JP2012137147A - 分岐サドル継手、およびインサート部材 - Google Patents

分岐サドル継手、およびインサート部材 Download PDF

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Abstract

【構成】 分岐サドル継手10は、本管100から分岐を取り出すために用いられるものであり、合成樹脂製のサドル12を備えている。サドル12の中央部には、分水栓接続口16が形成されており、分水栓接続口16には、インサート部材18が一体的に埋設される。インサート部材18は、砲金等の金属からなる筒状の本体20を含む。本体20の外面には、上部フランジ30,32が形成され、それよりも下側には、上部フランジ30,32よりも小径な下部フランジ34,36が形成される。下部フランジ34,36は、サドル12と同じ合成樹脂からなる樹脂部38によって包含されている。
【効果】 サドルの分水栓接続口の強度的な欠陥を防ぎつつ、サドルの製造コストを低減することができ、しかも、生産性を向上できる。
【選択図】図4

Description

この発明は、分岐サドル継手、およびインサート部材に関し、特にたとえば、合成樹脂製の配水管から分岐を取り出す際に使用される、分岐サドル継手、およびインサート部材に関する。
従来のこの種の分岐サドル継手の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1の融着サドル付き分水栓継手(分岐サドル継手)では、サドルの分水栓接続口に金属アダプタ(インサート部材)が埋め込まれ、この金属アダプタに分水栓が固定される。金属アダプタのサドルに面する側の端面は、サドルの内面に沿った形状に形成されており、その端面の下方に垂れ下がった部分が、サドルから分水栓接続口が立ち上がる部分に配置される。よって、サドルから分水栓接続口が立ち上がる部分に、樹脂が厚肉となる厚肉部が生じず、分水栓接続口に強度的な欠陥の原因となる気泡、空洞、凹み等が発生することがない。
特許4263975号[F16L 47/02]
特許文献1の技術では、金属アダプタの端面をサドルの内面に沿うように、サドルの曲率に合わせた形状に形成しなければならないが、そのような複雑な形状を旋盤による切削加工のみで形成することは困難である。金属アダプタの端面をサドルの曲率に合わせた形状に形成するためには、先ず、金属アダプタを製造するためにサドルの曲率に合わせた専用の金型等で鋳造し、その後でさらに旋盤による切削加工を行う必要がある。よって、金属アダプタの製造コストが嵩み、延いては融着サドル付き分水栓継手の製造コストが嵩んでしまう。
さらに、特許文献1の技術では、金属アダプタの端面がサドルの内面に沿う形状に形成されていることにより、金属アダプタに正確な方向性が要求されるので、サドルを射出成形するとき金型の中で金属アダプタに少しでも位置ずれ等が生じてしまうと、サドルをうまく成形することができないという問題があった。よって、サドルの成形を自動化することが難しく、生産性が悪かった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、分岐サドル継手、およびインサート部材を提供することである。
この発明の他の目的は、サドルの分水栓接続口の強度的な欠陥を防ぎつつ、製造コストを低減することができる、分岐サドル継手、およびインサート部材を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、生産性に優れる、分岐サドル継手、およびインサート部材を提供することである。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明などは、本発明の理解を助けるために後述する実施の形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
第1の発明は、合成樹脂製のサドル、サドルに形成される分水栓接続口、分水栓接続口に一体的に埋設されるインサート部材、およびインサート部材に接続されるかつ外面に雄ネジが形成された分水栓を備える分岐サドル継手であって、インサート部材は、内面に雄ネジに螺合する雌ネジが形成された筒形状を有する金属製の本体、本体の外面に形成される上部フランジ、本体の外面上の上部フランジよりも下側に形成されるかつ上部フランジよりも小径な下部フランジ、およびサドルと同じ合成樹脂からなり、下部フランジを包含する樹脂部を含む、分岐サドル継手である。
第1の発明では、分岐サドル継手(10)は、合成樹脂製のサドル(12)を備えている。サドルは、本管(100)の管壁に沿うように湾曲した板状体であり、その中央部には、分岐孔(14)が形成される。分岐孔の周縁部には、分岐孔からサドルの径方向外側に向けて延びる分水栓接続口(16)が形成され、この分水栓接続口には、インサート部材(18)が一体的に埋設される。インサート部材は、砲金等の金属からなる筒状の本体(20)を含み、本体の内周面には、分水栓(46)の雄ねじ(50)を螺合する雌ねじ(26)が形成されている。また、本体の外面には、上部フランジ(30,32)が形成され、それよりも下側には、上部フランジよりも小径な下部フランジ(34,36)が形成されている。そして、下部フランジは、サドルと同じ合成樹脂からなる樹脂部(38)によって包含されている。このような分岐サドル継手では、インサート部材を分水栓接続口の立ち上がり部分(16a)に該当する位置に埋め込むことによって、樹脂部の分だけその立ち上がり部分の肉厚を薄くすることができるので、サドルの成形時や冷却後にヒケ等が生じることがなくなるまたは軽減される。また、サドルの成形時に、インサート部材の上部フランジが分水栓接続口に強固に係止されることにより、分水栓接続口からのインサート部材の離脱が防止される。
第1の発明によれば、インサート部材が加工に適した簡単な形状で分水栓接続口に曲げや回転、融着に対する強度を確保でき、しかも離脱防止性能を発揮できるので、サドルを安価に製造することが可能である。
また、周方向に方向性が要求されないことによりサドルの成形を自動化することが容易になり、しかも射出成形の成形サイクルを短縮できるようになるので、生産性にも優れる。
第2の発明は、第1の発明に従属し、本体は、本体上部と当該本体上部よりも小径な本体下部とを有し、本体上部の外面に上部フランジが形成され、本体下部の外面に下部フランジが形成される。
第2の発明では、本体(20)は、本体上部(22)と本体下部(24)とからなり、本体下部が本体上部よりも小径な形状になるように形成されている。そして、本体上部の外面には、上部フランジ(30,32)が形成され、本体下部の外面には、下部フランジ(34,36)が形成される。
第2の発明によれば、曲げモーメントの負荷が集中しやすい本体下部にかかる曲げモーメントを小さくして、本体下部への負荷を軽減できる。したがって、サドルの分水栓接続口に漏水等が極めて発生しにくい。
第3の発明は、第2の発明に従属し、下部フランジの径は本体上部の径よりも小さい。
第3の発明では、本体下部(24)の外面に形成された下部フランジ(34,36)の径は、本体上部(22)の径よりも小さくなるように設定される。
第4の発明は、第1ないし3のいずれかに記載の発明に従属し、少なくとも2つの上部フランジ、および少なくとも2つの下部フランジが本体の外面に形成される。
第4の発明では、本体(20)の外周面には、たとえば2つの上部フランジ(30,32)が上下方向に間隔を隔てて形成され、それよりも下側には、たとえば2つの下部フランジ(34,36)が上下方向に間隔を隔てて形成される。このため、サドル(12)の成形時に、上部フランジどうしの間に溶融樹脂が充填されることにより、本体と分水栓接続口(16)とが強固に一体化され、インサート部材(18)の分水栓接続口からの離脱が確実に防止される。また、インサート部材の成形時に、下部フランジどうしの間に溶融樹脂が充填されることにより、本体と樹脂部(38)とを強固に一体化させることが可能である。
第5の発明は、第4の発明に従属し、下部フランジのうちの1つが本体の下端に配置される。
第5の発明では、本体(20)には、たとえば2つの下部フランジ(34,36)が形成され、そのうちの下側の下部フランジ(36)は、本体の下端に配置される。そして、本体の下端に生じる応力集中をその下部フランジで分散して緩和することによって、本体の下端への負担をより軽減することが可能である。
第6の発明は、合成樹脂製のサドルに形成された分水栓接続口に一体的に埋設されるインサート部材であって、筒状に形成された金属製の本体、本体の外面に形成される上部フランジ、本体の外面上の上部フランジよりも下側に形成されるかつ上部フランジよりも小径な下部フランジ、およびサドルと同じ合成樹脂からなり、下部フランジを包含する樹脂部を備える、インサート部材である。
第6の発明では、インサート部材(18)は、合成樹脂からなるサドル(12)の分水栓接続口(16)に分水栓(46)を接続するためのものであり、分水栓接続口に一体的に埋設される。インサート部材は、砲金等の金属からなる筒状の本体(20)を備えており、その外面には、上部フランジ(30,32)が形成され、それよりも下側には、上部フランジよりも小径な下部フランジ(34,36)が形成される。そして、下部フランジは、サドルと同じポリオレフィン系樹脂からなる樹脂部(38)によって包含されている。
この発明によれば、本体の下部フランジを樹脂部によって包含するようにしたため、インサート部材が、従来技術のような複雑な形状ではなく、簡単な形状でよい。よって、サドルの製造コストを低減することができる。
また、サドルの成形を自動化することが容易になり、しかも射出成形の成形サイクルを短縮できるので、生産性を向上できる。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
この発明の一実施例の分岐サドル継手を示す斜視図である。 図1の分岐サドル継手を示す正面図である。 図1の分岐サドル継手を示す側面図である。 図1の分岐サドル継手を本管に取り付けた様子を示す断面図である。 図1の分岐サドル継手を本管に取り付けた様子を示す断面図である。 図4のインサート部材を示す側面図である。 図4のVII―VII線におけるインサート部材の断面を示す断面図である。 図1の金属体を示す側面図である。 サドルの分水栓接続口の立ち上がり部分を示す拡大断面図である。
図1および図4を参照して、この発明の一実施例である分岐サドル継手10は、たとえば、ポリエチレン等の合成樹脂からなる本管100から分岐を取り出す際に使用されるものであり、本管100の管壁に沿うように湾曲して形成されるサドル12を備えている。
なお、本管100は、ポリエチレン等の合成樹脂からなる水道のための配水管であり、その管径は、たとえば90mmである。
図2および図3に示すように、サドル12は、合成樹脂からなり、この実施例では、ポリエチレンによって形成されている。サドル12は、本管100の外径曲率と同じ内径曲率を有する板状体であり、その軸方向の長さは、たとえば160mmであり、その厚さは、たとえば10mmである。
ただし、この実施例における「軸方向」とは、分岐サドル継手10を本管100に取り付けたときの本管100の管軸方向を意味し、「周方向」とは、本管100の周方向を意味する。
図4および図5に示すように、サドル12の中央部には、平面視略真円形の分岐孔14が形成される。そして、分岐孔14の周縁部には、分岐孔14からサドル12の径方向外側(つまり、図4でいう上側)に向けて延びる短管状の分水栓接続口16が形成される。
分水栓接続口16の上部には、インサート部材18が一体的に埋め込まれている。
図6および図7に示すように、インサート部材18は、砲金等の金属からなる金属体(本体)20を含む。金属体20は、図8に示すように、旋盤等による切削加工によって筒状に形成され、その軸方向の長さは、たとえば30mmである。金属体20は、上下に連続する本体上部22と本体下部24とからなり、本体下部24が、本体上部22よりも小径な形状になるように形成されている。本体上部22の外径は、たとえば60−70mmであり、本体下部24の外径は、たとえば40−50mmである。
図7に示すように、本体上部22の内周面には、雌ねじ26が形成されている。そして、雌ねじ26に、詳細は後述する、分水栓46の胴部48の雄ねじ50が螺合されることにより、分水栓46がインサート部材18を介してサドル12に固定される(図4参照)。たとえば、この実施例では、雌ねじ26と雄ねじ50とを螺合させるとともに、それらに接合剤等を塗布して固着させることによって、インサート部材18と分水栓46とが固定される。さらに、図示は省略するが、本体上部22の内側の、雌ねじ26よりも奥側には、止水用のOリングが設けられており、そのOリングによってインサート部材18と分水栓46との間が止水される。
また、本体上部22の外周面には、複数、この実施例では2つの凹部28が上下方向に間隔を隔てて形成されており、この凹部28によって本体上部22と分水栓接続口16との接触面積が大きくされることで、金属体20と分水栓接続口16(サドル12)との間の水密性が向上される。
さらに、本体上部22の外周面には、凹部28よりも下側に、複数、この実施例では2つの上部フランジ30,32が上下方向に間隔を隔てて形成される。そして、そのうちの下側の上部フランジ32が本体上部22の下端に配置されている。
上部フランジ30,32は、本体上部22の外周面から環状に径方向の外側へ突出して形成され、その径は、たとえば70mmである。上部フランジ30,32の外周面には、ローレット加工が施されている。この理由は、サドル12の成形時に、上部フランジ30,32とその周囲のキャビティに充填された樹脂(溶融樹脂)とを強固に一体化させて、インサート部材18の回動を防止するためである。
また、本体下部24の外周面には、複数、この実施例では2つの下部フランジ34,36が上下方向に間隔を隔てて形成される。そして、そのうちの下側の下部フランジ36は本体下部24の下端に配置されている。下部フランジ34,36は、本体下部24の外周面から環状に径方向の外側へ突出して形成され、その径は、上部フランジ30,32の径よりも小さくなるように、そして本体上部22の外径よりも小さくなるように設定され、たとえば50mmである。
下部フランジ34,36は、樹脂部38によって包含されている。樹脂部38は、上述した、サドル12と同じ合成樹脂からなり、この実施例では、ポリエチレンによって形成されている。たとえば、樹脂部38は、本体下部24を上下方向の全長に亘って筒状に包含し、その外周面がたとえば上部フランジ30,32の外周面と面一になる肉厚を有している。樹脂部38は、詳細は後に説明するように、サドル12の射出成形時には、サドル12から分水栓接続口16が立ち上がる部分、すなわち分水栓接続口16の立ち上がり部分16aに該当する位置に配置される(図4参照)。
図4および図5に戻って、サドル12の裏面(つまり、サドル12と本管100との接合面)には、分岐孔14を中心にして渦巻き状に巻かれた電熱線40が設けられており、この部分が本管100に融着される。電熱線40の両端部は、サドル12の表面から突出して形成された電源接続端子42に接続されている。
さらに、サドル12の周方向、つまり湾曲方向の両端部には、それぞれ台座44,44が設けられる。この実施例では、バンド等の固定具(図示せず)を一方の台座44に係止し、そしてその固定具を他方の台座44にねじ止め等することによって、分岐サドル継手10のサドル12が本管100に仮固定される。ただし、このような分岐サドル継手の仮固定方法は既に周知であり、この発明の要旨ではないため、ここでは詳細は省略する。
また、上述したように、サドル12には、インサート部材18を介して分水栓46が固定される。
分水栓46は、図2および図3に示すように、十字管状の胴部48を含み、この胴部48の下端部の外周面には、上述した、インサート部材18(金属体20)の雌ねじ26に螺合される雄ねじ50が形成される。また、胴部48の上端部の開口端には、キャップ52が取り付けられる。さらに、胴部48の内部には通水路を開閉するための弁手段が設けられている。
弁手段の一例を挙げると、図4に示すように、胴部48の内部には、弁体である図示しないボールが配置されており、このボールには、一端が分水栓46の一方(たとえば、図4でいう右側)側端部内から突出する栓棒54の他端部が連結される。そして、その側端部に配置された栓棒54を90°回転する(分水栓46を閉じる)と、栓棒54に分水栓46内部で結合されたボールが回転され、弁体として機能し、分水栓46の下端部から分水栓46の他方(たとえば、図4でいう左側)側端部の分岐部56までの管路が塞がれることとなる。逆に、栓棒54を90°回転する(分水栓46を開く)と、分水栓46の下端部から上述の側端部の分岐部56までの管路が、ボールに設けられる孔を介して連通されることとなる。
このような分岐サドル継手10を製造する方法を以下に示す。
先ず、インサート部材18を形成する。
具体的には、砲金等の金属棒を旋盤によって切削加工することによって、上述した金属体20を製作した後、その金属体20を射出成形金型(図示せず)内の所定位置にセットして型閉めする。そして、金型内のキャビティに溶融樹脂(この実施例では、ポリエチレン)を射出してインサート成形を行う。それから、溶融樹脂が固化するのを待って型開きすることにより、金属体20の下部フランジ34,36を樹脂部38によって包含したインサート部材18が得られる。このとき、図9に示すように、一方の下部フランジ34と他方の下部フランジ36との間に溶融樹脂が充填されることによって、本体下部24と樹脂部38とが強固に一体化されることとなる。
次に、分水栓接続口16にインサート部材18を埋め込んだサドル12を形成する。
具体的には、射出成形金型(図示せず)内の所定位置、つまり分水栓接続口16の立ち上がり部16aに該当する位置にインサート部材18をセットするとともに、このインサート部材18の内部に分岐孔14を形成するための金属製の筒体等を挿入固定して型閉めする。そして、金型内のキャビティに溶融樹脂(この実施例では、ポリエチレン)を射出してインサート成形を行う。それから、溶融樹脂が固化するのを待って型開きすることにより、分水栓接続口16にインサート部材18が埋め込まれたサドル12が得られる。このとき、図9に示すように、一方の上部フランジ30と他方の上部フランジ32との間に溶融樹脂が充填されることによって、本体上部22と分水栓接続口16とが強固に一体化される。さらに、射出成形金型内に射出された溶融樹脂の高温・高圧力によって樹脂部38の外面が溶融することにより、樹脂部38の外面と分水栓接続口16とが融着して一体となる。そして、この実施例のように、樹脂部38が本体下部24を上下方向の全長に亘って包含している、すなわち樹脂部38が金属体20(本体下部24)の下端面まで被覆していることで、サドル12の冷却時に、インサート部材18の周囲の樹脂の冷え方を均一にできるようになる。
最後に、インサート部材18の雌ねじ26に分水栓46の胴部48の雄ねじ50を螺合させることによって、サドル12と分水栓46とを固定して、作業を終了する。
また、このようにして製造された分岐サドル継手10を本管100に取り付けて給水管を分岐する方法を以下に示す。
先ず、本管100の所定位置にサドル12を配置する。そして、上述したように、固定バンド等の固定具(図示せず)をサドル12の一方の台座44に係止するとともに、その固定具を他方の台座44にねじ止め等することによって、サドル12を本管100に仮固定する。
次に、図示しないコントローラの電源ケーブルを電源に接続し、電源のスイッチを入れて起動する。そして、コントローラから延びる出力ケーブルの接続端子をサドル12の電源接続端子42に接続し、電流を流す。そして、電熱線40に電流が流れると熱が発生し、この熱によって分岐サドル継手10のサドル12と本管100との接合面が溶融される。通電後、溶融面が冷却固化した時点で、分岐サドル継手10の本管100の管壁への電気融着接合が完了する。これによって、サドル12と本管100との間の止水性が確保される。
その後、分水栓46の胴部48の上端部に取り付けられたキャップ52を取り外して、この部分に穿孔用の専用工具(図示せず)等を配置し、本管100の管壁の所定位置に所定内径の開口を形成する穿孔作業を行う。そして、穿孔作業後に分水栓46の胴部48の上端部に再びキャップ52を取り付けるとともに、分水栓46の分岐部56にソケット継手(図示せず)等を用いて給水管を接続し、作業を終了する。
この実施例では、インサート部材18の金属体20の外面に、上部フランジ30,32と下部フランジ34,36とが形成されて、下部フランジ34,36が樹脂部38によって包含される。
このため、サドル12の分水栓接続口16の立ち上がり部分16aに該当する位置にインサート部材18を一体的に埋設することで、図9に示すように、分水栓接続口16の立ち上がり部分16aにおける、分水栓接続口16の外周面からインサート部材18までの厚みt1を、本来の厚みt2からインサート部材18の樹脂部38の肉厚分だけ薄くすることが可能である。また、分水栓接続口16の立ち上がり部分16aにおける、サドル12の裏面(つまり、サドル12と本管100との接合面)からインサート部材18までの厚みt3を、本来の厚みt4からインサート部材18の樹脂部18の肉厚分だけ薄くすることが可能である。
ここで、通常であれば、分岐サドル継手は、その構造上、サドルから分水栓接続口が立ち上がる部分は樹脂の肉厚が厚くなってしまうので、サドルの成形時や時間経過後(冷却後)にその厚肉部分にへこみが生じてしまう(つまり、ヒケが生じてしまう)ことで曲げや回転に対する強度を確保ができなくなったり、また、サドルの裏面の湾曲部分にへこみが生じてしまうことで融着性能に不具合が起きたりすることが懸念される。
しかしながら、この実施例によれば、上述のように、分水栓接続口16の立ち上がり部分16aにおいて、分水栓接続口16の外周面からインサート部材18までの厚みや、サドル12の裏面からインサート部材18までの厚みを薄くできるので、サドル12の成形時や冷却後に分水栓接続口16の外周面やサドル12の裏面の湾曲部分にへこみが生じることもなくなるまたは軽減されて、サドル12の分水栓接続口16に曲げや回転、そして融着に対する強度を確保することができる。
つまり、インサート部材18が、上述した特許文献1のような複雑な形状ではなく、簡単な形状でも分水栓接続口16の立ち上がり部分16aに曲げや回転、そして融着に対する強度を確保することができるようになる。
しかも、金属体20の外面に形成された上部フランジ30,32が分水栓接続口16に強固に一体化されるとともに、サドルの射出成形時の高温・高圧力によって樹脂部38の外面と分水栓接続口16とが融着して一体となるので、インサート部材18が分水栓接続口16から離脱することを防止することも可能である。
以上のように、この実施例によれば、上述した特許文献1のように、サドルの曲率に合わせた専用の金型を製作して、金属体20の端面をサドル12の内面に沿った複雑な形状に形成する必要がないので、分岐サドル継手10の製造コストを低減することができる。
さらに、このようなインサート部材18は、周方向に方向性が要求されないので、たとえばサドル12の成形を自動化することが容易である。その上、サドル12の厚肉部分が減るので、射出成形の成形サイクルを短縮することが可能であり、生産性にも優れる。
さらにまた、この実施例では、インサート部材18の樹脂部38とサドル12とを同じ合成樹脂によって形成するようにしたため、サドル12の射出成形時に、樹脂部38の外面と分水栓接続口16とが融着して一体となる。
ところで、このような分岐サドル継手10の分水栓46に外力が作用した場合には、インサート部材18の下端部に曲げモーメントの負荷が集中し易く、そこに最大ひずみが生じると考えられるが、金属体20の下端部は直接水に接触する部位であるため、水圧がかかった状態で外力により下端部に曲げモーメントの負荷が集中すると、そこに水の浸入や伝播が起きて、漏水等が発生してしまう危険性がある。
しかしながら、この実施例では、本体下部24を上部フランジ30,32よりも小径になるように形成したため、本体下部24にかかる曲げモーメントを小さくして、本体下部24への負荷を軽減することができる。つまり、曲げモーメントの負荷が集中しやすい金属体20の下端部にかかる曲げモーメントを小さくして、ここに最大ひずみが生じることを防止することができる。よって、サドル12の分水栓接続口16で外力の作用による漏水等が極めて発生しにくい。
しかも、この実施例では、金属体20の下端に下部フランジ36を配置するようにしたため、金属体20の下端部に生じる応力集中をこの下部フランジ36で分散して緩和することが可能である。したがって、本体下部24への負担をより軽減することができる。
なお、上述の実施例では、サドル12、ならびにインサート部材18の樹脂部38が、ポリエチレンによって形成されたが、これに限定される必要はなく、サドル12、ならびにインサート部材18の樹脂部38をポリプロピレン等の他の合成樹脂によって形成してもよい。要は、サドル12、ならびにインサート部材18の樹脂部38が同じ合成樹脂によって形成されていればよい。
また、上述の実施例では、金属体20の外面に、2つの上部フランジ30,32と2つの下部フランジ34,36とが形成されたが、これに限定される必要はない。上部フランジや下部フランジは任意の数に設定することができる。ただし、金属体20の外面に少なくとも2つ以上の上部フランジを形成すれば、上述したように、上部フランジどうしの間に溶融樹脂を充填できるので、本体上部22と分水栓接続口16とを強固に一体化させることが可能であるため、好適である。また、同じように、金属体20の外面に少なくとも2つ以上の下部フランジを形成すれば、下部フランジどうしの間に溶融樹脂を充填できるので、本体下部24と樹脂部38とを強固に一体化させることができるとともに、本体下部24に生じる応力集中を各下部フランジ34,36で分散して緩和することが可能であるため、好適である。
さらにまた、上述の実施例では、上部フランジ30,32のうちの下側の上部フランジ32が本体上部22の下端に設けられ、下部フランジ34,36のうちの下側の下部フランジ36が本体下部24の下端(つまり、金属体20の下端)に設けられたが、これに限定される必要はない。
さらに、樹脂部38の外面が上部フランジ30,32の外面と面一になるように形成されたが、これに限定される必要もなく、上部フランジ30,32の外周面よりも小さい径に設定してもよいし、上部フランジ30,32の外周面よりも大きい径に設定してもよい。
ただし、上部フランジ30,32のうちの下側の上部フランジ32を本体上部22の下端に形成し、そして樹脂部38を上部フランジ32の外面と面一になる厚みに設定すると、インサート部材18のインサート成形を行い易くなる。
また、上述の実施例では、胴部48内の側端部に設けられた栓棒54と栓棒54に結合されたボールとによって分水栓46を開閉したが、これに限定される必要はなく、分水栓46の弁手段は適宜変更し得る。
さらに上述の実施例では、サドル12の電熱線40が本管100の外面に融着される場合を示したが、これに限定される必要はなく、この位置にリング状のガスケットを配置するようにしてサドル12を締め付けて、このガスケットを圧縮することによってサドル12と本管100との間の止水性が確保するようにしてもよい。
なお、上述した径や高さ等の具体的数値は、いずれも単なる一例であり、必要に応じて適宜変更可能である。また、この実施例における「面一」とは、厳密な意味で面一になっている状態だけでなく、略面一になっている状態も含む概念である。
10 …分岐サドル継手
12 …サドル
16 …分水栓接続口
18 …インサート部材
20 …本体
22 …本体上部
24 …本体下部
26 …雌ねじ
30,32 …上部フランジ
34,36 …下部フランジ
46 …分水栓
50 …雄ねじ
100 …本管

Claims (6)

  1. 合成樹脂製のサドル、前記サドルに形成される分水栓接続口、前記分水栓接続口に一体的に埋設されるインサート部材、および前記インサート部材に接続されるかつ外面に雄ネジが形成された分水栓を備える分岐サドル継手であって、
    前記インサート部材は、
    内面に前記雄ネジに螺合する雌ネジが形成された筒形状を有する金属製の本体、
    前記本体の外面に形成される上部フランジ、
    前記本体の外面上の前記上部フランジよりも下側に形成されるかつ前記上部フランジよりも小径な下部フランジ、および
    前記サドルと同じ合成樹脂からなり、前記下部フランジを包含する樹脂部を含む、分岐サドル継手。
  2. 前記本体は、本体上部と当該本体上部よりも小径な本体下部とを有し、
    前記本体上部の外面に前記上部フランジが形成され、前記本体下部の外面に前記下部フランジが形成される、請求項1記載の分岐サドル継手。
  3. 前記下部フランジの径は前記本体上部の径よりも小さい、請求項2記載の分岐サドル継手。
  4. 少なくとも2つの前記上部フランジ、および少なくとも2つの前記下部フランジが前記本体の外面に形成される、請求項1ないし3のいずれかに記載の分岐サドル継手。
  5. 前記下部フランジのうちの1つが前記本体の下端に配置される、請求項4記載の分岐サドル継手。
  6. 合成樹脂製のサドルに形成された分水栓接続口に一体的に埋設されるインサート部材であって、
    筒状に形成される金属製の本体、
    前記本体の外面に形成される上部フランジ、
    前記本体の外面上の前記上部フランジよりも下側に形成されるかつ前記上部フランジよりも小径な下部フランジ、および
    前記サドルと同じ合成樹脂からなり、前記下部フランジを包含する樹脂部を備える、インサート部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014181728A (ja) * 2013-03-18 2014-09-29 Tabuchi Corp 融着式サドル分水栓
JP2015072060A (ja) * 2013-10-04 2015-04-16 株式会社タブチ サドル分水栓
JP2016166657A (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 日立金属株式会社 電気融着式管継手

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