JP2005088402A - ロール状金属張り板の製造方法 - Google Patents

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昌宏 小國
Osamu Yonenaga
修 米長
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Abstract

【課題】微細回路基板の形成に不可欠な極薄金属箔を用いた金属張り板形成において、金属箔にシワ・歪み等が発生するするのを防ぐ。
【解決手段】耐熱性基材上に金属箔が形成されている金属箔付きフィルムキャリアを用い、この金属箔付きフィルムキャリアから金属箔を転写することによってロール状金属張り板を得るにあたり、金属箔を転写した後すぐにキャリアを除去せず、150℃以上の高温環境下の工程まで付随させる。
【選択図】なし

Description

本発明は耐熱性基材上に金属箔、あるいはロール状金属張り板の製造方法に関するものである。更に詳しくは、ロール状で金属張り板を製造する際、金属箔付きフィルムキャリアを用いることで高温環境下でのロールの巻き締まりを防止することができるロール状金属張り板の製造方法に関するものである。
従来、回路基板用金属箔としては、主として厚み12μm〜35μmの銅箔が使用され、回路基板上に形成される配線幅は75μm以上が一般的であった。しかしながら、電子機器の高機能化・軽薄短小化に伴い、回路基板にも高集積化や高密度化の要求が高まりつつあり、より高密度で微細な配線幅の設計が求められている。
回路基板の配線幅の高密度化及び微細化実現には、回路基板を形成するための金属張り板に用いられる金属箔を極薄、すなわち厚さが12μm以下にすることが不可欠だが、極薄の金属箔を単体で取り扱うとシワや歪みが発生しやすく、取り扱いが極めて困難である。そのため、支持体として金属キャリアを用い、この金属キャリアの上に離型層を形成し、その上に極薄の金属箔を形成する方法が特許文献1やエレクトロニクス実装学会誌Vol.4No.2(2001年)などに開示されており、これを用いて金属張り板を製造する方法が特許文献2、特許文献3などに開示されている。
しかしながら、金属キャリアを使用した場合、キャリアと一緒に扱っている間は極薄金属箔にシワや歪みが発生しないが、極薄金属箔との剥離性が不十分であるため、剥離の際にシワや歪みを発生させてしまう問題を有していた。また、金属をキャリアとして使用するためには、使用する金属に一定の厚みが要求されるので、重量が増加し、取り扱い性が著しく悪化する問題も有していた。
このような問題を解決するため、金属キャリアの代わりにポリエステルフィルムなどの汎用フィルムをキャリアを用いる方法が(福田金属箔分工業(株)・パナック(株)プリント配線板用フィルムキャリア付極薄銅箔CKPFカタログ(2003年4月1日付)などで開示されている。しかしながら、通常の汎用フィルムは耐熱性が不十分であり、フィルム強度も不十分であるため、加熱して金属箔を転写する際にフィルムが変形し、その結果として金属箔にシワや歪みが発生するという問題を有していた。更に、環境問題(鉛フリー化やハロゲンフリー化)や長期信頼性等問題などから、回路基板には従来以上の耐熱性も求められており、そのため回路基板を形成するための金属張り板にも耐熱性が要求されつつある。金属張り板は基材(通常はポリイミドフィルム)と金属箔とを接着剤で張り合わせた3層タイプのものが主流であるが、金属張り板の耐熱性を向上させるため、接着剤の硬化温度が徐々に高温化している。故に金属箔と一緒に取り扱われるキャリアにも耐熱性が必要となってきているが、通常フィルムキャリアに使用されているポリエステルフィルムなどは耐熱性が不十分であった。
特開2002−204049号公報 特開2003−71984号公報 特開2002−316386号公報
本発明は、上記の問題点を解決するものであり、耐熱性基材上に離型層、金属箔がこの順で形成されている金属箔付きフィルムキャリアを用い、金属箔を転写した後すぐにキャリアを除去せず、150℃以上の高温環境下の工程まで付随させることで極薄金属箔の取り扱いが容易となり、極薄金属箔の剥離も容易であり、金属箔にシワや歪みは発生させることがないロール状金属張り板の製造方法を提供することにある。
本発明の第1のロール状金属張り板の製造方法は、耐熱性基材上に金属箔がこの順で形成されている金属箔付きフィルムキャリアを用い、この金属箔付きフィルムキャリアから金属箔を転写することによって得られるロール状金属張り板の製造方法であって、金属箔を転写した後すぐにキャリアを除去せず、150℃以上の高温環境下の工程まで付随させることを特徴とする。
本発明の第2のロール状金属張り板の製造方法は、耐熱性基材上に離型層、金属箔がこの順で形成されている金属箔付きフィルムキャリアを用い、この金属箔付きフィルムキャリアから金属箔を転写することによって得られるロール状金属張り板の製造方法であって、金属箔を転写した後すぐにキャリアを除去せず、150℃以上の高温環境下の工程まで付随させることを特徴とする。
耐熱性基材が耐熱性フィルムであること、金属張り板が耐熱性フィルム、接着剤、金属箔からなる3層構造であること、接着剤が150℃以上の高温環境下で硬化する熱硬化型接着剤であること、接着剤が150℃以上の高温環境下で軟化する熱可塑型接着剤であることは好ましい態様である。
本発明の金属張り板の製造方法を用いることで、極薄金属箔の取り扱いが容易となり、極薄金属箔の剥離も容易であり、巻き締まりによる金属箔の傷や歪み、しわなどの発生がなく、良好なロール状金属張り板を得ることができる。
本発明は耐熱性基材上に離型層、金属箔がこの順で形成されている金属箔付きフィルムキャリアを用い、この金属箔付きフィルムキャリアから金属箔を転写することによって得られるロール状金属張り板であって、金属箔を転写した後すぐにキャリアを除去せず、150℃以上の高温環境下の工程まで付随させることを特徴としている。耐熱性基材を用いることで金属箔が極薄であっても取り扱いが容易であり、極薄金属箔の剥離も容易であり、耐熱性も良好であるので、金属箔を転写した後にすぐにキャリアを除去する必要がなく、150℃以上の高温環境下の工程まで付随することが可能となる。
本発明における耐熱性基材としては、金属あるいは耐熱性フィルムが挙げられる。金属の材質としては、ステンレス、アルミニウム、銅、鉛、亜鉛、錫、ニッケル、クロム、銀、金、チタン、パラジウムなどが挙げられる。これらの金属は単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。また、耐熱性フィルムの材質としては、ポリフェニレンサルファイド、アラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマーなどが挙げられるがこれらに限定されない。これらの耐熱性フィルムの材質は単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもい。これらの中では銅、ステンレス、アルミニウム、ポリイミド、アラミド、液晶ポリマーが好ましく、特にポリイミドが好ましい。ポリイミドの具体例としては、以下の酸成分とジアミン成分とを用いて得られるポリイミドが挙げられる
(1)酸成分
ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンジカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−デカヒドロナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,5,6−ヘキサヒドロナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,8,9,10−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等。
(2)ジアミン成分
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、ベンチジン、4,4’−ジアミノジフェニルサルファイド、3,4’−ジアミノジフェニルサルファイド、3,3’−ジアミノジフェニルサルファイド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、2,6−ジアミノピリジン、ビス−(4−アミノフェニル)ジエチルシラン、3,3’−ジクロロベンチジン、ビス−(4−アミノフェニル)エチルホスフィノキサイド、ビス−(4−アミノフェニル)フェニルホスフィノキサイド、ビス−(4−アミノフェニル)−N−フェニルアミン、ビス−(4−アミノフェニル)−N−メチルアミン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジメチル−3’,4−ジアミノビフェニル3,3’−ジメトキシベンチジン、2,4−ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、p−ビス(2−メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス−(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,3−ジアミノアダマンタン、3,3’−ジアミノ−1,1’−ジアミノアダマンタン、3,3’−ジアミノメチル1,1’−ジアダマンタン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4’−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサエチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、N−(3−アミノフェニル)−4−アミノベンズアミド、4−アミノフェニル−3−アミノベンゾエート等。
これらの中では、とりわけビフェニルテトラカルボン酸骨格、ピロメリット酸骨格、フェニレンジアミン骨格、ジアミノジフェニルエーテル骨格を有するポリイミドが好ましい。このような骨格を有するポリイミドフィルムとしては、東レ・デュポン(株)製“カプトン”H、“カプトン”EN、“カプトン”K、鐘淵化学工業(株)製“アピカル”AH、“アピカル”NPI、“アピカル”HP、宇部興産(株)製“ユーピレックス”S、“ユーピレックス”Rなどが挙げられるが、これらに限定されない。
耐熱性フィルムの物性としては、熱収縮率が0.05%以下、熱膨張係数が銅箔と近似の9〜28ppm/℃であることが好ましく、熱膨張係数が12〜18ppm/℃であることがより好ましい。フィルム厚みとして好ましくは1〜500μm、より好ましくは5〜225μm、更に好ましくは5〜175μmである。フィルムが薄すぎると金属箔を十分に支持できず、金属箔にシワや歪みを発生させてしまうので好ましくない。またフィルムが厚すぎると金属箔をうまく積層できないのでやはり好ましくない。
耐熱性基材上に離型層あるいは直接金属箔を形成する。離型層を形成する場合、離型層は1種類の離型剤から形成してもよいが、好ましくは2種類以上の離型剤を積層した構成がよい。2種類以上の離型剤を積層することでを、様々な金属箔に対応することが可能となり、金属箔を金属張り板上に転写するのも容易となり、金属張り板の各種接着剤硬化温度にも対応することができる。離型層に用いられる離型剤の種類については特に限定されないが、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アルキルカーバメート樹脂、水添テルペン樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂などが選ばれる。これらの樹脂は単独または2種類以上混合して用いられ、更にポリエチレンやポリプロピレンなどの他の樹脂と適宜混合して用いることもできる。
離型層の上、あるいは直接耐熱性基材上に積層される金属箔としては、極薄の金属箔が選ばれる。このような極薄金属箔の厚みとしては、10nm以上35μm以下であるものが用いられ、より好ましくは厚みが100nm以上12μm以下であるものが用いられ、更に好ましくは500nm以上9μm以下であるものが用いられる。金属箔が極度に薄すぎるとうまく転写できず、またせっかくキャリアでシワや歪みが発生するのは防いでも転写後にシワや歪みが発生する。逆に金属箔が厚すぎると微細配線形成に不利となるので上記範囲が選ばれる。金属箔の種類としては、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、亜鉛、鉛、スズ、銀、金、ステンレスなどが挙げられるが、回路基板の配線として用いられることから、主として銅からなる金属箔であることが好ましい。金属箔形成の方法としては、離型層の上に電解銅箔あるいは圧延銅箔をラミネートする方法、離型層の上に鍍金、スパッタ、蒸着のいずれかの方法で形成する方法が挙げられる。また、場合によっては鍍金やスパッタ、蒸着などを適宜組み合わせて形成してもよい。ここで、鍍金としては無電解鍍金、電解鍍金のいずれでもよい。
上記のような構成で得られる金属箔付きフィルムキャリアを用い、この金属箔付きフィルムキャリアから金属箔を転写することによってロール状金属張り板を得る。ここで得られるロール状金属張り板としては、耐熱性フィルムと金属箔とからなる2層構造でもよいが、好ましくは耐熱性フィルム、接着剤、金属箔からなる3層構造が選ばれる。3層構造にすることで、転写後の金属箔が接着剤を介して耐熱性フィルムと強固に接着し、密着強度に優れた金属張り板を得ることができる。このような3層構造の金属張り板に用いられる接着剤としては、耐熱性接着剤が挙げられる。耐熱性接着剤として熱硬化型接着剤と熱可塑性接着剤とが挙げられるが、エポキシ樹脂系熱硬化型接着剤、ポリイミド樹脂系熱硬化型接着剤、ポリイミド樹脂系熱可塑性接着剤、液晶ポリマー系熱可塑性接着剤が好ましい。得られる金属張り板に耐熱性が要求される場合が多いので、150℃以上の高温環境下で硬化する熱硬化型接着剤、あるいは150℃以上の高温環境下で初めて軟化する熱可塑性接着剤がとりわけ好ましい。150℃以上で熱硬化する接着剤としては、ポリイミド前駆体からなる接着剤(まだイミド化されていない状態の接着剤)、耐熱性エポキシ樹脂接着剤(まだ完全にエポキシ基が硬化反応していない接着剤)が選ばれる。また、150℃以上で軟化する接着剤としては、アルキル骨格やシロキサン骨格を有する熱可塑性ポリイミド接着剤(既にイミド化されている状態の接着剤)が選ばれる。
金属箔の転写条件としては、金属箔が問題なく転写できる条件であれば特に限定されないが、好ましくは50〜300℃の熱ロールを用い、ロール圧1〜20MPaの加圧状態で転写する方法が選ばれる。より好ましくは50〜200℃の熱ロールを用い、ロール圧1〜5MPaの加圧状態で転写する方法である。
本発明の最大の特徴は、金属箔付きフィルムキャリアを用い、金属箔を転写することでロール状金属張り板を得るにあたり、金属箔転写後すぐにキャリアを除去しない点にある。通常は、キャリアに十分な耐熱性がないため、転写後すぐにキャリアを除去しておかないと、転写後の高温環境下、とりわけ150℃以上の高温環境下の工程でキャリアが変質してしまい、ロール状金属張り板に悪影響を及ぼすだけでなく、場合によっては転写した金属箔を汚染してしまう。しかしながら、転写後すぐにキャリアを除去してしまうと、高温環境下の工程でロール状金属張り板に巻き締まりが生じ、金属箔に傷や歪み、しわなどを発生させてしまう。本発明の製造方法を用いれば、キャリアに十分な耐熱性があるため、転写後すぐにキャリアを除去しなくとも、150℃以上の高温環境下でもキャリアが変質せず、金属箔を汚染することがない。また、キャリアが存在することで、キャリアが緩衝材と保護フィルムの両方の役目を果たし、ロール状金属張り板の巻き締まりが防止されるので、巻き締まりによる金属箔の傷や歪み、しわなどの発生がなく、結果として良好なロール状金属張り板を得ることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
耐熱性基材としてロール状の耐熱性フィルムである東レ・デュポン(株)製ポリイミドフィルム”カプトン”150EN(37.5μm厚)を用いた。この耐熱性基材の上に、シリコーン系離型剤を厚み1μmで形成し、離型層を得た。
得られた離型層の上にNi/Cr=95/5合金を100nm厚になるようにスパッタし、その後に銅を500nm厚になるようにスパッタし、その後に無電解銅鍍金、電解銅鍍金、防錆処理を施し、総厚みが2μmである主として銅からなる金属箔を形成し、ロール状の金属箔付きフィルムキャリアを得た。
回路基板のベース基材としてロール状の東レ・デュポン(株)製ポリイミドフィルム”カプトン”50EN(12.5μm厚)を用い、この片面に三井化学(株)製熱硬化型エポキシ樹脂系接着剤EPOX−AH357を乾燥厚み15μmで塗布して形成した。上記で得られた金属箔付きキャリアフィルムを使用し、金属箔付きフィルムキャリアの金属箔とエポキシ樹脂系接着剤が貼り合わさるよにして70℃×10秒(2MPa加圧下)で加圧圧着させ、そのままフィルムキャリアと共にロール状に巻き取った。
得られたロール状のものを加熱オーブン中で250℃×24時間処理し、エポキシ樹脂系接着剤を硬化させると共に、金属箔とエポキシ樹脂系接着剤とを強固に接着させた。接着剤硬化後、フィルムキャリアを除去し、金属箔・接着剤・ポリイミドフィルムの3層構造からなる金属張り板を得た。
得られた金属張り板の外観を検査したところ、2μm厚という極薄の金属箔にもかからわず、シワや歪みは観察されなかった。また、フィルムキャリアの離型層の転写も観察されず、高密度回路基板に適した金属張り板が得られていた。
[実施例2]
耐熱性基材として、ロール状の耐熱性フィルムである東レ・デュポン(株)製ポリイミドフィルム”カプトン”200H(50μm厚)を用いた。この耐熱性基材の上に、アルキルカーバイド系離型剤を厚み5μmで形成し、離型層を得た。
得られた離型層の上に、電極ドラム上で形成した厚みが1μmの電解銅箔を50℃×10秒(2MPa加圧下)で転写することで金属箔付きフィルムキャリアを得た。
回路基板のベース基材としてロール状の東レ・デュポン(株)製ポリイミドフィルム”カプトン”50H(12.5μm厚)を用い、この片面に三井化学(株)製熱硬化型エポキシ樹脂系接着剤EPOX−AH357を乾燥厚み15μmで塗布して形成した。上記で得られた金属箔付きキャリアフィルムを使用し、金属箔付きフィルムキャリアの金属箔とエポキシ樹脂系接着剤が貼り合わさるよにして70℃×10秒(2MPa加圧下)で加圧圧着させ、そのままフィルムキャリアと共にロール状に巻き取った。
得られたロール状のものを加熱オーブン中で300℃×20時間処理し、エポキシ樹脂系接着剤を硬化させると共に、金属箔とエポキシ樹脂系接着剤とを強固に接着させた。接着剤硬化後、フィルムキャリアを除去し、金属箔・接着剤・ポリイミドフィルムの3層構造からなる金属張り板を得た。
得られた金属張り板の外観を検査したところ、1μm厚という極薄の金属箔にもかからわず、シワや歪みは観察されなかった。また、フィルムキャリアの離型層の転写も観察されず、高密度回路基板に適した金属張り板が得られていた。
[実施例3]
耐熱性基材として、ロール状の耐熱性フィルムである鐘淵化学工業(株)製ポリイミドフィルム”アピカル”25NPI(25μm厚)を用いた。この耐熱性基材の上に、パラジウム核付け、活性化処理、無電解銅鍍金、電解銅鍍金、無電解錫鍍金をこの順に施し、トータル厚みが3μmである主として銅からなる金属箔を形成し、金属箔付きフィルムキャリアを得た。
回路基板のベース基材として鐘淵化学工業(株)製ポリイミドフィルム”アピカル”25NPI(25μm厚)を用い、この両面に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノフェニル)ジシロキサン、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物から得られるポリアミック酸をN−メチルピロリドン溶媒を用いて塗布し、100℃×10分、200℃×10分、300℃×20分処理し、溶媒除去及びイミド化することで、熱可塑性ポリイミド系接着剤を形成した。上記で得られた金属箔付きキャリアフィルムを使用し、金属箔付きフィルムキャリアの金属箔と両面のポリイミド系接着剤とが貼り合わさるよにして100℃×10秒(2MPa加圧下)で加圧圧着させ、そのままフィルムキャリアと共にロール状に巻き取った。
得られたロール状のものを加熱オーブン中で300℃×1時間処理し、ポリイミド系接着剤を一度軟化させて金属箔と強固に接着させた。その後にフィルムキャリアを除去し、金属箔・接着剤・ポリイミドフィルム・接着剤・金属箔の5層構造からなる両面金属張り板を得た。
得られた金属張り板の外観を検査したところ、3μm厚という極薄の金属箔にもかからわず、シワや歪みは観察されなかった。また、フィルムキャリアの離型層の転写も観察されず、高密度回路基板に適した金属張り板が得られていた。
[実施例4]
耐熱性基材として、ロール状の耐熱性フィルムである宇部興産(株)製ポリイミドフィルム“ユーピレックス”25S(50μm厚)を用いた。この耐熱性基材の上に、Niを100nm厚になるようにスパッタし、その後に銅を1000nm厚になるようにスパッタし、その後に電解銅鍍金を施し、総厚みが1.5μmである主として銅からなる金属箔を形成し、ロール状の金属箔付きフィルムキャリアを得た。
回路基板のベース基材として鐘淵化学工業(株)製ポリイミドフィルム”アピカル”25NPI(25μm厚)を用い、この両面に3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ヘキサメチレンジアミン、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物から得られるポリアミック酸をN−メチルピロリドン溶媒を用いて塗布し、100℃×10分、200℃×10分、350℃×20分処理し、溶媒除去及びイミド化することで、熱可塑性ポリイミド系接着剤を形成した。上記で得られた金属箔付きキャリアフィルムを使用し、金属箔付きフィルムキャリアの金属箔と両面のポリイミド系接着剤とが貼り合わさるよにして120℃×10秒(2MPa加圧下)で加圧圧着させ、そのままフィルムキャリアと共にロール状に巻き取った。
得られたロール状のものを加熱オーブン中で400℃×1時間処理し、ポリイミド系接着剤を一度軟化させて金属箔と強固に接着させた。その後にフィルムキャリアを除去し、金属箔・接着剤・ポリイミドフィルム・接着剤・金属箔の5層構造からなる両面金属張り板を得た。
得られた金属張り板の外観を検査したところ、3μm厚という極薄の金属箔にもかからわず、シワや歪みは観察されなかった。また、フィルムキャリアの離型層の転写も観察されず、高密度回路基板に適した金属張り板が得られていた。
[比較例1]
実施例1において、金属箔付きフィルムキャリアを加圧圧着した直後にフィルムキャリアを除去する以外が全て実施例1と同様にして3層構造からなる金属張り板を得た。
得られた金属張り板の外観を検査したところ、2μm厚という極薄の金属箔のところどころにシワ歪みが観察され、高密度回路基板に使用できる状態ではなかった。
[比較例2]
実施例1において、金属箔付きフィルムキャリアを加圧圧着した直後にフィルムキャリアを除去する以外が全て実施例2と同様にして3層構造からなる金属張り板を得た。
得られた金属張り板の外観を検査したところ、1μm厚という極薄の金属箔のところどころにシワ歪みが観察され、高密度回路基板に使用できる状態ではなかった。
本発明の金属張り板の製造方法を用いることで、極薄金属箔の取り扱いが容易となり、極薄金属箔の剥離も容易であり、巻き締まりによる金属箔の傷や歪み、しわなどの発生がなく、良好なロール状金属張り板を得ることができ、このロール状金属張り板は高密度回路基板に適用可能である。

Claims (6)

  1. 耐熱性基材上に金属箔がこの順で形成されている金属箔付きフィルムキャリアを用い、この金属箔付きフィルムキャリアから金属箔を転写することによって得られるロール状金属張り板の製造方法であって、金属箔を転写した後すぐにキャリアを除去せず、150℃以上の高温環境下の工程まで付随させることを特徴とするロール状金属張り板の製造方法。
  2. 耐熱性基材上に離型層、金属箔がこの順で形成されている金属箔付きフィルムキャリアを用い、この金属箔付きフィルムキャリアから金属箔を転写することによって得られるロール状金属張り板の製造方法であって、金属箔を転写した後すぐにキャリアを除去せず、150℃以上の高温環境下の工程まで付随させることを特徴とするロール状金属張り板の製造方法。
  3. 耐熱性基材が耐熱性フィルムであることを特徴とする請求項1または2記載のロール状金属張り板の製造方法。
  4. 金属張り板が耐熱性フィルム、接着剤、金属箔からなる3層構造であることを特徴とする請求項1記載のロール状金属張り板の製造方法。
  5. 接着剤が150℃以上の高温環境下で硬化する熱硬化型接着剤であることを特徴とする請求項4記載のロール状金属張り板の製造方法。
  6. 接着剤が150℃以上の高温環境下で軟化する熱可塑型接着剤であることを特徴とする請求項4記載のロール状金属張り板の製造方法。
JP2003325904A 2003-09-18 2003-09-18 ロール状金属張り板の製造方法 Pending JP2005088402A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006305914A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Asahi Kasei Corp 積層基板の製造方法
JP2011176121A (ja) * 2010-02-24 2011-09-08 Nitto Shinko Kk 半導体装置及び半導体装置の製造方法

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