JP2005095584A - 生体親和性インプラント材及びその製造方法 - Google Patents

生体親和性インプラント材及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 既往の生体活性セラミックスを被覆するための設備を利用して生体インプラント用被覆組成物を形成することにより、生体活性を付与した生体インプラント材及びその作製方法を提供する。
【解決手段】 密着性に優れ、生体活性の付与された被覆層を有する生体インプラント材であって、チタン又はチタン合金を主成分とする粉末を、酸素を含む熱プラズマに曝露して、生体インプラント材用基材に被覆することで、生体インプラント材の表面近傍に酸化チタンのアナターゼ相を含むチタンと酸化チタンからなる複合皮膜を形成させることにより、被覆物の基材に対する密着性と、生体親和性を高めたことを特徴とする生体インプラント材。
【効果】 有害性の高い薬品を用いることなしに生体活性を付与した生体インプラント材を生産し、提供することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、生体親和性インプラント材及びその製造方法に関するものであり、更に詳しくは、密着性に優れ、生体活性の付与された被覆層を有する生体インプラント材であって、例えば、チタン又はチタン合金を主成分とする粉末を、酸素を含む熱プラズマに曝露して、生体インプラント材の表面近傍に酸化チタンのアナターゼ相を含むチタンと酸化チタンからなる複合皮膜を形成させることで、骨伝導性などの向上した、人工関節、人工歯根などの生体インプラント材及びその製造方法に関するものである。本発明は、生体インプラント材の技術分野において、生体インプラント材の基材の表面に酸化チタンのアナターゼ相を含む複合皮膜を選択的に形成させて高生体活性を付与した新しいタイプの生体親和性インプラント材を製造し、提供するものとして有用である。
従来、金属製の基材にハイドロキシアパタイトなどの、骨組織と結合する生体活性を有するセラミックスを被覆して生体埋入後に速やかに骨組織と結合するようにした生体インプラントが利用されている。しかし、この種の生体インプラント材は、セラミックスと金属との比熱、熱膨張率、熱伝導率等の諸物性における著しい違いから、被覆時の加熱又は冷却により、セラミックス被覆層と金属との界面に残留応力が発生し、被覆層に亀裂等を発生させ、被覆層の密着性が低下したり、被覆層の剥離が起こるため、被覆の長期安定性や信頼性に欠けるという問題を有する。
このような問題を回避するために、金属の表面改質により生体埋入後に生体由来のハイドロキシアパタアイト(以下、アパタイトと略称する)を金属表面に速やかに析出させて、骨組織と結合する生体活性を付与する方法が試みられており、例えば、金属にイオン注入又はイオンミキシング法(特許文献1及び2参照)などの物理的な方法を施した表面改質、強アルカリ(特許文献3〜5参照)、過酸化水素水(特許文献6参照)を用いた化学的な手法、陽極酸化を用いた電気化学的な手法(参考文献7参照)による表面処理を施して、金属表面に生体活性を付与すること、が提案されている。
しかしながら、これらの方法は、従来からの生体活性セラミックスを被覆するために用いられてきた溶射法等とは全く異なるプロセスであり、設備を新規に設置しなければならないという問題を有する。また、化学的な表面処理法では有害性の高い薬品を用いることから、作業の安全性を確保するための設備や廃液の処理設備が必要であるなどの問題がある。
また、皮膜に骨組織が侵入しうる凹凸を形成して生体埋入後に生体骨との嵌合により生体骨に対する固定性を高めた生体インプラント材が利用されており、生体埋入後に速やかに骨組織と結合する生体インプラント材を実現するために、例えば、生体インプラント材の基材にチタンやチタン合金を溶射してポーラスな皮膜を形成した後に生体活性材料を被覆する方法(特許文献8、9参照)、基材と同じチタンやチタン合金を溶射してポーラスな皮膜を形成した後に化学処理により生体活性を付与する方法(特許文献10参照)、も提案されている。しかしながら、この種の方法では、製造プロセスが煩雑になり、製造コストが増加するという問題点があり、また、化学的な表面処理法では、有害性の高い薬品を使用するという問題もある。
特開平9−308681号公報 特開2000−102601号公報 特開平10−179717号公報 特開平10−179718号公報 特開2000−60957号公報 特開平8−299429号公報 特開平6−125978号公報 特許2710849号公報 特許3166352号公報 特開2000−210313号公報
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、薬品を用いた化学的な処理をすることなく、また、生体活性セラミックスを被覆により製造するための既存の設備を利用して、生体活性を付与した新しい生体親和性インプラント材を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、チタン又はチタン合金を主成分とする被覆材料を、酸素を含む熱プラズマに曝露することにより生体インプラント材用基材の表面近傍に酸化チタンのアナターゼ相を含む複合皮膜を形成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、生体インプラント材用基材に、チタン、酸化チタン及び窒化チタン並びにそれらの固溶体を主成分とする被覆層を形成することで、生体インプラント材用基材物質に対する密着性に優れ、生体活性を有する表面層を有する新規生体親和性インプラント材を製造することを目的とするものである。また、本発明は、従来、被覆により生体活性セラミックスを得る際の、溶射法等の設備を用いて、有害性の高い薬品を用いることなしに生体活性が付与された生体インプラントを製造する方法及び該方法により得られる生体インプラント材を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)密着性に優れ、生体活性の付与された被覆層を有する生体インプラント材であって、1)生体インプラント用基材の表面にチタン又はチタン合金、及びチタンの酸化物を主成分とする被覆層を有する、2)生体インプラント用基材の表面近傍にアナターゼ相を含む酸化チタンとチタン又はチタン合金とからなる複合皮膜を有する、3)被覆層を形成するチタン又はチタン合金の粒子の表面並びに界面近傍の少なくとも一部に酸化チタン層を有する、4)上記被覆層は、基材に対する密着性、及び生体親和性向上作用を有する、ことを特徴とする生体インプラント材。
(2)被覆層が、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、亜鉛、錫、タンタル、ジルコニウム、硅素、ニオブ、アルミ、鉄、リン又は炭素の化合物のうちの1種以上を含有する、前記(1)に記載の生体インプラント材。
(3)生体インプラント材用基材が、金属、セラミックス、ポリマー又はそれらの複合体からなる、前記(1)に記載の生体インプラント材。
(4)被覆層の厚さが0.001〜1000μmである、前記(1)に記載の生体インプラント材。
(5)チタン又はチタン合金を主成分とする平均粒径が0.01〜1000μmである粉末を、酸素を含むプラズマに曝露して、生体インプラント材用基材の表面に被覆層を形成した、前記(1)に記載の生体インプラント材。
(6)チタン又はチタン合金を主成分とする粉末が、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、亜鉛、錫、タンタル、ジルコニウム、硅素、ニオブ、アルミ、鉄、リン又は炭素の化合物のうちの1種以上を0.01〜10mol%含有している、前記(5)に記載の生体インプラント材。
(7)被覆層の表面の少なくとも一部に、アパタイト層を形成した、前記(1)に記載の生体インプラント材。
(8)密着性に優れ、生体活性の付与された被覆層を有する生体インプラント材であって、1)生体インプラント用基材の表面にチタン又はチタン合金、チタンの酸化物、及びチタンの窒化物並びにそれらの固溶体を主成分とする被覆層を有する、2)生体インプラント用基材の表面近傍にアナターゼ相を含む酸化チタン、チタンの窒化物、及びチタン又はチタン合金とからなる複合皮膜を有する、3)被覆層を形成するチタン又はチタン合金の粒子の表面並びに界面近傍の少なくとも一部に酸化チタン相を有する、4)被覆層を形成するチタン又はチタン合金の粒子の表面、界面近傍並びに内部の少なくとも一部にチタンの窒化物を有する、5)上記被覆層は、基材に対する密着性と耐摩耗性、及び生体親和性向上作用を有する、ことを特徴とする生体インプラント材。
(9)チタン、酸化チタン及び窒化チタンを主成分とする被覆層を有する生体インプラント材用基材に、0〜300℃の水溶液に浸漬する浄化処理を施してなる、前記(8)に記載の生体インプラント材。
(10)チタン、酸化チタン及び窒化チタン並びにそれらの固溶体を主成分とする被覆層を有する生体インプラント材用基材の表面を、紫外光、オゾン及びプラズマのいずれかに曝すことにより、表面の有機汚染物を減少させた、前記(8)に記載の生体インプラント材。
(11)被覆層の表面に、意図的に制御された大きさ、高さ、深さ、形、配列のパターン及び存在頻度で凹凸が形成されている、前記(1)から(10)のいずれかに記載の生体インプラント材。
(12)生体インプラント材用基材が、径50〜1000μmの孔を有する、前記(1)又は(8)に記載の生体インプラント材。
(13)生体インプラント材用基材が、気孔率98%以下で、孔を有する、前記(12)に記載の生体インプラント材。
(14)密着性に優れ、生体活性の付与された被覆層を有する生体インプラントを製造する方法であって、チタン又はチタン合金を主成分とする、粒径が0.01〜1000μmである粉末を、酸素を含む熱プラズマに曝露し、生体インプラント材用基材の表面に堆積させて、チタン並びにアナターゼ相を含む酸化チタンを主成分とする被覆層を設けることにより、基材に対する密着性、及び生体親和性向上作用を有する被覆層を形成した生体インプラント材を製造することを特徴とする、生体インプラント材の製造方法。
(15)少なくとも表面層がチタン又はチタン合金を主成分としている生体インプラント材用基材を、酸素及び窒素を含む熱プラズマに曝露して、チタン、酸化チタン及び窒化チタン並びにそれらの固溶体を主成分とする被覆層を設ける、前記(14)に記載の生体インプラント材の製造方法。
(16)被覆層の表面に、意図的に制御して、大きさ、高さ、深さ、形、配列のパターン及び存在頻度で凹凸を形成する、前記(14)又は(15)に記載の生体インプラント材の製造方法。
(17)マスキングにより、被覆層の表面の限定された範囲に凹凸を形成する、前記(14)又は(15)に記載の生体インプラント材の製造方法。
(18)被覆層の表面の少なくとも一部に、アパタイト層を形成する、前記(14)又は(15)に記載の生体インプラント材の製造方法。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、生体インプラント材の表面層として、好適には、チタン、酸化チタン及び窒化チタン並びにそれらの固溶体を主成分とする被覆層を形成させる方法、及び該方法により、強度が高く、高い生体親和性を発現するという特長のある被覆層を有する生体インプラント材を得ることを特徴とするものである。本発明の生体インプラント材は、第1の態様として、以下の、生体インプラント用基材の表面にチタン又はチタン合金、及びチタンの酸化物を主成分とする被覆層を有する、生体インプラント用基材の表面近傍にアナターゼ相を含む酸化チタンとチタン又はチタン合金とからなる複合皮膜を有する、被覆層を形成するチタン又はチタン合金の粒子の表面並びに界面近傍の少なくとも一部に酸化チタン層を有する、及び上記被覆層は、基材に対する密着性、及び生体親和性向上作用を有する、という構造上及び特性上の特徴を有している。
また、本発明の生体インプラント材は、第2の態様として、以下の、生体インプラント用基材の表面にチタン又はチタン合金、チタンの酸化物、及びチタンの窒化物並びにそれらの固溶体を主成分とする被覆層を有する、生体インプラント用基材の表面近傍にアナターゼ相を含む酸化チタン、チタンの窒化物、及びチタン又はチタン合金とからなる複合皮膜を有する、被覆層を形成するチタン又はチタン合金の粒子の表面並びに界面近傍の少なくとも一部に酸化チタン相を有する、被覆層を形成するチタン又はチタン合金の粒子の表面、界面近傍並びに内部の少なくとも一部にチタンの窒化物を有する、及び上記被覆層は、基材に対する密着性と耐摩耗性、及び生体親和性向上作用を有する、という構造上及び特性上の特徴、を有している。
本発明において、チタン及びチタン合金は、生体インプラント材の分野において、通常用いられるチタン及びチタン合金であり、純チタン、チタンを主成分とする合金、繊維又はその他のやや大きな粒子を含有する金属複合材料を包含している。本発明において、生体用インプラント材は、生体インプラント材用基材における全体又は一部の表面の外側又は内側に、チタン又はチタン合金を主成分とする材料を酸化及び窒化することにより得られる、チタン及び酸化チタン、あるいはチタン、酸化チタン並びに窒化チタンを主成分とする被覆層を形成したものであって、通常は、人工関節あるいは人工歯根などとして生体内で使用するための成形体を意味する。
生体インプラント材は、生体内で使用するために必要な特性と安全性を有するものであれば、その形状及び使用形態等は特に限定されない。本発明の生体インプラント材の形状としては、例えば、柱状、板状、シート状、ブロック状、ワイヤ状、繊維状、粉末状など任意の形状のものが例示される。また、本発明の生体インプラント材の使用形態としては、例えば、人工股関節用ステム、人工膝関節、人工椎体、人工椎間板、骨補填材、骨プレート、骨スクリュー、人工歯根などの製品の形態が例示される。
本発明において用いる生体インプラント材用基材は、前記被覆層を形成する対象となる基材であって、好適には、例えば、金属、セラミックス、ポリマー又はそれらのいずれかの複合体のうちの1種以上からなる。この複合体としては、互いに物質の異なる2種以上の材料が物理的、化学的又は機械的に接合することにより強固に結着して一体となっている材料であって、例えば、異なる材質の部材をねじ込み等により接合した材料、異なる材質の部材を溶接した材料や薄層が積層されて一体となっている材料等が例示される。
本発明における生体インプラント材の製造方法としては、好適には、例えば、平均粒径が50μmの純チタン粉末を、5%程度の酸素を添加したアルゴン熱プラズマに導入し、プラズマ中の酸素と反応させ、チタン並びにアナターゼを含むチタンの酸化物を主成分とする粒子となし、生体インプラント材用基材の表面に堆積させて生体インプラント用被覆組成物層を形成する方法、あるいは、例えば、平均粒径が50μmの純チタン粉末を、5%程度の酸素と窒素を添加したアルゴン熱プラズマに導入し、プラズマ中の酸素並び窒素と反応させ、チタン、アナターゼを含むチタンの酸化物並びに窒化チタンを主成分とする粒子となし、生体インプラント材用基材の表面に堆積させて生体インプラント用被覆組成物層を形成する方法、が好適なものとして例示される。前述の粉末の平均粒径は、良好な皮膜を形成するために0.01〜1000μmとすることが望ましい。本発明の製造方法は、これらの製造方法に制限されるものではなく、プラズマガスの組成、粉体の種類及び粒径並びに生体インプラント材の基材の種類を、目的製品に応じて適宜変えることも可能である。
前記製造方法によって、チタン又はチタン合金の酸化、チタン又はチタン合金の酸化及び窒化により、チタン、チタンの酸化物、チタン、チタンの酸化物及び窒化物を主成分とする新規の被覆組成物を形成させることで、生体活性の向上した生体インプラント材を、従来からセラミックスを被覆するために使用されていた既設の設備を用いて製造することができる。例えば、5%程度の酸素を添加したアルゴン熱プラズマに、平均粒径が50μmの純チタン粉末を導入して、チタン、チタンの酸化物を主成分とする生体インプラント用被覆組成物を生体インプラント材用基材表面に形成させる、又は、5%程度の酸素及び窒素を添加したアルゴン熱プラズマに、平均粒径が50μmの純チタン粉末を導入して、チタン、チタンの酸化物及び窒化物を主成分とする生体インプラント用被覆組成物を生体インプラント材用基材表面に形成させると、得られる生体インプラント材は、カルシウムイオン及びリン酸イオン等を含む疑似体液中あるいは体内において、アパタイト層を表面に形成する。そして、このような性質を有する生体インプラント材は、生体内において生成されるアパタイト層を介して、生体骨と結合する。
アパタイト層の形成や生体骨との結合を促進するために、本発明に係る被覆層が、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、亜鉛、錫、タンタル、ジルコニウム、硅素、ニオブ、アルミ、鉄、リン及び炭素の各化合物うちの1種以上を10mol%以下、好適には0.01〜10mol%で含有していてもよい。被覆層の厚さは特に限定するものではないが、0.001〜1000μmとすることが望ましい。0.001μm未満の皮膜を本発明の手法で作製することは困難であり、また、1000μmを超える皮膜では、本発明の効果が減ずることはないが、作製時間、製造コストが増す。
本発明において、生体インプラント材には、骨組織の侵入に有利な凹凸構造を形成しておくことが望ましい。それにより、骨組織の侵入により生体インプラントと生体骨との接合をより強固にすることができる。また、凹凸や細孔の大きさや形といった幾何学的な形状は、そこに形成される組織に影響を与えることが知られており、生体インプラントと生体骨との長期間の接合の安定に寄与することが期待できる。この場合、生体インプラント材用基材における凹凸構造の大きさは50〜1000μmが好ましい。本発明では、生体インプラント材の被覆層表面に50〜1000μmの凹凸を設ける手段が講じられてもよい。
生体インプラント材用基材表面上に被覆層を形成する場合に、マスキングにより多数の突起又は窪みを有する被覆層を形成することができがる。突起の裾部又は窪みの上部(入り口部)の最小幅は、生体組織が感応する10〜1000μmとすることが望ましい。また、突起の裾部又は窪み上部の最小幅と最大幅のアスペクト比は、使用するマスクの作製の容易さ並びにマスクの設置の容易さから、1:1〜1:3000であること、即ち、アスペクト比として最大幅は、最上幅の3000倍以下であることが望ましい。
本発明の生体インプラント材において、生体組織を侵入させる、孔を有する生体インプラント材用基材を用いてもよい。この場合、生体インプラント材用基材における孔の径は50〜1000μmが好ましく、50μm未満であると嵩密度を小さくすることが困難になり、1000μmを超えると有効でない被覆層も形成することになる。また、生体インプラント材用基材における気孔率が98%を超えると、有効でない被覆層を形成することになるとともに、生体インプラント材の強度が低下してしまう。
当該生体インプラント材は、生体に埋入後に、その表面に薄いリン酸カルシウム層が形成され、そのリン酸カルシウム層を介して生体骨と結合するが、あらかじめ生体外において、カルシウムイオン及びリン酸イオン等を含む疑似体液中で骨類似のリン酸カルシウム層を形成させることにより、リン酸カルシウム層が生体内で形成されるのにかかる時間を省くことができる。また、カルシウムイオン及びリン酸イオン等並びに骨形成タンパク質を含む水溶液から骨形タンパク質を含有するリン酸カルシウム層を析出させて、骨形成を促進させることができる。
当該生体インプラント材は、生体に埋入する際、滅菌により細菌感染を避けることが望ましい。本発明の生体インプラント材は、従来採用されていた滅菌方法により、その特性を損なうことなく、容易に滅菌することができる。また、当該生体インプラント材は、生体に埋入する際に、表面の清浄化によりエンドトキシンを避けることが望ましい。本発明の生体インプラント材は、従来採用されていた清浄化方法により、その特性を損なうことなく、容易に清浄化することができる。本発明の生体インプラント材の清浄化方法としては、例えば、紫外光、オゾン及びプラズマのいずれかに曝す方法などが例示される。
本発明により、(1)以下の、生体インプラント用基材の表面にチタン又はチタン合金、及びチタンの酸化物を主成分とする被覆層を有する、生体インプラント用基材の表面近傍にアナターゼ相を含む酸化チタンとチタン又はチタン合金とからなる複合皮膜を有する、及び被覆層を形成するチタン又はチタン合金の粒子の表面並びに界面近傍の少なくとも一部に酸化チタン層を有する、という構造上の特徴を有する生体インプラント材を提供することができる、(2)以下の、生体インプラント用基材の表面にチタン又はチタン合金、チタンの酸化物、及びチタンの窒化物並びにそれらの固溶体を主成分とする被覆層を有する、生体インプラント用基材の表面近傍にアナターゼ相を含む酸化チタン、チタンの窒化物、及びチタン又はチタン合金とからなる複合皮膜を有する、被覆層を形成するチタン又はチタン合金の粒子の表面並びに界面近傍の少なくとも一部に酸化チタン相を有する、及び被覆層を形成するチタン又はチタン合金の粒子の表面、界面近傍並びに内部の少なくとも一部にチタンの窒化物を有する、という構造上の特徴を有する生体インプラント材を提供することができる、(3)酸素を含む熱プラズマを利用することにより、生体インプラント材用基材に酸化チタンのアナターゼ相を含む複合皮膜を選択的に形成させることができる、(4)それにより、高生体活性の被覆層を有する生体インプラント材を得ることができる、(5)被覆による生体活性セラミックスの製造における溶射法等で用いられていた従来の設備を利用して、有害性の高い薬品を用いることなく生体インプラント材を製造することが可能である、(6)また、チタン、酸化チタン及び窒化チタン並びにそれらの固溶体を主成分とする、密着性に優れ、生体活性の付与された被覆層を有する生体インプラント材を提供することができる、(7)生体インプラント材表面にポーラスな被覆層を形成すると同時に被覆層に生体活性を付与することが可能である、という格別の効果が奏される。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
<チタン、酸化チタンを主成分とする被覆層が形成された生体インプラント材用チタン基材>
アルゴンガスに酸素を1%添加したガスを用い、印加電力16kWで発生させた4MHzの高周波プラズマ中に、平均粒径が70μmのチタン粉末を導入し、プラズマ火炎直下に設置した生体インプラント材用チタン基板上に堆積させ、該チタン基板上に被覆層を形成させた。X線回折測定において、被覆層におけるチタン及びに酸化チタン(アナターゼ並びにルチル)の回折ピークが観測された。共焦点走査型レーザー顕微鏡を用いて堆積物表面を観察したところ、該被覆層の表面の粗さはRa=12.5μm、Sm=42.2μmであった。また、該被覆層の、生体インプラント材用チタン基材に対する密着性は、70MPa以上であることから、良好であることが判った。
得られた上記被覆層を有する生体インプラント材用基板は、以下の、生体インプラント用基材の表面にチタン又はチタン合金、及びチタンの酸化物を主成分とする被覆層を有する、生体インプラント用基材の表面近傍にアナターゼ相を含む酸化チタンとチタン又はチタン合金とからなる複合皮膜を有する、及び被覆層を形成するチタン又はチタン合金の粒子の表面並びに界面近傍の少なくとも一部に酸化チタン層を有する、という構造上の特徴を有するものであった。
次に、表1に示す各種金属イオンを表1に示す組成で含有する水溶液を、文献[H. M. Kim ら,ジャーナル・オブ・バイオメディカル・マテリアルズ・リサーチ(Journal of Biomedical. Materials Research) 45巻,第100−107項(1999年)参照]に記載の方法に従って調製し、疑似体液とした。試料として、前記の被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基板片を、疑似体液40mL中に36.5℃にて所定期間、浸漬した。
疑似体液に3日間及びそれより長く浸漬した各試料において、顕微FT−IR反射スペクトルにおける、アパタイトのPO4 基に帰属される吸収帯(1120cm-1,1070cm-1,956cm-1,610cm-1,570cm-1)とCO3 基に帰属される吸収帯(1455cm-1,1430cm-1,870cm-1)が観察された。また、XRD回折パターンにおいて2θ=26°及び32°のアパタイトの回折ピークが観測された。このことから、生体インプラント材用チタン基板に形成された前記被覆層の表面にアパタイトが形成されていることが確認された。
<生体インプラント材用チタン基板上へのチタン及び酸化チタンを主成分とし、カルシウムを含有する被覆層の形成と該被覆層の生体活性>
平均粒径が70μmのチタン粉末に対して、含浸法により、0.05mol%となるように酢酸カルシウムを添加したチタン粉末を作製した。アルゴンガスに酸素及び窒素をそれぞれ5.5%添加したガスを用い、印加電力16kWで発生させた4MHzの高周波プラズマ中に、酢酸カルシウムを添加した、前記のチタン粉末を導入し、プラズマ火炎直下に設置した生体インプラント材用チタン基板上に堆積させ、該チタン基材上に被覆層を形成させた。X線回折測定において、該被覆層におけるチタン、酸化チタン(アナターゼ並びにルチル)及び窒化チタンの回折ピークが観測された。また、金属チタンの(100),(002),(101)面による回折ピークが低角側にシフトしており、該被覆層においてチタンに窒素や酸素の固溶した相が生成していることが示唆された。共焦点走査型レーザー顕微鏡を用いて堆積物表面を観察したところ、前記被覆層の表面の粗さはRa=9.3μm,Sm=42.5μmであった。また、該被覆層の、生体インプラント材用チタン基材に対する密着性は、70MPa以上であることから、良好であることが判った。
得られた上記被覆層を有する生体インプラント材用基材は、以下の、生体インプラント用基材の表面にチタン又はチタン合金、チタンの酸化物、及びチタンの窒化物並びにそれらの固溶体を主成分とする被覆層を有する、生体インプラント用基材の表面近傍にアナターゼ相を含む酸化チタン、チタンの窒化物、及びチタン又はチタン合金とからなる複合皮膜を有する、被覆層を形成するチタン又はチタン合金の粒子の表面並びに界面近傍の少なくとも一部に酸化チタン相を有する、及び被覆層を形成するチタン又はチタン合金の粒子の表面、界面近傍並びに内部の少なくとも一部にチタンの窒化物を有する、という構造上の特徴を有するものであった。
次に、試料として、前記の被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基板片を前記疑似体液40mL中に36.5℃にて所定期間、浸漬した。疑似体液に3日間以上浸漬した試料において、顕微FT−IR反射スペクトルにおける、アパタイトのPO4 基に帰属される吸収帯(1120cm-1,1070cm-1,956cm-1,610cm-1,570cm-1)とCO3 基に帰属される吸収帯(1455cm-1,1430cm-1,870cm-1)が観察された。また、XRD回折パターンにおいて2θ=26°及び32°のアパタイトの回折ピークが観測された。このことから、前記の被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基板の表面にアパタイトが形成されていることが確認された。
<生体インプラント材用チタン基板上へのチタン及び酸化チタンを主成分とし、カルシウムを含有する被覆層の形成と該被覆層の生体活性>
平均粒径が70μmのチタン粉末に対して、含浸法により、0.10mol%となるように酢酸カルシウムを添加したチタン粉末を作製した。アルゴンガスに酸素及び窒素をそれぞれ5.5%添加したガスを用い、印加電力16kWで発生させた4MHzの高周波プラズマ中に、酢酸カルシウムを添加した、前記のチタン粉末を導入し、プラズマ火炎直下に設置した生体インプラント材用チタン基板上に堆積させ、該チタン基材上に被覆層を形成させた。X線回折測定において、該被覆層におけるチタン、酸化チタン(アナターゼ並びにルチル)及び窒化チタンの回折ピークが観測された。共焦点走査型レーザー顕微鏡を用いて堆積物表面を観察したところ、前記被覆層の表面の粗さはRa=9.3μm,Sm=42.5μmであった。また、該被覆層の、生体インプラント材用チタン基材に対する密着性は、70MPa以上であることから、良好であることが判った。
次に、試料として、前記の被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基板片を前記疑似体液40mL中に36.5℃にて所定期間、浸漬した。疑似体液に5日間以上浸漬した試料において、顕微FT−IR反射スペクトルにおける、アパタイトのPO4 基に帰属される吸収帯(1120cm-1,1070cm-1,956cm-1,610cm-1,570cm-1)とCO3基に帰属される吸収帯(1455cm-1,1430cm-1,870cm-1)が観察された。また、XRD回折パターンにおいて2θ=26°及び32°のアパタイトの回折ピークが観測された。このことから、前記の被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基板の表面にアパタイトが形成されていることが確認された。
<生体インプラント材用チタン基板上へのチタン及び酸化チタンを主成分とし、カルシウムを含有する被覆層の形成と該被覆層の生体活性>
平均粒径が70μmのチタン粉末に対して、含浸法により、0.20mol%となるように酢酸カルシウムを添加したチタン粉末を作製した。アルゴンガスに酸素及び窒素をそれぞれ5.5%添加したガスを用い、印加電力16kWで発生させた4MHzの高周波プラズマ中に、酢酸カルシウムを添加した、前記のチタン粉末を導入し、プラズマ火炎直下に設置した生体インプラント材用チタン基板上に堆積させ、該チタン基材上に被覆層を形成させた。X線回折測定において、該被覆層におけるチタン、酸化チタン及び窒化チタンの回折ピークが観測された。また、金属チタンの(100),(002),(101)面による回折ピークが低角側にシフトしており、該被覆層においてチタンに窒素や酸素の固溶した相が生成していることが示唆された。共焦点走査型レーザー顕微鏡を用いて堆積物表面を観察したところ、前記被覆層の表面の粗さはRa=9.3μm,Sm=42.5μmであった。また、該被覆層の、生体インプラント材用チタン基材に対する密着性は、70MPa以上であることから、良好であることが判った。
次に、試料として、前記の被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基板片を前記疑似体液40mL中に36.5℃にて所定期間、浸漬した。疑似体液に7日間浸漬した試料において、顕微FT−IR反射スペクトルにおける、アパタイトのPO4 基に帰属される吸収帯(1120cm-1,1070cm-1,956cm-1,610cm-1,570cm-1)とCO3 基に帰属される吸収帯(1455cm-1,1430cm-1,870cm-1)が観察された。また、XRD回折パターンにおいて2θ=26°及び32°のアパタイトの回折ピークが観測された。このことから、前記の被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基板の表面にアパタイトが形成されていることが確認された。
<生体インプラント材用チタン基板上への、チタン、酸化チタン及び窒化チタンを主成分とする被覆層の形成と該被覆層の生体活性>
アルゴンガスに酸素及び窒素をそれぞれ5.5%添加したガスを用い、印加電力16kWで発生させた4MHzの高周波プラズマ中に、平均粒径が70μmのチタン粉末を導入し、プラズマ火炎直下に設置した生体インプラント材用チタン基板上に堆積させ、該チタン基板上に被覆層を形成させた。X線回折測定において、該被覆層におけるチタン、酸化チタン及び窒化チタンの回折ピークが観測された。また、チタンの(100),(002),(101)面による回折ピークが低角側にシフトしており、該被覆層においてチタンに窒素や酸素の固溶した相が生成していることが示唆された。共焦点走査型レーザー顕微鏡を用いて堆積物表面を観察したところ、該被覆層の表面の粗さはRa=9.1μm,Sm=42.1μmであった。また、該被覆層の、生体インプラント材用チタン基材に対する密着性は、70MPa以上であることから、良好であることが判った。
次に、試料として、前記の被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基板片を前記疑似体液40mL中に36.5℃にて所定期間、浸漬した。疑似体液に3日間及びそれより長く浸漬した各試料において、顕微FT−IR反射スペクトルにおける、アパタイトのPO4 基に帰属される吸収帯(1120cm-1,1070cm-1,956cm-1,610cm-1,570cm-1)とCO3 基に帰属される吸収帯(1455cm-1,1430cm-1,870cm-1)が観察された。また、XRD回折パターンにおいて2θ=26°及び32°のアパタイトの回折ピークが観測された。このことから、窒化チタンを含有しない被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基板でも、表面にアパタイトが形成されていることが確認された。
<生体インプラント材用チタン基板上へのチタン、酸化チタン及び窒化チタンを主成分とし、カルシウムを含有する被覆層の形成と該被覆層の生体活性>
平均粒径が70μmのチタン粉末に対して、含浸法により、0.05mol%となるように酢酸カルシウムを添加したチタン粉末を作製した。アルゴンガスに酸素及び窒素をそれぞれ5.5%添加したガスを用い、印加電力16kWで発生させた4MHzの高周波プラズマ中に、酢酸カルシウムを添加した、前記のチタン粉末を導入し、プラズマ火炎直下に設置した生体インプラント材用チタン基板上に堆積させ、該チタン基材上に被覆層を形成させた。X線回折測定において、該被覆層におけるチタン、酸化チタン及び窒化チタンの回折ピークが観測された。また、金属チタンの(100),(002),(101)面による回折ピークが低角側にシフトしており、該被覆層においてチタンに窒素や酸素の固溶した相が生成していることが示唆された。共焦点走査型レーザー顕微鏡を用いて堆積物表面を観察したところ、前記被覆層の表面の粗さはRa=9.3μm,Sm=42.5μmであった。また、該被覆層の、生体インプラント材用チタン基材に対する密着性は、70MPa以上であることから、良好であることが判った。
次に、試料として、前記の被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基板片を前記疑似体液40mL中に36.5℃にて所定期間、浸漬した。疑似体液に3日間以上浸漬した試料において、顕微FT−IR反射スペクトルにおける、アパタイトのPO4 基に帰属される吸収帯(1120cm-1,1070cm-1,956cm-1,610cm-1,570cm-1)とCO3 基に帰属される吸収帯(1455cm-1,1430cm-1,870cm-1)が観察された。また、XRD回折パターンにおいて2θ=26°及び32°のアパタイトの回折ピークが観測された。このことから、前記の被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基板の表面にアパタイトが形成されていることが確認された。
<生体インプラント材用チタン基板上へのチタン、酸化チタン及び窒化チタンを主成分とし、カルシウムを含有する被覆層の形成と該被覆層の生体活性>
平均粒径が70μmのチタン粉末に対して、含浸法により、0.10mol%となるように酢酸カルシウムを添加したチタン粉末を作製した。アルゴンガスに酸素及び窒素をそれぞれ5.5%添加したガスを用い、印加電力16kWで発生させた4MHzの高周波プラズマ中に、酢酸カルシウムを添加した、前記のチタン粉末を導入し、プラズマ火炎直下に設置した生体インプラント材用チタン基板上に堆積させ、該チタン基材上に被覆層を形成させた。X線回折測定において、該被覆層におけるチタン、酸化チタン及び窒化チタンの回折ピークが観測された。また、金属チタンの(100),(002),(101)面による回折ピークが低角側にシフトしており、該被覆層においてチタンに窒素や酸素の固溶した相が生成していることが示唆された。共焦点走査型レーザー顕微鏡を用いて堆積物表面を観察したところ、前記被覆層の表面の粗さはRa=9.3μm,Sm=42.5μmであった。また、該被覆層の、生体インプラント材用チタン基材に対する密着性は、70MPa以上であることから、良好であることが判った。
次に、試料として、前記の被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基板片を前記疑似体液40mL中に36.5℃にて所定期間、浸漬した。疑似体液に5日間以上浸漬した試料において、顕微FT−IR反射スペクトルにおける、アパタイトのPO4 基に帰属される吸収帯(1120cm-1,1070cm-1,956cm-1,610cm-1,570cm-1)とCO3 基に帰属される吸収帯(1455cm-1,1430cm-1,870cm-1)が観察された。また、XRD回折パターンにおいて2θ=26°及び32°のアパタイトの回折ピークが観測された。このことから、前記の被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基板の表面にアパタイトが形成されていることが確認された。
<生体インプラント材用チタン基板上へのチタン、酸化チタン及び窒化チタンを主成分とし、カルシウムを含有する被覆層の形成と該被覆層の生体活性>
平均粒径が70μmのチタン粉末に対して、含浸法により、0.20mol%となるように酢酸カルシウムを添加したチタン粉末を作製した。アルゴンガスに酸素及び窒素をそれぞれ5.5%添加したガスを用い、印加電力16kWで発生させた4MHzの高周波プラズマ中に、酢酸カルシウムを添加した、前記のチタン粉末を導入し、プラズマ火炎直下に設置した生体インプラント材用チタン基板上に堆積させ、該チタン基材上に被覆層を形成させた。X線回折測定において、該被覆層におけるチタン、酸化チタン及び窒化チタンの回折ピークが観測された。また、金属チタンの(100),(002),(101)面による回折ピークが低角側にシフトしており、該被覆層においてチタンに窒素や酸素の固溶した相が生成していることが示唆された。共焦点走査型レーザー顕微鏡を用いて堆積物表面を観察したところ、前記被覆層の表面の粗さはRa=9.3μm,Sm=42.5μmであった。また、該被覆層の、生体インプラント材用チタン基材に対する密着性は、70MPa以上であることから、良好であることが判った。
次に、試料として、前記の被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基板片を前記疑似体液40mL中に36.5℃にて所定期間、浸漬した。疑似体液に7日間浸漬した試料において、顕微FT−IR反射スペクトルにおける、アパタイトのPO4 基に帰属される吸収帯(1120cm-1,1070cm-1,956cm-1,610cm-1,570cm-1)とCO3 基に帰属される吸収帯(1455cm-1,1430cm-1,870cm-1)が観察された。また、XRD回折パターンにおいて2θ=26°及び32°のアパタイトの回折ピークが観測された。このことから、前記の被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基板の表面にアパタイトが形成されていることが確認された。
<生体インプラント材用チタン基板上へのチタン、酸化チタン及び窒化チタン並びにそれらの固溶体を主成分とし、カルシウムを含有する被覆層の形成と該被覆層の生体活性>
平均粒径が70μmのチタン粉末に対して、含浸法により、0.05mol%となるように酢酸カルシウムを添加したチタン粉末を作製した。アルゴンガスに酸素及び窒素をそれぞれ5.5%添加したガスを用い、印加電力16kWで発生させた4MHzの高周波プラズマ中に、酢酸カルシウムを添加した、前記のチタン粉末を導入し、プラズマ火炎直下に設置した生体インプラント材用チタン基板上に堆積させ、該チタン基材上に被覆層を形成させた。X線回折測定において、該被覆層におけるチタン、酸化チタン及び窒化チタンの回折ピークが観測された。また、金属チタンの(100),(002),(101)面による回折ピークが低角側にシフトしており、該被覆層においてチタンに窒素や酸素の固溶した相が生成していることが示唆された。共焦点走査型レーザー顕微鏡を用いて堆積物表面を観察したところ、前記被覆層の表面の粗さはRa=9.3μm,Sm=42.5μmであった。また、該被覆層の、生体インプラント材用チタン基材に対する密着性は、70MPa以上であることから、良好であることが判った。
次に、試料として、前記の被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基板片を前記疑似体液40mL中に36.5℃にて所定期間、浸漬した。疑似体液に7日間浸漬した試料において、顕微FT−IR反射スペクトルにおける、アパタイトのPO4 基に帰属される吸収帯(1120cm-1,1070cm-1,956cm-1,610cm-1,570cm-1)とCO3 基に帰属される吸収帯(1455cm-1,1430cm-1,870cm-1)が観察された。また、XRD回折パターンにおいて2θ=26°及び32°のアパタイトの回折ピークが観測された。このことから、前記の被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基板の表面にアパタイトが形成されていることが確認された。
比較例1
<被覆層が形成されていない生体インプラント材用チタン基材の生体活性>
被覆層が形成されていない生体インプラント材用チタン基板片を疑似体液40mL中に36.5℃にて所定期間、浸漬した。顕微FT−IR反射スペクトルにおいて、7日間の疑似体液への浸漬においても、前記チタン基板の表面にアパタイトに帰属される吸収帯は観察されなかった。また、XRD回折パターンにも変化は見られなかった。このことから、被覆層が形成されていない生体インプラント材用チタン基板の表面にアパタイトが形成されないことが確認された。
比較例2
<酸化チタンを含有しない被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基材>
アルゴンガスに窒素を6%添加したガスを用い、印加電力16kWで発生させた4MHzの高周波プラズマ中に、平均粒径が70μmのチタン粉末を導入し、プラズマ火炎直下に設置した生体インプラント材用チタン基板上に堆積させ、該チタン基板上に被覆層を形成した。X線回折測定において、被覆層におけるチタン及び窒化チタンの回折ピークが観測された。また、チタンの(100),(002),(101)面による回折ピークが低角側にシフトしており、チタンに窒素の固溶した相が生成していることが示唆された。共焦点走査型レーザー顕微鏡を用いて堆積物表面を観察したところ、皮膜表面の粗さはRa=10.6μm,Sm=62.5μmであった。また、該被覆層の、生体インプラント材用チタン基材に対する密着性は、70MPa以上であることから、良好であることが判った。
次に、試料として、前記の被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基板片を前記疑似体液40mL中に36.5℃にて所定期間、浸漬した。顕微FT−IR反射スペクトルにおいて、7日間の疑似体液への浸漬においても、試料表面にアパタイトに帰属される吸収帯は観察されなかった。また、XRD回折パターンにも変化は見られなかった。このことから、前記の被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基板の表面にアパタイトが形成されないことが確認された。
比較例3
<生体インプラント材用チタン基板上へのチタン、酸化チタン及び窒化チタン並びにそれらの固溶体を主成分とし、カルシウムを含有する被覆層の形成と該被覆層の生体活性>
平均粒径が50μmのチタン粉末に対して、含浸法により、0.05mol%となるように酢酸カルシウムを添加したチタン粉末を作製した。アルゴンガスに窒素を6%添加したガスを用い、印加電力16kWで発生させた4MHzの高周波プラズマ中に、酢酸カルシウムを添加した、前記のチタン粉末を導入し、プラズマ火炎直下に設置した生体インプラント材用チタン基板上に堆積させ、該チタン基板上に被覆層を形成した。X線回折測定において、被覆層におけるチタン及び窒化チタンの回折ピークが観測された。また、チタンの(100),(002),(101)面による回折ピークが低角側にシフトしており、チタンに窒素の固溶した相が生成していることが示唆された。共焦点走査型レーザー顕微鏡を用いて堆積物表面を観察したところ、皮膜表面の粗さはRa=10.6μm,Sm=62.5μmであった。また、該被覆層の、生体インプラント材用チタン基材に対する密着性は、70MPa以上であることから、良好であることが判った。
次に、試料として、前記の被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基板片を前記疑似体液40mL中に36.5℃にて所定期間、浸漬した。顕微FT−IR反射スペクトルにおいて、7日間の疑似体液への浸漬においても、試料表面にアパタイトに帰属される吸収帯は観察されなかった。また、XRD回折パターンにも変化は見られなかった。このことから、前記の被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基板の表面にアパタイトが形成されないことが確認された。
比較例4
<生体インプラント材用チタン基板上へのチタン及び窒化チタンを主成分とし、カルシウムを含有する被覆層の形成と該被覆層の生体活性>
平均粒径が70μmのチタン粉末に対して、含浸法により、0.10mol%となるように酢酸カルシウムを添加したチタン粉末を作製した。アルゴンガスに窒素を6%添加したガスを用い、印加電力16kWで発生させた4MHzの高周波プラズマ中に、酢酸カルシウムを添加した、前記のチタン粉末を導入し、プラズマ火炎直下に設置した生体インプラント材用チタン基板上に堆積させ、該チタン基板上に被覆層を形成した。X線回折測定において、被覆層におけるチタン及び窒化チタンの回折ピークが観測された。また、チタンの(100),(002),(101)面による回折ピークが低角側にシフトしており、チタンに窒素の固溶した相が生成していることが示唆された。共焦点走査型レーザー顕微鏡を用いて堆積物表面を観察したところ、皮膜表面の粗さはRa=10.6μm,Sm=62.5μmであった。また、該被覆層の、生体インプラント材用チタン基材に対する密着性は、70MPa以上であることから、良好であることが判った。
次に、試料として、前記の被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基板片を前記疑似体液40mL中に36.5℃にて所定期間、浸漬した。顕微FT−IR反射スペクトルにおいて、7日間の疑似体液への浸漬においても、試料表面にアパタイトに帰属される吸収帯は観察されなかった。また、XRD回折パターンにも変化は見られなかった。このことから、前記の被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基板の表面にアパタイトが形成されないことが確認された。
<生体インプラント材用チタン基板上へのチタン及び窒化チタンを主成分とし、カルシウムを含有する被覆層の形成と該被覆層の生体活性>
平均粒径が70μmのチタン粉末に対して、含浸法により、0.20mol%となるように酢酸カルシウムを添加したチタン粉末を作製した。アルゴンガスに窒素を6%添加したガスを用い、印加電力16kWで発生させた4MHzの高周波プラズマ中に、酢酸カルシウムを添加した、前記のチタン粉末を導入し、プラズマ火炎直下に設置した生体インプラント材用チタン基板上に堆積させ、該チタン基板上に被覆層を形成した。X線回折測定において、被覆層におけるチタン及び窒化チタンの回折ピークが観測された。また、チタンの(100),(002),(101)面による回折ピークが低角側にシフトしており、チタンに窒素の固溶した相が生成していることが示唆された。
共焦点走査型レーザー顕微鏡を用いて堆積物表面を観察したところ、皮膜表面の粗さはRa=10.6μm,Sm=62.5μmであった。また、該被覆層の、生体インプラント材用チタン基材に対する密着性は、70MPa以上であることから、良好であることが判った。次に、試料として、前記の被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基板片を前記疑似体液40mL中に36.5℃にて所定期間、浸漬した。顕微FT−IR反射スペクトルにおいて、7日間の疑似体液への浸漬においても、試料表面にアパタイトに帰属される吸収帯は観察されなかった。また、XRD回折パターンにも変化は見られなかった。このことから、前記の被覆層が形成されている生体インプラント材用チタン基板の表面にアパタイトが形成されないことが確認された。
<被覆層の表面の洗浄>
実施例1〜4の生体インプラント材の試験片を172nmの真空紫外光を放射するエキシマランプを用いて10分間光洗浄したところ、水滴接触角は0°程度を示し、洗浄前の水滴接触角60°程度に比べて著しく低下した。また、X線光電子分光法において、光洗浄後の表面の汚染有機成分によるC1sピークが洗浄前に比べて減少した。
<凹凸を有する被覆層の形成>
実施例1に対して、プラズマ火炎直下に設置した生体インプラント材用チタン基板の上方に、直径320μmの円形の穴が1cm2 当り570個存在する金属製マスクを配置した以外は、同じ条件で、該生体インプラント材用チタン基板上にプラズマ溶射を行って被覆層を形成した。得られた被覆層には、裾径が250μm程の突起が、前記マスク通りに1cm2 当り570個形成された。また、被覆層の凸部の裾径、形状、存在頻度などは、使用するマスクの穴の大きさ、形状、穴の密度などを変えることで変更可能であった。更に、凸部の高さは溶射時間を変えることで制御可能であった。
<チタン、酸化チタンを主成分とする被覆層が形成された生体インプラント材用チタン基材の形成>
アルゴンガスを用い、印加電力16kWで発生させた4MHzの高周波プラズマ中に、平均粒径が70μmのチタン粉末を導入し、プラズマ火炎直下に設置した生体インプラント材用チタン基板上に堆積させ、該チタン基板上に被覆層を形成させた。被覆層の形成途中にアルゴンにガスに酸素を1%添加したガスを供給して皮膜形成を続けた。X線回折測定において、被覆層におけるチタン及び酸化チタン(アナターゼ並びにルチル)の回折ピークが観測され、チタン並びに酸化チタンを主成分とする複合皮膜を容易に形成することが可能であった。
<生体インプラント材用チタン基板上へのチタン及び酸化チタンを主成分とし、リン酸カルシウムを含有する被覆層の形成>
アルゴンガスに酸素を1%添加したガスを用い、印加電力16kWで発生させた4MHzの高周波プラズマ中に、平均粒径が70μmのチタン粉末と平均粒径が80μmの水酸アパタイト粉末を導入し、プラズマ火炎直下に設置した生体インプラント材用チタン基板上に堆積させ、該チタン基板上に被覆層を形成させた。X線回折測定において、被覆層におけるチタン及び酸化チタン(アナターゼ並びにルチル)の回折ピーク並びにリン酸カルシウム(水酸アパタイト、三リン酸カルシウム等)が観測され、チタン、酸化チタン並びにリン酸カルシウムを主成分とする複合皮膜を容易に形成することが可能であった。
以上詳述したように、本発明は、生体親和性インプラント材及びその製造方法に係るものであり、本発明により、以下の、生体インプラント用基材の表面にチタン又はチタン合金、及びチタンの酸化物を主成分とする被覆層を有する、生体インプラント用基材の表面近傍にアナターゼ相を含む酸化チタンとチタン又はチタン合金とからなる複合皮膜を有する、被覆層を形成するチタン又はチタン合金の粒子の表面並びに界面近傍の少なくとも一部に酸化チタン層を有する、及び上記被覆層は、基材に対する密着性、及び生体親和性向上作用を有する、という特徴を具備した新規生体インプラント材を提供することができる。また、以下の、生体インプラント用基材の表面にチタン又はチタン合金、チタンの酸化物、及びチタンの窒化物並びにそれらの固溶体を主成分とする被覆層を有する、生体インプラント用基材の表面近傍にアナターゼ相を含む酸化チタン、チタンの窒化物、及びチタン又はチタン合金とからなる複合皮膜を有する、被覆層を形成するチタン又はチタン合金の粒子の表面並びに界面近傍の少なくとも一部に酸化チタン相を有する、被覆層を形成するチタン又はチタン合金の粒子の表面、界面近傍並びに内部の少なくとも一部にチタンの窒化物を有する、及び上記被覆層は、基材に対する密着性と耐摩耗性、及び生体親和性向上作用を有する、という特徴を具備した新規生体インプラント材を提供することができる。生体インプラント材用基材に酸化チタンのアナターゼ相を含む複合皮膜を選択的に形成させることができる。それにより、高生体活性の被覆層を有する生体インプラント材を得ることができる。被覆による生体活性セラミックスの製造における溶射法等で用いられていた従来の設備を利用して、有害性の高い薬品を用いることなく生体インプラント材を製造することが可能である。また、チタン、酸化チタン及び窒化チタン並びにそれらの固溶体を主成分とする、密着性に優れ、生体活性の付与された被覆層を有する生体インプラント材を提供することができる。
本発明の生体インプラント材の断面概略図である。 本発明の生体インプラント材の断面概略図である。 本発明の、被覆層に凹凸を設けた生体インプラント材の断面概略図である。 本発明の、被覆層に凹凸を部分的に設けた生体インプラント材の断面概略図である。 本発明の、凹凸を有する生体インプラント材用基材に被覆層を形成した生体インプラント材の断面概略図である。 本発明の、孔を有する生体インプラント材用基材に被覆層を形成した生体インプラント材の断面概略図である。 アルゴンガスに酸素を1%添加したガスを用いてチタンを溶射した生体インプラント材材の断面を3%HF水溶液でケミカルエッチングした後のSEM像である。図中矢印は、生体インプラント材の被覆層の表面を示す。被覆層を形成するチタン又はチタン合金の粒子の表面並びに界面近傍の形成された酸化チタン層がエッチングにより溶解し、亀裂状の微構造が形成されているのが観察される。図中*印は、試料切断のために用いた埋め込み用の樹脂を示す。 アルゴンガスを用いてチタンを溶射した生体インプラント材の断面を3%HF水溶液でケミカルエッチングした後のSEM像である。図中矢印は、生体インプラント材の基材と被覆層の界面を示す。 本発明の生体インプラント材の被覆層のX線回折パターンである。 本発明の生体インプラント材の被覆層をSBFに7日間浸漬した後のX線回折パターンである。 本発明の生体インプラント材の被覆層の表面SEM像である。 本発明の生体インプラント材の被覆層をSBFに7日間浸漬した後の表面SEM像である。 本発明の生体インプラント材を所定期間SBFに浸漬した後の顕微FT−IR反射スペクトルである。
符号の説明
(図1の符号)
1: 生体インプラント材用基材
2: 被覆層
3: 酸化チタン層
4: チタン又はチタン合金粒子
(図2〜6の符号)
1: 被覆層
2: 生体インプラント材用基材
3: 被覆層のある細孔
(図7の符号)
図中矢印: 生体インプラント材の被覆層の表面
図中*印: 試料切断のために用いた埋め込み用の樹脂
(図8の符号)
図中矢印: 生体インプラント材の基材と被覆層の界面
(図9〜13の符号)
a:アルゴンガスに酸素を1%添加したガスを用いてチタンを溶射した生体インプラント材
b:アルゴンガスに酸素及び窒素をそれぞれ5.5%添加したガスを用いてチタンを溶射した生体インプラント材
c:アルゴンガスに窒素を6%添加したガスを用いてチタンを溶射した生体インプラント材

Claims (18)

  1. 密着性に優れ、生体活性の付与された被覆層を有する生体インプラント材であって、(1)生体インプラント用基材の表面にチタン又はチタン合金、及びチタンの酸化物を主成分とする被覆層を有する、(2)生体インプラント用基材の表面近傍にアナターゼ相を含む酸化チタンとチタン又はチタン合金とからなる複合皮膜を有する、(3)被覆層を形成するチタン又はチタン合金の粒子の表面並びに界面近傍の少なくとも一部に酸化チタン層を有する、(4)上記被覆層は、基材に対する密着性、及び生体親和性向上作用を有する、ことを特徴とする生体インプラント材。
  2. 被覆層が、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、亜鉛、錫、タンタル、ジルコニウム、硅素、ニオブ、アルミ、鉄、リン又は炭素の化合物のうちの1種以上を含有する、請求項1に記載の生体インプラント材。
  3. 生体インプラント材用基材が、金属、セラミックス、ポリマー又はそれらの複合体からなる、請求項1に記載の生体インプラント材。
  4. 被覆層の厚さが0.001〜1000μmである、請求項1に記載の生体インプラント材。
  5. チタン又はチタン合金を主成分とする平均粒径が0.01〜1000μmである粉末を、酸素を含むプラズマに曝露して、生体インプラント材用基材の表面に被覆層を形成した、請求項1に記載の生体インプラント材。
  6. チタン又はチタン合金を主成分とする粉末が、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、亜鉛、錫、タンタル、ジルコニウム、硅素、ニオブ、アルミ、鉄、リン又は炭素の化合物のうちの1種以上を0.01〜10mol%含有している、請求項5に記載の生体インプラント材。
  7. 被覆層の表面の少なくとも一部に、アパタイト層を形成した、請求項1に記載の生体インプラント材。
  8. 密着性に優れ、生体活性の付与された被覆層を有する生体インプラント材であって、(1)生体インプラント用基材の表面にチタン又はチタン合金、チタンの酸化物、及びチタンの窒化物並びにそれらの固溶体を主成分とする被覆層を有する、(2)生体インプラント用基材の表面近傍にアナターゼ相を含む酸化チタン、チタンの窒化物、及びチタン又はチタン合金とからなる複合皮膜を有する、(3)被覆層を形成するチタン又はチタン合金の粒子の表面並びに界面近傍の少なくとも一部に酸化チタン相を有する、(4)被覆層を形成するチタン又はチタン合金の粒子の表面、界面近傍並びに内部の少なくとも一部にチタンの窒化物を有する、(5)上記被覆層は、基材に対する密着性と耐摩耗性、及び生体親和性向上作用を有する、ことを特徴とする生体インプラント材。
  9. チタン、酸化チタン及び窒化チタンを主成分とする被覆層を有する生体インプラント材用基材に、0〜300℃の水溶液に浸漬する浄化処理を施してなる、請求項8に記載の生体インプラント材。
  10. チタン、酸化チタン及び窒化チタン並びにそれらの固溶体を主成分とする被覆層を有する生体インプラント材用基材の表面を、紫外光、オゾン及びプラズマのいずれかに曝すことにより、表面の有機汚染物を減少させた、請求項8に記載の生体インプラント材。
  11. 被覆層の表面に、意図的に制御された大きさ、高さ、深さ、形、配列のパターン及び存在頻度で凹凸が形成されている、請求項1から10のいずれかに記載の生体インプラント材。
  12. 生体インプラント材用基材が、径50〜1000μmの孔を有する、請求項1又は8に記載の生体インプラント材。
  13. 生体インプラント材用基材が、気孔率98%以下で、孔を有する、請求項12に記載の生体インプラント材。
  14. 密着性に優れ、生体活性の付与された被覆層を有する生体インプラントを製造する方法であって、チタン又はチタン合金を主成分とする、粒径が0.01〜1000μmである粉末を、酸素を含む熱プラズマに曝露し、生体インプラント材用基材の表面に堆積させて、チタン並びにアナターゼ相を含む酸化チタンを主成分とする被覆層を設けることにより、基材に対する密着性、及び生体親和性向上作用を有する被覆層を形成した生体インプラント材を製造することを特徴とする、生体インプラント材の製造方法。
  15. 少なくとも表面層がチタン又はチタン合金を主成分としている生体インプラント材用基材を、酸素及び窒素を含む熱プラズマに曝露して、チタン、酸化チタン及び窒化チタン並びにそれらの固溶体を主成分とする被覆層を設ける、請求項14に記載の生体インプラント材の製造方法。
  16. 被覆層の表面に、意図的に制御して、大きさ、高さ、深さ、形、配列のパターン及び存在頻度で凹凸を形成する、請求項14又は15に記載の生体インプラント材の製造方法。
  17. マスキングにより、被覆層の表面の限定された範囲に凹凸を形成する、請求項14又は15に記載の生体インプラント材の製造方法。
  18. 被覆層の表面の少なくとも一部に、アパタイト層を形成する、請求項14又は15に記載の生体インプラント材の製造方法。

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