JP2000230631A - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

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JP2000230631A
JP2000230631A JP3483599A JP3483599A JP2000230631A JP 2000230631 A JP2000230631 A JP 2000230631A JP 3483599 A JP3483599 A JP 3483599A JP 3483599 A JP3483599 A JP 3483599A JP 2000230631 A JP2000230631 A JP 2000230631A
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JP
Japan
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case
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differential device
pinion
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JP3483599A
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English (en)
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Kazuhiro Ozeki
一弘 大関
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 噛み合いクラッチによる動力断続機能を備
え、アウタ−ケ−スを必要な厚さに保ち、又、噛み合い
クラッチの耐久性を高める。 【解決手段】 互いに相対回転自在に配置されたアウタ
−ケ−ス3及びインナ−ケ−ス5と、ベベルギヤ式差動
機構9と、各ケ−ス3、5の連結を断続する噛み合いク
ラッチ11とを備え、差動機構9のピニオンシャフト2
7とケ−ス5とを連結する連結部材7を設け、連結部材
7とケ−ス5との連結部49をピニオンギヤ29の周方
向に配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、四輪駆動車に用
いられるデファレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】第2529245号特許公報に動力の断
続機能を備えたデファレンシャル装置が記載されてい
る。
【0003】図11はこれと類似した構成のデファレン
シャル装置201を示している。
【0004】アウタ−ケ−ス203にはリングギヤが固
定されており、エンジンの駆動力はこのリングギヤから
アウタ−ケ−ス203に入力し、噛み合いクラッチ20
5を介してインナ−ケ−ス207に伝達され、インナ−
ケ−ス207の回転はベベルギヤ式の差動機構209に
よって左右の車輪側に分配される。
【0005】噛み合いクラッチ205はアウタ−ケ−ス
203に移動自在に連結されたクラッチ部材211とイ
ンナ−ケ−ス207との間に形成されており、アクチュ
エ−タ213でクラッチ部材211を移動させることに
よって断続される。
【0006】ベベルギヤ式差動機構209は、2本のピ
ニオンシャフト215にそれぞれ支承されたピニオンギ
ヤ217、217と、各ピニオンギヤ217と噛み合っ
た出力側サイドギヤ219、221などから構成されて
おり、各サイドギヤ219、221は左右の車輪側に連
結されている。
【0007】各ピニオンシャフト215は、ピニオンギ
ヤ217の径方向外側で、先端部をインナ−ケ−ス20
7の貫通孔223に係合し、スプリングピン225で固
定されている。
【0008】このデファレンシャル装置201は、四輪
駆動車の前輪側、又は、後輪側に配置されている。
【0009】噛み合いクラッチ205が連結されると、
エンジンの駆動力はインナ−ケ−ス207からピニオン
シャフト215、215を介して差動機構209に伝達
され、車両は四輪駆動状態になる。
【0010】又、噛み合いクラッチ205の連結が解除
されると、アウタ−ケ−ス203とインナ−ケ−ス20
7とが切り離されて、車両は二輪駆動状態になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、ピニオ
ンシャフト215が係合するインナ−ケ−ス207の貫
通孔223はトルク伝達経路の一部を構成し、エンジン
の駆動力が掛かるから、インナ−ケ−ス207には貫通
孔223の部分で充分な厚さTが必要である。
【0012】更に、貫通孔223はピニオンギヤ217
の径方向外側に配置されているから、アウタ−ケ−ス2
03は直径Dをそれだけ大径にする必要がある。
【0013】ところが、アウタ−ケ−ス203の直径D
はリングギヤの内径に規制されるから、アウタ−ケ−ス
203の肉厚はインナ−ケ−ス207が厚くなるだけ薄
くなり、強度と剛性が不足し易い。
【0014】又、インナ−ケ−ス207とピニオンシャ
フト215との間では、力が2箇所の貫通孔223にだ
け集中するから、インナ−ケ−ス207に撓みが生じ易
い。
【0015】インナ−ケ−ス207が撓むと、クラッチ
部材211との間に形成された噛み合いクラッチ205
でそれぞれの噛み合い歯の当たりが不均等になり、イン
ナ−ケ−ス207とクラッチ部材211の両方で各噛み
合い歯に疲労が生じ、耐久性が低下する。
【0016】しかし、撓みを小さくするためにインナ−
ケ−ス207を厚くすると、上記のように、アウタ−ケ
−ス203がそれだけ薄くなる。
【0017】そこで、この発明は、アウタ−ケ−スとイ
ンナ−ケ−スとの間で動力を断続する噛み合いクラッチ
を備えたデファレンシャル装置であって、アウタ−ケ−
スを必要な厚さに保つことができ、又、噛み合いクラッ
チの耐久性が向上するデファレンシャル装置の提供を目
的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1のデファレンシ
ャル装置は、エンジンの駆動力によって回転駆動される
アウタ−ケ−スと、アウタ−ケ−スと相対回転自在に配
置されたインナ−ケ−スと、ピニオンシャフトに支承さ
れたピニオンギヤを介して一対の出力側サイドギヤが連
結され、ピニオンギヤの公転を各サイドギヤから車輪側
に分配するベベルギヤ式の差動機構と、アウタ−ケ−ス
とインナ−ケ−スとの連結を断続する噛み合いクラッチ
と、噛み合いクラッチの連結と連結解除とを行う操作手
段とを備えたデファレンシャル装置であって、インナ−
ケ−スとピニオンシャフトとの間にこれらを連結する連
結部材を設け、この連結部材とインナ−ケ−スとの連結
部をピニオンギヤの周方向に配置したことを特徴とす
る。
【0019】このように、本発明のデファレンシャル装
置は、インナ−ケ−スとピニオンシャフトの間に、これ
らを連結する連結部材を設け、この連結部材とインナ−
ケ−スとをピニオンギヤの周方向で連結した。
【0020】従って、インナ−ケ−スとピニオンシャフ
トとをピニオンギヤの径方向外側で連結する従来例と異
なり、インナ−ケ−スにはピニオンギヤの径方向外側に
連結部がなく、それだけ小径になるから、アウタ−ケ−
スを必要な厚さに保ち、充分な強度と剛性とを与えるこ
とができる。
【0021】請求項2の発明は、請求項1記載のデファ
レンシャル装置であって、インナ−ケ−スが、連結部材
にだけ連結されていることを特徴とし、請求項1の構成
と同等の効果を得る。
【0022】この構成では、インナ−ケ−スを連結部材
にだけ連結させ、インナ−ケ−スとピニオンシャフトと
を直接連結させないから、請求項1で説明したように、
従来例と較べて、インナ−ケ−スが小径になり、アウタ
−ケ−スに充分な強度と剛性とを与えることができる。
【0023】請求項3の発明は、請求項2記載のデファ
レンシャル装置であって、連結部材が、インナ−ケ−ス
の径方向内側に配置された基部と、この基部の径方向外
側に突き出た連結軸部とからなり、この連結軸部が、連
結部でインナ−ケ−スに連結されていることを特徴と
し、請求項2の構成と同等の効果を得る。
【0024】請求項4の発明は、請求項1記載のデファ
レンシャル装置であって、インナ−ケ−スが、ピニオン
ギヤの径方向外側でピニオンシャフトに連結されている
ことを特徴とし、請求項1の構成と同等の効果を得る。
【0025】これに加えて、インナ−ケ−スを連結部材
だけでなく、ピニオンギヤの径方向外側でピニオンシャ
フトと連結させたから、インナ−ケ−スと差動機構の間
でトルクを伝達する経路は、インナ−ケ−スと連結部材
とピニオンシャフトとを結ぶ第1のトルク伝達経路に加
えて、インナ−ケ−スとピニオンシャフトとを直接結ぶ
第2のトルク伝達経路が形成される。
【0026】従って、力がピニオンシャフトの貫通孔に
だけ集中する従来例と異なって、インナ−ケ−スに掛か
る力がそれだけ分散し、インナ−ケ−スの撓みが軽減さ
れるから、噛み合いクラッチの当たりが均等になり、各
噛み合い歯の疲労が軽減し、耐久性が大きく向上する。
【0027】又、撓みを小さくするためにインナ−ケ−
スを厚くする必要がないから、アウタ−ケ−スが薄くな
ることが避けられる。
【0028】請求項5の発明は、請求項4記載のデファ
レンシャル装置であって、連結部材が、インナ−ケ−ス
の径方向内側に配置された基部と、この基部の径方向外
側に突き出た連結軸部とからなり、この連結軸部が、連
結部でインナ−ケ−スに連結されていると共に、ピニオ
ンシャフトが、ピニオンギヤの径方向外側でインナ−ケ
−スに連結されていることを特徴とし、請求項4の構成
と同等の効果を得る。
【0029】請求項6の発明は、請求項1又は請求項2
記載のデファレンシャル装置であって、インナ−ケ−ス
と連結部材とが一体に形成されていることを特徴とし、
請求項1又は請求項2の構成と同等の効果を得る。
【0030】これに加えて、インナ−ケ−スと連結部材
とを一体にしたから、それだけ部品点数が低減され、軽
量化されると共に、これらの組付けコストが掛からな
い。
【0031】又、一般に中空形状であるインナ−ケ−ス
の内側に連結部材を一体化して中実状にしたことによ
り、インナ−ケ−スの強度と剛性が大きく向上する。
【0032】従って、インナ−ケ−スの噛み合い歯の撓
みが大幅に軽減されるから、噛み合いクラッチの当たり
が均等になり、各噛み合い歯の疲労が大幅に軽減し、耐
久性が向上する。
【0033】請求項7の発明は、請求項1乃至請求項5
のいずれか一項に記載のデファレンシャル装置であっ
て、連結部材に、ピニオンシャフト部が一体に形成され
ていると共に、インナ−ケ−スが、径方向、又は、軸方
向の分割部分から形成されていることを特徴とし、請求
項1乃至請求項5の構成と同等の効果を得る。
【0034】これに加えて、連結部材にピニオンシャフ
ト部を形成したから、それだけ部品点数が低減され、軽
量化されると共に、これらの組付けコストが掛からな
い。
【0035】又、インナ−ケ−スを分割構成にしたか
ら、インナ−ケ−スに対する連結部材及びピニオンシャ
フト部とピニオンギヤの組付けが極めて容易になり、組
付けコストが大きく低減する。
【0036】又、この構成では、インナ−ケ−スを分割
構成にしたことによって、請求項2、3の構成のよう
に、インナ−ケ−スを連結部材にだけ連結させることも
可能であり、請求項4、5の構成のように、インナ−ケ
−スを連結部材とピニオンシャフトの両方に連結させな
がら、上記のように、これらを容易に組付けることが可
能である。
【0037】又、この構成では、インナ−ケ−スを径方
向に分割しても、あるいは、軸方向に分割してもよい。
【0038】請求項8の発明は、請求項1乃至請求項5
と請求項7のいずれか一項に記載のデファレンシャル装
置であって、連結部材とピニオンシャフトの一方又は両
方が連結されるインナ−ケ−スの連結部が、開口を有す
る係止溝であることを特徴とし、請求項1乃至請求項5
と請求項7の構成と同等の効果を得る。
【0039】これに加えて、インナ−ケ−スに開口を有
する係止溝を設け、連結部材とピニオンシャフトの一方
又は両方を、この係止溝に係合させるように構成したこ
とにより、これらをこの開口から係止溝に係止させるだ
けで、連結部材を、あるいは、連結部材とピニオンシャ
フトとピニオンギヤとをインナ−ケ−スに容易に組付け
ることが可能になり、組付けコストを大幅に低減するこ
とができる。
【0040】
【発明の実施の形態】図1乃至図3によって本発明の第
1実施形態を説明する。
【0041】図1は第1実施形態のデファレンシャル装
置1を示しており、このデファレンシャル装置1は請求
項1、2、3、8の特徴を備えている。なお、左右の方
向はデファレンシャル装置1が用いられた車両及び図1
と図3での左右の方向であり、符号を与えていない部材
等は図示されていない。
【0042】デファレンシャル装置1は、四輪駆動車の
前輪側又は後輪側に配置されており、そのトランスファ
には、デファレンシャル装置1側の車輪に送られるエン
ジンの駆動力を断続する2−4切り換え機構が設けられ
ている。
【0043】図1のように、デファレンシャル装置1
は、アウタ−ケ−ス3、インナ−ケ−ス5、連結部材
7、ベベルギヤ式の差動機構9、噛み合いクラッチ1
1、空気式のアクチュエ−タ13(操作手段)、リタ−
ンスプリング15(操作手段)などから構成されてい
る。
【0044】アウタ−ケ−ス3はケ−シング本体17に
ボルト19でカバ−21を固定して構成されている。ア
ウタ−ケ−ス3にはリングギヤが固定されており、この
リングギヤはドライブピニオンギヤと噛み合い、ドライ
ブピニオンギヤはプロペラシャフトを介してトランスフ
ァに連結されている。こうして、アウタ−ケ−ス3はエ
ンジンの駆動力によって回転駆動される。
【0045】インナ−ケ−ス5はほぼリング状に形成さ
れており、その外周でアウタ−ケ−ス3の内周に摺動回
転自在に支承されている。
【0046】デファレンシャル装置1はデフキャリヤの
内部に配置されており、アウタ−ケ−ス3のボス部2
3、25はベアリングを介してデフキャリヤに支承され
ている。デフキャリヤにはオイル溜りが設けられてお
り、デファレンシャル装置1は、静止状態ではその下部
がオイル溜りに浸され、回転するとリングギヤによって
オイル溜りからオイルを撥ね上げる。
【0047】差動機構9は、ピニオンシャフト27と、
ピニオンシャフト27の両端部上で回転自在に支承され
たピニオンギヤ29と、各ピニオンギヤ29と噛み合っ
た左右の出力側サイドギヤ31、33などから構成され
ている。
【0048】各サイドギヤ31、33のボス部35、3
7はアウタ−ケ−ス3の支承部39、41によって回転
自在に支承されている。又、ボス部35、37は左右の
車軸にスプライン連結され、各車軸を介して左右の車輪
に連結されている。
【0049】各サイドギヤ31、33とアウタ−ケ−ス
3との間にはスラストワッシャ43が配置されており、
それぞれサイドギヤ31、33の噛み合いスラスト力を
受けている。
【0050】連結部材7は、図2のように、インナ−ケ
−ス5の径方向内側に配置された基部45と2本の嵌め
込みシャフト部47(連結軸部)とから構成されてお
り、これらの嵌め込みシャフト部47は基部45の径方
向外側へ互いに反対方向に突き出している。
【0051】図3のように、嵌め込みシャフト部47の
断面は矩形であり、インナ−ケ−ス5には軸方向に開口
した係止溝49(連結部)が2箇所に形成されている。
連結部材7は各嵌め込みシャフト部47を軸方向からこ
れらの係止溝49に係止させてインナ−ケ−ス5に組付
けられ、ピンによって固定されている。
【0052】図2のように、連結部材7の基部45に
は、嵌め込みシャフト部47、47と直角方向に、ピニ
オンシャフト27が貫通する貫通孔50が形成されてい
る。
【0053】又、インナ−ケ−ス5には、各係止溝49
と直角の方向に、ピニオンギヤ29を収容する2箇所の
収容部51が形成されており、その軸方向両側には、強
度と剛性とを高めるリブ(力骨)52、52が形成され
ている。
【0054】ピニオンギヤ29とピニオンシャフト27
の組付けは、上記のように連結部材7をインナ−ケ−ス
5に組付け、ピニオンシャフト27を連結部材7の貫通
孔50に貫通させた後、ピニオンギヤ29をインナ−ケ
−ス5の収容部51でピニオンシャフト27の両端に取
り付けることによって行われる。
【0055】ピニオンシャフト27の外周には螺旋状の
オイル溝53が設けられ、ピニオンギヤ29との摺動部
にオイルを与えて潤滑している。又、インナ−ケ−ス5
の内周にはピニオンギヤ29の遠心力と噛み合い反力と
を受ける球面ワッシャ部54が形成されている。
【0056】噛み合いクラッチ11は、インナ−ケ−ス
5の左端部に設けられた噛み合い歯55と、クラッチ部
材57に設けられた噛み合い歯59とで構成されてい
る。このクラッチ部材57は複数本の腕61をケ−シン
グ本体17の開口63から外部に貫通させ、軸方向移動
自在に配置されている。
【0057】アクチュエ−タ13の圧力室65はダイヤ
フラム67とケ−ス69との間に形成されており、ダイ
ヤフラム67には押圧部材71が固定されている。ケ−
ス69は支承部材73を介してデフキャリヤに固定され
ている。
【0058】クラッチ部材57にはプレッシャプレ−ト
75が固定されており、リタ−ンスプリング15はこの
プレッシャプレ−ト75とアウタ−ケ−ス3側のリテ−
ナ77との間に配置されている。
【0059】アクチュエ−タ13の圧力室65はエアパ
イプ79を介してコントロ−ルバルブに接続されてお
り、コントロ−ルバルブにはエンジンに駆動されるエア
ポンプが接続されている。
【0060】このコントロ−ルバルブはコントロ−ラに
よって操作される。
【0061】コントロ−ラは、車両を四輪駆動状態に切
り換えるとき、コントロ−ルバルブを介して圧力室65
に圧力を送り、二輪駆動状態に切り換えるときは圧力室
65への圧力供給を停止する。
【0062】圧力室65に圧力が送られると、アクチュ
エ−タ13はプレッシャプレ−ト75を介してクラッチ
部材57を、図1の位置から、右方の噛み合い位置に押
圧し、噛み合い歯59、55を噛み合わせて噛み合いク
ラッチ11を連結させる。
【0063】又、圧力室65への圧力供給が停止する
と、リタ−ンスプリング15によってクラッチ部材57
が図1の噛み合い解除位置に戻り、噛み合いクラッチ1
1の噛み合いが解除される。
【0064】噛み合いクラッチ11が噛み合うと、アウ
タ−ケ−ス3を回転させるエンジンの駆動力は、図1と
図2に太線の矢印で示したように、インナ−ケ−ス5の
2箇所の係止溝49から各嵌め込みシャフト部47を介
して連結部材7に伝達され、更に、連結部材7からピニ
オンシャフト27を介して差動機構9に伝達され、サイ
ドギヤ31、33から左右の車輪に分配される。
【0065】噛み合いクラッチ11が噛み合い操作され
るときは、トランスファで2−4切り換え機構の連結操
作が行われ、車両は四輪駆動状態になり、悪路走破性、
安定性などが向上する。
【0066】又、噛み合いクラッチ11の噛み合いが解
除されると、インナ−ケ−ス5以下はエンジン側から切
り離され、車輪はフリ−回転状態になる。
【0067】噛み合いクラッチ11の噛み合いが解除さ
れるときは、2−4切り換え機構の連結も解除され、車
両は二輪駆動状態になり、エンジンの燃費が向上する。
【0068】又、二輪駆動状態では、連結が解除された
2−4切り換え機構からアウタ−ケ−ス3までの動力伝
達系は、エンジンの回転と車輪による連れ回りの両方か
ら遮断されて回転が停止するから、摩耗、振動、騒音な
どが防止される。
【0069】アウタ−ケ−ス3には、開口63、81が
設けられ、各ボス部23、25の内周に螺旋状のオイル
溝83が設けられており、デフキャリヤのオイル溜りか
らこれらの開口63、81とオイル溝83を介してオイ
ルがアウタ−ケ−ス3に流出入し、アウタ−ケ−ス3と
インナ−ケ−ス5との摺動部、差動機構9の各ギヤの噛
み合い部と摺動部、噛み合いクラッチ11、スラストワ
ッシャ43や球面ワッシャ部54の摺動面などを潤滑
し、耐久性を向上させている。
【0070】こうして、デファレンシャル装置1が構成
されている。
【0071】上記のように、デファレンシャル装置1
は、インナ−ケ−ス5とピニオンシャフト27との間に
これらを連結する連結部材7を設け、この連結部材7と
インナ−ケ−ス5とを連結する係止溝49をピニオンギ
ヤ29の周方向に設けると共に、インナ−ケ−ス5とピ
ニオンシャフト27とを直接連結させないから、インナ
−ケ−スとピニオンシャフトとをピニオンギヤの径方向
外側で連結させた従来例と較べると、図1に示すよう
に、ピニオンギヤ29の径方向外側でインナ−ケ−ス5
の厚さTが薄くなり、インナ−ケ−ス5がそれだけ小径
になる。
【0072】従って、アウタ−ケ−ス3の円筒部を必要
な外径Dに保ったまま、アウタ−ケ−ス3を厚くし、充
分な強度と剛性とを与えることができる。
【0073】又、インナ−ケ−ス5の連結部を、軸方向
に開口する係止溝49にしたことにより、連結部材7の
嵌め込みシャフト部47を軸方向からこの係止溝49に
係止させるだけで、連結部材7をインナ−ケ−ス5に容
易に組付けることが可能になり、組付けコストが大きく
低減される。
【0074】次に、図4によって本発明の第2実施形態
を説明する。
【0075】図4は第2実施形態のデファレンシャル装
置85を示しており、このデファレンシャル装置85は
請求項1、4、5、8の特徴を備えている。なお、左右
の方向はデファレンシャル装置85が用いられた車両及
び図4での左右の方向であり、符号を与えていない部材
等は図示されていない。
【0076】デファレンシャル装置85は、上記の四輪
駆動車に、デファレンシャル装置1と置き換えて、用い
られている。
【0077】又、第2実施形態の説明と図4において、
第1実施形態のデファレンシャル装置1と同機能の部材
には同符号を与えて引用する。
【0078】図4のように、デファレンシャル装置85
は、アウタ−ケ−ス87、インナ−ケ−ス89、連結部
材91、ベベルギヤ式差動機構9、噛み合いクラッチ9
3、アクチュエ−タ13、リタ−ンスプリング15など
から構成されている。
【0079】アウタ−ケ−ス87はケ−シング本体94
にカバ−95をボルト19で固定して構成されている。
アウタ−ケ−ス87の左右のボス部97、99はベアリ
ングによってデフキャリヤに支承されており、プロペラ
シャフト側のドライブピニオンギヤと噛み合ったリング
ギヤを介して、エンジンの駆動力により回転駆動され
る。
【0080】インナ−ケ−ス89はほぼリング状に形成
されており、その外周でアウタ−ケ−ス87の内周に摺
動回転自在に支承されている。
【0081】差動機構9の各サイドギヤ31、33はボ
ス部35、37をアウタ−ケ−ス87の支承部101、
103で回転自在に支承されている。
【0082】連結部材91は、インナ−ケ−ス89の径
方向内側に配置された基部105と2本の嵌め込みシャ
フト部107(連結軸部)とから構成されており、これ
らの嵌め込みシャフト部107は基部105の径方向外
側へ互いに反対方向に突き出している。
【0083】嵌め込みシャフト部107の断面は矩形で
あり、インナ−ケ−ス89には軸方向に開口した係止溝
109(連結部)が2箇所に形成されている。連結部材
91は各嵌め込みシャフト部107を軸方向からこれら
の係止溝109に係止させてインナ−ケ−ス89に組付
けられ、ピンによって固定されている。
【0084】連結部材91の基部105には、嵌め込み
シャフト部107、107と直角方向に、ピニオンシャ
フト27が貫通する貫通孔111が形成されている。
【0085】又、インナ−ケ−ス89には、各係止溝1
09と直角方向にピニオンギヤ29を収容する収容部が
2箇所に形成されており、更に、各収容部の径方向外側
には、ピニオンシャフト27の先端部が係合して連結さ
れる貫通孔113が形成されている。
【0086】ピニオンギヤ29とピニオンシャフト27
の組付けは、上記のように連結部材91をインナ−ケ−
ス89に組付けた後、インナ−ケ−ス89の各収容部に
それぞれピニオンギヤ29を配置した状態で、ピニオン
シャフト27を、インナ−ケ−ス89とピニオンギヤ2
9と連結部材91とピニオンギヤ29とインナ−ケ−ス
89の各貫通孔113、115、111、115、11
3に順次貫通させて行う。
【0087】インナ−ケ−ス89の内周にはピニオンギ
ヤ29の遠心力と噛み合い反力とを受ける球面ワッシャ
部117が形成されている。
【0088】又、噛み合いクラッチ93は、インナ−ケ
−ス89の左端部に設けられた噛み合い歯119と、ク
ラッチ部材57の噛み合い歯59とで構成されている。
クラッチ部材57は複数本の腕61をケ−シング本体9
4の開口121から外部に貫通させ、軸方向移動自在に
配置されている。
【0089】アクチュエ−タ13の圧力室65に圧力が
送られると、クラッチ部材57が移動し、噛み合い歯5
9、119が噛み合ってクラッチ93が連結され、圧力
室65への圧力供給が停止すると、リタ−ンスプリング
15によってクラッチ部材57が反対方向に移動し、ク
ラッチ93の噛み合いが解除される。
【0090】上記のように、インナ−ケ−ス89が、連
結部材91を介してピニオンシャフト27に連結されて
おり、更に、貫通孔113でピニオンシャフト27に直
接連結されているから、インナ−ケ−ス89と差動機構
9の間でトルクを伝達する経路は、図4に太線の矢印で
示したように、インナ−ケ−ス89の各係止溝109か
ら各嵌め込みシャフト部107を介して連結部材91に
伝達され、更に、連結部材91からピニオンシャフト2
7に伝達される第1のトルク伝達経路123に加えて、
インナ−ケ−ス89の各貫通孔113から各ピニオンシ
ャフト27に直接伝達される第2のトルク伝達経路12
5とが形成される。
【0091】従って、噛み合いクラッチ93が噛み合う
と、アウタ−ケ−ス87を回転させるエンジンの駆動力
は、第1と第2のトルク伝達経路123、125を通っ
て差動機構9に伝達され、サイドギヤ31、33から左
右の車輪に分配される。
【0092】トルク伝達経路123には2箇所の係止溝
109があり、トルク伝達経路125には2箇所の貫通
孔113があるから、トルクはこれらの4箇所を通って
伝達される。
【0093】噛み合いクラッチ93が噛み合い操作され
るとき、トランスファで2−4切り換え機構の連結操作
が行われ、車両は四輪駆動状態になり、悪路走破性、安
定性などが向上する。
【0094】又、噛み合いクラッチ93の噛み合い解除
操作に伴って、2−4切り換え機構の連結も解除され、
車両は二輪駆動状態になり、エンジンの燃費が向上す
る。
【0095】又、噛み合いクラッチ93の噛み合いが解
除されると、インナ−ケ−ス89以下は切り離されて車
輪はフリ−回転状態になり、2−4切り換え機構からア
ウタ−ケ−ス87までの動力伝達系は、エンジンの回転
と車輪による連れ回りの両方から遮断されて静止し、摩
耗、振動、騒音などが防止される。
【0096】こうして、デファレンシャル装置85が構
成されている。
【0097】上記のように、デファレンシャル装置85
は、連結部材91を介してインナ−ケ−ス89をピニオ
ンシャフト27に連結し、更に、インナ−ケ−ス89を
貫通孔113で直接ピニオンシャフト27に連結して形
成した第1と第2のトルク伝達経路123、125上の
4箇所でトルクを伝達するから、力がピニオンシャフト
の貫通孔にだけ集中する従来例と異なって、インナ−ケ
−ス89に掛かる力がそれだけ分散し、その撓みが軽減
される。
【0098】従って、噛み合いクラッチ93の当たりが
均等になり、各噛み合い歯59、119の疲労が大幅に
軽減し、耐久性が向上する。
【0099】又、撓みを小さくするためにインナ−ケ−
ス89を厚くする必要がないから、アウタ−ケ−ス87
が薄くなることが避けられる。
【0100】又、インナ−ケ−ス89の連結部を、軸方
向に開口する係止溝109にしたことにより、嵌め込み
シャフト部107を軸方向からこの係止溝109に係止
させるだけで、連結部材91をインナ−ケ−ス89に容
易に組付けることが可能になり、組付けコストが大きく
低減される。
【0101】次に、図5と図6によって本発明の第3実
施形態を説明する。
【0102】第3実施形態のデファレンシャル装置は請
求項1、2、6の特徴を備えている。なお、符号を与え
ていない部材等は図示されていない。
【0103】このデファレンシャル装置は、デファレン
シャル装置1が用いられた四輪駆動車に、これと置き換
えて用いられている。
【0104】又、第3実施形態の説明及び図5、6にお
いて、第1実施形態のデファレンシャル装置1と同機能
の部材には同符号を与えて引用する。
【0105】第3実施形態のデファレンシャル装置は、
アウタ−ケ−ス3、インナ−ケ−ス127、連結部材1
29、ベベルギヤ式差動機構9、噛み合いクラッチ、ア
クチュエ−タ13、リタ−ンスプリング15などから構
成されている。
【0106】図5と図6のように、インナ−ケ−ス12
7と連結部材129は一体に形成されている。
【0107】又、インナ−ケ−ス127は外周でアウタ
−ケ−ス3の内周に摺動回転自在に支承されている。
【0108】噛み合いクラッチは、インナ−ケ−ス5の
左端部に設けられた噛み合い歯131と、クラッチ部材
57に設けられた噛み合い歯59とで構成されている。
【0109】図6のように、ピニオンシャフト27は連
結部材129を貫通し、その両端でピニオンギヤ29を
支承している。
【0110】このように、第3実施形態のデファレンシ
ャル装置では、インナ−ケ−ス127と連結部材129
とを一体に形成し、ピニオンシャフト27を連結部材1
29に連結させたから、インナ−ケ−スとピニオンシャ
フトとをピニオンギヤの径方向外側で連結させた従来例
と較べると、インナ−ケ−ス127がそれだけ小径にな
る。
【0111】従って、アウタ−ケ−ス3の円筒部を必要
な外径Dに保ったまま、アウタ−ケ−ス3を厚くし、充
分な強度と剛性とを与えることができる。
【0112】又、インナ−ケ−ス127と連結部材12
9とを一体に形成したから、それだけ部品点数が低減
し、軽量化されると共に、これらの組付けコストが掛か
らない。
【0113】又、一般に中空形状のインナ−ケ−スの内
側に連結部材129を一体化し、実質的に中実状にした
ことによって、インナ−ケ−ス127の強度と剛性が大
きく向上している。
【0114】従って、インナ−ケ−ス127の噛み合い
歯131の撓みが大幅に軽減されることにより、噛み合
いクラッチの噛み合い歯59、131の当たりが均等に
なり、噛み合い歯59、131の疲労が大幅に軽減し、
耐久性が向上する。
【0115】又、撓みを小さくするためにインナ−ケ−
ス127を厚く(大径に)する必要がないから、アウタ
−ケ−ス3が薄くなることが避けられる。
【0116】なお、図6の破線部分のように、ピニオン
ギヤ29側に突き出した凸部133をインナ−ケ−ス1
27に設けてもよい。
【0117】こうすれば、インナ−ケ−ス127の強度
と剛性と噛み合いクラッチの耐久性が更に向上すると共
に、噛み合い歯131の枚数が増加するから、噛み合い
歯131の耐久性も大きく向上する。
【0118】次に、図7乃至図10によって本発明の第
4実施形態を説明する。
【0119】図7は第4実施形態のデファレンシャル装
置135を示しており、このデファレンシャル装置13
5は請求項1、2、7の特徴を備えている。なお、左右
の方向はデファレンシャル装置135が用いられた車両
及び図7での左右の方向であり、符号を与えていない部
材等は図示されていない。
【0120】デファレンシャル装置135は、デファレ
ンシャル装置1が用いられた四輪駆動車に、これと置き
換えて用いられている。
【0121】又、第4実施形態の説明及び図7乃至図1
0において、第1、2実施形態のデファレンシャル装置
1、85と同機能の部材には同符号を与えて引用する。
【0122】デファレンシャル装置135は、アウタ−
ケ−ス3、連結部材137、インナ−ケ−ス139、ベ
ベルギヤ式差動機構9、噛み合いクラッチ141、アク
チュエ−タ13、リタ−ンスプリング15などから構成
されている。
【0123】図8のように、連結部材137は、リング
143(基部)と、リング143の径方向に突き出して
形成された嵌め込みシャフト部145、145(連結軸
部)とピニオンシャフト部147、147から構成され
ている。
【0124】各嵌め込みシャフト部145、145は互
いに180°反対方向に形成されており、各ピニオンシ
ャフト部147、147も互いに180°反対方向に形
成されている。又、各連結部145、145と各ピニオ
ンシャフト部147、147は互いに直角方向に形成さ
れている。
【0125】インナ−ケ−ス139は径方向の分割部分
149、149からなる2分割構造であり、各分割部分
149は、互いの接合面151で接合し、ボルトで一体
にされている。
【0126】各分割部分149の接合面151には、こ
れらの間に嵌め込みシャフト部145を係止させて連結
部材137を連結する係止溝153(連結部)が設けら
れている。
【0127】又、各分割部分149にはピニオンシャフ
ト部147が貫通する貫通孔155が設けられている。
この貫通孔155とピニオンシャフト部147との間に
は隙間が形成されている。
【0128】又、各分割部分149には、ピニオンギヤ
29を収容し、その遠心力と噛み合い反力とを受ける球
面ワッシャ部157と、強度と剛性とを高めるリブ(力
骨)159、159と、噛み合い歯161などが設けら
れている。
【0129】差動機構9のピニオンギヤ29は連結部材
137のピニオンシャフト部147上に支承されてい
る。
【0130】噛み合いクラッチ141は、インナ−ケ−
ス139の噛み合い歯161と、クラッチ部材57の噛
み合い歯59とで構成されている。
【0131】噛み合いクラッチ141が噛み合うと、ア
ウタ−ケ−ス3を回転させるエンジンの駆動力は、イン
ナ−ケ−ス139の2箇所の係止溝153から各嵌め込
みシャフト部145を介して連結部材137に伝達さ
れ、更に、連結部材137から各ピニオンシャフト部1
47を介して差動機構9に伝達される。
【0132】こうして、デファレンシャル装置135が
構成されている。
【0133】上記のように、デファレンシャル装置13
5は、インナ−ケ−ス139と差動機構9の間に連結部
材137を設け、この連結部材137とインナ−ケ−ス
139とを連結する係止溝153をピニオンギヤ29の
周方向に設けると共に、インナ−ケ−ス139と連結部
材137のピニオンシャフト部147とを直接連結させ
ないから、従来例と較べると、図7に示すように、ピニ
オンギヤ29の径方向外側でインナ−ケ−ス139の厚
さTが薄くなり、インナ−ケ−ス139がそれだけ小径
になる。
【0134】従って、アウタ−ケ−ス3の円筒部を必要
な外径Dに保ったまま、アウタ−ケ−ス3を厚くし、充
分な強度と剛性とを与えることができる。
【0135】更に、連結部材137にピニオンシャフト
部147を一体形成したから、それだけ部品点数が低減
され、軽量化されると共に、これらの組付けコストが掛
からない。
【0136】又、インナ−ケ−ス139を分割構成にし
たから、インナ−ケ−ス139に対する連結部材137
(ピニオンシャフト部147)とピニオンギヤ29の組
付けが極めて容易になり、組付けコストが大きく低減す
る。
【0137】なお、本発明の請求項7の構成では、イン
ナ−ケ−スは、第4実施形態のように径方向に分割する
他に、軸方向に分割してもよい。
【0138】インナ−ケ−スを軸方向に分割すれば、噛
み合い歯が分割されないから、一体構造のインナ−ケ−
スと同等の精度の噛み合い歯が得られる。
【0139】又、本発明のデファレンシャル装置は、フ
ロントデフ(エンジンの駆動力を左右の前輪に分配する
デファレンシャル装置)と、リヤデフ(エンジンの駆動
力を左右の後輪に分配するデファレンシャル装置)に用
いることができる。
【0140】
【発明の効果】本発明のデファレンシャル装置は、イン
ナ−ケ−スとピニオンシャフトとを連結する連結部材
を、ピニオンギヤの周方向でインナ−ケ−スに連結させ
たことにより、従来例と異なって、インナ−ケ−スが小
径になり、アウタ−ケ−スを必要な厚さに保ち、充分な
強度と剛性とを与えることができる。
【0141】請求項2の発明は、請求項1の構成と同等
の効果を得ると共に、ピニオンシャフトと直接連結され
ないインナ−ケ−スが小径になり、アウタ−ケ−スに充
分な強度と剛性とが与えられる。
【0142】請求項3の発明は、請求項2の構成と同等
の効果を得る。
【0143】請求項4の発明は、請求項1の構成と同等
の効果を得ると共に、1系統の伝達経路でトルクが伝達
される従来例と異なって、2系統のトルク伝達経路に力
が分散し、インナ−ケ−スの撓みが軽減され、噛み合い
クラッチの疲労が軽減し、耐久性が大きく向上する。
【0144】又、撓みを小さくするためにインナ−ケ−
スを厚くする必要がないから、アウタ−ケ−スが薄くな
ることが避けられる。
【0145】請求項5の発明は、請求項4の構成と同等
の効果を得る。
【0146】請求項6の発明は、請求項1又は請求項2
の構成と同等の効果を得ると共に、インナ−ケ−スと連
結部材とを一体にしたから、部品点数が低減され、軽量
化されると共に、これらの組付けコストが掛からない。
【0147】又、連結部材と一体化されたインナ−ケ−
スは強度と剛性が向上し、噛み合い歯の撓みが大幅に軽
減され、噛み合いクラッチの疲労が大幅に軽減し、耐久
性が向上する。
【0148】請求項7の発明は、請求項1乃至請求項5
の構成と同等の効果を得ると共に、連結部材にピニオン
シャフト部を形成したから、部品点数が低減され、軽量
化されると共に、これらの組付けコストが掛からない。
【0149】又、インナ−ケ−スを分割構造にしたか
ら、インナ−ケ−スに対する連結部材及びピニオンシャ
フト部とピニオンギヤの組付けが極めて容易になり、組
付けコストが大きく低減する。
【0150】又、インナ−ケ−スを分割構造にしたこの
構成でも、インナ−ケ−スを連結部材にだけ連結させる
構成と、インナ−ケ−スを連結部材とピニオンシャフト
とに連結させる構成の両方を選択できる。
【0151】請求項8の発明は、請求項1乃至請求項5
と請求項7の構成と同等の効果を得ると共に、連結部材
を開口から係止溝に係止させるだけで、インナ−ケ−ス
と連結部材とを容易に組付けることが可能であり、組付
けコストが大きく低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す縦断面図である。
【図2】第1実施形態を要部で切断した横断面図であ
る。
【図3】図2のA矢視図である。
【図4】本発明の第2実施形態を示す縦断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態に用いられ、インナ−ケ
−スと連結部材とを一体に形成した部材の斜視図であ
る。
【図6】第3実施形態を要部で切断した横断面図であ
る。
【図7】本発明の第4実施形態を示す縦断面図である。
【図8】第4実施形態を要部で切断した横断面図であ
る。
【図9】図8のB−B断面図である。
【図10】第4実施形態に用いられたインナ−ケ−スの
分割部分を示す斜視図である。
【図11】従来例の縦断面図である。
【符号の説明】
1、85、135 デファレンシャル装置 3 アウタ−ケ−ス 5 インナ−ケ−ス 7 連結部材 9 ベベルギヤ式差動機構 11、93、141 噛み合いクラッチ 13 アクチュエ−タ(操作手段) 15 リタ−ンスプリング(操作手段) 27 ピニオンシャフト 29 ピニオンギヤ 31、33 出力側サイドギヤ 45 連結部材7の基部 47 連結部材7の嵌め込みシャフト部(連結軸部) 49 インナ−ケ−ス5に形成された嵌め込みシャフト
部47用の係止溝(連結部) 55 インナ−ケ−ス5の噛み合い歯 91 連結部材 87 アウタ−ケ−ス 89 インナ−ケ−ス 105 連結部材91の基部 107 連結部材91の嵌め込みシャフト部(連結軸
部) 109 インナ−ケ−ス89に形成された嵌め込みシャ
フト部107用の係止溝(連結部) 113 インナ−ケ−ス89に形成されたピニオンシャ
フト27用の貫通孔 119 インナ−ケ−ス89の噛み合い歯 123 第1のトルク伝達経路 125 第2のトルク伝達経路 127 連結部材129と一体のインナ−ケ−ス 129 インナ−ケ−ス127と一体の連結部材 131 インナ−ケ−ス127の噛み合い歯 137 連結部材 139 分割構造のインナ−ケ−ス 143 リング(連結部材137の基部) 145 連結部材137の嵌め込みシャフト部(連結軸
部) 147 連結部材137と一体のピニオンシャフト部 149 インナ−ケ−ス139の分割部分 153 インナ−ケ−ス139に形成された嵌め込みシ
ャフト部145用の係止溝(連結部) 161 インナ−ケ−ス139の噛み合い歯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D042 AA07 AB17 CA03 CA13 CB02 CB03 CB25 CB26 3D043 AA07 AB17 EA02 EA17 EA43 EB06 EB12 EF12 3J027 FA37 FB04 HB07 HC07 HC12 HC22 HC26 HE03 HF02 3J063 AA01 AB13 AB54 AC11 BB11 CA03 CB02 CB52 CD45

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動力によって回転駆動され
    るアウタ−ケ−スと、アウタ−ケ−スと相対回転自在に
    配置されたインナ−ケ−スと、ピニオンシャフトに支承
    されたピニオンギヤを介して一対の出力側サイドギヤが
    連結され、ピニオンギヤの公転を各サイドギヤから車輪
    側に分配するベベルギヤ式の差動機構と、アウタ−ケ−
    スとインナ−ケ−スとの連結を断続する噛み合いクラッ
    チと、噛み合いクラッチの連結と連結解除を行う操作手
    段とを備えたデファレンシャル装置であって、インナ−
    ケ−スとピニオンシャフトとの間にこれらを連結する連
    結部材を設け、この連結部材とインナ−ケ−スとの連結
    部をピニオンギヤの周方向に配置したことを特徴とする
    デファレンシャル装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明であって、インナ−
    ケ−スが、連結部材にだけ連結されていることを特徴と
    するデファレンシャル装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の発明であって、連結部材
    が、インナ−ケ−スの径方向内側に配置された基部と、
    この基部の径方向外側に突き出た連結軸部とからなり、
    この連結軸部が、連結部でインナ−ケ−スに連結されて
    いることを特徴とするデファレンシャル装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の発明であって、インナ−
    ケ−スが、ピニオンギヤの径方向外側でピニオンシャフ
    トに連結されていることを特徴とするデファレンシャル
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の発明であって、連結部材
    が、インナ−ケ−スの径方向内側に配置された基部と、
    この基部の径方向外側に突き出た連結軸部とからなり、
    この連結軸部が、連結部でインナ−ケ−スに連結されて
    いると共に、ピニオンシャフトが、ピニオンギヤの径方
    向外側でインナ−ケ−スに連結されていることを特徴と
    するデファレンシャル装置。
  6. 【請求項6】 請求項1又は請求項2記載の発明であっ
    て、インナ−ケ−スと連結部材とが一体に形成されてい
    ることを特徴とするデファレンシャル装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に
    記載の発明であって、連結部材に、ピニオンシャフト部
    が一体に形成されていると共に、インナ−ケ−スが、径
    方向、又は、軸方向の分割部分から形成されていること
    を特徴とするデファレンシャル装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項5と請求項7のいず
    れか一項に記載の発明であって、連結部材とピニオンシ
    ャフトの一方又は両方が連結されるインナ−ケ−スの連
    結部が、開口を有する係止溝であることを特徴とするデ
    ファレンシャル装置。
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