光プラスチックレンズの成形品が得られる。
特開2001−311804号公報(第2〜3頁、図2及び図3)
ところが、上記従来の偏光プラスチックレンズでは、レンズ及び偏光膜の熱膨張率がそれぞれ異なることに起因して、温度変化等の環境変化により偏光膜がレンズから経時的に剥離するおそれがあった。
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、レンズ体からの偏光膜の剥離を抑制することができる偏光プラスチックレンズ及びその製造方法、フィルム体からの偏光膜の剥離を抑制することができる偏光プラスチックフィルム及びその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の偏光プラスチックレンズは、イソシアナト基又はイソチオシアナト基を有する化合物と、ヒドロキシル基又はメルカプト基を有する化合物とを主成分とし、重合触媒を含有する重合原料を重合して得られるレンズ体が、ヒドロキシル基を有する樹脂から形成される偏光膜の両面に設けられている偏光プラスチックレンズであって、前記レンズ体の重合原料に含有されるイソシアナト基又はイソチオシアナト基と、偏光膜を形成する樹脂に含有されるヒドロキシル基とがウレタン結合又はチオウレタン結合によって結合されていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明の偏光プラスチックフィルムは、イソシアナト基又はイソチオシアナト基を有する化合物と、ヒドロキシル基又はメルカプト基を有する化合物とを主成分とし、重合触媒を含有する重合原料を重合して得られるフィルム体が、ヒドロキシル基を有する樹脂から形成される偏光膜の両面に設けられている偏光プラスチックフィルムであって、前記フィルム体の重合原料に含有されるイソシアナト基又はイソチオシアナト基と、偏光膜を形成する樹脂に含有されるヒドロキシル基とがウレタン結合又はチオウレタン結合によって結合されていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明の偏光プラスチックレンズの製造方法は、請求項1に記載の発明において、有底筒状をなし、底部が緩やかな曲面状に形成された下部成形型と、該下部成形型に対して偏光膜を固定するための固定部材と、緩やかな曲面状をなし、下部成形型の開口部を封鎖するように嵌め込まれる上部成形型とから構成される成形型を用い、前記重合原料を下部成形型内に充填するとともに、この上に偏光膜を配置してその周縁部を固定部材により下部成形型に固定した状態で、偏光膜上にさらに重合原料を充填し、又は偏光膜の周縁部を固定部材により下部成形型に固定した状態で下部成形型及び上部成形型内に重合原料を充填し、その後重合原料を重合硬化することを要旨とする。
請求項4に記載の発明の偏光プラスチックフィルムの製造方法は、請求項2に記載の発明において、有底筒状をなし、底部が平坦状に形成された下部成形型と、該下部成形型に対して偏光膜を固定するための固定部材と、平坦状をなし、下部成形型の開口部を封鎖するように嵌め込まれる上部成形型とから構成される成形型を用い、前記重合原料を下部成形型内に充填するとともに、この上に偏光膜を配置してその周縁部を固定部材により下部成形型に固定した状態で、偏光膜上にさらに重合原料を充填し、又は偏光膜の周縁部を固定部材により下部成形型に固定した状態で下部成形型及び上部成形型内に重合原料を充填し、その後重合原料を重合硬化することを要旨とする。
請求項5に記載の発明の偏光プラスチックレンズの製造方法は、請求項1に記載の発明において、緩やかな曲面状に形成された一対の成形用金型と、一方の成形用金型に対して偏光膜を固定するための固定部材とから構成される成形型を用い、前記偏光膜を一方の成形用金型の底面に配置してその周縁部を固定部材により一方の成形用金型に固定し、次いで他方の成形用金型をその内面と偏光膜の一側面との間に成形凹部を有するように配置するとともに、前記一方の成形用金型に型締めした状態で成形凹部内に重合原料を充填し、その後重合原料を重合硬化することにより偏光膜の一側面にレンズ体が設けられた中間成形体が成形され、次にこの中間成形体をその偏光膜の他側面と一方の成形用金型の内面との間に新たな成形凹部を有するように配置し、この新たな成形凹部内に再度重合原料を充填し、これを重合硬化することを特徴とすることを要旨とする。
請求項6に記載の発明の偏光プラスチックフィルムの製造方法は、請求項2に記載の発明において、内面が平坦状に形成された一対の成形用金型と、一方の成形用金型に対して偏光膜を固定するための固定部材とから構成される成形型を用い、前記偏光膜を一方の成形用金型の底面に配置してその周縁部を固定部材により一方の成形用金型に固定し、次いで他方の成形用金型をその内面と偏光膜の一側面との間に成形凹部を有するように配置するとともに、前記一方の成形用金型に型締めした状態で成形凹部内に重合原料を充填し、その後重合原料を重合硬化することにより偏光膜の一側面にフィルム体が設けられた中間成形体が成形され、次にこの中間成形体をその偏光膜の他側面と一方の成形用金型の内面との間に新たな成形凹部を有するように配置し、この新たな成形凹部内に再度重合原料を充填し、これを重合硬化することを特徴とすることを要旨とする。
以上詳述したように、本発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の偏光プラスチックレンズによれば、レンズ体からの偏光膜の剥離を抑制することができる。
請求項2に記載の発明の偏光プラスチックフィルムによれば、フィルム体からの偏光膜の剥離を抑制することができる。
請求項3に記載の発明の偏光プラスチックレンズの製造方法によれば、偏光プラスチックレンズを容易に製造することができる。
請求項4に記載の発明の偏光プラスチックフィルムの製造方法によれば、偏光プラスチックフィルムを容易に製造することができる。
請求項5に記載の発明の偏光プラスチックレンズの製造方法によれば、偏光プラスチックレンズの偏光膜が軟化して平坦性が損なわれることを抑制することができる。
請求項6に記載の発明の偏光プラスチックフィルムの製造方法によれば、偏光プラスチックフィルムの偏光膜が軟化して平坦性が損なわれることを抑制することができる。
以下、本発明を偏光プラスチックレンズに具体化した最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、偏光プラスチックレンズ11は、緩やかな曲面状(下に凸となる断面円弧状)に形成され、それぞれ厚みの異なる一対の合成樹脂製のレンズ体12が、ヒドロキシル基を有する樹脂としてのポリビニルアルコール樹脂から形成される偏光膜13の両面に設けられて構成されている。この偏光プラスチックレンズ11は、サングラス用のレンズ等に使用される。
まず、偏光膜13について説明する。偏光膜13はポリビニルアルコール樹脂を一軸延伸するとともに、偏光子としてヨウ素化合物を含浸させることにより形成され、その厚みは凡そ20μmに設定されている。なお、ポリエステルポリオール樹脂を原料とする偏光膜13を使用してもよい。
一方、レンズ体12はイソシアナト基又はイソチオシアナト基を有する化合物と、ヒドロキシル基又はメルカプト基を有する化合物とを主成分とし、重合触媒を含有する重合原料を重合して得られるようになっている。また、レンズ体12を成形する場合には、前記重合原料に内部離型剤及び紫外線吸収剤が添加される。すなわち、前記重合原料、内部離型剤及び紫外線吸収剤によりレンズ原料が構成されている。各レンズ体12の厚みはそれぞれ凡そ1mm、1.5mmに設定されるとともに、これらの屈折率は1.6〜1.7、アッべ数は32〜43、そして比重は1.3〜1.37となっている。
上記偏光プラスチックレンズ11は、レンズ体12の重合原料に含有されるイソシアナト基又はイソチオシアナト基と、偏光膜13を形成するポリビニルアルコール樹脂のヒドロキシル基とがウレタン結合又はチオウレタン結合によって結合された状態で形成されている。
前記イソシアナト基を有する化合物としては、イソシアナート化合物及びイソシアナト基を有するイソチオシアナート化合物が挙げられ、イソチオシアナト基を有する化合物としてはイソチオシアナート化合物が挙げられる。また、ヒドロキシル基を有する化合物としては、ヒドロキシ化合物及びヒドロキシル基を有するメルカプト化合物が挙げられ、メルカプト基を有する化合物としてはメルカプト化合物が挙げられる。
イソシアナート化合物の具体例としては、m−キシリレンジイソシアナート、p−キシリレンジイソシアナート、テトラクロロ−m−キシリレンジイソシアナート、水添キシリレンジイソシアナート、テトラメチルキシリレンジイソシアナート、水添ジフェニルメタンジイソシアナート、フェニルイソシアナート、フェニレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、エチルフェニレンジイソシアナート、イソプロピルフェニレンジイソシアナート、ジメチルフェニレンジイソシアナート、ジエチルフェニレンジイソシアナート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアナート、トリメチルベンゼントリイソシアナート、ベンゼントリイソシアナート、ナフタリンジイソシアナート、メチルナフタレンジイソシアナート、ビフェニルジイソシアナート、トリジンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアナート、ビベンジル−4,4’−ジイソシアナート、ビス(イソシアナトフェニル)エチレン、3,3’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアナート、ポリメリックMDI、ナフタリントリイソシアナート、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアナート、3−メチルジフェニルメタン−4,6,4’−トリイソシアナート、4−メチル−ジフェニルメタン−3,5,2’,4’,6’−ペンタイソシアナート、フェニルイソシアナトメチルイソシアナート、フェニルイソシアナトエチルイソシアナート、テトラヒドロナフチレンジイソシアナート、ヘキサヒドロベンゼンジイソシアナート、ヘキサヒドロジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアナート、ジフェニルエーテルジイソシアナート、エチレングリコールジフェニルエーテルジイソシアナート、1,3−プロピレングリコールジフェニルエーテルジイソシアナート、ベンゾフェノンジイソシアナート、ジエチレングリコールジフェニルエーテルジイソシアナート、ジベンゾフランジイソシアナート、カルバゾールジイソシアナート、エチルカルバゾールジイソシアナート、ジクロロカルバゾールジイソシアナート等の芳香族イソシアナート、1,4−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、シクロヘキシルイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、シクロヘキサンジイソシアナート、メチルシクロヘキサンジイソシアナート、ジシクロヘキシルジメチルメタンジイソシアナート、2,2’−ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、ビス(4−イソシアナト−n−ブチリデン)ペンタエリスリトール、ダイマ酸ジイソシアナート、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−5−イソシアナトメチル−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−イソシアナトメチル−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−5−イソシアナトメチル−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−6−イソシアナトメチル−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ〔2,1,1〕−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−5−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−6−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプタン、1,3,5−トリス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン等の脂環族イソシアナート、ブチルイソシアナート、エチレンジイソシアナート、トリメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、オクタメチレンジイソシアナート、ノナメチレンジイソシアナート、2,2’−ジメチルペンタンジイソシアナート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、デカメチレンジイソシアナート、ブテンジイソシアナート、1,3−ブタジエン−1,4−ジイソシアナート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、1,6,11−ウンデカトリイソシアナート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアナート、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアナト−5−イソシアナトメチルオクタン、ビス(イソシアナトエチル)カーボネート、ビス(イソシアナトエチル)エーテル、1,4−ブチレングリコールジプロピルエーテル−ω,ω’−ジイソシアナート、リジンジイソシアナトメチルエステル、リジントリイソシアナート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、2−イソシアナトプロピル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトプロピル)ベンゼン、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナトブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)ナフタリン、ビス(イソシアナトメチル)ジフェニルエーテル、ビス(イソシアナトエチル)フタレート、メシチリレントリイソシアナート、2,6−ジ(イソシアナトメチル)フラン等の脂肪族イソシアナート等の他、例えば、含硫脂肪族イソシアナート、芳香族スルフィド系イソシアナート、芳香族ジスルフィド系イソシアナート、芳香族スルホン系イソシアナート、芳香族スルホン酸アミド、含硫複素環化合物等が挙げられる。
また、イソチオシアナート化合物の具体例としては、フェニルイソチオシアナート、1,2−ジイソチオシアナトベンゼン、1,3−ジイソチオシアナトベンゼン、1,4−ジイソチオシアナトベンゼン、2,4−ジイソチオシアナトトルエン、2,5−ジイソチオシアナト−m−キシレン、4,4’−ジイソチオシアナト−1,1’−ビフェニル、1,1’−メチレンビス(4−イソチオシアナトベンゼン)、1,1’−メチレンビス(4−イソチオシアナト−2−メチルベンゼン)、1,1’−メチレンビス(4−イソチオシアナト−3−メチルベンゼン)、1,1’−(1,2−エタンジイル)ビス(4−イソチオシアナトベンゼン)、4,4’−ジイソチオシアナトベンゾフェノン、4,4’−ジイソチオシアナト−3,3’−ジメチルベンゾフェノン、ベンズアニリド−3,4’−ジイソチオシアナート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソチオシアナート、ジフェニルアミン−4,4’−ジイソチオシアナート等の芳香族イソチオシアナート、ブチルイソチオシアナート、1,2−ジイソチオシアナトエタン、1,3−イソチオシアナトプロパン、1,4−ジイソチオシアナトブタン、1,6−ジイソチオシアナトヘキサン、p−フェニレンジイソプロピリデンジイソチオシアナート等の脂肪族イソチオシアナート、シクロヘキシルイソチオシアナート、シクロヘキサンジイソチオシアナート等の脂環族イソチオシアナート、2,4,6−トリイソチオシアナト−1,3,5−トリアジン等の複素環含有イソチオシアナート、さらにはヘキサンジオイルジイソチオシアナート、ノナンジオイルジイソチオシアナート、カルボニックジイソチオシアナート、1,3−ベンゼンジカルボニルジイソチオシアナート、1,4−ベンゼンジカルボニルジイソチオシアナート、(2,2’−ビピリジン)−4,4’−ジカルボニルジイソチオシアナート等のカルボニルイソチオシアナート等が挙げられる。
このイソチオシアナート化合物としては、イソチオシアナート基の他に硫黄原子を含有している化合物も含む。具体的には、例えば、イソチオシアナト基の他に1つ以上の硫黄原子を有する2官能以上のイソチオシアナートとしては、例えば、チオビス(3−イソチオシアナトプロパン)、チオビス(2−イソチオシアナトエタン)、ジチオビス(2−イソチオシアナトエタン)等の含硫脂肪族イソチオシアナート、1−イソチオシアナト−4−{(2−イソチオシアナト)スルホニル}ベンゼン、チオビス(4−イソチオシアナトベンゼン)、スルホニルビス(4−イソチオシアナトベンゼン)、スルフィニルビス(4−イソチオシアナトベンゼン)、ジチオビス(4−イソチオシアナトベンゼン)、4−イソチオシアナト−1−{(4−イソチオシアナトフェニル)スルホニル}−2−メトキシ−ベンゼン、4−メチル−3−イソチオシアナトベンゼンスルホニル−4’−イソチオシアナトフェニルエステル、4−メチル−3−イソチオシアナトベンゼンスルホニルアニリド−3’−メチル−4’−イソチオシアナート等の含硫芳香族イソチオシアナート、チオフェン−2,5−ジイソチオシアナート、1,4−ジチアン−2,5−ジイソチオシアナート等の含硫複素環化合物が挙げられる。
イソシアナト基を有するイソチオシアナート化合物としては、例えば、1−イソシアナト−4−イソチオシアナトベンゼン、4−メチル−3−イソシアナト−1−イソチオシアナトベンゼン等の芳香族化合物、1−イソシアナト−3−イソチオシアナトプロパン、1−イソシアナト−5−イソチオシアナトペンタン、1−イソシアナト−6−イソチオシアナトヘキサン、イソシアナトカルボニルイソチオシアナート、1−イソシアナト−4−イソチオシアナトシクロヘキサン等の脂肪族あるいは脂環族化合物、2−イソシアナト−4,5−ジイソチオシアナト−1,3,5−トリアジン等の複素環式化合物、さらには4−イソシアナト−4’−イソチオシアナトジフェニルスルフィド、2−イソシアナト−2’−イソチオシアナトジエチルジスルフィド等のイソチオシアナト基以外にも硫黄原子を含有する化合物が挙げられる。
なお、これらのイソシアナト基又はイソチオシアナト基を有する化合物をそれぞれ単独で用いてもよく、また二種類以上を混合して用いてもよい。本実施形態のレンズ体12の重合原料としては、偏光膜13を形成するポリビニルアルコール樹脂のヒドロキシル基との反応性に優れている芳香族イソシアナート化合物が好ましく、その中でもm−キシリレンジイソシアナートが特に好ましい。
また、前記ヒドロキシ化合物としては、例えば、メタノール、ベンジルアルコール、フェノール、エトキシエタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、1,2−メチルグルコサイド、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトール、エリスリトール、スレイトール、リビトール、アラビニトール、キシリトール、アリトール、マニトール、ドルシトール、イディトール、グリコール、イノシトール、ヘキサントリオール、トリグリセロール、ジグリペロール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、シクロブタンジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘプタンジオール、シクロオクタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキシプロピルシクロヘキサノール、トリシクロ〔5,2,1,0,2,6〕デカン−ジメタノール、ビシクロ〔4,3,0〕−ノナンジオール、ジシクロヘキサンジオール、トリシクロ〔5,3,1,1〕ドデカンジオール、ビシクロ〔4,3,0〕ノナンジメタノール、トリシクロ〔5,3,1,1〕ドデカン−ジエタノール、ヒドロキシプロピルトリシクロ〔5,3,1,1〕ドデカノール、スピロ〔3,4〕オクタンジオール、ブチルシクロヘキサンジオール、1,1’−ビシクロヘキシリデンジオール、シクロヘキサントリオール、マルチトール、ラクチトール等の脂肪族アルコール及びポリオール、ジヒドロキシナフタレン、トリヒドロキシナフタレン、テトラヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゼン、ベンゼントリオール、ビフェニルテトラオール、ピロガロール、(ヒドロキシナフチル)ピロガロール、トリヒドロキシフェナントレン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、キシリレングリコール、テトラブロムビスフェノールA等の芳香族アルコール及びポリオール及びそれらとエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドとの付加反応生成物、ジブロモネオペンチルグリコール等のハロゲン化アルコール及びポリオール、エポキシ樹脂等の高分子ポリオールの他にシュウ酸、グルタミン酸、アジピン酸、酢酸、プロピオン酸、シクロヘキサンカルボン酸、β−オキソシクロヘキサンプロピオン酸、ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、サリチル酸、3−ブロモプロピオン酸、2−ブロモグリコール、ジカルボキシシクロヘキサン、ピロメリット酸、ブタンテトラカルボン酸、ブロモフタル酸等の有機酸と前記ポリオールとの縮合反応生成物、前記ポリオールとエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等アルキレンオキサイドとの付加反応生成物、アルキレンポリアミンとエチレンオキサイドや、プロピレンオキサイド等アルキレンオキサイドとの付加反応生成物、さらには、ビス−〔4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル〕スルフィド、ビス−〔4−(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕スルフィド、ビス−〔4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)フェニル〕スルフィド、ビス−〔4−(4−ヒドロキシシクロヘキシロキシ)フェニル〕スルフィド、ビス−〔2−メチル−4−(ヒドロキシエトキシ)−6−ブチルフェニル〕スルフィドおよびこれらの化合物に水酸基当たり平均3分子以下のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドが付加された化合物、ジ−(2−ヒドロキシエチル)スルフィド、1,2−ビス−(2−ヒドロキシエチルメルカプト)エタン、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジスルフィド、1,4−ジチアン−2,5−ジオール、ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)スルフィド、テトラキス(4−ヒドロキシ−2−チアブチル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(商品名ビスフェノールS)、テトラブロモビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールS、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,3−ビス(2−ヒドロキシエチルチオエチル)−シクロヘキサン等の硫黄原子を含有したポリオール等が挙げられる。
メルカプト化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオナート)、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン、4−メルカプトメチル−3,6−ジチオ−1,8−オクタンジチオール、メチルメルカプタン、ベンゼンチオ−ル、ベンジルチオ−ル、メタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,1−プロパンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、2,2−プロパンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、1,1−シクロヘキサンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジチオール、3,4−ジメトキシブタン−1,2−ジチオール、2−メチルシクロヘキサン−2,3−ジチオール、ビシクロ〔2,2,1〕ペプタ−exo−cis−2,3−ジチオール、1,1−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、チオリンゴ酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、2,3−ジメルカプトコハク酸(2−メルカプトエチルエステル)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(2−メルカプトアセテート)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(3−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,2−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,3−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−プロパンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)等の脂肪族チオール、1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメトキシ)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメトキシ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメトキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメトキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,4,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトメトキシ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメトキシ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、2,2’−ジメルカプトビフェニル、4,4’−ジメルカプトビフェニル、4,4’−ジメルカプトビベンジル、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,4−ナフタレンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、2,6−ナフタレンジチオール、2,7−ナフタレンジチオール、2,4−ジメチルベンゼン−1,3−ジチオール、4,5−ジメチルベンゼン−1,3−ジチオール、9,10−アントラセンジメタンチオール、1,3−ジ(p−メトキシフェニル)プロパン−2,2−ジチオール、1,3−ジフェニルプロパン−2,2−ジチオール、フェニルメタン−1,1−ジチオール、2,4−ジ(p−メルカプトフェニル)ペンタン等の芳香族チオール等の他、例えば、ハロゲン置換芳香族チオール、複素環を含有したチオール、メルカプト基以外に硫黄原子を含有する芳香族チオール、メルカプト基以外に硫黄原子を含有する脂肪族チオール、メルカプト基以外に硫黄原子を含有する複素環化合物等が挙げられる。
ヒドロキシル基を有するメルカプト化合物としては、例えば、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、グルセリンジ(メルカプトアセテート)、1−ヒドロキシ−4−メルカプトシクロヘキサン、2,4−ジメルカプトフェノール、2−メルカプトハイドロキノン、4−メルカプトフェノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、1,2−ジメルカプト−1,3−ブタンジオール、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールモノ(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールペンタキス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチル−トリス(メルカプトエチルチオメチル)メタン、1−ヒドロキシエチルチオ−3−メルカプトエチルチオベンゼン、4−ヒドロキシ−4’−メルカプトジフェニルスルホン、2−(2−メルカプトエチルチオ)エタノール、ジヒドロキシエチルスルフィドモノ(3−メルカプトプロピオネート)、ジメルカプトエタンモノ(サルチレート)、ヒドロキシエチルチオメチルートリス(メルカプトエチルチオ)メタン等が挙げられる。
さらには、これら活性水素化合物の塩素置換体、臭素置換体のハロゲン置換体を使用してもよい。上記活性水素化合物はそれぞれ単独で使用してもよく、また2種類以上を混ぜて使用してもよい。本実施形態のレンズ体12の重合原料としては、同レンズ体12の高屈折率化を可能とするメルカプト化合物が好ましく、その中でも特に1分子中に少なくとも4つのメルカプト基を有する多官能性メルカプト化合物であるペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオナート)又は1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパンが好ましい。
本実施形態の重合原料である前記イソシアナト基(−NCO)又はイソチオシアナト基(−NCS)を有する化合物と、ヒドロキシル基(−OH)又はメルカプト基(−SH)を有する化合物との配合割合は、[(−NCO)+(−NCS)]/[(−OH)+(−SH)]の官能基当量比として0.5〜1.5が好ましく、0.8〜1.2がさらに好ましい。
前記官能基当量比が0.5未満の場合には、偏光膜13を形成する樹脂に含有されるヒドロキシル基と反応する官能基(−NCO又は−NCS)がほとんど存在せず、その結果、レンズ体12と偏光膜13との間にウレタン結合又はチオウレタン結合が形成されないおそれがある。一方、前記官能基当量比が1.5よりも大きい場合には、イソシアナト基又はイソチオシアナト基を有する化合物から形成される樹脂の数平均分子量が高くなり、これに伴って重合原料が高粘度となる。このため、レンズ体12を成形する場合には、後述する脱気に要する時間が長くなり、製造効率が低下するおそれがある。
次に、本実施形態で用いられる重合触媒としては三級ホスフィン、三級アミン又はルイス酸のいずれかが挙げられる。この重合触媒の使用量は、前記イソシアナト基又はイソチオシアナト基を有する化合物と活性水素化合物との総量に対して好ましくは0.0005〜5質量%、さらに好ましくは0.001〜2質量%の範囲内に設定されている。
前記使用量が0.0005質量%未満の場合には、重合反応の進行が低下するおそれがあり、一方5質量%よりも大きい場合には重合原料の調製中に反応が進行し、その粘度が増大するおそれがある。
三級ホスフィンとしては、例えば、トリn−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリt−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリベンジルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、トリo−トリルホスフィン、トリメシチルホスフィン、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン等が挙げられる。
三級アミンとしては、例えば、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、トリブチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジプロピルエチルアミン、トリヘキシルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリシクロヘキシルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルエチルアミン、ジプロピルシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルプロピルアミン、ジブチルシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルブチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジエチルベンジルアミン、N,N−ジプロピルベンジルアミン、N,N−ジブチルベンジルアミン、N−メチルジベンジルアミン、2−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4,6−トリス(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン等が挙げられる。
また、ルイス酸としては、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジメチル錫ジクロライド、トリメチル錫クロライド、トリブチル錫クロライド、トリフェニル錫クロライド、ジブチル錫スルフィド、ジ(2−エチルヘキシル)錫オキサイド、テトラフロロ錫、テトラクロル錫、四臭化錫、テトラヨード錫、メチル錫トリクロライド、ブチル錫トリクロライド、等の錫化合物、塩化亜鉛、アセチルアセトン亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛等の亜鉛系化合物、塩化鉄、アセチルアセトン鉄等の鉄系化合物、アルミナ、フッ化アルミ、塩化アルミ、トリフェニルアルミ等のアルミ系化合物、テトラクロロチタン、等のチタン系化合物、トリクロロアンチモン、ペンタクロロアンチモン、ジクロロトリフェニルアンチモン等のアンチモン系化合物、ニトロウラニウム等のウラニウム系化合物、ニトロカドミウム等のカドミウム系化合物、塩化コバルト、臭化コバルト等のコバルト系化合物、ニトロトリウム等のトリウム系化合物、ジフェニル水銀等の水銀系化合物、ニッケロセン等のニッケル系化合物、ニトロカルシウム、酢酸カルシウム等のカルシウム系化合物、トリクロロバナジウム等のバナジウム系化合物、塩化銅、沃化銅等の銅系化合物、塩化マンガン等のマンガン系化合物、塩化ジルコニウム等のジルコニウム系化合物、トリフェニル砒素、トリクロロ砒素等の砒素系化合物、ボロントリフルオロライド等のホウ素化合物等が挙げられる。
これら重合触媒としての三級ホスフィン、三級アミン及びルイス酸はそれぞれ単独で使用してもよいが、三級ホスフィンとルイス酸の併用触媒又は三級アミンとルイス酸の併用触媒を使用するのが好ましい。なお、前記併用触媒の中でも特にトリn−ブチルホスフィンとジブチル錫ジクロライドとの組み合わせが好ましい。
また、前記内部離型剤は、レンズ体12の成形後に後述するモールドの内面に成形品が付着してモールドを離型し難くするのを防止する目的で使用される。その具体例としては、酸性リン酸アルキルエステル(Du Pont社製ゼレックUN)、イソプロピルアシッドホスヘート、ジイソプロピルアシッドホスヘート、ブチルアシッドホスヘート、ジブチルアシッドホスヘート、オクチルアシッドホスヘート、ジオクチルアシッドホスヘート、イソデシルアシッドホスヘート、ジイソデシルアシッドホスヘート、トリデシルアシッドホスヘート及びビス(トリデシルアシッドホスヘート)等が挙げられる。本実施形態では、これらの中でもゼレックUNを用いるのが好ましく、その使用量は1〜5000ppmの範囲となっている。
紫外線吸収剤は、偏光レンズとしたとき、眼の角膜や水晶体に悪影響を及ぼす紫外線を吸収する目的で使用される。その具体例としては、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3、5−ジ・tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノール等が挙げられる。本実施形態では、これらの中でも2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、又は2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを用いるのが好ましく、その使用量は前記イソシアナト基又はイソチオシアナト基を有する化合物とヒドロキシル基又はメルカプト基を有する化合物との総量に対して0.1〜1.0質量%が好ましく、0.3〜0.8質量%がさらに好ましい。
次に、上記偏光プラスチックレンズ11の製造装置(成形型21)及び製造方法について説明する。
図2に示すように、成形型21は下部成形型を構成し、円筒の内周面から内方へ延びる環状支持突条22を有するガスケット23及びその下部に取付けられる第1下側モールド24、環状支持突条22上に配設される円筒状の固定部材25及び上部成形型を構成し、第1固定部材25内に配設される第1上側モールド26等から構成されている。
第1下側モールド24及び第1上側モールド26は、ガラス材料により、製造するレンズ体12の曲率に合わせて下方へ緩やかに膨らんだ曲面状に形成され、これら両モールド24、26によってガスケット23の上下開口部が封鎖されるようになっている。前記環状支持突条22は僅かに下方へ傾斜して形成され、その先端面と第1下側モールド24の内面とで構成される空間が第1成形凹部27となっている。また、第1固定部材25の内周面には僅かに下方へ傾斜して延びる係止部25aが周方向に沿って突設され、その先端面と第1上側モールド26の内面とで構成される空間が第2成形凹部28となっている。
そして、上記偏光プラスチックレンズ11を製造する場合には、まずレンズ原料を真空下で脱気した後、第1成形凹部27内に所定量充填する。これにより第1層が形成される。次いで、製造するレンズ体12の曲率に合わせて予め曲げ加工が施された偏光膜13の周縁部が環状支持突条22上に位置するように同偏光膜13を第1層上に載せ、第1固定部材25を偏光膜13の周縁部に載置する。このとき、第1固定部材25により偏光膜13がガスケット23内で固定される。続いて、前記レンズ原料を第2成形凹部28内に所定量充填する。これにより第2層が形成される。その後、第1上側モールド26を前記第1固定部材25内に配設し、両モールド24、26をクリップ29で固定する。
次に、成形型21を凡そ140℃まで徐々に加熱し、前記第1層及び第2層のレンズ原料を重合硬化させる。その後、クリップ29を外し、次いで両モールド24、26、第1固定部材25及びガスケット23を離型することにより偏光プラスチックレンズ11が製造される。このとき、レンズ原料には内部離型剤が含有されているため、両モールド24、26、第1固定部材25及びガスケット23が容易に離型される。
前記の第1実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 本実施形態の偏光プラスチックレンズ11は、レンズ体12を形成する樹脂に含有されるイソシアナト基又はイソチオシアナト基と、偏光膜13を形成する樹脂に含有されるヒドロキシル基とがウレタン結合又はチオウレタン結合によって結合された状態で形成されている。すなわち、レンズ体12と偏光膜13とが化学結合によって直接結合されることから、両者間の接着力が向上する。その結果、レンズ体12及び偏光膜13の熱膨張率がそれぞれ異なるときでも環境変化に伴って前記接着力が低下することなく、レンズ体12からの偏光膜13の剥離を効果的に抑制することができる。
・ また、上記偏光プラスチックレンズ11の製造方法では、レンズ体12が偏光膜13の両面に一体で成形されるようになっている。このため、一対のレンズ体12を成形した後にこれらの内面に接着剤を塗布し、これにより両レンズ体12間に偏光膜13を挟着させるタイプに比べて偏光プラスチックレンズ11を容易に製造することができる。加えて、固定部材により偏光膜13が固定された状態でレンズ体12が成形されるようになっているため、偏光膜13のシワや歪みが抑制され、偏光プラスチックレンズ11の機能をより効果的に発揮させることができる。
・ 本実施形態では、レンズ体12の重合原料の主成分の1つとして、偏光膜13を形成する樹脂のヒドロキシル基との反応性に優れ、1分子中に2つのイソシアナト基を有するm−キシリレンジイソシアナートが用いられる。すなわち、前記ヒドロキシル基との間でウレタン結合が形成され易く、また架橋密度が増大するため、レンズ体12への偏光膜13の密着性を向上させることができる。
・ さらに、本実施形態では、レンズ体12の重合原料の主成分の1つとして、多官能性メルカプト化合物が用いられる。すなわち、レンズ体12に含有される複数の硫黄原子によりレンズ体12の高屈折率化が可能とされ、これに伴ってレンズ体12の薄肉化を図ることができる。
・ 前記イソシアナト基又はイソチオシアナト基を有する化合物と、ヒドロキシル基又はメルカプト基を有する化合物との配合割合は、[(−NCO)+(−NCS)]/[(−OH)+(−SH)]の官能基当量比として0.5〜1.5に設定されている。このため、重合原料の重合硬化反応と平行して、レンズ体12及び偏光膜13を形成するそれぞれの樹脂の間に確実にウレタン結合又はチオウレタン結合が形成される。その結果、レンズ体12からの偏光膜13の剥離をより効果的に抑制することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態は、偏光プラスチックレンズ11の製造方法の点でのみ前記第1実施形態と相違するので、その相違点を中心にして説明する。
本実施形態における偏光プラスチックレンズ11の製造方法は、まず偏光膜13の一側面にレンズ体12が設けられた中間成形体を成形する第1工程と、偏光膜13の他側面にレンズ体12を形成する第2工程とからなっている。
図5(a)に示すように、前記第1工程で用いられる成形型21は、成形用金型としての有底円筒状をなす第2下側モールド41及びその開口部に配設される円板状の第2上側モールド42と、第2下側モールド41の底面に配設される円環状の固定部材25とから構成されている。第2下側モールド41の底部及び第2上側モールド42は上方へ緩やかに膨らんだ曲面状に形成されている。固定部材25は内方に向かうに連れて上方へ傾斜し、第2下側モールド41の底面周縁部に沿う形状となっている。
また、図5(b)に示すように、前記第2工程において、偏光膜13の他側面にレンズ体12を形成するために用いられる成形用金型としての第3下側モールド43は、前記第2下側モールド41と同様の形状となっている。
偏光プラスチックレンズ11を製造する場合には、図5(a)に示すように、まず第2下側モールド41の内底面に偏光膜13を配置し、次いで偏光膜13の周縁部に固定部材25を配設して偏光膜13を第2下側モールド41内に固定する。続いて、第2下側モールド41の開口部に第2上側モールド42を嵌め込み、これを第2下側モールド41に型締めする。そして、偏光膜13の一側面と第2上側モールド42の内面とで構成される第4成形凹部45内に前記レンズ原料を充填し、これを重合硬化させる。その結果、前記中間成形体が得られる。
次に、図5(b)に示すように、第2下側モールド41のみを離型して、前記中間成形体をその偏光膜13の他側面と成形用金型としての第3下側モールド43の内底面との間に第5成形凹部46を有するように配置する。そして、第3下側モールド43を第2上側モールド42に型締めした状態で、第5成形凹部46内にレンズ原料を充填し、これを重合硬化させる。その後、両モールド42、43及び第1固定部材25を離型することにより偏光プラスチックレンズ11が製造される。
従って、本実施形態の偏光プラスチックレンズ11の製造方法では、ポリビニルアルコール樹脂製の偏光膜13の片面がそれぞれ順次レンズ原料に浸るため、偏光膜13全体がレンズ原料に浸ることがない。このため、偏光膜13が軟化して平坦性が損なわれることを抑制することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、前記第1実施形態又は第2実施形態において、レンズ原料を重合硬化させることによって、偏光プラスチックレンズ11と同一形状を有する成形体を成形した後、この成形体にアニーリング処理を施すことにより偏光プラスチックレンズ11が製造される。
このアニーリング処理は、成形体のガラス転移温度から該ガラス転移温度より20℃高い温度までの範囲内の温度で行われる。ここで、アニーリング処理の温度がガラス転移温度よりも低い場合には、成形体の残留応力が十分に除去されず、好適な強度が得られない可能性がある。一方、アニーリング処理の温度が前記範囲よりも高い場合には、レンズ体12の重合による歪み(重合歪み)や変形を十分に抑制することができない可能性がある。従って、本実施形態の温度範囲でアニーリング処理が施された偏光プラスチックレンズ11では、好適な強度を確保しつつ、レンズ体12の重合歪みや変形も抑制することができる。
なお、各実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
(1) 第1実施形態の偏光プラスチックレンズ11を以下に示す製造方法で製造してもよい。すなわち、まず偏光膜13をガスケット23内に固定し、次いで同ガスケット23内に各モールド24、26を配設する。続いて、第1下側モールド24の内面と第1上側モールド26の内面との間に構成される第3成形凹部内にレンズ原料を充填し、上記と同様にこれを重合硬化させる。
(2) 第1実施形態と同様の製造方法を用いて図3に示す偏光プラスチックフィルム31を製造することができる。この偏光プラスチックフィルム31は、それぞれ厚みの異なる一対のフィルム体32が前記偏光膜13の両面に設けられて構成されている。なお、フィルム体32のフィルム原料は上記レンズ体12のレンズ原料と同様のものであり、そのイソシアナト基又はイソチオシアナト基と、偏光膜13を形成する樹脂のヒドロキシル基とがウレタン結合又はチオウレタン結合によって結合された状態で形成されている。偏光プラスチックフィルム31の厚みは凡そ300μmに設定され、液晶ディスプレイ(LCD)及びプラズマディスプレイ(PDP)等の画像表示体に使用される。図4に示すように、成形型21を構成する両モールド24、26、ガスケット23の環状支持突条22及び第1固定部材25の係止部25aは平坦状に形成される。
このように構成した場合、フィルム体32と偏光膜13との接着力が向上し、その結果、フィルム体32からの偏光膜13の剥離を抑制することができる。また、フィルム体32が偏光膜13の両面に一体で成形されるようになっているため、偏光プラスチックフィルム31を容易に製造することができる。なお、この偏光プラスチックフィルム31を上記(1)に示す方法を用いて製造してもよい。
(3) 第2実施形態と同様の製造方法を用いて上記偏光プラスチックフィルム31を製造することができる。このとき、第2下側モールド41及び第3下側モールド43の底部、固定部材25及び第2上側モールド42は平坦状に形成される。このように構成した場合、ポリビニルアルコール樹脂製の偏光膜13の片面がそれぞれ順次レンズ原料に浸るため、偏光膜13全体がレンズ原料に浸ることがない。このため、偏光膜13が軟化して平坦性が損なわれることを抑制することができる。
(4) 上記(2)及び(3)に記載の偏光プラスチックフィルム31の製造方法において、第3実施形態と同様のアニーリング処理を採用してもよい。このように構成した場合、フィルム体32からの偏光膜13の剥離を抑制しつつ、フィルム体32の重合歪み及び変形も好適に抑制することができる。
(5) 第2実施形態の偏光プラスチックレンズ11の製造方法を以下の様に変更してもよい。すなわち、前記中間成形品を成形した後、第2下側モールド41、固定部材25及び第2上側モールド42を離型し、次いでこれらと異なる形状を有する別の下側モールド、固定部材及び上側モールドに中間成形品を組付け、上記第2実施形態と同様に偏光プラスチックレンズ11を製造する。なお、この方法を用いて上記偏光プラスチックフィルム31を製造してもよい。
(6) さらに、第2実施形態の偏光プラスチックレンズ11の製造方法を以下の様に変更してもよい。すなわち、前記中間成形体を成形し、第2下側モールド41を離型した後、偏光膜13の他側面にレンズ原料を塗布又は噴霧する。次いで、第2実施形態と同様に第3下側モールド43を所定位置に配設し、前記レンズ原料を重合硬化させる。なお、この方法を用いて上記偏光プラスチックフィルム31を製造してもよい。
(7) 第1実施形態の成形型21を構成する第1下側モールド24の底部及び第1上側モールド26の形状を上方へ緩やかに膨らんだ曲面状に形成してもよい。なおこのとき、前記環状支持突条22及び第1固定部材25の係止部25aは僅かに上方へ傾斜して形成される。
(8) 第2実施形態の成形型21を構成する第2下側モールド41及び第3下側モールド43の底部、第2上側モールド42の形状を下方へ緩やかに膨らんだ曲面状に形成してもよい。なおこのとき、固定部材25は内方に向かうに連れて下方へ傾斜して形成される。
(9) 第2実施形態の第3下側モールド43に代えて、前記レンズ原料を重合硬化させることにより得られる下側モールドを用いてもよい。この場合、偏光プラスチックレンズ11の製造過程で用いるレンズ原料を併用でき、製造コストの低減を図ることができる。
(10) 両実施形態における固定部材を例えば粘着テープ等に変更してもよい。
(11) また、耐摩耗性の向上、防曇性の向上、高強度付与、耐薬品性の向上、反射防止及びファッション性付与等の目的に応じて、レンズ体12に表面研磨処理、帯電防止処理、ハードコート処理、無反射コート処理、染色処理及び調光処理等を施してもよい。なおこのとき、上記偏光プラスチックレンズ11はスポーツ用ゴーグル、溶接作業及び有機溶剤取扱い作業等における保護用メガネ、ファッション用メガネ等に使用される。
(12) ポリビニルアルコール樹脂に二色性染料を含浸させて作製された偏光膜13を使用してもよい。この種の二色性染料としては、ダイレクトブラック17,19,154、ダイレクトブラウン44,106,195,210,223、ダイレクトレッド2,23,28,31,37,39,79,81,240,242,247、ダイレクトブルー1,15,22,78,90,98,151,168,202,236,249,270、ダイレクトバイオレット9,12,51,98、ダイレクトグリーン1,85、ダイレクトイエロー8,12,44,86,87、ダイレクトオレンジ26,39,106,107等が挙げられる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜6、比較例1)
下記の各例で得られた偏光プラスチックレンズ11に関し、以下の(1)〜(3)に示す物性評価を行った。但し、実施例1及び実施例2に関しては、(3)の物性評価は行わなかった。なお、各例において「部」は「質量部」を意味する。また、下記の各例では、レンズ体12への偏光膜13の密着性を確認し易くするため、偏光膜13の片面にはレンズ体12を形成しないようにした。そして、各例で得られた偏光プラスチックレンズ11のレンズ体12の屈折率、アッベ数、比重及びガラス転移温度と併せて、各物性評価の測定結果を表1に示す。
(実施例1)
重合原料としてのm−キシリレンジイソシアナート43.5部(0.23モル、イソシアナト基0.46当量)及びペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオナート)56.5部(0.115モル、メルカプト基0.46当量)、重合触媒としてのジブチル錫ジクロライド0.01質量%、内部離型剤としてのゼレックUN0.1質量%及び紫外線吸収剤としての2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール0.02質量%を混合してレンズ原料を調製した。次いで、第1実施形態の製造方法により偏光プラスチックレンズ11を製造した。このとき、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオナート)に対するm−キシリレンジイソシアナートの官能基当量比は1.0である。
(実施例2)
重合原料としてのm−キシリレンジイソシアナート52部(0.276モル、イソシアナト基0.552当量)及び1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン48部(0.184モル、メルカプト基0.92当量)、重合触媒としてのジブチル錫ジクロライド0.015質量%、内部離型剤としてのゼレックUN0.1質量%及び紫外線吸収剤としての2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール0.024質量%を混合してレンズ原料を調整した。次いで、図2に示す成形型21を用いて上記の製造方法により偏光プラスチックレンズ11を製造し、前記実施例1と同様に下記の(1)及び(2)の評価基準に従って性能評価を行った。このとき、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパンに対するm−キシリレンジイソシアナートの官能基当量比は1.0である。
(実施例3)
上記実施例1で調製されたレンズ原料を十分に脱泡し、これを成形型21内に注入した後、偏光膜13を所定位置に設置した。次いで、成形型21を30℃から120℃まで徐々に昇温し、24時間かけて該レンズ原料の重合硬化を行った。その後、成形型21を徐々に冷却することにより成形体を得た。続いて、この成形体に対し、100℃で1時間のアニーリング処理を行うことにより偏光プラスチックレンズ11を製造した。
ここで、本実施例3におけるレンズ体12のガラス転移温度は85℃である(表1参照)。即ち本実施例3では、ガラス転移温度から該ガラス転移温度より20℃高い温度までの所定範囲内の温度でアニーリング処理を行った。
(実施例4)
上記実施例2に対し、紫外線吸収剤を2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール0.05質量%に変更してレンズ原料を調製した。そして、このレンズ原料を十分に脱泡し、これを成形型21内に注入した後、偏光膜13を所定位置に設置した。次いで、成形型21を30℃から120℃まで徐々に昇温し、24時間かけて該レンズ原料の重合硬化を行った。その後、成形型21を徐々に冷却することにより成形体を得た。続いて、この成形体に対し、100℃で1時間のアニーリング処理を行うことにより偏光プラスチックレンズ11を製造した。なお、本実施例4のレンズ体12のガラス転移温度は90℃であるので、ここでも前記所定範囲内の温度でアニーリング処理が行われている。
(実施例5)
重合原料としての1,4−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン96.1部(0.5モル、イソシアナト基1.0当量)及び1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン87部(0.33モル、メルカプト基1.0当量)、重合触媒としてのジブチル錫ジクロライド0.01質量%、内部離型剤としてのゼレックUN0.1質量%及び紫外線吸収剤としての2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール0.05質量%を混合してレンズ原料を調製した。そして、レンズ原料を十分に脱泡し、これを成形型21内に注入した後、偏光膜13を所定位置に設置した。次いで、成形型21を30℃から100℃まで徐々に昇温し、24時間かけて該レンズ原料の重合硬化を行った。その後、成形型21を徐々に冷却することにより成形体を得た。続いて、この成形体に対し、100℃で1時間のアニーリング処理を行うことにより偏光プラスチックレンズ11を製造した。このとき、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパンに対する1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンの官能基当量比は1.0である。なお、本実施例5のレンズ体12のガラス転移温度は95℃であるので、ここでも前記所定範囲内の温度でアニーリング処理が行われている。
(実施例6)
重合原料としての1,4−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン96.1部(0.5モル、イソシアナト基1.0当量)及び1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン87部(0.33モル、メルカプト基1.0当量)、重合触媒としてのジブチル錫ジクロライド0.02質量%、内部離型剤としてのゼレックUN0.1質量%及び紫外線吸収剤としての2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール0.05質量%を混合してレンズ原料を調製した。そして、レンズ原料を十分に脱泡し、これを成形型21内に注入した後、偏光膜13を所定位置に設置した。次いで、成形型21を30℃から130℃まで徐々に昇温し、24時間かけて該レンズ原料の重合硬化を行った。その後、成形型21を徐々に冷却することにより成形体を得た。続いて、この成形体に対し、120℃で1時間のアニーリング処理を行うことにより偏光プラスチックレンズ11を製造した。このとき、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパンに対する1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンの官能基当量比は1.0である。なお、本実施例6のレンズ体12のガラス転移温度は110℃であるので、ここでも前記所定範囲内の温度でアニーリング処理が行われている。
(比較例1)
重合原料としてのジエチレングリコールビスアリルカーボネート100部(0.365モル)、ラジカル重合開始剤としてのジイソプロピルパーオキシジカーボネート3.0質量%及び紫外線吸収剤としての2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン0.05質量%を混合してレンズ原料を調製した。次いで、成形型21を用いて上記第1実施形態の製造方法により偏光プラスチックレンズ11を製造した。
(1)耐衝撃性評価
各例で得られた偏光プラスチックレンズ11を手で把持して、該偏光プラスチックレンズ11を机に複数回ぶつけることによりレンズ体12への偏光膜13の密着状態を確認した。ここでは、レンズ体12から偏光膜13が剥離せず、密着している(○)、レンズ体12から偏光膜13が剥離する(×)という2段階で評価した。
(2)耐水性評価
各例で得られた偏光プラスチックレンズ11を50℃の温水に15時間浸漬させた後、該偏光プラスチックレンズ11の片面が温水中に浸されている状態で、偏光膜13の表面を指先で擦ることによりレンズ体12への偏光膜13の密着状態を確認した。ここでは、色落ちもせず、剥離もしない(◎)、部分的に色落ちするが、剥離はしない(○)、部分的に色落ちし、剥離する(×)という3段階で評価した。
(3)重合歪み及び変形の有無
各例で得られた偏光プラスチックレンズ11の重合歪みの有無を歪み計を用いて観察した。また、偏光プラスチックレンズ11をその曲面が上に凸となるようにテーブル上に載置し、該偏光プラスチックレンズ11の周辺箇所に外力を加えた。このときの偏光プラスチックレンズ11の揺動具合を目視評価し、該偏光プラスチックレンズ11の変形の有無を確認した。ここでは、重合歪みも変形もない(○)、重合歪み及び変形が僅かにみられる(△)重合歪み及び変形が顕著にみられる(×)という3段階で評価した。
Figure 2005099687
表1に示すように、実施例1〜実施例6ではイソシアナト基とヒドロキシル基とのウレタン結合を伴って偏光膜13とレンズ体12とが強固に接着されているため、耐衝撃性及び耐水性について良好な結果が得られた。即ち、レンズ体12からの偏光膜13の剥離が好適に抑制された。また実施例3〜実施例5ではアニーリング処理によりレンズ体12の重合歪み及び変形を十分に抑制することができた。しかしながら、実施例6では、他の実施例に比べてアニーリング処理の温度が高いため、レンズ体12の重合歪み及び変形を十分に抑制することができなかった。このため、本発明におけるアニーリング処理の温度は、各例のガラス転移温度を考慮した結果、該ガラス転移温度より高く、110℃以下であるのが好ましい。
一方、比較例1ではレンズ体12を形成するジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂と偏光膜13を形成するポリビニルアルコール樹脂との間には特に化学結合が形成されないため、偏光膜13とレンズ体12との接着性が低下し、これに伴って、偏光膜13が剥離し易くなっている。そのため、同比較例1では、偏光プラスチックレンズ11の耐衝撃性及び耐水性が十分に得られなかった。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1) 前記イソシアナト基又はイソチオシアナト基を有する化合物と、ヒドロキシル基又はメルカプト基を有する化合物との配合割合は、ヒドロキシル基及びメルカプト基に対するイソシアナト基及びイソチオシアナト基の官能基当量比として0.5〜1.5に設定されている請求項1に記載の偏光プラスチックレンズ。このように構成した場合、ウレタン結合又はチオウレタン結合を確実に形成することができる。
(2) 前記イソシアナト基又はイソチオシアナト基を有する化合物と、ヒドロキシル基又はメルカプト基を有する化合物との配合割合は、ヒドロキシル基及びメルカプト基に対するイソシアナト基及びイソチオシアナト基の官能基当量比として0.5〜1.5に設定されている請求項2に記載の偏光プラスチックフィルム。このように構成した場合、ウレタン結合又はチオウレタン結合を確実に形成することができる。
(3) 前記イソシアナト基を有する化合物及びメルカプト基を有する化合物をレンズ体の重合原料の主成分とした請求項1に記載の偏光プラスチックレンズ。このように構成した場合、レンズ体への偏光膜の密着性を向上させることができる。
(4) 前記イソシアナト基を有する化合物は芳香族イソシアナートである前記(3)に記載の偏光プラスチックレンズ。このように構成した場合、レンズ体への偏光膜の密着性をさらに向上させることができる。
(5) 前記メルカプト基を有する化合物は1分子中に少なくとも4つのメルカプト基を有する多官能性メルカプト化合物である前記(3)に記載の偏光プラスチックレンズ。このように構成した場合、レンズ体の高屈折率化及び薄肉化を図ることができる。
(6) 前記イソシアナト基を有する化合物及びメルカプト基を有する化合物をフィルム体の重合原料の主成分とした請求項2に記載の偏光プラスチックフィルム。このように構成した場合、フィルム体への偏光膜の密着性を向上させることができる。
(7) 前記イソシアナト基を有する化合物は芳香族イソシアナートである前記(6)に記載の偏光プラスチックフィルム。このように構成した場合、フィルム体への偏光膜の密着性をさらに向上させることができる。
(8) 前記メルカプト基を有する化合物は1分子中に少なくとも4つのメルカプト基を有する多官能性メルカプト化合物である前記(6)に記載の偏光プラスチックフィルム。このように構成した場合、フィルム体の高屈折率化及び薄肉化を図ることができる。
(9) 前記第3成形凹部内に重合原料を充填し、その後重合原料を重合硬化することにより成形体を成形し、次いで成形体に、そのガラス転移温度から該ガラス転移温度より20℃高い温度までの範囲内の温度でアニーリング処理を施すことを特徴とする請求項3に記載の偏光プラスチックレンズの製造方法。このように構成した場合、重合によるレンズ体の歪みや変形を抑制することができる。
(10) 前記第3成形凹部内に重合原料を充填し、その後重合原料を重合硬化することにより成形体を成形し、次いで成形体に、そのガラス転移温度から該ガラス転移温度より20℃高い温度までの範囲内の温度でアニーリング処理を施すことを特徴とする請求項4に記載の偏光プラスチックフィルムの製造方法。このように構成した場合、重合によるフィルム体の歪みや変形を抑制することができる。
(11) 前記新たな成形凹部内に再度重合原料を充填し、これを重合硬化することにより成形体を成形し、次いで成形体に、そのガラス転移温度から該ガラス転移温度より20℃高い温度までの範囲内の温度でアニーリング処理を施すことを特徴とする請求項5に記載の偏光プラスチックレンズの製造方法。このように構成した場合、重合によるレンズ体の歪みや変形を抑制することができる。
(12) 前記新たな成形凹部内に再度重合原料を充填し、これを重合硬化することにより成形体を成形し、次いで成形体に、そのガラス転移温度から該ガラス転移温度より20℃高い温度までの範囲内の温度でアニーリング処理を施すことを特徴とする請求項6に記載の偏光プラスチックフィルムの製造方法。このように構成した場合、重合によるフィルム体の歪みや変形を抑制することができる。
偏光プラスチックレンズを示す側断面図。 第1実施形態の偏光プラスチックレンズの成形型を示す側断面図。 偏光プラスチックフィルムを示す側断面図。 第1実施形態の偏光プラスチックフィルムの成形型を示す側断面図。 (a)及び(b)は第2実施形態の偏光プラスチックレンズの成形型を示す側断面図。
符号の説明
11…偏光プラスチックレンズ、12…レンズ体、13…偏光膜、21…成形型、23…下部成形型を構成するガスケット、24…下部成形型を構成する第1下側モールド、25…固定部材、26…上部成形型を構成する第1上側モールド、27…第1成形凹部、28…第2成形凹部、31…偏光プラスチックフィルム、32…フィルム体、41…成形用金型としての第2下側モールド、42…成形用金型としての第2上側モールド、45…第4成形凹部、46…第5成形凹部。

Claims (6)

  1. イソシアナト基又はイソチオシアナト基を有する化合物と、ヒドロキシル基又はメルカプト基を有する化合物とを主成分とし、重合触媒を含有する重合原料を重合して得られるレンズ体が、ヒドロキシル基を有する樹脂から形成される偏光膜の両面に設けられている偏光プラスチックレンズであって、
    前記レンズ体の重合原料に含有されるイソシアナト基又はイソチオシアナト基と、偏光膜を形成する樹脂に含有されるヒドロキシル基とがウレタン結合又はチオウレタン結合によって結合されていることを特徴とする偏光プラスチックレンズ。
  2. イソシアナト基又はイソチオシアナト基を有する化合物と、ヒドロキシル基又はメルカプト基を有する化合物とを主成分とし、重合触媒を含有する重合原料を重合して得られるフィルム体が、ヒドロキシル基を有する樹脂から形成される偏光膜の両面に設けられている偏光プラスチックフィルムであって、
    前記フィルム体の重合原料に含有されるイソシアナト基又はイソチオシアナト基と、偏光膜を形成する樹脂に含有されるヒドロキシル基とがウレタン結合又はチオウレタン結合によって結合されていることを特徴とする偏光プラスチックフィルム。
  3. 有底筒状をなし、底部が緩やかな曲面状に形成された下部成形型と、該下部成形型に対して偏光膜を固定するための固定部材と、緩やかな曲面状をなし、下部成形型の開口部を封鎖するように嵌め込まれる上部成形型とから構成される成形型を用い、前記重合原料を下部成形型の内底面と側面とで構成される第1成形凹部内に充填するとともに、この上に偏光膜を配置してその周縁部を固定部材により下部成形型に固定した状態で、前記上部成形型の内面と偏光膜との間に構成される第2成形凹部内にさらに重合原料を充填し、又は偏光膜の周縁部を固定部材により下部成形型に固定した状態で下部成形型の内底面と上部成形型の内面との間に構成される第3成形凹部内に重合原料を充填し、その後重合原料を重合硬化することを特徴とする請求項1に記載の偏光プラスチックレンズの製造方法。
  4. 有底筒状をなし、底部が平坦状に形成された下部成形型と、該下部成形型に対して偏光膜を固定するための固定部材と、平坦状をなし、下部成形型の開口部を封鎖するように嵌め込まれる上部成形型とから構成される成形型を用い、前記重合原料を下部成形型の内底面と側面とで構成される第1成形凹部内に充填するとともに、この上に偏光膜を配置してその周縁部を固定部材により下部成形型に固定した状態で、前記上部成形型の内面と偏光膜との間に構成される第2成形凹部内にさらに重合原料を充填し、又は偏光膜の周縁部を固定部材により下部成形型に固定した状態で下部成形型の内底面と上部成形型の内面との間に構成される第3成形凹部内に重合原料を充填し、その後重合原料を重合硬化することを特徴とする請求項2に記載の偏光プラスチックフィルムの製造方法。
  5. 緩やかな曲面状に形成された一対の成形用金型と、一方の成形用金型に対して偏光膜を固定するための固定部材とから構成される成形型を用い、前記偏光膜を一方の成形用金型の底面に配置してその周縁部を固定部材により一方の成形用金型に固定し、次いで他方の成形用金型をその内面と偏光膜の一側面との間に成形凹部を有するように配置するとともに、前記一方の成形用金型に型締めした状態で成形凹部内に重合原料を充填し、その後重合原料を重合硬化することにより偏光膜の一側面にレンズ体が設けられた中間成形体が成形され、次にこの中間成形体をその偏光膜の他側面と一方の成形用金型の内面との間に新たな成形凹部を有するように配置し、この新たな成形凹部内に再度重合原料を充填し、これを重合硬化することを特徴とする請求項1に記載の偏光プラスチックレンズの製造方法。
  6. 内面が平坦状に形成された一対の成形用金型と、一方の成形用金型に対して偏光膜を固定するための固定部材とから構成される成形型を用い、前記偏光膜を一方の成形用金型の底面に配置してその周縁部を固定部材により一方の成形用金型に固定し、次いで他方の成形用金型をその内面と偏光膜の一側面との間に成形凹部を有するように配置するとともに、前記一方の成形用金型に型締めした状態で成形凹部内に重合原料を充填し、その後重合原料を重合硬化することにより偏光膜の一側面にフィルム体が設けられた中間成形体が成形され、次にこの中間成形体をその偏光膜の他側面と一方の成形用金型の内面との間に新たな成形凹部を有するように配置し、この新たな成形凹部内に再度重合原料を充填し、これを重合硬化することを特徴とする請求項2に記載の偏光プラスチックフィルムの製造方法。
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