JP2005085871A - レーザ装置 - Google Patents

レーザ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005085871A
JP2005085871A JP2003313957A JP2003313957A JP2005085871A JP 2005085871 A JP2005085871 A JP 2005085871A JP 2003313957 A JP2003313957 A JP 2003313957A JP 2003313957 A JP2003313957 A JP 2003313957A JP 2005085871 A JP2005085871 A JP 2005085871A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser
sensor
signal
laser oscillation
drive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003313957A
Other languages
English (en)
Inventor
Takuo Shimada
拓生 嶋田
Jiro Minehisa
次郎 峰久
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2003313957A priority Critical patent/JP2005085871A/ja
Publication of JP2005085871A publication Critical patent/JP2005085871A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】医用または産業用レーザ装置に関するもので、センサ故障によって出力の不安定や発振手段に損傷を与えたり、軽微な故障に対しても装置全体が機能しなくなっていた。
【解決手段】レーザ発振手段1と、レーザ出力を設定する出力設定手段6と、レーザ発振手段を駆動する駆動手段11と、レーザ発振手段の動作状態を検出する各センサと、出力設定手段及びセンサからの信号に基づき駆動手段へ駆動信号を送出する自動制御手段10と、駆動手段への各制御量に対応するセンサからの信号の基準値または基準範囲を記憶する基準特性記憶手段14と、異常報知手段15とを備え、自動制御手段はセンサからの信号と基準特性記憶手段からの信号に基づいてセンサの異常を判定し異常報知手段へ異常内容を示す報知信号を送出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、主として高出力レーザダイオードを光源とし、操作者がその都度直接出力を設定してレーザ光照射を行なう医用または産業用のレーザ装置に関するものである。
従来のこの種のレーザ装置としては、例えば図7に示すようなもの(例えば特許文献1〜6参照)がよく知られている。1はレーザダイオードからなるレーザ発振手段である。このレーザ発振手段1の近傍にはこのレーザダイオードの発光量を検出するフォトダイオードからなる光量センサ2、NTCサーミスタからなる温度センサ3が設けられ、さらにレーザ発振波長および出力を安定化させ、あるいは長寿命化させるため、レーザ発振手段を冷却するペルチェ素子4が設けられている。
数100mW以上の高出力レーザダイオードの場合は、これらレーザ発振手段1、光量センサ2、温度センサ3、ペルチェ素子4は、例えばHHLパッケージと呼ばれる熱伝導性に優れた金属筐体で覆われており、レーザダイオードモジュール5として一体化されるのが一般的である。なお、レーザ発振手段1から発生するレーザ光はファイバーなどによって外部に導出される(図示せず)。
6は出力設定手段で、操作者が例えば100mW、200mWというような希望の出力値を設定する。7は自動出力フィードバック制御(Auto Power Control)を行なうAPC手段である。APC手段7は、内部の出力比較部7aにおいて、操作者が出力設定手段6で設定した出力と光量センサ2からの信号を常時比較し、その差に応じた出力補正信号をレーザ駆動部7bに送出する。レーザ駆動部7bは、レーザ発振手段1へ供給する電流を常時調整することによって操作者が設定したレーザ出力が安定して得られる仕組みとなっている。
一般にレーザダイオードは長時間の使用に伴い、劣化を生じる。そして、劣化に伴い発振閾値電流が上昇、投入電力(電流)に対する発光量、効率が低下、長波長化などの現象が生じる。APC手段7は、出力設定手段6の出力設定値に光量センサ2からの信号が合致するように動作するので、レーザ発振手段1の劣化度合に応じて投入する電力(電流)は上がってくる。
8は温度設定手段で、操作者が例えば−10℃、−20℃というような希望の温度を設定する。9は自動温度フィードバック制御(Auto Temperature Control)を行なうATC手段である。ATC手段9は、内部の出力比較部9aにおいて、操作者が温度設定手段8で設定した温度と温度センサ3からの信号を常時比較し、その差に応じた温度補正信号をペルチェ駆動部9bに送出する。レーザ発振手段1の波長は、例えば活性層の温度0.25℃低くなると1nmずつ低波長側へシフトすることが知られている(素子の物性、構造によって定まる。)。よって、ペルチェ駆動部9bが、ペルチェ素子4へ供給する電流を常時調整することによって操作者が設定したレーザ発振波長が安定して得られる仕組みとなっている。
一般的にレーザ発振波長は、操作者がその都度設定するのではなく、装置で決まっている場合が多い。この場合は、温度設定手段8は操作者が容易に設定変更できるものとはせず固定値が設定される。もちろん温度設定手段8は、波長設定手段とされる場合もある。
またAPC手段7とATC手段9が連動し、例えば所定温度設定範囲に入るような正常なフィードバックがかかっていない場合にレーザ照射を禁止したり、設定範囲外の過電流がレーザ発振手段1に流れないよう保護回路を設けたりする構成も提案されている。
しかしながら、上記従来の構成では、出力安定化や波長安定化のよりどころを各々光量センサ2や温度センサ3からの信号のみに求めているため、万一これらセンサ自体が故障、あるいはセンサ信号を入力する接続ケーブル、コネクタ部の断線、接触不良、ショート等の不具合が生じた時には、レーザ出力や波長安定化に対する自動制御が全くかからなくなる。
その結果、センサ故障の瞬間からレーザ出力が著しく高くあるいは低く変化あるいは発振波長が変動し、仮にレーザ発振手段1が正常動作可能であっても装置全体として機能しなくなる。例えば医用レーザ装置の場合、仮にレーザ手術治療中にこのような装置故障を起こした場合は、患者の健康安全面からも入院、通院期間延長に伴う経済面からも多大の不都合を生じる。
また、センサ故障に伴ってレーザ発振手段へ過大なレーザ駆動電流が印加され、レーザ発振手段自体への損傷ダメージ、非可逆的な特性劣化を瞬間的に誘発する課題もあった。また、故障原因が不明確で修理困難となったり、故障原因を見誤った結果、高価なレーザダイオードモジュールの交換後、同じ不具合が再発したりする恐れもあった。
特開平6−283797号公報 特開平8−18145号公報 特開平9−191293号公報 特開2003−8136号公報 特開2003−8137号公報 特開2003−46187号公報
上記背景技術の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、万一のセンサ故障時にも出力変動などに伴う照射対象への被害を最小限にして、その内容によっては操作者が当面のレーザ光照射を安全に中断または継続できるレーザ装置を提供することを目的とする。
また本発明は、装置内部で誘発される部品2次故障の連鎖を抑制することを目的とする。
さらに本発明は、故障原因の特定を容易にし、修理交換が迅速かつ確実に実施できることを目的とする。
また本発明は、異常検出後も過去に正常動作していた際のセンサ信号履歴に基づいて、当面のレーザ光照射を安全に継続できることを目的とする。
また本発明は、センサが故障か否かの判定条件を固定化しておくのではなく、レーザ発振手段の経時劣化に対応して、レーザ駆動信号(または投入電力)と望ましいセンサ信号の関係や異常判定条件を逐次更新することで、常に適切な異常判定が行なえることを目的とする。
また本発明は、異常判定されるセンサの特定を確実に行なうことを目的とする。
また本発明は、異常判定すべき部品がセンサなのかレーザ発振手段(光源)なのかを判別あるいは異常判定されたセンサ信号を推定または補完し当面のレーザ光照射を安全に中断または継続できることを目的とする。
また本発明は、操作者の判断によって、センサ異常の内容によっては、手動で円滑にレーザ光照射が実施できることを目的とする。
また本発明は、低コストで、レーザ発振手段の動作状態や不具合箇所の特定をより正確に検出することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明のレーザ装置は、レーザ発振手段と、前記レーザ発振手段のレーザ出力を設定する出力設定手段と、前記レーザ発振手段を駆動する駆動手段と、前記レーザ発振手段の動作状態を検出するセンサと、前記出力設定手段及び前記センサからの信号に基づき前記駆動手段へ駆動信号を送出する自動制御手段と、前記駆動手段への各制御量に対応する前記センサからの信号の基準値または基準範囲を記憶する基準特性記憶手段と、異常報知手段とを備え、前記自動制御手段は前記センサからの信号と前記基準特性記憶手段からの信号に基づいて前記センサの異常を判定し前記異常報知手段へ異常内容を示す報知信号を送出するものである。
上記手段によれば、自動制御手段はレーザ発振手段の動作状態を検出するセンサからの信号と各制御量に対応するセンサからの信号の基準値または基準範囲を記憶する基準特性記憶手段からの信号に基づいてこのセンサの異常を判定し前記異常報知手段へ異常内容を示すため、操作者は異常の有無を即座に知ることができ、レーザ光照射を安全に停止できる。
そして、予め装置ごとに駆動手段への各制御量に対応する適切なセンサ信号の基準値または基準範囲を適切に設定、記憶させておくことで、制御量(投入電力など)に対するレーザ光出力やセンサ信号のカーブが非線形であっても低出力帯と高出力帯での異常判定基準を均一に扱うことができ、かつレーザ発振手段ごとの特性バラツキにも対応できる。
また本発明の自動制御手段は、レーザ出力を設定する出力設定手段、レーザ発振手段の動作状態を検出するセンサ及び各制御量に対応する前記センサからの信号の基準値または基準範囲を記憶する基準特性記憶手段からの信号に基づき駆動手段へ駆動信号を送出し、前記センサからの信号と前記基準特性記憶手段からの信号との比または差に基づいて異常判定するものである。
上記手段によれば、自動制御手段は、操作者の設定した出力設定値とセンサ信号との差のみによるフィードバック制御ではなく基準特性記憶手段からの信号にも基づいているため、センサ信号ライン上に瞬時的にノイズが重畳した場合も、それが制御量へ直接悪影響を与えなくすることが可能になる。
また本発明の自動制御手段は、レーザ発振手段の動作状態を検出するセンサの異常判定時に前記センサからの信号を切断または除外するものである。
また本発明の自動制御手段は、レーザ発振手段の動作状態を検出するセンサの異常判定時に基準特性記憶手段からの信号に基づいて駆動手段へ駆動信号を送出するものである。
これによれば自動制御手段は、センサ異常判定時にセンサからの信号を切断または除外、あるいは特性記憶手段からの信号に基づいて駆動手段へ駆動信号を送出するため、異常判定されたセンサ信号をもとにレーザ発振手段に対し不適切なフィードバック制御がかかって、レーザ発振手段にダメ−ジを与えたり、異常発熱を引き起こしたり等の不具合を抑制することができる。
また異常検出後も過去に正常動作していた際の出力設定値に対応した基準特性記憶手段からの信号、すなわち過去の正常なセンサ信号履歴情報に基づいて、当面のレーザ光照射を安全に継続できる。
また自動制御手段は、駆動手段へ送出する駆動信号の所定時間以内の上昇または変動を抑圧するもので、これによればセンサ信号線の接続不良、コネクタ電極接触不良等によるセンサ出力変動が生じていた場合にも、自動制御手段が駆動手段へ送出する駆動信号の所定時間以内の上昇または変動を抑圧することに対応するリミッタまたはローパスフィルタが挿入されるため、出力変動を抑圧できる。
一般に医用または産業用レーザ装置の場合、操作者が極めて短時間のうちにレーザ出力を切り替えてレーザ照射することはないし、レーザ発振手段自体もフィードバック制御なしで出力が急激に不安定になることはないため、駆動制御量を急激に変動させないことによる不都合はない。(ここでは詳述しないが、供給電源元を遮断する緊急停止手段は別途設けられている)。
また本発明の自動制御手段は、レーザ発振手段の動作状態を検出するセンサからの信号と基準特性記憶手段からの信号との比または差に基づいて前記基準特性記憶手段の記憶情報を更新するもので、これによれば自動制御手段が学習による微調整を実施し、レーザ発振手段の経時劣化に対応した現在のレーザ発振手段の特性に合致した適切な異常判定が行なえることになる。
また本発明は、レーザ発振手段の動作状態を検出する複数のセンサと、前記複数のセンサのいずれかの異常を判定した場合、異常と判定した当該センサからの信号を他のセンサ信号から推定または補完する自動制御手段を備えたもので、これによれば自動制御手段は、例えば相互に関連しあう(従属関係にある)複数のセンサあるいは独立した複数のセンサのいずれかの異常を判定した場合、異常と判定した当該センサからの信号を他のセンサ信号から推定ないし補完するため、1個のセンサ故障では装置全体は正常動作を継続することができる。
具体的には相互に関連しあう複数センサの場合は、あらかじめ個々のセンサ信号が、概略他センサ信号(複数でもよい)の関数として定式化または変換表を保有しておくことで、当該センサからの信号が遮断されても、推定、補完できる。独立した複数のセンサを設けた場合は、第1のセンサへの異常判定時は第2のセンサ信号へ切り替えるだけでよい。なお、レーザ装置稼動中、常時個々のセンサからの信号の相互関係を学習、記憶しておくことで推定精度を高める構成を備えてもよい。
また複数センサを備えておくことにより、異常判定されるセンサの特定を確実に行なうことができ、全てのセンサ信号が異常と判定される場合は、センサ系ではなくレーザ発振手段(光源)を含む駆動系部品の故障であると判別することもできる。よって故障原因の特定が容易となり、修理交換が迅速かつ確実に実施できる。
また本発明は、自動制御手段の出力とは無関係に、出力設定手段に基づいてレーザ発信手段を駆動する駆動手段へ駆動信号を送出する手動制御手段を設けたもので、これによれば自動制御手段の出力とは無関係に手動制御手段は、出力設定手段に基づいて駆動手段へ駆動信号を送出し、センサ異常の内容によっては操作者の判断によって、手動で円滑にレーザ光照射が実施できる。
また本発明は、レーザ発振手段がレーザダイオードからなり、前記レーザ発振手段の動作状態を検出するセンサとしては、前記レーザ発振手段の発光量を検出する光量センサと、前記レーザ発振手段の駆動電流を検出するレーザダイオード電流検出手段(以下、LD電流検出手段という)と、前記レーザ発振手段近傍の温度を検出する温度センサとのいずれかまたは全てを備えたものである。
これによればレーザ発振手段の動作状態を検出するセンサは、光量センサと、LD電流検出手段と、温度センサとのいずれかまたは全てを備えただけなのでハードウェアとして特別なセンサを付加せず、低コストでレーザ発振手段の動作状態や不具合箇所の特定をより正確に検出することができる。
そして、レーザ発振手段の駆動に伴う光量の増加、レーザダイオード電流の増加、温度上昇を相互に関連づけることができるため異常部分の特定がより容易になる。各部品が同時に故障する可能性は非常に低いと考えれば、故障箇所は多数決によって明確に定められる。
また本発明は、レーザ発振手段がレーザダイオードからなり、レーザ発振手段を冷却するペルチェ素子と、前記ペルチェ素子を駆動する冷却制御手段を備え、レーザ発振手段の動作状態を検出するセンサは、レーザ発振手段の発光量を検出する光量センサと、前記レーザ発振手段の駆動電流を検出するLD電流検出手段と、前記レーザ発振手段近傍の温度を検出する温度センサと、前記ペルチェ素子を駆動する前記冷却制御手段による前記ペルチェ素子の駆動電流を検出するペルチェ電流検出手段とのいずれかまたは全てを備えたものである。
これによればレーザ発振手段近傍の温度を検出する温度センサと冷却制御手段によるペルチェ素子の駆動電流を検出するペルチェ電流検出手段を備えたため平行して厳密な波長制御または温度制御を行なえるばかりでなく、駆動負荷としてのレーザ発振手段とペルチェ素子の相互関係から、異常箇所の特定がより確実に行なえる。
以上のように本発明のレーザ装置によると、次のような効果が得られる。
(1)レーザ発振手段の特性バラツキに対応し、精度よく即座に装置の異常有無を報知できる。
(2)センサ系の故障時に伴いレーザ発振手段に損傷を与える可能性は極めて低い。
(3)異常検出後も出力変動を抑制し、操作者の判断で当面のレーザ光照射を安全に継続できる。
(4)レーザ発振手段の経時劣化に追従し、最新の出力特性に合致した適切な異常判定が行なえる。また使用を重ねる度に、より正確な異常判定が行なえる。
(5)故障箇所の特定が容易となり、修理交換が迅速かつ確実に実施できる。
(6)センサ1系統の故障時に他センサ情報から補完でき、必要に応じて装置の運転を安全に継続できる。
(7)操作者の判断によって、手動で安全かつ円滑にレーザ光を照射できる。
以下、本発明のレーザ装置を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
以下、本発明のレーザ装置における実施の形態1について、図1〜図3を用いて説明する。図1において、1はレーザダイオードからなるレーザ発振手段である。このレーザ発振手段1の近傍には、このレーザダイオードの発光量を検出するフォトダイオードからなる光量センサ2及びNTCサーミスタからなる温度センサ3が設けられ、熱伝導性に優れた金属パッケージで覆われたレーザダイオードモジュール5として一体化されている。このレーザダイオードモジュール5の内部は不活性ガスが充填され、レーザ発振手段1の劣化を防いでいる。レーザ発振手段1から発生するレーザ光は窓またはファイバー結合を介して外部に導出される(図示せず)。
6は出力設定手段で、操作者が例えば50mW、100mWというような希望の出力値を設定する。10は1チップマイクロコンピュータからなる自動制御手段で、出力設定手段6で設定された出力値に基づいた電流指令値を電流制御トランジスタ回路からなる駆動手段11を介して、レーザ発振手段1に電流供給する。ここには図示しないが、レーザ照射を開始または停止させるSTART/STOPボタンや、レーザ照射を緊急停止させるための非常停止ボタンも備えている。
12はLD電流検出手段で、13はレーザダイオード電圧検出手段(以下、LD電圧検出手段という)であり、実際にレーザ発振手段1に供給された駆動電流Iopおよび駆動電圧Vopを検出する。光量センサ2、温度センサ3、LD電流検出手段12およびLD電圧検出手段13は、自動制御手段10に接続されている。自動制御手段10はこれら各センサの信号をA/D変換し、レーザ発振手段1の動作状態を常時監視する。
14は基準特性記憶手段で、レーザ発振手段1の各温度帯における電流と出力光量の関係および電流と電圧の関係をテーブルとして記憶している不揮発性メモリからなる。この関係の例を図2のグラフで示す。図2(a)は駆動手段11への電流指令値Icont (mA)とLD電流検出手段12の検知した駆動電流Iop(mA)の関係グラフである。LD電流検出手段12が正常動作している限り、電流指令値Icontと検知した駆動電流Iopは、制御範囲内で正比例する。
図2(b)は駆動手段11への電流指令値Icont とLD電圧検出手段13の検知した駆動電圧Vop(V)の関係グラフである。図2(a)と組み合わせた駆動電流Iopに対する駆動電圧Vopの関係は、一般にV−I特性と呼ばれ、ダイオードとしての電気的特性を表わしている。ここでは温度センサ3で検出されたセンサ温度T=0℃、T=50℃における駆動手段11への電流指令値IcontとLD電圧検出手段13による駆動電圧Vop(V)の例を示す。電流指令値Icontに対するレーザダイオード電圧(以下、LD電圧)である駆動電圧Vopは、センサ温度に鋭敏ではないが、センサ温度が高いほど若干低下する傾向にある。
図2(c)はセンサ温度T=0℃、T=50℃における駆動手段11への電流指令値Icontと光量センサ2によるレーザダイオード光量(以下、LD光量という)Ipdの関係グラフである。センサ温度が高くなるにしたがって、発振閾値電流は高くなる。またレーザ発振領域においても投入電力に対する光出力の効率は低下し、電流変化値ΔIに対する光出力変化相当値ΔPの傾きも緩やかになってくる。図2(c)は、フォトダイオードからなる温度センサ2の温度特性や信号増幅回路の非線形性を無視すれば、通常L−I特性と呼ばれる駆動電流Iopに対する光出力Lの関係に対応している。
図2(d)は、駆動手段11への電流指令値Icontとレーザ照射前後の温度差(熱平衡状態で)の関係グラフである。レーザ装置の通気冷却構造にもよるが、例えば図2(e)のようにレーザ発振直前と一定電流でのレーザ発振10秒後で生じた温度差を△Tとすると、レーザ発振直前の温度Tが0℃の時より50℃の時の方が、内部発熱相当分の△Tは増大する。大まかに言えば、投入電力に対し、有効なレーザ光に変換された成分が図2(c)であり、内部発熱のロス成分が図2(d)となる。
図1において、自動制御手段10は、出力設定手段6の設定値に基づき送出する電流指令値Icontを決定し、D/A変換して、駆動手段11へ所定電流指令、すなわち自動電流制御ACC(Auto Current Control)する。この時、レーザ発振手段1はレーザ発振し、光量センサ2、温度センサ3、LD電流検出手段12、LD電圧検出手段13の各センサからの信号を入力することで図2(a)〜(d)グラフのようなデータを常時測定する。図2では、光量センサ2の出力信号IpdはIcontとTの関数、所定時間後の温度センサ3の出力信号変化△TはIcontとTの関数、LD電流検出手段12の出力信号としての駆動電流IopはIcontの関数、LD電圧検出手段13の出力信号としての駆動電圧VopはIcontとTの関数であることを示している。一方、レーザダイオードは(経時的特性劣化を除けば)温度T条件下で、光出力に対応するIpd、IopおよびVopの関係は一意に定められるため
(x1,x2,x3……)をそれぞれ変数x1,x2,x3……の関数とすれば、
Ipd=f1(Icont,T)=f2(Iop,T)=f3(Vop,T)
△T=f4(Icont,T)=f5(Iop,T)=f6(Vop,T)=f7(Ipd,T)
Iop=f8(Icont)=f9(Ipd,T)=f10(Vop,T)
Vop=f11(Icont,T)=f12(Iop,T)=f13(Ipd,T)
と対応関係を表現できる。さらには他のセンサ全てからの情報を入力変数として
Ipd=f14(Icont,T,△T,Iop,Vop)
△T=f15(Icont,T,Ipd,Iop,Vop)
Iop=f16(Icont,T,△T,Ipd,Vop)
Vop=f17(Icont,T,△T,Ipd,Iop)
と表現することもできる。これは常に望ましいセンサ入力信号としてのLD光量Ipd、駆動電流Iop、駆動電圧Vop、温度Tまたは温度差△Tが他のセンサ入力信号から推定できることを意味している。また
Icont=f18(T,△T,Ipd,Iop,Vop)
のように自動制御手段10が送出した制御信号である電流指令値Icontそのものを各センサ入力信号値から推定できる。
すなわち、各センサが正常に連動しているかを他のセンサ入力信号から相互確認でき、万一いずれか1種類のセンサ信号あるいは制御信号である電流指令値Icontのみが故障した時に対象箇所を発見できることでもある。
具体的には、例えば所定の電流指令値Icontを送出し続けている場合、このIcontに対応するセンサ温度T,照射前後の温度差△T,センサ光量Ipd,駆動電圧Vopは全て妥当なのにかかわらず駆動電流Iopのみゼロのままで変化しなければ、駆動電流Iopのセンサ入力系で故障が発生したとして、以後のフィードバック制御や異常判定条件からIopを除外するものである。一方、センサ入力信号としてのT,△T,Ipd,Iop,Vopの全てが所定範囲を逸脱しており、(常時ゼロや上限値固定などセンサ入力信号系全体がある点で固定の場合)、送出した電流指令値Icontのみが実際と異なっていると判断し、レーザ発振駆動系側の故障として異常報知する。
レーザ発振手段1のこれら諸特性は、多次元空間上の非線形関数として対応づけられるため、テーブルルックアップ形式であらかじめ工場出荷前設定時に基準特性記憶手段14内に登録されており、自動制御手段10は基準特性記憶手段14内の登録値と現在の各センサからの入力値を比較する。15は異常報知手段であり、ドットマトリクスのLEDランプおよびブザーを備えている。自動制御手段10は、登録値に対する各センサ入力値が所定カーブ上の値から例えば±15%以上逸脱していれば、この異常報知手段15に事象内容を知らせる信号を送出する。
自動制御手段10の動作を、図3を用いて説明する。スタート後、ステップ101で出力設定手段6から設定値を読み込み、ステップ102でこの設定値に対応した電流指令値Icontを駆動手段11に出力準備する。ステップ103で操作者がレーザ発振手段1の発振スタートを指示すれば(図1には図示せず)、レーザ発振を許可するがスタート指示なき場合は、ステップ101に戻り再度出力設定手段6の設定値変更がないかどうか確認する。
レーザ発振開始後は、ステップ104で当該電流指令値Icontに対する各基準特性値を基準特性記憶手段14から読み込み、ステップ105で各センサから信号を入力する。ステップ105における各センサからの信号入力は複数回試行するが、最高値、最低値を除外した入力信号を平均化して決定する。ステップ106でセンサごとに基準特性値とセンサ入力を比較し、所定範囲内か否かを判定する。
例えば電流指令値Icontに対するLD電流検出手段12で検出されたLD電流値である駆動電流Iopのみ所定範囲からはずれ、LD電圧検出手段13で検出されたLD電圧値である駆動電圧Vop、光量センサで検出されたLD光量Ipdおよび温度センサ3で検出された温度上昇値△Tが正常範囲に収まっていた場合は、ステップ107へ移行し特定センサ信号のみの故障かどうかを判定する。説明簡略化のため図示しないが、照射開始から一定時間経過前で△T算出できない場合は△Tを判定条件から除外する。
駆動電流Iop、駆動電圧Vop、LD光量Ipd、温度差△T(またはT)のうち特定センサ1箇所の故障に留まっている場合は、ステップ108で照射を一旦停止し、異常報知手段15に対しLD電流検出手段12に異常発生の旨、アラームメッセージを送出するものの、ステップ101に戻ることで操作者確認のもと照射再開を許可しうる構成とする。
この場合、投入電力に対する光出力も内部発熱量も妥当であり、かつレーザ発振手段1の動作は正常であることがはっきりしているため、LD電流検出手段12そのものかLD電流検出手段12と自動制御手段10との信号伝達経路のみで不具合が発生したものと判定できる。一旦、ステップ106、107で特定センサ1箇所が故障と判断した場合は、以後ステップ105へ戻った場合も、当該センサ信号の入力および異常判定は行なわない。
全てのセンサ信号が所定範囲内にある場合は、ステップ109へ移行し、駆動電流Iopが基準電流値となるよう電流指令値を微調整するとともにステップ110、111で当該出力設定に対応する電流指令値や対応する各センサの基準特性値を更新する。単一センサが故障の場合は、ステップ109〜111はスキップする。故障がない場合は、出力設定手段6で設定された所定の出力設定値に対応する最適の電流指令値や各センサ信号との関係は、レーザ発振手段1の経時的な特性変化に随時追従し、最新値を基準特性記憶手段14に登録更新する。
次にステップ112において工場出荷時の各基準特性値の初期値からのズレ積算量が所定範囲を超えれば、特性変化が大きくなりすぎたと見なし、ステップ113で照射を停止し、異常内容を異常報知手段15へ送出する。ステップ107でセンサ入力系の単一故障判定状態から2箇所以上へと判定された場合もステップ113へ移行し、ここからはレーザ照射の再開は禁止する。
ここでステップ113へ移行した場合は、不揮発性メモリの基準特性記憶手段14に完全故障状態であることを記憶させ、電源再投入しても使用できないようにしてもよい。
ステップ109〜112は、レーザダイオードからなるレーザ発振手段1の諸特性が経時変化で徐々にシフトしていくことに対応しており、その変化した特性に対して適切なセンサ系異常判定を行なうことができる。
前述のように図2(a)〜(d)の特性関係は互いに関連しあっているので、レーザ発振手段1が故障した場合は、いかなる故障モードであっても図2(a)〜(d)の4項目中1項目のみの範囲エラーとはなり得ないため、当該1項目に相当するセンサ入力系の故障と判断して差し支えない。これから、4項目全てが同時に故障と判定された場合は異常報知内容を、センサ入力系ではなく駆動系と判断してもよい。
単一センサが故障の場合は、ステップ109〜111はスキップするものとしたが、駆動電流Iop以外の故障なら実行してもよい。駆動電流Iop故障時は、他のセンサ信号をもとに駆動電流Iopを推定しこれに基づいて制御してもよいし、他のLD光量Ipdが一定になるような制御に切り替えてもよい。また単一センサが故障の場合は、ステップ108で一旦レーザ照射を強制的に停止するものとしたが、そのままレーザ照射を継続させてもよい。あるいは照射開始時より電流指令値を低減させる安全側にフィードバック制御がかかる場合はそのまま継続するが、増加させる危険側にフィードバック制御がかかる場合は一旦レーザ照射を停止させる等、組み合わせてもよい。
ステップ109〜111の電流指令値微調整や基準特性値更新の次のループでセンサ信号と対応する基準特性値の差が広がった場合、実態に即した特性カーブを逐次学習して収束させてもよい。万一次のループのステップ106で異常判定となった場合は、例外的に電流指令値または基準特性値を元に戻して判定しなおしてもよい。ステップ101〜112のループを回る度に電流指令値の微調整幅を徐々に小さくしたり、何回かに1回のみ更新機会を与えたりする構成でもよい。新たに自動更新された電流指令値や基準特性値で、不都合が生じる場合、操作者が手動で元の異常判定条件に戻せるプレイバック復元手段を設けてもよい。
また駆動手段11への電流指令値Icontは1点だけとし、その値における特性値のみで異常判定するものとして説明したが、ある電流指令値から他の電流指令値への変化に対する特性値の変化を異常判定要因としてもよい。説明簡単化のために異常判定条件を画一化したが、例えば図2(a)に関しては、誤差要因が少ないため±5%超で異常とする一方、初期温度の安定、平衡温度状態か否かの条件統一が困難な図2(d)に関しては±30%超で異常判定とするなどしてもよい。基準特性記憶手段14に記憶されている基準特性値と各センサからの実測値の比ではなく差によって異常判定してもよい。
レーザ発振手段1の正常動作時、特性、挙動変化に対して基準特性記憶手段14へ最新値を自動更新させる場合、測定された点のみに対してではなく、パラメータ変化させた場合の全体関数形状を外挿や内挿によって推定させ、連動登録してもよい。
一旦故障と判断したセンサ入力信号は、以後の異常判定から除外させたり、物理的に切断してもよい。あるいは通常動作時、電流指令値および各センサ出力の信号組合せに対し、階層型ニューラルネットワーク等を用いて学習させてもよい。
例えば電流指令値と複数センサ出力うち、1種類のみを欠落させた情報を各入力層に配置し、出力層をその1種類の情報とする。その1種類の情報の正解値を教師信号として学習を強化する。このような学習を各々の情報ごとに行なうことで、電流指令値や各センサの出力の相互関係を、定式化できない非線形関数として表現できる。これにより一旦異常と判定され切断されたセンサ情報も、他センサ情報から精度よく推定することができる。学習演算手段は、遺伝的アルゴリズムなど他の方法を用いてもよい。
ここでは種類の異なるセンサを1個づつ設けたが、さらに信頼性を向上させるため、同一種類のセンサを複数個設け総合判定してもよい。各センサからの信号を1データづつとするのではなく、時系列の信号群として総合的に異常判定してもよい。
電流指令値Icontが低い領域、とりわけレーザ発振閾値以下では異常判定条件を緩和する、あるいは異常判定自体を実施しないものとしてもよい。同一電流指令値Icontを一定時間以上出力し続けた場合の出力変動を異常判定条件に加えてもよい。自動制御手段10の制御パラメータを電流指令値Icontとし、ACC(Auto Current Control)する構成としたが、異常判定とは独立して光量センサ2の信号を一定に保つようなフィードバック制御APC(Auto Power Control)や、温度センサ3の信号を一定に保つようなフィードバック制御ATC(Auto Temperature Control)を実施してもよい。APC中の光量センサ2の故障判定時や、ATC中の温度センサ3故障判定時は、当該フィードバック制御を一旦無効にしてもよい。
基準特性記憶手段14内への初期データ登録時、各パラメータ条件下でのレーザ発振手段1の基準特性を自動的にスイープさせて各時点でのセンサ入力信号を記憶させたり、異常判定条件を個別に算出生成させたりする構成を設けてもよい。
以上のように本実施の形態によれば、自動制御手段10はレーザ発振手段1の動作状態を検出する各センサ(光量センサ2、温度センサ3、LD電流検出手段12、LD電圧検出手段13)からの信号と駆動手段11に対する電流指令値Icontに対応する各センサからの信号の基準値または基準範囲を記憶する基準特性記憶手段14からの信号に基づいてこれら各センサの異常を判定し異常報知手段15へ異常内容を示すため、操作者は異常の有無を即座に知ることができ、レーザ光照射を安全に停止できる。レーザ発振手段1ごとの特性バラツキにも対応できる。
またセンサ情報のみに依存せず、基準特性記憶手段14に蓄積された情報と照合して制御しているため、例えばセンサ信号ライン上に瞬時的にノイズが重畳した場合も、それが制御量へ直接悪影響を与えるものではない。
また自動制御手段10は、センサ異常判定時に当該センサからの信号を除外しているので、レーザ発振手段1にダメ−ジを与える等の不具合を抑制できる。また特定のセンサ1箇所のみの異常であれば、異常報知とともに一旦レーザ照射停止させるものの操作者の判断に応じて、照射再開を許可し、当面のレーザ光照射を安全に継続できる。
また経時劣化等異常判定には至らない特性シフトに対し、基準特性記憶手段14の記憶情報を逐次更新するので、最新の特性に合致した適切な異常判定が行なえる。また複数センサを備えておくことで、異常判定されるセンサの特定を確実に行なうことができ、故障箇所やその原因の特定が容易となり、修理交換が迅速かつ確実に実施できる。しかも主たる機能を実現した自動制御手段10は安価な1チップマイクロコンピュータで構成され、低価格に実現できる。
(実施の形態2)
次に、本発明のレーザ装置における実施の形態2について、図4を用いて説明する。本実施の形態は、実施の形態1の発明と異なる点は、自動制御手段10の駆動手段11に送出する電流指令値Icontの出力信号のみであり、従って図1〜図3を利用して同一構成並びに作用効果を奏するところには同一符号を付与して詳細な説明を省略し、異なるところを中心に説明する。
図4(a)は実施の形態1と同様の元の電流指令値である。縦軸は電流指令値、横軸は経過時間である。ここでは操作者による出力設定手段6からの入力信号、各センサや基準特性記憶手段14からの入力に応じて、電流指令値をUP/DOWNあるいは出力変化させた状況を示す。これに対し、実施の形態2では、図4(b)のように電流指令値UP時にはLPF(ローパスフィルター)を挿入し、電流指令値DOWN時にはLPFを挿入しないような構成を備えている。しかも電流指令値の絶対値に対応して、電流指令値が低い時は時定数の小さな制御をかけ、電流指令値が高くなるほど時定数の大きい制御をかけていくものである。また電流指令値の上昇勾配(△Icont/△t)および電流指令値△Iの上限値には最終出力段で所定値を超えないよう制限をかけるものである。
このような構成によって、センサ信号線の接続不良、コネクタ電極接触不良等によるセンサ出力変動が生じた場合や、バースト性の高周波ノイズがセンサ信号に重畳した場合にも、出力の急激な上昇または変動が抑圧される。
なお、ここで出力を下げる場合にはLPFを挿入しないものとしたが、挿入しても差し支えない。LPFの遅れ時定数を電流指令値Icontが高くなるにつれて大きくすることで安全性を高めたが、電流指令値Icontの変化量(△Icont/△t)と組み合わせてフィルタ効果を持たせてもよい。
(実施の形態3)
次に、本発明のレーザ装置における実施の形態3について、図5を用いて説明する。本実施の形態は、実施の形態1の発明と異なる点は、自動制御手段10の動作に関わらず駆動手段11に所定の出力信号を送出する手動制御手段16、自動制御と手動制御の切替を行う切替手段17を設けた点にあり、図1に示す実施の形態1と同一構成並びに作用効果を奏するところには同一符号を付与して詳細な説明を省略し、異なるところを中心に説明する。
図5において、手動制御手段16は自動制御手段10の動作に関わらず駆動手段11に所定の出力信号を送出する。切替手段17は自動制御手段10による自動制御と手動制御手段16による手動制御の切替を行うものである。手動制御手段16は、出力設定手段6、基準特性記憶手段14および切替手段17を介して駆動手段11に接続されている。操作者は切替手段17を自動制御手段10側から手動制御手段16側に切り替えることで、各センサからの入力信号や自動制御手段10の電流指令を切り離すことができる。
また手動制御手段16は、出力設定手段6および基準特性記憶手段14に接続され、出力設定手段6で設定された出力設定値に対応する最適な電流指令値を基準特性記憶手段14から呼び出し、送出するものである。手動制御手段16は基準特性記憶手段14に登録されている電流指令値テーブルを呼び出すのみで、更新等の書き替えは行なわない。切替手段17を自動制御手段10側にして、常時各センサの信号に応じたフィードバック制御を行なう。また最新のレーザ発振手段1の特性情報が基準特性記憶手段14に書き込まれる。
上記実施の形態において、実施の形態1で説明したと同様にして自動制御手段10によるレーザ装置の運転が行われ、特定センサの1個が異常判定され、異常報知手段15に報知が出されたとする。1個のセンサ故障のみでは、自動制御手段10の継続運転も可能であるが、操作者の判断で手動制御手段16に切り替えることで、センサ故障前の最適電流指令値に固定した出力を送出できる。当然、自動制御手段10が、2個以上のセンサ故障と判定した場合や故障判定がない場合も同様の動作が可能である。
これにより例えば自動制御手段10によるレーザ照射途中で突然センサ系の故障と判定した場合でも、異常の内容や使用状況の緊急性に応じては、操作者の判断によって、手動で円滑にレーザ光照射を継続実施できる。
(実施の形態4)
次に、本発明のレーザ装置における実施の形態4について、図6を用いて説明する。本実施の形態は、実施の形態1および3の発明と異なる点は、次に説明する通りで、図5に示す実施の形態3と同一構成並びに作用効果を奏するところには同一符号を付与して詳細な説明を省略し、異なるところを中心に説明する。
実施の形態3と異なるのは、レーザ発振手段1の温度を制御するためのペルチェ素子4、レーザ発振手段1の温度を設定するための温度設定手段18、ペルチェ素子4を駆動する冷却制御手段19、この冷却制御手段19によって通電されたペルチェ素子4を通過する電流を測定するペルチェ電流検出手段20を設けたことにある。
ペルチェ素子4は、一般にはTEC、電子冷却素子ともよばれる半導体である。レーザダイオードモジュール5のパッケージ内に搭載され、レーザ発振手段1が所望温度になるよう熱結合されている。冷却制御手段19は投入電流(または電力)を可変できる電流制御回路で、自動制御手段10からの電流指令値によってペルチェ素子4を温度制御する。そして、自動制御手段10はレーザ出力に関わらず、温度設定手段18で設定された指定温度に常時維持するため、温度センサ3からの信号を観測しながら冷却制御手段19を介してペルチェ素子4への投入電力をフィードバック制御する。これによりレーザ発振手段1の波長を出力の大小に関わらず一定に保っている。
自動制御手段10から見ると、操作設定される値が温度設定値を含めた2系統に、レーザ発振手段1の特性、挙動を常時測定するセンサ群がペルチェ電流を含めた5系統(時間毎の変化情報、時系列情報を除き)に、電流指令の制御系が2系統に増えたものである。実施の形態1及び3と制御動作は基本的に同じであり、多次元入出力系からなる空間上の非線形写像をなす基本構成には変わりない。
上記実施の形態によって、レーザ発振手段1の厳密な波長制御・温度制御が行なえるばかりでなく、ペルチェ素子4の駆動と温度センサ3との密接な関係から温度センサ3やペルチェ電流検出手段20の故障検知が確実に行なえる。また駆動負荷としてのレーザ発振手段1とペルチェ素子4を独立因子として制御できるため、これら制御系における異常箇所の特定もより確実に行なえる。
以上のように本発明のレーザ装置は、精度よく即座に装置の異常有無を報知できるもので、医用または産業用等のレーザ装置に適用できる。
本発明の実施の形態1におけるレーザ装置のブロック構成図 (a)同実施の形態1におけるレーザ発振手段の特性を示し、LD電流検出手段で測定した駆動電流を示す図(b)同じくLD電圧検出手段で測定した駆動電圧を示す図(c)同じく光量センサで測定したLD光量を示す図(d)同じくレーザ照射前後に温度センサで測定される温度差△Tを示す図(e)同じくレーザ照射後の温度変化推移を示した図 同実施の形態1における自動制御手段の動作を説明したフローチャート (a)本発明の実施の形態2と比較のために示した実施の形態1におけるレーザ装置の自動制御手段の電流指令値の出力波形図(b)本発明の実施の形態2におけるレーザ装置の自動制御手段の電流指令値の出力波形を示す図 本発明の実施の形態3におけるレーザ装置のブロック構成図 本発明の実施の形態4におけるレーザ装置のブロック構成図 従来のレーザ装置のブロック構成図
符号の説明
1 レーザ発振手段
2 光量センサ
3 温度センサ
4 ペルチェ素子
6 出力設定手段
10 自動制御手段
11 駆動手段
12 LD電流検出手段
14 基準特性記憶手段
15 異常報知手段
16 手動制御手段
19 冷却制御手段
20 ペルチェ電流検出手段

Claims (10)

  1. レーザ発振手段と、前記レーザ発振手段のレーザ出力を設定する出力設定手段と、前記レーザ発振手段を駆動する駆動手段と、前記レーザ発振手段の動作状態を検出するセンサと、前記出力設定手段及び前記センサからの信号に基づき前記駆動手段へ駆動信号を送出する自動制御手段と、前記駆動手段への各制御量に対応する前記センサからの信号の基準値または基準範囲を記憶する基準特性記憶手段と、異常報知手段とを備え、前記自動制御手段は前記センサからの信号と前記基準特性記憶手段からの信号に基づいて前記センサの異常を判定し前記異常報知手段へ異常内容を示す報知信号を送出するレーザ装置。
  2. 自動制御手段は、レーザ出力を設定する出力設定手段、レーザ発振手段の動作状態を検出するセンサ及び駆動手段への各制御量に対応する前記センサからの信号の基準値または基準範囲を記憶する基準特性記憶手段からの信号に基づき前記駆動手段へ駆動信号を送出し、前記センサからの信号と前記基準特性記憶手段からの信号との比または差に基づいて異常判定する請求項1記載のレーザ装置。
  3. 自動制御手段は、レーザ発振手段の動作状態を検出するセンサの異常判定時に前記センサからの信号を切断または除外する請求項1または請求項2記載のレーザ装置。
  4. 自動制御手段は、レーザ発振手段の動作状態を検出するセンサの異常判定時に基準特性記憶手段からの信号に基づいて駆動手段へ駆動信号を送出する請求項1〜3のいずれかに記載のレーザ装置。
  5. 自動制御手段は、駆動手段へ送出する駆動信号の所定時間以内の上昇または変動を抑圧する請求項1〜4のいずれかに記載のレーザ装置。
  6. 自動制御手段は、レーザ発振手段の動作状態を検出するセンサからの信号と基準特性記憶手段からの信号との比または差に基づいて前記基準特性記憶手段の記憶情報を更新する請求項1〜5のいずれかに記載のレーザ装置。
  7. レーザ発振手段の動作状態を検出する複数のセンサと、前記複数のセンサのいずれかの異常を判定した場合、異常と判定した当該センサからの信号を他のセンサ信号から推定または補完する自動制御手段を備えた請求項1〜6のいずれかに記載のレーザ装置。
  8. 自動制御手段の出力とは無関係に、出力設定手段に基づいて駆動手段へ駆動信号を送出する手動制御手段を設けた請求項1〜7のいずれかに記載のレーザ装置。
  9. レーザ発振手段はレーザダイオードを有し、前記レーザ発振手段の動作状態を検出するセンサは、前記レーザ発振手段の発光量を検出する光量センサと、前記レーザ発振手段の駆動電流を検出するレーザダイオード電流検出手段と、前記レーザ発振手段近傍の温度を検出する温度センサとのいずれかまたは全てを備えた請求項1〜8のいずれかに記載のレーザ装置。
  10. レーザ発振手段はレーザダイオードを有し、レーザ発振手段を冷却するペルチェ素子と、前記ペルチェ素子を駆動する冷却制御手段を備え、レーザ発振手段の動作状態を検出するセンサは、レーザ発振手段の発光量を検出する光量センサと、前記レーザ発振手段の駆動電流を検出するレーザダイオード電流検出手段と、前記レーザ発振手段近傍の温度を検出する温度センサと、前記冷却制御手段による前記ペルチェ素子の駆動電流を検出するペルチェ電流検出手段とのいずれかまたは全てを備えた請求項1〜9のいずれかに記載のレーザ装置。
JP2003313957A 2003-09-05 2003-09-05 レーザ装置 Pending JP2005085871A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003313957A JP2005085871A (ja) 2003-09-05 2003-09-05 レーザ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003313957A JP2005085871A (ja) 2003-09-05 2003-09-05 レーザ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005085871A true JP2005085871A (ja) 2005-03-31

Family

ID=34414726

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003313957A Pending JP2005085871A (ja) 2003-09-05 2003-09-05 レーザ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005085871A (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007080190A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Nec Corp センサネットワークシステム、センサノード、センサ情報収集装置、事象観測方法、およびプログラム
WO2007135922A1 (ja) * 2006-05-19 2007-11-29 Olympus Corporation 光源装置及び分析装置
JP2008278200A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Fujitsu Ltd 光源
JP2009200242A (ja) * 2008-02-21 2009-09-03 Fujitsu Ltd 光送信機および制御方法
JP2009237521A (ja) * 2008-03-06 2009-10-15 Ricoh Co Ltd 撮像装置およびその制御方法
US8098987B2 (en) 2007-12-11 2012-01-17 Hitachi Cable, Ltd. Optical transmitting and receiving apparatus and method for analyzing abnormality or failure of the optical transmitting and receiving apparatus
US8327367B2 (en) 2009-03-05 2012-12-04 Empire Technology Development Llc Information service providing system, information service providing device, and method therefor
US8566060B2 (en) 2009-03-05 2013-10-22 Empire Technology Development Llc Information service providing system, information service providing device, and method therefor
JP2013225557A (ja) * 2012-04-20 2013-10-31 Nec Corp 劣化判定装置、発光装置及び劣化判定方法
US8583452B2 (en) 2009-03-13 2013-11-12 Empire Technology Development Llc Health check system, health check apparatus and method thereof
US8858000B2 (en) 2010-08-26 2014-10-14 Seiko Epson Corporation Projector having fluoroscent body and associated sensor
WO2019220832A1 (ja) * 2018-05-18 2019-11-21 パナソニックIpマネジメント株式会社 ダイレクトダイオードレーザ方式のレーザ発振装置、および、レーザ発振装置の故障診断方法
US10763642B2 (en) 2018-04-27 2020-09-01 Nichia Corporation Driver circuit and processing device
CN113410734A (zh) * 2021-06-04 2021-09-17 合肥中科环境监测技术国家工程实验室有限公司 基于遗传算法的tec最佳工作状态优化方法、设备

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000168137A (ja) * 1998-12-03 2000-06-20 Canon Inc 半導体レーザダイオードの駆動回路および画像形成装置
JP2000206435A (ja) * 1999-01-14 2000-07-28 Asahi Optical Co Ltd 半導体レ―ザ装置
JP2002100831A (ja) * 2000-09-20 2002-04-05 Fuji Xerox Co Ltd 半導体レーザ制御装置
JP2003046187A (ja) * 2001-07-30 2003-02-14 Asahi Kasei Microsystems Kk レーザダイオードの制御回路

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000168137A (ja) * 1998-12-03 2000-06-20 Canon Inc 半導体レーザダイオードの駆動回路および画像形成装置
JP2000206435A (ja) * 1999-01-14 2000-07-28 Asahi Optical Co Ltd 半導体レ―ザ装置
JP2002100831A (ja) * 2000-09-20 2002-04-05 Fuji Xerox Co Ltd 半導体レーザ制御装置
JP2003046187A (ja) * 2001-07-30 2003-02-14 Asahi Kasei Microsystems Kk レーザダイオードの制御回路

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007080190A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Nec Corp センサネットワークシステム、センサノード、センサ情報収集装置、事象観測方法、およびプログラム
WO2007135922A1 (ja) * 2006-05-19 2007-11-29 Olympus Corporation 光源装置及び分析装置
JP2008278200A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Fujitsu Ltd 光源
US7642495B2 (en) 2007-04-27 2010-01-05 Fujitsu Limited Light source error detection apparatus and method
JP4499132B2 (ja) * 2007-04-27 2010-07-07 富士通株式会社 光源およびwdm光通信システム
US8098987B2 (en) 2007-12-11 2012-01-17 Hitachi Cable, Ltd. Optical transmitting and receiving apparatus and method for analyzing abnormality or failure of the optical transmitting and receiving apparatus
JP2009200242A (ja) * 2008-02-21 2009-09-03 Fujitsu Ltd 光送信機および制御方法
EP2093849A3 (en) * 2008-02-21 2010-03-17 Fujitsu Limited Optical transmitter
JP2009237521A (ja) * 2008-03-06 2009-10-15 Ricoh Co Ltd 撮像装置およびその制御方法
US8566060B2 (en) 2009-03-05 2013-10-22 Empire Technology Development Llc Information service providing system, information service providing device, and method therefor
US8327367B2 (en) 2009-03-05 2012-12-04 Empire Technology Development Llc Information service providing system, information service providing device, and method therefor
US8583452B2 (en) 2009-03-13 2013-11-12 Empire Technology Development Llc Health check system, health check apparatus and method thereof
US8858000B2 (en) 2010-08-26 2014-10-14 Seiko Epson Corporation Projector having fluoroscent body and associated sensor
US9063403B2 (en) 2010-08-26 2015-06-23 Seiko Epson Corporation Projector having fluorescent body and associated sensor
JP2013225557A (ja) * 2012-04-20 2013-10-31 Nec Corp 劣化判定装置、発光装置及び劣化判定方法
US10763642B2 (en) 2018-04-27 2020-09-01 Nichia Corporation Driver circuit and processing device
WO2019220832A1 (ja) * 2018-05-18 2019-11-21 パナソニックIpマネジメント株式会社 ダイレクトダイオードレーザ方式のレーザ発振装置、および、レーザ発振装置の故障診断方法
EP3796490A4 (en) * 2018-05-18 2021-06-30 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. LASER OSCILLATION DEVICE FOR DIRECT DIODE LASER METHOD AND ERROR DIAGNOSTIC METHOD FOR LASER OSCILLATION DEVICE
CN113410734A (zh) * 2021-06-04 2021-09-17 合肥中科环境监测技术国家工程实验室有限公司 基于遗传算法的tec最佳工作状态优化方法、设备
CN113410734B (zh) * 2021-06-04 2023-07-21 合肥中科环境监测技术国家工程实验室有限公司 基于遗传算法的tec最佳工作状态优化方法、设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100394169B1 (ko) 발광소자의열화추정방법및이를이용한발광구동장치
US7443897B2 (en) Method for distinguish failure modes in an APC circuit and an optical transmitter using the same
JP2005085871A (ja) レーザ装置
US20090135868A1 (en) Optical transmitter able to resume APC operation automatically
US20090214198A1 (en) Optical transmitter
KR101241259B1 (ko) 레이저 구동장치, 광디스크 장치 및 레이저 구동 방법
JP2005317841A (ja) 半導体レーザ装置
JPWO2018179306A1 (ja) 光送信機
JP5117524B2 (ja) レーザダイオード制御装置およびレーザダイオードの制御方法
JP2009043784A (ja) レーザダイオード駆動回路およびレーザダイオード駆動方法
JP2006210812A (ja) 光出力制御回路及び光出力制御方法
US8611761B2 (en) Method to control temperature of LD
JP2929992B2 (ja) 光送信回路
JP2009253065A (ja) 光送信モジュール
JP5459751B2 (ja) 安定化電源装置及びその制御方法
US11193870B2 (en) Method of estimating a condition parameter of a laser diode with an associated photodiode, apparatus for monitoring the operation of such laser diode and particular sensor apparatus
JP2008116233A (ja) モータ駆動装置
KR102574422B1 (ko) 광 송신 장치의 컨트롤러
JPH07221369A (ja) 回路素子の劣化検出回路
JP3368442B2 (ja) Ld駆動電流制限回路
JP5166488B2 (ja) レーザダイオードの寿命予測システム
JP4999769B2 (ja) 光トランシーバのレーザダイオード監視装置及び方法
US9620926B2 (en) Laser machining apparatus changing operation based on length of power-down time
JP3743399B2 (ja) レーザダイオード制御装置、及び制御方法
JP2004254240A (ja) レーザダイオード管理装置およびレーザダイオード管理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060619

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20060712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090818

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090909

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20091119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091215

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100420