JP2005096393A - 合成樹脂成形品の製造方法、一次成形品及び合成樹脂成形品 - Google Patents

合成樹脂成形品の製造方法、一次成形品及び合成樹脂成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】 別途に流出空間部等を設けることなく、射出成形において、樹脂材料からなる継手等の中空の本体部にウェルドが発生するのを防止することにより、前記本体部の強度を大きくし、もって、金属材料からなる継手等の本体部と比較して接続等の作業性、運搬性を向上する。
【解決手段】 二方に開口する開口部15どうしの連通を遮断する遮断壁14が本体部12の内部に一体に形成された一次成形品11を、金型内において樹脂材料が前記遮断壁14の充填空間に充填された後、前記本体部12の軸方向に沿って該本体部12の周壁13の充填空間に充填されるよう射出成形することによって形成し、次いで、前記射出成形によって形成された一次成形品11の遮断壁14をドリル41で除去することにより、開口部15どうしが連通した中空の本体部12を形成する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、通水管の継手、電線管や鞘管などの配管材の継手、通水管の分岐管等の合成樹脂成形品の製造方法、一次成形品及び合成樹脂成形品に関するものであり、特に、射出成形によって長手方向に沿ってウェルドが発生するのを防止する合成樹脂成形品の製造方法、一次成形品及び合成樹脂成形品に関するものである。
従来より、例えば、内部に湯水等の流体が流れる筒状部を備えた継手は、その筒状部の内側から作用する流体圧力に耐え得る強度を備えていなければならないから、一般には、金属材料を使用して作製されている。
しかし、金属材料からなるこのような継手等は湯水等によって腐食し易いという不具合があった。また、重いために取扱いが面倒で、接続等の作業性が悪く、運搬性も劣るなどの不具合もあった。更に、材料費や加工費等もコスト高であった。このため、継手等は合成樹脂材料を使用して作製することが要望されていた。
ところが、筒状部を備えた継手などは一般には射出成形によって作製されるが、射出成形において前記筒状部にウェルドが発生する。このウェルドは、前記筒状部の外壁に設けた樹脂注入用のゲートから注入された樹脂材料が該筒状部の周壁のキャビティである充填空間内を周方向及び軸方向に流れて充填されるときに、前記ゲートを中心として相反する2方向に分流して周方向に流れた樹脂材料が前記ゲートと反対側において再度合流する際に、分流した樹脂材料はその流動先端部における温度が低下していること、また、合流境界部に空気や発生ガスが巻込まれることなどが原因となって発生する。ウェルドはこのような原因によって発生するため、一旦ゲートから注入された樹脂材料が相反する2方向に分流し、ゲートと反対側において再度合流する位置において周壁に長手方向に沿って略直線状にウェルドラインが形成されることになる。
継手等の筒状部にこのようなウェルドが発生すると、その部分の強度が不足し、湯水等の流体の圧力に耐え得る強度を確保できず、使用中のクリープ現象によって破損してしまうことがあった。
そこで、樹脂材料の射出成形におけるウェルド発生を防止する手段として、特開2002−340273号公報に掲載の技術が開示されている。
図28は前記特開2002−340273号公報に掲載されたスリーブ型管継手の要部断面図であり、図28において、管70を接続するための継手61は継手本体62とスリーブ63とによって構成されている。前記スリーブ63は小径部64と大径部65とを備え、大径部65に設けられたゲート69の位置に対して円周上での反対側に生じるウェルド部67にリブ66を形成し、このリブ66を形成する流出口68において、小径部64に樹脂材料を流出させている。
一般に、この種の継手61を射出成形する場合は、大径部65に設けられたゲート位置に対して円周上での反対側にウェルドが発生することになるが、前記特開2002−340273号公報に掲載のスリーブ型管継手においては、図28及び図29に示すように、ウェルド部67の発生箇所に流出口68を設け、この部分にリブ66を形成することによって、周方向を2方向から分流してきた樹脂材料を前記流出口68から小径部64に流出させている。これにより、所要の強度を要する大径部65においてはウェルドの発生を防止することができ、その部分の強度低下を防止できる。
特開2002−340273号公報(図1、図3)
前記特開2002−340273号公報に記載されたスリーブ型管継手は、所要の強度を要する大径部65でのウェルドの発生を防止することができる。しかし、前記スリーブ型管継手は、大径部65においてウェルドの発生部分で合流する樹脂材料をリブ66を形成する流出口68を通して小径部64に流出させることにより、大径部65でのウェルドの発生を防止したものであり、前記小径部64などの流出空間部が付帯しない継手等の樹脂成形品の射出成形には適用できないものである。
そこで、本発明は、別途に流出空間部等を設けることなく、成形において、樹脂材料からなる継手等の中空の本体部にウェルドが発生するのを防止することにより、前記本体部の強度を大きくし、もって、金属材料からなる継手等の本体部と比較して接続等の作業性、運搬性を向上できる合成樹脂成形品の製造方法、一次成形品及び合成樹脂成形品の提供を課題とするものである。
請求項1に係る発明は、少なくとも二方に開口する開口部を有し、該開口部どうしが連通する中空の本体部、を備えた合成樹脂成形品の製造方法であって、前記開口部どうしの連通を遮断する遮断壁が前記本体部の内部に一体に形成された一次成形品を、前記遮断壁を通過する樹脂材料が前記本体部の周壁に充填されるよう成形し、次いで、前記成形された一次成形品の遮断壁を除去することにより、前記中空の本体部を形成することを特徴とする。
即ち、請求項1の発明では、まず、中空の本体部の内部に開口部どうしの連通を遮断する遮断壁を射出成形によって一体に形成し、一次成形品を形成する。ここで、前記一次成形品の形成においては、遮断壁を形成するための充填空間であるキャビティと前記本体部の周壁を形成するための充填空間であるキャビティとが前記周壁の全周に至って連通しているため、前記遮断壁の充填空間に樹脂材料が流入し、充填されると、当該樹脂材料は前記遮断壁との連通部から前記周壁の充填空間内に放射状に流入し、更に、軸方向に向けて流動することとなる。即ち、樹脂の注入口であるゲートから樹脂材料が注入されたとき、前記樹脂材料は直ちに周壁の充填空間内に流入するのではなく、一旦、遮断壁の充填空間内に流入し、充填された後、更にゲートから樹脂材料が金型内に充填されてくることにより、本体部の周壁の充填空間内に全周に至って放射状に流入し、前記遮断壁と直交する軸方向に流動して充填されることとなる。このため、金型内に射出された樹脂材料は2方向等に分流することなく遮断壁及び周壁に流入し、再合流することなくキャビティ内に充填されることになる。その結果、ゲートから離れた反対側の位置等においてウェルドが発生するのが防止される。
ここで、請求項1における「前記遮断壁を通過する樹脂材料が前記本体部の周壁に充填されるよう成形し、」とは、上記射出成形金型において言えば、遮断壁の充填空間であるキャビティを樹脂材料が通過した後、本体部の周縁の充填空間であるキャビティに充填して成形されることを意味する。
なお、遮断壁の充填空間と本体部の周壁の充填空間との連通部は一次成形品においては遮断壁と本体部の周壁との接合部となる。
次に、上記ウェルドを有しない一次成形品の遮断壁を除去して前記本体部における開口部を相互に連通させる。ここで、前記遮断壁を除去するには、例えば、ドリルによる穿孔によって行なうことができる。これにより、ウェルドのない中空の本体部が形成される。なお、前記ウェルドのない中空の本体部は射出成形そのものの状態で合成樹脂成形品となる場合もあるし、その後の切削加工、ねじ切り加工等の後加工によって前記中空の本体部を備えた合成樹脂成形品となる場合もある。
前記遮断壁は、例えば、中空の本体部の内部に軸方向と直交する方向に所定厚さの円板状の壁面として成形される。但し、前記壁面は軸方向と直交する方向でなくてもよく、傾斜面として形成されたものであってもよい。或いは、内部側或いは外部側に突出する湾曲面に形成されたものであってもよい。
また、キャビティにおける前記遮断壁の充填空間と本体部の周壁の充填空間との連通部は、金型において円弧面等の湾曲面に仕上げておくと、ゲートから充填された樹脂材料が前記遮断壁の充填空間から本体部の周壁の充填空間に向かって流れ易くなる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の樹脂材料を充填する際、該樹脂材料が最初に遮断壁に充填されるよう、前記樹脂材料の充填口が前記遮断壁に隣接して設けられたものである。
請求項2においては、特に、樹脂材料を充填する充填口が、遮断壁に隣接する位置に設けられているから、樹脂材料は前記遮断壁の充填空間内に直接注入、充填され、本体部の周壁の充填空間に優先して注入、充填される。これにより、当該遮断壁の充填空間に連通する本体部の周壁の充填空間には、前記周壁の全周に至って均一に流動させることが可能となり、ウェルドの発生が一層効果的に防止される。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の充填口が、遮断壁にその側方向から充填されるよう設けられている。これにより、特に、遮断壁の側方から充填された樹脂材料は充填口から遮断壁の充填空間内を放射状に拡散するから、本体部の周壁の充填空間全体に至って均一に流入する。これにより、前記周壁の全周に至ってより確実に均一状態となって流動することとなり、ウェルドの発生はより確実に防止される。
請求項4に係る発明は、本体部の横断面が環状に形成され、請求項3に記載の充填口が、遮断壁の円中心に設けられている。これにより、特に、遮断壁の側方から充填された樹脂材料は遮断壁の円中心から該遮断壁の充填空間内を均一に放射状に拡散するから、請求項3の効果はより確実に高められる。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の一次成形品の遮断壁の肉厚が、前記本体部の周壁の肉厚より厚く形成されるものである。
遮断壁の肉厚が本体部の周壁の肉厚より厚く形成されるのは、換言すれば、遮断壁の充填空間の流路面積が本体部の周壁の充填空間の流路面積より大きく形成されており、このため、遮断壁の充填空間における樹脂材料の流動抵抗は本体部の周壁の充填空間における樹脂材料の流動抵抗よりも小さくなっている。これにより、樹脂材料が注入されたとき、当該遮断壁の充填空間に優先的に充填されることとなる。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の一次成形品の本体部が、両端に二つの開口部を有する筒状体で形成され、前記遮断壁は前記筒状体の長手方向の中央部に形成されるものである。この一次成形品は本体部の中央部に遮断壁を設け、前記遮断壁から本体部の両端に向けて周壁内に樹脂材料が流動するものである。したがって、樹脂材料は遮断壁を境とする両側の周壁の充填空間にバランスよく流れる。
前記一次成形品は、例えば直管の他、エルボ等の、二つの開口部を有する筒状体を形成するものである。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の一次成形品の本体部が、両端に開口部を有する第一筒状部と、前記第一筒状部から分岐するとともに先端に開口部を有する一または複数の第二筒状部とを備え、遮断壁が、前記本体部内の第二筒状部の分岐箇所において、前記第一筒状部及び第二筒状部の開口部の連通を遮断すべく、一または複数で形成されるものである。
前記一次成形品は、例えばT字状或いは十字状等、三つ以上の開口部を有する筒状体を形成するものであり、前記第二筒状部が第一筒状部に対して直交する方向に分岐するものに限らず、傾斜する方向に分岐するものも該当する。更に、前記一次成形品は略Y字状などに形成されるものも該当する。
この一次成形品においては、遮断壁を分岐箇所に設定することにより、各遮断壁に充填された樹脂材料は各筒状部の開口部に向けて流れ、本体部の周壁の充填空間内に流入させる。この請求項7に係る発明においても、前記遮断壁の充填空間には周壁の充填空間の全周が連通しているから、樹脂材料の再合流が回避され、ウェルドの発生が防止される。
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の遮断壁が、面軸が第一筒状部の軸方向と略同一の第一遮断壁と、面軸が第二筒状部の軸方向と略同一の第二遮断壁とで形成されるものである。
第一遮断壁及び第二遮断壁の各面軸がそれぞれ第一筒状部及び第二筒状部の軸方向と略同一に形成されているから、これらの遮断壁の壁面と連通する第一筒状部及び第二筒状部の周壁が前記各遮断壁と直交方向に均一に面して連通するから、前記遮断壁の充填空間に充填された樹脂材料は連通部から本体部の周壁の充填空間内に向けて放射状にほぼ均一に流入する。
請求項9に係る発明は、少なくとも二方に開口する開口部を有し、これらの 開口部どうしが連通する中空の本体部、を備えた合成樹脂成形品の製造方法であって、前記開口部を閉塞する閉塞壁が前記本体部の端部に一体に形成された一次成形品を、前記閉塞壁を通過した樹脂材料が前記本体部の周壁に充填されるよう成形し、次いで、前記成形された一次成形品の閉塞壁を除去することにより、前記中空の本体部を形成することを特徴とする。
請求項9の合成樹脂成形品の製造方法は、請求項1の合成樹脂成形品の製造方法における遮断壁を、前記中空の本体部の端部に一体に形成された閉塞壁としたものであり、請求項1と同様に、まず、中空の本体部の端部に閉塞壁が一体に形成された一次成形品を形成する。ここで、前記一次成形品の形成においては、閉塞壁の充填空間であるキャビティと前記本体部の周壁の充填空間であるキャビティとが前記周壁の全周に至って相互に連通しているため、前記閉塞壁の充填空間に樹脂材料が充填された後、該樹脂材料は前記周壁の充填空間の全周に至る前記閉塞壁との連通部から前記周壁の充填空間に流入し、軸方向に向けて流動することとなる。このため、金型内に射出された樹脂材料は2方向等に分流することなく閉塞壁及び周壁に流入し、再合流することなくキャビティ内に充填される。その結果、ゲートから離れた反対側の位置等においてウェルドが発生するのが防止される。
次に、上記ウェルドを有しない一次成形品の閉塞壁を除去して前記本体部における開口部を相互に連通させる。ここで、前記閉塞壁を除去するには、例えば、ドリルによる穿孔によって行なうことができる。或いは、本体部の周壁の外周方向からカッターにて本体部の軸方向と直交する方向に切断して前記閉塞壁を除去することができる。これにより、ウェルドのない中空の本体部が形成される。その後は、必要に応じて、切削加工、ねじ切り加工等の後加工を行なうことにより、前記中空の本体部を備えた合成樹脂成形品が製造される。
ここで、前記一次成形品のゲートは、前記閉塞壁と隣接して外方向から前記閉塞壁の面軸即ち面中心に向かう位置に設けられる。但し、前記ゲートは、前記閉塞壁と隣接して前記閉塞壁の外周壁に外側から軸中心に向かう半径方向に設けてもよい。
この閉塞壁を有する一次成形品は、本体部の一端部側から樹脂材料を充填するので比較的短寸法の合成樹脂成形品を製造する場合に、特に有効である。また、回転切削するカッターにて本体部の周壁の外周方向から本体部の軸方向と直交する方向に切断することによって前記閉塞壁を除去する場合は、前記本体部の内壁全体を射出成形したままの円滑な仕上面とすることができるので、流体が通流する本体部の内壁の仕上げを良くして内壁との流動抵抗を小さくしたい場合に、特に有効である。
前記閉塞壁は、請求項1と同様に、例えば、中空の本体部の内部に軸方向と直交する所定厚さの円板状の壁面として成形される。但し、前記壁面は軸方向と直交する方向でなくてもよく、傾斜面として形成されたものであってもよい。或いは、内部側或いは外部側に突出する湾曲面に形成されたものであってもよい。
また、前記閉塞壁の充填空間と本体部の周壁の充填空間との連通部は、金型において円弧面等の湾曲面に仕上げておくと、ゲートから充填された樹脂材料が前記閉塞壁の充填空間から本体部の周壁の充填空間に向かって流れ易くなる。
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の樹脂材料を充填する際、該樹脂材料が最初に前記閉塞壁に充填されるよう、充填口が前記閉塞壁に隣接して設けられたものであり、請求項2の構成と同様のものである。
請求項11に係る発明は、請求項9または請求項10に記載の一次成形品の本体部が、両端に二つの開口部を有する筒状体で形成され、閉塞壁は前記筒状体の長手方向の一端部に形成されるものである。
請求項12に係る発明は、少なくとも二方に開口する開口部を有し、該開口部どうしが連通する中空の本体部と、前記本体部の内部に一体に形成されて前記開口部どうしの連通を遮断する遮断壁または前記本体部の端部に一体に形成されて前記開口部を閉塞する閉塞壁とを備え、前記遮断壁または閉塞壁を通過する樹脂材料が前記本体部の周壁に充填されるよう成形され、前記遮断壁または前記閉塞壁が除去可能に形成されたものである。
請求項13に係る発明は、少なくとも二方に開口する開口部を有し、該開口部どうしが連通する中空の本体部を備えた合成樹脂成形品であって、前記中空の本体部は、その内部に前記開口部どうしの連通を遮断する遮断壁が一体に設けられた一次成形品またはその端部に前記開口部を閉塞する閉塞壁が一体に設けられた一次成形品を、前記遮断壁または閉塞壁を通過する樹脂材料が前記本体部の周壁に充填されるよう成形し、次いで、前記一次成形品の遮断壁または閉塞壁を除去することによって形成されるものである。
前記遮断壁または閉塞壁を除去してなる一次成形品を備えた合成樹脂成形品は、ウェルドが生成されていないので、中空の本体部の強度は大幅に向上し、もって、金属材料からなる継手等の筒状部と比較して接続等の作業性、運搬性に優れる。
請求項14に係る発明は、請求項13に記載の合成樹脂成形品が、継手部材であることを特徴とする。
請求項15に係る発明は、請求項13に記載の合成樹脂成形品が、通水管の継手であることを特徴とする。
請求項16に係る発明は、請求項13に記載の合成樹脂成形品が、配管材の継手であることを特徴とする。
請求項17に係る発明は、請求項13に記載の合成樹脂成形品が、通水管の分岐管であることを特徴とする。
本発明は、少なくとも二方に開口する開口部を有し、該開口部どうしが連通する中空の本体部、を備えた合成樹脂成形品の製造において、前記開口部どうしの連通を遮断する遮断壁が前記本体部の内部に一体に形成され、または、前記開口部を閉塞する閉塞壁が前記本体部の端部に一体に形成された一次成形品を、樹脂材料が前記遮断壁または閉塞壁に充填された後、前記本体部の軸方向に沿って該本体部の周壁に充填されるよう成形し、次いで、前記成形された一次成形品の遮断壁または閉塞壁を除去することにより、前記中空の本体部を形成するものである。
したがって、樹脂材料が注入されると、一旦、遮断壁または閉塞壁の充填空間に流入し、充填され、次いで、本体部の周壁の充填空間に全周に至って流入し、充填されることとなる。このため、注入された樹脂材料は相反する2方向等に分流することなく遮断壁または閉塞壁の充填空間に、次いで、本体部の周壁の充填空間に流入し、再合流することなく金型内に充填される。これにより、中空の本体部にウェルドが発生するのを防止することができる。その結果、中空の本体部の強度は大きくなるため、前記中空の本体部を備えた合成樹脂成形品を通水管の継手等として広く用いることができる。
この合成樹脂成形品は、金属材料からなる継手等と比較して、湯水等によって腐食しないから、一旦取付けた後は、長期使用が可能である。また、金属材料からなる継手等と比較して軽量であるため、取扱いが容易であり、接続等の作業性、運搬性が向上する。更に、一体成形できるので、製造コストを低減することができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
〈第1実施形態〉
まず、本発明の第1実施形態を図1乃至図7に基づいて説明する。
図1及び図2は合成樹脂成形品としての通水管の継手を示し、継手1は合成樹脂からなる継手本体2と同じく合成樹脂からなるスリーブ3とによって構成されている。通水管4はゴム、樹脂等からなり、その先端部は前記継手1の継手本体2の接続部5に嵌着された後、前記スリーブ3を前記継手本体2側に向けて移動させることにより、該継手本体2とスリーブ3とによって挟持され、前記接合部5に接続されるようになっている。前記継手本体2及びスリーブ3は軸を中心として長手方向に中空となっており、これらは請求項の中空の本体部に相当するものである。
前記合成樹脂からなる継手本体2及びスリーブ3は射出成形によって形成することができる。以下、前記継手1の継手部材である継手本体2を図7に示す中空の本体部12と模式化し、この製造方法を図3乃至図7に基づいて説明する。前記中空の本体部12は円環状の周壁13によって円管をなしている。
前記本体部12を製造するには、まず、金型21を使用して射出成形により、一次成形品11を作製する。図3は射出成形の金型21において樹脂材料が充填される充填空間であるキャビティ22を示し、このキャビティ22はコア型23、キャビティ型24、左右のスライド型25及びスライド型26によって、本体部11の周壁12の充填空間26及び後述する遮断壁14の充填空間27を形成している。前記コア型23とキャビティ型24とは金型21の型締め及び離型に伴って図3の上下方向に相対的に前進、後退移動し、左右のスライド型25とスライド型26とは図3の左右方向に相対的に前進、後退移動するようになっている。ここで、図3のPLはコア型23とキャビティ型24とのパーティングラインを示す。
前記本体部12の周壁13の充填空間27はキャビティ22の中央部に設けられた前記遮断壁14の充填空間28を境として左右に略同一長さで一対設けられており、前記遮断壁14とはその周縁部の全周に至る連通部29において連通している。前記遮断壁14の充填空間28は一定厚さの円板状をなし、キャビティ22の中央部に上下方向に設けられている。前記樹脂材料は溶融状態でキャビティ22の中央上端に設けられた注入口であるゲート30から高圧で該キャビティ22内に充填されるようになっている。
上記のような金型21のゲート30から樹脂材料を注入すると、図4に示すように、前記樹脂材料はゲート30から直進して、まず、キャビティ22の遮断壁14の充填空間28内を下方に流動し、前記充填空間28内に充填される。そして、前記充填空間28内に充填されると、次に、樹脂材料は前記遮断壁14の充填空間28から連通部29に放射状に流れて左右の本体部12の周壁13の充填空間27にそれぞれ流れ、前記各充填空間27内を開口部15に向けて軸方向に流れ、充填される。但し、前記樹脂材料は遮断壁14の充填空間28内に流入するときにその一部は同時に本体部12の周壁13の充填空間27にも流入する。しかし、ゲート30から注入された樹脂材料は前記充填空間28の周壁13に隣接して設けられているので、その流れの慣性により直進し、大半は、まず、遮断壁14の充填空間28内に流入し、充填されてから本体部12の周壁13の充填空間27内に流入することとなる。
このようにして、樹脂材料がキャビティ22内に充填されたら、所定時間金型21を保持して冷却した後、前記金型21を離型する。これにより、図5に示す左右両端に開口部15を有する本体部12と遮断壁14とが一体成形されてなる一次成形品11が完成する。なお、前記連通部29は一次成形品11においては本体部12の周壁13と遮断壁14とを接合する接合部となる。
次に、一次成形品11が完成したら、図6に示すように、前記一次成形品11の一方の開口部15からドリル41を挿入し、遮断壁14を穿孔して除去する。そして、本体部12の周壁13のゲート部分の仕上げを行なう。これによって、遮断壁14が除去されて、図7に示す、両端の開口部15どうしが連通する本体部12が形成される。
このように、本実施形態においては、まず、射出成形によって中空の本体部12の内部に遮断壁14を有する一次成形品11を形成する。ここで、前記一次成形品11の形成においては、遮断壁14の充填空間28と前記本体部12の周壁13の充填空間27とが周縁部の全周に至る連通部29において連通しているため、前記遮断壁14の充填空間28に樹脂材料が充填された後、該樹脂材料は前記連通部29から両開口部15に向けて軸方向に流動する。即ち、樹脂材料はゲート30から注入されたときに、直ちに周壁13の充填空間27内に流入するのではなく、大半は、一旦、遮断壁14の充填空間28内に流入し、充填された後、更に注入口から樹脂材料が金型21のキャビティ22内に押出されてくることにより、前記遮断壁14と直交する方向に進路を変えて流動し、本体部12の周壁13の充填空間27内にほぼ軸方向に沿って流動し、充填されることとなる。これにより、金型21のキャビティ22内に射出された樹脂材料は相反する2方向等に分流して周壁13の充填空間27内を周方向に流動することなく、遮断壁14次いで周壁13に流入して、再合流することなく軸方向に流れて前記周壁13の充填空間27内に充填される。その結果、相反する2方向に分流した樹脂材料の流動先端部がゲート30から離れた反対側の位置等において合流することによって生ずるウェルドの発生が防止される。
一次成形品11を形成した後は、上記ウェルドを有しない一次成形品11の遮断壁14を除去して前記本体部12における開口部15を連通させる。これにより、ウェルドのない中空の本体部12が形成される。なお、前記ウェルドのない中空の本体部12は射出成形そのものの状態で合成樹脂成形品となる場合もあるし、その後の切削加工、ねじ切り加工等の後加工によって前記中空の本体部12を備えた合成樹脂成形品として製造される場合もある。
ところで、ウェルドの発生を防止する点からは、ゲート30からキャビティ22内に注入された樹脂材料は遮断壁14の充填空間28に一旦充填されてから本体部12の周壁13の充填空間27内に流入して軸方向に流動するのが望ましい。それには、前記遮断壁14の充填空間28つまりは該遮断壁14の形状等を樹脂材料の流動状況に応じて設定するとよい。
このため、上記実施形態においては、遮断壁14は左右両側壁が平行面に形成されているが、例えば、図8に示すように、下方に広がった壁面を形成したものとすることが考えられる。或いは、図9に示すように、遮断壁14の左右両側壁を、中央部で側方に突出した湾曲面に形成したものとすることが考えられる。
また、図10に示すように、遮断壁14の充填空間28内に軸中心に沿って突出する円柱状の流動規制部31を設けたものとすることもできる。この場合には、ゲート30から注入された樹脂材料が前記遮断壁14の充填空間28内に流入した後、中央部の前記流動規制部31の抵抗を受けて周縁側に拡散し、放射状に流れて連通部29に導かれる可能性がある。また、一次成形品11の完成後、遮断壁14の中央部には前記流動規制部31による貫通孔が形成されるため、ドリル41の先端の位置合わせが容易となり、軸芯に合わせて穿孔し、前記遮断壁14を除去できる。
なお、上記実施形態においては、遮断壁14の充填空間28と本体部12の周壁13の充填空間27との連通部29における内部側角部は、直角に形成しているが、図11に示すように、円弧面等の湾曲面に仕上げておくと、前記連通部29での樹脂材料の流れはよくなる。
以上、要するところ、遮断壁14の充填空間28については、樹脂材料が一旦遮断壁14の充填空間28内に充填された後、周壁13の充填空間27内に流入して軸方向に流動するよう、その流れの状況を把握しながら最適な遮断壁14の充填空間28を形成できるよう設計するとよい。
ところで、上記実施形態においては、合成樹脂成形品としての本体部12は図1及び図2に示した通水管の継手1の継手本体2及びスリーブ3としているが、他に、例えば、図12及び図13に示すような、一方にスリーブ3を介して通水管4の接続部5を形成し、他方に雄ねじが螺刻されてヘッダ等の分岐管などの機器に接続するための螺着部6を形成した通水管の継手1の継手本体2とすることもできる。或いは、一部材からなる通水管の継手とすることもできる。また、図14に示すような、接続部材54と螺着して波付電線管52を配線用ボックス53に接続する配管材の継手としてのコネクタ51とすることもできる。これらの図12及び図13に示した継手本体2、一部材からなる通水管の継手及び図14に示したコネクタ51も両端に開口部を有する中空体に形成されており、本実施形態における製造方法によって同様にウェルドの発生しない合成樹脂成形品を製造することができる。
更に、この二方向に開口部15を有する中空の本体部12を備えた合成樹脂成形品は上記の直管状の継手、コネクタの他に、エルボを採用することもでき、これを図15及び図16に示す。
図15において、合成樹脂成形品であるエルボの製造途中の一次成形品11は両開口部15の略中間に位置する折曲部において管軸方向と略45度の角度で傾斜する遮断壁14が設けられている。一次成形品11の射出成形に際しては、折曲部の外側湾曲部であって遮断壁14の充填空間に隣接する位置にゲート30を設け、このゲート30から樹脂材料を充填すると、樹脂材料は一旦遮断壁14の充填空間28に流入した後、2方向に分かれて両側の円管部の周壁13の充填空間内にそれぞれ流入し、充填される。そして、一次成形品11が作製された後は、一方または双方の開口部15からドリル41を挿入し、遮断壁14を除去すれば、合成樹脂成形品であるエルボが完成する。
図16においては、同様のエルボの一次成形品11の射出成形において、ゲート30は折曲部において両管軸の交差部分に遮断壁14の充填空間に隣接して設けられており、このゲート30から充填された樹脂材料は同様に一旦遮断壁14の充填空間28に充填された後、周壁13の充填空間27内を流動し、一次成形品11が成形される。
これらの図15及び図16に示したエルボにおいてもゲート30から充填された樹脂材料は周壁13を周方向ではなく、大半が軸方向に流動するので、ウェルドの発生が防止される。
次に、上記各実施形態では、ゲート30は、略円板状をなす遮断壁14の外周端部に設けて樹脂材料が該遮断壁14の側面と平行する方向から流入するものとしているが、図17乃至図20に示すように、遮断壁14の側方向から充填する位置に設けて該遮断壁14の側面に直交する方向から流入するものとすることもできる。
図17は射出成形金型における樹脂材料の充填空間であるキャビティを示しており、遮断壁14の充填空間28は円板状に形成され、キャビティの中央部に設けられている。そして、本体部12の周壁13の充填空間27は前記遮断壁14の充填空間28を境として左右に略同一長さで一対設けられている。
ゲート30は、前記遮断壁14の充填空間28の一方の側面における円中心に設けられ、該遮断壁14の側面と直交する方向から該充填空間28内に充填されるようになっている。なお、溶融状態の樹脂材料は右側のスライド型内のランナー33を貫流し、前記ゲート30に導かれるようになっている。
前記キャビティは前述の図3に示したコア型、キャビティ型及び左右のスライド型による同様の金型構造によって形成されており、前記コア型とキャビティ型とは金型の型締め及び型開きに伴って図17の上下方向に相対的に前進、後退移動し、左右のスライド型は左右方向に相対的に前進、後退移動するようになっている。但し、図17において、各金型の図示は省略する。
次に、このような構造のキャビティに樹脂材料を充填して、一次成形品11及び合成樹脂成形品を製造する方法を説明する。
まず、一次成形品11の成形において、溶融状態の樹脂材料を前記ランナー33更にはゲート30から樹脂材料を遮断壁14の充填空間28に注入する。すると、前記樹脂材料は遮断壁14の充填空間28内を放射状に拡散しながら外周に向けて流れ、前記充填空間28の外周部における環状の連通部29に流入する。そして、本体部12の周壁13の充填空間27内を開口部15側に向けて軸方向に流れ、該充填空間27内に充填される。なお、図17における二点鎖線は遮断壁14の充填空間28と本体部12の充填空間との境界を示す。
このようにして、樹脂材料が充填されたら、冷却後に型開きし、成形品を取出す。これにより、図18に示す本体部12と遮断壁14とが一体成形されてなる一次成形品11が完成する。
次に、一次成形品11が完成したら、図示しないが、前記一次成形品11の一方の開口部15からドリル或いはホルソーを挿入し、図18の二点鎖線の位置で切断して遮断壁14を除去する。この際、ゲート導入部の樹脂部分をゲート30付近で先に折取るなどして除去しておくと、遮断壁14の切断作業をより楽に行なうことができる。これによって、図19に示す、両端の開口部15どうしが連通する本体部12が形成される。
この図17乃至図19に示す実施形態においては、特に、ゲート30が遮断壁14の一方の側面における円中心に該側面と直交して樹脂材料が充填されるように設けられている、即ち、ゲート30は軸対称位置となる遮断壁14の円中心に設けられているので、前記ゲート30から充填された樹脂材料はいずれかの箇所に偏って流れることがなく、遮断壁14の充填空間28内を外周方向に向かって均一に放射状に拡散し、流動する。その結果、樹脂材料はー2本体部12の周壁13の充填空間27との連通部29にその全周に至って均一に流入するので、前記周壁13の充填空間27内を周方向に広がって流れることなく軸流となって開口部15に向けて直線状に流れる。これにより、前述のゲート30を遮断壁14の外周端部に設けたものと比較してウェルドの発生は一層確実に防止される。
なお、図20に示すように、図17及び図18に二点鎖線で示した、遮断壁14の充填空間28と本体部12の充填空間との境界部分に環状の切欠34を形成しておくと、一次成形品11はランナー33を掴持して折取るだけで前記切欠の位置で遮断壁14を除去することが可能である。但し、前記切欠34を大きくし過ぎると、ゲート30から注入された樹脂材料の流れを阻害するおそれもあるので、最適な大きさに設定することが必要である。
〈第2実施形態〉
次に、本発明の第2実施形態の合成樹脂成形品を図21乃至図24に基づいて説明する。この第2実施形態に適用される合成樹脂成形品としては比較的短尺の管状体、例えば、図1及び図2に示した継手1の継手部材であるスリーブ3等が対象となる。
比較的短尺の管状体を製造するには、まず、図21に示す金型21を使用して図22に示す、一端に閉塞壁16を有する一次成形品11を作製する。図21において、金型21は円柱状をなすコア型23と、前記コア型23の外部側に配置されたキャビティ型24とによって周壁13の充填空間27及び閉塞壁16の充填空間32とからなるキャビティ22が形成されるようになっている。ゲート30は閉塞壁16の充填空間32の中心位置に管軸方向に沿って設けられている。このような金型21においてゲート30から樹脂材料を注入すると、まず、閉塞壁16の充填空間32に注入、充填され、次いで、本体部12の周壁13の充填空間27内に流入し、管軸方向に沿って流動して充填される。これにより、図22に示す、一方の開口が閉塞され、他方の開口が開放された有底円筒状の一次成形品11が成形される。そこで、図23に示すように、ドリル41を使用して閉塞壁16の部分を除去すれば、二方向に開口部15を有する管状体の合成樹脂成形品が製作される。この第2実施形態は請求項9の態様に相当するものである。
ところで、図22に示された一次成形品11が作製された後は、図24に示すように、回転切削するカッター42を用いて管軸と直交する方向に切断することにより、閉塞壁16を除去して合成樹脂成形品を製造することもできる。この場合は、管状体の内壁にドリル41による切削面が生じないので、成形そのものの滑らかな内壁仕上げを得ることができる。
この比較的短尺な管状体を成形する第2実施形態では、スライド型は不要であり、コア型23及びキャビティ型24のみによる簡易構造の金型21を使用できるため、金型費を安価とすることができる。
なお、請求項9の一次成形品は、前記一つの開口が閉塞され、他の一つの開口が開放されたものに限らず、少なくとも一つの開口が閉塞壁により閉塞され、射出成形を可能とすべく、他の開口は開放されて形成されたものが該当する。
〈第3実施形態〉
次に、本発明の第3実施形態の合成樹脂成形品の製造について図25乃至図27に基づき説明する。この第3実施形態の合成樹脂成形品は三方に開口部を有する通水管の分岐管、チーズジョイント等を対象とする。
図25はチーズジョイントの一次成形品11を示し、図26は前記一次成形品11から遮断壁を除去した本体部12を示す。この本体部12は後加工がなくそれ自体で合成樹脂成形品に相当するものでもある。前記本体部12は両端に開口部15を有する水平管状の第一筒状部17の中央部に垂直管状の第二筒状部18が該第一筒状部17と直交して一体に接続されたものである。図25において、前記一次成形品11は前記第一筒状部17の中央部にその軸方向と直交して円板状の第一遮断壁14aが設けられているとともに、該第一筒状部17と第二筒状部18との分岐箇所19において該第二筒状部18の軸方向と直交して円板状の第二遮断壁14bが設けられている。即ち、これら2個の円板状の第一遮断壁14a及び第二遮断壁14bはその面軸がそれぞれ第一筒状部17及び第二筒状部18の軸方向と同一であり、T字状に連結されたものとなっている。したがって、1箇所のゲート30から充填された樹脂材料は第一遮断壁14aの充填空間及び第二遮断壁14bの充填空間に同時に充填されることとなる。なお、ゲート30は一次成形品11の中央部の他、図25の二点鎖線で示す位置に設けることもできる。
この一次成形品11を成形する金型21は上下方向に型締め、離型されるコア型及びキャビティ型の他、第一筒状部17及び第二筒状部18の内部を移動するスライド型によって前記一次成形品11のキャビティを形成するものとなっている。
この金型21による一次成形品11の成形においては、ゲート30から樹脂材料を注入すると、まず、第一遮断壁14aの充填空間及び第二遮断壁14bに同時に充填される。次いで、前記樹脂材料は第一筒状部17の周壁13の充填空間を両開口部15に向けて該第一筒状部17の軸方向に流動するとともに、第二筒状部18の周壁13の充填空間をその開口部15に向けて該第二筒状部18の軸方向に流動する。
そこで、射出成形によって一次成形品11が成形されたら、第一筒状部17の開口部15からドリル41を挿入して該第一筒状部17の第一遮断壁14aを切削、除去し、次いで、第二筒状部18の開口部15からドリル41を挿入して該第二筒状部18の第二遮断壁14bを切削、除去する。これにより、図26に示す、合成樹脂成形品であるチーズジョイントが完成する。
前記一次成形品11の射出成形においても、前記各実施形態の一次成形品11と同様にゲート30から注入された樹脂材料は本体部12の周壁13の充填空間を軸方向に流動するので、ウェルドの発生が回避される。
なお、三方向に開口部を有する分岐管、チーズジョイントとしては、第一筒状部17に傾斜管状の第二筒状部20を一体に接続したものにも適用でき、図27に、その一次成形品11を示す。図27においては、第一筒状部17と第二筒状部20との分岐箇所に第一遮断壁14a及び第二遮断壁14bを形成するものとしている。この場合、第二筒状部20の上面側と下面側とでは周壁13の長さが異なるから、第二筒状部20の第二遮断壁14bの厚さを相違させるか、該第二遮断壁14bの壁面抵抗を部分的に相違させるなどして樹脂材料が第二筒状部20の上面側と下面側とを同一のタイミング及び速度で流動するよう設計することが望ましい。
なお、上記実施形態においては、合成樹脂成形品としては、三方向に開口部を有する分岐管、チーズジョイントを示したが、四方向に開口部を有する分岐管等にも同様に適用することができる。
ところで、上記第2実施形態及び第3実施形態においても、本体部12の周壁13の充填空間と閉塞壁16の充填空間との連通部における内部側角部、或いは、本体部12の周壁13の充填空間と第一遮断壁14a、第二遮断壁14bの充填空間との連通部を円弧面等の湾曲面とすることができ、これにより、樹脂材料の流動性を向上することができる。
合成樹脂成形品の継手の一部破断正面図である。(第1実施形態) 図1の継手の接続前の各部材を示す正面図である。(第1実施形態) 図1の継手を模式化した一次成形品の射出成形金型のキャビティを示す断面図である。(第1実施形態) 図3のキャビティの要部断面図である。(第1実施形態) 図1の継手を模式化した一次成形品の断面図である。(第1実施形態) 図5の一次成形品から遮断壁を除去する状態を示す断面図である。(第1実施形態) 図5の一次成形品から遮断壁を除去した後の本体部を示す断面図である。(第1実施形態) 図5の別の一次成形品を示す断面図である。(第1実施形態) 図5の更に別の一次成形品を示す断面図である。(第1実施形態) 図5の更に別の一次成形品の金型のキャビティを示す要部断面図である。(第1実施形態) 図5の更に別の一次成形品の金型のキャビティを示す要部断面図である。(第1実施形態) 別の合成樹脂成形品である継手の継手本体の正面図である。(第1実施形態) 図12の継手本体の一次成形品の断面図である。 更に別の合成樹脂成形品であるコネクタの斜視図である。(第1実施形態) 更に別の合成樹脂成形品であるエルボの一次成形品の樹脂材料の流れを示す説明図である。(第1実施形態) 図15のエルボと異なる位置にゲートが設けられたエルボの一次成形品の流れを示す説明図である。(第1実施形態) ゲートを遮断壁の側面に設けた一次成形品の射出成形金型のキャビティを示す断面図である。(第1実施形態) 図17のキャビティに樹脂材料を充填した一次成形品を示す断面図である。(第1実施形態) 図18の一次成形品から遮断壁を除去してなる合成樹脂成形品の断面図である。(第1実施形態) 図18の別の一次成形品を示す断面図である。(第1実施形態) 合成樹脂成形品である比較的短尺な管状体の一次成形品の金型のキャビティを示す断面図である。(第2実施形態) 合成樹脂成形品である比較的短尺な管状体の一次成形品の断面図である。(第2実施形態) 図21の一次成形品から閉塞壁をドリルを使用して除去する状態を示す断面図である。(第2実施形態) 図22の一次成形品から閉塞壁をカッターを使用して除去する状態を示す断面図である。(第2実施形態) 合成樹脂成形品であるチーズジョイントの一次成形品の一部破断断面図である。(第3実施形態) 図25の一次成形品から遮断壁を除去した後の本体部を示す一部破断断面図である。(第3実施形態) 別の合成樹脂品である分岐管の一次成形品を示す断面図である。(第3実施形態) 従来の継手の一部破断断面図である。 図28のスリーブの大径部における樹脂材料の流れを示す説明図である。
符号の説明
1 継手
4 通水管
11 一次成形品
12 本体部
13 周壁
14 遮断壁
14a 第一遮断壁
14b 第二遮断壁
15 開口部
16 閉塞壁
17 第一筒状部
18、20 第二筒状部
21 金型
27、28、32 充填空間
30 ゲート

Claims (17)

  1. 少なくとも二方に開口する開口部を有して該開口部どうしが連通する中空の本体部を備えた合成樹脂成形品の製造方法であって、
    前記開口部どうしの連通を遮断する遮断壁が前記本体部の内部に一体に形成された一次成形品を、前記遮断壁を通過する樹脂材料が前記本体部の周壁に充填されるよう成形し、
    次いで、前記成形された一次成形品の遮断壁を除去することにより、前記中空の本体部を形成することを特徴とする合成樹脂成形品の製造方法。
  2. 前記樹脂材料を充填する際、該樹脂材料が最初に遮断壁に充填されるよう、その充填口が前記遮断壁に隣接して設けられたことを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂成形品の製造方法。
  3. 前記充填口は、遮断壁にその側方向から充填されるよう設けられたことを特徴とする請求項2に記載の合成樹脂成形品の製造方法。
  4. 前記本体部は、その横断面が環状に形成され、
    前記充填口は、遮断壁の円中心に設けられたことを特徴とする請求項3に記載の合成樹脂成形品の製造方法。
  5. 前記一次成形品の遮断壁の肉厚は、前記本体部の周壁の肉厚より厚く形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の合成樹脂成形品の製造方法。
  6. 前記一次成形品の本体部は、両端に二つの開口部を有する筒状体で形成され、前記遮断壁は前記筒状体の長手方向の中央部に形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の合成樹脂成形品の製造方法。
  7. 前記一次成形品の本体部は、両端に開口部を有する第一筒状部と、前記第一筒状部から分岐するとともに先端に開口部を有する一または複数の第二筒状部とを備え、
    遮断壁は、前記本体部内の第二筒状部の分岐箇所において、前記第一筒状部及び第二筒状部の開口部の連通を遮断すべく、一または複数で形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の合成樹脂成形品の製造方法。
  8. 前記遮断壁は、面軸が第一筒状部の軸方向と略同一の第一遮断壁と、面軸が第二筒状部の軸方向と略同一の第二遮断壁とで形成されることを特徴とする請求項7に記載の合成樹脂成形品の製造方法。
  9. 少なくとも二方に開口する開口部を有してこれらの開口部どうしが連通する中空の本体部を備えた合成樹脂成形品の製造方法であって、
    前記開口部を閉塞する閉塞壁が前記本体部の端部に一体に形成された一次成形品を、前記閉塞壁を通過した樹脂材料が前記本体部の周壁に充填されるよう成形し、
    次いで、前記成形された一次成形品の閉塞壁を除去することにより、前記中空の本体部を形成することを特徴とする合成樹脂成形品の製造方法。
  10. 前記樹脂材料を充填する際、該樹脂材料が最初に閉塞壁に充填されるよう、その充填口が前記閉塞壁に隣接して設けられたことを特徴とする請求項9に記載の合成樹脂成形品の製造方法。
  11. 前記一次成形品の本体部は、両端に二つの開口部を有する筒状体で形成され、前記閉塞壁は前記筒状体の長手方向の一端部に形成されることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の合成樹脂成形品の製造方法。
  12. 少なくとも二方に開口する開口部を有し、該開口部どうしが連通する中空の本体部と、
    前記本体部の内部に一体に形成されて前記開口部どうしの連通を遮断する遮断壁または前記本体部の端部に一体に形成されて前記開口部を閉塞する閉塞壁とを備え、
    前記遮断壁または閉塞壁を通過する樹脂材料が前記本体部の周壁に充填されるよう成形され、
    前記遮断壁または前記閉塞壁が除去可能に形成されたことを特徴とする一次成形品。
  13. 少なくとも二方に開口する開口部を有し、該開口部どうしが連通する中空の本体部を備えた合成樹脂成形品であって、
    前記中空の本体部は、その内部に前記開口部どうしの連通を遮断する遮断壁が一体に設けられた一次成形品またはその端部に前記開口部を閉塞する閉塞壁が一体に設けられた一次成形品を、前記遮断壁または閉塞壁を通過する樹脂材料が前記本体部の周壁に充填されるよう成形し、次いで、前記一次成形品の遮断壁または閉塞壁を除去することによって形成されることを特徴とする合成樹脂成形品。
  14. 前記合成樹脂成形品は、継手部材であることを特徴とする請求項13に記載の合成樹脂成形品。
  15. 前記合成樹脂成形品は、通水管の継手であることを特徴とする請求項13に記載の合成樹脂成形品。
  16. 前記合成樹脂成形品は、配管材の継手であることを特徴とする請求項13に記載の合成樹脂成形品。
  17. 前記合成樹脂成形品は、通水管の分岐管であることを特徴とする請求項13に記載の合成樹脂成形品。
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