JP2005082728A - 機能性膜の連続製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の機能性膜の連続製造方法は、多孔質樹脂シート(多孔質ポリエチレンシート、多孔質ポリプロピレンシート等)に機能性官能基を有するモノマー(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等)を含有するポリマー前駆体(架橋性モノマー等を含有していてもよい。)を含浸させ、付着させる含侵・付着工程、ポリマー前駆体を重合させる重合工程、及びポリマー前駆体が重合してなるポリマーを、このポリマーを膨潤させることができる液体と接触させることにより膨潤させ、ポリマー充填・付着シートの表面に付着している膨潤ポリマーを、噴霧液体、気体及び気液混合体のうちの少なくとも1種を吹き付けることにより除去する膨潤ポリマー除去工程を備える。
【選択図】 図2
Description
本発明は、燃料電池、レドックスフロー電池等の電池、電気分解等における各種装置、及び分離膜などにおいて利用することができる。
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、連続的に搬送される多孔質シートに含侵され、付着されたポリマーを膨潤させ、シート表面に付着している膨潤ポリマーを、噴霧液体又は気体等を吹き付けて除去することにより、傷、変形等のない機能性膜を得ることができる機能性膜の連続製造方法を提供することを目的とする。
1.多孔質樹脂シートを連続的に搬送し、該多孔質樹脂シートに機能性官能基を有するモノマーを含有するポリマー前駆体を含浸させ、付着させる含侵・付着工程、該ポリマー前駆体を重合させてポリマーを生成させる重合工程、並びに該多孔質樹脂シートに該ポリマーが充填され且つ付着されてなるポリマー充填・付着シートに、該ポリマーを膨潤させることができる液体を接触させて該ポリマーを膨潤させ、該ポリマー充填・付着シートの表面に付着した膨潤ポリマーを、噴霧液体、気体及び気液混合体のうちの少なくとも1種を吹き付けることにより除去する膨潤ポリマー除去工程を備えることを特徴とする機能性膜の連続製造方法。
2.上記膨潤ポリマー除去工程は、上記ポリマー充填・付着シートを回転ロールにより搬送し、且つ該回転ロールに接触している部分及びその近傍における該ポリマー充填・付着シートに、該回転ロールと接触している面と反対面から、噴霧液体、気体及び気液混合体の少なくとも1種を吹き付けることにより行われる上記1.に記載の機能性膜の連続製造方法。
3.上記膨潤ポリマー除去工程は、上記ポリマー充填・付着シートを平滑面に接触させながら搬送し、且つ該平滑面に接触している部分及びその近傍における該ポリマー充填・付着シートに、該平滑面と接触している面と反対面から、噴霧液体、気体及び気液混合体の少なくとも1種を吹き付けることにより行われる上記1.又は2.に記載の機能性膜の連続製造方法。
4.上記膨潤ポリマー除去工程は、上記ポリマー充填・付着シートを下方から上方へと搬送しつつ行われる上記1.乃至3.のうちのいずれか1項に記載の機能性膜の連続製造方法。
5.上記膨潤ポリマー除去工程は、上記ポリマー充填・付着シートの搬送面を水平面に対して10°以上傾斜させて搬送しつつ行われる上記1.乃至3.のうちのいずれか1項に記載の機能性膜の連続製造方法。
6.上記膨潤ポリマー除去工程は、上記膨潤ポリマーが付着する上記ポリマー充填・付着シートの少なくとも一面に付着ポリマー除去用具を接触させる操作を併用して行われる上記1.乃至5.のうちのいずれか1項に記載の機能性膜の連続製造方法。
7.上記噴霧液体が噴霧された水である上記1.乃至6.のうちのいずれか1項に記載の機能性膜の連続製造方法。
8.上記気体が空気である上記1.乃至7.のうちのいずれか1項に記載の機能性膜の連続製造方法。
また、膨潤ポリマー除去工程が、ポリマー充填・付着シートを回転ロールにより搬送し、且つ回転ロールに接触している部分及びその近傍におけるポリマー充填・付着シートに、回転ロールと接触している面と反対面から、噴霧液体、気体及び気液混合体の少なくとも1種を吹き付けることにより行われる場合、及び膨潤ポリマー除去工程が、ポリマー充填・付着シートを平滑面に接触させながら搬送し、且つ平滑面に接触している部分及びその近傍におけるポリマー充填・付着シートに、平滑面と接触している面と反対面から、噴霧液体、気体及び気液混合体の少なくとも1種を吹き付けることにより行われる場合は、高圧の液体又は気体を吹き付けることができるため、表面に付着した膨潤ポリマーを十分に除去することができ、且つ高圧で吹き付けても機能性膜の変形等が防止される。
更に、膨潤ポリマー除去工程が、ポリマー充填・付着シートを下方から上方へと搬送しつつ行われる場合は、除去された膨潤ポリマーが速やかに下方に流れ落ち、再付着が防止される。
また、膨潤ポリマー除去工程が、ポリマー充填・付着シートの搬送面を水平面に対して10°以上傾斜させて搬送しつつ行われる場合は、除去された膨潤ポリマーが傾斜面を下方側に速やかに流れ落ち、再付着が防止される。
更に、膨潤ポリマー除去工程が、膨潤ポリマーが付着するポリマー充填・付着シートの少なくとも一面に付着ポリマー除去用具を接触させる操作を併用して行われる場合は、ポリマー充填・付着シートの表面に付着した膨潤ポリマーをより効率よく除去することができる。
また、噴霧液体が噴霧された水である場合、及び気体が空気である場合は、操作が容易であり、作業環境の面でも好ましく、機能性膜を変質等させることもない。
(1)含侵、付着工程
上記「ポリマー前駆体」には機能性官能基を有するモノマーが含有される。上記「機能性官能基を有するモノマー(以下、「機能性モノマー」という。)としては、機能性膜の目的、用途等により各種のものを用いることができる。この機能性モノマーとしては、例えば、機能性膜が燃料電池等に用いられる電解質膜である場合のイオン交換基を有するモノマー、機能性膜が濃縮等に用いられる分離膜である場合の各種極性基を有するモノマー、機能性膜が電気分解等に用いられる電解質膜である場合のイオン交換基を有するモノマーなどが挙げられる。
尚、「(メタ)アクリル」は「アクリル及び/又はメタクリル」を、「(メタ)アリル」は「アリル及び/又はメタリル」を、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート及び/又はメタクリレート」を意味する(以下も同様である。)。
プロトン酸性基を有するモノマーとしては、プロトン伝導性に優れるスルホン酸基を有するビニル化合物及びリン酸基を有するビニル化合物が好ましく、高い重合性を有する2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が特に好ましい。
面積増加率(%)=[(膨潤性液体に浸漬する後の面積−膨潤性液体に浸漬した前の面積)/膨潤性液体に浸漬する前の面積]×100
含侵、付着工程において多孔質樹脂シートに含侵、付着されたポリマー前駆体を重合させる方法は特に限定されず、熱重合、電子線、紫外線等の活性エネルギー線の照射による重合等により行うことができる。これらの方法のうちでは電子線又は紫外線の照射による重合が好ましい。
電子線は多孔質樹脂シートに対する透過性に優れ、特に多孔質樹脂シートが炭化水素系ポリマーからなる場合は、照射条件によってはポリマーに架橋構造を導入することもできる。更に、電子線照射による重合はラジカル系光重合開始剤等を必要としないという点でも好ましい。尚、架橋構造が導入されると、多孔質樹脂シートの細孔に充填されたポリマーの膨潤が抑制され、多孔質樹脂シートの寸法変化が抑えられるため好ましい。
ベンゾフェノン系開始剤としては、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4‘−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキシ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。また、チオキサントン系開始剤としては、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン等が挙げられる。更に、チオアクリドン系開始剤としては、チオアクリドン等が挙げられる。
ベンゾイン系開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。また、アセトフェノン系開始剤としては、アセトフェノン、プロピオフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モンフォリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル)−2−ヒドロキシジ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等が挙げられる。更に、ベンジル系開始剤としては、ベンジル等が挙げられる。 ラジカル系光重合開始剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
ポリマーを膨潤させることができる上記「液体」は特に限定されず、ポリマーを容易に除去することができる程度に膨潤させることができる膨潤性液体を用いることができる。また、生産性の観点からは短時間の接触、例えば、長尺の多孔質樹脂シートを連続的に供給してポリマー充填・付着シートを作製し、このポリマー充填・付着シートの表面に付着するポリマーと膨潤性液体とを接触させた場合に、ポリマーを十分に膨潤させることができる液体であることが好ましい。
このポリマーを膨潤させることができるとは、1gのポリマーを質量比で過剰量の膨潤性液体に25℃で1時間浸漬した場合の質量の増加倍率が1倍以上であることを意味する。この質量の増加倍率は500倍以下、特に100倍以下、更に10倍以下であることが好ましい。
質量の増加倍率(倍)=[(膨潤性液体に浸漬する後の質量−膨潤性液体に浸漬した前の質量)/膨潤性液体に浸漬する前の質量]
これらの除去方法では、ポリマー充填・付着シートが回転ロール又は平滑面に支持されているため、この支持されている部分に高圧の噴霧液体、気体又は気液混合体、例えば、0.01〜10MPa、特に0.1〜1MPaの圧力の噴霧液体等を吹き付けることができ、ポリマー充填・付着シートの表面に付着した膨潤ポリマーを、ポリマー充填・付着シートに損傷を生じさせることなく効率よく除去することができる。
尚、ポリマー充填・付着シートと回転ロール又は平滑面とが接触している部分の近傍とは、噴霧液体又は気体等が吹付けられてもシートが何ら損傷することなく連続的に搬送され得る範囲を意味し、回転ロール又は平滑面とポリマー充填・付着シートとの乖離(ポリマー充填・付着シートからの垂線のポリマー充填・付着シートの表面と回転ロール又は平滑面の表面との間の長さ、即ち、両表面間の距離)が好ましくは2cm以下、より好ましくは1cm以下の範囲である。
また、この膨潤ポリマーの除去では、特に塊状等の膨潤ポリマーは除去されなければならないが、ポリマー充填・付着シートの表面に膨潤ポリマーが薄膜状に残存していてもよく、この場合、機能性膜を他の部材、例えば、燃料電池における電極等との接触面積を大きくすることができる。
更に、噴霧された水等の噴霧液体又は水等を含む気液混合体などを用いる場合、ポリマー充填・付着シートの表面から除去された膨潤ポリマーを含む水等を樹脂製のネット等により濾過してポリマーと水等とを分離し、この水等を再利用することによって水等の使用量を低減することもできる。
この連続製造方法は、例えば、図1のような工程により行うことができる。即ち、連続的に送出される長尺の多孔質樹脂シート1を、容器に入れられたポリマー前駆体等を含有する溶液又は分散液2と接触させ(含侵、付着工程)、その後、このポリマー前駆体等が含侵され、付着した多孔質樹脂シートに、活性エネルギー線の照射源Eから電子線、紫外線等を照射してポリマー前駆体を重合させ(重合工程)、次いで、得られたポリマー充填・付着シート11に膨潤性液体3をノズルN1から吹き付け、付着したポリマーを膨潤させ、続いて、ポリマーを除去するための噴霧液体等4をノズルN2から吹き付け、ポリマー充填・付着シートの表面に付着した膨潤ポリマーを除去し(ポリマー除去工程)、次いで、特に噴霧された水等の噴霧液体を用いた場合は乾燥装置Hにより乾燥させ、得られた機能性膜5を連続的に巻き取って効率よく製造することができる。更に、製品保護のため、巻き取られる機能性膜の少なくとも片面(図1では両面)に、ポリエステル、ポリオレフィン、フッ素樹脂等からなる保護フィルム6を積層させながら巻き取ることもできる。
尚、含侵、付着工程、重合工程及びポリマー除去工程以外のその他の工程としては、ポリマー除去工程の後の乾燥工程、この乾燥工程の後の検査工程、調湿工程等が挙げられる。また、必要に応じてスリッティング工程、裁断工程等が設けられる場合もある。これらの他の工程も含侵、付着工程、重合工程及びポリマー除去工程とともに連続した一連の工程として実施される。
ポリマー前駆体として2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸90質量部と、N,N’−メチレンビスアクリルアミド10質量部とを使用し、このポリマー前駆体と、紫外線重合開始剤(チバスペシャルティーケミカル社製、商品名「ダロキュア1173」)2質量部と、界面活性剤2質量部とを、水100質量部に溶解させて溶液を調製した。その後、図1のように、ポリエチレン製多孔質樹脂シート1を連続的に送出して上記溶液2が入れられた容器中を通過させて多孔質樹脂シートにポリマー前駆体等を含浸させ、次いで、活性エネルギー線の発生源Eである高圧水銀ランプにより紫外線を1000mJ/cm2の照射量となるように照射してポリマー前駆体を重合させてポリマー充填・付着シート11を作製し、その後、図2のように、ポリマー充填・付着シートを直径30cmのステンレス鋼製ロールRの約1/3周に接触させながら搬送し、ロールに接触している部分において反対面から膨潤性液体である水31を3本のコーン型ノズルN1を揺動させながら0.2MPaの圧力で吹き付けてポリマーを膨潤させ、次いで、3本のコーン型ノズルN2を揺動させながら0.2MPaの圧力でポリマー充填・付着シートの表面に付着した膨潤ポリマーを除去するため水41を吹き付けて膨潤ポリマーを除去した。このポリマーの膨潤、除去の工程を3回繰り返し、電解質膜5を製造した。得られた電解質膜の表面には塊状のポリマーが残留しておらず、且つ傷、変形、破れ等の損傷もなかった。
ポリマー前駆体を重合させたポリマー充填・付着シート11を連続的に送出しながら、図3のように、ポリマー充填・付着シートを膨潤性液体である水31が入れられた容器中を通過させてポリマーを膨潤させた。その後、ポリマー充填・付着シートを直径10cmのステンレス鋼製ロールRと回転するブラシロールBとの間を通過させ、更に2本の扇型ノズルN2を揺動させながら0.1MPaの圧力でポリマー充填・付着シートの表面に付着した膨潤ポリマーを除去するための水41を吹き付けて膨潤ポリマーを除去した。このポリマーの膨潤、除去の工程を2回繰り返し、電解質膜5を得た他は実施例1と同様にして電解質膜を製造した。得られた電解質膜の表面には塊状のポリマーが残留しておらず、且つ傷、変形、破れ等の損傷もなかった。
ポリマー前駆体を重合させたポリマー充填・付着シート11を連続的に送出しながら、図4のように、ポリマー充填・付着シートの搬送面が水平面からθ=30°傾くように配設された複数の固定板Sの平滑面と接触させながら搬送し、固定板に接触している部分において反対面から膨潤性液体である水31を3本の扇型ノズルN1を揺動させながら0.2MPaの圧力で吹き付けて膨潤させ、次いで、3本の扇型ノズルN2を揺動させながら0.2MPaの圧力でポリマー充填・付着シートの表面に付着した膨潤ポリマーを除去するため水41を吹き付けて膨潤ポリマーを除去した。このポリマーの膨潤、除去の工程を2回繰り返し、電解質膜5を得た他は実施例1と同様にして電解質膜を製造した。得られた電解質膜の表面には塊状のポリマーが残留しておらず、且つ傷、変形、破れ等の損傷もなかった。
尚、各々の固定板としては、ポリマー充填・付着シートが搬送される方向の両端部が曲面に加工され、且つこのシートが接触する面にはフッ素樹脂がコーティングされたステンレス鋼板を用いた。また、吹き付けられた水31、41と除去されたポリマーとは300メッシュのポリエチレン製ネットにより濾別し、この水を循環させて再利用した。
ポリマー前駆体を重合させたポリマー充填・付着シートを連続的に送出しながら、ポリマー充填・付着シートを膨潤性液体である水が入れられた容器中を通過させてポリマーを膨潤させた。その後、上方に搬送されるポリマー充填・付着シートの表面に、ポリプロピレン製ブレードの平滑な先端部を接触させ、次いで、水を撒布して洗浄し、ポリマー充填・付着シートの表面に付着していた膨潤ポリマーを除去して電解質膜5を製造した。得られた電解質膜は後記の表1のように電解質としての機能は有するものの、所々塊状のポリマーが残存しており、ブレードが引っ掛かって生じた傷もあった。
(1)プロトン伝導度の測定
電解質膜を25℃の水に浸漬して膨潤させ、その後、電解質膜を2枚の白金箔電極により挟持し、プロトン伝導度を測定するための試片を作製した。この試片を使用し、インピーダンス測定装置(ヒューレット・パッカード社製、型式「HP4192A」)によりインピーダンスを測定した。
(2)メタノール透過流束の測定
50℃における浸透気化実験を、供給液として質量比で1/9のメタノール/水を使用し、透過側を減圧とし、透過流速が定常になるまで行った。詳細は以下の通りである。
電解質膜をステンレス鋼製のセルに挟持し、電解質膜の上面に上記の供給液を入れ、攪拌した。また、供給液にはヒータ及び測温抵抗体を投入し、温度を50℃に制御した。更に、電解質膜の下面にはコールドトラップを経由して真空ポンプを接続した。このようにして、電解質膜の下面、即ち、透過側を減圧とし、コールドトラップ中に電解質膜を透過したメタノールと水蒸気との混合物を捕集した。その後、捕集した蒸気(コールドトラップ中では固化している。)を加熱し、溶解させて液体として取り出し、その質量から全透過フラックスを、また、ガスクロマトグラフ分析により透過蒸気組成を、それぞれ測定した。この測定を膜透過性能が時間に対して一定となるまで継続し、一定となった時点の測定値を定常状態の透過性として評価した。
また、ポリマー充填・付着シートは、その幅方向が水平面に対して直角となるようにして搬送することもできる(図4におけるθが90°である場合に相当する。)。このようにして、搬送面を水平面に対して傾斜させた場合と同様に除去された膨潤ポリマーの再付着を防止することもできる。
Claims (8)
- 多孔質樹脂シートを連続的に搬送し、該多孔質樹脂シートに機能性官能基を有するモノマーを含有するポリマー前駆体を含浸させ、付着させる含侵・付着工程、該ポリマー前駆体を重合させてポリマーを生成させる重合工程、並びに該多孔質樹脂シートに該ポリマーが充填され且つ付着されてなるポリマー充填・付着シートに、該ポリマーを膨潤させることができる液体を接触させて該ポリマーを膨潤させ、該ポリマー充填・付着シートの表面に付着した膨潤ポリマーを、噴霧液体、気体及び気液混合体のうちの少なくとも1種を吹き付けることにより除去する膨潤ポリマー除去工程を備えることを特徴とする機能性膜の連続製造方法。
- 上記膨潤ポリマー除去工程は、上記ポリマー充填・付着シートを回転ロールにより搬送し、且つ該回転ロールに接触している部分及びその近傍における該ポリマー充填・付着シートに、該回転ロールと接触している面と反対面から、噴霧液体、気体及び気液混合体の少なくとも1種を吹き付けることにより行われる請求項1に記載の機能性膜の連続製造方法。
- 上記膨潤ポリマー除去工程は、上記ポリマー充填・付着シートを平滑面に接触させながら搬送し、且つ該平滑面に接触している部分及びその近傍における該ポリマー充填・付着シートに、該平滑面と接触している面と反対面から、噴霧液体、気体及び気液混合体の少なくとも1種を吹き付けることにより行われる請求項1又は2に記載の機能性膜の連続製造方法。
- 上記膨潤ポリマー除去工程は、上記ポリマー充填・付着シートを下方から上方へと搬送しつつ行われる請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の機能性膜の連続製造方法。
- 上記膨潤ポリマー除去工程は、上記ポリマー充填・付着シートの搬送面を水平面に対して10°以上傾斜させて搬送しつつ行われる請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の機能性膜の連続製造方法。
- 上記膨潤ポリマー除去工程は、上記膨潤ポリマーが付着する上記ポリマー充填・付着シートの少なくとも一面に付着ポリマー除去用具を接触させる操作を併用して行われる請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の機能性膜の連続製造方法。
- 上記噴霧液体が噴霧された水である請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の機能性膜の連続製造方法。
- 上記気体が空気である請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載の機能性膜の連続製造方法。
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