JPWO2010073625A1 - 樹脂レンズの製造方法、樹脂レンズ製造用モールド、及び樹脂レンズ内挿用フィルム - Google Patents

樹脂レンズの製造方法、樹脂レンズ製造用モールド、及び樹脂レンズ内挿用フィルム Download PDF

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Abstract

本発明の樹脂レンズの製造方法において、モールド(10、14)間に樹脂フィルム(3)を配し、モールド(10、14)と樹脂フィルム(3)との間に間隙部(15、16)を形成するとともに、モールド(10、14)の側面と樹脂フィルム(3)の側面とを被覆材(17)で覆うことによって間隙部(15、16)の側方を覆い、間隙部(15、16)を、充填口を有する略閉塞空間にする。充填口から略閉塞空間にレンズ材料を注入充填し、レンズ材料を重合硬化させ、硬化した樹脂と樹脂フィルムとが一体化してなる樹脂レンズを形成する。モールド(10)として、モールド(10)の内面の外周部に、間隙部(15)を所定の幅に保持するための突出部(11)が設けられたものを用いる。

Description

本発明は、眼鏡用のプラスチックレンズや光学要素として用いられる樹脂レンズの製造方法と、この製造方法に好適に用いられる樹脂レンズ製造用モールド、及び樹脂レンズ内挿用フィルムに関する。
本願は、2008年12月22日に、日本に出願された特願2008−325703号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
プラスチック材料は、軽量かつ靭性に富み、染色も比較的容易なことから、近年では各種の光学要素、特に眼鏡レンズに多く用いられている。眼鏡レンズには、低比重、高透明性、低黄色度、高屈折率、高アッベ数、強靭性等の特性が要求されており、例えば高屈折率はレンズの薄肉化を可能にし、高アッベ数はレンズの色収差を低減する。
また、近年では薄肉化を目的として、屈折率1.7以上かつアッベ数30以上の光学材料を与える光学材料用組成物が提案されており、最近では、さらに高屈折率化が可能なエピスルフィド系化合物を用いた光学材料用組成物が提案されている。
また、エピスルフィド系光学材料からなるプラスチックレンズの耐衝撃性を向上させることを目的として、イソシアネート基またはイソチオシアネート基を含む化合物を添加して重合硬化させ、機械的強度を向上させることも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところが、イソシアネート基またはイソチオシアナート基を含む化合物を添加すると、ポリマー中の高屈折率原子(例えば硫黄原子)の含有量が低下するため、ポリマーの屈折率が低下してしまうといった課題がある。
そこで、この課題を解消するため、耐衝撃性が良好なポリチオウレタン光学用樹脂組成物とエピスルフィド光学用樹脂組成物とを積層した、樹脂レンズ(プラスチックレンズ)が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この樹脂レンズは、エピスルフィド樹脂を、流動性がなく、屈折力は有するが完成品レンズとしての性能は有していない成形体となし、この成形体の被密着面にキャビティを形成し、このキャビティに前記樹脂素材とは異なる種類の素材原料を注入してキャビティ内で重合硬化させることによって製造されたものである。すなわち、前記エピスルフィド樹脂の成形体の表面に前記の異なる種類の樹脂素材をほぼ一定の厚みに形成していることにより、実質的に屈折力を有しない層として密着させ一体化したもので、表面反射特性、耐衝撃性、染色性、及び加工性のうちの少なくとも1種の性質が前記成形体より向上したものである。
日本国特開平11−352302号公報 日本国特許第4087335号公報
しかしながら、前記特許文献2の樹脂レンズの製造方法では、エピスルフィド樹脂によって一旦成形体を作製し、その後、異なる種類の素材原料をキャビティ内で重合硬化させ、成形体に一体化させることから、樹脂成形工程を最低2回行う必要があり、製造効率が悪いという課題がある。
そこで、例えば耐衝撃性に優れた熱可塑性フィルムを一対のモールド間に挟み込み、一対のモールドと熱可塑性フィルムとの間に二つの間隙部を形成し、これら二つの間隙部にそれぞれレンズ材料を充填した後、1回の樹脂成形工程でレンズ材料を重合硬化させ、樹脂レンズを製造することが考えられる。
しかしながら、その場合には、特殊なガスケットを用いてこれにフィルムを挟み込んで保持させたり、あるいは、ガスケットとモールドとの間にフィルムを挟み込んで保持させる必要があり、フィルムの挿入作業が煩雑であったり、フィルムの挿入位置精度が悪く、位置ずれが起こり易いといった新たな課題がある。
本発明の態様の目的は、製造効率が高く、しかもモールドに対する樹脂フィルムの配置を容易にし、かつ、その位置精度も良くすることができる樹脂レンズの製造方法と、この製造方法に好適に用いられる樹脂レンズ製造用モールド、及び樹脂レンズ内挿用フィルムを提供することにある。
本発明を例示する樹脂レンズの製造方法の一態様は、一対のモールド間に樹脂フィルムを配し、前記一対のモールドの内面と前記樹脂フィルムの外面との間に複数の間隙部を形成するとともに、前記一対のモールドの側面と前記樹脂フィルムの側面とを被覆材で覆うことによって前記間隙部の側方を覆い、前記間隙部を、充填口を有する略閉塞空間にする工程と、
前記充填口から前記略閉塞空間にレンズ材料を注入し充填する工程と、
前記レンズ材料を重合硬化させて、硬化した樹脂と前記樹脂フィルムとが一体化してなる樹脂レンズを形成する工程と、を備えてなり、
前記の複数の間隙部を形成する際には、前記モールド及び/又は前記樹脂フィルムとして、前記モールドの内面の外周部あるいは前記樹脂フィルムの外面の外周部に、前記間隙部のうちの少なくとも一つを形成してこの間隙部を所定の幅に保持するための、突出部が設けられたものを用いることにより、前記の複数の間隙部のうちの少なくとも一つを形成することを特徴としている。
本発明を例示する樹脂レンズの製造方法の他の態様は、一対のモールド間に樹脂フィルムを配し、前記一対のモールドの内面と前記樹脂フィルムの外面との間に複数の間隙部を形成するとともに、前記一対のモールドの側面と前記樹脂フィルムの側面とを被覆材で覆うことによって前記間隙部の側方を覆い、前記間隙部を、充填口を有する略閉塞空間にする工程と、
前記充填口から前記略閉塞空間にレンズ材料を注入し充填する工程と、
前記レンズ材料を重合硬化させて、硬化した樹脂と前記樹脂フィルムとが一体化してなる樹脂レンズを形成する工程と、を備えてなり、
前記の複数の間隙部を形成する際には、前記一対のモールドのうちの少なくとも一方の内面の外周部と前記樹脂フィルムの外面の外周部との間に、前記間隙部のうちの少なくとも一つを形成して該間隙部を所定の幅に保持するためのスペーサを配することにより、前記の複数の間隙部のうちの少なくとも一つを形成することを特徴としている。
本発明を例示する樹脂レンズの製造方法の他の態様は、フィルムが内挿された樹脂レンズの製造方法において、
前記フィルムを第1モールドの内面の外周部に設けられた突出部に当接させ、この突出部により所定の高さに保持された第1間隙部を形成する工程と、
前記フィルムと第2モールドとの間に第2間隙部を形成する工程と、
前記第1間隙部及び第2間隙部に流動性のレンズ材料を注入する工程と、
を有することを特徴としている。
本発明を例示する樹脂レンズの製造方法の他の態様は、フィルムが内挿された樹脂レンズの製造方法において、
前記フィルムの外面の外周部に設けられた突出部に第1モールドを当接させ、この突出部により所定の高さに保持された第1間隙部を形成する工程と、
前記フィルムと第2モールドとの間に第2間隙部を形成する工程と、
前記第1間隙部及び第2間隙部に流動性のレンズ材料を注入する工程と、
を有することを特徴としている。
本発明を例示する樹脂レンズの製造方法の他の態様は、フィルムが内挿された樹脂レンズの製造方法において、
前記フィルムと第1モールドとの間にスペーサを配し、このスペーサの一方の面に前記フィルムを当接させ、他方の面に第1モールドを当接させ、このスペーサにより所定の高さに保持された第1間隙部を形成する工程と、
前記フィルムと第2モールドとの間に第2間隙部を形成する工程と、
前記第1間隙部及び第2間隙部に流動性のレンズ材料を注入する工程と、
を有することを特徴としている。
本発明を例示する樹脂レンズ製造用モールドの一態様は、樹脂フィルムの両側にレンズ基材を一体に有してなる樹脂レンズの、製造用のモールドであって、
前記レンズ基材の形成面となる内面の外周部に、前記樹脂フィルムとの間に所定の間隙を形成し、かつこの間隙を所定の幅に保持するための突出部を有してなることを特徴としている。
本発明を例示する樹脂レンズ内挿用フィルムの一態様は、一対のモールド間に樹脂フィルムを配し、前記一対のモールドの内面と前記樹脂フィルムの外面との間の間隙部にレンズ材料を充填することにより、前記樹脂フィルムの両側にレンズ基材を一体に有してなる樹脂レンズを製造する際に、前記樹脂フィルムとして用いられる樹脂レンズ内挿用フィルムであって、
少なくともの一方の外面の外周部に、前記モールドとの間に所定の間隙を形成し、かつ該間隙を所定の幅に保持するための突出部を有してなることを特徴としている。
本発明の態様に係る樹脂レンズの製造方法にあっては、より少ない樹脂成形処理によって樹脂レンズを製造することができ、したがって製造効率を高めることができる。また、モールドに対する樹脂フィルムの配置を容易にし、かつ、その位置精度も良くすることができ、したがって容易にかつ高精度に樹脂レンズを製造することができる。
本発明の態様に係る樹脂レンズ製造用モールド及び樹脂レンズ内挿用フィルムにあっては、これを用いて樹脂レンズを製造することにより、その製造効率を高めることができ、さらに、容易にかつ高精度に樹脂レンズを製造することができる。
本発明に係る樹脂レンズの一例を示す側断面図である。 本発明の一実施形態に係る樹脂レンズ製造用モールドの側断面図である。 図2Aに示すモールドの正面図である。 突出部の他の形態を示すためのモールドの正面図である。 本発明の一実施形態に係る樹脂レンズ内挿用フィルムの側断面図である。 図4Aに示す樹脂レンズ内挿用フィルムの正面図である。 本発明の第1の実施形態に係る樹脂レンズの製造方法を説明するための側断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る樹脂レンズの製造方法を説明するための側断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る樹脂レンズの製造方法を説明するための側断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る樹脂レンズの製造方法を説明するための側断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る樹脂レンズの製造方法を説明するための側断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る樹脂レンズの製造方法を説明するための側断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る樹脂レンズの製造方法を説明するための側断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る樹脂レンズの製造方法を説明するための側断面図である。 本発明に係るスペーサを示す側断面図である。 図8Aに示すスペーサの正面図である。 本発明の第3の実施形態に係る樹脂レンズの製造方法を説明するための側断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る樹脂レンズの製造方法を説明するための側断面図である。
以下、本発明をより詳しく説明する。
まず、本発明の樹脂レンズの製造方法によって製造される、樹脂レンズの一例について説明する。
図1は、本発明に係る樹脂レンズの一例を示す側断面図であり、図1における符号1は眼鏡用の樹脂レンズである。この樹脂レンズ1は、光学用樹脂からなる第1のレンズ基材2と、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルム3と、第2のレンズ基材4とが、樹脂フィルム3の両面に設けられた接着層5、5を介して接合されたものである。第1のレンズ基材2と第2のレンズ基材4とは、同じ材質の樹脂からなっていてもよく、異なる材質の樹脂からなっていてもよい。
また、第1のレンズ基材2と第2のレンズ基材4とは、後述するように成形型となるモールドの成形面(内面)と、予め形成された樹脂フィルム3の曲率とによって与えられる曲率を有するものである。
第1のレンズ基材2を形成する光学用樹脂としては、限定されることはないものの、特に高屈折率の樹脂レンズを形成するうえでは、エピスルフィド樹脂を主成分とする光学用樹脂が好適に用いられる。
エピスルフィド樹脂を主成分とする光学用樹脂としては、エピスルフィド基を1個以上含有するモノマーを主成分とし、これを重合して得られる高屈折率を有する樹脂であれば特に限定されない。モノマーとして具体的には、公知のエピスルフィドの1種又は2種以上の混合物が用いられる。また、屈折率を上げるため、硫黄原子、スズ原子、セレン原子を含む無機化合物が添加されていてもよい。
このような第1のレンズ基材2を形成するエピスルフィド樹脂としては、例えば三井化学株式会社製のMR−174(商品名、屈折率1.74)が好適に用いられる。なお、第1のレンズ基材2を構成するエピスルフィド樹脂を主成分とする光学用樹脂の屈折率については、1.70以上が好ましく、1.74以上がさらに好ましく、1.74〜1.78とするのが望ましい。
また、第2のレンズ基材4を形成する光学用樹脂としては、前述したように第1のレンズ基材2と同じ光学用樹脂でもよく、異なる光学用樹脂でもよい。異なる光学用樹脂としては、例えばジアリルカーボネート系、アクリレート系、ポリチオウレタン系、エピスルフィド系、エピスルフィド化合物とイソシアネート化合物の混合系などが挙げられる。なお、高屈折率を維持するためには、ポリチオウレタン樹脂又はエピスルフィド樹脂を主成分とする光学用樹脂が好ましく、さらに耐衝撃性を著しく向上し、かつ染色性をも著しく向上させるためには、高屈折率を有するポリチオウレタン樹脂を主成分とする光学用樹脂を用いるのが最も好ましい。
第2のレンズ基材4を形成する光学用樹脂として、ポリチオウレタン樹脂を用いる場合には、例えば三井化学株式会社製のMR−7(商品名、屈折率1.67)またはMR−8(商品名、屈折率1.60)が好適に用いられる。なお、第2のレンズ基材4を形成する光学用樹脂の屈折率については、1.60以上が好ましく、1.67以上がさらに好ましく、1.67〜1.70とするのが望ましい。
また、第2のレンズ基材4を形成する光学用樹脂として、エピスルフィド樹脂を主成分とする光学用樹脂を用いる場合には、前記した第1のレンズ基材2を形成するエピスルフィド樹脂を主成分とする光学用樹脂と、同様の樹脂を用いることができる。
樹脂フィルム3を構成する樹脂としては、良好な透明性を有し、かつ良好な耐衝撃性を有する樹脂であれば特に限定されないものの、さらに優れた機能特性をも併せ持つものが、より好適とされる。具体的には、偏光膜としての機能を有するフィルムとして、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート等)、セルロースエステル(トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース、アセテートブチレートセルロース等)、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン等)、ポリエーテルケトン、(メタ)アクリルロニトリル、ポリスチレン(シンジオタクチックポリスチレン等)、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
また、調光膜としての機能を有するフィルムとして、ポリカーボネート樹脂、セルロース系樹脂(酢酸セルロース、プロピルセルロース、酢酸・酪酸セルロース等)、脂環式ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、フルオレン系ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、ポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリエチレン等)、ポリアリレート、ポリメチルメタクリレート、ナイロン等が挙げられる。
なお、樹脂フィルム3を構成する樹脂としては、特に前記のものに限定されることなく、他に例えばポリ(チオ)ウレタン、ポリビニルアルコール、ポリアリレン等を用いることもできる。
また、樹脂フィルム3の厚さとしては、80〜650μmであるのが好ましく、120〜550μmであるのがより好ましく、180〜450μmであるのが特に好ましい。このような厚さ範囲にすることにより、樹脂フィルム3の特性が良好に発揮され、樹脂レンズ1に対して樹脂フィルム3の特性を良好に付与することができる。例えば、樹脂フィルム3をポリカーボネート製とした場合、樹脂フィルム3の厚さを前記下限値よりも厚くすることにより、前記の高屈折率樹脂レンズの強靭性を高くすることができる。また、前記上限値よりも薄くすることにより、高屈折率樹脂レンズの屈折率を高くすることができ、レンズを薄く設計することができる。
樹脂フィルム3としては、平板状のフィルムを用いることもできるが、プラノレンズ状のフィルムを用いるのがより好ましく、特に樹脂フィルム3の曲率を樹脂レンズ1の凸面、すなわち第2のレンズ基材4の凸面における曲率とほぼ同じに形成するのが好ましい。
これにより、第2のレンズ基材4を薄くすることができ、その結果、樹脂レンズ1を薄く設計することができる。
例えば、セミフィニッシュレンズのレンズ凸面側のレンズ基材(第2のレンズ基材4)をレンズ凹面側のレンズ基材(第1のレンズ基材2)より薄くすることで、セミフィニッシュレンズのレンズ凸面側を研磨加工することなく、レンズ凹面側のみを研磨加工する方式が採用可能になる。特に、第2のレンズ基材4の屈折率が第1のレンズ基材2の屈折率より小さい場合には、レンズ凸面側の第2のレンズ基材4をレンズ凹面側の第1のレンズ基材2より薄くすることにより、樹脂レンズ1全体の平均屈折率を高く設計することができる。
樹脂フィルム3には、その両面に、第1のレンズ基材2及び第2のレンズ基材4との接着性向上のため、接着層5が設けられている。接着層5の材料としては、特に限定はされないものの、例えば(メタ)アクリレート系樹脂、エポキシ系樹脂、(チオ)ウレタン系樹脂、及びポリエステル系樹脂が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリレート系樹脂、エポキシ系樹脂、(チオ)ウレタン系樹脂とされる。
次に、図1に示した構成の樹脂レンズ1を製造するのに好適に用いられる、本発明の樹脂レンズ製造用モールドについて説明する。
図2A及び図2Bは、本発明に係る樹脂レンズ製造用モールドの一実施形態を示す図であり、図2Aはモールドの側断面図で、図2Bはモールドの正面図である。図2A及び図2Bにおいて符号10は、眼鏡用樹脂レンズの製造用モールド(以下、モールドと記す)であり、基本的に一対のモールド、すなわち第1モールドと第2モールドとからなる樹脂レンズ製造用モールドのうちの、一方(第1モールド)となるものである。
モールド(第1モールド)10は、図1に示した樹脂レンズ1の凸面(第2のレンズ基材4の外面)成形用の型であって、図2Bに示すように円盤状で、かつ、図2Aに示すようにその成形面となる内面10aに、所定の凹形状の曲率を有したものである。
なお、このモールド10は例えばガラス製とされ、その外面にも、前記の内面10aに対応した曲率が形成されている。
また、このモールド10には、図2A及び図2Bに示したように、その内面10aに突出部11が設けられている。この突出部11は、内面10aの外周部に設けられた円環状のもので、その一部に切欠部12が形成されている。切欠部12は、突出部11の幅方向に切り欠かれたことにより、突出部11の外側と内側とを連通させるようになっている。なお、突出部11は、モールド10の板状の本体部分10bと一体に形成されていてもよく、本体部分10bとは別に形成され、溶接等によって一体化されていてもよい。また、突出部11は、前述のように切欠部12によって完全な環状にはなっていないため、本発明ではこれを略環状と表現している。
また、突出部11は、その厚さ(高さ)が、製造する前記樹脂レンズ1の第2のレンズ基材4の厚さに対応して形成されるようになっており、本実施形態では、第2のレンズ基材4の厚さに等しい厚さで形成されている。また、その幅については、後述するようにこの突出部11に対応する部分は最終的には研磨除去されるため、必要最小限の狭い幅に形成されているのが好ましい。
なお、本実施形態では図2Bに示したように突出部11を略環状(切欠部12を形成した円環状)に形成したが、例えば図3に示すように、複数(図3では四つ)の小片状の突出部13を、モールド10の内面10aの外周部に、等間隔で配するようにしてもよい。
また、このようなモールド10においては、後述する使用時において、その突出部11(または13)の先端面に粘着剤が塗布される。粘着剤としては、特に限定されることなく、樹脂エマルジョン系やゴムラテックス系のものなど種々のものが使用可能である。しかし、後述する成形時には例えば100℃〜150℃程度に加熱されるため、耐熱性が高いものが好ましく、したがってシリコン系の粘着剤が好適に用いられる。
次に、図1に示した構成の樹脂レンズ1を製造するのに好適に用いられる、本発明の樹脂レンズ内挿用フィルムについて説明する。
図4A及び図4Bは、本発明の樹脂レンズ内挿用フィルムの一実施形態を示す図であり、図4Aは樹脂レンズ内挿用フィルムの側断面図で、図4Bは樹脂レンズ内挿用フィルムの正面図である。図4A及び図4Bにおいて、符号20は、眼鏡用樹脂レンズ内挿用フィルム(以下、内挿用フィルムと記す)である。
この内挿用フィルム20は、図1に示した樹脂レンズ1を製造する際に、その構成要素として用いられ、その後樹脂レンズ1に仕上げられることにより、樹脂フィルム3となるものである。すなわち、この内挿用フィルム20は、本実施形態では図4Bに示すように円盤状で、かつ、図4Bに示すようにその成形面となる両面(外面)20a、20bに、所定の曲率を有したものである。
一方の外面20aは、図1に示した樹脂レンズ1の第2のレンズ基材4の内面に接合するもので、したがって、この第2のレンズ基材4の内面の凹形状の曲率に対応した、凸形状の曲率に形成されている。同様に、他方の外面20bは、樹脂レンズ1の第1のレンズ基材2の内面に接合するもので、この第1のレンズ基材2の内面の凸形状の曲率に対応した、凹形状の曲率に形成されている。なお、本実施形態では、これら外面20aと外面20bとの曲率は、凸形状と凹形状との違い以外は同じとされ、したがってその厚さはほぼ全域に亘って同一に形成されている。
ただし、この内挿用フィルム20には、前記樹脂フィルム3と異なり、図4A、図4Bに示したように、凸形状に形成された外面20aの外周部に、突出部21が設けられている。この突出部21は、前記モールド10に設けられた突出部11と同様に円環状のもので、その一部に切欠部22が形成されている。切欠部22は、突出部21の幅方向に切り欠かれたことにより、突出部21の外側と内側とを連通させるようになっている。なお、この突出部21も、内挿用フィルム20の板状の本体部分20cと一体に形成されていてもよく、本体部分20cとは別に形成され、接着等によって一体化されていてもよい。また、この突出部21についても、本発明ではこれを略環状と表現しているのは、前記の突出部11の場合と同様である。
また、突出部21は、その厚さ(高さ)が、製造する前記樹脂レンズ1の第2のレンズ基材4の厚さに対応して形成されるようになっており、本実施形態では、第2のレンズ基材4の厚さに等しい厚さで形成されている。また、その幅については、後述するようにこの突出部21に対応する部分は最終的には研磨除去されるため、必要最小限の狭い幅に形成されているのが好ましい。
なお、本実施形態では図4Bに示したように突出部21を略環状(切欠部22を形成した円環状)に形成したが、例えば図3に示したモールド10の場合と同様に、複数の突出部を、内挿用フィルム20の外面20aの外周部に、等間隔で配するようにしてもよい。
また、このような内挿用フィルム20においても、後述する使用時において、その突出部21の先端面に、前記したようにシリコン系等の粘着剤が塗布される。
次に、本発明に係る樹脂レンズの製造方法の第1の実施形態として、図1に示した構成の樹脂レンズ1を、図2A及び図2Bに示したモールド10を用いて製造する方法について説明する。
まず、図5Aに示すように、前記モールド(第1モールド)10と、これと対をなすモールド(第2モールド)14を用意する。ここで、このモールド14については、モールド10と同様に、その内面に突出部を形成したものでもよく、また、従来と同様に、突出部を形成していないものでもよい。本実施形態では、突出部を形成していないものを用いる。
次に、図5Bに示すように、前記の一対のモールド10、14間に樹脂フィルム3を配する。なお、ここでは、樹脂フィルム3として図4A及び図4Bに示した内挿用フィルム20でなく、突出部のない一般的な樹脂フィルムを用いる。この樹脂フィルム3には、予めその両面に図1に示した接着層5の形成材料(樹脂材料)を設けておく。また、モールド10については、その突出部11の先端面に予め粘着剤を塗布しておく。そして、このように樹脂フィルム3を配する際には、特にそのモールド10側の外面を、位置決めした状態でモールド10の突出部11の先端面に当接させる。
すると、突出部11には粘着剤が塗布されているため、樹脂フィルム3は位置決めした状態のままにモールド10に保持される。また、これによってモールド10と樹脂フィルム3との間には、突出部11の厚さ(高さ)に対応した幅の間隙部(第1間隙部)15が形成される。そして、このようにして樹脂フィルム3を配したら、さらにこの樹脂フィルム3との間に所定の間隙部(第2間隙部)16を形成するようにモールド14を位置させる。
さらに、このようにしてモールド10とモールド14との間に樹脂フィルム3を配置し、位置決めしたら、図5Cに示すように前記の間隙部15、16の幅を保持したまま、これらモールド10、14の側面と樹脂フィルム3の側面とを粘着テープ(被覆材)17で覆い、これによって前記間隙部15、16の側方を覆う。ただし、間隙部15、16に対しては、その一部を開口させた状態で覆い、この開口をレンズ材料の充填口(図示せず)とする。なお、間隙部15に対しては、モールド10の突出部11が略環状に形成されているため、特にその切欠部12に充填口が連通するように、この充填口を形成配置する。
このようにして粘着テープ17を覆うことにより、前記の間隙部15、16は、充填口以外が閉塞された空間、すなわち略閉塞空間となる。
次いで、このようにして形成配置した充填口から略閉塞空間(間隙部15、16)に、図6Aに示すようにそれぞれレンズ材料を注入し充填する。その際、間隙部16には、図1に示した第1のレンズ基材2を形成するための前記光学用樹脂をレンズ材料2aとして注入充填し、間隙部15には、第2のレンズ基材4を形成するための前記光学用樹脂をレンズ材料4aとして注入充填する。ここで、間隙部15と間隙部16とは、特に間隙部15側が突出部11によって独立した略閉塞空間となっているため、間隙部16側も独立した略閉塞空間となっている。したがって、それぞれに異なるレンズ材料(光学用樹脂)を充填しても、これらが混じり合うことはない。
次いで、モールド10、14を所定時間加熱し、前記レンズ材料2a、4aを重合硬化させる。加熱温度については、レンズ材料2a、4aによっても異なるものの、おおよそ100℃〜150℃程度とされる。
次いで、粘着テープ17を剥離し、さらにモールド10、14を離型することにより、図6Bに示すように硬化した樹脂(レンズ材料)と前記樹脂フィルム3とが一体化してなる樹脂レンズ1aを形成する。
このようにして樹脂レンズ1aを形成すると、第2のレンズ基材4側は、モールド10の突出部11に対応する箇所に樹脂が充填されないことにより、第1のレンズ基材2に比べて小径になっている。そこで、突出部11に対応する第1のレンズ基材2の外周部を研磨するとともに、樹脂フィルム3及び第2のレンズ基材4の外周部も合わせて研磨し、樹脂レンズ1aの外周部を除去する。これにより、図1に示した樹脂レンズ1が得られる。
このような樹脂レンズ1の製造方法にあっては、一対のモールド10、14間に樹脂フィルム3を配し、これら一対のモールド10、14の内面と樹脂フィルム3の外面との間に間隙部15、16を形成する際に、突出部11を設けた本発明に係るモールド10を用いて間隙部15を形成するので、単に突出部11に樹脂フィルム3を当接させるだけで、モールド10と樹脂フィルム3との間に突出部11の高さに対応する幅の間隙部15を精度良く形成することができる。
また、突出部11の先端面に粘着剤を設けておき、この突出部11の先端面と樹脂フィルム3とを当接させることにより、モールド10に突出部11を介して樹脂フィルム3を容易に保持させることができ、したがってモールド10に対する樹脂フィルム3の位置決めを容易にかつ精度良く行うことができる。
したがって、この樹脂レンズ1の製造方法によれば、樹脂成形処理が1回であるため製造効率が高く、しかも、容易にかつ高精度に樹脂レンズ1を製造することができる。
また、突出部11を、切欠部12を有した略環状に形成しているので、間隙部(第1間隙部)15を、充填口を有する略閉塞空間にする際に、前記切欠部12を前記充填口に対応させることで、突出部11によって略閉塞空間を独立した状態に形成することができる。したがって、間隙部15、16に、それぞれ異なるレンズ材料を注入し充填するのが容易になる。
なお、前記第1の実施形態では、モールド10として、図2Bに示したように突出部11が略環状のものを用いたが、図3に示したように突出部13が小片状のものであってもよい。このような突出部13を設けたモールド10を用いた場合、このモールド10と樹脂フィルム3との間の間隙部15は、突出部13によって独立した略閉塞空間とはならない。したがって、特に第1のレンズ基材2と第2のレンズ基材4とを同じ材質で形成する場合には、間隙部15、16のうちの一方にレンズ材料を注入し充填することにより、他方にも回り込ませることが可能になり、充填処理を容易にすることができる。
次に、本発明の樹脂レンズの製造方法の第2の実施形態として、図1に示した構成の樹脂レンズ1を、図4A及び図4Bに示した内挿用フィルム20を用いて製造する方法について説明する。
この方法が図5A〜図5C、図6A及び図6Bに示した方法と異なるところは、第2のレンズ基材4の外面を成形するモールドとして、突出部のない従来のものを用いる点と、樹脂フィルム3として、内挿用フィルム20を用いた点である。
すなわち、本実施形態の方法では、図7Aに示すように従来通りの一対のモールド18、14(第1モールド18と第2モールド14)を用意する。
次に、図7Bに示すように、前記の一対のモールド18、14間に、前記内挿用フィルム20を配する。なお、この内挿用フィルム20については、予めその両面に図1に示した接着層5の形成材料(樹脂材料)を設けておくとともに、その突出部21の先端面に予め粘着剤を塗布しておく。そして、このように内挿用フィルム20を配する際には、特に突出部21を形成した側を、モールド18の内面に対して位置決めした状態で、この突出部21の先端面を当接させる。
すると、突出部21には粘着剤が塗布されているため、内挿用フィルム20は位置決めした状態のままにモールド18に保持される。また、これによってモールド18と内挿用フィルム20との間には、突出部21の厚さ(高さ)に対応した幅の間隙部(第1間隙部)15が形成される。そして、このようにして内挿用フィルム20を配したら、さらにこの内挿用フィルム20との間に所定の間隙部(第2間隙部)16を形成するようにモールド14を位置させる。
以下の工程については、図5C、図6A及び図6Cに示した工程と同様に行う。
ただし、図6Bに示したようにモールドを離型した時点においては、本実施形態では図7Cに示すように得られる樹脂レンズ1bには、内挿用フィルム20の突出部21が一体に設けられている。
そこで、この突出部21に対応する第1のレンズ基材2の外周部を研磨するとともに、内挿用フィルム20の突出部21及び第2のレンズ基材4の外周部も合わせて研磨し、樹脂レンズ1bの外周部を除去する。これにより、内挿用フィルム20は図1に示した樹脂フィルム3となり、樹脂レンズ1が得られる。
このような樹脂レンズ1の製造方法にあっては、一対のモールド18、14間に内挿用フィルム20を配し、これら一対のモールド18、14の内面と内挿用フィルム20の外面との間に間隙部15、16を形成する際に、突出部21を設けた本発明に係る内挿用フィルム20を用いて間隙部15を形成する。したがって、単に突出部11に内挿用フィルム20を当接させるだけで、モールド18と内挿用フィルム20との間に突出部21の高さに対応する幅の間隙部15を精度良く形成することができる。
また、突出部21の先端面に粘着剤を設けておき、この突出部21の先端面とモールド18とを当接させることにより、モールド18に突出部21を介して内挿用フィルム20を容易に保持させることができる。したがってモールド18に対する内挿用フィルム20の位置決めを容易にかつ精度良く行うことができる。
したがって、この樹脂レンズ1の製造方法によれば、樹脂成形処理が1回であるため製造効率が高く、しかも、容易にかつ高精度に樹脂レンズ1を製造することができる。
また、突出部21を、切欠部22を有した略環状に形成しているので、間隙部(第1間隙部)15を、充填口を有する略閉塞空間にする際に、前記切欠部22を前記充填口に対応させることで、突出部21によって略閉塞空間を独立した状態に形成することができる。したがって、間隙部15、16に、それぞれ異なるレンズ材料を注入し充填するのが容易になる。
なお、このような内挿用フィルムを用いる場合にも、図4Bに示した突出部21が略環状のものを用いるのに代えて、図3に示したように小片状の突出部13を形成した内挿用フィルムを用いることもできる。
次に、本発明の樹脂レンズの製造方法の第3の実施形態として、図1に示した構成の樹脂レンズ1を製造する方法について説明する。
この方法が先の第1、第2の実施形態と異なるところは、突出部11を設けたモールド10や、突出部21を設けた内挿用フィルム20を用いることなく、これら突出部11や突出部21に相当するスペーサを用いた点である。
すなわち、本実施形態では、図8A及び図8Bに示すような略環状のスペーサ31を用意する。このスペーサ31は、前記突出部11や突出部21と同様に円環状のもので、金属や樹脂、ガラス、セラミックスなど、特にレンズ材料(光学用樹脂)を重合硬化させる際に、その反応に影響を与えないものからなっている。このスペーサ31には、その一部に切欠部32が形成されている。切欠部32は、スペーサ31の幅方向に切り欠かれたことにより、その外側と内側とを連通させるようになっている。
また、このスペーサ31は、その厚さ(高さ)が、製造する前記樹脂レンズ1の第2のレンズ基材4の厚さに対応して形成されるようになっており、本実施形態では、第2のレンズ基材4の厚さに等しい厚さで形成されている。また、その幅については、このスペーサ31に対応する部分は最終的には研磨除去されるため、必要最小限の狭い幅に形成されているのが好ましい。
なお、本発明におけるスペーサについては、図8Bに示したように略環状(切欠部32を形成した円環状)に形成したが、例えば図3に示したモールド10の突出部13と同様に、複数の小片状のものからなっていてもよい。
また、このようなスペーサについては、後述する使用時において、その両面にシリコン系等の粘着剤が塗布される。
このようなスペーサとして、特に図8A及び図8Bに示したスペーサ31を用いて樹脂レンズ1を製造するには、まず、図9Aに示すように、図7Aに示した従来通りの一対のモールド18、14を用意する。
次に、図9Bに示すように、前記の一対のモールド18、14のうちの、モールド18の内面外周部に、スペーサ31を貼着する。その際、予めスペーサ31の両面に粘着剤を塗布しておくことにより、スペーサ31をモールド18に貼着してここに保持させる。
次いで、一対のモールド18、14間に、樹脂フィルム3を配する。なお、この樹脂フィルム3については、予めその両面に図1に示した接着層5の形成材料(樹脂材料)を設けておく。また、この樹脂フィルム3を配する際には、特にモールド18の内面に対して位置決めした状態で、その外周部をスペーサ31に当接させる。
すると、スペーサ31には粘着剤が塗布されているため、樹脂フィルム3はスペーサ31を介して位置決めした状態のままにモールド18に保持される。また、これによってモールド18と樹脂フィルム3との間には、スペーサ31の厚さ(高さ)に対応した幅の間隙部(第1間隙部)15が形成される。そして、このようにして樹脂フィルム3を配したら、さらにこの樹脂フィルム3との間に所定の間隙部(第2間隙部)16を形成するようにモールド14を位置させる。
以下の工程については、図5C、図6A及び図6Bに示した工程と同様に行う。
なお、図6Bに示したようにモールドを離型した時点においては、本実施形態でも得られる樹脂レンズは、第2のレンズ基材4側が第1のレンズ基材2に比べて小径になっている。したがって、本実施形態においても、スペーサ31に対応する第1のレンズ基材2の外周部を研磨するとともに、樹脂フィルム3及び第2のレンズ基材4の外周部も合わせて研磨し、樹脂レンズの外周部を除去する。これにより、図1に示した樹脂レンズ1が得られる。
このような樹脂レンズ1の製造方法にあっては、一対のモールド18、14間に樹脂フィルム3を配し、これら一対のモールド18、14の内面と樹脂フィルム3の外面との間に間隙部15、16を形成する際に、モールド18と樹脂フィルム3との間にスペーサ31を配する。したがって、単にスペーサ31をモールド18の内面外周部と樹脂フィルム3の外面外周部とに当接させるだけで、モールド18と樹脂フィルム3との間にスペーサ31の厚さに相当する幅の間隙15を精度良く形成することができる。
また、予めスペーサ31の両面に粘着剤を設けておき、このスペーサ31をモールド18と樹脂フィルム3とに当接させることにより、モールド18にスペーサ31を介して樹脂フィルム3を容易に保持させることができる。したがってモールド18に対する樹脂フィルム3の位置決めを容易にかつ精度良く行うことができる。
したがって、この樹脂レンズ1の製造方法によれば、樹脂成形処理が1回であるため製造効率が高く、しかも、容易にかつ高精度に樹脂レンズ1を製造することができる。
また、スペーサ31を、切欠部32を有した略環状に形成しているので、間隙部(第1間隙部)15を、充填口を有する略閉塞空間にする際に、前記切欠部32を前記充填口に対応させることで、スペーサ31によって略閉塞空間を独立した状態に形成することができる。したがって、間隙部15、16に、それぞれ異なるレンズ材料を注入し充填するのが容易になる。
なお、このようなスペーサを用いる場合にも、図8Bに示した略環状のものを用いるのに代えて、図3に示したような小片状のスペーサを複数用いることができる。
また、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、前記実施形態では、一対のモールドの側面を覆って略閉塞空間にする際に、被覆材として粘着テープを用いたが、これに代えて接着テープを用いてもよく、さらには、ガスケットを被覆材として用いることもできる。
また、前記実施形態では、図1に示したように一枚の樹脂フィルムの両面に計二つのレンズ基材を有する構造の樹脂レンズを製造するようにした。ところが、樹脂フィルムを複数用い、これら樹脂フィルム間とその外側にそれぞれレンズ基材を形成する、多層構造の樹脂レンズの製造に、本発明を適用することもできる。その場合に、本発明に係るモールド10や内挿用フィルム20を併用し、あるいはスペーサ31を用いる方法を併用するようにしてもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、以下の実施例、比較例において、得られた樹脂レンズの中心部分での各層の厚みについては、レンズ幾何中心を通るように切断した断面を鏡面研磨した後、光学顕微鏡によって測定した。また、トータル厚みについては、レンズ厚み計によって測定した。
[実施例1]
第3の実施形態に基づき、図1に示した構造の樹脂レンズ1を製造した。
まず、図9Aに示したモールド18、14として、ジオプタが−1.50になるような組み合わせの、直径86mmのガラス製モールド(以下、モールドと記載する)を用意した。また、図8A及び図8Bに示したスペーサ31として、切欠部32を有した、幅5mm、厚さ0.6mmの略円環状のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意した。なお、これの両面には、予めシリコン粘着剤を塗布しておいた。さらに、樹脂フィルム3として、モールド18とほぼ同じ曲率半径を有する厚さ0.3mmのポリカーボネート(PC)フィルムを用意した。これの両面には、予め接着層を設けておいた。
次に、凸面形成用のモールド18に、前記のPETフィルム(スペーサ31)を貼着し、さらにその上にPCフィルム(樹脂フィルム3)を貼着し、その状態に保持した。
続いて、モールド18、14間の中心の間隔が1.26mmになるように保持し、これらモールド18、14の周囲を接着テープで密封し、PCフィルムで隔てられた2つの空洞(間隙部15、16)、すなわち凸面側の空洞(間隙部15)と凹面側の空洞(間隙部16)とを持つシェルを作製した。
このシェルの二つの空洞(間隙部15、16)の両方に、触媒を混合したエピスルフィド樹脂モノマー(MR−174[商品名];三井化学株式会社製)を充填し、加熱重合した。その後、モールドを離型し、樹脂レンズ1を得た。
用いたモノマーと、得られたレンズの各層の厚みとを表1に示す。なお、表1中において、凸面は間隙部15に対応する第2のレンズ基材4を示し、凹面は間隙部16に対応する第1のレンズ基材2を示している。また、フィルムは樹脂フィルム3を示している。
[実施例2]
実施例1において、シェルの凸面側の空洞(間隙部15)内に、触媒を混合したウレタン樹脂モノマー(MR−7[商品名];三井化学株式会社製)を充填し、凹面側の空洞(間隙部16)内に、触媒を混合したエピスルフィド樹脂モノマー(MR−174)を充填した。これ以外は、実施例1と同様の方法で樹脂レンズ1を作製した。
用いたモノマーと、得られたレンズの各層の厚みとを表1に示す。
[実施例3]
第1の実施形態に基づき、図1に示した構造の樹脂レンズ1を製造した。
まず、図5Aに示した突出部11を有するモールド10と、従来のモールド14とを用意した。なお、これらモールド10、14についても、実施例1と同様に、ジオプタが−1.50になるような組み合わせの、直径86mmのガラス製モールドとした。また、モールド10の突出部11の先端面には、予めシリコン粘着剤を塗布しておいた。そして、前記のスペーサ31を用いることなく、二つの空洞(間隙部15、16)を有するシェルを作製した。これ以外は、実施例1と同様の方法で樹脂レンズ1を作製した。
用いたモノマーと、得られたレンズの各層の厚みとを表1に示す。
[実施例4]
実施例3において、シェルの凸面側の空洞(間隙部15)内に、触媒を混合したウレタン樹脂モノマー(MR−7[商品名];三井化学株式会社製)を充填し、凹面側の空洞(間隙部16)内に、触媒を混合したエピスルフィド樹脂モノマー(MR−174)を充填した。これ以外は、実施例3と同様の方法で樹脂レンズ1を作製した。
用いたモノマーと、得られたレンズの各層の厚みとを表1に示す。
[実施例5]
第2の実施形態に基づき、図1に示した構造の樹脂レンズ1を製造した。
この実施例では、実施例1と同じモールド18、14を用意した。また、前記の樹脂フィルム3に代えて、図7Bに示した突出部21を有する内挿用フィルム20を用意した。なお、この内挿用フィルム20の突出部21の先端面には、予めシリコン粘着剤を塗布しておいた。そして、前記のスペーサ31を用いることなく、二つの空洞(間隙部15、16)を有するシェルを作製した。これ以外は、実施例1と同様の方法で樹脂レンズ1を作製した。
用いたモノマーと得られたレンズの各層の厚みとを表1に示す。
[実施例6]
実施例5において、シェルの凸面側の空洞(間隙部15)内に、触媒を混合したウレタン樹脂モノマー(MR−7[商品名];三井化学株式会社製)を充填し、凹面側の空洞(間隙部16)内に、触媒を混合したエピスルフィド樹脂モノマー(MR−174)を充填した。これ以外は、実施例5と同様の方法で樹脂レンズ1を作製した。
用いたモノマーと、得られたレンズの各層の厚みとを表1に示す。
[比較例1]
ジオプタが−1.50になるような組み合わせの、直径86mmのガラス製モールドを使用する以外は、特許第4087335号の実施例1と同様の方法で樹脂レンズ1を作製した。
得られたレンズの各層の厚みを表1に示す。
[表1]
Figure 2010073625
本発明の実施形態1〜6によれば、樹脂成形処理が1回であるため、比較例1に比べて製造効率が高いものとなる。また、本実施形態1〜6は樹脂フィルムを用いることから、表1に示したように、第1のレンズ基材2、第2のレンズ基材4のいずれについても、比較例1に比べて薄厚に形成することができる。
したがって、本発明によれば、キャストフィニッシュレンズのような中心厚の薄いレンズについても、レンズの凸面(第2のレンズ基材4の凸面)側近傍に、耐衝撃性に優れた熱可塑性フィルムなど、機能性の樹脂フィルムを精度良く挟み込んだ樹脂レンズ(プラスチックレンズ)を、簡便にかつ高精度に製造することができる。
一実施形態に係る樹脂レンズの製造方法によれば、一対のモールド間に樹脂フィルムを配し、これら一対のモールドの内面と樹脂フィルムの外面との間に複数の間隙部を形成する際に、モールド及び/又は樹脂フィルムとして、その内面あるいは外面の外周部に突出部が設けられたものを用いて前記間隙部のうちの少なくとも一つを形成するので、単に突出部を樹脂フィルムあるいはモールドに当接させるだけで、モールドと樹脂フィルムとの間に突出部の高さに対応する幅の間隙が形成される。
また、例えば突出部の先端面に粘着剤を設けておき、この突出部の先端面と前記樹脂フィルムあるいは前記モールドとを当接させることにより、モールドに突出部を介して樹脂フィルムが容易に保持されるようになり、したがってモールドに対する樹脂フィルムの位置決めが容易になる。
一実施形態に係る樹脂レンズの製造方法によれば、一対のモールド間に樹脂フィルムを配し、これら一対のモールドの内面と樹脂フィルムの外面との間に複数の間隙部を形成する際に、モールドの内面の外周部と樹脂フィルムの外面の外周部との間にスペーサを配することにより、前記間隙部のうちの少なくとも一つを形成してこの間隙部を所定の幅に保持するようにしたので、単にスペーサをモールドの内面外周部と樹脂フィルムの外面外周部とに当接させるだけで、モールドと樹脂フィルムとの間にスペーサの厚さに相当する幅の間隙が形成される。
また、例えば予めスペーサの両面に粘着剤を設けておき、このスペーサをモールドと樹脂フィルムとに当接させることにより、モールドにスペーサを介して樹脂フィルムが容易に保持されるようになり、したがってモールドに対する樹脂フィルムの位置決めが容易になる。
一実施形態に係る樹脂レンズ製造用モールドによれば、内面の外周部に突出部を有しているので、このモールドと他のモールドとの間に樹脂フィルムを配し、これらモールドの内面と樹脂フィルムの外面との間に複数の間隙部を形成する際に、樹脂フィルムを単に前記突出部に当接させるだけで、このモールドと樹脂フィルムとの間に突出部の高さに対応する幅の間隙を容易に形成することができる。
また、例えば突出部の先端面に粘着剤を設けておき、この突出部の先端面と前記樹脂フィルムとを当接させることにより、このモールドに突出部を介して樹脂フィルムを容易に保持することができ、したがってモールドに対する樹脂フィルムの位置決めを容易にすることができる。
一実施形態に係る樹脂レンズ内挿用フィルムによれば、その外周部に突出部を有しているので、このフィルムを一対のモールド間に配し、このフィルムの一方の外面とモールドの内面との間に間隙部を形成する際に、このフィルムの突出部を単にモールドの内面に当接させるだけで、このフィルムとモールドとの間に突出部の高さに対応する幅の間隙を容易に形成することができる。
また、例えば突出部の先端面に粘着剤を設けておき、この突出部の先端面と前記モールドとを当接させることにより、このモールドに突出部を介してフィルムを容易に保持することができ、したがってモールドに対するフィルムの位置決めを容易にすることができる。
本発明に係るモールド、内挿用フィルム、及び製造方法によれば、容易にかつ高精度及び高製造効率に樹脂レンズを製造することができ、樹脂レンズ業界に幅広く適用することができる。
1 樹脂レンズ
2 第1のレンズ基材
3 樹脂フィルム
4 第2のレンズ基材
5 接着層
10 モールド(第1モールド)
10a 内面
10b 本体部分
11 突出部
12 切欠部
13 突出部
14 モールド(第2モールド)
15 間隙部
16 間隙部
17 粘着テープ(被覆材)
18 モールド(第1モールド)
20 内挿用フィルム(樹脂レンズ内挿用フィルム)
20a、20b 外面
20c 本体部分
21 突出部
22 切欠部
31 スペーサ
32 切欠部

Claims (17)

  1. 樹脂レンズの製造方法であって、
    一対のモールド間に樹脂フィルムを配し、前記一対のモールドの内面と前記樹脂フィルムの外面との間に複数の間隙部を形成するとともに、前記一対のモールドの側面と前記樹脂フィルムの側面とを被覆材で覆うことによって前記間隙部の側方を覆い、前記間隙部を、充填口を有する略閉塞空間にする工程と、
    前記充填口から前記略閉塞空間にレンズ材料を注入し充填する工程と、
    前記レンズ材料を重合硬化させて、硬化した樹脂と前記樹脂フィルムとが一体化してなる樹脂レンズを形成する工程と、を備え、
    前記の複数の間隙部を形成する際には、前記モールド及び/又は前記樹脂フィルムとして、前記モールドの内面の外周部あるいは前記樹脂フィルムの外面の外周部に、前記間隙部のうちの少なくとも一つを形成してこの間隙部を所定の幅に保持するための、突出部が設けられたものを用いることにより、前記の複数の間隙部のうちの少なくとも一つを形成することを特徴とする樹脂レンズの製造方法。
  2. 前記の複数の間隙部を形成する際には、予め前記突出部の先端面に粘着剤を塗布した後、この突出部の先端面と前記樹脂フィルムあるいは前記モールドとを当接させることにより、前記間隙部のうちの少なくとも一つを形成し保持することを特徴とする請求項1記載の樹脂レンズの製造方法。
  3. 樹脂レンズの製造方法であって、
    一対のモールド間に樹脂フィルムを配し、前記一対のモールドの内面と前記樹脂フィルムの外面との間に複数の間隙部を形成するとともに、前記一対のモールドの側面と前記樹脂フィルムの側面とを被覆材で覆うことによって前記間隙部の側方を覆い、前記間隙部を、充填口を有する略閉塞空間にする工程と、
    前記充填口から前記略閉塞空間にレンズ材料を注入し充填する工程と、
    前記レンズ材料を重合硬化させて、硬化した樹脂と前記樹脂フィルムとが一体化してなる樹脂レンズを形成する工程と、を備え、
    前記の複数の間隙部を形成する際には、前記一対のモールドのうちの少なくとも一方の内面の外周部と前記樹脂フィルムの外面の外周部との間に、前記間隙部のうちの少なくとも一つを形成してこの間隙部を所定の幅に保持するためのスペーサを配することにより、前記の複数の間隙部のうちの少なくとも一つを形成することを特徴とする樹脂レンズの製造方法。
  4. 前記の複数の間隙部を形成する際には、予め前記スペーサの両面に粘着剤を塗布した後、このスペーサの一方の面にモールドを当接させ、他方の面に樹脂フィルムを当接させることにより、前記間隙部のうちの少なくとも一つを形成し保持することを特徴とする請求項3記載の樹脂レンズの製造方法。
  5. 前記レンズ材料を重合硬化させて、樹脂レンズを形成する工程の後に、形成した樹脂レンズの、前記突出部あるいはスペーサに対応する外周部を除去する工程を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂レンズの製造方法。
  6. フィルムが内挿された樹脂レンズの製造方法において、
    前記フィルムを第1モールドの内面の外周部に設けられた突出部に当接させ、この突出部により所定の高さに保持された第1間隙部を形成する工程と、
    前記フィルムと第2モールドとの間に第2間隙部を形成する工程と、
    前記第1間隙部及び第2間隙部に流動性のレンズ材料を注入する工程と、
    を有することを特徴とする樹脂レンズの製造方法。
  7. フィルムが内挿された樹脂レンズの製造方法において、
    前記フィルムの外面の外周部に設けられた突出部に第1モールドを当接させ、この突出部により所定の高さに保持された第1間隙部を形成する工程と、
    前記フィルムと第2モールドとの間に第2間隙部を形成する工程と、
    前記第1間隙部及び第2間隙部に流動性のレンズ材料を注入する工程と、
    を有することを特徴とする樹脂レンズの製造方法。
  8. フィルムが内挿された樹脂レンズの製造方法において、
    前記フィルムと第1モールドとの間にスペーサを配し、このスペーサの一方の面に前記フィルムを当接させ、他方の面に第1モールドを当接させ、このスペーサにより所定の高さに保持された第1間隙部を形成する工程と、
    前記フィルムと第2モールドとの間に第2間隙部を形成する工程と、
    前記第1間隙部及び第2間隙部に流動性のレンズ材料を注入する工程と、
    を有することを特徴とする樹脂レンズの製造方法。
  9. 前記突出部の先端面、あるいは前記スペーサの両面に粘着剤が塗布されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の樹脂レンズの製造方法。
  10. 前記第1間隙部及び第2間隙部の側方を被覆材で覆う工程をさらに有することを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の樹脂レンズの製造方法。
  11. 前記被覆材は粘着テープであることを特徴とする請求項10記載の樹脂レンズの製造方法。
  12. 前記突出部あるいはスペーサは、切欠部を有した略環状に形成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の樹脂レンズの製造方法。
  13. 前記複数の間隙部には、そのうちの少なくとも二つの間隙に対し、異なるレンズ材料を注入し充填することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の樹脂レンズの製造方法。
  14. 樹脂フィルムの両側にレンズ基材を一体に有してなる樹脂レンズの、製造用のモールドであって、
    前記レンズ基材の形成面となる内面の外周部に、前記樹脂フィルムとの間に所定の間隙を形成し、かつこの間隙を所定の幅に保持するための突出部を有してなることを特徴とする樹脂レンズ製造用モールド。
  15. 前記突出部は、切欠部を有した略環状に形成されていることを特徴とする請求項14記載の樹脂レンズ製造用モールド。
  16. 一対のモールド間に樹脂フィルムを配し、前記一対のモールドの内面と前記樹脂フィルムの外面との間の間隙部にレンズ材料を充填することにより、前記樹脂フィルムの両側にレンズ基材を一体に有してなる樹脂レンズを製造する際に、前記樹脂フィルムとして用いられる樹脂レンズ内挿用フィルムであって、
    少なくともの一方の外面の外周部に、前記モールドとの間に所定の間隙を形成し、かつこの間隙を所定の幅に保持するための突出部を有してなることを特徴とする樹脂レンズ内挿用フィルム。
  17. 前記突出部は、切欠部を有した略環状に形成されていることを特徴とする請求項16記載の樹脂レンズ内挿用フィルム。
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