JP2005083925A - 無端ベルト検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 片寄りが発生する無端ベルトを確実に判別する。
【解決手段】 検査装置10は、作業台12、固定支持ローラ13、固定支持板14,15、遊動支持ローラ16、遊動支持部17、テンショナー部18、傾き測定部19とからなり、固定支持ローラ13、遊動支持ローラ16に無端ベルト20を巻き掛けて検査を行う。テンショナー部18のレバー51を回動させると、無端ベルト20に張力が付与され、遊動支持ローラ16が固定支持ローラ13に対して傾きを持った位置で静止する。傾き測定部19は、基準板61、傾き測定板62、オートコリメータ63からなる。オートコリメータ63で基準板61及び傾き測定板62の傾きを計測する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、無端ベルトの検査装置に関する。詳しくは、複数のローラに掛け渡した無端ベルトの片寄りを検査する検査装置に関するものである。
駆動ローラを含む複数のローラに巻き掛けられた装着状態で、駆動ローラの回転によって走行する無端ベルトは、生産ラインや製品の搬送、さらには装置内での各種媒体や機構の搬送手段として、様々な場面で広く用いられている。ところが、この種の無端ベルトは、各ローラの寸法誤差や取り付け誤差、ベルト張力のアンバランス、ベルト周長の不均一などが原因で、ベルトの片寄りが発生することが多い。
このような無端ベルトは、例えばDPE店で使用されているプリンタプロセサ等の現像機を構成する感光材料乾燥装置の中に組み込まれている。そして、特許文献1に記載されている感光材料乾燥装置では、感光材料を水洗処理した後、送られてきた感光材料を無端ベルトで搬送しながら、送風機で乾燥風を吹き付けて感光材料を乾燥させる。最近では、現像処理の作業効率を向上させるため、感光材料を複数列で搬送しながら乾燥させているので、無端ベルトの片寄りが発生すると、感光材料が引っ掛かって装置を停止させたり、感光材料やベルトそのものを傷つけたりする可能性が高い。そこで、片寄りが発生するベルトをより確実に判別するための精度の高い検査を行うことが望まれている。
片寄りの検査としては、無端ベルトの両端部の周長を測定する検査方法や、駆動ローラ及び従動ローラに巻き掛けて無端ベルトを実際に所定時間走行させて片寄り具合を計測する検査方法などが一般的である。中でも、ベルト周長の不均一が、無端ベルトの片寄りを引き起こす最も重要な原因であり、両端部の周長を測定する検査が行われていることが多い。
しかしながら、上述した両端部の周長のみを測定する検査方法では、両端部以外の箇所で周長の不均一が大きい場合、やはり無端ベルトには片寄りが発生してしまうことととなり、信頼性の高い検査方法ではない。また、無端ベルトを所定時間走行させる検査方法では、検査工程に時間がかかることとなり、生産効率を低下させてしまう。
また、従来の検査方法で検査された無端ベルトを装置に組み込むときには、複数の無端ベルトを用意し、これらのうちのいずれか1つを各ローラに実際に巻き掛けて装着して、張力を変更したり、ローラ径が微妙に異なるものに変更したりという調整工程が必要となり、装置全体の生産効率をさらに低下させることになる。
特開2003−215776号公報
解決しようとする問題点は、片寄りが発生する無端ベルトを確実に判別することが出来ない点、また検査工程に長時間を要し、生産効率が低下する点である。
本発明は、作業台と、この作業台に対して中心軸の位置が固定された状態で支持される固定支持ローラと、この固定支持ローラに対して所定間隔離れて位置する遊動支持ローラと、この遊動支持ローラを回転自在に支持し、かつ前記遊動支持ローラが前記固定支持ローラに対して平行な位置から傾きを持つように遊動自在に前記作業台に取り付けられている遊動支持部材と、被検体である無端ベルトの一端が前記固定支持ローラに、前記無端ベルトの他端が前記遊動支持ローラに巻き掛けられた装着状態のとき、前記無端ベルトが所定の張力を持って巻き掛けられるように張力を付与する張力付与手段と、前記装着状態のとき、前記固定支持ローラに対する前記遊動支持ローラの傾きを測定する傾き測定手段とからなることを特徴とする。
また、本発明では、前記傾き測定手段は、前記作業台と一体に設けられた基準部材と、前記遊動支持部材と一体に設けられ、前記遊動支持ローラと固定支持ローラが平行な位置にあるときに前記基準部材と平行となるように配置された傾き測定部材と、前記基準部材に対する前記傾き測定部材の傾きを計測する計測手段とからなることを特徴とする。
本発明は、片寄りが発生する無端ベルトを確実に判別し、検査工程の時間を短縮できるという利点がある。
図1及び図2は、本発明を適用した検査装置の斜視図及び要部断面図を示すものである。検査装置10は、作業台12、固定支持ローラ13、固定支持板14,15、遊動支持ローラ16、遊動支持部17、テンショナー部18、傾き測定部19とからなり、固定支持ローラ13と、遊動支持ローラ16との間に無端ベルト20を巻き掛けて、無端ベルト20の片寄りを判定する検査を行うためのものである。なお、この検査装置10では、X,Y,Z軸からなる座標系が設定されており、X軸、Y軸は、互いに直交し、かつ水平方向と平行で、Z軸はX,Y軸と直交し、かつ鉛直方向と平行に位置している。
無端ベルト20としては、プリンタプロセサなどの写真現像機を構成する感光材料乾燥装置に組み込まれるものを検査の対象とする。このような無端ベルト20は、例えば、メッシュベルトから構成される。このメッシュベルトは、ポリエステルの縦糸及び横糸を織って形成し、印画紙との間に滑りが発生しないようにシリコンゴムが塗布してある。またメッシュベルトの裏面両端側にはウレタン性の突条が溶着されており、両端縁が補強されている。
固定支持ローラ13は、円柱形状に形成されており、その中心軸21の両端部に、ベアリング22,23が取り付けられている。固定支持板14,15は、略矩形状の作業台12の一端側にネジ止めなどにより固定されており、上方部に切欠き部14a,15aがそれぞれ形成されている。切欠き部14a,15aにはベアリング22,23が着脱自在に嵌合する。ベアリング22,23が切欠き部14a,15aに嵌合すると、固定支持ローラ13は、ベアリング22,23を介して固定支持板14,15に回転自在に支持され、作業台12に対して中心軸21の位置が固定された状態で取り付けられる。
遊動支持ローラ16及び遊動支持部17は、詳しくは図3に示すような構成となっている。遊動支持ローラ16は、円柱形状で、固定支持ローラ13と同じ寸法に形成されており、その中心軸25の両端部にベアリング26,27が取り付けられている。
遊動支持部17は、支持フレーム30、回転台31、移動台32、ガイドレール33,34とからなる。支持フレーム30は、長矩形の板状に形成された底板35と、底板35の両端部から上方に突出する突出部36,37、及び底板35の中央部から下方に突出する回転軸38が一体に設けられている。突出部36,37には、ベアリング25,26が嵌め込まれる切欠き部36a,37aがそれぞれ形成されている。ベアリング25,26が切欠き部36a,37aに嵌合すると、遊動支持ローラ16は、ベアリング25,26を介して支持フレーム30に回転自在に支持された状態で、遊動支持部17に取り付けられる。
回転台31は、その上方部に回転軸受け40が一体に設けられ、下方部には、略矩形板状のガイド部41が形成されている。回転軸受け40は、支持フレーム30の回転軸38と回転自在に嵌合する。これによって、支持フレーム30、及びこの支持フレーム30に両端部が支持された遊動支持ローラ16は、Z軸を中心にして回転自在に回転台31に支持された状態となる。
移動台32は、その上方部にY軸方向ガイド溝44、下方部にX軸方向ガイド溝45,46が形成されている。Y軸方向ガイド溝44は、Y軸と平行に形成されており、回転台31のガイド部41とスライド自在に嵌合している。ガイドレール33,34は、互いに平行で且つX軸に沿って配置されており、移動台32のX軸方向ガイド溝45,46がスライド自在に嵌合する。これによって、回転台31に支持された支持フレーム30及び遊動支持ローラ16は、X軸およびY軸に沿って移動自在となっている。
テンショナー部18は、レバー51、取り付け基部52,53、コイルばね54,55からなる。取り付け基部52,53は、作業台12にネジ止めなどによって固定されており、レバー51を両側から挟み込み且つ回転軸57を中心にして回転自在に支持する。コイルばね54,55は一端側がレバー51のピン51aに係止されており、他端側が移動台32に形成された係止穴56に係止されている。レバー51は、張力付与位置(実線で示す位置)と解除位置(2点鎖線で示す位置)との間で回転自在となっており、レバー51が張力付与位置にあるとき、コイルばね54,55を介して移動台32に張力を付与する。そしてレバー51が解除位置にあるとき、コイルばね54,55を引っ張る力を解除する。これによって、レバー51が張力付与位置にあるときには、移動台32はコイルばね54,55からの張力を受けて停止し、解除位置にあるときには、移動台32はコイルばね54,55から受ける張力から開放され、移動自在となる。
傾き測定部19は、図1,2に示すように、作業台12に固定された基準板61と、支持フレーム30と一体に形成された傾き計測板62と、オートコリメータ63とからなる。基準板61は、作業台12の一端部から上方へ突出し、上方部に矩形状の基準面64が形成されている。基準面64は、光が反射しやすい鏡面状に形成されており、固定支持ローラ13より高い位置に設けられている。
傾き測定板62は、固定支持ローラ13、遊動支持ローラ16を間に挟んで基準板61と対面する位置に設けられており、支持フレーム30の底板35から上方に突出するように形成されている。傾き測定板62の上方部には矩形状の傾き測定面65が形成されている。傾き測定面65は、固定支持ローラ13と遊動支持ローラ16が平行な位置にあるときに基準面64に対して平行となるように配置されており、且つ傾き測定面65の上端縁65aが基準面64の下端縁64aと同じ高さに位置している。なお、傾き測定面65も基準面64と同様に鏡面状に形成されている。
計測手段としてのオートコリメータ63は、光学計測装置として周知のものである。このオートコリメータ63は、光源71と、この光源71から発せられた光の一部を通過させて点光源として機能させるスリット板72と、スリット板72を通過した光源光の光軸A上に配置されているビームスプリッタ73と、このビームスプリッタ73を間に挟んで位置し、光軸Aと直交する光軸B上に位置する接眼レンズ74及び対物レンズ75と、接眼レンズ74とビームスプリッタ73の間に位置するレチクル76と、これらを保持する筐体77とからなる。ビームスプリッタ73は、光軸Aと直交する面73aと、これに対面する面73bと、これらの面73a,73bに対してそれぞれ45°の傾斜角度をなすハーフミラー73cと、面73a,73bに直交する面73d,73eとを有している。
このオートコリメータ63では、上述した光軸B上に測定対象物である基準板61及び傾き測定板62が配置されている。但し本実施形態では、基準板61に対する傾き測定板62の傾きを測定するため、光軸Bを境にして上方に基準板61の基準面64が、下方に基準板62の基準面65が位置している。光源71から光源光が発せられると、ビームスプリッタ73に入射し、ハーフミラー73cによって反射し、反射光として光軸B上を進行する。光軸B上を進行した反射光は、基準板61及び傾き測定板62に到達する。反射光は、基準板61及び傾き測定板62で反射した計測光となって、ビームスプリッタ73へ入射し、さらにビームスプリッタ73を透過した計測光は、スリット板72の像(以下、単にスリット像という。)としてレチクル76に結像する。レチクル76には、詳しくは図4に示すように、スリット像の位置を検出し易くするための目盛り79を備えている。
このような構成のオートコリメータ63を使用して、基準面64からの反射光による基準スリット像80と、傾き計測面65からの反射光による計測スリット像81とが図4に示すような平行な2本の線として観察される。この2本の線の間隔を目盛りで読み取ることによって基準板61に対する傾き測定板62の傾きを計測することができる。
上記構成の作用について以下に説明する。検査装置10によって、無端ベルト20の検査をするときには、先ず無端ベルト20の一端側を固定支持ローラ13に巻き掛けて固定支持ローラ13を固定支持板14,15に支持させる。次に無端ベルト20の他端側を遊動支持ローラ16に巻き掛けて、遊動支持部17の支持フレーム30に支持させる。
無端ベルト20の両端を固定支持ローラ13、遊動支持ローラ16に巻き掛けて支持させた後、テンショナー部18のテンションレバー51を張力付与位置に移動させる。テンションレバー51を張力付与位置にすると、移動台31がコイルばね54,55から引っ張られるので、移動台31に支持されている支持フレーム30及び遊動支持ローラ16も同時に引っ張られる。これによって、遊動支持ローラ16及び固定支持ローラ13に巻き掛けられている無端ベルト20に所定の張力が発生する。
上述のように、固定支持ローラ13、及び遊動支持ローラ16に巻き掛けられ、テンショナー部18で張力が付与されて、無端ベルト20は検査装置10にセットされた装着状態となる。そして検査装置10に無端ベルト20がセットされた後、オートコリメータ63で、基準板61と傾き測定板62の傾きを計測し、その計測結果から無端ベルト20の片寄りの有無を判定する。又、 ガイドレール33(又は34)に目盛りを刻んで、X軸方向ガイド溝45(又は46)の位置を読み取れば無端ベルト20の長さを測ることもできる。なお、本実施形態では、検査装置10にセットされ、検査を受ける無端ベルト20に対して、オートコリメータ63による1回目の計測の後、無端ベルト20が巻き掛けられる位置を移動させてもう一度、計2回の計測を行って判定する。以下では、説明の都合上、周長が均一で片寄りがない無端ベルト20と、周長が不均一で片寄りが有る無端ベルト20とを分けて説明する。
先ず、無端ベルト20のうち、図5(A)に示す理想的な無端ベルト20、すなわち、周長が均一で片寄りのないものが検査を受けた場合を説明する。この理想的な無端ベルト20がテンショナー部18で張力を付与され、装着状態となったときには、図6(A)に示すように、固定支持ローラ13と遊動支持ローラ16とが平行な位置を保ったまま静止する。これにより、基準板61と傾き測定板62とは、平行に位置するので、オートコリメータ63による一回目の計測結果は図4(A)に示すような状態となる。すなわち、基準スリット像80と計測スリット像81の位置が重なっているので、基準板61に対する傾き測定板62の傾きが無いことが分かる。そして、この一回目の計測の後、無端ベルト20の位置が90°位相が変わるように周方向に沿って移動させる。そして、2回目の計測でも、基準スリット像80と計測スリット像81の位置が重なって、基準板61に対する傾き測定板62の傾きが無いことが分かる。このように、理想的な無端ベルト20では、どの位置で測定しても、基準板61と傾き測定板62とが平行である。
そして、無端ベルト20のうち、図5(B),(C)のような周長が不均一なものが検査を受けた場合を説明する。なお、図5(B)のものは、両端部の周長L1 ,L2 に差が有るもので、図5(C)のものは、両端部の周長L3 には差がないものの、それ以外の部分の周長が不均一で、ともに片寄りが発生するものである。このような無端ベルト20がテンショナー部18で張力を付与され、装着状態とされたときには、図6(B)に示すように、固定支持ローラ13に対して遊動支持ローラ16が傾きを持った位置で静止する。これにより、基準板61に対して傾き測定板62が傾いた状態となるので、オートコリメータ63による一回目の計測結果は図4(B)に示すような状態となる。すなわち、基準スリット像80に対して計測スリット像81の位置が変位しており、このスリット像81の位置から、基準板61に対する傾き測定板62の傾きの度合いが分かる。本実施形態では、この計測結果によって、傾き測定板62の傾きαが所定値以内であれば合格とし、片寄りが許容範囲内にあるものとする。そして傾き測定板62の傾きαが所定値を超える場合、片寄りの大きい無端ベルト20と判定される。なお、この場合例えば、傾きαを判定する所定値を0°30′とし、目盛り79の1目盛り分tを0°10′として設定することが好ましい。一回目の検査に合格したものは、その後、無端ベルト20の位置を移動させて、2回目の計測を行なう、2回目の計測も傾きαが所定値以内であれば、その無端ベルト20は検査に合格したものとされる。
このように、無端ベルト20の片寄りを確実に判定することが可能であり、検査の手順としても、検査装置10に装着し、1回目の計測、無端ベルト20の位置の移動、2回目の計測という容易な作業だけで検査工程ができるので、短時間で検査工程を行うことができ、生産効率を向上させることができる。
なお、上記実施形態では、基準板61と傾き測定板62とを、オートコリメータ63の光軸B上に直線状に配置する構成としているが、これに限るものではない。図7に、基準板、傾き測定板、及びオートコリメータの配置を変更した上記実施形態の変形例を示す。なお、図7において、上記実施形態と同様の部材、部品については、同符号を付して説明を省略する。
図7に示す検査装置80では、オートコリメータ81は、作業台12の下方に設置されており、このオートコリメータ81の光軸B上には、2つの反射板82,83が設けられている。オートコリメータ81は、光源71、スリット板72、スリット板72、ビームスプリッタ73、接眼レンズ74、対物レンズ75、レチクル76、筐体84とからなる。筐体84は、作業台12の下面に固定されている。また、接眼レンズ74及びレチクル76は、作業台12の上部に位置しており、上方部から観察可能となっている。オートコリメータ81の光軸Bは作業台12の下方で、基準板61及び傾き測定板を結ぶ直線と平行に位置している。また、反射板82,83は、オートコリメータ81の光源71から出た光源光、及び基準板61、傾き測定板62で反射した計測光が進行する方向を90°ずつ屈折させる。これによって、オートコリメータ81の光源71から出た光源光は、基準板61、傾き測定板62に到達して反射し、基準板61、傾き測定板62で反射した計測光は、スリット像としてレチクル76に結像する。これにより、検査装置80は、上記実施形態の検査装置50と同様に、遊動支持ローラ16の傾きを計測することができる。さらに、検査装置80は、オートコリメータ81を作業台12の下方に配置したので、コンパクトな構成とすることが可能であり、装置の設置面積を減少させることができる。
また、上記実施形態では、張力付与手段として回転支持されたレバー51、コイルばね54,55などからなるテンショナー部18で無端ベルト20に張力を付与しているが、張力付与手段はこれに限るものではなく、図8,9に示すような構成でもよい。なお、図8,9において、上記実施形態と同様の部材、部品については、同符号を付して説明を省略する。
図8,9に示す張力付与手段としての定荷重ユニット88は、フォースゲージ89、支持板90、ガイドレール91,92、調整ネジ93からなる。フォースゲージ89は、周知の張力測定機器であり、先端に設けられたフック89aが受けた張力を液晶表示パネル89bに表示する。このフォースゲージ89は、支持板90に固定されている。フック89aは、移動台32に形成された係止穴56に係止されている。ガイドレール90,91は、X軸に沿って配置され、作業台12に固定されている。支持板90は、ガイドレール90,91に対してスライド自在に取り付けられている。これにより、フォースゲージ89は、X軸に沿って移動自在に支持される。調整ネジ93は、X軸と平行に位置しており、その一端部が、支持板90と一体に設けられた接続部94と回転自在に連結しており、他端部が、作業台12に固定された支持部材95と螺合している。
このように構成された定荷重ユニット88で、調整ネジ93を回転させると、調整ネジ93がX軸に沿って進行するので、調整ネジ93と連結している支持板90及びフォースゲージ89もX軸に沿って移動する。このフォースゲージ89の移動によって、フック89aが移動台32を牽引するので、移動台32に支持された遊動支持ローラ16もX軸に沿って移動する。これによって、無端ベルト20に張力が付与されるので、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらにフォースゲージ89は、液晶表示パネル89bに張力の値を表示するので、無端ベルト20に付与する張力の値を細かく制御することが可能であり、より精密な検査を行うことができる。あるいは、液晶表示パネル89bに表示される値に基づいて調整ネジ93で張力の値を調整することによって、無端ベルト20として異なる種類のものを検査するときにも対応することが可能であり、検査装置として広い汎用性を持つことができる。
また、張力付与手段としては、上記したものに限るものではなく、図10に示すような構成でもよい。なお、図10において、上記実施形態と同様の部材、部品については、同符号を付して説明を省略する。
図10に示すように、張力付与手段としてのテンショナー部96は、プーリ97〜99、ワイヤ100、錘101からなる。ワイヤ100の両端部にフック100a,100bが一体に設けられており、フック100aが移動台32に形成された係止穴56に係止されており、フック100bには、錘101が連結されている。プーリ97〜99は、ワイヤ100が巻き掛けられ、ワイヤ100の移動をガイドする。ワイヤ100は、プーリ97〜99のガイドによって、移動台32に係止された一端部ではX軸に沿って水平に位置しており、プーリ97,98のガイドで反対方向に向きが変えられ、遊動支持ローラ16,固定支持ローラ13の下方を通ってプーリ99のガイドで垂直下方に向きが変えられる。
このように構成されたテンショナー部96で、ワイヤ100のフック100bに錘101を連結させると、フック100aが移動台32を牽引するので、移動台32に支持された遊動支持ローラ16もX軸に沿って移動する。これによって、無端ベルト20に張力が付与されるので、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、フック100bに連結させる錘101の荷重を変更することによって、無端ベルト20として異なる種類のものを検査するときにも対応することが可能であり、検査装置として広い汎用性を持つことができる。
本発明を実施した無端ベルト検査装置の外観斜視図である。 本発明を実施した無端ベルト検査装置の要部断面図である。 遊動支持ローラ、遊動支持部、及びテンショナー部の構成を示す斜視図である。 オートコリノメータで計測した計測結果を示す概略図である。 検査を受ける無端ベルトの例を示す平面図である。 検査を行っているときの無端ベルト検査装置の状態を示す平面図である。 オートコリノメータの配置を変更した実施例を示す要部断面図である。 張力付与手段として定荷重ユニットを備えた実施例を示す外観斜視図である。 図8に示す実施例の平面図である。 プーリ、ワイヤ、錘からなる張力付与手段を備えた実施例を示す外観斜視図である。
符号の説明
10,80 検査装置
13 固定支持ローラ
16 遊動支持ローラ
18,96 テンショナー部
19 傾き測定部
20 無端ベルト

Claims (2)

  1. 作業台と、この作業台に対して中心軸の位置が固定された状態で支持される固定支持ローラと、この固定支持ローラに対して所定間隔離れて位置する遊動支持ローラと、この遊動支持ローラを回転自在に支持し、かつ前記遊動支持ローラが前記固定支持ローラに対して平行な位置から傾きを持つように遊動自在に前記作業台に取り付けられている遊動支持部材と、被検体である無端ベルトの一端が前記固定支持ローラに、前記無端ベルトの他端が前記遊動支持ローラに巻き掛けられた装着状態のとき、前記無端ベルトが所定の張力を持って巻き掛けられるように張力を付与する張力付与手段と、前記装着状態のとき、前記固定支持ローラに対する前記遊動支持ローラの傾きを測定する傾き測定手段とからなることを特徴とする無端ベルト検査装置。
  2. 前記傾き測定手段は、前記作業台と一体に設けられた基準部材と、前記遊動支持部材と一体に設けられ、前記遊動支持ローラと固定支持ローラとが平行な位置にあるときに前記基準部材と平行となるように配置された傾き測定部材と、前記基準部材に対する前記傾き測定部材の傾きを計測する光学的計測手段とからなることを特徴とする請求項1記載の無端ベルト検査装置。
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