JP2005093020A - テープドライブ - Google Patents

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Abstract

【課題】 テープの高速走行時でも同伴エアによって情報の読み書き用のヘッド表面におけるテープの走行安定性が損なわれることがなく、テープの高密度記録化等に対応したテープ幅方向の変位規制を安定維持して、読み書きエラーの発生を防止できるテープドライブを提供すること。
【解決手段】 情報読み書き用のヘッド20のテープ走行方向上下流側に、ヘッド20へのテープ走行位置を規制するテープガイド31,32,41,42が複数個それぞれ配列して構成されるガイド列30,40を備えたテープドライブであって、ガイド列30,40の各テープガイド31,32,41,42は、テープガイドのテープ摺動面の表面粗さが、ヘッド20に近いテープガイド31,41がヘッド20から遠いテープガイド32,42よりも大きい構成とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、テープの走行位置を規制するガイド列を、情報読み書き用のヘッドの近傍に備えたテープドライブに関する。
従来より、テープを記録媒体として用いて、情報信号の記録や再生を行う記録・再生装置が各種開発されている。この種の記録・再生装置においては、テープ走行系の途中に配置された情報読み書き用のヘッドによって、テープに記録された情報信号の読み取り、またはテープへの情報信号の書き込みを行うテープドライブが搭載される。
記録媒体であるテープ上への情報信号の記録は、テープ幅方向に細分されたトラック毎に行われる。即ち、図11に示したように、テープ上に設定されるトラック幅Waは、データを実際に記録するための実効幅Taと、その両側に確保される余裕幅ΔWaとを合わせた寸法となる。このため、テープ上への情報信号の書き込みエラーや読取エラーの発生を防止するためには、テープ走行時のテープ幅方向の変位を、余裕幅ΔWa以下に抑える必要がある。
ところで、記録・再生装置では、より大量な情報を迅速に処理可能にするために、記録媒体としてのテープの高密度記録化や、テープドライブにおけるテープ走行速度の高速化が盛んに研究されている。
テープの高密度記録化は、テープ上の単位記録幅であるトラック幅Waを短縮して、テープ幅方向に並ぶトラック数を増大させることによって行われるが、その場合、実効幅Ta及び余裕幅ΔWaのそれぞれの寸法が相応して短縮されことになる。従って、テープの高密度記録化に対しては、テープドライブのテープ走行系において、テープ走行時のテープ幅方向の変位(振れ)を更に低減させる工夫をしないと、テープ幅方向の変位量が余裕幅ΔWaを超えて、書き込みエラーや読取エラーの発生を招く虞がある。
そこで、テープ走行時におけるテープ幅方向の変位を抑え、高精度なテープ走行を実現可能としたテープドライブとして、図12に示す構成のものが開発されている。
このテープドライブ100は、テープTの走行経路の途中に配置される情報の書き込み用又は読み取り用としてのヘッド110の上下流側に、それぞれテープTの走行位置を規制するガイド列120A,120Bを装備したもので、各ガイド列120A,120BがテープTの走行方向に所定間隔で配列される複数個のテープガイド121,122を備えている(例えば、特許文献1参照)。
各テープガイド121,122は、所謂ローラ状のもので、円筒状の外周面がテープTの摺動面となる回転自在のローラ本体121a,122aと、このローラ本体の上下両端側に鍔状に設けられたフランジ部121b,122bとを有した構造である。ローラ本体121a,122aは、その外周面によって、走行するテープTの表面位置(テープ厚さ方向の位置)を規制し、各フランジ部121b,122bはテープTの端縁に当接することで、走行するテープTのテープ幅方向の位置を規制する。
なお、各ガイド列120A,120Bを構成するテープガイド121とテープガイド122は、いずれも、両端側のフランジ部間の中心までの高さ(ガイド高さ)を、基準高さに揃えて配置される。ここに、基準高さとは、テープTが幅方向の変位ゼロの状態で走行する時のテープ幅の中心となる位置である。
更に、ヘッド110に近い側に配置されるテープガイド121における一対のフランジ部121b,121b間の間隔(ガイド間隔)を、ヘッド110から遠い側に配置されるテープガイド122における一対のフランジ部122b,122b間の間隔(ガイド間隔)よりも小さく設定することで、走行するテープTはヘッド110に近づくに従って徐々にテープTの幅方向の振れ幅が小さく制限されることになり、テープT5の両端縁に負担をかけることなく、走行するテープTの幅方向の変位を低減させることが可能になる。
また、上記のようなガイド列120A,120Bに配列したテープガイド121,122によって、高精度で安定したテープ走行を実現するには、各テープガイド121,122の組み付け高さを高精度に位置調整することが必要で、これまで、各テープガイド121,122の具体的な高さ調整方法として、高さ調整用のシムを介装する方法の他、予めテープTに記録された基準信号をヘッド110に読み出させ、検出された信号波形に基づいてテープガイド121,122毎にガイド高さを調整する方法(例えば、特許文献2参照)等が提案されている。
特開平11−144217号公報(段落番号0006、0009) 特開平5−234195号公報(請求項1等)
ところが、最近のテープの高密度記録化や、テープドライブにおけるテープ走行速度の高速化は目覚ましく、上記の従来の技術だけでは、書き込みエラーや読取エラーの発生を完全に防止することが難しくなっている。
例えば、従来のテープドライブではテープ走行速度が速くても2m/s程度であったが、最近では、テープ走行速度を4m/s或いは6m/sに高速化することが検討されている。しかし、テープ走行速度を4m/s以上に高速化すると、走行するテープの表面に生じる同伴エアが、テープの摺動面となるテープガイドの表面との間に空気層を形成して、テープをテープガイドの表面から浮遊させる方向にばたつかせるテープ変位挙動を生じさせ、記録・再生が不安定となる。このような高速走行時においては、各テープガイドの両端に突出装備されたフランジ部によるテープの端縁位置の規制だけでは、テープを確実に安定走行させることが困難な場合が多い。
特に、リニアヘッドがテープに記録されているサーボ信号を利用してトラッキングの制御を行うリニア走行系が搭載されるテープドライブの場合には、テープの同伴エアによる浮遊が、ヘッド周辺におけるテープ幅方向の変位の増大を招いて、サーボ特性が大きな影響を受けることになる。そのため、更にテープの安定走行が困難になって、書き込みエラーや読取エラーの発生が増加することが心配されている。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、テープ走行速度を高速化した場合であっても、走行するテープ表面に生じる同伴エアによってテープの走行安定性が損なわれることがなく、テープの高密度記録に対応したテープ幅方向の変位規制を安定維持して、読み書きエラーの発生を防止することができ、更なるテープの高密度記録化やテープ走行の高速化が可能なテープドライブを提供することを目的としている。
上記目的は下記構成により達成される。
(1)情報読み書き用のヘッドのテープ走行方向上下流側に、該ヘッドへのテープ走行位置を規制するテープガイドが複数個それぞれ配列して構成されるガイド列を備えたテープドライブであって、前記ガイド列の各テープガイドは、該テープガイドのテープ摺動面の表面粗さが、前記ヘッドに近いテープガイドが前記ヘッドから遠いテープガイドよりも大きくされていることを特徴とするテープドライブ。
(2) 上記(1)において、前記ガイド列の各テープガイドが、外周面がテープ摺動面となる回転自在のローラ状で、前記テープ摺動面の両端にテープの幅方向の変位を規制する一対のフランジ部を備えていることを特徴とするテープドライブ。
(3)上記(1)において、前記ガイド列の各テープガイドが、湾曲したテープ摺動面を有した固定ブロックで、前記テープ摺動面のテープ幅方向両端にテープの幅方向の変位を規制する一対のフランジ部を備えていることを特徴とするテープドライブ。
(4)上記(2)又は(3)のテープドライブにおいて、前記テープガイドにおける一対のフランジ部の間隔は、隣接するテープガイド相互間で、前記ヘッドに近いテープガイドほど狭く設定されていることを特徴とするテープドライブ。
本発明に係るテープドライブでは、情報読み書きヘッドの上下流側のガイド列に配備される各テープガイドのテープ摺動面は、その表面粗さが、ヘッドに近いテープガイドがヘッドから遠いテープガイドよりも大きくされて、表面粗さの大きなテープ摺動面の表面凹部が、高速走行するテープの表面に同伴されて来る同伴エアを確実に吸収することができる。これにより、特にヘッドとテープとを正確かつ確実に接触させる必要のあるヘッド近傍において、テープ位置を正確に位置決め規制することができる。つまり、高速走行するテープの表面に生じる同伴エアが、テープガイドのテープ摺動面に到達した際、テープ摺動面の表面粗さに応じて存在する表面凹部に吸収されて排除される。このため、テープの摺動面となるテープガイド表面における同伴エアの層形成を抑止して、同伴エアの層形成に起因したテープの浮遊によるテープ変位挙動を未然に防止することができる。
そして、ヘッドに近い側のテープガイドほど、表面粗さが大きく設定されているので、ベッドに近づくにつれて同伴エアの層形成の抑止効果が高まり、同伴エアに起因してテープの走行安定性が損なわれることがなくなる。
また、テープ摺動面上の表面粗さに応じた表面凹部が果たす同伴エアの排除効果は、テープ摺動面が、回転する円筒面である場合でも、固定された湾曲面である場合のいずれであっても十分に発揮される。
さらに、各テープガイドの両端にテープの両側縁位置を規制するフランジ部を設けることで、テープTの両端縁に負担を掛けることなく、走行するテープTの幅方向の変位を安定して低減させることが可能になる。これにより、テープの高密度記録化等に応じて厳格となるテープ位置を、フランジ部との相乗効果によって安定維持するので、読み書きエラーの発生を防止でき、更なるテープの高密度記録化やテープ走行の高速化が図られる。
以下、本発明に係るテープドライブの好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係るテープドライブの第1実施形態の要部斜視図である。
本実施形態のテープドライブ10は、情報書き込み用又は読み取り用或いは両方の機能を有する情報読み書き用のヘッド(以下、ヘッドと略称する)20のテープ走行方向上下流側に、ヘッド20へのテープ走行位置を規制するテープガイドが複数個それぞれ配列して構成されるガイド列30,40を備えたものである。ヘッド20に対してテープTの走行方向上流側に位置するガイド列30は、テープTの走行方向に適宜間隔で配列された2個のテープガイド31,32を備えている。また、ヘッド20に対してテープTの走行方向下流に位置するガイド列40は、テープTの走行方向に適宜な間隔で配列された2個のテープガイド41,42を備えている。
各テープガイド31,32,41,42は、所謂ローラ状のもので、円筒状の外周面がテープTの摺動面となる回転自在のローラ本体31a,32a,41a,42aと、このローラ本体31a,32a,41a,42aの上下両端に鍔状に設けられたそれぞれ一対のフランジ部31b,32b,41b,42bとを有した構造である。ローラ本体31a,32a,41a,42aは、同一外径の円筒体であり、その外周面によって、走行するテープTの表面位置を規制する。また、各フランジ部31b,32b,41b,42bは、ローラ本体側の面をテープTの端縁に当接することで、走行するテープTのテープ幅方向の位置を規制する。
なお、各ガイド列30,40を構成するテープガイド31,41とテープガイド32,42は、いずれも、両端のフランジ部31b,32b,41b,42b間の中心までの高さ(ガイド高さ)を、図2に示すように、基準高さHに揃えて配置される。
ここで、基準高さHとは、テープTがテープ幅方向の変位がゼロの状態で走行するときのテープ幅の中心となる位置である。
更に、ヘッド20に近い側に配置されるテープガイド31とテープガイド41は、ヘッド20を挟んで対を為すもので、図2に示すように、それぞれの両端のフランジ部間の間隔(ガイド間隔)W1,W2が等しく設定されている。
また、ヘッド20から遠い側に配置されるテープガイド32とテープガイド42は、ヘッド20を挟んで対を為すもので、図2に示すように、それぞれの両端のフランジ部間の間隔(ガイド間隔)W3,W4が等しく設定されている。
また、本実施の形態の場合、ヘッド20に近い側に配置されるテープガイド31とテープガイド41のガイド間隔W1,W2は、ヘッド20から遠い側に配置されるテープガイド32,42のガイド間隔W3,W4よりも小さく設定している。つまり、テープTの幅W、ガイド間隔W1,W2,W3,W4との関係は、次の(1)式に示す関係となっている。
W < W1=W2 < W3=W4 ……(1)
このように各テープガイド31,32,41,42のガイド間隔を設定することで、走行するテープTはヘッド20に近づくに従って徐々にテープTの幅方向の振れ幅が小さく制限されることになり、テープTの両端縁に負担を掛けることなく、走行するテープTの幅方向の変位を安定して低減させることが可能になる。
また、上記のようなガイド列30,40に配列したテープガイド31,32,41,42によって、高精度で安定したテープ走行を実現するには、各テープガイド31,32,41,42のガイド高さを揃えた状態に高精度に支持することが必要で、本実施の形態では、各テープガイド31,32,41,42は、共通の単一のガイド支持枠11に取り付けられている。
ガイド支持枠11は、底板12と、この底板12に対向配置される天板13と、底板12と天板13の後縁を連結した連結板14とを一体化した構造で、各テープガイド31,32,41,42は、底板12と天板13との間に支承される図示略の支持軸を介して、回転自在に支持される。
底板12と天板13には、柱状をなすヘッド20を、挿入して組み付けするための開口部12a,13aが形成されている。
各テープガイド31,32,41,42は、ガイド支持枠11のガイド受け穴(図示略)に組み付けることで、ガイド列30とガイド列40とが一体化した単一のガイド列として組み立てられる。そして、組み立てたガイド列にヘッド20を後から組み付けることで、ヘッド20との組み合わせ時に、各テープガイドにずれを生じさせることなく、簡単にして高精度で組み立てられた完成体を得る。
以上のような各テープガイド31,32,41,42の寸法・配置設定によって、ヘッド20のテープ走行方向上下流側に対称に2本ずつ、テープガイドを配置した一体のガイド列が形成される。
ガイド支持枠11に組み付けられた各テープガイド31,32,41,42は、ガイド高さが基準高さHに揃うように、高さ調整用のシムの介装によって、組み付け高さの微調整がなされる。つまり、テープガイド31,32,41,42のフランジ部31b,32b,41b,42bと、底板12の図示しないガイド受け穴底面との隙間に、高さ調整用のシムが介装される。この方法によれば、高精度な位置調整が可能であり、具体的には、各テープガイド31,32,41,42のガイド高さを、±2μm以下の精度で揃えることが可能になる。
ここで、本発明に係るテープドライブにおいては、各テープガイド31,32,41,42は、隣接するテープガイド相互間で、ヘッド20から遠い側のテープガイドよりもヘッドに近い側のテープガイドの方が、テープTの表面位置を規制するテープ摺動面の表面粗さ値Raが大きくなるようにする。即ち、各ローラ本体31a,32a,41a,42aの外周面(テープ摺動面)の表面状態を、ヘッド20からの距離に応じて異ならせている。
ローラ本体の外周面は、テープガイドを製作する際の、荒れた面状から滑らかな表面に仕上げる過程で、仕上げ程度を異ならせることで得られる。或いは、一旦平坦に仕上げられた表面に、後処理によって凹凸を付ける粗面化処理を施してもよい。
表面が粗すぎると摺動するテープに傷を発生させる原因となってしまい、また、平滑過ぎると、テープ走行時に同伴エアが層を形成し易くなってしまうので、適切な粗さの範囲が存在することになる。
図3は、ヘッド20からの離間距離に応じて、各テープガイドのテープ摺動面に設定する適切な表面粗さを、本願発明者らの鋭意研究による検証結果に基づいて、表面粗さ値Raによって規定したものである。
表面粗さ値Raは、所謂中心線平均粗さであって、本実施の形態においては、ヘッド20に近い側のテープガイド31,41のテープ摺動面の表面粗さを、表面粗さ値Raが80〜150nmの範囲になるように表面処理を施してある。
また、ヘッド20から遠い側のテープガイド32,42のテープ摺動面の表面粗さを、表面粗さ値Raが10〜75nmの範囲になるように表面処理を施してある。
本実施の形態の場合、ガイド列30,40に使用されるテープガイド31,32,41,42は、ステンレス鋼(例えば、オーステナイト系ステンレスSUS304等)で所定の円筒形状に形成した後、その外周面を、上記の表面粗さ値Raを得るために表面処理を実施して、図4に示すように、テープTが接触するローラ本体のテープ摺動面Sに、所定の表面粗さとなる凹凸51を形成する。
テープ摺動面Sに凹凸51を形成する表面処理としては、研削、バフ等による研磨の仕上げ程度を異ならせることが一般的であるが、サンドブラスト処理や、図5に示すように、硬質の圧子52をテープ摺動面Sに押し当てて、圧痕により所定深さの凹凸51を形成するようにしても良く、更には、図6に示すように、旋削等の機械加工によって、幅がB、深さがDの規則的な加工溝53を形成するようにしても良い。ここで加工溝53は、テープの走行方向に沿ってローラ本体の外周を周回する多条のリング状に形成し、テープ走行時のテープ片寄りを確実に防止したものでも良く、また、1本の螺旋溝として加工性を向上させたものであっても良い。
なお、図6に示す規則的な表面処理では、処理する表面の基準長さLの領域において、加工溝53による凹凸の粗さ曲線H(x)を中心線Haから折り返し、この中心線Haと粗さ曲線H(x)との間の面積を基準長さLで除した値が中心線平均粗さRaとなる。
上記の表面処理を済ませたテープ摺動面Sが、所定の表面粗さになっているか否かは、光学式表面粗さ測定器(例えば、WYKO社製 HD2000)によって確認することができ、また、電気的な触針式粗さ測定器によっても確認することができる。
なお、各テープガイドは、ステンレス鋼以外にも、例えばアルミニウムで形成することも可能である。その場合は、アルミニウムで所定外径寸法の円筒体を形成した後、例えば、その円筒体の外周面に厚さ50〜300μmのニッケルメッキを施し、その後、そのニッケルメッキ面を平均粒子径が500〜1500μmのガラスビーズ等の硬質粒子によるブラスト処理を実施して、略半球状の窪みによる凹凸を形成する。その後、凹凸を形成した表面が、図3に示した表面粗さ値Raとなる様に、凹凸面の研削加工をし、研削加工後に、5〜50μmのクロムメッキを施すことで、テープの摺動に耐え得るテープ摺動面Sに仕上げることもできる。
以上に説明したテープドライブ10では、ヘッド20のテープ走行方向上下流側におけるガイド列30,40に配置される各テープガイド31,32,41,42のテープ摺動面は、ヘッド20を中心として表面粗さ値Raがヘッド20に近づくに従って大きくなる分布を呈しており、この配置位置に応じて設定される表面粗さによる表面凹部が、高速走行するテープTの表面に同伴されて来る同伴エアを逃がすための隙間を形成する。
即ち、高速走行するテープTの表面に生じる同伴エアは、テープガイド31,32,41,42のテープ摺動面に到達した際、テープ摺動面の表面粗さ値Raに応じて存在する表面凹部に入り込み、テープ摺動面から排除される。このため、テープTの摺動面となるテープガイド31,32,41,42の表面における同伴エア層の形成が防止され、同伴エア層の発生に起因するテープTの浮遊現象(ヘッド20からの浮き)や、テープ幅方向のずれを確実に防止することができる。
そして、ヘッド20のテープ走行方向上下流側の各ガイド列30,40では、ヘッド20に近い側のテープガイド31,41ほど、表面粗さ値Raが大きく設定されているので、近い側ほどテープ摺動面の表面凹部の凹部断面積が大きくなっている。その凹部断面積の大きさによって同伴エア層の形成抑止効果が決定されるため、凹部断面積の大きく設定されるヘッド20内側のテープガイド31,41は、同伴エアを特に強力に溝内に吸引できるので、同伴エアの影響を受けにくくなり、テープの走行安定性が高められることになる。
このように、同伴エアの影響をなくすことに加えて、テープTの両側縁位置を規制する各テープガイドのフランジ部31b,32b,41b,42bによってテープ幅方向の位置を安定維持するため、読み書きエラー発生の防止効果を相乗的に向上することができ、更なるテープTの高密度記録化やテープ走行の高速化を達成することが可能となる。
また、リニアヘッドがテープTに記録されているサーボ信号を利用してトラッキングの制御を行うリニア走行系が搭載されるテープドライブの場合も、テープTの同伴エアによる浮遊が確実に防止され、また、ヘッド周辺のテープ幅方向の変位を各テープガイド31,32,41,42に設けたフランジ部31b,32b,41b,42bにより防止するので、一層効果的に安定走行させることができ、正確なサーボ信号の読み取りによって良好なトラッキングを維持できる。
以上のように、本実施形態のテープドライブ10では、ヘッド20に近い側のテープガイド31,41を遠い側のテープガイド32,42よりテープ摺動面の表面粗さを大きく設定しているので、特にヘッド20近傍においては、テープの高速走行時であっても、同伴エアによる影響を殆ど受けなくなる。また、テープガイド両端のフランジ部間の間隔(ガイド間隔)をヘッド20に近い側を狭く設定しているので、テープTの両端縁に負担をかけることなく、走行するテープTを、ヘッドに20近づくに従って、徐々にテープTの幅方向の振れ幅を小さく制限して、テープTの幅方向の変位を確実に低減させることができる。これらの効果が相乗的に作用して、より安定したテープ走行の実現が可能になる。
次に、本発明に係るテープドライブの第2実施形態を説明する。
図9は、本発明に係るテープドライブの平面図である。
このテープドライブのガイド列60は、情報読み書き用のヘッド20のテープ走行方向上下流側に対になって配置される2個のテープガイド61,62が、一方の側に湾曲したテープ摺動面61a,62aを有した固定ブロックであって、テープ摺動面61a,62aの上下両端にテープTの幅方向の変位を規制するフランジ部61b,62bが設けられたものである。
テープ摺動面61a,62aが、図3に示した表面粗さ値Raとなるように、表面処理される点、各テープガイド61,62における上下のフランジ部間の間隔(ガイド間隔)が図10にも示すようにヘッド20に近い方が狭く設定される点は、前述の第1実施形態の構成と共通である。
本実施形態における固定式のテープガイド61,62を備えた構成であっても、テープ摺動面上の表面粗さによる表面凹部が果たす同伴エアの排除効果は、前述のローラ状のテープガイドと同様であって、その効果は十分に発揮される。
以上説明したテープドライブの各実施形態においては、ヘッドのテープ走行方向上下流側に装備される各ガイド列を構成するテープガイドの数は、これら実施形態に限らない。各ガイド列を構成するテープガイドの数は、片側3本以上の任意の複数本に設計変更が可能である。片側3本以上とする場合には、各テープガイドのテープ摺動面の表面粗さを図3に示す点線の範囲内に収まるようにそれぞれ設定すればよい。
また、上記の各実施形態では、ヘッドのテープ走行方向上下流側におけるガイド列のテープガイドは、ヘッドに対して左右対称に同数のテープガイドを配置していたが、必ずしも対称な配置とする必要はない。例えば、ヘッド近傍のテープ走行方向上下流側の空きスペース等の関係によっては、ヘッドのテープ走行方向上流側と下流側のガイド列で、配置させるテープガイドの数が異なる形態としてもよい。さらに、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば、回転式のテープガイドと固定式のテープガイドとを混在させた構成としてもよい。
なお、本実施形態のおいては、表面粗さを中心線平均粗さRaで表記したが、これに限らず、他の粗さ表現(最大高さ、十点平均粗さ等)であっても同様に規定することができる。
ここで、上記第1実施形態における構成を用いて、本発明の作用効果を確認した結果について以下に示す。
ヘッド20のテープ走行方向上下流側のガイド列30及びガイド列40は、図1及び図2に示したように、ローラ状のテープガイド31,32,41,42をそれぞれ2本ずつ配置した構成で、各テープガイド31,32,41,42のテープ摺動面は、図3の条件に整合するように表面粗さを設定した。
テープ及びテープガイドの具体的な寸法は、以下の通りである。
使用したテープTの幅Wは1/2インチ(約1.3cm)、実施例としての図2に示した各テープガイドのガイド間隔は、W1=W2=12.655mm、W3=W4=12.67mmである。そして、ヘッド20に近い側のテープガイド31,41のテープ摺動面における表面粗さ値Raは、3点の測定点における平均値で90nm、ヘッド20から遠い側のテープガイド32,42のテープ摺動面における表面粗さ値Raは、3点の測定点における平均値で50nmであった。
比較例としては、各テープガイドのテープ摺動面の表面粗さ値Raが10nm以下で、テープ摺動面が殆ど平滑な構成のテープドライブを用意した。
それぞれの構成で、テープTの走行速度を従来より普及している2m/s、今後普及が見込まれる4m/s、6m/sに変えて、走行テープの振れを比較測定した。テープTの幅方向の振れは、図9に示すように、ヘッド20の表面を走行するテープTの縁を跨ぐように、発光素子と受光素子とが対向配置されたフォトセンサ21を配置し、テープTの縁で遮断される光路面積の増減から、テープ幅方向の振れの程度を検出した。以上の結果を図10にまとめて示した。
テープ摺動面の表面粗さ値がヘッドからの距離に関係なく小さく一定である比較例では、テープ走行速度が2m/sの場合は、走行テープの幅方向の振れ量が、エラー発生の限界レベルである4μm以下となり、安定したテープ走行が得られた。しかし、テープ走行速度を上げて4m/s、6m/sとしたときは、走行テープの幅方向の振れ量が10μm、15μmとなって、エラー発生の限界レベルを大きく超えてしまった。
これに対して、本発明に係る上記実施例の場合は、テープ走行速度が2m/s、4m/s、6m/sのいずれであっても、走行テープの幅方向の振れ量が、エラー発生の限界レベル以下に抑えられ、安定したテープ走行が得られ、今後のテープの高密度記録化や、テープ走行の高速化に十分に適応可能であることが確認できた。
本発明に係るテープドライブの第1実施形態における要部斜視図である。 図1に示した情報読み書き用のヘッドのテープ走行方向上下流側におけるガイド列のテープガイドの寸法説明図である。 図2に示した各テープガイドのヘッド中心位置からの距離に対するテープ摺動面の好適な表面粗さの範囲を示す説明図である。 テープガイド表面とテープとの接触状態を模式的に表すテープガイド及びテープの断面図である。 テープガイドの表面粗さを圧痕の形成によって設定する方法の説明図である。 テープガイドの表面粗さを機械加工によって設定する方法の説明図である。 本発明に係るテープドライブの第2実施形態における要部平面図である。 (a)は図7のA−A断面図、(b)は図7のB−B断面図である。 テープ走行時のテープ幅方向の変位量を測定する変位量測定方法の説明図である。 各速度下でテープ走行させた際のテープ幅方向の変位量の測定結果を示す図ある。 テープ上の情報記録に使用されるトラック幅の説明図である。 従来のテープドライブの要部の斜視図である。
符号の説明
10 テープドライブ
11 ガイド支持枠
12 底板
13 天板
14 連結板
20 ヘッド
21 フォトセンサ
30 ガイド列
31,32 テープガイド
31a,32a ローラ本体
31b,32b フランジ部
40 ガイド列
41,42 テープガイド
41a,42a ローラ本体
41b,42b フランジ部
51 凹凸
52 硬質の粒子
53 加工溝
60 ガイド列
61,62 テープガイド
61a,62a テープ摺動面
61b,62b フランジ部
T テープ

Claims (4)

  1. 情報読み書き用のヘッドのテープ走行方向上下流側に、該ヘッドへのテープ走行位置を規制するテープガイドが複数個それぞれ配列して構成されるガイド列を備えたテープドライブであって、
    前記ガイド列の各テープガイドは、該テープガイドのテープ摺動面の表面粗さが、前記ヘッドに近いテープガイドが前記ヘッドから遠いテープガイドよりも大きくされていることを特徴とするテープドライブ。
  2. 前記ガイド列の各テープガイドが、外周面がテープ摺動面となる回転自在のローラ状で、前記テープ摺動面の両端にテープの幅方向の変位を規制する一対のフランジ部を備えていることを特徴とする請求項1記載のテープドライブ。
  3. 前記ガイド列の各テープガイドが、湾曲したテープ摺動面を有した固定ブロックで、前記テープ摺動面のテープ幅方向両端にテープの幅方向の変位を規制する一対のフランジ部を備えていることを特徴とする請求項1記載のテープドライブ。
  4. 前記テープガイドにおける一対のフランジ部の間隔は、隣接するテープガイド相互間で、前記ヘッドに近いテープガイドほど狭く設定されていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載のテープドライブ。
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