JP2005083407A - デファレンシャル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 差動機構の出力部材上に駆動力の断続手段を設けたデファレンシャル装置において、デフケースを1ピース構成にしながら、充分なトルク伝達容量を得る。
【解決手段】 一方の出力側サイドギア27が2個の分割部材33,35で構成された差動機構5と、分割部材33,35の間で駆動力を断続する噛み合いクラッチ7と、デフケースに設けられた開口19と、デフケース3の内周側に沿って配置された噛み合いクラッチ7用クラッチリング47とを備え、開口19に、クラッチリング47の直径Dより大きい差し渡し寸法L1の部分を設けた。
【選択図】 図3

Description

本発明は、出力部材上で駆動力を断続する断続手段を備え、デフケースが1ピースで構成されたデファレンシャル装置に関する。
特許文献1に図7のようなデファレンシャル装置501が記載されている。
このデファレンシャル装置501は、4輪駆動車において2輪駆動走行時に切り離される車輪側の動力伝達系に用いられており、デフケース503、ベベルギア式の差動機構505、噛み合いクラッチ507、リターンスプリング509、アクチュエータ511、押圧部材513などから構成されている。
差動機構505は、デフケース503に連結された複数本のピニオンシャフト515と、ピニオンシャフト515上に支承されたピニオンギア517と、これらのピニオンギア517と噛み合った出力側サイドギア519,521から構成されている。また、左のサイドギア519は、ピニオンギア517と噛み合ったギア部材523と、ボス部材525とに分割されており、噛み合いクラッチ507はこれらのギア部材523とボス部材525とを断続するように配置されている。ギア部材523は噛み合いクラッチ507とボス部材525と車軸を介して左の車輪側に連結され、右のサイドギア521は車軸を介して右の車輪側に連結されている。
ボス部材525のフランジ部527外周に形成されたギア部529にはクラッチリング531が移動自在に連結されており、噛み合いクラッチ507は、ギア部材523の外周に形成されたギア部533とクラッチリング531との間に設けられている。
リターンスプリング509は噛み合いクラッチ507の連結方向(図6の右方)にクラッチリング531を押圧し、アクチュエータ511は、リターンスプリング509を撓めながら、押圧部材513を介してクラッチリング531を左方に押圧し、噛み合いクラッチ507の連結を解除する。
デフケース503にはリングギア(不図示)がボルトで固定されており、エンジンの駆動力はこのリングギアを介してデフケース503を回転させ、この回転はピニオンシャフト515からピニオンギア517を介してギア部材523とサイドギア521とに配分される。
このとき、噛み合いクラッチ507が連結されていると、駆動力はギア部材523と噛み合いクラッチ507とボス部材525とを介して左の車輪側に伝達されると共に、右のサイドギア521から右の車輪側に伝達され、車両は4輪駆動状態になる。
また、噛み合いクラッチ507の連結が解除されていると、ギア部材523の空転に伴って差動機構505も差動しながら空転し、車輪側への駆動力伝達が遮断されて車両は2輪駆動状態になる。
特開2003−42263号公報の図1
上記のように駆動力の断続機能(断続手段)を有し4輪駆動車に用いられるデファレンシャル装置には、アウターデフケースとその内部に収容されるインナーデフケースとでデフケースを構成し、これらのアウターデフケースとインナーデフケースを断続手段によって断続するものがある。
このようにデフケースを2重構造にしたデファレンシャル装置は、インナーデフケースの厚みだけ差動機構が小径になり、ピニオンギアもそれだけ小径になってトルク伝達容量(強度)が低下する。例えば、断続機能を持ったデファレンシャル装置のピニオンギアは、断続機能を持たないデファレンシャル装置のピニオンギア(2個のピニオンギアが用いられている)より1サイズ小さくする必要がある。従って、同等のトルク伝達容量を保つためには、ピニオンギアを2個から3個または4個に増やす必要が生じ、それだけ部品点数が増加して、コストが上昇する恐れがある。
さらに、インナーデフケースを内部に組み付けるためには、インナーデフケースを組み付ける大きな開口を有するケーシング本体と、この開口を塞ぐカバーとにデフケースを分割する必要があり、デフケースを1ピース構成にすることができない。
上記のデファレンシャル装置501は2分割したサイドギア519上で駆動力を断続することによってインナーデフケースを用いないで構成されているが、しかし、インナーデフケースと同様に大径のクラッチリング531を組み付けるためには、デフケース503をケーシング本体535とカバー537の2部材構成にしなければならない。
そこで、この発明は、差動機構の出力部材上に駆動力の断続手段を設けたデファレンシャル装置において、充分なトルク伝達容量を得ると共に、デフケースを1ピース構成にすることを目的としている。
請求項1の発明は、原動機からの駆動力を受けて回転するデフケースと、前記デフケースの回転を一対の出力部材からそれぞれの車輪側に配分する差動機構と、デフケースと車輪側との間で駆動力を断続する断続手段とを有し、前記出力部材の一方が2個の分割部材で構成されると共に、前記断続手段が、これらの分割部材間を断続するように構成されたデファレンシャル装置であって、前記デフケースに開口が設けられており、前記断続手段を構成する内側部材が、デフケースの内周側に配置され、前記開口に前記内側部材の直径Dより大きい差し渡し寸法Lの部分を設けたことにより、前記内側部材を前記開口から前記デフケースの内部に組み付け可能にしたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載されたデファレンシャル装置であって、前記差動機構が、前記デフケースに連結されたピニオンシャフトと、前記ピニオンシャフト上に支承されたピニオンギアと、前記ピニオンギアとそれぞれ噛み合った前記一対の出力部材であるサイドギアとからなるベベルギア式の差動機構であり、前記サイドギアの一方が、前記ピニオンギアと噛み合ったギア部材と、前記車輪側に連結されたボス部材とに分割されており、前記断続手段が、前記デフケースの内周に配置された前記内側部材であるクラッチリングと、前記ギア部材及びボス部材との間に設けられた噛み合いクラッチと、前記クラッチリングを前記噛み合いクラッチが断続するように駆動する駆動手段と、この駆動手段とクラッチリングを連結する連結手段とからなることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2記載のデファレンシャル装置であって、前記連結手段が、前記デフケースの外側から開口を通って前記クラッチリングと前記駆動手段とを連結することを特徴とする。
請求項1のデファレンシャル装置では、断続手段の内側部材が、デフケースの内周に配置された大径の部材であっても、デフケースの開口にこの内側部材の直径Dより大きい差し渡し寸法Lの部分を設けたことにより、内側部材を開口からデフケース内部に組み付けることができる。
従って、大径の内側部材を組み付けるためにデフケースを例えばケーシング本体とカバーの2部材構成にする必要がなくなり、デフケースを1ピース(1部材)で構成し、低コストにすることができるので、2部材構成に伴うボルト孔の精密加工及びコストの上昇が避けられると共に、ケーシング本体とカバーとのセット加工も不要になり、セット加工に伴う、仮組み付け、機械加工(ボルト孔の加工)、分解、洗浄、再組み付けなどの工程とコストの上昇も回避される。
また、インナーデフケースを用いないで構成された本発明のデファレンシャル装置では、インナーデフケース使用に伴うピニオンギアのダウンサイズとトルク伝達容量(強度)低下が防止されるので、ピニオンギアの個数を増やす必要がなくなり、部品点数増加、コスト上昇が防止される。
請求項2のデファレンシャル装置は、請求項1の構成と同等の効果が得られる。
請求項3のデファレンシャル装置は、請求項1の構成と同等の効果が得られる他に、デフケースの外側から開口を通ってクラッチリングと駆動手段とを連結することで、デフケースに駆動手段とクラッチリングとを連結するための貫通孔等を形成する必要がなくなる。
なお、請求項3の開口には請求項1に記載の開口を用いれば開口を兼用することができる。しかしながらデフケースに第2の開口を設けて駆動手段とクラッチリングを連結することも可能である。
実施例1
図1〜図4によってフロントデフ1(本発明のデファレンシャル装置)の説明をする。左右の方向はフロントデフ1を用いた4輪駆動車及び図1、図2で左右の方向である。
本実施例のフロントデフ1は、原動機からの駆動力を受けて回転するデフケース3と、デフケース3の回転をサイドギア25,27(一対の出力部材)からそれぞれの車輪側に配分する差動機構5と、駆動力を断続する噛み合いクラッチ7(断続手段)とを有し、サイドギア25,27の一方(サイドギア27)がギア部材33とボス部材35(2個の分割部材)で構成されると共に、噛み合いクラッチ7が、これらのギア部材33とボス部材35を断続するように構成されている。
また、本実施例のフロントデフ1は、デフケース3に開口19が設けられており、噛み合いクラッチ7が、押圧部材53によりデフケース3の内外を連通して設けられ、噛み合いクラッチ7を構成するクラッチリング47(内側部材)が、デフケース3の内周側に沿って配置されている。
そして、図2に示したように、開口19が形成する周方向平行部間の差し渡し寸法L1をクラッチリング47の直径Dより大きくし、クラッチリング47を開口19からデフケース3内部に組み付け可能になっている。
詳述すると、クラッチリングの外周の軸方向長さaは差し渡し長さL1の開口の両端の幅b又は後述する斜め差し渡し長さL2の開口の両端の幅cより短く設定されている。
フロントデフ1(エンジンの駆動力を左右の前輪に配分するデファレンシャル装置)は、4輪駆動車の前輪側動力伝達系に用いられており、2輪駆動走行時は噛み合いクラッチ7によって前輪側への駆動力を切断するように構成されている。
この4輪駆動車の動力伝達系は、エンジン(原動機)、トランスミッション、トランスファ、2−4切り換え機構、前輪側のプロペラシャフト、フロントデフ1、前車軸、左右の前輪、後輪側のプロペラシャフト、リヤデフ(エンジンの駆動力を左右の後輪に配分するデファレンシャル装置)、後車軸、左右の後輪などから構成されている。
エンジンの駆動力はトランスミッションからトランスファに伝達され、トランスファから前輪側と後輪側に配分される。後輪側に配分された駆動力は、後輪側プロペラシャフトからリヤデフに伝達され、リヤデフから後車軸を介して左右の後輪に配分される。
前輪側に配分された駆動力は、2−4切り換え機構とフロントデフ1(噛み合いクラッチ7)が連結されている間は、2−4切り換え機構、前輪側プロペラシャフト、フロントデフ1から前車軸を介して左右の前輪に配分され、車両は4輪駆動状態になる。また、2−4切り換え機構とフロントデフ1(噛み合いクラッチ7)の連結をそれぞれ解除すると、前輪側がエンジンから切り離されて、車両は後輪駆動の2輪駆動状態になる。また、2−4切り換え機構はトランスファの前輪側出力インターフェースを構成しており、フロントデフ1(噛み合いクラッチ7)と連動して連結解除操作及び連結操作され、前輪側への駆動力を断続する。
フロントデフ1は、1ピース構成のデフケース3、デフケース3に設けられた開口19,19、ベベルギア式の差動機構5、噛み合いクラッチ7(断続手段)、噛み合いクラッチ7のクラッチリング47(内側部材)、リターンスプリング9、リング状の空気式アクチュエータ11などから構成されている。フロントデフ1はトランスファケースの内部に配置されており、トランスファケースにはオイル溜りが形成されている。
デフケース3は、左右のボス部13,15をベアリングによってトランスファケースに支承されており、デフケース3のフランジ部17にはリングギアがボルトで固定されている。このリングギアはドライブピニオンギアと噛み合っており、ドライブピニオンギアはドライブピニオンシャフトと一体に形成されている。このドライブピニオンシャフトは継ぎ手と前輪側プロペラシャフトなどを介してトランスファの2−4切り換え機構に連結されており、エンジンの駆動力はトランスファと2−4切り換え機構からこの前輪側動力伝達系を介してデフケース3を回転させる。
また、開口19は、図4のように周方向等間隔に2個設けられており、下記のように差動機構5と噛み合いクラッチ7の各構成部材はこれらの開口19,19からデフケース3の内部に組み付けられている。
差動機構5は、ピニオンシャフト21、ピニオンシャフト21上で回転自在に支承された2個のピニオンギア23、各ピニオンギア23と噛み合った左右の出力側サイドギア25,27(一対の出力部材)から構成されている。ピニオンシャフト21はデフケース3上で互いに直線上に設けられた貫通孔29,29に両端を係合し、ピン31によって抜け止めされている。
右サイドギア27は、ピニオンギア23と噛み合ったギア部材33と、右前車軸に連結されたボス部材35とに分割されており、ギア部材33はボス部材35の外周上に相対回転自在に支承されている。下記のように、噛み合いクラッチ7はこれらのギア部材33とボス部材35とを断続するように構成されている。左サイドギア25のボス部37には左の前車軸がスプライン連結され、ボス部材35には右の前車軸がスプライン連結されており、左のサイドギア25は左前車軸を介して左の前輪側に連結され、ギア部材33(右サイドギア27)は噛み合いクラッチ7とボス部材35と右前車軸とを介して右の前輪側に連結されている。
左サイドギア25のボス部37と右サイドギア27のボス部材35は、デフケース3に形成された支承部39,41でそれぞれ支承されている。デフケース3とサイドギア25との間及びデフケース3とサイドギア27のボス部材35との間にはスラストワッシャ43が配置され、それぞれサイドギア25とサイドギア27(ギア部材33)の噛み合いスラスト力を受けている。
デフケース3の内周には各ピニオンギア23と対向して球面ワッシャ45が配置されており、ピニオンギア23の遠心力と、各サイドギア25,27との噛み合いによってピニオンギア23が受ける噛み合い反力を負担している。
噛み合いクラッチ7は、クラッチリング47(内側部材)と、ギア部材33とボス部材35の外周にそれぞれ形成されたギア部49,51と、4個の押圧部材53とから構成されている。クラッチリング47はボス部材35のギア部51と噛み合いながら、デフケース3の内周で軸方向移動自在に支持され、ギア部材33のギア部49と係脱可能にされている。
下記のように、クラッチリング47はアクチュエータ11によって左右に移動操作され、左方に移動操作されると、図1のようにギア部材33のギア部49と噛み合って噛み合いクラッチ7が連結され、サイドギア27のギア部材33とボス部材35とが連結され、右方に戻ると、図2のようにギア部49との噛み合いが外れて噛み合いクラッチ7の連結が解除され、ギア部材33とボス部材35とが切り離されて相対回転自在の状態になる。
図4のように、デフケース3には4個の開口55(第2の開口)が周方向等間隔に設けられており、押圧部材53はこれらの開口55に係合し、内外を連通している。
リターンスプリング9はコイルスプリングであり、球面ワッシャ45とクラッチリング47との間に軸方向の位置決め可能に配置され、クラッチリング47を噛み合いクラッチ7の連結解除方向(右方向)に付勢している。
アクチュエータ(駆動手段)11は、デフケース3のボス部15の周囲に配置されており、支持部材57を介してトランスファケースに支持され回り止めされている。アクチュエータ11の圧力室59は基部材61にダイヤフラム63を気密に固定して形成されており、ダイヤフラム63には押圧部材65が固定されている。また、押圧部材65と押圧部材53との間にはリテーナ67が配置されている。リテーナ67には、各押圧部材53に対応する位置に係止腕69が形成されており、リテーナ67は各係止腕69によって押圧部材53を挟み込み、一体移動可能に連結されている。
アクチュエータ11の圧力室59は空気パイプ71を介して車載のコンプレッサに接続されており、圧力室59に空気圧が送られるとダイヤフラム63が左方に変位し、リターンスプリング9を撓ませながら押圧部材65と押圧部材53とリテーナ67とを介してクラッチリング47が左方に移動操作され、上記のように噛み合いクラッチ7が連結される。また、圧力室59への空気圧供給を停止するとリターンスプリング9の付勢力によってクラッチリング47が右方に戻り、噛み合いクラッチ7の連結が解除される。
デフケース3には、開口19,19,55の他に、左側面側にも複数個の開口73が設けられており、各ボス部13,15の内周には螺旋状のオイル溝が設けられている。トランスファケースに形成されたオイル溜りのオイルはフロントデフ1の回転に伴ってこれらの開口19,19,55,73と螺旋状オイル溝からデフケース3に流出入し、ギア23,25,27(ギア部材33)の噛み合い部、ピニオンシャフト21とピニオンギア23の摺動部、噛み合いクラッチ7(ギア部49,51)、デフケース3の内周とクラッチリング47との摺動部、押圧部材53と開口55との摺動部、スラストワッシャ43などに供給されてこれらを潤滑・冷却する。
特に、大きな開口19,19からはデフケース3に多量のオイルが流出入するから、大きな潤滑・冷却効果が得られる。
上記のように、2−4切り換え機構とフロントデフ1(噛み合いクラッチ7)は、2輪駆動状態から4輪駆動状態への切り換えに当たって同時に連結操作され、4輪駆動状態から2輪駆動状態への切り換えに当たって同時に連結解除操作される。
4輪駆動状態では、エンジンの駆動力が2−4切り換え機構から前輪側動力伝達系を介してデフケース3に伝達され、この回転はピニオンシャフト21から、ピニオンギア23と左サイドギア25と車軸とを介して左前輪に伝達され、ピニオンギア23とギア部材33と噛み合いクラッチ7とボス部材35と車軸とを介して右前輪に伝達される。また、例えば悪路走行中に前輪間に駆動抵抗差が生じ、前輪の左右いずれかが空転すると、各ピニオンギア23の自転に伴ってエンジンの駆動力は左右の前輪に差動配分される。
2輪駆動状態では、噛み合いクラッチ7によって右サイドギア27のギア部材33とボス部材35が切り離され、ギア部材33の空転に伴って差動機構5も差動しながら空転するから、前輪側への駆動力伝達が遮断されて車両は2輪駆動状態になる。また、2輪駆動状態では差動機構5から両方の前輪までがフリー回転状態になると共に、2−4切り換え機構からデフケース3までの動力伝達系は、エンジンの駆動力と前輪による連れ回りの両方から切り離されて回転が停止し、前輪側動力伝達系の各部で磨耗が軽減されて耐久性が向上し、回転抵抗の低減分だけエンジンの負担が軽減し、燃費が向上する。
差動機構5のピニオンギア23とサイドギア25とサイドギア27(ギア部材33とボス部材35)、各球面ワッシャ45、噛み合いクラッチ7のクラッチリング47、リターンスプリング9は開口19,19からデフケース3の内部に組み付ける。ピニオンシャフト21は各ギア23,25,27を組み付けた後、デフケース3の一方の貫通孔29から両ピニオンギア23を挿通しながら他方の貫通孔29に係合させ、ピン31で抜け止めする。噛み合いクラッチ7の各押圧部材53はデフケース3の外部からそれぞれの開口55に係合させる。
また、上記のように各開口19の平行部間の差し渡し寸法L1をクラッチリング47の直径Dより大きくしたから、内部に組み付けられる部材のなかでは最も大径の(外形寸法の大きい)クラッチリング47を開口19からデフケース3に組み付けることができる。
なお、図2の矢印は開口19の斜め差し渡し寸法L2を示しており、L2>L1>Dになる。また、図3に平行部間の差し渡し寸法L3が開口19の同差し渡し寸法L1より小さい開口101(破線)を示している。
クラッチリング47は、開口19に対して斜めにし、斜め差し渡し寸法L2の部分からデフケース3に組み付けてもよいから、例えば上記の開口101のように、斜め差し渡し寸法L2と平行部間の差し渡し寸法L1との差(クラッチリング47を組み付ける際の寸法上の余裕)だけ平行部間の差し渡し寸法L3を小さくすることもできる。
フロントデフ1は、上記のように構成されたことによって次のような効果が得られる。
デフケース3の開口19,19に大径のクラッチリング47の直径Dより大きい差し渡し寸法L1の部分を設け、クラッチリング47を開口19からデフケース3の内部に組み付けることを可能にしたから、クラッチリング47を組み付けるためにデフケース3をケーシング本体とカバーの2部材構成にする必要がなくなり、デフケース3を安価な1ピース構成にすることができる。
従って、2部材構成に伴うボルト孔の精密加工及びコストの上昇が避けられると共に、ケーシング本体とカバーとのセット加工も不要になり、仮組み付け、機械加工(ボルト孔の加工)、分解、洗浄、再組み付けなど、セット加工に伴う工程とコストの上昇も回避される。
また、インナーデフケースを用いないから、インナーデフケース使用に伴うピニオンギア23のダウンサイズとトルク伝達容量(強度)低下が防止され、ピニオンギア23は個数を増やさずに、断続手段を用いないデファレンシャル装置のピニオンギアと同等のトルク伝達容量が得られると共に、ピニオンギア23の個数増加に伴う部品点数の増加とコストの上昇が避けられる。
実施例2
次に図5及び図6に示す実施例2について説明する。なお、図1、2に示す上記実施例1と同構成部分については、図面に同符号を付し、重複した説明を省略する。
本実施例のデファレンシャル装置75は、図1、図2に示す上記実施例1と基本構造は同じで、異なるのは、クラッチリング47とアクチュエータ(駆動手段)11とを連結する連結構造が異なる。図5に示すように、アクチュエータ11のリテーナ77には、周方向の4箇所から連結手段としての連結アーム79がデフケース3側に向けて屈曲形成されている。これらの連結アーム79はデフケース3の外側から、開口19を通ってクラッチリング47の外周に連結されている。これにより、クラッチリング47がデフケース3の外側からリテーナ77に抱えられる。
なお、開口19はクラッチリング47等の組み込みと連結手段としての連結アーム79の取り付けを兼ねることが可能な開口である。
また、リテーナ77の外周2箇所には、バネ片部81が設けられている。このバネ片部81は、基部側がリテーナ77の基板部83に一体に形成され、自由端側がデフケース3側へ向けて折り曲げられている。そして、図5に示すように、アクチュエータ11が作動していないとき、すなわち、圧力室59に空気圧が送られていない状態では、バネ片部81の自由端側はデフケース3の外周に当接し、基板部83を図において左側へ付勢している。この状態では、噛み合いクラッチ7の連結は解除されている。
また、圧力室59に空気圧が送られてリテーナ77の基板部83がデフケース3側へ移動すると、バネ片部81は基板部83側へ撓む。また、この状態では、クラッチリング47が噛み合いクラッチ7を連結する。
この実施例2では、上記した実施例1と同様の作用、効果が得られると共に、連結アーム79により、デフケース3の外側から開口19を通ってクラッチリング47とリテーナ77とを連結することで、デフケース3にアクチュエータ11とクラッチリング47とを連結するための貫通孔(開口55)等を形成する必要がない。
なお、クラッチリング47の外周の軸方向長さeは、差し渡し長さL1の開口の両端の幅dより短く設定されている。また、差し渡し長さL1以外の開口部分については差し渡し長さL1よりも短い長さを設定する。すなわち、開口部を部分的に狭くしてデフケース3の強度を向上できるようにデフケース3内部に組み込まれる部材の寸法を考慮して形状を設定されている。
[本発明の範囲に含まれる他の態様]
なお、本発明のデファレンシャル装置では、開口に、断続手段の内側部材を組み付けるに充分な差し渡し寸法Lの切り欠き(差し渡し寸法Lの部分)を設けてもよい。
また、断続手段を操作するアクチュエータは、空気式アクチュエータの他に、油圧式アクチュエータでも、電動モータとカムを用いた電動式アクチュエータでも、電磁式アクチュエータでもよい。
実施例1の断続手段が連結された状態の実施例を示す断面図である。 実施例1の断続手段の連結が解除された状態の実施例を示す断面図である。 実施例1において、アクチュエータ側から見た実施例の側面図である。 実施例1の分解斜視図である。 断続手段の連結が解除された状態の実施例2を示す断面図である。 実施例2において、アクチュエータ側から見た実施例の側面図である。 従来例の断面図である。
符号の説明
1、75 フロントデフ(デファレンシャル装置)
3 デフケース
5 ベベルギア式の差動機構
7 噛み合いクラッチ(断続手段)
19,19 デフケース3に設けられた開口
21 ピニオンシャフト
23 ピニオンギア
25,27 サイドギア(一対の出力部材)
33 サイドギア27のギア部材(分割部材)
35 サイドギア27のボス部材(分割部材)
47 クラッチリング(内側部材)

Claims (3)

  1. 原動機からの駆動力を受けて回転するデフケースと、
    前記デフケースの回転を一対の出力部材からそれぞれの車輪側に配分する差動機構と、
    デフケースと車輪側と間で駆動力を断続する断続手段とを有し、
    前記出力部材の一方が2箇の分割部材で構成されると共に、前記断続手段が、これらの分割部材間を断続するように構成されたデファレンシャル装置であって、
    前記デフケースに開口が設けられており、
    前記断続手段を構成する内側部材が、デフケースの内周側に配置され、
    前記開口に前記内側部材の直径Dより大きい差し渡し寸法Lの部分を設け、前記内側部材を前記開口から前記デフケースの内部に組み付け可能にしたことを特徴とするデファレンシャル装置。
  2. 請求項1に記載されたデファレンシャル装置であって、
    前記差動機構が、前記デフケースに連結されたピニオンシャフトと、前記ピニオンシャフト上に支承されたピニオンギアと、前記ピニオンギアとそれぞれ噛み合った前記一対の出力部材であるサイドギアとからなるベベルギア式の差動機構であり、
    前記サイドギアの一方が、前記ピニオンギアと噛み合ったギア部材と、前記車輪側に連結されたボス部材とに分割されており、
    前記断続手段が、前記デフケースの内周側に配置された前記内側部材であるクラッチリングと、前記ギア部材及びボス部材との間に設けられた噛み合いクラッチと、前記クラッチリングを前記噛み合いクラッチが断続するように駆動する駆動手段と、この駆動手段とクラッチリングを連結する連結手段とからなることを特徴とするデファレンシャル装置。
  3. 請求項2記載のデファレンシャル装置であって、
    前記連結手段が、前記デフケースの外側から開口を通って前記クラッチリングと前記駆動手段とを連結することを特徴とするデファレンシャル装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105822747A (zh) * 2016-05-19 2016-08-03 江苏凌特精密机械销售有限公司 一种汽车用差速器壳体

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