JP2005099469A - 液晶装置及びそれを用いた電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 バックライト3からの出射光を利用して画像表示を行う透過モードと、外光を利用して画像表示を行う反射モードと、を有する反射半透過型の液晶装置であって、透過モードにおいては、実質的に平行光である出射光を利用するとともに、液晶パネル11を透過した偏光光を、光散乱層19及び偏光板21を介して外部に取り出して画像表示させ、反射モードにおいては、光散乱層19及び偏光板21を介して、液晶パネル11に入射した外光を、半透過反射層の反射層15によって反射させた後、再び光散乱層19及び偏光板21を介して外部に取り出して画像表示させる。
【選択図】 図1
Description
そして、かかる液晶装置において、光源から出射される光を実質的に平行光とするために、平行光バックライトを用いた液晶装置が提案されている。例えば、平行光線化バックライトシステム/第1偏光板/液晶セル/第2偏光板/光散乱層の構成を表示部に少なくとも有するノーマリーホワイト旋光モードツイストネマチック方式液晶装置において、第1偏光板と、第2偏光板との間に光学異方体を設けた液晶装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献2に開示の液晶装置においては、液晶分子が視角依存性を有していることに起因して、低視角における明るさが低下したり、コントラストが低下したりするという問題が見られた。
すなわち、図9に示すように、液晶パネル211の下面側に、反射板201と、バックライト203と、拡散板209と、下側偏光板205と、を配置するとともに、液晶パネル211の上面側には、位相差板217と、光散乱層(前方散乱膜)219と、上側偏光板221と、を配置した場合には、透過型表示に関しては、液晶層213に対して入射してくる透過光が非平行であって、少なからず拡散するため、液晶の視角依存性を大きく拾ってしまい、白表示が暗くなったり、あるいは、黒表示が明るくなったりして、低視角におけるコントラストが低下するという問題が見られた。ここで、液晶の視角依存性とは、液晶を通過する光の方位や極角によって明るさ、コントラストが異なることを言う。また、液晶の視角依存性を拾うとは、そのように方位や極角の異なる光が光散乱層により拡散され、混在することを言い、これにより各方向で液晶を通過した特性も混ざり合うこととなる。
なお、このように配置したプリズムシートを、簡便のため、以降「下向きプリズムシート」と表記する。
第1の実施形態は、光源からの出射光を利用して画像表示を行う透過モードと、外光を利用して画像表示を行う反射モードと、を有する反射半透過型の液晶装置であって、
透過モードにおいては、実質的に平行光である出射光を利用するとともに、液晶層を透過した偏光光を、光散乱層及び偏光板を介して外部に取り出して画像表示させ、
反射モードにおいては、光散乱層及び偏光板を介して、液晶層に入射した外光を、半透過反射層の反射部によって反射させた後、再び光散乱層及び偏光板を介して外部に取り出して画像表示させることを特徴とする液晶装置である。
以下、適宜図面を参照して、第1実施形態の液晶装置を説明する。
なお、図1は、液晶装置の基本構成の説明に供する図であって、光源からの出射光を利用して画像表示を行う透過モードと、外光を利用して画像表示を行う反射モードとを有する反射半透過型の液晶装置に関するものである。本実施形態に係る液晶装置は、図1に示すように、反射板の表面側に配置され実質的に平行光をするバックライト3と、光の一方向の偏光成分のみを取り出すための偏光板5と、位相差板7(1/4波長板)と、を備えている。このバックライト3は、実質的に平行光を出射できるものであればその構成は限定されるものではないが、具体例については、第2の実施形態において、詳細に説明する。
なお、この例の液晶層13は、電源がオフ時に、白表示となるノーマリーホワイトモードである。
また、液晶パネルの上面側には、位相差板17と、この位相差板17を透過した光を拡散させるための光散乱層(前方散乱膜)19と、この光散乱層19によって拡散された光の一方向の偏光成分のみを取り出すための偏光板21と、が設けられている。
このように、発光ダイオードやエレクトロルミネッセンス等からなる光源(バックライト)3から出射された光は、実質的に平行光であることから、電源のオン、オフ時のいずれの透過モードにおいても、液晶の視角依存性が少なくなって、低視角においてもコントラストを高めることができる。
また、偏光板21と、位相差板17との間に、光散乱層19を設けていることから、光散乱層19を透過した光を、均一かつ十分に拡散させることができ、低視角においても、コントラストを低下させることなく、明るい画像表示を認識することができる。
このとき、電源のオフ時にあっては、液晶パネル11を通過し、反射層15に到達した光は直線偏光であるため、反射光は入射時と同様の偏光面を有しており、偏光板21を通過でき、白表示となる。
他方、電源のオン時にあっては、液晶パネル11に入射した外光は、液晶パネル11を通過し反射層15に到達するが、このときの光は円偏光であり、反射光は逆方向の円偏光になるため、偏向板21に到達した反射光は、入射時と直交の直線偏光を有しており、偏光軸と透過軸との関係で、偏光板21を通過できずに黒表示となる。
この理由は、このように光散乱層19を配置することにより、光散乱層19を偏光板21の上側に配置した場合と比較して、反射時におけるボケ防止効果を発揮して、コントラストを高めることができるからである。
なお、平行光における発光輝度のピーク方向を、液晶層13に対して、実質的に垂直方向とすることが好ましい。その理由は、液晶層13として、垂直方向が最も視認されやすいSTN(スーパーツイストネマチック)型液晶材料を用いた場合はもちろんのこと、他の液晶材料を用いた場合であっても、コントラストを高めることができるからである。
第2の実施形態は、カラーフィルタを用いた反射半透過型のカラー液晶装置であって、カラーフィルタ基板と、カラーフィルタ基板の表面側に配置された光散乱層、光散乱層の表面側に設置された第1位相差板、第1位相差板の表面側に設置された第2位相差板、及び第2位相差板の表面側に設置された偏光板を備えるとともに、液晶パネル23の裏面側に配置された位相差板33(1/4波長板)、この位相差板33の裏面側に配置された偏光板35、該偏光板35の下方に配置されたバックライト部37を備えたカラー液晶装置である。
なお、図2は、本発明の第2の実施形態を説明するために供する図である。
また、ガラス基板39に対向するガラス基板41には、ガラス基板39側に設置したのと同様の透明電極57が形成され、この透明電極57の上面には配向膜59が積層されている。
この着色層49は、通常、基板表面上に顔料や染料等の着色材を含む感光性樹脂からなる着色レジストを塗布し、フォトリソグラフィ法によって不要部分を除去することによって、所定のカラーパターンを有するものが形成される。ここで、複数の色調の着色層を形成する場合には上記工程を繰り返すことになる。
ここで、図3は、図2における円で囲んだA部の拡大図である。すなわち、導光板61は、ポリカーボネート樹脂やメタクリル樹脂等の透明樹脂からなり、その底面には、図3に示すように、光拡散のための微小傾斜面69が複数設けられている。
なお、それぞれ導光性が優れていることから、光源67が、点光源の場合には、プリズム71は点光源を中心とした円弧状プリズムを使用し、光源67が線光源(冷陰極管や、点光源を線状の別導光板を通して線状光源にしたもの)の場合には、直線状プリズムを、使用することが好ましい。
一方、導光板61の底面で反射されることなく底面を透過した光は、導光板61の下面に設置した反射板63で正反射されて導光板61内に戻り、再び導光板61内を伝搬する。
したがって、第1の実施形態で説明したように、液晶の視角依存性を拾わなくなるので、コントラストを高めることができる。
このように、透過モードにおいては、光源67から出射される光が、導光板61及び下向きプリズムシート65によって実質的に平行光にされ、かつ、光散乱層25によって拡散されるので、コントラストを低下させることなく、視角特性を向上させることができる。
この場合において、微小傾斜面69の傾斜角を大きくする方法としては、図4に示すように、図3において微小傾斜面69の両端に存在した頂点をS字カーブで連結するようにすることが好ましい。この理由は、このような構成であれば、導光板61の板厚を大きくすることなく、微小傾斜面69の傾斜角を大きくすることができるからである。
図5は、第3の実施形態の説明に供する図である。この第3の実施形態においては、図5に示すように、導光板75のコーナー部に点光源77を配置して、さらに点光源77近傍の導光板75の上面に光拡散部79を設けたものである。
光拡散部79としては、微小な凹凸からなるシボ模様を設けることが好ましい。
このようなシボ模様を設ける理由は以下の通りである。すなわち、複数の点光源を導光板79の一側面に複数個配置すると、光が拡散して、点光源の近傍で、かつ隣接する点光源の中間位置に暗い部分ができるため、輝度ムラが生ずるという問題がある。そこで、単一若しくは集合した点光源を、導光板75のコーナー部に配置することによって、複数の点光源を配置したときに発生する、中間暗部の問題は解消できる。しかしながら、点光源を用いた場合であっても、点光源の近傍では、輝度が高くなりすぎるため、点光源77の近傍における導光板75の上面にシボ模様を設けたものである。これによって、点光源近傍の光が拡散され、点光源から離れた箇所との間の輝度ムラを解消することができる。
本発明に係る第4実施形態としての電子機器について、上述した液晶装置を電子機器における表示装置として用いた場合について具体的に説明する。
図6は、本実施形態の電子機器の全体構成を示す概略構成図である。この電子機器は、図6に示すように、液晶パネル91と、これを制御するための制御手段93とを有している。また、図6中では、液晶パネル91を、パネル構造体91Aと、半導体素子(ICチップ)等で構成される駆動回路91Bと、に概念的に分けて描いてある。また、制御手段93は、表示情報出力源95と、表示処理回路97と、電源回路99と、タイミングジェネレータ101とを有することが好ましい。
また、表示情報出力源95は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ101によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示情報処理回路97に供給するように構成されていることが好ましい。
そして、本実施形態の電子機器であれば、実質的に平行光を出射するバックライトと光散乱層とを備えた液晶装置を使用していることから、コントラストが高く明るい表示画面とすることができる。
また、上記実施形態の液晶パネルは所謂COGタイプの構造を有しているが、半導体素子(ICチップ)を直接実装する構造ではない液晶パネル、例えば液晶パネルにフレキシブル配線基板やTAB基板を接続するように構成されたものであっても構わない。
実施例1:第2の実施形態に示した導光板で傾斜角の大きなものを用い、下向きプリズム
シートを使用しなかった
実施例2:第2の実施形態に示した導光板及び下向きプリズムシートを使用した。
実施例3:第2の実施形態に示した導光板及び実施例2より拡散性の小さな下向きプリズ
ムシートを使用した。
実施例4:第2の実施形態に示した導光板及び実施例2より拡散性の小さな下向きプリズ
ムシートを使用するとともに、実施例3よりヘイズ値の低い前方散乱層を使用
した。
実施例5:第2の実施形態に示した導光板及び実施例2より拡散性の小さな下向きプリズ
ムシートを使用するとともに、実施例4よりヘイズ値の低い前方散乱層を使用
した。
比較例: 上向きプリズムシートを2枚用いた一般的な導光板を使用した。
また、半値角とは、図7に示すように、光源103を有するバックライト部105から出射する光を、検出器107を用いて、鉛直方向に対してθ傾いた位置で輝度の指向性を測定した場合に、ピーク輝度の半値となる輝度、すなわち、図8中のl1とl2とが等しくなるような輝度を示す極角度をいう。つまり、例えば、ピーク輝度の極角度をθ0としたときに、半値角がθ0±20°とは、図8におけるθ0−θ1及びθ2−θ0が20°以下となる方位があるという意味である。
また、光散乱層のヘイズ値としては50%以上にすることが好ましい。この理由は、ヘイズ値を50%以上にすることで、低視角においても輝度の低下を小さくでき、表示画面を明るくすることができるからである。
また、表1から理解されるように、反射率を20%以上にすることが好ましい。この理由は、かかる反射率を20%以上にすることにより、反射モードにおいて低視角であっても表示画面を明るくすることができるからである。
また、上側偏光板とともに用いる光散乱層(前方散乱板)の配置やヘイズ値を考慮することにより、透過モードでの画像表示において、低視角であってもコントラストが向上し、かつ表示画面を明るくすることができることから、少なくとも透過モードでの画像表示が可能な電気光学装置に好適に使用することができる。
Claims (10)
- 光源からの出射光を利用して画像表示を行う透過モードと、外光を利用して画像表示を行う反射モードと、を有する反射半透過型の液晶装置であって、
前記透過モードにおいては、実質的に平行光である出射光を利用するとともに、液晶層を透過した偏光光を、光散乱層及び偏光板を介して外部に取り出して画像表示させ、
前記反射モードにおいては、光散乱層及び偏光板を介して、液晶層に入射した外光を、半透過反射層の反射部によって反射させた後、再び光散乱層及び偏光板を介して外部に取り出して画像表示させることを特徴とする液晶装置。 - 前記光散乱層を、前記液晶層と、前記偏光板との間に配置することを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
- 前記平行光における半値角を±20°の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶装置。
- 前記平行光における発光輝度のピーク方向を、前記液晶層に対して、実質的に垂直方向とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶装置。
- 前記光源からの出射光を、前記液晶層に導くための導光板が設けてあるとともに、当該導光板の下面に、複数の微細傾斜面を設けることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶装置。
- 前記光源からの出射光を、前記液晶層に導くための導光板及びプリズムシートが設けてあるとともに、当該導光板上であって、導光板側に頂点が向くようにプリズムシートを配置することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶装置。
- 前記光源として、点光源を配置するとともに、当該点光源に近接した位置の導光板上に、シボ模様を設けることを特徴とする請求項5又は6に記載の液晶装置。
- 前記光散乱層のヘイズ値を50〜95%の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の液晶装置。
- 対向する第1の基板および第2の基板の間に液晶を挟持してなる液晶パネルと、
第1の偏光板を介して前記液晶パネルに平面的に重なり、実質的に平行光である出射光を前記液晶パネルに出射する照明装置と、
前記液晶パネルに対して、前記照明装置の反対側に配置されている光散乱層および第2の偏光板と、を有することを特徴とする液晶装置。 - 請求項1〜9のいずれかに記載された液晶装置を備えることを特徴とする電子機器。
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