JP2005089541A - エポキシ樹脂混合物、及びエポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 成形時の硬化性に優れ、成形物の吸湿性が低く、成形物外観のボイドレス化に効果のあるエポキシ樹脂混合物、及びエポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 フェノールとオルソ置換フェノール類との共縮合体であり、2核体成分の含有量が5%以下であるフェノール樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂混合物。好ましくは、上記フェノール樹脂(A)を構成する全芳香環中、上記フェノールに由来する芳香環の比率が20〜80モル%であり、上記オルソ置換フェノール類が、オルソクレゾールである。
【選択図】 なし
【解決手段】 フェノールとオルソ置換フェノール類との共縮合体であり、2核体成分の含有量が5%以下であるフェノール樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂混合物。好ましくは、上記フェノール樹脂(A)を構成する全芳香環中、上記フェノールに由来する芳香環の比率が20〜80モル%であり、上記オルソ置換フェノール類が、オルソクレゾールである。
【選択図】 なし
Description
本発明は、エポキシ樹脂混合物及びエポキシ樹脂組成物に関するものである。
フェノール樹脂は、耐熱性、耐薬品性に優れ、また高温時での寸法安定性や接着性が良好であることなどから、充填材等と混合して各種成形材料のバインダー等に用いられるとともに、エポキシ樹脂の硬化剤としてエポキシ樹脂成形材料にも使用されている。
エポキシ樹脂の硬化剤としての用途におけるフェノール樹脂は、成形性、硬化後のエポキシ樹脂成形品の耐熱性、耐湿性、電気的特性が優れていることから、半導体パッケージ材料などの電気電子分野においても広く用いられているが、半導体パッケージを回路基板に搭載する際のソルダーリフロー工程において、エポキシ樹脂成形品が吸湿した水分の急激な気化膨張に伴うポップコーン現象と呼ばれるクラックが発生することがある。このため、吸湿性が低く、耐熱性に優れる材料が求められてきた。
また、フェノール樹脂中に含まれる2核体成分が多い場合は、成形時の流動性は比較的優れるものの、成形品表面にボイドが発生し外観不良が発生することがある。このため、成形時の流動性とボイド発生による外観不良を抑えることを両立させる材料が求められてきた。
エポキシ樹脂の硬化剤としての用途におけるフェノール樹脂は、成形性、硬化後のエポキシ樹脂成形品の耐熱性、耐湿性、電気的特性が優れていることから、半導体パッケージ材料などの電気電子分野においても広く用いられているが、半導体パッケージを回路基板に搭載する際のソルダーリフロー工程において、エポキシ樹脂成形品が吸湿した水分の急激な気化膨張に伴うポップコーン現象と呼ばれるクラックが発生することがある。このため、吸湿性が低く、耐熱性に優れる材料が求められてきた。
また、フェノール樹脂中に含まれる2核体成分が多い場合は、成形時の流動性は比較的優れるものの、成形品表面にボイドが発生し外観不良が発生することがある。このため、成形時の流動性とボイド発生による外観不良を抑えることを両立させる材料が求められてきた。
このような背景から、エポキシ樹脂成形品の成形性、耐熱性、低吸湿性等の諸特性を向上させるために、キシレン変性ノボラック型フェノール樹脂の使用(例えば、特許文献1参照。)、含フッ素ノボラック型フェノール樹脂の使用(例えば、特許文献2参照。)等が検討された。また、4−アルキルフェノールあるいは4−アリールフェノールのジメチロール誘導体とフェノールとを縮合させてエポキシ樹脂硬化剤用のポリヒドロキシ化合物を製造する方法も公開されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、これらはいずれも成形性、耐熱性、低吸湿性等の諸特性が依然として不十分であり、その用途によっては充分に満足できるものではなかった。
本発明は、成形時の硬化性に優れ、成形物の低吸湿性、成形物外観のボイドレス化に効果のあるエポキシ樹脂混合物、及びエポキシ樹脂組成物を提供するものである。
このような目的は、下記の本発明(1)〜(6)により達成される。
(1)フェノールとオルソ置換フェノール類との共縮合体であり、2核体成分の含有量が5%以下であるフェノール樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂混合物。
(2)上記フェノール樹脂(A)を構成する全芳香環中、上記フェノールに由来する芳香環の比率が20〜80モル%である上記(1)に記載のエポキシ樹脂混合物。
(3)上記オルソ置換フェノール類が、オルソクレゾールである上記(1)又は(2)に記載のエポキシ樹脂混合物。
(4)上記フェノール樹脂(A)は、軟化点が60℃以上、かつ100℃以下である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のエポキシ樹脂混合物。
(5)上記エポキシ樹脂(B)は、下記一般式(I)及び/又は(II)で示されるものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のエポキシ樹脂混合物。
(一般式(I)中、R1は水素、又は炭素数1〜4のアルキル基であり、式中のR1は、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
(一般式(II)中、R2は水素、又は炭素数1〜4のアルキル基であり、aは1〜3の整数である。式中のR2は、互いに同一であっても異なっていてもよい。R3は水素、又は炭素数1〜4のアルキル基であり、bは1〜4の整数である。式中のR3は、互いに同一であっても異なっていてもよい。mは平均値で1〜10である。)
(6)上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のエポキシ樹脂混合物と、無機充填材とを含有することを特徴とする、エポキシ樹脂組成物。
(1)フェノールとオルソ置換フェノール類との共縮合体であり、2核体成分の含有量が5%以下であるフェノール樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂混合物。
(2)上記フェノール樹脂(A)を構成する全芳香環中、上記フェノールに由来する芳香環の比率が20〜80モル%である上記(1)に記載のエポキシ樹脂混合物。
(3)上記オルソ置換フェノール類が、オルソクレゾールである上記(1)又は(2)に記載のエポキシ樹脂混合物。
(4)上記フェノール樹脂(A)は、軟化点が60℃以上、かつ100℃以下である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のエポキシ樹脂混合物。
(5)上記エポキシ樹脂(B)は、下記一般式(I)及び/又は(II)で示されるものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のエポキシ樹脂混合物。
(6)上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のエポキシ樹脂混合物と、無機充填材とを含有することを特徴とする、エポキシ樹脂組成物。
本発明は、フェノールとオルソ置換フェノール類との共縮合体であり、2核体成分の含有量が5%以下であるフェノール樹脂と、エポキシ樹脂とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂混合物であり、成形時の硬化性に優れ、成形物の低吸湿性、成形物の外観のボイドレス化に効果のあるエポキシ樹脂組成物を得ることができる。このことから、本発明のエポキシ樹脂組成物は例えば、高性能が要求される電子部品封止用のエポキシ樹脂封止材料として特に好適である。
以下、本発明のエポキシ樹脂混合物、及びエポキシ樹脂組成物について説明する。
本発明のエポキシ樹脂混合物は、フェノールとオルソ置換フェノール類との共縮合体であり、2核体成分の含有量が5重量%以下であるフェノール樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)とを含有することを特徴とする。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記本発明のエポキシ樹脂混合物と、無機充填材とを含有することを特徴とする。
本発明のエポキシ樹脂混合物は、フェノールとオルソ置換フェノール類との共縮合体であり、2核体成分の含有量が5重量%以下であるフェノール樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)とを含有することを特徴とする。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記本発明のエポキシ樹脂混合物と、無機充填材とを含有することを特徴とする。
まず、本発明のエポキシ樹脂混合物に用いられるフェノール樹脂(以下、単に「フェノール樹脂(A)」ということがある)について詳しく説明する。
フェノール樹脂(A)は、フェノールとオルソ置換フェノール類との共縮合体であり、2核体成分の含有量が5%以下である。
フェノール樹脂(A)は、フェノールとオルソ置換フェノール類との共縮合体であり、2核体成分の含有量が5%以下である。
フェノール樹脂(A)に使用されるオルソ置換フェノール類としては特に限定されないが、例えば、オルソクレゾール、2−エチルフェノール、2−プロピルフェノール、2−イソプロピルフェノール、2−n−ブチルフェノール、2−イソブチルフェノール、2−tert−ブチルフェノール、2−ヘキシルフェノール、2−オクチルフェノール、2−ノニルフェノール、2−フェニルフェノール、2−ベンジルフェノール、2−クミルフェノール、2−アリルフェノール等が挙げられる。
エポキシ樹脂との硬化成形物の吸水率を低くするには、ベンゼン環に置換基として疎水性であるアルキル基が存在することが好ましく、またエポキシ樹脂との硬化性を低下させないようにするには、オルソアルキル置換フェノールが好ましい。中でも、嵩高い置換基を有しない2−n−アルキルフェノールが好ましく、その中でもオルソクレゾールが特に好ましい。n−アルキル基の炭素数が6以上の長鎖アルキル基である場合は、吸水率は低くできるものの、その変性量によっては硬化成形物の耐熱性が低下することがある。
フェノール樹脂(A)中に含まれる2核体成分の含有量は5%以下である。
これにより、エポキシ樹脂との硬化反応時に架橋構造が速やかに形成され、成形時に優れた硬化性を発現させることができる。
2核体成分の含有量が上記上限値より多い場合は、エポキシ樹脂との硬化反応に関与できずに取り残された2核体成分が成形物中に残存する場合があり、これが成形物表面にボイドを形成して成形物の外観不良を招くことがある。また、2核体成分の含有量が上記上限値未満の場合は、このようなボイドの形成を実質的に防ぐことができ、成形物外観のボイドレス化に効果を発揮する。
これにより、エポキシ樹脂との硬化反応時に架橋構造が速やかに形成され、成形時に優れた硬化性を発現させることができる。
2核体成分の含有量が上記上限値より多い場合は、エポキシ樹脂との硬化反応に関与できずに取り残された2核体成分が成形物中に残存する場合があり、これが成形物表面にボイドを形成して成形物の外観不良を招くことがある。また、2核体成分の含有量が上記上限値未満の場合は、このようなボイドの形成を実質的に防ぐことができ、成形物外観のボイドレス化に効果を発揮する。
フェノール樹脂(A)中のフェノールとオルソ置換フェノール類との比率は特に限定されないが、フェノール樹脂(A)を構成する全芳香環中、フェノールに由来する芳香環の比率が20〜80モル%であることが好ましい。
フェノールに由来する芳香環の比率が上記上限値より多くなると、オルソ置換フェノール類による低吸湿性の効果が少なくなることがある。またフェノールに由来する芳香環の比率が上記下限値より少なくなると、低吸湿性には効果があるものの、エポキシ樹脂との硬化性が低下することがある。
フェノールに由来する芳香環の比率が上記上限値より多くなると、オルソ置換フェノール類による低吸湿性の効果が少なくなることがある。またフェノールに由来する芳香環の比率が上記下限値より少なくなると、低吸湿性には効果があるものの、エポキシ樹脂との硬化性が低下することがある。
フェノール樹脂(A)の軟化点は特に限定されないが、60℃以上、かつ100℃以下であることが好ましい。
軟化点が上記下限値未満の場合、フェノール樹脂(A)の分子量が小さく、常温で液状又は半固形状となりやすいため、エポキシ樹脂混合物を製造する際に、混練時の作業性が低下することがある。また、エポキシ樹脂との硬化反応が速やかに進行せず、硬化性が低下することがある。
また、軟化点が上記上限値より高い場合は、フェノール樹脂(A)の分子量が大きいため、成形時の流動性が小さくなることがある。また、エポキシ樹脂と加熱混合してエポキシ樹脂混合物を製造する際に充分溶融せず、混合が不充分になり、これに伴い成形品の特性が低下することがある。
軟化点が上記下限値未満の場合、フェノール樹脂(A)の分子量が小さく、常温で液状又は半固形状となりやすいため、エポキシ樹脂混合物を製造する際に、混練時の作業性が低下することがある。また、エポキシ樹脂との硬化反応が速やかに進行せず、硬化性が低下することがある。
また、軟化点が上記上限値より高い場合は、フェノール樹脂(A)の分子量が大きいため、成形時の流動性が小さくなることがある。また、エポキシ樹脂と加熱混合してエポキシ樹脂混合物を製造する際に充分溶融せず、混合が不充分になり、これに伴い成形品の特性が低下することがある。
次に、フェノール樹脂(A)の製造方法について述べる。
フェノール樹脂(A)の製造方法としては特に限定されないが、通常のオルソ置換フェノール類による変性ノボラック型フェノール樹脂の合成方法、すなわちフェノールとオルソ置換フェノール類とを酸性触媒の存在下でアルデヒド類と共縮合反応させた後に、水洗や減圧下での蒸留等の方法により、2核体成分の含有量を5%以下まで除去する方法を用いることができる。
フェノール樹脂(A)の製造方法としては特に限定されないが、通常のオルソ置換フェノール類による変性ノボラック型フェノール樹脂の合成方法、すなわちフェノールとオルソ置換フェノール類とを酸性触媒の存在下でアルデヒド類と共縮合反応させた後に、水洗や減圧下での蒸留等の方法により、2核体成分の含有量を5%以下まで除去する方法を用いることができる。
フェノールとオルソ置換フェノール類とを、アルデヒド類と反応させる際には、フェノールとオルソ置換フェノール類とを同時に仕込みアルデヒド類と反応させてもよいし、先ずオルソ置換フェノール類とアルデヒドとを反応させた後、フェノールと必要に応じてアルデヒド類とを添加して共縮合反応を行ってもよい。あるいは、先ずフェノールとアルデヒドとを反応させた後、オルソ置換フェノール類と必要に応じてアルデヒド類とを添加して共縮合反応を行ってもよい。
一般的には、アルデヒド類に対する縮合反応の活性はオルソ置換フェノール類よりフェノールの方が高いため、フェノールとオルソ置換フェノール類を同時に仕込んだ場合は、フェノールとオルソ置換フェノール類の仕込み比率に対する共縮合体中のフェノールとオルソ置換フェノール類の比率は、フェノールの方が大きくなることが多い。
一般的には、アルデヒド類に対する縮合反応の活性はオルソ置換フェノール類よりフェノールの方が高いため、フェノールとオルソ置換フェノール類を同時に仕込んだ場合は、フェノールとオルソ置換フェノール類の仕込み比率に対する共縮合体中のフェノールとオルソ置換フェノール類の比率は、フェノールの方が大きくなることが多い。
フェノール樹脂(A)の製造に使用されるアルデヒド源としては特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド、パラヒドロキシベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒド類は単独または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの化合物の中でも、フェノール、オルソ置換フェノール類との反応性が優れ、工業的に大量生産され安価であるホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドが好ましい。
これらの化合物の中でも、フェノール、オルソ置換フェノール類との反応性が優れ、工業的に大量生産され安価であるホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドが好ましい。
アルデヒド類のモル数としては特に限定されないが、フェノールとオルソ置換フェノール類との合計モル数に対して、0.1以上かつ0.8以下の割合で反応させることが好ましく、0.3以上かつ0.6以下の割合とすることが特に好ましい。
フェノールとオルソ置換フェノール類との合計モル数に対するアルデヒドのモル数が上記下限値未満の場合、得られるフェノール樹脂(A)は軟化点が低くなる傾向があり、エポキシ樹脂との硬化反応において架橋密度が充分に高くならず硬化性が低下することがあり、成形性に影響を与える場合がある。
また、フェノールとオルソ置換フェノール類のモル数の合計に対するアルデヒドのモル数が上記上限値より大きい場合、得られるフェノール樹脂(A)は軟化点が高くなり、成形時の流動性が低下して成形性に影響を与える場合がある。
フェノールとオルソ置換フェノール類との合計モル数に対するアルデヒドのモル数が上記下限値未満の場合、得られるフェノール樹脂(A)は軟化点が低くなる傾向があり、エポキシ樹脂との硬化反応において架橋密度が充分に高くならず硬化性が低下することがあり、成形性に影響を与える場合がある。
また、フェノールとオルソ置換フェノール類のモル数の合計に対するアルデヒドのモル数が上記上限値より大きい場合、得られるフェノール樹脂(A)は軟化点が高くなり、成形時の流動性が低下して成形性に影響を与える場合がある。
フェノール樹脂(A)の製造に使用される酸性触媒としては特に限定されないが、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、パラトルエンスルホン酸、蓚酸等の有機酸や、硫酸、塩酸等の無機酸が使用でき、特に蓚酸、塩酸が好ましい。
フェノール樹脂(A)を合成する際の反応温度、時間は特に限定されないが、各々80〜150℃、1〜10時間程度で行うことが好ましい。
反応は溶媒の不存在下で行うこともできるが、溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒としては反応に不活性な種々の有機溶媒、例えばベンゼン、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
反応終了後、水洗や減圧下での蒸留等により2核体成分を5%以下まで除去させることで本発明のエポキシ樹脂混合物に用いられるフェノール樹脂を得ることができる。
水洗を行う際は、適宜有機溶媒を使用してもよい。例えばメタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類や、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類等が挙げられる。
減圧下で蒸留を行う際は、0〜200torrの減圧下、150〜250℃の条件で行うことが好ましい。さらに水蒸気を併用して2核体成分を水蒸気と共に共沸させて除去させてもよい。
反応は溶媒の不存在下で行うこともできるが、溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒としては反応に不活性な種々の有機溶媒、例えばベンゼン、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
反応終了後、水洗や減圧下での蒸留等により2核体成分を5%以下まで除去させることで本発明のエポキシ樹脂混合物に用いられるフェノール樹脂を得ることができる。
水洗を行う際は、適宜有機溶媒を使用してもよい。例えばメタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類や、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類等が挙げられる。
減圧下で蒸留を行う際は、0〜200torrの減圧下、150〜250℃の条件で行うことが好ましい。さらに水蒸気を併用して2核体成分を水蒸気と共に共沸させて除去させてもよい。
本発明において、フェノール樹脂(A)中に含有される2核体成分の量は、下記の装置及び条件でGPC測定を行って求めたものである。
東ソー社製GPCカラム(G1000HXL:1本、G2000HXL:2本、G3000HXL:1本)を用い、流量1.0ml/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で示差屈折計を検出器に用いて測定した。得られた分子量分布曲線より、2核体成分に相当する部分の面積比率(%)を算出した。
東ソー社製GPCカラム(G1000HXL:1本、G2000HXL:2本、G3000HXL:1本)を用い、流量1.0ml/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で示差屈折計を検出器に用いて測定した。得られた分子量分布曲線より、2核体成分に相当する部分の面積比率(%)を算出した。
フェノール樹脂(A)を構成する全芳香環中のフェノールに由来する芳香環の比率は、水酸基当量を測定することにより求めることができる。水酸基当量は、フェノール樹脂をピリジンと過剰量の無水酢酸でアセチル化し、試料に消費される無水酢酸より発生する酢酸を、水酸化ナトリウム水溶液で滴定することにより求めた。
また、フェノール樹脂(A)の軟化点は、JIS K 7234に記載された環球法により求めた。
本発明のエポキシ樹脂混合物に用いられるエポキシ樹脂(B)としては特に限定されないが、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェノールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは単独でも混合して使用しても良い。
これらの中でも、下記一般式(I)及び/又は(II)で示されるような、ビフェニル構造を有するエポキシ樹脂が低吸湿性に優れるため好ましい。
(一般式(I)中、R1は水素、又は炭素数1〜4のアルキル基であり、式中のR1は、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
(一般式(II)中、R2は水素、又は炭素数1〜4のアルキル基であり、aは1〜3の整数である。式中のR2は、互いに同一であっても異なっていてもよい。R3は水素、又は炭素数1〜4のアルキル基であり、bは1〜4の整数である。式中のR3は、互いに同一であっても異なっていてもよい。mは平均値で1〜10である。)
本発明のエポキシ樹脂混合物において、エポキシ樹脂(B)とフェノール樹脂(A)との配合割合としては特に限定されないが、[全エポキシ樹脂(B)中のエポキシ基数]/[全フェノール樹脂(A)中のフェノール性水酸基数]の比率が、0.8以上かつ1.3以下であることが好ましい。
比率が上記下限値未満であれば余剰のフェノール性水酸基数が多くなり、吸湿性が高くなる傾向が見られる。また、比率が上記上限値を越えると、硬化性、成形性が低下することがある。
比率が上記下限値未満であれば余剰のフェノール性水酸基数が多くなり、吸湿性が高くなる傾向が見られる。また、比率が上記上限値を越えると、硬化性、成形性が低下することがある。
本発明のエポキシ樹脂混合物においては、このほか、硬化促進剤を適宜使用してもよい。
硬化促進剤の種類は特に限定されず、エポキシ基とフェノール性水酸基との硬化反応を促進させるものであれば良く、例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリフェニルホスフィン、2−メチルイミダゾール、テトラフェニルホスホニウム、テトラフェニルボレート等が挙げられ、これらは単独でも混合して使用しても良い。
硬化促進剤の種類は特に限定されず、エポキシ基とフェノール性水酸基との硬化反応を促進させるものであれば良く、例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリフェニルホスフィン、2−メチルイミダゾール、テトラフェニルホスホニウム、テトラフェニルボレート等が挙げられ、これらは単独でも混合して使用しても良い。
次に、本発明のエポキシ樹脂組成物について説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記本発明のエポキシ樹脂混合物と、無機充填材とを含有することを特徴とする。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記本発明のエポキシ樹脂混合物と、無機充填材とを含有することを特徴とする。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いられる無機充填材としては特に限定されないが、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、タルク、アルミナ、窒化珪素等が挙げられ、これらは単独でも混合して使用しても良い。
無機充填材の配合量としては特に限定されないが、全エポキシ樹脂組成物中に60〜95重量%含有することが好ましい。上記下限値未満だと吸水率が高くなる傾向がある。また、上記上限値を越えると、成形時の流動性が低下することがある。
無機充填材の配合量としては特に限定されないが、全エポキシ樹脂組成物中に60〜95重量%含有することが好ましい。上記下限値未満だと吸水率が高くなる傾向がある。また、上記上限値を越えると、成形時の流動性が低下することがある。
本発明のエポキシ樹脂組成物にはこの他に、必要に応じてシランカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、天然ワックス、合成ワックス等の離型剤、臭素化エポキシ樹脂や三酸化アンチモンのような難燃剤、及びシリコーンオイル、ゴム等の低応力添加剤等の、種々の添加剤を適宜配合しても差し支えない。
以下、本発明を実施例により説明する。しかし本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。また、実施例及び比較例に記載されている「部」は「重量部」を示す。
合成例1
攪拌装置、温度計、熱交換器を備えた5Lの4つ口フラスコに、オルソクレゾール578部、フェノール503部、蓚酸3部を仕込み、100℃に昇温させた後、37重量%ホルマリン440部を1時間かけて添加し、98〜102℃で4時間反応を行った。その後140℃まで常圧下で脱水し、さらに80torrの減圧下で200℃まで脱水・脱モノマーを行い、さらに同減圧下200〜210℃で、水蒸気を1200ml/hrの割合で5時間吹き込み、フェノール樹脂480部を得た。
得られた樹脂の2核体成分の含有量は2%、軟化点は81℃であった。水酸基当量値は112g/eqであり、フェノール樹脂を構成する全芳香環中、フェノールに由来する芳香環の比率は60モル%であった。
攪拌装置、温度計、熱交換器を備えた5Lの4つ口フラスコに、オルソクレゾール578部、フェノール503部、蓚酸3部を仕込み、100℃に昇温させた後、37重量%ホルマリン440部を1時間かけて添加し、98〜102℃で4時間反応を行った。その後140℃まで常圧下で脱水し、さらに80torrの減圧下で200℃まで脱水・脱モノマーを行い、さらに同減圧下200〜210℃で、水蒸気を1200ml/hrの割合で5時間吹き込み、フェノール樹脂480部を得た。
得られた樹脂の2核体成分の含有量は2%、軟化点は81℃であった。水酸基当量値は112g/eqであり、フェノール樹脂を構成する全芳香環中、フェノールに由来する芳香環の比率は60モル%であった。
合成例2
合成例1と同様の装置を用いて、オルソクレゾール578部、蓚酸1.5部を仕込み、100℃に昇温させた後、37%ホルマリン220部を30分間かけて添加し、98〜102℃で2時間反応を行った。その後フェノール503部、蓚酸1.5部を仕込み、37%ホルマリン220部を30分間かけて添加し、98〜102℃でさらに2時間反応を行った。140℃まで常圧下で脱水し、さらに80torrの減圧下で200℃まで脱水・脱モノマーを行い、さらに同減圧下200〜210℃で、水蒸気を1200ml/hrの割合で5時間吹き込み、フェノール樹脂490部を得た。
得られた樹脂の2核体成分の含有量は2%、軟化点は85℃であった。水酸基当量値は114g/eqであり、フェノール樹脂を構成する全芳香環中、フェノールに由来する芳香環の比率は45モル%であった。
合成例1と同様の装置を用いて、オルソクレゾール578部、蓚酸1.5部を仕込み、100℃に昇温させた後、37%ホルマリン220部を30分間かけて添加し、98〜102℃で2時間反応を行った。その後フェノール503部、蓚酸1.5部を仕込み、37%ホルマリン220部を30分間かけて添加し、98〜102℃でさらに2時間反応を行った。140℃まで常圧下で脱水し、さらに80torrの減圧下で200℃まで脱水・脱モノマーを行い、さらに同減圧下200〜210℃で、水蒸気を1200ml/hrの割合で5時間吹き込み、フェノール樹脂490部を得た。
得られた樹脂の2核体成分の含有量は2%、軟化点は85℃であった。水酸基当量値は114g/eqであり、フェノール樹脂を構成する全芳香環中、フェノールに由来する芳香環の比率は45モル%であった。
合成例3、4
合成例1と同様の装置を用い、同様の反応方法にて、フェノール、オルソ置換フェノール類、アルデヒド類、蓚酸を表1の通りに仕込み、表1に示す収得量(部)、2核体成分の含有量(%)、軟化点(℃)、水酸基当量(g/eq)、全芳香環中フェノールに由来する芳香環の比率(モル%)であるフェノール樹脂を得た。
合成例1と同様の装置を用い、同様の反応方法にて、フェノール、オルソ置換フェノール類、アルデヒド類、蓚酸を表1の通りに仕込み、表1に示す収得量(部)、2核体成分の含有量(%)、軟化点(℃)、水酸基当量(g/eq)、全芳香環中フェノールに由来する芳香環の比率(モル%)であるフェノール樹脂を得た。
合成例5
合成例1と同様の装置を用い、フェノール1000部、蓚酸3部を仕込み、37%ホルマリン430部を1時間かけて添加し、98〜102℃で4時間反応を行った。140℃まで常圧下で脱水し、さらに80torrの減圧下で200℃まで脱水・脱モノマーを行った後、同減圧下200〜210℃で、水蒸気を1200ml/hrの割合で5時間、フェノール樹脂560部を得た。
得られた樹脂の2核体成分の含有量は2%、軟化点は89℃であった。水酸基当量値は105g/eqであり、フェノール樹脂を構成する全芳香環中、フェノールに由来する芳香環の比率は100モル%であった。
合成例1と同様の装置を用い、フェノール1000部、蓚酸3部を仕込み、37%ホルマリン430部を1時間かけて添加し、98〜102℃で4時間反応を行った。140℃まで常圧下で脱水し、さらに80torrの減圧下で200℃まで脱水・脱モノマーを行った後、同減圧下200〜210℃で、水蒸気を1200ml/hrの割合で5時間、フェノール樹脂560部を得た。
得られた樹脂の2核体成分の含有量は2%、軟化点は89℃であった。水酸基当量値は105g/eqであり、フェノール樹脂を構成する全芳香環中、フェノールに由来する芳香環の比率は100モル%であった。
合成例6
合成例1と同様の装置にて、オルソクレゾール578部、フェノール503部、蓚酸3部を仕込み、100℃に昇温させた後、37%ホルマリン440部を1時間かけて添加し、98〜102℃で4時間反応を行った。その後140℃まで常圧下で脱水し、さらに80torrの減圧下で200℃まで脱水・脱モノマーを行い、フェノール樹脂790部を得た。
得られた樹脂の2核体成分の含有量は19%、軟化点は73℃であった。水酸基当量値は112g/eqであり、フェノール樹脂を構成する全芳香環中、フェノールに由来する芳香環の比率は55モル%であった。
合成例1と同様の装置にて、オルソクレゾール578部、フェノール503部、蓚酸3部を仕込み、100℃に昇温させた後、37%ホルマリン440部を1時間かけて添加し、98〜102℃で4時間反応を行った。その後140℃まで常圧下で脱水し、さらに80torrの減圧下で200℃まで脱水・脱モノマーを行い、フェノール樹脂790部を得た。
得られた樹脂の2核体成分の含有量は19%、軟化点は73℃であった。水酸基当量値は112g/eqであり、フェノール樹脂を構成する全芳香環中、フェノールに由来する芳香環の比率は55モル%であった。
実施例1
合成例1で得られたフェノール樹脂100部、エポキシ樹脂174部、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下、DBUという)4部、溶融シリカ(電気化学(株)製、FB−74X)1854部を、スーパーミキサーを用いて常温で混合したものを、70〜100℃でロール混練し、冷却後粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
合成例1で得られたフェノール樹脂100部、エポキシ樹脂174部、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下、DBUという)4部、溶融シリカ(電気化学(株)製、FB−74X)1854部を、スーパーミキサーを用いて常温で混合したものを、70〜100℃でロール混練し、冷却後粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
実施例2〜6、比較例1〜3
実施例1と同様の製造方法により、表2に示す配合の通りにフェノール樹脂、エポキシ樹脂、DBU、溶融シリカを用いてエポキシ樹脂組成物を得た。
実施例1と同様の製造方法により、表2に示す配合の通りにフェノール樹脂、エポキシ樹脂、DBU、溶融シリカを用いてエポキシ樹脂組成物を得た。
実施例及び比較例で用いたエポキシ樹脂は、下記の通りである。
(1)ビフェニル型エポキシ樹脂:ジャパンエポキシレジン社製・「YX4000H」(エポキシ当量195g/eq)、化学式(I)において、R1がメチル基であるものに相当する。
(2)ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂:日本化薬社製・「NC−3000P」(エポキシ当量274g/eq)、化学式(II)において、R2が水素、R3が水素、mが平均で2.3であるものに相当する。
(1)ビフェニル型エポキシ樹脂:ジャパンエポキシレジン社製・「YX4000H」(エポキシ当量195g/eq)、化学式(I)において、R1がメチル基であるものに相当する。
(2)ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂:日本化薬社製・「NC−3000P」(エポキシ当量274g/eq)、化学式(II)において、R2が水素、R3が水素、mが平均で2.3であるものに相当する。
実施例及び比較例で得られたエポキシ樹脂組成物を評価した結果を表2に示す。
評価方法
(1)スパイラルフロー:EMMI−1−66に準拠したスパイラルフロー測定用金型を用いて、金型温度175℃、圧力70kg/cm2、硬化時間120秒間で測定した。スパイラルフローは流動性のパラメータであり、値が大きい方が流動性が良好である。
(2)硬化性:オリエンテック社製、JSRキュラストメーターIVPSを用いて、ダイスの直径35mm、振幅角1°、成形温度175℃、成形開始90秒後のトルク値を測定した。数値が小さいほど硬化が遅い。
(3)連続成形性:16pDIPを、金型温度185℃、圧力70kg/cm2、成形時間60秒間で連続成形した。未充填や樹脂硬化物の金型への付着といった成形不良が発生するまでの成形回数を測定した。
(4)半田耐湿性試験:16pSOP(チップサイズ3mm×6mm)を、金型温度175℃、圧力70kg/cm2、成形時間120秒間で成形した。ポストキュアとして175℃で8時間処理した。これを85℃、相対湿度85%の環境下で24時間処理し、その後IRリフロー処理(240℃)を行った。更に、プレッシャークッカーで125℃、相対湿度100%、圧力2.4kg/cm2の条件下、回路のオープン不良が発生するまでの時間を測定した。
(5)パッケージ外観不良:低圧トランスファー成形機を用いて成形温度175℃、圧力70kg/cm2、硬化時間120秒間で80pQFP(チップサイズ9mm×9mm、SiNチップ、42合金)のリードフレームを成形し、アフターベークとして175℃、8時間処理した後に、85℃、60%の条件下で168時間の吸水処理を行い、その後に260℃のIRリフローの処理を行った。6個のパッケージの外観を目視観察し、ボイドの発生した不良パッケージの個数を示した。
(1)スパイラルフロー:EMMI−1−66に準拠したスパイラルフロー測定用金型を用いて、金型温度175℃、圧力70kg/cm2、硬化時間120秒間で測定した。スパイラルフローは流動性のパラメータであり、値が大きい方が流動性が良好である。
(2)硬化性:オリエンテック社製、JSRキュラストメーターIVPSを用いて、ダイスの直径35mm、振幅角1°、成形温度175℃、成形開始90秒後のトルク値を測定した。数値が小さいほど硬化が遅い。
(3)連続成形性:16pDIPを、金型温度185℃、圧力70kg/cm2、成形時間60秒間で連続成形した。未充填や樹脂硬化物の金型への付着といった成形不良が発生するまでの成形回数を測定した。
(4)半田耐湿性試験:16pSOP(チップサイズ3mm×6mm)を、金型温度175℃、圧力70kg/cm2、成形時間120秒間で成形した。ポストキュアとして175℃で8時間処理した。これを85℃、相対湿度85%の環境下で24時間処理し、その後IRリフロー処理(240℃)を行った。更に、プレッシャークッカーで125℃、相対湿度100%、圧力2.4kg/cm2の条件下、回路のオープン不良が発生するまでの時間を測定した。
(5)パッケージ外観不良:低圧トランスファー成形機を用いて成形温度175℃、圧力70kg/cm2、硬化時間120秒間で80pQFP(チップサイズ9mm×9mm、SiNチップ、42合金)のリードフレームを成形し、アフターベークとして175℃、8時間処理した後に、85℃、60%の条件下で168時間の吸水処理を行い、その後に260℃のIRリフローの処理を行った。6個のパッケージの外観を目視観察し、ボイドの発生した不良パッケージの個数を示した。
実施例1〜6は、フェノールとオルソ置換フェノール類との共縮合体であり、2核体成分の含有量が5%以下であるフェノール樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)、及び無機充填材を含有する本発明のエポキシ樹脂組成物である。
これらの組成物は、スパイラルフロー、硬化性、連続成形性の測定結果から、成形時の流動性、硬化性に優れたものであった。また、半田耐湿性試験、パッケージ外観不良の測定結果から、低吸湿性に優れ、成形物外観のボイドレス化にも有効であった。
一方、比較例1、2は、フェノール樹脂としてオルソ置換フェノール類変性樹脂を使用しなかった場合であり、比較例3はフェノール樹脂として、2核体成分の含有量が5%を超えるものを用いた場合である。これらの組成物はスパイラルフロー、連続成形性の測定結果で一部実施例と同等の測定値が得られるものの、半田耐湿性試験、パッケージ外観不良の測定結果から、吸湿性が劣り、成形物外観のボイドの発生を抑えることはできなかった。
これらの組成物は、スパイラルフロー、硬化性、連続成形性の測定結果から、成形時の流動性、硬化性に優れたものであった。また、半田耐湿性試験、パッケージ外観不良の測定結果から、低吸湿性に優れ、成形物外観のボイドレス化にも有効であった。
一方、比較例1、2は、フェノール樹脂としてオルソ置換フェノール類変性樹脂を使用しなかった場合であり、比較例3はフェノール樹脂として、2核体成分の含有量が5%を超えるものを用いた場合である。これらの組成物はスパイラルフロー、連続成形性の測定結果で一部実施例と同等の測定値が得られるものの、半田耐湿性試験、パッケージ外観不良の測定結果から、吸湿性が劣り、成形物外観のボイドの発生を抑えることはできなかった。
本発明のエポキシ樹脂混合物を用いたエポキシ樹脂組成物は、成形時の硬化性に優れ、成形物の吸湿性が低く、成形物外観のボイドレス化に効果がある。従って本発明は、例えば、高性能が要求される電子部品封止用の封止材料に用いられるエポキシ樹脂混合物、及びこれを用いたエポキシ樹脂組成物として特に好適である。
Claims (6)
- フェノールとオルソ置換フェノール類との共縮合体であり、2核体成分の含有量が5%以下であるフェノール樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂混合物。
- 前記フェノール樹脂(A)を構成する全芳香環中、前記フェノールに由来する芳香環の比率が20〜80モル%である請求項1に記載のエポキシ樹脂混合物。
- 前記オルソ置換フェノール類が、オルソクレゾールである請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂混合物。
- 前記フェノール樹脂(A)は、軟化点が60℃以上、かつ100℃以下である請求項1ないし3のいずれかに記載のエポキシ樹脂混合物。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載のエポキシ樹脂混合物と、無機充填材とを含有することを特徴とする、エポキシ樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003322512A JP2005089541A (ja) | 2003-09-16 | 2003-09-16 | エポキシ樹脂混合物、及びエポキシ樹脂組成物 |
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---|---|---|---|---|
JP2012007086A (ja) * | 2010-06-25 | 2012-01-12 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 封止用樹脂組成物及び電子部品装置 |
-
2003
- 2003-09-16 JP JP2003322512A patent/JP2005089541A/ja active Pending
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