JP2005082869A - ディスクブレーキ用ロータ材 - Google Patents
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Abstract
【課題】鋳造性が良好で且つ加工しやすくしかも生産性の高い耐熱耐亀裂性の高いディクスブレーキ用ロータ材を提供するる。
【解決手段】重量比で、C:3.75〜3.95%、Si:1.8〜2.2%、Mn:0.5〜0.8%、P:≦0.1%、S:0.08〜0.15%、Mo:0.2〜0.7%、V:0.2〜0.6%、Cu:≦1.5%、Cr:≦0.1%、残部は実質的にFeである化学成分を含有するねずみ鋳鉄であり、鋳造を行う場合には、注湯からA1変態点である730℃〜750℃になるまでの冷却時間が20分〜50分となるように、鋳造方法及び型冷却等の手法により温度制御を行う。この際、湯の冷却速度は、5℃/分〜45℃/分の範囲内で行う。
【選択図】図1
【解決手段】重量比で、C:3.75〜3.95%、Si:1.8〜2.2%、Mn:0.5〜0.8%、P:≦0.1%、S:0.08〜0.15%、Mo:0.2〜0.7%、V:0.2〜0.6%、Cu:≦1.5%、Cr:≦0.1%、残部は実質的にFeである化学成分を含有するねずみ鋳鉄であり、鋳造を行う場合には、注湯からA1変態点である730℃〜750℃になるまでの冷却時間が20分〜50分となるように、鋳造方法及び型冷却等の手法により温度制御を行う。この際、湯の冷却速度は、5℃/分〜45℃/分の範囲内で行う。
【選択図】図1
Description
本発明はディスクブレーキ用ロータ材に関するものである。
一般に、大型トラックのディスクブレーキ用ロータは、スペース的問題によりロータの外径、厚さ等が制約されているため、従来は耐熱耐亀裂性の高い鋳鋼材を採用している。
又、耐熱耐亀裂性の高い従来の鋳鋼製のディスクブレーキ用ロータ材としては、例えば、特許文献1がある。
特開平7−233439号公報
しかしながら、鋳鋼は鋳造性が悪く且つ加工し難いため、生産性が低くコスト負担が大きいという問題がある。一方、材料としてねずみ鋳鉄を用いた場合、ねずみ鋳鉄は耐熱耐亀裂性で問題がある。
本発明は、斯かる実情に鑑み、鋳造性が良好で且つ加工しやすくしかも生産性の高い耐熱耐亀裂性の高いディクスブレーキ用ロータ材を提供することを目的としてなしたものである。
請求項1のディスクブレーキ用ロータ材は、重量比で、C:3.75〜3.95%、Si:1.8〜2.2%、Mn:0.5〜0.8%、P:≦0.1%、S:0.08〜0.15%、Mo:0.2〜0.7%、V:0.2〜0.6%、Cu:≦1.5%、Cr:≦0.1%、残部が実質的に鉄である化学成分を含有するねずみ鋳鉄により形成したものである。
請求項2のディスクブレーキ用ロータ材は、注湯からA1変態点である730℃〜750℃になるまでの冷却時間が20分〜50分となるように湯の温度制御を行い、請求項3のディスクブレーキ用ロータ材においては、湯の冷却速度は、5℃/分〜45℃/分の範囲内で行う。
本発明によれば、鋳造性が良好で且つ加工しやすく、しかも生産性の高い耐熱耐亀裂性の高いディクスブレーキ用ロータ材を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
本件発明者は、上記観点から種々検討の結果、鋳造性、加工性が良好で、生産性の高い材料としてねずみ鋳鉄を用い、鋳鋼材に匹敵する耐熱耐亀裂性の良好な材料(発明材)を開発した。
本件発明者は、上記観点から種々検討の結果、鋳造性、加工性が良好で、生産性の高い材料としてねずみ鋳鉄を用い、鋳鋼材に匹敵する耐熱耐亀裂性の良好な材料(発明材)を開発した。
而して、ねずみ鋳鉄材である発明材の化学成分は図1の表に示すごとく、C:3.75〜3.95Wt%、Si:1.8〜2.2Wt%、Mn:0.5〜0.8Wt%、P:≦0.1Wt%、S:0.08〜0.15Wt%、Mo:0.2〜0.7Wt%、V:0.2〜0.6Wt%、Cu:≦1.5Wt%、Cr:≦0.1Wt%、残部は実質的にFeである。
発明材のCを図1の表に示す鋳鋼やFC250のCよりも多くするのは、材料内で成長した黒鉛により材料の熱伝導度を高めて熱放散性を向上させるためである。しかし、Cの含有量を多くしただけでは、強度が低下するため、発明材には、FC250では含有していないMo、V、Cuを加え、引張強さ等の強度の向上を図っている。又、Crは強力な炭化物生成元素のため、含有量が0.1Wt%を越えると粗大炭化物が多く析出するため、材料の熱伝導度の低下が大きくなると共に、脆化と相手攻撃性が大きくなり、パッド磨耗を増加させる。従って、これらを防止するようCrは、0.1Wt%以下とした。
発明材及び鋳鋼並びにFC250の機械的性質及び物性値は図2の表に示されており、この表から、発明材の熱伝導度は鋳鋼及びFC250に勝っていることが分かる。
発明材により鋳造を行う場合には、注湯からA1変態点である730℃〜750℃になるまでの冷却時間が20分〜50分となるように、鋳造方法及び型冷却等の手法により、温度制御を行う。又、湯の冷却速度は5℃/分〜45℃/分の範囲内で行う。
図3には、発明材の炭素量と熱伝導度の関係が示されており、炭素量(Wt%)の増加に従い、熱伝導度(W/m・k)は向上する。図4には、発明材の炭素量と引張強さ、硬さの関係が示されており、炭素量(Wt%)の増加に従い、引張強さ(Mpa)、硬さ(HV)の関係は大幅に低下する。
一方、本件発明者は種々検討の結果、熱伝導度の低下を抑制しつつ引張強さ、硬度を向上させる合金元素としてMo、Vの添加が有効であることを発見した。すなわち、目標の熱伝導度50(W/m・k)以上、引張強さ200(MPa)以上を満足させるMo、Vの添加量を決定するため、Mo、Vの添加量による影響について研究した結果を図5、図6に示す。
図5はMo及びVの添加量と熱伝導度の関係を示すグラフであり、又、図6はMoの添加量と引張強さの関係を、Vの含有量に対応して示すグラフである。
図5に示すグラフから、熱伝導度が50(W/m・k)以上の領域は、領域VI、VIIを除く、I〜Vの領域であり、I〜Vの領域では、V添加量はおおよそ0.1〜0.6(Wt%)となり、Mo添加量はおおよそ0.2〜0.7(Wt%)となる。又、図6から引張強さを200(MPa)以上にするためには、Mo添加量(Wt%)はVが0.1(Wt%)、0.4(Wt%)、0.7(Wt%)の場合でおおよそ0.2(Wt%)以上となる。従って、図5、図6の両方を満たすためには、図1の表に示すように、Mo添加量は0.2〜0.7(Wt%)となり、V添加量は0.2〜0.6(Wt%)となる。
図7には発明材の組織を100倍に拡大した写真が示され、図8にはFC250の組織を100倍に拡大した写真が示されている。この写真から明らかなごとく、図8に示すFC250の組織に晶出している片状黒鉛は、短いものが多いが、図8に示す発明材の組織においては、長い片状黒鉛が多数晶出している。このことは、熱伝導性(熱放散性)は発明材の方がFC250よりも優れていることを意味している。
図9には、発明材製のロータのヒートクラックの写真が示されており、図10には鋳鋼製のロータのヒートクラックの写真が示されている。図10に示すように、鋳鋼製のロータのヒートクラックはかなり多いが、発明材製のロータのヒートクラックは図9に示すように少ないことが分かる。
図11は、発明材製のロータの磨耗量と鋳鋼である従来材製のロータの磨耗量との比、及び発明材製のロータに適用されるパッドの磨耗量と従来材製のロータに適用されるパッドの磨耗量との比を表したグラフである。ロータの磨耗量の比は、発明材製ロータの磨耗量/従来材製ロータの磨耗量で表され、パッドの磨耗量の比は、発明材製のロータに適用されるパッドの磨耗量/従来材製のロータに適用されるパッドの磨耗量で表される。
このグラフから、発明材製のロータは従来材製のロータよりも20(%)磨耗量が減少し、発明材製のロータに適用されるパッドは、従来材製のロータに適用されるパッドよりも(40%)磨耗量が減少することが分かる。
なお、本発明のディスクブレーキ用ロータ材は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
Claims (3)
- 重量比で、C:3.75〜3.95%、Si:1.8〜2.2%、Mn:0.5〜0.8%、P:≦0.1%、S:0.08〜0.15%、Mo:0.2〜0.7%、V:0.2〜0.6%、Cu:≦1.5%、Cr:≦0.1%、残部が実質的に鉄である化学成分を含有するねずみ鋳鉄により形成したことを特徴とするディスクブレーキ用ロータ材。
- 注湯からA1変態点である730℃〜750℃になるまでの冷却時間が20分〜50分となるように湯の温度制御を行う請求項1記載のディスクブレーキ用ロータ材。
- 湯の冷却速度は、5℃/分〜45℃/分の範囲内で行う請求項2記載のディスクブレーキ用ロータ材。
Priority Applications (1)
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CN106048399A (zh) * | 2016-06-14 | 2016-10-26 | 宁波宏协离合器有限公司 | 一种微合金化灰铸铁离合器压盘材料及其制备方法 |
KR101877511B1 (ko) * | 2017-09-29 | 2018-07-11 | 주식회사동방금속 | 공작기계용 합금주철 및 그 제조방법 |
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- 2003-09-10 JP JP2003317935A patent/JP2005082869A/ja active Pending
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