JP2005097479A - 中空スポンジ及び自動車用シール材 - Google Patents

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淳一 小柴
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Abstract

【課題】 耐候性、耐熱性、耐オゾン性に優れ、かつ内面粘着がない中空スポンジ及び該中空スポンジを用いた自動車用シール材を提供する。
【解決手段】 少なくとも下記成分(A)〜(D)を含有し、かつ成分(B)の含有量が成分(A)100重量部あたり55重量部以下、成分(C)の含有量が成分(A)100重量部あたり70重量部以下配合することを特徴とするゴム組成物を、発泡・架橋することにより得られる中空スポンジ。
(A)非共役ジエンの含有量が7.0重量%以上であり、かつJIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるムーニー粘度(ML1+4(121℃))が50〜100であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム。
(B)軟化剤
(C)平均粒子径が40nm以下のカーボンブラック
(D)発泡剤
【選択図】 なし

Description

本発明は、中空スポンジ及び自動車用シール材に関わり、さらに詳しくは、マイクロ波加熱による発熱性が良好である等の、生産時の加工性に優れたゴム組成物を、発泡・架橋させて中空スポンジとした場合に、該中空スポンジの内面に粘着が発生しにくい中空スポンジ及び該中空スポンジを用いた自動車用シール材に関する。尚、ここでいう中空スポンジとは、中心部が空洞である筒状のスポンジ成形体を意味する。
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムは、耐候性、耐熱性、耐オゾン性などに優れるという特徴を有しており、自動車部品用途に広く用いられている。該自動車部品用途として、該共重合体ゴムを発泡・架橋して中空スポンジとし、自動車用シール材(ウェザーストリップ)として用いる用途がある。
該用途に用いられる中空スポンジは、特にドア等の開閉部に用いられる場合は、ドアが閉まっている時はシール材としての中空スポンジはつぶれた状態(中空内面が密着している状態)であり、ドアが開いた時は元の中空スポンジ形状(中空内面が離れる状態)に戻る必要がある。しかし中空内面に粘着があると、ドアを開いた時に中空内面同士がくっ付き、中空スポンジが元の形状に戻らなかったり、戻ったとしても中空内面が離れる時に音が発生したりする場合がある。
ドアのシール性能は、中空スポンジの変形に対する反発応力によって得られていることから、元の形状に戻らないということは、シール性能の低下を意味し、また中空内面が離れる時に音が発生することは、一般的に好まれなく、スポンジの品質問題として指摘される場合もある。また、中空スポンジの内面に粘着がある場合は、中空スポンジの生産工程中の中空部のつぶれや、在庫時の自重によるつぶれで、中空部が元に戻らなくなり、自動車への装着時に製品として使えない場合もある。
以上の様に、中空スポンジには耐候性、耐熱性、耐オゾン性に優れ、かつ内面粘着がないことが要求され、加えて生産時の加工性に優れ、低コストであるゴム組成物が要求される。また特許文献1では、非共役ジエンの含有量が10重量%であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムと軟化剤とカーボンブラックと発泡剤を含有したスポンジ用ゴム組成物が開示されているが、該スポンジ用ゴム組成物は本発明に比べ、カーボンブラックの配合量が多く、かつ使用されているカーボンブラックの平均粒子径が不明であること等から、生産時の加工性に優れ、かつ内面粘着のない中空スポンジを安定的に得ることは困難であった。
特開2002−80626号公報
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、特定のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムをゴム成分とし、かつ特定のカーボンブラックを配合し、かつ軟化剤を特定の配合量以下とすることにより、優れた加工性と低コストを維持したゴム組成物を発泡・架橋することにより得られる、耐候性、耐熱性、耐オゾン性に優れ、かつ内面粘着がない中空スポンジ及び該中空スポンジを用いた自動車用シール材を提供する点に存する。
すなわち、本発明のうち第一の発明は、少なくとも下記成分(A)〜(D)を含有し、かつ成分(B)の含有量が成分(A)100重量部あたり55重量部以下、成分(C)の含有量が成分(A)100重量部あたり70重量部以下配合することを特徴とするゴム組成物を、発泡・架橋することにより得られる中空スポンジに係るものである。
(A)非共役ジエンの含有量が7.0重量%以上であり、かつJIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるムーニー粘度(ML1+4(121℃))が50〜100であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム。
(B)軟化剤
(C)平均粒子径が40nm以下のカーボンブラック
(D)発泡剤
本発明のうち第二の発明は、上記第一の発明の中空スポンジを用いた自動車用シール材に係るものである。
本発明により特定のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムをゴム成分とし、かつ特定のカーボンブラックを配合し、かつ軟化剤を特定の配合量以下とすることにより、優れた加工性と低コストを維持したゴム組成物を発泡・架橋することにより得られる、耐候性、耐熱性、耐オゾン性に優れ、かつ内面粘着がない中空スポンジ及び該中空スポンジを用いた自動車用シール材を提供することができる。
本発明の成分(A)であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムの、α−オレフィンとしては、たとえば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどがあげられ、その一種を単独で使用してもよく、又は二種以上を併用してもよい。なお、なかでもプロピレン及び1−ブテンが好ましい。本発明の成分(A)の「非共役ジエン」は、本発明においては、ジエンの他にトリエン以上のポリエンをも含む。非共役ジエンとして、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、および7−メチル−1,6−オクタジエンのような鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラインデン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、および6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、1,3,7−オクタトリエン、および1,4,9−デカトリエンのようなトリエン;5−ビニル−2−ノルボルネン;5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン;5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン;5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン;5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン;5−(5−ヘプテニル)−2−ノルボルネン;5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン;5−メチレン−2−ノルボルネン;6,10−ジメチル−1,5,9−ウンデカトリエン;5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン;4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン;13−エチル−9−メチル−1,9,12−ペンタデカトリエン;5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカジエン;8,14,16−トリメチル−1,7,14−ヘキサデカトリエン;4−エチリデン−12−メチル−1,11−ペンタデカジエン;ならびに、これら化合物の2種以上の組合せ、を例示することができる。中でも、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、またはこれらの組合せが好ましい。
本発明で用いられる成分(A)におけるエチレン/α−オレフィンの比率(モル比)は、1/(0.1〜1)が好ましい。該比率が過小であると、カーボンブラック、無機フィラー等の補強剤を配合する場合、その補強剤の分散が不十分になり、十分な強度を持ったスポンジが得られない場合があり、一方該比率が過大であると、スポンジの低温における、圧縮回復性が著しく劣り、シール材として不適当なものとなる場合がある。
成分(A)は非共役ジエンの含有量が7.0重量%以上であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムであり、さらに好ましくは非共役ジエンの含有量が9.0重量%以上である。該非共役ジエンの含有量が過小であると、発泡・架橋工程後のスポンジの発泡倍率が充分に大きくならない場合がある。
成分(A)のJIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるムーニー粘度(ML1+4(121℃))は50〜100であり、さらに好ましくは50〜80である。該ムーニー粘度が100を超えると、ゴム組成物の粘度が上昇し混練加工性及び押出加工性が悪化する。一方、該ムーニー粘度が50未満では、発泡時の発泡剤分解ガスの保持が悪く、密度の大きいスポンジとなったり、スポンジの物理的特性が悪化したりする。
本発明の成分(A)の製造方法は特に限定されず、公知の方法で製造することができる。該共重合体ゴムを製造するための重合触媒として、チタン系触媒、バナジウム系触媒およびメタロセン系触媒を例示することができる。
本発明の成分(B)は、軟化剤であり、好ましくは40℃の動粘度が200cSt以上の軟化剤である。該動粘度が低過ぎると、スポンジ中の軟化剤が時間の経過とともに蒸散し、スポンジの耐熱性が悪化したり、スポンジをドアのシール材として使用した場合、ドアのガラス部分が曇ったりする場合がある。なお、40℃の動粘度の上限は、通常1500cSt程度である。また成分(B)の含有量は成分(A)100重量部あたり55重量部以下である。成分(B)の含有量が過大であると、中空スポンジの内面に著しく粘着が発生する。
軟化剤としては、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマテック系オイル等のプロセスオイルをあげることができる。
本発明の成分(C)は平均粒子径が40nm以下のカーボンブラックである。該平均粒子径が40nmを超えると、ゴム組成物のマイクロ波加熱による発熱性が悪化したり、押出加工時の押出肌が悪化したりする。
平均粒子径が40nm以下のカーボンブラックとしては、ゴムの分野で通常用いられる、HAF(N330)、ISAF(N220)、SAF(N110)、MAFおよび一部のFEF(N550)をあげることができる。また成分(C)の含有量は成分(A)100重量部あたり70重量部以下であり、さらに好ましくは50〜70重量部である。成分(C)の含有量が過大であると、ゴム組成物の粘度が上昇し、混練加工性及び押出加工性が悪化する。一方、成分(C)の含有量が過小であると、発泡・架橋して得られたスポンジの強度が十分に大きくならなかったり、また発泡・架橋時のマイクロ波加熱の発熱が不充分となり、充分な発泡・架橋が行われない場合がある。
本発明の成分(D)は発泡剤である。発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、N,N'−ジメチルN,N'−ジニトロソ−テレフタルアミド、N,N'−ジニトロソ−ペンタメチレン−テトラミン、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウム−アゾジカルボキシレート、ベンゼン−スルホニル−ヒドラジド、トルエン−スルホニル−ヒドラジド、トルエン−スルホニル−ヒドラジド誘導体、P−トルエン−スルホニル−セミカルバジド、4,4'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフエニルスルホン−3,3'−ジスルホニル−ヒドラジド、カルシウムアジド,4,4'−ジフエニル−ジスルホニルアジド−バラ−トルエン−マルホニルアジド、P−トルエンスルホニルアセトンヒドラゾーン、およびヒドラゾジカルボンアミドなどがあげられ、その一種を単独で使用してもよく、又は二種以上を併用してもよい。なお、安定した発泡倍率を得るには4,4'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)が好ましい。発泡剤は成分(A)100重量部あたり、好ましくは0.5〜20重量部の割合で配合される。発泡剤が過少であると、スポンジの発泡倍率が小さくなる場合があり、一方発泡剤が過多であると、スポンジの表面肌が悪化する場合がある。
また、必要に応じて発泡剤と併用して、発泡助剤を使用しても差支えない。発泡助剤としては、尿素化合物及び亜鉛華、三塩基性硫酸鉛等の無機塩及び、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛等の金属石けん及び、サリチル酸などをあげることができる。
本発明においては、上記の成分(A)〜成分(D)に加え、発泡助剤、加硫剤(架橋剤)、加硫促進剤(架橋促進剤)、加硫助剤(架橋助剤)、充填剤、加工助剤、難燃剤、老化防止剤、粘着性物質(たとえば、ポリブテンやロジン)、離型剤(たとえば、ステアリン酸)、架橋活性剤(たとえば、ポリエチレングリコール)、水分吸収剤(たとえば、酸化カルシウム)および樹脂(たとえば、ポリエチレンやポリプロピレン)のような、スポンジの製造において公知である配合剤が適宜添加配合される。
好ましい加硫剤として、イオウ;塩化イオウ;二塩化イオウ;4,4'−ジチオジモルホリン;モルホリンジスルフィド;アルキルフェノールジスルフィド;テトラメチルチウラムジスルフィド;ジメチルジチオカルバミン酸セレン;ならびに、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−(第三ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジ第三ブチルペルオキシド、ジ第三ブチルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、および第三ブチルヒドロペルオキシドのような有機過酸化物、を例示することができる。中でも、イオウ、ジクミルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシド、またはジ第三ブチルペルオキシド−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが特に好ましい。
イオウの使用量は、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム100重量部に対して、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。有機過酸化物の使用量は、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム100重量部に対して、通常0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜8重量部である。
イオウやイオウ系化合物は、加硫促進剤や加硫助剤と組合せてもよい。加硫促進剤として、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾール−スルフエンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾール−スルフエンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフエンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフエニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジル−ジスルフイド、ジフエニルグアニジン、トリフエニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン、オルソトリル−バイ−グアナイド、ジフエニルグアニジン−フタレート、アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア、2−メルカプトイミダゾリン、チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア、テトラメチルチウラムモノスルフイド、テトラメチルチウラムジスルフイド、テトラエチルチウラムジスルフイド、テトラブチルチウラムジスルフイド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフイド、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフエニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフエニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジブチルキサントゲン酸亜鉛、およびエチレンチオウレア、を例示することができる。加硫促進剤の使用量は、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部である。
加硫助剤として、酸化マグネシウムや酸化亜鉛のような金属酸化物を例示することができる。中でも、酸化亜鉛が好ましい。加硫助剤の使用量は通常、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム100重量部に対して、3〜20重量部である。
過酸化物は、硫黄、キノンジオキシム系化合物(たとえば、P−キノンジオキシム)、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、およびジビニルベンゼンのような架橋助剤と組合せてもよい。
好ましい充填剤として、微粉ケイ酸、炭酸カルシウム、タルクおよびクレーのような無機充填剤を例示することができる。充填剤の使用量は、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム100重量部あたり、好ましくは30〜200重量部、更に好ましくは30〜100重量部である。
加工助剤としては、脂肪酸エステル混合物、脂肪酸カルシウム混合物、脂肪酸誘導体混合物、脂肪酸亜鉛混合物、不飽和脂肪酸亜鉛混合物、ステアリン酸アマイド、メチレンビスステアリン酸アマイドなどをあげることができる。
本発明で用いられるゴム組成物は、該組成物を製造するための成分を、バンバリーとロールとを用いて混練するか、または、ニーダーとロールとを用いて混練することによって製造することができる。該ゴム組成物は優れた加工性を持っている。
該ゴム組成物を、連続押出機等を用いて筒状の中空形状に成形し、次に、オーブン、連続熱空気架橋装置、マイクロ波加熱装置、ガラスビーズ流動床および溶融塩槽のような装置によって発泡させ架橋させることによって、耐候性、耐熱性、耐オゾン性に優れ、かつ内面粘着がない中空スポンジを得ることができる。該中空スポンジは、自動車用シール材として最適である。
次に、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例 1〜2及び比較例1〜3
表1に示す配合剤のうち、A(1)〜A(2)、B、C、炭酸カルシウム、酸化亜鉛およびステアリン酸を、内容積1.5リットルのバンバリーミキサーで混練し、混練物を得た。
この混練物と、表1に示す配合剤のうち、酸化カルシウム、D、いおう及び加硫促進剤(架橋促進剤)とを8インチオープンロールで混合し、ゴム組成物を得た。該ゴム組成物の粘度を、JIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるムーニー粘度(ML1+4(100℃))で測定し、結果を表2に示す。
また、該ゴム組成物を、チューブ状ダイス(内径=10mm、肉厚=1.2mm)を装着した45mm押出機によって、ダイス温度80℃、シリンダー温度60℃、スクリュー回転数60rpmで押出し、筒状の中空形状の成形体を得た。
この時のゴム組成物の押出量を比較し、押出量の非常に多いものを「◎」、多いものを「○」、少ないものを「×」として、その結果を表2の押出加工性の欄に示した。
次に該中空成形体を、250℃の熱空気加硫槽中で5分間加熱し、中空スポンジを得た。
該中空スポンジの密度を、密度=重量/容積の式から求めた(表2中の「密度」)。式中、「重量」は、該中空スポンジの切断片(長さ=50mm)の空気中の重量を表し、「容積」は、該切断片を水中に浸漬した場合の浮力から求めた容積を表す。
中空スポンジの内面粘着は、該中空スポンジを中空内面が密着する状態まで手で押しつぶし、その後開放した時の、開放してから中空内面が離れるまでの時間を比較することにより評価した。該比較時間が長い程、内面粘着が大きい。
また内面粘着の評価は、発泡・加硫直後と、発泡・加硫から1日経過後の2回行った。その結果を表2に示す。
表2中、◎印は「粘着なし」を表し、○印は「粘着小」を表し、△印は「粘着中」を表し、×印は「粘着大」を表す。
本発明の要件を満足する実施例1〜2においては、そのいずれも、中空スポンジの内面粘着はなく、またゴム組成物の押出量も多い。一方、軟化剤の配合量が本発明の規定範囲より多い比較例1及び比較例2においては、ゴム組成物の押出量は多いものの、中空スポンジの内面粘着が「大」または「中」と、実施例に比べ粘着が大きくなっている。また、軟化剤の配合量は本発明の規定範囲内ではあるが、カーボンブラックの配合量が、本発明の規定範囲より多い比較例3においては、中空スポンジの内面粘着はないが、ゴム組成物の押出量が少なく、実施例に比べ加工性が劣っている。
Figure 2005097479
Figure 2005097479

(表の説明)
・A(1): エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(5−エチリデン−2−ノルボルネンの含有量=9.4重量%、JIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるML1+4(121℃)=85)
・A(2): エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(5−エチリデン−2−ノルボルネンの含有量=9.4重量%、JIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるML1+4(121℃)=60)
・B:軟化剤:プロセスオイル:出光興産社製「PS430」(40℃の動粘度=438cSt)
・C:カーボンブラック: 東海カーボン社製「シーストG116」(平均粒子径=38nm)
・D:発泡剤:4,4'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)
・加硫(架橋)促進剤:M(MBT)、BZ(ZnBDC)、TE(TeEDC)、EZ(ZnEDC)、morpholine disulfide とからなる混合物

Claims (3)

  1. 少なくとも下記成分(A)〜(D)を含有し、かつ成分(B)の含有量が成分(A)100重量部あたり55重量部以下、成分(C)の含有量が成分(A)100重量部あたり70重量部以下配合することを特徴とするゴム組成物を、発泡・架橋することにより得られる中空スポンジ。
    (A)非共役ジエンの含有量が7.0重量%以上であり、かつJIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるムーニー粘度(ML1+4(121℃))が50〜100であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム。
    (B)軟化剤
    (C)平均粒子径が40nm以下のカーボンブラック
    (D)発泡剤
  2. 成分(A)のJIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるムーニー粘度(ML1+4(121℃))が50〜80であり、かつ成分(B)の40℃の動粘度が200cSt以上であり、かつ成分(C)の含有量が成分(A)100重量部あたり50〜70重量部であり、かつ成分(D)が4,4'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)である請求項1記載の中空スポンジ。
  3. 請求項1又は2記載の中空スポンジを用いた自動車用シール材。
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