JP2008189864A - 機能性膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来に比較して、生産性に優れた機能性膜の製造方法を提供すること。
【解決手段】多孔性基材の孔部内に機能性ポリマーが充填されるとともに、多孔性基材の表面に機能性ポリマーが付着している機能性膜の当該ポリマー付着面と、機能性ポリマーに対する接着性を有する接着面を備えた基材の当該接着面とが貼り合わされた状態を得る工程と、基材を剥離し、多孔性基材の表面に付着していた機能性ポリマーを基材側へ選択的に付着させる工程とを有する製造方法にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、機能性膜の製造方法に関するものである。
近年、多孔性基材の孔部内に機能性ポリマーを充填した機能性膜は、様々な分野において、その応用が検討されている。
例えば、燃料電池や電解装置などの分野では、ポリエチレンなどからなる多孔性基材の孔部内にイオン伝導性ポリマーを充填した機能性膜を、イオン交換膜として用いることなどが検討されている。
上記イオン交換膜は、メタノールなどの燃料の透過を抑制でき、イオン伝導性を有していることから、とりわけ、直接メタノール形燃料電池(DMFC)への適用が期待されているものである。
この種の機能性膜を製造する場合、多孔性基材の孔部内に機能性ポリマーを充填する必要がある。しかし、通常は、孔部内にのみ選択的に機能性ポリマーを充填することは困難であり、多孔性基材の表面にも機能性ポリマーが少なからず付着してしまう。製造方法によっては、機能性ポリマー層により多孔性基材の表面が覆い隠されてしまうこともある。
多孔性基材の表面に付着した機能性ポリマーは、機能性膜の用途などによっても異なるが、機能性膜の特性を低下させる場合がある。そのため、このような場合には、付着した機能性ポリマーを別途取り除くことが必要となる。
例えば、特許文献1には、ポリマー前駆体を多孔性基材の孔部内に充填した後、基材両面を保護材で覆い、ポリマー前駆体を重合させて電解質ポリマーとした後、保護材を剥離し、多孔性基材の表面に付着した電解質ポリマー層をブラシやスクレーパーなどで掻き取って電解質膜を製造する電解質膜の製造方法が開示されている。
国際公開第WO2005/098875号パンフレット
しかしながら、従来の製造方法を適用して機能性膜の製造を行った場合、以下の点で問題があった。
すなわち、この製造方法では、別途、多孔性基材の表面に付着した機能性ポリマー層の掻き取り工程が必要になる。そのため、その分生産性が低下するといった問題があった。特に、機能性膜を連続生産する場合には、掻き取り速度が遅いために、ライン速度が低下し、生産性が低下しやすくなるといった問題があった。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、従来に比較して、生産性に優れた機能性膜の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る機能性膜の製造方法は、多孔性基材の孔部内に機能性ポリマーが充填されるとともに、多孔性基材の表面に機能性ポリマーが付着している機能性膜の当該ポリマー付着面と、上記機能性ポリマーに対する接着性を有する接着面を備えた基材の当該接着面とが貼り合わされた状態を得る工程と、上記基材を剥離し、上記多孔性基材の表面に付着していた上記機能性ポリマーを上記基材側へ選択的に付着させる工程とを有することを要旨とする。
この際、上記貼り合わせ状態を、少なくとも以下の工程(1)〜工程(3)を経ることにより得ると良い。
工程(1)多孔性基材の孔部内に、機能性ポリマーもしくはその前駆体またはそれらの液を含浸させる工程
工程(2)多孔性基材の少なくとも一方面と、基材の接着面とを貼り合わせる工程
工程(3)多孔性基材の孔部内に機能性ポリマーを固定する工程
また、上記基材の剥離により、上記多孔性基材の表面を50%以上露出させると良い。
また、上記基材の接着性は、上記基材面を表面処理することにより付与されていると良い。
上記表面処理としては、コロナ放電処理、スルホン化処理、プライマー処理、オゾン処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、プラズマ処理、グラフト処理、フレーム処理、酸化ケイ素膜処理、および、サンドブラスト処理から選択される1つまたは2つ以上を適用することができる。
また、上記基材は、接着面のぬれ張力が50mN/m以上であると良い。
本発明に係る機能性膜の製造方法は、多孔性基材の孔部内に機能性ポリマーが充填されるとともに、多孔性基材の表面に機能性ポリマーが付着している機能性膜の当該ポリマー付着面と、機能性ポリマーに対する接着性を有する接着面を備えた基材の当該接着面とが貼り合わされた状態を得る工程と、基材を剥離し、多孔性基材の表面に付着していた機能性ポリマーを基材側へ選択的に付着させる工程とを有している。
上記製造方法によれば、接着性を有する基材を剥離するといった簡易な操作により、多孔性基材の表面に付着していた余分な機能性ポリマーを除去することができ、これによって多孔性基材の表面を露出させること可能となる。
そのため、従来の掻き取り工程を不要もしくは簡略化することが可能となり、機能性膜の生産性を向上させることができる。特に、機能性膜の連続生産に本発明を適用した場合には、ライン速度の向上などにより、生産性を向上させやすい。
また、従来、基材の剥離時に脱落したバリが、機能性膜の表面に付着し、これに起因して、機能性膜表面に凹凸ができたり、膜厚にムラが生じたりすることがあった。上記製造方法によれば、基材貼り合わせにより多孔性基材の両縁からはみ出した機能性ポリマーのバリも、基材の剥離時に基材側に付着して除去される。そのため、上記問題も生じ難くなり、得られる機能性膜の品質を向上させることも可能となる。
以下、本実施形態に係る機能性膜の製造方法(以下、「本製造方法」ということがある。)について詳細に説明する。
本製造方法は、以下の第1工程、第2工程を少なくとも有している。
1.第1工程
本製造方法において、第1工程は、多孔性基材の孔部内に機能性ポリマーが充填されるとともに、多孔性基材の表面に機能性ポリマーが付着している機能性膜の当該ポリマー付着面と、機能性ポリマーに対する接着性を有する接着面を備えた基材の当該接着面とが貼り合わされた状態を得る工程である。
ここで、上記貼り合わせ状態では、機能性膜が有する多孔性基材の表面と、基材の接着面との間に、多孔性基材の表面に付着した機能性ポリマーが介在されている。
上記貼り合わせ状態では、機能性膜の片面に基材が貼り合わされていても良いし、機能性膜の両面に基材が貼り合わされていても良い。つまり、この第1工程では、機能性ポリマーの除去が必要な面に対応させて、適宜基材の貼り合わせ面を選択することができる。
上記第1工程において、多孔性基材表面の機能性ポリマーは、多孔性基材の表面全部を覆うようにして付着されていても良いし、多孔性基材の表面を部分的に覆うようにして付着されていても良い。つまり、多孔性基材表面の機能性ポリマーは、必ずしも層状に付着している必要はなく、海島状など、非層状に付着していても構わない。
一方、上記基材は、上記機能性ポリマーに対する接着性を有する接着面を備えておれば良い。ここで、上記接着性は、上記機能性ポリマーにくっつくことができ、後に剥がすことが可能であれば良い。したがって、上記接着性には、易接着性、粘着性なども概念的に含まれる。
また、後の工程において、多孔性基材の表面に付着した機能性ポリマーを基材の接着面に付着させることから、基材の接着面が有する機能性ポリマーとの接着性は、機能性ポリマーと多孔性基材材料との間の接着性よりも高いことが好ましい。
上記基材の接着面は、基材の接着面に別途、接着層が積層されて形成されていても良いし、基材表面に接着性を付与する表面処理が施されて形成されていても良い。好ましくは、接着層由来の不純物の心配がないなどの観点から、後者であると良い。なお、基材材料については、後述する。
上記表面処理としては、具体的には、例えば、コロナ放電処理、スルホン化処理、プライマー処理、オゾン処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、プラズマ処理、グラフト処理、フレーム処理、酸化ケイ素膜処理、サンドブラスト処理などを例示することができる。これらは1つまたは2つ以上併用されていても良い。
また、上記基材は、接着面のぬれ張力が50mN/m以上であることが好ましい。当該張力は、JIS K6768に準じた方法で測定した値である。このぬれ張力が上記範囲にあると、機能性ポリマーが表面に付着した多孔性基材と貼り合わせて剥離した際に、上記多孔性基材の表面に付着していた機能性ポリマーを基材へ付着させる効果が大きくなる。
上記第1工程では、結果として上述した貼り合わせ状態を得ることができれば、何れの方法によって上記貼り合わせ状態を得ても構わない。
例えば、<1>機能性膜が有する多孔性基材の表面に既に付着している機能性ポリマーに対して、基材の接着面を貼り合わせる方法、<2>機能性ポリマーの前駆体を含浸させた多孔性基材の表面に対して、基材の接着面を貼り合わせた後、含浸されたポリマー前駆体(含浸により、多孔性基材の孔部以外にも、多孔性基材の表面にポリマー前駆体が存在している)を機能性ポリマーに変換する方法、ならびに、機能性ポリマーを含浸させた多孔性基材の表面に対して、基材の接着面を貼り合わせた後、含浸させたポリマーを架橋等により孔部内に固定させる方法などを例示することができる。とりわけ、上記<2>の方法は、多孔性基材の表面が露出した機能性膜を連続的に製造する場合などに、好適に適用することができる。
以下、上記<2>の方法を用いて、上記貼り合わせ状態を得る場合について例示する。なお、上記<1>の方法を用いる場合、具体的な多孔性基材、機能性ポリマー、基材などの材質については、以下に例示するものを同様に適用することができる。
上記<2>の方法を用いて、上記貼り合わせ状態を得る場合、具体的には、下記の工程(1)〜工程(3)を経るようにすると良い。以下、各工程について順に説明する。
工程(1)は、多孔性基材の孔部内に、機能性ポリマーもしくはその前駆体またはそれらの液(以下、「被含浸物」ということがある。)を含浸させる工程である。
(多孔性基材)
多孔性基材は、主に、機能性膜の骨格を形成するものである。
上記多孔性基材の形状としては、具体的には、例えば、フィルム状、シート状、板状などの平面形状を好適な形状として例示することができる。
ここで、上記多孔性基材は、被含浸物が含浸されることから、外部に連通する開気孔を少なくとも有している。なお、開気孔以外にも、閉気孔が存在していても構わない。
上記開気孔は、多孔性基材の一方面から他方面に貫通する貫通孔であることが好ましい。なお、貫通孔以外にも、非貫通孔が存在していても構わない。
この場合、貫通孔は、例えば、基材面に対してほぼ垂直に貫通していても良いし、基材面に対して90°未満の角度で傾斜して貫通していても良い。また、蛇行、ジグザグ状など、ランダムに貫通していても良い。
また、上記開気孔の断面形状は、被含浸物を含浸することができれば何れの形状であっても良く、その断面形状は、特に限定されるものではない。上記開気孔の断面としては、具体的には、例えば、円形、楕円形、多角形、これらが連接された形、これらの組み合わせなどを例示することができる。
上記多孔性基材の空孔率は、機能性膜の用途などによって適宜選択することができ、概ね、5〜95%の範囲内にあると良い。
例えば、機能性膜を燃料電池などのイオン交換膜として用いる場合、上記多孔性基材の空孔率の上限としては、90%以下が好ましく、85%以下がより好ましく、80%以下が最も好ましい。一方、上記多孔性基材の空孔率の下限としては、10%以上が好ましく、15%以上がより好ましく、20%以上が最も好ましい。上記範囲内にあれば、燃料の透過を抑制する効果と、単位面積当たりのイオン交換基量、膜強度などのバランスが良いからである。
なお、上記空孔率は、多孔性基材の厚さと面積から体積を求め、その重量を測定し、構成する材料の比重とから、全体積中に占める空気の割合を計算することにより求めることができる。具体的には、下記の式により求めることができる。
空孔率%=(多孔性基材の厚さ×多孔性基材の面積−多孔性基材の重量/構成材
料の比重)/(多孔性基材の厚さ×多孔性基材の面積)×100
上記多孔性基材の孔部径についても、機能性膜の用途などによって適宜選択することができる。孔部径が過度に小さ過ぎると、被含浸物を含浸させ難くなる傾向が見られる。一方、孔部径が過度に大き過ぎると、孔部内に機能性ポリマーを保持し難くなり、機能性膜の変形時などに脱落する場合がある。孔部径の選択には、これらに留意すると良い。
上記孔部径の上限としては、孔部内に充填された機能性ポリマーを保持しやすいなどの観点から、50μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、1μm以下が最も好ましい。一方、上記孔部径の下限としては、孔部内に被含浸物を含浸させやすいなどの観点から、0.001μm以上が好ましく、0.01μm以上がより好ましい。
なお、上記孔部径は、水銀圧入法により測定される値である。
上記多孔性基材の材料は、機能性膜の用途などに応じて適宜選択することができ、具体的には、例えば、高分子などの有機材料、ガラス、アルミナ、ムライトなどのセラミックス、金属(合金含む)などの無機材料、これらを複合した複合材料などを例示することができる。
上記多孔性基材の材料としては、柔軟性や強度に優れた機能性膜が得られる、ロールからの連続製造時に変形や欠陥が発生し難いなどの観点から、高分子を好適に用いることができる。
上記高分子としては、具体的には、例えば、エチレン系樹脂(ポリエチレンなどのエチレンを主成分とする樹脂)、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどの塩化ビニル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリ(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルエーテル)などのフッ素系樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、芳香族ポリイミド、アラミド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネートなどを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。また、2種以上の高分子を積層するなどしても良い。また、上記高分子は、必要に応じて架橋されていても良い。
上記高分子としては、機械的強度、化学的安定性、耐薬品性、柔軟性などに優れた機能性膜が得られるなどの観点から、オレフィン系樹脂などを好適に用いることができる。
上記多孔性基材の厚みは、機能性膜の用途に応じて適宜選択すれば良い。例えば、機能性膜を燃料電池などのイオン交換膜として用いる場合、多孔性基材の厚みが過度に薄すぎると、膜強度が低下したり、メタノールなどの燃料の透過量が多くなったりする傾向が見られる。一方、多孔性基材の厚みが過度に厚すぎると、イオンの移動経路が長くなって膜抵抗が大きくなり、イオン伝導性が低下するなどの傾向が見られる。したがって、多孔性基材の厚みの選択には、これらに留意すると良い。
上記多孔性基材の厚みは、その材質によっても異なるが、例えば、高分子を用いる場合には、上記多孔性基材の厚みの上限としては、例えば、イオン交換膜の場合は内部抵抗の観点から、200μm以下が好ましく、150μm以下がより好ましく、100μm以下が最も好ましい。一方、上記多孔性基材の厚みの下限としては、膜強度を維持し、電極の接合や燃料電池セルへの組み込みの際に破れなどの欠陥が生じ難くなるなどの観点から、1μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、10μm以上が最も好ましい。
以上のような多孔性基材を得る方法は、その材質によっても異なるが、例えば、延伸による方法、造孔材を分散させた基材材料の溶液または溶融物を平面状に塗工し、溶剤を揮発除去したり、溶融状態の基材材料を冷却するなどして平面状にし、造孔材を除去して孔部とする方法、平面状に形成された基材材料に対して、パンチング、ドリリング、レーザ、化学的・物理的エッチングなどの加工手段を用いて孔部を形成する方法、孔部を転写可能な鋳型に高分子などの基材材料の融液を流し込んだ後、平面状の基材材料を剥離することにより、基材面に孔部を転写する方法などを例示することができる。
多孔性基材の材料が高分子である場合、最も一般的な方法は、延伸による方法である。すなわち、この方法では、高分子などの多孔性基材の材料と液状または固体の造孔材とを溶融混合などの方法で混合し、造孔材を一旦微分散させておき、これをTダイなどから押し出しながら延伸し、洗浄などの方法によって造孔材を除去し、多孔性基材とする。
また、延伸方法としては1軸延伸、2軸延伸などの方法がある。なお、延伸の比率や、造孔材の比率や種類、配合量、基材材料の種類などによって孔部の形状などを決定することができる。
上記多孔性基材が、疎水性の高分子材料から形成されている場合、この多孔性基材の表面のうち、少なくとも被含浸物と接触する側の面は、親水処理されていると良い。後述するように、親水性の高い被含浸物を孔部内に含浸させる場合に、多孔性基材が予め親水化されておれば、親水性の高い被含浸物が速やかに孔部内へ含浸され、生産性を向上させることができるからである。
上記親水処理の方法としては、具体的には、例えば、界面活性剤処理、コロナ処理、スルホン化処理、親水性ポリマーのグラフト処理などを例示することができる。これら処理は、1または2以上併用しても良い。
(被含浸物)
工程(1)において、上記多孔性基材の孔部には、機能性ポリマーもしくはその前駆体またはそれらの液(被含浸物)が含浸される。
具体的には、既に重合されている機能性ポリマーが含浸される場合、機能性ポリマーを生成可能なポリマー前駆体が含浸される場合、機能性ポリマーおよびポリマー前駆体が含浸される場合、機能性ポリマーおよび/またはポリマー前駆体を含む液が含浸される場合などがある。
上記機能性ポリマーは、機能性膜の目的、用途などにより各種のものを用いることができる。上記機能性ポリマーとしては、具体的には、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、亜ホスホン酸基などの陽イオン交換基や、アンモニウム基などの陰イオン交換基、エポキシ基、ビニル基、アルコキシシラン基などの重合性基やこれらの重合性基と組み合わせて重合、付加などの反応をすることが可能なアミノ基、メルカプト基、酸無水物基などの官能基、親水性薬剤を吸収保持することが可能なエーテル基、水酸基、ピロリドン基などの親水基、親油性薬剤を保持することができる長鎖アルキル基などの親油性基などといった機能性官能基を有するポリマーを例示することができる。これらポリマーは、機能性官能基を1種または2種以上有していても良い。
例えば、機能性膜を燃料電池などのイオン交換膜として用いる場合、上記機能性ポリマーとしては、具体的には、ポリマー骨格の全部または一部がフッ素化されたフッ素系ポリマーであってイオン交換基を有するもの、ポリマー骨格にフッ素を含まない炭化水素系ポリマーであってイオン交換基を有するものなどを例示することができる。
前者の具体例としては、ナフィオン(登録商標)などのパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー、パーフルオロカーボンホスホン酸系ポリマー、トリフルオロスチレンスルホン酸系ポリマーなどが好適な一例として挙げられる。また、後者の具体例としては、ポリスルホンスルホン酸、ポリアリールエーテルケトンスルホン酸、ポリベンズイミダゾールアルキルスルホン酸、ポリベンズイミダゾールアルキルホスホン酸などが好適な一例として挙げられる。
上記機能性ポリマーは、必要に応じて、酸化防止剤、キレート剤、紫外線吸収剤、可塑剤などの各種の添加剤を1種または2種以上含有していても良い。
また、上記ポリマー前駆体についても、機能性膜の目的、用途などにより各種のものを用いることができる。このポリマー前駆体には、上述した機能性官能基、重合前後に上記機能性官能基に変換し得る官能基、重合前後に上記機能性官能基を導入可能な部位を有するモノマー(以下、「機能性モノマー」ということがある。)が少なくとも1種以上含有される。これら機能性モノマーは、上記機能性官能基、上記機能性官能基に変換し得る官能基、重合前後に機能性官能基を導入可能な部位を1つまたは2つ以上有していても良い。
例えば、機能性膜を燃料電池などのイオン交換膜として用いる場合、上記機能性モノマーとしては、具体的には、例えば、イオン交換基を有するモノマー、イオン交換基に変換し得る官能基を有するモノマー、重合前後にイオン交換基を導入可能な部位を有するモノマーなどを好適に用いることができる。これらは1種または2種以上併用しても良い。
上記イオン交換基を有するモノマーは、1分子中に重合可能な官能基と、イオン交換基とを併せ持つ化合物である。
このイオン交換基を有するモノマーとしては、具体的には、例えば、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、ビニルホスホン酸、酸性リン酸基含有(メタ)アクリレートなどを例示することができる。
なお、「(メタ)アクリル」は「アクリルおよび/またはメタクリル」を、「(メタ)アリル」は「アリルおよび/またはメタリル」を、「(メタ)アクリレート」は「アクリレートおよび/またはメタクリレート」を意味する(以下同様である)。
上記重合前後にイオン交換基に変換し得る官能基を有するモノマーとしては、具体的には、例えば上記化合物の塩、無水物、エステルなどを例示することができる。使用するモノマーの酸残基が塩、無水物、エステルなどの誘導体となっている場合には、重合後にプロトン酸型にすることでプロトン伝導性を付与することができる。
上記重合前後にイオン交換基を導入可能な部位を有するモノマーとしては、具体的には、例えば、スチレン、α―メチルスチレン、クロロメチルスチレン、t−ブチルスチレンなどのベンゼン環を有するモノマーを例示することができる。なお、これらにイオン交換基を導入する方法としては、具体的には、例えば、クロロスルホン酸、濃硫酸、三酸化硫黄などのスルホン化剤でスルホン化する方法などが挙げられる。
これらモノマーとしては、プロトン伝導性に優れるなどの観点から、スルホン酸基を有するビニル化合物、リン酸基を有するビニル化合物などが好ましく、より好ましくは、高い重合性を有するなどの観点から、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などである。
上記ポリマー前駆体は、上記機能性モノマー以外にも、架橋剤などを含有していても良い。架橋剤を含有している場合には、機能性モノマーが重合して生成される機能性ポリマー中に架橋点を形成でき、機能性ポリマーを架橋体とすることができる。そのため、機能性膜の孔部内に充填された機能性ポリマーの不溶性、不融性が向上し、孔部から脱落し難くなるなどの利点がある。
上記架橋剤としては、具体的には、例えば、1分子中に重合可能な官能基を2個以上有する化合物、1分子中に重合性二重結合とその他の架橋反応が可能な官能基を合わせ持つ化合物などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
前者の架橋剤としては、具体的には、例えば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−プロピレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−ブチレンビス(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ジビニルベンゼン、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、ジアリルオキシ酢酸塩などの架橋性モノマーを例示することができる。
後者の架橋剤としては、具体的には、例えば、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなどの架橋性モノマーを例示することができる。これらは、重合性二重結合のラジカル重合を行った後で加熱して縮合反応などを起こさせて架橋するか、ラジカル重合と同時に加熱を行って同様の架橋反応を起こさせることができる。
なお、上記架橋剤は、炭素−炭素二重結合を有する化合物に限られず、重合反応速度はやや小さいものの、2官能以上のエポキシ化合物、ヒドロキシメチル基を有するフェニル基などを有する化合物なども使用することもできる。上記エポキシ化合物を用いる場合は、ポリマー中に含まれるカルボキシル基などの酸と反応することにより架橋点が形成される。
上記ポリマー前駆体は、上記機能性モノマーおよび/または上記架橋剤と共重合可能なモノマーを含有していても良い。この種のモノマーとしては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、マレイミド類、スチレン類、有機酸ビニル類、アリル化合物、メタリル化合物などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
上記ポリマー前駆体を用いた場合、モノマーを重合させることになるが、この際の重合方法は特に限定されるものではなく、紫外線、電子線などの活性エネルギー線の照射、加熱などの各種の方法を利用することができる。
この場合、上記ポリマー前駆体には、重合を促進させる観点から、重合開始剤が含有されていても良い。
熱開始重合、レドックス系開始重合のラジカル開始剤としては、具体的には、例えば、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩などのアゾ化合物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどの過酸化物、上記過酸化物と、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ホルムアミジンスルフィン酸、アスコルビン酸などの還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、アゾビスシアノ吉草酸などのアゾ系ラジカル重合開始剤などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
上記重合方法としては、重合反応の制御がしやすく、比較的簡単なプロセスで生産性良く機能性膜を得ることができるなどの観点から、紫外線による光開始重合が好ましい。
この場合、光重合開始剤としては、具体的には、例えば、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、チオアクリドン系、ベンゾイン系、ベンジル系、アセトフェノン系、およびこれらの誘導体などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
より具体的には、ベンゾフェノン系開始剤としては、例えば、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキシ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンなどを例示することができる。
チオキサントン系開始剤としては、具体的には、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルチオキサントンなどを例示することができる。
チオアクリドン系開始剤としては、具体的には、例えば、チオアクリドンなどを例示することができる。
ベンゾイン系開始剤としては、具体的には、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどを例示することができる。
アセトフェノン系開始剤としては、具体的には、例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モンフォリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル)−2−ヒドロキシジ−2−メチル−1−プロパン−1−オンなどを例示することができる。
ベンジル系開始剤としては、具体的には、例えば、ベンジルなどを例示することができる。
これら重合開始剤の含有量の上限としては、ポリマー前駆体またはその液の安定性や、得られるポリマーの重合度維持などの観点から、ポリマー前駆体中に含まれるモノマーの総質量に対して、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、2質量%以下が最も好ましい。一方、これら重合開始剤の含有量の下限としては、重合性の維持などの観点から、ポリマー前駆体中に含まれるモノマーの総質量に対して、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が最も好ましい。
上記ポリマー前駆体は、必要に応じて、酸化防止剤、キレート剤、紫外線吸収剤、可塑剤などの各種の添加剤を1種または2種以上含有していても良い。
工程(1)において、上述した機能性ポリマー、ポリマー前駆体(架橋剤や重合開始剤などが混合されたものも含む)は、そのもの自体が液体であり、低粘度である場合には、そのまま孔部へ含浸させることができる。この場合、好ましい粘度としては、25℃において1〜10000mPa・s程度である。
これに対して、そのままでは孔部へ含浸し難い場合には、機能性ポリマーおよび/またはポリマー前駆体を、適当な溶媒に溶解させた溶液、または、適当な分散媒に分散させた分散液とすると良い。この場合、好ましい粘度は、25℃において1〜10000mPa・s程度である。なお、上記粘度は、B型粘度計にて測定される値である。
上記溶媒、分散媒としては、具体的には、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼンなどの芳香族系有機溶剤、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族系有機溶剤、クロロホルム、ジクロロエタンなどの塩素系溶剤、ジエチルエーテルなどのエーテル類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶剤、水、アルコール類などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。これらのうち、好ましくは、水を主に含んでいると良い。取扱い性、経済性などに優れるからである。
上記溶液または分散液の濃度は、粘度、孔部への含浸性、孔部内へ含浸される機能性ポリマー成分やポリマー前駆体成分の含浸量などを考慮して適宜調節することができる。液濃度が過度に低くなると、孔部内へ含浸される機能性ポリマー成分やポリマー前駆体成分の含浸量が少なくなり、機能性膜の機能が低下する場合がある。一方、液濃度が過度に高くなると、高粘度となり、含浸性が低下して生産性が悪くなるどの傾向が見られる。したがって、液濃度の選択には、これらに留意すると良い。
上記溶液または分散液の濃度の下限としては、濃度が低すぎると、含浸工程を繰り返す必要があり、生産性が低下するなどの観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上が最も好ましい。
上記工程(1)では、上述した被含浸物のうち、ポリマー前駆体またはその液(溶液、分散液)を好適に用いることができる。機能性ポリマー自体を含浸させる場合に比較して、低粘度化を図りやすく、含浸性に優れるからである。
また、孔部内に含浸されているポリマー前駆体成分を、後に重合、架橋させて機能性ポリマーとすることで、水などの液体と接触する環境下で機能性膜が使用される場合であっても、孔部から機能性ポリマーが脱落し難くなるからである。
例えば、機能性膜を燃料電池などのイオン交換膜として用いる場合、とりわけ、被含浸物として、ポリマー前駆体またはその液(溶液、分散液)を好適に用いることができる。PEFCは、プロトンの移動に水が必要なことから、燃料に加湿を行うこともあるし、DMFCは、燃料に水が含まれる。また、いずれの燃料電池も電池反応によっても水が生じる。そのため、イオン伝導性ポリマー(この場合はプロトン伝導性ポリマー)を直接孔部内へ含浸させて充填した場合には、上記電池内部の水によって、イオン交換膜の孔部からイオン伝導性ポリマーが脱落する場合がある。しかしながら、ポリマー前駆体またはその液を用いれば、そのような問題が発生し難くなるからである。
(含浸)
上記工程(1)では、多孔性基材の孔部内に、上記被含浸物を含浸させる。上記被含浸物の含浸方法は、特に限定されるものではなく、被含浸物の性状、含浸性などを考慮して公知の含浸方法を適宜選択することができる。
具体的には、例えば、多孔性基材を上記被含浸物中に浸漬する方法、多孔性基材の表面に上記被含浸物を、リバースコート法、ダイコート法、コンマコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、ナイフコート法、スピンコート法、刷毛塗り法など各種の塗工方法を用いて塗工する方法、多孔性基材の表面に上記被含浸物をスプレーする方法などが挙げられる。これらは1種または2種以上併用しても良い。
なお、多孔性基材の孔部内だけに選択的に機能性ポリマーを充填することは通常難しく、上記のような通常の含浸方法を経れば、多孔性基材の表面には被含浸物が付着することになる。
次に、工程(2)は、多孔性基材の少なくとも一方面と、基材の接着面とを貼り合わせる工程である。この工程(2)において、上記基材は、被含浸物が含浸された多孔性基材を保護する保護材としての役割を有する。
この際、上記基材の接着面は、被含浸物が付着している多孔性基材の表面に貼り合わせれば良い。
上記基材の形状としては、具体的には、例えば、フィルム状、シート状、板状などの平面形状を好適な形状として例示することができる。
上記基材の材料は、高分子などの有機材料、ガラス、セラミックス、金属(合金含む)などの無機材料の何れであっても良い。また、これらを複合した複合材料であっても良い。なお、基材の材質上、表面処理によって接着性を付与できない場合には、基材上に別途、接着層を形成すれば良い。
上記基材の材料としては、基材の表面処理により接着性を付与しやすい、比較的安価で、柔軟であり、ロール体として調達可能なものが多いなどの観点から、高分子を好適に用いることができる。
上記高分子としては、具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのオレフィン系樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニルなどの塩化ビニル系樹脂、セルロース、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィドなどを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。また、2種以上の高分子を積層するなどしても良い。
上記高分子としては、表面処理により接着性を付与しやすい、被含浸物中に含まれうる溶媒や分散媒、紫外線などの活性エネルギー線の照射、重合時の加熱などにより変質し難い、活性エネルギー線を透過させやすいなどの観点から、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂などを好適に用いることができる。
上記基材の厚みは、機械的強度やロールからの繰り出し易さ、紫外線などの活性エネルギー線でモノマーの重合を行う場合には、基材による紫外線吸収量などを勘案して選択すれば良い。
上記基材の厚みは、その材質によっても異なるが、例えば、高分子を用いる場合には、上記基材の厚みの上限としては、200μm以下が好ましく、150μm以下がより好ましく、100μm以下がさらにより好ましい。一方、上記基材の厚みの下限としては、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、20μm以上がさらにより好ましい。
次に、工程(3)は、多孔性基材の孔部内に機能性ポリマーを固定する工程である。この工程を経ることで、多孔性基材の表面に機能性ポリマーが付着している機能性膜の当該ポリマー付着面と、機能性ポリマーに対する接着性を有する接着面を備えた基材の当該接着面とが貼り合わされた状態が得られる。
上記固定方法は、工程(1)で用いた被含浸物の種類により種々の方法を選択することが可能である。
例えば、被含浸物として、機能性ポリマーそのものを用いた場合には、孔部内に含まれる機能性ポリマーを架橋すれば、孔部内に機能性ポリマーが固定される。架橋剤としては、前述のポリマー前駆体で用いたものが使用可能である。
また、被含浸物として、機能性ポリマーを含む液を用いた場合には、孔部内に含まれる溶媒または分散媒を揮発させれば、孔部内に機能性ポリマーが固定される。さらに、孔部内の機能性ポリマーに対して架橋を施しても良い。
また、被含浸物として、ポリマー前駆体そのものを用いた場合には、孔部内に含まれるポリマー前駆体を重合して機能性ポリマーを生成させれば、孔部内に機能性ポリマーが固定される。さらに、ポリマー前駆体、生成した機能性ポリマーに対して架橋を施しても良い。
また、被含浸物として、ポリマー前駆体を含む液を用いた場合には、孔部内に含まれる溶媒または分散媒を揮発させた後、ポリマー前駆体を重合して機能性ポリマーを生成させれば、孔部内に機能性ポリマーが固定される。また、孔部内に含まれるポリマー前駆体を重合して機能性ポリマーを生成させた後、溶媒または分散媒を揮発させ、孔部内に機能性ポリマーを固定しても良い。さらに、ポリマー前駆体、生成した機能性ポリマーに対して架橋を施しても良い。
なお、孔部内の機能性ポリマーは、多孔性基材の孔部表面と反応して化学的結合を生じるなどして固定されていても構わない。
ここで、上記ポリマー前駆体の重合、架橋、上記機能性ポリマーの架橋は、紫外線、電子線などの活性エネルギー線の照射、加熱、これらの組み合わせなどの方法により行うことができる。好ましくは、重合、架橋反応の制御がしやすく、比較的簡便なプロセスで生産性良く機能性膜を得ることができるなどの観点から、少なくとも紫外線の照射を含んでいると良い。
なお、上記活性エネルギー線の照射は、何れか一方面から照射しても良いし、両面から照射しても良い。
また、活性エネルギー線の照射条件、加熱条件などは、孔部内に含浸されている機能性ポリマー、ポリマー前駆体の種類などを考慮して適宜最適な条件を選択すれば良く、特に限定されるものではない。
2.第2工程
本製造方法において、第2工程は、上記第1工程を経て上記貼り合わせ状態とされた貼り合わせ体から、上記基材を剥離する工程である。
この第2工程によれば、図1(a)(b)に例示するように、貼り合わせ体10から基材12a、12bを剥離すれば、多孔性基材14の表面に付着して機能性ポリマー16aが基材12a、12b側へ選択的に付着し、多孔性基材14の表面が露出されるとともに、多孔性基材14の孔部内に機能性ポリマー16bが充填された機能性膜18が得られる。
なお、図2に例示するように、接着性を有しない基材20a、20bを用いた場合には、これらを剥離しても、多孔性基材14の表面に付着した機能性ポリマー16aを取り除くことはできない。
上記基材の剥離により、多孔性基材表面から取り除かれる機能性ポリマーの量は、機能性ポリマーの材質や基材の接着性などによっても異なる。
この第2工程では、多孔性基材の表面がほぼ露出される程度に機能性ポリマーが取り除かれても良いし、多孔性基材の表面に一部の機能性ポリマーが残存していても良い。
好ましくは、表面に残存した機能性ポリマーによる弊害を防止するなどの観点から、多孔性基材の表面が50%以上、より好ましくは、多孔性基材の表面が70%以上、さらにより好ましくは、多孔性基材の表面が90%以上露出していると良い。
なお、上記基材の剥離方法は特に限定されるものではなく、例えば、巻き取り装置を用いて基材を巻き取るなどして剥離を行えば良い。
以上、本実施形態に係る機能性膜の製造方法について説明した。本製造方法は、例えば、機能性膜を連続的にライン式で製造する際に好適に用いることができる。もちろん、機能性膜をバッチ式で製造する際に用いることもできる。
本製造方法を適用して機能性膜を連続的にライン生産する方法は、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、以下のような方法を例示することができる。
図3は、連続的に機能性膜を製造する方法の一例を示したものである。すなわち、ポリマー前駆体溶液などの被含浸物30が入った槽32内に、多孔性基材供給源34から連続的に供給される多孔性基材14を浸漬し、多孔性基材14に被含浸物30を含浸させる(S1)。
次いで、被含浸物30が含浸された多孔性基材14の両面に、基材供給源36a、36bから連続的に供給される基材12a、12bをラミネートロール38などにより重ね合わせる(S2)。
次いで、この積層体40を、このままの状態で、紫外線などの活性エネルギー線の照射装置42内に連続的に供給する。
これにより、ポリマー前駆体が重合されるなどして機能性ポリマーが多孔性基材の孔部内に固定されるとともに、多孔性基材の表面に機能性ポリマーが付着した機能性膜の当該ポリマー付着面と、基材の接着面とが貼り合わされた状態の貼り合わせ体10が得られる(S3)。
次いで、基材巻き取り装置44a、44bにより基材12a、12bを巻き取れば、多孔性基材14の表面に付着していた機能性ポリマー16aが選択的に基材12a、12b側へ付着され、多孔性基材14が表面に露出した機能性膜18が得られる(S4)。
本製造方法により得られる機能性膜は、特に限定されることなく各種の用途へ応用することができる。
具体的には、例えば、孔部内に充填された機能性ポリマーがイオン伝導性ポリマーであれば、イオン交換膜として、燃料電池用電解質膜、電解装置の隔膜、濃縮器の分離膜などの電気化学デバイスへ応用することができる。また、孔部内に充填された機能性ポリマーが親水性ポリマーであれば、調湿膜として、加湿機、空調機などへ応用することができる。また、機能性ポリマーに薬剤などを浸透させれば、ハップ材などへ応用することができる。
以下、本発明を実施例を用いてより具体的に説明する。
<界面活性剤処理を施した多孔性基材の調製>
多孔性基材として、多孔質ポリエチレンフィルム(厚さ30μm、空孔率35%、平均孔部径約0.06μm)ロールを長さ50m分用意した。
次いで、界面活性剤(アセチレングリコール系界面活性剤:日信化学工業(株)製、「ダイノール604」)0.5質量%、水79.5質量%、イソプロピルアルコール20質量%の配合組成からなる懸濁液の槽中に、上記多孔性基材をロールから繰り出しながら連続的に浸漬した。
次いで、上記懸濁液槽に浸漬した多孔性基材を、約50℃の熱風乾燥炉を通して乾燥し、これを巻き取ることにより、予め界面活性剤処理された多孔性基材を調製した。
<ポリマー前駆体溶液の調製>
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(東亞合成(株)製、「ATBS」)350g、N,N’−エチレンビスアクリルアミド150g、紫外線ラジカル重合開始剤0.05gおよび水400gを均一な溶液になるまで攪拌混合し、イオン伝導性ポリマーの前駆体溶液を調製した。なお、この溶液の粘度をB型粘度計にて測定したところ、19mPa・s(25℃)であった。
1.基礎試験
基礎試験として、貼り合わせに用いる各基材の評価を行った。
すなわち、上記多孔性基材の四角形状シート(縦100mm×横100mm)3枚を、上記ポリマー前駆体溶液に含浸させた。
次いで、各シート表面に、以下の各フィルム基材をラミネート(温度25℃、加圧力0.1MPa)し、1000mJ/cmの照射量にて紫外線を照射してポリマー前駆体を重合させた後、各フィルム基材を剥離した。
・フィルム基材1:その表面がコロナ放電処理されたポリエステル製フィルム基材(東レ(株)製、「ルミラーS105」、50μm、ぬれ張力54mN/m)
・フィルム基材2:その表面がプライマー処理されたポリエステル製フィルム基材(東レ(株)製、「ルミラーT11」、50μm、ぬれ張力58mN/m)
・フィルム基材3:接着性を向上させる表面処理が何ら施されていないポリエステル製フィルム基材(東レ(株)製、「ルミラーT60」、50μm、ぬれ張力43mN/m)
次いで、各シート表面の右半分を水で濡らしながらブラシにて擦り、右半分に付着しているイオン伝導性ポリマーを擦り取った。なお、各シートの右半分はブランクとしての意味がある。
次いで、得られた各試料を着色水に浸漬した後、引き上げ、各試料表面の着色具合を目視にて観察した。なお、イオン伝導性ポリマーは親水性であり、多孔性基材は疎水性であるため、試料表面が着色していないほど、イオン伝導性ポリマーが除去されていることになる。
図4〜図6に、フィルム基材1〜3を用いたときの試験結果を示す。
図6によれば、その表面が接着性を有していないフィルム基材3を用いた場合には、擦り取っていない左半分の多孔性基材表面がほとんどイオン伝導性ポリマーで覆われていることが分かる。
これに対し、図4および図5によれば、その表面が接着性を有しているフィルム基材1およびフィルム基材2を用いた場合には、表面を擦り取った右半分、フィルム基材を剥がしただけの左半分共に水を良くはじいていることから、何れも、フィルム基材を剥離することで、多孔性基材の表面に付着していた余剰のイオン伝導性ポリマーをフィルム基材側へ選択的に付着させて除去可能であることが分かる。
2.機能性膜の作製
(実施例1)
図3に示す装置を用い、上記調製した多孔性基材に上記調製したポリマー前駆体溶液を含浸させた。なお、ポリマー前駆体溶液は、多孔性基材の孔部内に含浸されるとともに、多孔性基材の表面にも付着されていた。
次いで、ポリマー前駆体溶液を含浸させた多孔性基材の表裏面に、その表面がコロナ放電処理されたポリエステル製フィルム基材(東レ(株)製、「ルミラーS105」、50μm)の当該処理面をそれぞれ重ね合わせてラミネートし、多孔性基材とフィルム基材とを貼り合わせた。なお、上記フィルム基材は、保護材としての役割を有している。
次いで、この積層体をこのままの状態で、紫外線照射装置内に連続的に供給し、上記積層体の両面側から1000mJ/cmの照射量にて紫外線を照射し、ポリマー前駆体を重合させ、孔部内にイオン伝導性ポリマーを固定させた。
以上により、多孔性基材の孔部内にイオン伝導性ポリマーが充填されるとともに、多孔性基材の表面にイオン伝導性ポリマーが付着している機能性膜の当該ポリマー付着面と、コロナ放電処理されたポリエステル製フィルム基材の当該処理面とが貼り合わされた状態の貼り合わせ体を得た。
次に、上記貼り合わせ体両面のフィルム基材を剥離して除去した。
これにより、燃料電池用のイオン交換膜(電解質膜)として応用が可能な実施例1に係る機能性膜を得た。
得られた実施例1に係る機能性膜を水に浸した後に空気中に引き上げたところ、表面の水がはじいて多孔質基材が露出していることが確認された。
(実施例2)
ポリマー前駆体溶液を含浸させた多孔性基材の表裏面に、その表面がプライマー処理されたポリエステル製フィルム基材(東レ(株)製、「ルミラーT11」、50μm)の当該処理面をそれぞれ重ね合わせてラミネートし、多孔性基材とフィルム基材とを貼り合わせた以外は、実施例1に係る機能性膜の作製と同様にして、燃料電池用のイオン交換膜(電解質膜)として応用が可能な実施例2に係る機能性膜を得た。
得られた実施例2に係る機能性膜を水に浸した後に空気中に引き上げたところ、表面の水がはじいて多孔質基材が露出していることが確認された。
(比較例1)
ポリマー前駆体溶液を含浸させた多孔性基材の表裏面に、接着性を向上させる表面処理が何ら施されていないポリエステル製フィルム基材(東レ(株)製、「ルミラーT60」、50μm)をそれぞれ重ね合わせてラミネートした以外は、実施例1に係る機能性膜の作製と同様にして、燃料電池用のイオン交換膜(電解質膜)として応用が可能な比較例1に係る機能性膜を得た。
得られた比較例1に係る機能性膜を水に浸した後に空気中に引き上げたところ、表面の水がはじかず多孔質基材はイオン伝導性ポリマーで覆われており、基材表面が露出していないことが確認された。
また、多孔性基材の表面に付着しているイオン伝導性ポリマーをブラシロールで掻き取ることにより、実施例1および実施例2に係る機能性膜と同様に、表面が撥水性を有する膜を得ることが可能であった。
しかしながら、ライン速度が実施例に比較して1/2以下となり、生産性が低かった。また、多孔性基材の両縁からはみ出したイオン伝導性ポリマーのバリが、フィルム基材の剥離時に脱落して機能性膜の表面に付着し、外観不良が発生した。
この結果から、機能性膜の連続生産に本発明を適用した場合には、ライン速度の向上により、生産性を向上させやすいうえ、得られる機能性膜の品質も向上させやすいことが確認できた。
以上、本実施形態、実施例に係る機能性膜の製造方法について説明したが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
貼り合わせ体から基材を剥離する様子の一例を模式的に示した図である。 接着性を有しない基材を剥離する従来の様子の一例を模式的に示した図である。 機能性膜を連続的に生産する際の流れの一例を模式的に示した図である。 実施例における基礎試験において、フィルム基材1を用いたときの試験結果を示したものである。 実施例における基礎試験において、フィルム基材2を用いたときの試験結果を示したものである。 実施例における基礎試験において、フィルム基材3を用いたときの試験結果を示したものである。
符号の説明
10 貼り合わせ体
12a 基材
12b 基材
14 多孔性基材
16a 機能性ポリマー(多孔性基材の表面)
16b 機能性ポリマー(多孔性基材の孔部内)
18 機能性膜

Claims (6)

  1. 多孔性基材の孔部内に機能性ポリマーが充填されるとともに、多孔性基材の表面に機能性ポリマーが付着している機能性膜の当該ポリマー付着面と、前記機能性ポリマーに対する接着性を有する接着面を備えた基材の当該接着面とが貼り合わされた状態を得る工程と、
    前記基材を剥離し、前記多孔性基材の表面に付着していた前記機能性ポリマーを前記基材側へ選択的に付着させる工程と、
    を有する機能性膜の製造方法。
  2. 前記貼り合わせ状態を、少なくとも以下の工程(1)〜工程(3)を経ることにより得ることを特徴とする請求項1に記載の機能性膜の製造方法。
    工程(1)多孔性基材の孔部内に、機能性ポリマーもしくはその前駆体またはそれらの液を含浸させる工程
    工程(2)多孔性基材の少なくとも一方面と、基材の接着面とを貼り合わせる工程
    工程(3)多孔性基材の孔部内に機能性ポリマーを固定する工程
  3. 前記基材の剥離により、前記多孔性基材の表面を50%以上露出させることを特徴とする請求項1または2に記載の機能性膜の製造方法。
  4. 前記基材の接着性は、前記基材面を表面処理することにより付与されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の機能性膜の製造方法。
  5. 前記表面処理は、コロナ放電処理、スルホン化処理、プライマー処理、オゾン処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、プラズマ処理、グラフト処理、フレーム処理、酸化ケイ素膜処理、および、サンドブラスト処理から選択される1つまたは2つ以上であることを特徴とする請求項4に記載の機能性膜の製造方法。
  6. 前記基材は、接着面のぬれ張力が50mN/m以上であることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の機能性膜の製造方法。
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