JP2005083526A - 制振ダンパー - Google Patents
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Abstract
【課題】建物に用いられる制振ダンパーに関し、制振ダンパー用の室内スペースを少なくするとともに、簡易な構造にして大きなエネルギーを吸収できるようにすることが課題である。
【解決手段】基板から突出された平板状の減衰部10と、該減衰部の両脇で前記基板から突出された平板状の支持部13との組合わせで成るダンパーであって、前記減衰部10の先端部において表裏面に直交する方向に荷重が作用し当該減衰部が曲げ変形すると、該減衰部の側壁面10aがその基部11から先端12側へ順次に前記両脇にある支持部13の所望の曲率面に形成された側壁面13aに当接して減衰作用される、鋼材、鉛系合金、アルミニウムの金属製ダンパーが少なくとも1つ設けられてなる制振ダンパー1とする。
【選択図】図1
【解決手段】基板から突出された平板状の減衰部10と、該減衰部の両脇で前記基板から突出された平板状の支持部13との組合わせで成るダンパーであって、前記減衰部10の先端部において表裏面に直交する方向に荷重が作用し当該減衰部が曲げ変形すると、該減衰部の側壁面10aがその基部11から先端12側へ順次に前記両脇にある支持部13の所望の曲率面に形成された側壁面13aに当接して減衰作用される、鋼材、鉛系合金、アルミニウムの金属製ダンパーが少なくとも1つ設けられてなる制振ダンパー1とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、建物やその他構造物一般に使用される履歴型ダンパーに関するものある。
従来、地震や強風等に対する建物の応答性を低減する方法として、建物の要所に履歴型ダンパーを設置する方法が一般によく知られている。履歴型ダンパーの代表的なものとしては、鋼材ダンパーがある。一般的な鋼材ダンパーは、低降伏点鋼を圧縮引張のブレース材とし、それを座屈防止する構成になっている。
しかしながら、低降伏点鋼は特殊鋼であり、発注してから納入されるまでの納期が長く、また価格も高価である。そこで、安価かつ入手容易な材料を用いて、力学的に安定した構造にして、効果的に構造物を減衰させることが出来る履歴型ダンパーを考案する。
本発明の制振ダンパーの要旨は、基板から突出された平板状の減衰部と、該減衰部の両脇で前記基板から突出された平板状の支持部との組合わせで成るダンパーであって、
前記減衰部の先端部において表裏面に直交する方向に荷重が作用し当該減衰部が曲げ変形すると、該減衰部の側壁面がその基部から先端側へ順次に前記両脇にある支持部の所望の曲率面に形成された側壁面に当接して減衰作用される、鋼材、鉛系合金、アルミニウムの金属製ダンパーが少なくとも1つ設けられてなることである。
前記減衰部の先端部において表裏面に直交する方向に荷重が作用し当該減衰部が曲げ変形すると、該減衰部の側壁面がその基部から先端側へ順次に前記両脇にある支持部の所望の曲率面に形成された側壁面に当接して減衰作用される、鋼材、鉛系合金、アルミニウムの金属製ダンパーが少なくとも1つ設けられてなることである。
本発明に係る制振ダンパーの要旨は、免震構造の基礎部と基礎梁とにおいて、向き合った端面に開口した孔部が対向配置にして設けられ、該孔部の開口部に所望の曲率面を有するラッパ状支持部が各々対向して設けられ、前記孔部に前記基礎部側で一端部が固定された棒材が挿通されていることである。
本発明に係る制振ダンパーは、ブレース型、せん断型のいずれにも対応可能で、エネルギー吸収容量も1ton程度から400ton程度まで容易に設計できる。さらには構成が簡単で、低降伏点鋼を使用する必要がないので、安価かつ入手容易で製造できると言う優れた効果を奏するものである。
本発明に係る制振ダンパーを、安価かつ入手容易な材料を用いて、力学的に安定した構造にして、且つ、効果的に減衰作用させるようにすることで、目的を実現する。
本発明に係る制振ダンパー1は、図1に示すように、基板14と、該基板14から突出された平板状の減衰部10と、該減衰部10の両脇で前記基板14から突出された平板状の支持部13との組合わせで成る、鋼材、鉛系合金、アルミニウムのいずれか一つで形成される金属製ダンパーである。
この制振ダンパー1の減衰作用は、前記減衰部10の先端部において表裏面に直交する方向に荷重が作用し、当該減衰部10が曲げ変形すると、該減衰部10の側壁面10aがその基部11から先端12側へ順次に前記両脇にある支持部13の所望の曲率面に形成された側壁面13aに当接して、減衰作用されるものである。
符号10bは取付用の貫通孔で丸孔や長孔となっており、また、符号14aは減衰部10と支持部13とを基板14に固着するための溶接部であり、r1は曲率半径を示している。前記金属板14の外形状に沿った板取りには、レーザー切断加工により精密切断を行うものである。
そして、図2に示すように、前記基板14に、減衰部10と支持部13とを、荷重作用方向に沿って列設した、制振ダンパー1とする場合がある。
前記支持部13の側壁面13aにおける所望の曲率φ1は、図3乃至図4に示すように、減衰部10の先端12に作用する荷重Qによる、減衰部10の断面のモーメントMと曲率φとの関係から、所望の曲率を設定する。
例えば、最大モーメントを生じる断面の減衰部10の最外縁ひずみ(損傷)をε1に制御しようとするためには、支持部13の曲率面である側壁面13aの曲率をφ1=2×ε1/Bに設定する。なお、Bは減衰部10の当該断面の幅寸法であり、ε1は当該断面の最外縁のひずみである。
このように、当該断面が曲率φ1に達すると、減衰部10と支持部13の接点は順次上へずれて行く。図3でいうと、荷重Qが増えていくと、接点は順次L1、L2と上へずれて行く。荷重はQ=Mp/(h-L)である。
ここで、hは片持ち梁となる減衰部10の高さ、Lは接点の高さ、Mpは接点高さの断面が曲率φ1のときのモーメント耐力である。もし、Mpが一定値なら、荷重Qは接点移動にともなって、図4の点線に示すように、急激に増加しダンパーとしては好ましくない履歴となる。したがって、その接点移動量に応じてモーメント耐力Mpを低下させて、荷重Qをバイリニアとなるようにする。
モーメント耐力は、Mp=t×B2/4×σyで算出される。ここで、tは板厚であり、σyは鋼材の降伏点強度である。したがって、モーメント耐力Mpを低下させるには、断面の幅寸法Bを順次小さくして調整する。更に、前記曲率φ1は、一つの設定値に限らず、例えば、異なる曲率で順次連続するように繋いだ曲面形状にすることもできる。
このような制振ダンパー1の実施例としては、例えば、図5乃至図7に示すように、H型と溝型の鋼材20,21に組み込んだブレース型ダンパーがある。前記H型鋼材20のウエブ20aの両面側に、前記減衰部10と支持部13からなる制振ダンパー1を長手方向に複数個連なった状態で、ウエブ20aのフランジ側端に溶接等で固着されている。
さらに、前記減衰部10と同じ板厚の座屈防止板24を挟んで、ウエブ20aのフランジ側他端に同様に固着されている。それらの先端部に貫通孔10bを設け、ウエブ20aの両端から向かい合う2つの減衰部10と、それと同一位置のウエブ20a裏面の2つの減衰部10と、前記同様の座屈防止板24を挟んで、両面から貫通孔21aを設けた溝型鋼材21を、それらを1本のボルト22で挿通し、ナット23で締結されている。
このようなボルト22で挿通された減衰部10と支持部13等の組み合せが長手方向に複数個連なっている。なお、ウエブ20aにおける複数のボルト22の挿通位置には長手方向に全ボルト22に亘る長孔20bが設けられて、ウエブ20aとボルト22は力の伝達を無くしている。
したがって、構造物の一端から溝型鋼材21に入った力は、ボルト22を通じて、先端部の貫通孔10bを介して減衰部10へ伝わり、当該減衰部10に曲げ変形を与えながら、ウエブ20aのフランジ側端を介して、H型鋼材20を経て構造物の他端へ伝わる。
前記減衰部10が曲げ変形する際に履歴エネルギーを吸収し、それらの面外座屈しようとするのを座屈防止板24が阻止する。また、減衰部10の先端部の貫通孔10bは長孔とし、荷重方向と直交する方向に逃げを取る場合もある。
図8に示すように、柱15と梁16とに囲まれたRC壁(耐震壁)17a,17bの水平方向の荷重(地震力等)に対して、前記制振ダンパー1を適用したものである。符号18は、隙間を示している。前記RC壁17a,17bに水平の地震力が作用すると、前記制振ダンパー1により効率的にエネルギーが吸収される。
図9に示すように、建物の中央部に諸機能を集中させたセンターコア方式の建物25において、コア部分25aと周囲部分との連結部に上下方向に制振ダンパー1を適用したものである。特に、高層建築の曲げ変形による上下方向のせん断ずれを利用して、エネルギー吸収しようとするものである。コア部分25aに対して制振ダンパー1の設置個数をどの程度設けるかは、設計的事項であり、この制振ダンパー1は小型でも、各々が大きな減衰性能を発揮するので、図9(A)に示すように、上下階に置いては、2〜3階分を飛ばして設置することができる。
図10に示すように、免震構造において、基礎部26と基礎梁27とにおいて、向き合った端面26a,27aに開口した孔部26b,27bが対向配置にして設けられている。そして、該孔部26b,27bの開口部に所望の曲率面を有するラッパ状支持部28が各々対向して設けられ、前記対向配置にされた前記両孔部26b,27bに、前記基礎部26側で一端部29aが固定された鋼棒29が挿通されている。なお、この鋼棒29は、鋼管、充填鋼管コンクリート、アルミ棒、鉛棒でも差し支えない。
前記ラッパ状支持部28の曲率面の曲率φは、前記各実施例と同様に、地震時における水平力に対して、履歴特性からどの程度、前記鋼棒29を塑性変形させてエネルギーを吸収させるかにより、設定されるものである。地震等の振動があると、鋼棒29が変形されて前記ラッパ状支持部28の曲率面に当接して、支点が順次移動して歪み(損傷)が制御され、振動エネルギーを効率的に吸収するものである。
このようにして、本発明に係る制振ダンパーにより、ブレース型、せん断型(RC構造の壁梁間、コアウォール間)、間柱型、ラッパ型において、従来の鋼材ダンパーに比較して小さな変形(0.2mm程度)からエネルギー吸収するとともに、安価かつ入手容易な材料を用いて、力学的に安定した構造にして、効果的に構造物を減衰させることが出来る。
1 制振ダンパー、
10 減衰部、 10a 側壁面、 10b 貫通孔、
11 基部、
12 先端、
13 支持部、 13a 側壁面、
14 基板、 14a 溶接部、
15 柱、
16 梁、
17a,17b RC壁(耐震壁)、
20 H型鋼材、 20a ウエブ、 20b 長孔、
21 溝型鋼材、
22 ボルト、
23 ナット、
25 建物、 25a コア部分、
26 基礎部、 26a 端面、 26b 孔部、
27 基礎梁、 27a 端面、 27b 孔部、
28 ラッパ状支持部、
29 鋼棒、 29a 一端部。
10 減衰部、 10a 側壁面、 10b 貫通孔、
11 基部、
12 先端、
13 支持部、 13a 側壁面、
14 基板、 14a 溶接部、
15 柱、
16 梁、
17a,17b RC壁(耐震壁)、
20 H型鋼材、 20a ウエブ、 20b 長孔、
21 溝型鋼材、
22 ボルト、
23 ナット、
25 建物、 25a コア部分、
26 基礎部、 26a 端面、 26b 孔部、
27 基礎梁、 27a 端面、 27b 孔部、
28 ラッパ状支持部、
29 鋼棒、 29a 一端部。
Claims (2)
- 基板から突出された平板状の減衰部と、該減衰部の両脇で前記基板から突出された平板状の支持部との組合わせで成るダンパーであって、
前記減衰部の先端部において表裏面に直交する方向に荷重が作用し当該減衰部が曲げ変形すると、該減衰部の側壁面がその基部から先端側へ順次に前記両脇にある支持部の所望の曲率面に形成された側壁面に当接して減衰作用される、鋼材、鉛系合金、アルミニウムの金属製ダンパーが少なくとも1つ設けられてなること、
を特徴とする制振ダンパー。 - 免震構造の基礎部と基礎梁とにおいて、向き合った端面に開口した孔部が対向配置にして設けられ、該孔部の開口部に所望の曲率面を有するラッパ状支持部が各々対向して設けられ、前記対向配置にされた両孔部に前記基礎部側で一端部が固定された棒材が挿通されていること、
を特徴とする制振ダンパー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003318187A JP2005083526A (ja) | 2003-09-10 | 2003-09-10 | 制振ダンパー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003318187A JP2005083526A (ja) | 2003-09-10 | 2003-09-10 | 制振ダンパー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005083526A true JP2005083526A (ja) | 2005-03-31 |
Family
ID=34417538
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003318187A Pending JP2005083526A (ja) | 2003-09-10 | 2003-09-10 | 制振ダンパー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005083526A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008240488A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-09 | Kajima Corp | コンクリート系棒状ダンパー構造 |
JP2015143417A (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-06 | 株式会社サトウ | 補強制震デバイス |
CN113756184A (zh) * | 2021-09-18 | 2021-12-07 | 同济大学 | 一种适应脉冲大位移耗能减震装置 |
-
2003
- 2003-09-10 JP JP2003318187A patent/JP2005083526A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008240488A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-09 | Kajima Corp | コンクリート系棒状ダンパー構造 |
JP4735585B2 (ja) * | 2007-03-29 | 2011-07-27 | 鹿島建設株式会社 | コンクリート系棒状ダンパー構造 |
JP2015143417A (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-06 | 株式会社サトウ | 補強制震デバイス |
CN113756184A (zh) * | 2021-09-18 | 2021-12-07 | 同济大学 | 一种适应脉冲大位移耗能减震装置 |
CN113756184B (zh) * | 2021-09-18 | 2022-08-09 | 同济大学 | 一种适应脉冲大位移耗能减震装置 |
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