JP2005087860A - 産業廃棄物処分場の浸出水の処理方法。 - Google Patents

産業廃棄物処分場の浸出水の処理方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】 管理型最終処分場からの浸出水について化学的酸素要求量、生物的酸素要求量、全窒素量を一般排水基準まで低減する手段を提示すること。さらにはノニルフェノールに代表される内分泌撹乱性化学物質(通称環境ホルモン)をも分解する手段を提示すること。
【解決手段】 産業廃棄物処分場から排出する浸出水に導電性ダイヤモンド電極を陽極として電解処理を行なった後、該電解処理済み浸出水に、必要に応じて水希釈とpH調整ののち、生物処理を施すことを特徴とする産業廃棄物処分場の浸出水の処理方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、有害物質等を含有する産業廃棄物処分場等の浸出水やこれに類する環境有害物質含有排水を無害化する方法に関し、具体的には、高酸化電位を適用した電解酸化とさらに生物処理を組み合わせた廃液無害化方法に関する。
現在、一般廃棄物、産業廃棄物などは、主として、そのまま、あるいはこれらを焼却してその焼却灰を、一般廃棄物処分場、産業廃棄物処分場等に埋立て処分されている。管理型廃棄物処分場では、処分場底面に遮蔽用のゴムシートを敷いてその上に廃棄物を埋立て処分したり、あるいは土壌の中に、コンクリート製の格納設備を設けてこの中に廃棄物を埋立て処分しており、廃棄物より漏出する浸出水は上記ゴムシート隔膜内あるいはコンクリート製の格納設備内の底部に設けられた集水管により処分場端末の浸出水処理設備に移送される。管理型処分場からの浸出水は、全有機炭素量(TOC)や全窒素量(TN)が高い上に有害な無機あるいは有機化学物質など各種の環境有害物質によって汚染されていることが多いので、処分場末端部の処理施設に集められ、無害化処理が施された後に処分場外に排出される。このようにして廃棄物から浸出する危険物質、有害物質等を含む浸出水は上記遮蔽シート内又は遮蔽コンクリート内に遮蔽された内側から集水され、無害化処理されるので、有害な状態のまま環境中には流出しないが、その無害化処理は、多様な汚染物質のために単一の手段では困難であり、多大のコストがかかってしまう。
また、一般産業廃棄物の処分場でも、その周辺が廃棄物の浸出水でしばしば汚染されてしまうことがあり、そのような場合には地下水汚染を防止するために上記同様の浸出水無害化処理が必要となる。
特許文献1には、この種の環境有害物質を含む浸出水を化学的及び/又は物理化学的分解手段と生物処理手段とを組み合せて無害化する方法が提示されている。この文献から判るように、最終処分場からの浸出水の無害化には複雑な組み合せ処理が必要であり、かつそれでもなお満足なレベルまでの浄化を行なうには極めて高コストを要している。
特許文献2には、廃棄物処分場の周辺の汚染された土壌の含有水を広域電解処理によって浄化する方法が提示されている。しかしながら、電解酸化処理で環境に無害な形態に変化しうる物質は限られている。さらに、より基本的には、汚染が周辺土壌に拡散してから汚染土壌を広域にわたって除害するよりは、土壌汚染に至る前に廃棄物浸出水を無害化処理することが本来の対応であり、かつ実際的である。
特許文献3には、金属電極を用いた電気分解装置を用いて、埋め立て地浸出排水中のダイオキシン、PCB等の難分解性の有機化合物を分解する方法が提示されている。しかしながら、本発明者らの検討では、金属電極による電解効率は十分高いとは言えず改良が必要であり、実際には、これら難分解性生物の分解物が電解処理済み廃液中に残存しておりそのまま排出することは出来ないため、二次的な排水処理が必要である。
この出願の発明に関連する前記の先行技術には、次の文献がある。
特開2000−354892号公報 特開2000−167559号公報 特開2003−126860号公報
本発明は、管理型最終処分場からの浸出水の処理には、無害化手段を組み合せても、コストや目的充足性の点で満足な方法が得られていないという上記背景に鑑みてなされたものであり、従ってその目的は、産業廃棄物処分場、とくに管理型最終処分場からの浸出水やこれに類する汚染した排水(以下,両者を含めて浸出水と呼ぶ)を低コストでかつ高度に無害化できる無害化手段を提示すること、より具体的には、上記浸出水中に含有される化学的酸素要求量(COD)、生物的酸素要求量(BOD)、全窒素量(TN)を一般排水基準まで低減する手段を提示することである。さらにはノニルフェノールに代表される内分泌撹乱性化学物質(通称環境ホルモン)をも分解する手段を提示することである。
本発明者らは、上記目的の解決方法を見出すために、高濃度のTN、BOD及びCODなどの環境汚染要因除去手段を検討した結果、塩素イオンの存在下での導電性ダイヤモンド電極による電解処理によって少なくとも非生分解性の汚濁を顕著に低減できることを見出し、この事実を利用して上記目的を達する本発明に到達した。すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)産業廃棄物処分場から排出する浸出水に導電性ダイヤモンド電極を陽極として電解処理を行なった後、該電解処理済み浸出水に、必要に応じて水希釈とpH調整ののち、生物処理を施すことを特徴とする産業廃棄物処分場の浸出水の処理方法。
(2)浸出水を排出する産業廃棄物処分場が管理型処分場であることを特徴とする上記(1)に記載の産業廃棄物処分場の浸出水の処理方法。
(3)浸出水が有機ハロゲン化合物を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の産業廃棄物処分場の浸出水の処理方法。
本発明の産業廃棄物処分場の浸出水の処理方法の特徴は、該浸出水の電解酸化処理に導電性のダイヤモンド陽極を使用したことと、さらに電解処理済み浸出水に生物処理を施したにある。
導電性のダイヤモンド電極を用いると印加電圧を高くできるのでその分だけ高い酸化力が得られて、浸出水中の重金属類除去と難分解性のCOD寄与物質の分解とが効果的に進行する。また、アンモニアの発生もなく、逆に窒素化合物が酸化されて硝酸イオンが生成するため、陰極還元によって(さらにアンモニアも関与して)脱膣されるためか、TNが低減し、排水規制対応の面からは、CODのみでなくTNも低減される。
また、管理型処分場の浸出水は、通常かなりの濃度レベルの塩素イオンを含んでおり、またさらに食塩などの塩素イオン源を添加することもできるが、塩素イオンが浸出水に含まれていると上記した無害化作用は一段と強化される。その作用機構は、陽極酸化によって次亞塩素酸イオンが発生し、とくに低pH領域では次亞塩素酸イオン/塩素比が塩素側に移行するので酸化力も一段と強化され、しかも次亞塩素酸イオン/塩素平衡が成立した状態で物質拡散が進むので酸化作用が陽極表面に限られることなく、反応速度も迅速化されるためと考えている。
前記したようにこのような強力な酸化性雰囲気のもとでは、電極の消耗と重金属電極(例えば鉛、酸化鉛)からの金属溶出が甚だしく、金属電極やグラファイト電極の使用は実際的ではなかったが、導電性ダイヤモンド電極では高い電位を印加しても酸化溶出がなく安定に電解処理を施すことが可能となった。しかも白金などの貴金属電極に起こりがちな被毒現象も見られない。
ダイヤモンド電極を用いれば、公知の酸化鉛、酸化錫、白金等の重金属電極で見られた陽極金属溶出による被処理液の汚染はなく、かつ、より高い電解効率によってTOC,COD及びTNが減少する。
この過程では非生分解性のCOD寄与物質が分解してBODに寄与する低分子化合物も起こるのでBODの減少は少なく、むしろ浸出水の性質によっては増加することもあり得るが、本発明の方法では、浸出水の電解酸化処理に続いて生物処理を施すので、BODも、生物処理によって当該地域の排水基準を満たすレベルまで十分に低下させることができる。
塩素イオン存在下で導電性のダイヤモンド電極を用いる本発明の産業廃棄物処分場の浸出水の処理方法によって、浸出水中に含有される重金属類とTN(全窒素量)、BOD及びCODなどの環境汚染要因のいずれをも少なくとも汎用2次処理によって完全無害化可能レベルまで低減させることが可能となる。また、本来、最終処分場廃棄物には意図的に含まれることはないが、廃棄物排出元の誤投棄や、古い廃棄物処分場で成分として検出されるケースがあるPCBやダイオキシン等の難分解性で毒性の高い成分やノニルフェノールに代表される内分泌撹乱性化学物質(通称環境ホルモン)をも分解することができる。
以下、本発明をさらに具体的に詳述する。
[浸出水の処理設備及び処理工程の概要]
本発明の主要な対象は、管理型の最終処分場の浸出水である。典型的な管理型の最終処分場の構造と、浸出水の集水方式、集水した浸出水の本発明の方法による処理工程をその設備と共に図によって説明する。図1は、典型的な管理型処分場の構造の概要と本発明の浸出水処理用の排水処理設備の構成を示す概略図である。
図1において、管理型処分場1は、多くの場合は斜面や窪地地形の安定した地質21を利用して設けられ、通常1〜3mm厚味の遮蔽シート2を1枚以上用いて底部を構成し、堰堤3によって側壁を構成し、基部4によって堰堤と遮蔽シートの結合を確保した構造であり、遮蔽シートと堰堤に囲まれた埋立て処分エリア5が確保される。埋立て処分エリア5の底部には、集水管6が配されて埋立てられた産業廃棄物からの浸出水を受け入れ、その浸出水は集水管6に導かれて斜面にそって流下して貯槽7に貯留される。貯槽7に貯留された浸出水は、送液管14によって、本発明の浸出水処理を行なう排水処理設備22〜23に送られる。
排水処理設備は、電解処理部22と生分解処理部23から成る。電解処理部22は、電解槽8と、槽内に設置された通常複数枚の導電性ダイヤモンド陽極9と、これに対向して設けられている陰極10と、導電性ダイヤモンド陽極9と陰極10の間に電圧を印加する電源11と、必要により浸出水のpHを調節する貯酸槽12と、貯酸槽12から電解槽8に酸を供給する配管13から構成されている。電解処理された浸出水は、送液管15によって生分解処理部23入口の図示してない調整槽に送られる。生分解処理部23では、図示しない調整槽において必要に応じて適当な希釈、pH調整及び残留塩素除去が行なわれたのち、微生物処理槽16及び17(ここでは2槽構成であるが、限定されない)で微生物(通常活性汚泥)と混在下で曝気処理され、処理済み液は沈降槽18において沈降・ろ過などの操作で汚泥と分離されて送液管によって調整槽19に送られ、調整槽19で水質調整と水質確認が行なわれたのち、放流経路20によって河川放流あるいは公共下水道などの2次処理設備に排出可能となる。沈降槽18において分離された汚泥Mは、脱水処理装置Cで脱水後、再度最終処分地5に埋め戻される。また、上述の図示しない調整槽は、電解槽8のオーバーフローを希釈水と共に直接pHスタット付きの微生物処理槽16に投入することも出来る。
[電解酸化処理]
<電解酸化処理工程の概要>
本発明において、電解処理は、電極酸化が起こり易いレドックス触媒作用を持つイオンの存在下で行なわれる。管理型処分場の浸出水は、通常かなりの濃度レベルの塩素イオンを含んでいるので、これが塩素イオン/次亜塩素酸イオンのレドックス触媒作用を行なうので前記した電解促進作用が生じる。またさらに食塩などの塩素イオン源を添加することもできる。また、浸出水が硫酸イオンを含んでいるなら、酸性領域で過硫酸イオン/硫酸イオンのレドックス触媒作用が行なわれる。
触媒量として好ましい塩素イオン濃度(又は硫酸イオン濃度、あるいは他のハロゲン酸イオン濃度)は、0.1g/L〜500g/Lであり、1g/L〜50g/Lが特に好ましい。浸出水を電解する場合の廃液のpHはアルカリ性〜酸性に亘る広い領域を選択できるが、電解酸化を行うことにより、該塩素イオンは陽極において次亜塩素酸に酸化され、多少の塩素ガスの発生が許容される環境であれば、酸性領域とするのが酸化力の強化の点で好ましい。
<陽極>
本発明では、導電性ダイヤモンドを陽極用電極物質として使用することを第1の特徴としており、塩素イオンなどとの協働作用によって浸出水中の難分解性物質の電気分解を効率良く行なえる。本発明において"導電性ダイヤモンド電極”とは1MΩcm未満の電気抵抗率を有するダイヤモンド電極を意味するが、誤解の恐れのない限り“導電性”を省略して記すこともある。
本発明の電極物質であるダイヤモンドは、粉末ダイヤモンドを基体であるチタン、ニオブ、タンタル、シリコン、カーボン、ニッケル、タングステンカーバイド等の板、打抜き板、金網、粉末焼結体、金属繊維焼結体等の表面に後述の方法により被覆して構成してもよく、また板状のダイヤモンドをそのまま電極として使用しても良いが、コスト面から前者を採用することが望ましい。前者におけるダイヤモンド被覆層を本明細書では、ダイヤモンド層と記す。又密着性の確保と基体の保護とを目的として基体とダイヤモンド層の間に中間層を設けることが好ましい。中間層の材質としては基体を構成する金属の炭化物や酸化物が使用できる。基体表面は密着性と反応面積増大に寄与するため研磨しても良いし、逆に粗にしてもよい。又電極物質としてダイヤモンド以外に少量の他の電極物質を含有していても良い。基体はダイヤモンドの集電体としても機能し、ダイヤモンド板を使用する場合には、別に集電体を用意してダイヤモンド電極への給電を行う必要がある。
ダイヤモンド層の基体表面への形成方法としては、熱フィラメントCVD法、マイクロ波プラズマCVD法、プラズマアークジェット法、PVD法などが開発されている。次に代表的な熱フィラメントCVD法について説明する。炭素源となるアルコールなどの有機化合物を水素ガス中等の還元雰囲気に保ち、炭素ラジカルが生成する温度1800〜2400℃に維持する。このとき電極基体を、ダイヤモンドが析出する別の温度(750 〜950 ℃)領域に設置する。水素に対する好ましい有機化合物ガス濃度は0.1 〜10容量%、供給速度は反応容器の寸法にも依るが0.01〜10リットル/分、圧力は15〜760 mmHgである。ダイヤモンド微細粒子は通常0.01〜5μm程度の粒径を有し、本発明では前記条件により前記基体上にダイヤモンド粉末を蒸着させて、厚さ0.1 〜50μm好ましくは1〜10μmの厚さのダイヤモンド層とする。この厚さは基体への電解液の浸入を防ぐために好適な厚さである。生成するダイヤモンド層に良好な導電性を付与するためには原子価の異なる元素を微量添加(ドーピング)することが必要で、例えばリンや硼素を1〜100000ppm 、好ましくは100 〜10000 ppm 程度含有させる。この添加物の原料化合物としては毒性の少ない酸化硼素や五酸化二リンなどが好ましい。
十分な電導性を付与するためのドーピングには、プラズマ増強CVD(PECVD)ダイヤモンド蒸着法を利用することが好ましい。ドーピングされた電極の製作方法の詳細は、例えば、Ramesham, Thin Solid Films 、229巻 (1993) 44〜50頁に記載されている。PECVDダイヤモンド層は、マイクロ波プラズマにより活性化したメタン及び水素ガスの混合物から製造したホウ素ドーピング化多結晶質ダイヤモンドである。この方法によるダイヤモンド層の蒸着は当業者によく理解されている(例えば、Klages, Appl.Phys. A56巻 (1993) 、513〜526頁を参照)。
熱フィラメントCVD(HFCVD)法(Klages, Appl.Phys. A56巻 (1993) 513〜526頁 を参照)により製造したダイヤモンド層は、 Advanced Technology Materials.Inc., 7 Commerce Drive, Danbury,CT 06810、米国から市販されている。
ダイヤモンド電極の製法としては、特開平8-225395号公報段落0007に記載されている真空チャンバー内での化学蒸着法も好ましい。
導電性ダイヤモンド電極材料の最も重要な性質の1つは電気電導性である。十分な電導性がなければ、目的とする電解を進めるのに必要な電圧が過度となり、経済的に実行不可能になる。ドーピングを施さないダイヤモンド電極は、ドーピング剤不純物が存在しないために大きなバンドギャップ(5.5eV) を有し、むしろ絶縁体に近い。陽極の説明において前記したように、ドーピング剤不純物、例えば、ホウ素を適切なレベルで取り込むことにより、合成ダイヤモンド粒子及びダイヤモンド層の電導性を調整することができる。ダイヤモンドに電導性を付与するために用いられるドーピング剤の種類は、前記のホウ素に限らず、例えば、米国特許第5,162,886号に記載されているような他の元素、例えば、リチウム、ベリリウム、窒素、リン、イオウ、塩素、ヒ素及びセレンを含むことができる。中でも、ホウ素のドーピングは、20mΩcm未満の抵抗率を作り出すために好ましい。ドーピング化ダイヤモンドにおける、一般的に好ましいホウ素濃度は、100ppm〜10000ppmである。
好ましい電極は、100Ωcm未満の抵抗率、及び100mA/cm2 の電流密度条件下における電圧降下が1V未満となる厚さのダイヤモンド層を有する電極である。このような電極であれば、適当な電流密度で、抵抗加熱から生じる電力損が僅かな状態で機能する。最も好ましい電極は、0.1Ωcm未満の抵抗率を有し、電流密度1A/cm2 で、電極での電圧降下が0.1V未満となるような厚さを有する電極である。
<陰極>
陰極としては、電解の休止期間中に腐食を起こさないよう十分の耐蝕性と通電性を持つものならいずれの材料でもよいが、好ましいのは回収される金属と同種金属の電極、及びステンレスの板又は棒が特に適している。前者は金属精錬に直接つなげることができ、後者は、安価及び良好な耐蝕性と電着金属の回収が容易であるという利点を有している。しかし、他の電極、例えば炭素電極や種々の金属電極も使用できる。陰極・陽極を対にした形、陰極を両側から陽極が挟むサンドイッチ構造の形、あるいは陰極と陽極とを交互に配した多数枚配列構造などの適切な形が選択される。陰極の形状は、線状、棒状、板状などのいずれであってもよい。
また、本発明の一態様として、陰極にも導電性ダイヤモンド電極を用いることができる。また、両極に導電性ダイヤモンド電極を用いる場合には、極性を反転させながら電解を行うことも電極を正常な状態に維持するために好ましい。
<電解槽の構造>
本発明においては、電解槽の構造は公知の各種の構成で用いることができる。すなわち、単一室セルであってもよく、又は陽極と陰極が膜で仕切られた分割セルであってもよい。最も簡単な実施態様は、単一室セルである。単一室セルでは、陽極と陰極を隔てるバリヤーがなく、したがって溶質は陽極と陰極間を移動するのに制限を受けない。
2室セルにおいては、イオン交換膜、ミクロろ過膜、半透膜、多孔性膜、などの通電性隔膜を陽極と陰極の間に挿入し、この隔膜はあるタイプのイオン種のみを陽極液から陰極液へ又はその逆方向へ通過させることができる。膜の機能は、陽極液と陰極液が混合することなく電気的中性を保持することである。また、適当な膜を用いれば、その膜を通過して移動するイオンの性質を制御することができる。
本発明における電解酸化は、バッチ方式、再循環方式、連続方式のいずれの方式を用いても良いが、生物処理には連続操業が適応していることからは、再循環方式、連続方式が好ましく、再循環方式の場合には貯槽7の2槽目との再循環が良好である。
好ましい電極間間隙は、1mm〜50mmの範囲内であり、最も好ましい状態は電極間間隙が3mm〜20mmの範囲内にある。
本発明における浸出水の電解酸化は、電流密度が1mA/cm2〜10A/cm2、流速/セル体積比が0.001〜1000であり、電極表面積が顕微鏡により測定した幾何学的電極表面と等しいか、又はそれより大きく、とくに幾何学的電極表面の1〜5倍の表面積であることが好ましい。しかしながら、さらに好ましい状態は、電流密度が20mA/cm2〜2A/cm2 の範囲であり、流速/セル体積比が0.01〜50であり、本発明の最良形態は、電流密度が50mA/cm2 〜800mA/cm2 であり、流速/セル体積比が1〜20の範囲であり、電極表面積が、顕微鏡で測定した幾何学的電極面積の少なくとも2倍の場合である。
本発明の浸出水の電解酸化時における温度は、0℃〜90℃に保たれていることが好ましく、10〜50℃に保たれていることがより好ましい。
[生物処理]
本発明では、廃棄物処分場からの浸出水をダイヤモンド陽極付きの電解装置で電解した後、さらに生物処理を施すことによって発明の効果を高めるものである。以下、生物処理について説明する。
<廃液の希釈>
電解酸化処理が施された廃液は、微生物の生育に適した濃度へ希釈が行われる。好ましい希釈倍率は、COD負荷物質の濃度にもよるが、本発明の方法による電解酸化処理済み廃水の最も一般的な場合であるCODが1000〜3000程度の廃水の場合は、5〜100倍、より好ましくは5〜30倍の希釈倍率の希釈が施された後、生物処理される。
なお、希釈倍率は、[(希釈後の被処理液の容積)/(原被処理液)]の容積を指す。
<廃液のpH調整>
電解酸化処理が施された廃液は、酸あるいはアルカリを加えることで、微生物の生育に適したpHに調整される。微生物の生育に適したpHは、その微生物によって異なるが、通常、5.0〜9.0の範囲であり、6.5〜7.5が好ましい。
pHは、生物に先だって調整してもよいし、生物処理槽に電解処理済み液を供した後に調整しても良い。生物処理中にもpHが変動する場合は、自動調整装置と連動させながら処理することが好ましい。
<生物処理の形態>
生物処理の方法としては、汎用公知の好気性生物処理を適用できる。すなわち、一般的な活性汚泥法のほか、ラグーン法、散水濾床法、回転円板法等、好気性微生物を非処理液に含有させて曝気あるいは空気や酸素に接触させる方法であれば本発明の生物処理に用いることができる。現像所において廃液処理を行うには、廃液流入系と汚泥の分離・返送系と処理済み廃液排出系を備えた曝気槽からなるコンパクトなバイオリアクターが好ましい。これらの生物処理のより具体的方法については「廃水処理プロセス、設計理論と実験法」W.W.エッケンフェルダー、D.L.フォード著、松井三郎訳 技報堂出版および「生物学的水処理技術と装置」、化学工学協会編、培風館に記載されている。
本発明に特に好ましい生物処理方法は、微生物を担体に 担持・固定化させた形態で行う処理方法である。固定化処理の中でも、包括処理が特に好ましい。担持・固定化処理は、微生物濃度を高めることができて、かつ微生物の流出を防止できるので、処理槽の容積当たりの処理能力が高められるので、好都合である。
・担持・固定化方法
本発明の微生物固定化担体の製造方法において、微生物の担持・固定化方法としては、担体から生分解菌が流出しないように固定される方法ならばその種類、形式を問わない。具体的な 担持・固定化法としては、例えば、微生物が付着して生物膜を形成するような担体を用いる付着生物膜法、担体と培地を混合して微生物を培養する担持培養法、水不溶性の担体に微生物を結合させる担体結合法、減圧下で担体の孔隙内に微生物を封入する方法、2個以上の官能基を持つ試薬によって菌体内に架橋を形成させて固定化する方法、微生物を高分子のゲル内部や皮膜などに閉じ込める包括固定化法、さらに結合手段により共有結合法、物理的吸着法、イオン結合法及び生化学的特異結合法などと分類される担体結合法が知られているが、本発明には、これらの公知の方法を用いることができる。中でも、付着生物膜法及び包括固定化法が好ましく、とりわけ包括固定化法が優れている。
付着微生物膜法の特徴は、微生物を高濃度化することができ、処理効率を向上させることができる。また、通常は系外に洗い出されてしまうような増殖速度が遅い菌を系内に留めることができる。また、微生物が安定して棲息できる状態に保てることも特徴としてあげられる。
包括固定化法の特徴は、菌体を高濃度に保持できるため、処理効率を向上させることができ、増殖の遅い菌を固定化できる。また、pH、温度等の条件変化に対する耐性が広く、高負荷状態にも耐えることができる。包括固定化法としては、アクリルアミド法、寒天−アクリルアミド法、PVA−ホウ酸法、PVA−冷凍法、光硬化性樹脂法、アクリル系合成高分子樹脂法、ポリアクリル酸ソーダ法、アルギン酸ナトリウム法、K−カラギーナン法等、微生物を閉じ込めることができ、系の中で微生物の活性を維持しつつ、物理的強度が大きく長時間の使用に耐え得るものならば種類を問わない。
包括固定化法の代表例としてアクリルアミドを用いた微生物固定化ゲルの調製法について説明する。固定化ゲルは、架橋剤(例えば、N,N'−メチレンビスアクリルアミド)を含有したアクリルアミドモノマー溶液と細菌(MLSS 20,000ppm程度の濃縮菌体)とを懸濁し、重合促進剤(例えば、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン)、重合開始剤(例えば、過硫酸カリウム)を添加し、3mm径の塩化ビニル製チューブ等の成型形に入れ、20℃で重合し、重合終了後、成型形から押し出し、一定の長さに切断して得られる。固定化ゲルの表面の細孔は、細菌より小さいため、包括固定化した細菌はリークしにくく、内部で増殖し、自己分解する。廃液中の汚染成分のみが細孔よりゲル内部に入り込み、内部の細菌により処理される。
これらの固定化法のより具体的な方法については、「生物触媒としての微生物」100頁、福井三郎著(共立出版、1979)、「微生物固定化法による排水処理」須藤隆一編著(産業用水調査会)、稲森悠平の「生物膜法による排水処理の高度・効率化の動向」,水質汚濁研究, 13巻,9号(1990),563-574頁、稲森悠平らの「高度水処理技術開発の動向・課題・展望」,用水と廃水, 34巻,10号(1992),829-835頁 などに記載されている。
・微生物担持用担体
次ぎに、微生物担持用担体について説明する。
微生物担持用担体としては、微生物の活性を維持しつつ、物理的強度が大きく長時間の使用に耐え得るものならば、いずれの公知材料をも使用できるが、有用微生物の効果的な担持という点から、担体表面に微生物が強く吸着するもの、微生物を微小孔隙中へ侵入させることにより保持力を高めることができるような多孔性のもの、ミクロ粒子が凝集して実質的に吸着あるいは吸蔵表面を増大させたものが望ましい。
また、膨潤性の担体材料は、微生物が利用できる空間が広い点では、好ましい材料ではあるが、微生物を 担持・固定化した後、長期に亘って安定に使用するためには、物理的な強度が必要であり、その点では非膨潤性の担体材料を用いることが好ましい。非膨潤性であっても後述するようなサイズ効果や形状効果を利用して利用空間を維持させることができる。
また、被処理水と担体とが激しく相対運動する微生物処理環境においては、担体の物理的強度が特に重要であり、さらに活性汚泥槽のように担持担体が流動する流動床の場合には、比重の制御ができることが必要で、シリカなどの比重制御剤を用いて比重値を約1.1程度に調整するので、この点からも物理的強度が大きいことが好ましい。
これらの理由から、本発明に好ましい担持用担体としては、具体的には、セルロース、デキストラン、アガロースのような多糖類;コラーゲン、ゼラチン、アルブミンなどの不活化蛋白質;イオン交換樹脂、ポリビニルクロライドのような合成高分子化合物;セラミックスや多孔性ガラスなどの無機物;寒天、アルギン酸、カラギーナンなどの天然炭水化物;さらにはセルロースアセテート、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、エポキシ樹脂、光硬化性樹脂、ポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタンなどがあげられる。また、リグニン、デンプン、キチン、キトサン、濾紙、木片等などの天然物も利用できる。
中でも、上記した好ましい要件に特に適合する材料としてポリプロピレン及びポリエチレンで代表されるポリオレフィン系の合成高分子化合物材料が好ましい。
これらの材料は、市販されており、例えばバイオステージ(ポリプロピレン製、筒中プラスチック工業(株)製)、ゼビオバイオチューブ(ポリエチレン製、ゼビオプラスト(株)製)などを挙げることが出来る。
好ましい担体の形状としては、ほぼ球状、ほぼ立方体状、ほぼ直方体状、円筒状あるいはチューブ状であり、なかでも製造し易いほぼ球状、あるいは比面積を大きくできるほぼ直方体状又はチューブ状であることが好ましい。担体の製造方法としては、既知の任意の方法を用いることができる。例えば微生物と担体物質(又はその前駆体)の混合溶液を不溶解性液体中に滴下して液体中で液滴を固化させて微生物 担持担体粒子の分散物を作る方法、微生物と担体物質(又はその前駆体)の混合溶液を低温化、ゲル化剤や固化剤の添加などの方法で固化させた後、固化体を適当なサイズに裁断して微生物を 担持した直方体粒子を得る方法、微生物と担体物質(又はその前駆体)の混合溶液を押し出しノズルから不溶解性液体中に注入して液体中で固化させて微生物 担持担体の糸状の固化物を得てこれを適当に裁断して円筒状粒子を作る方法、またこのときの押し出し成形のダイを環状として円環状(チューブ状)の微生物 担持担体粒子を得る方法を挙げることができる。
担体粒子の大きさは、外径0.1〜70mm、好ましくは0.5〜40mm、より好ましくは1.0〜10mmであり、粒子サイズが大きければ比面積が少なくなって非効率となり、小さいとすぐに分解・消滅して 担持体の意味をなさなくなる。したがって、適用対象に応じて好ましいサイズが選択される。
・微生物
生物処理に用いる微生物に付いては、生物処理が微生物を固定化しない一般的な形態で行う場合も固定化してコンパクトな装置で行う場合も、本質的に同じであるので、ここでは方式に関係なく説明する。
本発明の方法では、生分解用微生物として通常用いられている活性汚泥を用いて処理することができる。微生物は順化処理が行われるので、活性汚泥中の微生物の履歴・由来などは問わない。また、管理型処分場の浸出水貯留槽の沈澱を含む土壌や終末処理場の汚泥なども微生物の順養の好適な対象とすることができる。
・栄養物
本発明において、微生物を 担持・固定化して用いる態様では、該微生物用の栄養物を供給してやることが、 担持・固定化される微生物の増殖を促進して速やかに該微生物が優先的に生育する環境が確立されるので、好ましい。また、廃水処理装置の稼動中に微生物の活性が低下した場合にも栄養物の供給により賦活してやることが好ましい。
栄養物としては、炭素、窒素、リンを含むものが好ましく、微生物の生育に適した培養液などが挙げられる。培養液としては、例えば、肉汁、酵母エキス、麦芽エキス、バクトペプトン、グルコース、無機塩類、ミネラルなどが適当な割合で混合したものが良く用いられているが、微生物の種類に応じて適当な配合比のものを選べば良い。また、本発明に用いる栄養物としては、上記の培養液以外にも有機、無機栄養物を適当に含むものであれば、どのようなものでも利用可能である。例えば、自然界より採取した、あるいは培養を加えた任意の微生物を乾燥、粉砕し、粉砕微粉体を栄養物として用いてもよい。
さらに、生分解菌として働く微生物を活性化する特定の共存微生物を用いることもできる。この共存微生物は、それ自身が生分解菌として働く微生物の栄養源となったり、その共存微生物が分泌する物質が生分解菌として働く微生物を活性化する成分を含んでいたりする。好ましい微生物としては、いわゆるEM菌として市販されている微生物混合体や光合成細菌が挙げられる。とりわけ、ロードシュードモナスキャプスラータ(Rhodepseudomonas capsulata)やチオバチルスデフィニトリカンス(Thiobacilluse definitricans)をはじめとする光合成細菌が好ましい。
その他の調整条件
微生物処理の温度は、微生物の活動に適した温度であることが必要で、3〜50℃、好ましくは10〜45℃、より好ましくは18〜40℃である。この温度に維持するためには、状況に応じて温水を撒布又は注入するなどの加温を行なってもよい。また、寒冷地などでは、熱伝導体をバイオリアクターに装備して熱源からの伝熱あるいは直接の通電によって加温することもできる。熱伝導体としては、金属、セラミックスなど熱を伝えることができる物質であれば材質は問わない。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、これらは本発明をなんら限定するものではない。
[実施例1]
<試料>
産業廃棄物処分場の底部の土壌化成分も含む埋立て物の20kgに井水20Lを加えて時々攪拌を行ないながら24時間経過させた後、水を炉別してモデル浸出水を得た。このモデル浸出水は、COD3800mg/L,BOD8400mg/L,TN1030mg/L及びノニルフェノールとして250mg/L、ダイオキシン400pg-TEQ/Lを含んでいた。
なお、以下の実施例を通じて、環境特性値の定量は、
COD:KMnO4による酸素消費量(CODMn) をJIS K0102、17節に準拠した方法で、平沼全自動測定装置 COD-1500を用いて行った。
BOD:JIS K0102;21節に記載の方法でBOD5を測定した。
TN:JIS K0102;45.1節に記載の方法で総和法により測定した。
ノニルフェノールは下記の方法で分析した。
手順:
1)固相抽出カートリッジ:Sep-Pak Plus tC1 8(Waters社製)
使用前に、ヘキサン、ジクロロメタン各5mL、メタノール10mLおよび精製水20mLでコ ンディショニングを行ったもの:
2)誘導体化試薬
N-メチルビストリフルオロアセトアミド( MBTFA):
3)内部標準溶液:
フルオレン-d (CAMBRIDGE 1 0ISOTOPE LABORATORIES製)をアセトンで溶解、n-ヘキサ ンで希釈を行い0.1mg/mLに調整したものを用いた。
4) 前処理
コンディショニングしたSep Pak Plus tC -18カートリッジに塩酸(1+11)でpH3.5前後に調整した試料水250mLを約10mL/minで通水した。
通水後、遠心分離による脱水(3,000rpm,10min)を行い、ジクロロメタン4mL、次いでヘキサン4mLで吸着物質を溶出し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、窒素ガスを吹き付けて約0.3mLまで濃縮した。その後MBTFA 100μLを加え密栓し80℃、80分間加熱し誘導体化を行った後、ヘキサン(少量のアセトン)で0.5mLにメスアップ後内部標準溶液(フルオレンd 0.1mg/mL) 5μLを添加し、その1μLをGC/MSに注入した。
GC/MS装置はHP 5980IIとHP 5971Aのシステムを用い、モニターイオンとしては、ノニルフェノール(定量イオン)m/e= 231 ,203,217,245
内部標準(フルオレン−d )m/e=176を用いて、定量した。
ダイオキシン:
JIS K 0312 「工業用水・工場排水中のダイオキシン類及びコプラナーPCBの測定方法」に準じて行った。
また、SS量の管理には、セントラル科学製、SS濁度計ST―100を用いて行った。
<電解処理>
電解槽として三井物産プラント(株)より購入した陽極に導電性ダイヤモンド電極を装備した「ダイアセル」(商品名)を使用した。電極面積は、陰陽両極ともに70cm2であり、電極間距離は10mm、電解槽容積は70ccである。
また、「ダイアセル」の陽極ダイヤモンド電極を、同一面積の、二酸化鉛電極、白金メッキチタン電極、及びステンレス電極の各電極に交換して、電解反応を行った。陰極にはステンレス電極を用いた。陰極と陽極を対向させ、電流密度を0.05A/cm2とし、容積1Lの廃液タンクと電解槽の内部の被電解液をポンプで2L/minで循環させた。
電解後、生物処理のために亜硫酸ナトリウムを添加して残留塩素の除去を行なった。残留塩素のチェックは、o−トリジン比色法(工業排水試験方法、JIS K0102の33.1項)によった。
<生物処理>
残留塩素を除去した電解液のスラッジを濾別し、ろ液を10倍に水希釈して、活性汚泥(MLSS(活性汚泥浮遊物)4500mg/リットル)にて、処理温度23℃、pH7.5、水理学的滞留時間(HRT)48時間の条件下で連続曝気して活性汚泥処理を行った。生成する酸を10%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、曝気槽内をpH6.6以下にならないように保った。活性汚泥処理装置は、市販の理化学試験用の恒温水槽の曝気装置などの付属機器を取りつけて用いた。馴養した活性汚泥を用いた生分解試験開始後2週間目の処理水を採取して生物処理試験後の廃水試料とした。
使用した汚泥としては、都市下水端末処理場の返送汚泥を溶存酸素量(DO)を0.1mg/L〜3mg/Lに保つよう、空気を曝気槽にはpHコントローラー(東京理化製)を設け、硫酸または水酸化ナトリウムの添加により槽内のpHを8.5±0.1に保ちながら馴養した活性汚泥を用いた。栄養液と電解処理済み廃水との混合比は、9:1でスタートし、汚泥の状況を見ながら順次電解処理済み廃水の比率を増やして3週間の連続運転の後全量を電解処理済み廃水として得た。
得られた廃液の環境特性データを上記した方法で分析した。
Figure 2005087860
<結果>
表1に示すように、ダイヤモンド陽極を使用して、モデル浸出水を電解処理した後、生物処理すれば、BOD,COD,TNのすべての水質環境特性値が顕著に低減され、本実施例に関しては、一般排水基準を満たしていた。また、ダイオキシン及びノニルフェノールの濃度も安全レベルに低減されている。一方、比較に用いた他の電極では、排水環境基準を満たすに至らず、ダイオキシン及びノニルフェノールの分解率も劣っていた。
典型的な管理型処分場の構造と本発明の浸出水処理用の排水処理設備の構成を示す概略図である。
符号の説明
1.管理型処分場
2.遮蔽シート
3.堰堤
4.基部
5.埋立て処分エリア
6.集水管
7.貯槽
8.電解槽
9.導電性ダイヤモンド陽極
10.陰極
11.電源
12.貯酸槽
13.配管
14.送液管
15.送液管
16.微生物処理槽
17.微生物処理槽
18.沈降槽
19.調整槽
20.放流経路
21.地質
22.電解処理部
23.生分解処理部
M. 汚泥
C. 脱水処理装置

Claims (3)

  1. 産業廃棄物処分場から排出する浸出水に導電性ダイヤモンド電極を陽極として電解処理を行なった後、該電解処理済み浸出水に、必要に応じて水希釈とpH調整ののち、生物処理を施すことを特徴とする産業廃棄物処分場の浸出水の処理方法。
  2. 浸出水を排出する産業廃棄物処分場が管理型処分場であることを特徴とする請求項1に記載の産業廃棄物処分場の浸出水の処理方法。
  3. 浸出水が有機ハロゲン化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の産業廃棄物処分場の浸出水の処理方法。
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