以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本実施の形態にかかる写真自動販売機の外観の具体例を示す図である。写真自動販売機は、大きく分けて撮影操作を行なう側の筐体1と、撮影後の画像に、いわゆる「落書き」や「お絵描き」と言われる、スタンプ画像やペンによる文字などの入力である編集操作を行なう側の筐体2とを対にして備えている。
撮影操作側の筐体1は、コンピュータ装置101や、制御部102(基盤)(共に図6参照)などの各種機器類を収めると共に、筐体1と共に撮影ブース3を形成するパネルとフレーム材と背景カーテン5とを含んで構成される。編集操作側の筐体2は、コンピュータ装置101や、制御部102(基盤)や、プリンタ12(共に図6参照)などの各種機器類を収めると共に、筐体2と共に編集ブース4を形成するフレーム材を含んで構成される。
このような写真自動販売機において、被写体であるユーザ6は、筐体1、パネル、フレーム材、および背景カーテン5にて構成される撮影スペースである撮影ブース3内に入り、筐体1に相対する向きで撮影プレイを行なう。また、本実施の形態においては、被写体がユーザ(人)であるものとして説明を行なうが、被写体はユーザに限定されず、その他の物体であってもかまわない。また、被写体であるユーザは、1人であってもよいし、複数であってもよい。
撮影プレイが終了すると、利用者であるユーザ6は、筐体2およびフレーム材で構成される編集スペースである編集ブース4内に移り、撮影した画像にいわゆる「落書き」や「お絵描き」と言われる、スタンプ画像やペンによる文字などの入力である編集プレイを行なう。そして、撮影、編集の一連のプレイによって得られた画像は、シールなどの印刷媒体に印刷され、ユーザ6に提供される。
まず、撮影ブース3の構成について説明する。
撮影ブース3は、撮影側コンピュータ装置101aや、撮影側制御部102a(基盤)(共に図6参照)などの各種機器類を収める撮影側筐体1と、パネルと、フレーム材と、背景カーテン5と、サイドカーテン39aとを含んで構成される。
撮影ブース3の内部に配されるパネルの内面には、照明の反射による間接光を得ることを目的とする場合は白色、逆に光を吸収させたいときは黒色、クロマキー合成を行なう目的のときは青色などの色彩が施される。すなわち、パネルの内面の色は、写真自動販売機がどのような撮影を行なうかによって、設計開発時に適宜選ばれる。また、パネルは、布またはビニール材で代替することもでき、その場合には、フレーム材にたるみなく張られた状態で固定される。
また、撮影ブース3内には背景カーテン5が配備され、撮影時の背景として用いられる。背景の色によって、被写体の写り方、特に色調が変ってくるため、さまざまな色、柄のカーテンが複数枚用意されている。また、背景カーテン5が備えられていなくても構わない。さらに、背景カーテン5は、巻上げ式、引出し方式など、ユーザ6の操作によりセットされてもよいし、タッチパネルディスプレイ22(図2参照)等を操作することで自動でセットされてもよい。また、背景カーテン5は、さまざまな種類が配備されることで、撮影における遊びの要素ともなり得る。
撮影ブース3の側面は、利用者であるユーザ6が撮影ブース3内に出入りできるように開けられているが、順番待ちなどの他のユーザに撮影している場面を見られたくないなどのユーザ6の気持ちに配慮するため、また外部光を遮断するためなどの目的で、その側面にサイドカーテン39aが備えられている。なお、撮影ブース3への出入りが一方の側面のみである場合には、その側面にのみサイドカーテン39aが備えられる。また、両側面から出入りできる場合には、両側面にサイドカーテン39aが備えられていてもよい。ユーザ6は、撮影を行なう際には、このサイドカーテン39aを開けて撮影ブース3に入り、撮影時はサイドカーテン39aを閉める。
図2に、本実施の形態にかかる写真自動販売機の撮影操作側の筐体1の構成の具体例を示す。
図2を参照して、写真自動販売機の筐体1の正面には、蛍光灯などの照明装置30やフラッシュ20などを内蔵し、被写体であるユーザ6の照明を行なうための照明部18a〜18c(これらを代表させて照明部18という)と、被写体であるユーザ6を撮影する撮影手段である1台のカメラ21、または複数のカメラ21a〜b(これらを代表させてカメラ21という)、カメラ21で撮影される画像をリアルタイムに表示する複数のライブモニタ24a〜24d(これらを代表させてライブモニタ24という)、および現在どのカメラで撮影されているかを通知するパイロットランプ25を含んで構成される撮影部19と、デモ画面や、実行されるプレイ方法(コース)の選択などの選択肢を表示すると共に、上下左右に選択肢の選択を移動させるカーソルボタン、当該選択を決定する決定ボタン、および当該決定をキャンセルするキャンセルボタンを含んで構成される操作ボタンを適宜画面表示し、該操作ボタンの画像領域に、ユーザが指などで触れることにより、ユーザからの操作を受付けるタッチパネルディスプレイ22と、デモンストレーション(以下、「デモ」と略す)音声や、BGM、操作方法などのアナウンスを出力するスピーカ23a〜23bと、対価である硬貨を投入するためのコイン投入口26と、投入された不良硬貨等を排出するコイン返却口27と、前面のメンテナンスなどを行なうためのフロントドア28とが備えられる。
タッチパネルディスプレイ22は、画面表示のみのモニタであってもよく、その場合は別途、操作ボタンを設ける。
照明部18aおよび照明部18cには、図2に図示されるように、それぞれ側面から見ると筐体1の外側に凸の曲線状である乳白色のアクリル等からなる拡散板がその前面に配備され、照明部18bには、平板または略平板の乳白色のアクリル等からなる拡散板がその前面に配備される。照明部18aは上部に向っていくに従い前方に突出し、照明部18cは下部に向っていくに従い前方に突出し、照明部18bは照明部18aと照明部18cとの間に位置する構造となっている。
照明部18の光源としては、蛍光灯などの照明装置30やフラッシュ20が用いられ、上記光源を乳白色のアクリル等からなる拡散板で覆って光源から照射された光を拡散させて被写体に照射することが行なわれている。上記拡散板は、できるだけ面積を大きくして撮影用ブース3内をできるだけ均一に照明することが行なわれている。照明部18内のフラッシュ20は、カメラ21のシャッタ動作に同期して発光する。
カメラ21で撮影された画像は、リアルタイムにライブモニタ24に表示され、これによりユーザ6はカメラ21からの撮像を確認しながら、ポーズをとり、撮影を行なうことができる。撮影部19に含まれるカメラ21は、一般にデジタルカメラが用いられる。一般的なデジタルカメラで設定できる項目(たとえばシャッタスピード、絞り値、露出補正、およびホワイトバランスなど)の変更や、撮影タイミングは、コンピュータ装置101(図6参照)から指示される。
ライブモニタ24は液晶ディスプレイから構成されて、カメラ21で撮影される画像をリアルタイムに表示する。カメラ21で撮像された動画データは、カメラ21と接続する画像信号線または、画像信号分配器などの画像信号分配手段によって、画像信号が複数のライブモニタ24a,24bに分配される。これにより、複数のライブモニタ24a,24bにリアルタイムで同時に同じ画像信号が供給され、画面表示される。
さらに図2には示されないものの、筐体1の上面には、筐体1内部の熱を逃がすためのファン31や、外部装置への画像の配信、リモートメンテナンスなどの、外部装置との通信を行なうときにケーブルを差込むためのLAN(Local Area Network)ケーブル差込口などが備えられていることが好ましい。なお、このようなファン31は、筐体1内部の熱を逃がす目的で備えられるものであるため、筐体1の上面に限定されず、熱を発生しやすい機器類の近傍などの他の場所に備えられても、また複数備えられてもかまわない。また、LANケーブル差込口が備えられる位置も、ケーブルの配線の取回しが容易な位置であれば筐体1の上面に限定されない。
次に、編集ブース4の構成について説明する。
編集ブース4は、編集側コンピュータ装置101bや、編集側制御部102b(基盤)や、プリンタ12(共に図6参照)などの各種機器類を収める編集側筐体2と、フレーム材と、サイドカーテン39bとを含んで構成される。
撮影ブース3と同様に編集ブース4にも、順番待ちなどの他のユーザ6に編集している場面を見られたくないなどのユーザ6の気持ちに配慮するため、また外部光を遮断するためなどの目的で、側面および背面にサイドカーテン39bが備えられている。
図3に、編集ブース4の編集側の筐体2の構成の具体例を示す。
図3を参照して、写真自動販売機の編集側の筐体2は、画像の編集を受付ける編集筐体7とプリンタ12やコンピュータ装置101を格納する印刷筐体8とに分かれる。編集筐体7と印刷筐体8とは任意に配置可能であって、その配置例を図4および図5に示す。すなわち、編集筐体7と印刷筐体8とは、図4および図5に示されるように組み合わせて用いられ、それぞれを自由に配置可能であり、設置者の意図やスペースの都合によって自由に配置できる。店舗によっては、狭いスペースに写真自動販売機を配置する場合があり、シールの取出口がどちらかの側面一方に限定されると、配置しづらいという問題がある。このようにすることにより、シールの取出口を、左右いずれの位置でも設置することができるようになるため、設置者や店舗ごとの都合にあわせることができて好適である。
また、それぞれの筐体の側面または下面のいずれかには、ケーブルや配線などを通すための穴があけられている。この穴は、各筐体の設置場所の都合により、その穴を使用しない場合や、プレイ中にユーザ6から視認できる位置にある場合のことを考慮して、開閉可能とすることが好ましい。
編集筐体7の正面には、撮影により得られた画像を表示し、画像の編集を受付ける操作ディスプレイ13と、画像入力を行なうためのタッチペン14と、ユーザに対し音楽や操作方法の説明などを音声で出力するスピーカ23cとが備えられる。
操作ディスプレイ13は撮影後の画像を表示する。また、操作ディスプレイ13とタッチペン14とは対となって入力装置を構成し、ユーザ6より、撮影により得られた画像に対してタッチペン14を用いた編集入力(いわゆるお絵描き)を受付ける。
タッチペン14は、ペン形状の入力装置であって、操作ディスプレイ13にタッチすることで、背景、スタンプ、およびフレームなどの画像や文字の入力、または/および使用する項目(ボタン)の選択、操作の選択などの入力をすることができる。タッチペン14は、写真自動販売機に1本備えられていてもよいし、複数備えられて同時に複数のユーザからの入力操作を可能にしてもよい。
印刷筐体8には、箱型の形状を奏したプリント取出口9が備えられる。印刷筐体8の内部にはプリンタ12が備えられ、プリンタ12でプリントされた写真は排出され、ここに落とされる。また、印刷筐体8の上面部分は、ユーザ6の荷物置場などに使用できる。
プリント取出口9は、そこに落とされた写真が、ユーザが手にするまで地面に落ちない等の作用を奏するものであればその形状は限定されない。たとえば、印刷筐体8の内部方向に窪んだ箱状の空間と印刷筐体8の側面に沿う方向に取付けられた蓋とで形成されていてもよい。なお、プリント取出口9付近には、印刷中LED(Light Emitting Diode)10および印刷エラーLED11が備えられ、それらが点灯あるいは点滅することによって、印刷中、あるいは印刷中に用紙切れ、インク切れ、用紙詰り、メカニカルエラーなどのエラーが発生していることを通知する。
プリンタ12は、撮影された画像を紙やシールや金属やプラスチックなどの印刷媒体に印刷するためのプリンタであって、昇華型プリンタやサーモオートクローム方式(光定着型直接感熱記録方式)等のプリンタが一般的に用いられる。なお、本実施の形態においては、プリンタ12でシールが印刷されるものとして説明を行なうが、印刷媒体はシールに限定されず、上に示す他の印刷媒体であっても同様の処理が実行される。
なお、本実施の形態においては、編集側の筐体2は、編集筐体7と印刷筐体8とに分かれているものとするが、編集側の筐体2の構成はこのような構成に限定されるものではなく、編集機能と印刷機能との両方の役割を果たす構成であっても構わない。
また、本実施の形態においては、写真自動販売機は撮影ブース3と編集ブース4とに分かれて構成され、写真自動販売機の筐体はそれぞれの撮影側の筐体1と編集側の筐体2とに分かれて構成されているものとするが、写真自動販売機の構成はこのような構成に限定されるものではない。すなわち、本発明の作用効果を奏するものであれば、写真自動販売機の構成は、撮影ブース3と編集ブース4とが分かれておらず、同じスペースで撮影プレイ、編集プレイが順次行なわれる構成であっても構わないし、撮影側の筐体1と編集側の筐体2とが分かれておらず、1つの筐体に各種機器類が格納されていても構わない。
次に、図6に、本実施の形態にかかる写真自動販売機の機能構成の具体例を示し、その機能について説明する。
図6を参照して、本実施の形態にかかる写真自動販売機は、外部からの電源の供給を入断する電源スイッチ29と写真自動販売機内部に備わる各種機器に電源を供給する電源制御部103とを備える。電源制御部103は、外部から入力される電源電圧を安定させ各種機器に供給し、また、各種機器に必要な電圧に変換する制御を行なう。図6では、電源制御部103は、照明装置30、熱対策のためのファン31、およびUPS(Uninterrupted Power Supply)104に接続されているが、その他電源を必要とするカメラ21、プリンタ12などにも、もちろん全てこの電源制御部103またはUPS104より電源を供給している。
しかし、電源はいつでも安定的に供給されるわけではなく、停電などの突発的な電源切断が発生することもある。急な電源切断はコンピュータ装置101などの動作を不安定にさせ、故障の原因となり得る。このような状況に対応するため、UPS104を設置している。電源が切断されても、しばらくはUPS104が電源をバックアップし、撮影側コンピュータ装置101a、編集側コンピュータ装置101bなどに停電信号を送信する。その間に、撮影側コンピュータ装置101aおよび編集側コンピュータ装置101bはプログラムの終了の手続きを行ない、プログラムを正常に終了させる。ここでは図示していないが、電源を必要とする撮影側制御部102a、編集側制御部102bや、その他の装置などにもUPS104は停電時に電源を供給する。
本実施の形態にかかる写真自動販売機は、撮影側の装置と編集側の装置とに構成が分かれ、それぞれが独立し、かつ連携して機能しており、撮影側の装置を動作させるためのコンピュータ装置である撮影側コンピュータ装置101aと、編集側の装置を動作させるためのコンピュータ装置である編集側コンピュータ装置101b(コンピュータ装置101a,101bを代表させてコンピュータ装置101と称する)とを備える。上記撮影側コンピュータ装置101aと編集側コンピュータ装置101bとは、直接あるいはネットワークハブ(図示せず)等を介してLAN(Local Area Network)ケーブルなどにより、データ転送可能に接続されている。
撮影側コンピュータ装置101aおよび編集側コンピュータ装置101bは各々、各種機器の制御を行なう演算装置であるCPU(Central Processing Unit)と、装置を動作させるためのプログラムおよびプログラムで必要なグラフィックデータ、音声データ、撮影された画像、撮影画像に対して入力した編集用画像、およびその他の各種画像などを記憶する記憶装置と、プログラムの一時的な作業領域ともなるメモリと、周辺機器を制御するためのソフトウェアであるドライバと、LANケーブルを介して外部機器と接続された場合に通信を行なう通信部とを含んで構成されている。コンピュータ装置は、上述のような機能を備えているもの、たとえばコンピュータ装置(パーソナルコンピュータ)、ボードコンピュータなど、その形態は問わない。
撮影側コンピュータ装置101aは撮影側の動作を制御するプログラムが、編集側コンピュータ装置101bは編集側の動作を制御するプログラムが、それぞれの記憶装置に記憶されており、それぞれのプログラムを読出して実行することで、後述の撮影側の装置および編集側の装置を制御する。このようにすることにより、撮影側および編集側のそれぞれで並列にプレイをすることが可能になる。なお、電源スイッチ29が押され、写真自動販売機に電源プラグより電源が投入されると、撮影側コンピュータ装置101aおよび編集側コンピュータ装置101bの電源が投入され、各記憶装置に記憶されているプログラムが自動で起動されて、写真自動販売機が動作可能な状態となる。
さらに図6を参照して、撮影側の各装置の機能について説明する。
撮影側の撮影側コンピュータ装置101aには、タッチパネルディスプレイ22、カメラ21、撮影側制御部102a、編集側コンピュータ装置101b、およびUPS104が接続される。
タッチパネルディスプレイ22は、ディスプレイにタッチパネルを積層し、デモ画面や、実行されるプレイ方法(コース)の選択などの選択肢を表示すると共に、上下左右に選択肢の選択を移動させるカーソルボタンと、当該選択を決定する決定ボタンと、当該決定をキャンセルするキャンセルボタンとを含んで構成される操作ボタンや選択ボタンを適宜画面表示し、該操作ボタンや選択ボタンの画像領域に、ユーザが指などで触れることにより、ユーザからの操作を受付ける。
なお、タッチパネルディスプレイ22は、デモ画面や、実行されるプレイ方法(コース)の選択などの選択肢を表示するのみのディスプレイであってもよい。この場合、切換ボタン、決定ボタン、およびキャンセルボタンなどを含んで構成された操作部をさらに設け、該操作部においてユーザ6からの入力を受付ける。また、タッチパネルディスプレイ22に替えて、タッチペンでの入力受付け可能なタブレットディスプレイを備えてもよい。
撮影側コンピュータ装置101aと接続される被写体を撮影するカメラ21には、さらに、分配器33を介してライブモニタ24、およびフラッシュ制御部106が接続される。
カメラ21は被写体を撮像して画像を取込む。カメラ21に取り込まれている撮像した動画データは、画像信号としてカメラ21から分配器33に送られる。さらに、分配器33は、カメラ21から入力された画像信号を複数のライブモニタ24に送出する。複数のライブモニタ24には、カメラ21で撮像される動画が同時に表示される。
また、カメラ21は、撮影側コンピュータ装置101aから、USB(Universal Serial Bus)ケーブルなどの電気信号を送信可能なケーブルを介して、シャッタ動作が指示される。撮影側コンピュータ装置101aからシャッタ動作が指示されると、フラッシュ制御部106に対して信号を送出する。フラッシュ制御部106は、カメラ21のシャッタ動作タイミングに同期してフラッシュ20を発光させる。これは、一般にX接点と呼ばれる同期方法である。
そして、カメラ21は被写体を撮像し、被写体の画像(静止画)を得る。撮像した静止画像データは、必要に応じて撮影側コンピュータ装置101a内部の記憶装置に保存するために、カメラ21より取出される。
撮影側コンピュータ装置101aと接続される撮影側制御部102aには、撮影側サービスパネル105a、撮影側スピーカ23a,23b、およびコイン制御部107がさらに接続される。
撮影側サービスパネル105aは、投入されたコインの枚数をカウントするコインカウンタ、印刷されたプリントの枚数をカウントするプリントカウンタ、撮影側スピーカから出力する音声のボリュームを調整する音量調節つまみ、撮影側テストモードを行なうためのテストボタン、および対価を受付けなくても装置が利用できるようにするためのサービスボタン等を備えるパネルであって、写真自動販売機の設置者が各種設定やメンテナンスの操作を行なう際に用いる。このため上記撮影側サービスパネル105aは、ユーザが容易に操作することができないように、本装置の筐体内部に設置される。
撮影側サービスパネル105aは、テストボタンまたは/およびサービスボタンが押下されたことを示す信号を撮影側制御部102aに送出する。逆に、撮影側制御部102aから制御信号を受取り、コインカウンタ、プリントカウンタを動作させる(たとえばカウンタを1インクリメントする)。また、撮影側サービスパネル105aは、音量調節つまみで調整された音量信号を撮影側制御部102aに対して出力する。
撮影側コンピュータ装置101aから撮影側制御部102aを介して撮影側スピーカ23aに出力された音声信号は、撮影側サービスパネル105a上の音量調節つまみで調整された音量で撮影側スピーカ23aから出力される。
コイン制御部107は、コイン投入口26に投入されたコインの正当性を検出し、コインが投入されたことを示す信号を撮影側制御部102aに対して出力する。また、コイン制御部107は撮影側制御部102から制御信号を受取り、該制御信号に基づいてコインの投入を受付けないようにするためにコイン投入口26をブロックしたり、投入されたコインをコイン返却口27に排出したりするように制御する。さらに、本装置がコイン投入口26に替わる対価の受付機能を備える場合は(たとえば、電子的に対価を受付ける読取装置など)、コイン制御部107は、上述の対価の受付機能により受付けた対価の正当性を検出して、対価を受付けたことを示す信号を撮影側制御部102aに送出する。
撮影側制御部102aは、コイン制御部107から対価を受付けたことを示す信号を受取ると、撮影プレイの開始を指示する指示信号を撮影側コンピュータ装置101aに対して出力する。撮影側コンピュータ装置101aは、撮影側制御部102aから指示信号を受付けて、プレイの開始などの所定の処理を実行する。
また、図6を参照して、編集側の各装置の機能について説明する。
編集側の編集側コンピュータ装置101bには、タッチペン14の入力を受付ける操作ディスプレイ13、プリンタ12、編集側制御部102b、撮影側コンピュータ装置101a、およびUPS104が接続される。
操作ディスプレイ13は、撮影側コンピュータ装置101aから受取ったカメラ21で撮影された画像や編集画面など必要な表示を、編集側コンピュータ装置101bのプログラムから支持された内容で出力して表示すると共に、タッチペン14からの入力を受付ける機能を備える。つまり、操作ディスプレイ13は、タッチペン14でタッチされた位置を検出して検出された位置に応じた指示信号を編集側コンピュータ装置101bに対して送出する機能を備える。
プリンタ12は、撮影された画像を紙やシールなどの印刷媒体に印刷すると共に、当該プリンタ12の状態を編集側コンピュータ装置101bに通知する。編集側コンピュータ装置101bは、その状態に応じて編集側制御部102bに信号を送出する。編集側制御部102bは、編集側コンピュータ装置101bから入力された信号によって、印刷中LED10または印刷エラーLED11を、点灯または点滅させる。
編集側コンピュータ装置101bと接続される編集側制御部102bには、編集側サービスパネル105b、編集側スピーカ23c、印刷中LED10、および印刷エラーLED11がさらに接続される。
編集側サービスパネル105bは、編集側スピーカ23cから出力する音声のボリュームを調整する音量調節つまみ、編集側テストモードを行なうためのテストボタン等を備えるパネルであって、当該本装置の設置者が各種設定やメンテナンスの操作を行なう際に用いる。このため上記編集側サービスパネル105bは、ユーザが容易に動作することができないように装置内部に設置される。上記編集側サービスパネル105bは、テストボタンが押下されたことを示す信号を編集側制御部102bに送出する。
編集側コンピュータ装置101bから編集側制御部102bを介して編集側スピーカ23bに出力された音声信号は、編集側サービスパネル105b上の音量調節つまみで調整された音量で編集側スピーカ23cから出力される。
なお、本実施の形態にかかる写真自動販売機は、図6に示されるように、2台のコンピュータ装置101を含んで構成され、以降に説明する処理はすべて撮影側コンピュータ装置101aおよび編集側コンピュータ装置101bのCPUがそれぞれのプログラムを実行することで行なわれるものとするが、写真自動販売機に含まれるコンピュータ装置101の数は2台に限定されず、撮影側の処理および編集側の処理を1台のコンピュータ装置101で制御してもよいし、2台以上のコンピュータ装置101で処理を適宜分散して制御してもよい。
次に、図7のフローチャートを用いて、本実施の形態における写真自動販売機での処理について説明する。図7のフローチャートに示される処理は、主に写真自動販売機の撮影操作側での操作に応じて行なわれる処理である。また、写真自動販売機の編集操作側での操作に応じて行なわれる処理についても、後にフローチャートを用いて説明する。これらの処理は、コンピュータ装置101のCPUが、記憶装置に記憶される各々のプログラム(撮影操作側のプログラムと編集操作側のプログラムと)をメモリに読出して並列的に実行することによって、並列的に行なわれる。このようにすることにより、撮影側、編集側で同時に異なる利用者がプレイすることが可能になる。
まず、電源スイッチ29が投入されると、各種装置の電源が投入される。撮影操作側のタッチパネルディスプレイ22には当該写真自動販売機の利用を促すタイトルデモが表示される(S105)。同時に音声をスピーカ23から出力する。
タイトルデモが表示されている状態で、サービスパネル105において、テストボタンが押下されたことを検出すると(S115でYES)、当該写真自動販売機のメンテナンスを行なうためのテストモードを起動し、種々の設定を受付ける(S120)。
テストモードは、写真自動販売機の設置者が写真自動販売機を操作するためのモードであり、このモードにおいては当該写真自動販売機の利用状況(たとえばコイン投入数など)の確認や、カメラ21、プリンタ12、およびスピーカ23など周辺機器の調整ができる。
一方、デモ画面が表示されている時にユーザ6より所定の必要な枚数のコインの投入など対価を受付けると、コイン検出部107は対価の受付けを検出する(S125)。撮影側制御部102aはコイン検出部107から検出信号を受信し、記憶装置に記憶された所定の画像データおよびサウンドデータを読出す。読出された画像データおよびサウンドデータは、グラフィックI/F回路(図示せず)およびサウンドI/F回路(図示せず)に送信される。そしてタッチパネルディスプレイ22からの表示およびスピーカ23からの音声によって、ユーザ6に適宜、各種のガイダンスなどの指示が出力され、ユーザ6に撮影方法の案内をする。
続いて撮影側コンピュータ装置101aのCPUは、アンケート画面をタッチパネルディスプレイ22に表示し、ユーザ6から利用者に関する情報として、ユーザ6の様々な情報の選択を受付ける(S130)。ステップS130で表示されるアンケート画面は、撮影人数、好みの画質、髪の色、服装、肌の色、撮影したいシチュエーション、所望の背景、所望のBGM、および男女比などの利用者に関する情報を選択可能に提示し、それらの選択を受付ける画面であるが、ステップS130で選択される利用者に関する情報は前述の情報に限定されるものではない。ユーザ6は各選択画面に沿ってタッチパネルディスプレイ22の画面上の該当する選択領域(ボタン)をタッチして決定する。
なお、本実施の形態にかかる写真自動販売機は、所望のBGMを選ぶと、選択されたBGMに応じてナレーションの台詞や声の調子が変更されるようになっている。このBGMに応じたナレーションの台詞や声の調子の変更については、後に詳細を説明する。
撮影側コンピュータ装置101aのCPUは、タッチパネルディスプレイ22から受取った信号に基づいて制御部102を介して、照明部18や撮影部19に対して制御信号を出力し、アンケート情報に応じて照明やカメラやBGMやナレーションの設定を変更する。このため、アンケート情報に応じて好適な、より美しい撮影が実現できる。
ステップS130でのアンケートの選択操作は規定時間内で行なうように予め設定されており、操作可能な残り時間もまたアンケート選択画面に表示される。そして残り時間がなくなると現在選択されている選択肢が決定され、自動的に次の処理へ進む。以降の説明においても、特に説明しない限り、残り時間の表示は同様のものである。
ステップS130でのアンケートの選択結果は、1回のプレイにおけるすべての撮影において用いられてもよいし、各撮影ごとに用いられるものであって、アンケートの選択操作が行なわれてもよい。アンケートの選択操作を各撮影について行なうことにより、1回のプレイで違ったタイプの写真を得ることができ、ユーザの満足度が向上する。
ここで、図22および図23を用いて、前述のBGMに応じてナレーションの台詞や声の調子を変更する処理について詳細を説明する。
近年、写真自動販売機では、ユーザに楽しい雰囲気で撮影してもらうため、またはユーザの気分を乗らせるためなどの目的のため、撮影プレイ時にBGMが使用されている。また、撮影プレイの誘導や案内をするために、わかりやすいナレーションなどが用いられている。さらに、撮影コースをユーザに選択させて、選択された撮影コースの雰囲気に応じてBGMが変更されたり、ユーザが所望のBGMを選択できるような写真自動販売機も知られている。しかしながら、BGMが変更されても、撮影プレイの誘導や案内をするナレーションはそのままであることが多く、せっかくのBGMの雰囲気を損なうという問題があった。本実施の形態にかかる写真自動販売機は、撮影プレイ時にユーザが所望のBGMを選択し、選択したBGMに応じてナレーション等を変更することで、上記問題を解決している。
図22は、ステップS130でタッチパネルディスプレイ22に表示されるアンケート画面の1つであって、BGM選択画面の具体例を示す図である。
図22を参照して、BGM選択画面には、「ノリノリ系」「ドキドキ系」「しっとり系」など、BGMの雰囲気を簡単な言葉で表現したBGM選択ボタンが表示され、ユーザ6がBGM選択ボタンにタッチすることによってプレイ中に出力されるBGMを選択できるようになっている。
たとえば、「ノリノリ系」は、ユーザの気分を高揚させるような、ダンスミュージック系やトランス系などのハイテンポで元気のよい音楽で構成されるBGMを選択するボタンである。また、「ドキドキ系」は、ユーザの気分を華やいだかわいらしい気分にするために、メルヘンなムードのある音楽で構成されるBGMを選択するボタンである。また、「しっとり系」は、ユーザの感情を落ち着かせるような、ブルース系などのやや単調で大人のムードの音楽で構成されるBGMを選択するボタンである。
なお、ユーザ6がBGM選択ボタンをタッチしたときに、そのBGMがどのような音楽かわかるように、試聴できることが好ましい。さらに、図23に示されるように、BGM選択画面には、視聴しているBGMを表示する領域がさらに含まれ、ユーザ6が現在試聴しているBGMがどのBGM選択ボタンに対応したものかがわかるように、現在選択して視聴しているBGM選択ボタンを別の表示することが好ましい。また、図23に示されるような領域に替えて、選択されているBGM選択ボタンに飾りつけなどを付加して表示したり、選択されているBGM選択ボタンを反転させたりして、選択されていない状態とは異なる表示を行なってもよい。そして、試聴後、そのBGMをプレイに使用したい場合は、試聴している状態でBGM選択ボタンを再びタッチすることで該BGMを確定する。
ユーザが所望のBGM選択ボタンをタッチすると、撮影側コンピュータ装置101aのCPUは、撮影側制御部102aを介して、選択したBGMの信号をスピーカ23へ送信し、スピーカ23からユーザ所望のBGMが出力される。
コンピュータ装置101の記憶装置の所定領域には、BGMとナレーションの情報とが対応付けられて格納されている。後述するステップS135の撮影処理において撮影プレイの各指示や案内を音声で行なう時には、撮影側コンピュータ装置101aのCPUは、選択されたBGMに対応付けられて記憶装置の所定領域に格納されている、該BGMにあったナレーションの情報を読出し、該ナレーションの信号をスピーカ23へ送信する。
このようにすることで、スピーカ23から選択されたBGMに好適な、BGM各々によって異なったナレーションが出力される。なお、ナレーションの違いとは、音の強弱やイントネーション、台詞、言葉遣い、声の調子、声の速さなどの表現の違いを指し、ナレーションの意図する指示内容や誘導内容は同じである。ナレーションの種類としては、男性の声や女性の声、子供の声や大人の声などが適宜用意されていてもよいし、BGMによってはエコーなどの音響効果が入っていてもよい。
より具体的には、BGM選択ボタン「ノリノリ系」のBGMが選択された場合は、「上のカメラを見て!」などの言葉遣いで、元気よく明るい感じで、語尾が上がるようなイントネーションのナレーションであることが好ましい。このような、ナレーションにより、ユーザを乗り気にさせることができる。
また、BGM選択ボタン「ドキドキ系」のBGMが選択された場合は、「上のカメラを見てね」などの言葉遣いで、女の子特有のかわいらしい声で抑揚のあるナレーションであることが好ましい。このような、ナレーションにより、ユーザに女の子らしくかわいい雰囲気を持たせることができる。
また、BGM選択ボタン「しっとり系」のBGMが選択された場合は、「上のカメラを見てください」などの言葉遣いで、落ち着いたテンポで抑揚のない単調なイントネーションのナレーションであることが好ましい。このような、ナレーションにより、ユーザは、落ち着いたムードで撮影することができる。
このようなBGMにあわせたナレーションが提供されることにより、BGMとナレーションとの相乗効果で、ユーザは所望の雰囲気で撮影プレイを楽しむことができ、顧客満足の向上につながる。
本実施の形態にかかる写真自動販売機では、撮影プレイにおいて選択されたBGMおよび該BGMに応じたナレーションは、撮影プレイにおける処理が終了すると選択前のデフォルトのBGMおよびデフォルトのナレーションに戻るものとするが、限定するものではない。すなわち、編集プレイ時にも、撮影プレイにおいて選択されたBGMが流れていてもよいし、ナレーションも該BGMに応じたナレーションであってもよい。これは、撮影プレイ終了時に、後述するキープ画像などと共に選択されたBGMの情報も撮影側コンピュータ装置101aから編集側コンピュータ装置101bに送出され、編集側コンピュータ装置101bにおいて、該選択結果に応じてBGMおよびナレーションが設定されることで実現される。
このようにすることにより、撮影から編集までの一連のプレイで、一貫した気分でユーザはプレイをすることができるため、効果的である。
また、本実施の形態にかかる写真自動販売機では、撮影プレイにおいて選択されたBGMはすべての撮影において出力されるものとするが、撮影ごとに異なるBGMが出力されるようにBGMを変更できるようにしてもよい。このようにすることにより、それぞれの撮影で違った雰囲気の撮影が楽しめる。
また、BGMが出力されているときはユーザ6が音量を調節できるようにしておいてもよい。スピーカ23は、設置者の意図によって音量が設定されていることが多く、ユーザ所望の音量ではないこともある。音量の調節はタッチパネルディスプレイ22に音量調節のボタンを設定する画面を表示してもよいし、音量つまみのようなものがあってもよい。また、このようにユーザが音量を調節することができる場合は、プレイ終了時に、設置者が設定したデフォルトの音量に自動的に戻ることが好ましい。
ステップS130におけるユーザ6の所定のアンケート選択が決定し、アンケート結果に応じたBGMなどの設定が完了すると、被写体をカメラ21で撮影する処理(S135)に移行する。
次に、撮影側コンピュータ装置101aのCPUは、カメラ21が取得する撮影画像を、ライブモニタ24にリアルタイムに表示する。撮影画像がライブモニタ24にリアルタイムに表示されることで、ユーザ6は、ライブモニタ24に表示される画像を見ながら、好みの表情やポーズをとることができる。なお、ここではカメラ21が取得した画像をそのままライブモニタ24に表示してもよいし、左右に反転処理して表示してもよい。左右に反転処理して表示した場合、ユーザの姿を鏡に写す方向と同じ方向でライブモニタ24に表示することができる。そのため、ユーザ6は、ライブモニタ24を見ながら好みの表情やポーズをとることが容易になる。
撮影側コンピュータ装置101aはカメラ21に撮影信号を送信しカメラ21がその撮影信号に応じてシャッタを切ることで、カメラ21から撮影側コンピュータ装置101aの記憶装置に静止画像が取込まれる。撮影のタイミングは、撮影側コンピュータ装置101aが動作プログラムにしたがって所定のタイミングで自動的に撮影信号をカメラ21に送信し、時間経過と共に「3、2、1」などのカウントダウンをタッチパネルディスプレイ22あるいはスピーカ23に出力してユーザに通知してもよい。あるいは、撮影画面を見ながら任意のタイミングでユーザ6がタッチパネルディスプレイ22に表示される撮影ボタンにタッチすることで、撮影側コンピュータ装置101aが指示信号を受信し、指示信号を受信したタイミングで撮影信号をカメラ21に送信してもよい。このシャッタ動作によってカメラ21からの撮影画像が固定され、記憶装置に記憶される。
さらに、シャッタ動作のタイミングと同期して、タッチパネルディスプレイ22の画面は白色に変化する。本実施の形態においてタッチパネルディスプレイ22は、カメラ21の下側のユーザ6の正面に配置されているため、正面部分が白色に変わることによってハイキーな画像が得られるという効果がある。
そして、撮影側コンピュータ装置101aのCPUは、撮影の規定回数が終了しているか確認し(S140)、規定回数の撮影が終了していなければ(S140でNO)、処理をステップS135に戻して撮影処理を繰返す。
規定回数の撮影が終了すると(S140でYES)、後に編集プレイに利用する編集用画像の1つである顔スタンプを作成する、顔スタンプ作成処理(S145)に移行する。ステップS145では、後に詳述する顔スタンプに用いられる被写体画像を得るために被写体を撮影する。撮影される被写体は、単体でも複数でも構わない。このように、撮影時にユーザ6自身を撮影し、その撮影画像をスタンプ画像化することにより、簡単にオリジナリティのあるスタンプ画像を作成することができる。なお、ステップS145における顔スタンプ作成処理は、後にサブルーチンを挙げて詳細を説明する。
また、本実施の形態における、顔スタンプ作成処理は、ステップS135の撮影が終了した後に行なわれるものとするが、ステップS135の撮影の合間に行なわれても、ステップS135の撮影の前に行なわれてもよい。
そして、ステップS145の顔スタンプ作成処理が終了すると、撮影側コンピュータ装置101aのCPUは、撮影した画像の中から以降の編集処理で用いる写真を選択するための写真選択画面をタッチパネルディスプレイ22に表示し、ユーザ6より規定枚数(たとえば4枚)の選択を受付けて、選択された画像をキープ画像とする(S150)。
ステップS150においては、ユーザ6はタッチパネルディスプレイ22に表示される写真選択画面に沿ってタッチパネルディスプレイ22の画面上の選択領域にタッチして選択を行なう。具体的には、写真選択画面において撮影された画像がサムネイル画像として選択可能に表示され、ユーザ6は、その中から所望の画像を、タッチパネルディスプレイ22画面上のサムネイル画像をタッチして選択する。
撮影操作側での操作に応じて撮影処理が終了すると、タッチパネルディスプレイ22に「編集側に移動してください」などの案内を表示し、ユーザ6を編集操作側に移動するように誘導する。このとき、編集操作側で他のユーザが操作しているなど、編集操作側で直ちに編集操作を行なうことが不可能な場合は、撮影処理を終了する前にミニゲームを、タッチパネルディスプレイ22を用いて行なうことが好ましい。
さらに、編集操作を待機する間に、つまり、ステップS150のキープ画像の選択処理の後にステップS145の顔スタンプ作成処理が実行されることがより好ましい。
撮影操作側での処理が終了し、撮影操作側から編集操作側に処理が移ると、撮影操作側では上記案内表示を終了し処理をステップS105へ戻す。すなわち、再びタッチパネルディスプレイ22にタイトルデモを表示し、次の利用者を待機する。また、先に述べたように本写真自動販売機にコンピュータ装置101が2台含まれる場合には、撮影操作側のコンピュータ装置101aは上述の撮影操作側の処理で得られたキープ画像や作成された顔スタンプ用の画像を編集操作側のコンピュータ装置101bに対して出力する。これらの画像は、適宜、編集側コンピュータ装置101bの記憶装置に記憶される。
次に、上述のステップS145で実行される顔スタンプ作成処理について説明する。ステップS145で実行される顔スタンプ作成処理は、後の編集操作において用いられる編集用画像の1つである「顔スタンプ」を作成する処理であって、フレームのデザイン柄にあわせて被写体を撮影して作成する処理である。
なお、本実施の形態において、「顔スタンプ」とは、フレームやスタンプの柄や外部からの取込み画像などの用意されているフレームデザイン素材である画像の所定の位置に、カメラ21での撮影で得られる撮影画像の少なくとも一部を嵌め込んで得られるスタンプ画像を指し、本発明の特徴とする主要な要素である。以降の説明において、便宜上、上述のフレームデザイン素材を「デザイン画像」と呼び、撮影によって取得され、デザイン画像に合成される画像を「被写体画像」と呼ぶものとする。
デザイン画像の構成の具体例を図8に示す。本写真自動販売機で用いられるデザイン画像は、コンピュータ装置101内部の記憶装置に予め記憶されており、複数のデザイン画像が記憶されているが、ここでは、1つのデザイン画像について説明する。
図8を参照して、1つのデザイン画像は、色彩または模様などテクスチャが施されたデザイン画像(a)と、デザイン部マスク画像(b)、嵌め込み部マスク画像(c)、および入力用マスク画像(d)とで構成される。
マスク画像(b)は、デザイン画像(a)と被写体画像とを合成する際に、デザイン画像(a)と被写体画像との間に不自然な隙間ができることを防止し、自然な仕上がりの合成画像を得るために用いられる。このようにすることで、きれいな「顔スタンプ」が作成でき、きれいな「顔スタンプ」が印刷されたシールを得ることができる。また、マスク画像(b)は、デザイン画像(a)の画素対象となる部分(図8においては「キラキラ」が表わされている中抜きのハート型部分)を正確な形状に表示させるために用いられる。
また、マスク画像(d)は、後の編集操作において、完成した「顔スタンプ」をキープ画像に編集入力する際に、「顔スタンプ」とキープ画像キープ画像との間に不自然な隙間ができることを防止し、自然な仕上がりの合成画像を得るために用いられる。
また、マスク画像(c)は、被写体画像において、デザイン画像(a)中の、被写体画像の少なくとも一部を嵌め込む領域である嵌め込み領域を特定するために用いられる。このようなマスク画像(c)を用いることで、嵌め込み領域の形状を、単純な数式で表わされる丸や四角など以外の複雑な形状とすることが容易になる。
なお、図8では、デザイン画像が、各々独立した別個の画像(a)〜(d)で構成されて記憶装置に記憶されるものとして説明しているが、各画像が各々部分的に配置された1つの画像として構成されて記憶されていてもよい。
さらにマスク画像(b)〜(d)は、図8では2値画像で、各々別画像として示しているが、1つの画像データに収められてもよい。たとえば、マスク画像(b)の黒部分を1、マスク画像(c)の黒部分を2、それ以外の部分を0とした1つの画像データにまとめる方法が考えられる。この場合、デザイン部マスク画像(b)に該当する部分は、画像データ中の1と1以外との値で判別でき、嵌め込み部マスク画像(c)に該当する部分は2と2以外との値で判別でき、入力用マスク画像(d)に該当する部分は0と0以外との値で判別できる。
なお、上述のようにデザイン画像(a)およびマスク画像(b)〜(d)で1つのデザイン画像を構成するので、本記載中ではこれらをまとめて「デザイン画像」と呼ぶ場合もある。
さらに、1つのデザインに対して大きさの異なる複数のデザイン画像を予め準備しておくと、様々に撮影される被写体画像のバリエーションに容易に対応することが可能となり好ましい。具体的には、撮影される被写体画像中の、被写体であるユーザ6の顔の大きさは、撮影時の立ち位置によって大きさが変わるためなどの理由である。
また、デザイン画像中の嵌め込み領域は特に限定しないが、図8に具体例が示されるように、嵌め込み領域が中央、または略中央に位置し、その周囲に色彩や模様が施された部分であるデザイン部が位置することで、利用者に「顔スタンプ」の作成をわかりやすく提示でき、またデザインバランスの取れた「顔スタンプ」を作成することができる。
以上はデザイン画像の構成について説明したが、顔スタンプ作成処理において、前述のように、写真自動販売機に予め用意されたものを使用しないで、ユーザ6が用意した画像をデザイン画像として用いる場合について説明する。その場合、顔スタンプ作成処理に先だって、予めユーザ6が用意した画像を取込み、コンピュータ装置101の記憶装置にデザイン画像として登録する。
ユーザ6が用意した画像のコンピュータ装置101の記憶装置への取込み方法としては、たとえば、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)やSDカード(R)やコンパクトフラッシュ(R)や携帯電話などのユーザ所有の記録媒体から、図示されない画像取込手段を用いて取込む方法が挙げられる。具体的な取込み操作について以下に説明する。
図9は、上述のステップS145でタッチパネルディスプレイ22に表示される顔スタンプ作成画面の具体例を示す図である。なお、顔スタンプ作成画面の詳細については、後に述べる顔スタンプ作成処理の説明において述べる。
図9に示される顔スタンプ作成画面において、画像取込みボタン73が、ユーザ6によりタッチされることで、画面に画像を取込むステップの表示がなされ、ユーザ6が用意した画像の取込みを開始する。ユーザ6は、画面の指示に基づいて、画像の収録された記録媒体を画像取込手段であるスロットなどに入れたり、通信手段を用いて入力したりすることにより、画像を取込ませる。
より詳しくは、画像取込みボタン73をタッチすることにより、記録媒体に記録されている画像の一覧がタッチパネルディスプレイ22上に選択可能に画面表示され(図示せず)、ユーザ6は該表示画面の中から取込みたい画像をタッチして決定する。
撮影側コンピュータ装置101aのCPUは、ユーザ6に選択された画像を記録媒体から撮影側コンピュータ装置101aに取り込み、当該写真自動販売機で利用可能とするために、所定の大きさ、所定のフォーマットで処理する。そして、取込まれて加工された画像は、一覧とは別に表示画面上に大きく表示される。さらに、ユーザ6は、大きく表示された取込まれた画像上で、嵌め込み領域としたい領域を指でなぞるなどして指定する。記録媒体から複数の画像を取込む場合には、上述の操作が繰返される。
撮影側コンピュータ装置101aのCPUは、取込んだ画像、および指定された嵌め込み領域の位置に基づいて、図8に示されるようなデザイン画像(a)とマスク画像(b)〜(d)とを自動的に生成し、写真自動販売機において利用可能な状態で記憶装置の所定領域に格納する。
上述の画像の取込みが終了すると、取込まれた画像は撮影側コンピュータ装置101aの記憶装置にデザイン画像として登録される。そして、取込まれた画像は、後述する顔スタンプ作成画面のデザイン画像選択領域70にサムネイル表示され、デザイン画像の1つとして選択可能になる。このようにすることで、デザイン画像の幅も広がり、オリジナリティあふれる「顔スタンプ」が作成できる。
なお、ここでは、上述の画像の取込み操作を撮影側の操作として説明しているが、後述の編集側の操作として、同様な機能を提供して行なってもよく、また、撮影側の操作で取り込んだ画像を編集側で利用可能としてもよい。
次に、上述のステップS145で実行される顔スタンプ作成処理について、図10のフローチャートを用いて説明する。
図10を参照して、上述のステップS135,S140で規定回数の撮影が終了すると、撮影側コンピュータ装置101aのCPUは、始めに、タッチパネルディスプレイ22に顔スタンプ作成画面を表示する(S300)。ステップS300で表示される顔スタンプ作成画面の具体例は、先に説明に用いられた図9に示される。
図9を参照して、撮影時の顔スタンプ作成画面には、「顔スタンプ」に用いられるデザイン画像を選択可能に表示するデザイン画像選択領域70と、完成した顔スタンプを確認しやすいようにデザイン画像と被写体画像とを合成して表示する顔スタンプ確認領域71と、撮影を開始する撮影開始ボタン72と、先に説明された、記録媒体からユーザ6所有の画像を取込むための画像取込みボタン73と、デザイン画像の大きさを指定するためのサイズ指定ボタン74とが含まれる。また、デザイン画像選択領域70のデザイン画像の表示部の斜線部は嵌め込み領域を明示するものである。
次に、撮影側コンピュータ装置101aのCPUは、デフォルト設定されているデザイン画像(たとえばデザイン画像選択領域70の右上に表示されるデザイン画像)と、カメラ21からリアルタイムで取込まれている被写体画像(動画像)とを合成し、顔スタンプ確認領域71に表示する(S305)。
顔スタンプ確認領域71には、カメラ21による被写体画像(動画像)とデザイン画像とがリアルタイムに合成表示されるので、ユーザ6は、選択したデザイン画像と合成された画像を見ながら顔スタンプ用の撮影が行なえる。このため、「顔スタンプ」の出来上がり状態の予測がしやすいようになっている。このようにすることにより、ユーザ6は自由にデザイン画像に合わせて、ポーズや位置決めをすることができ、そのデザイン画像に合った「顔スタンプ」を作成することができる。すなわち、レイアウトのきれいな「顔スタンプ」を簡単に作成することができる。
ステップS305におけるデザイン画像と被写体画像との合成表示の方法について説明する。デザイン画像は、被写体の前面に合成する前景デザイン画像と被写体の後面に合成する後景デザイン画像とを含んで構成される。そこで、前景デザイン画像と被写体画像とを合成表示する際には、撮影側コンピュータ装置101aのCPUは、カメラ21からの被写体画像(動画像)と前景デザイン画像とをいわゆるオーバーレイ合成し、タッチパネルディスプレイ22に出力して合成表示する。また、後景デザイン画像と被写体画像とを合成表示する際には、撮影側コンピュータ装置101aのCPUは、カメラ21からの画像よりクロマキー手法などで被写体の部分のみを抽出し、抽出した被写体画像(動画像)と後景デザイン画像とをいわゆるアンダーレイ合成し、タッチパネルディスプレイ22に出力して合成表示する。ステップS305では、この、オーバーレイ合成とアンダーレイ合成とをCPUにおいて同時に行なうことで、デザイン画像と被写体画像(動画像)との合成映像が、タッチパネルディスプレイ22に表示される。
撮影側コンピュータ装置101aのCPUにおいてこのような処理が実行されることで、ステップS305では、カメラ21からの被写体画像とデザイン画像との合成画像をリアルタイムにタッチパネルディスプレイ22で確認しながら撮影を行なうことができる。オーバーレイ合成またはアンダーレイ合成は一般に用いられる合成手法であって、ここでの詳細な説明は行なわない。
なお、本写真自動販売機においては、撮影側コンピュータ装置101aのCPUがこの合成処理を行なうものとしたが、撮影側コンピュータ装置101a以外のCPUではオーバーレイ合成を行ない、他のハードウェアではアンダーレイ合成を行なうなど、他の装置の機能と組合せで行なっても構わない。つまり合成処理を行なう主体はいずれの装置であっても構わない。また、カメラ21で取得する被写体画像を、非常に短い間隔(たとえば1秒間に60回の間隔)でキャプチャし、デジタル画像にした上で、上記オーバーレイ合成または、アンダーレイ合成を行なってもよい。
さらにここで、デザイン画像が上述のように前景と後景との両方を含む場合のデザイン画像の構成を、図8を用いて説明したデザイン画像の構成に補足して説明する。図8で説明した構成は、前景デザイン画像の場合であり、後景デザイン画像の場合は、被写体の一部を嵌め込むものではなく、あくまで被写体の背景を装飾するものであるため、図8に示される嵌め込み部マスク画像(c)、および入力用マスク画像(d)は不要となる。つまり、前景と後景との両方を含む場合のデザイン画像の構成は、図8に示された前景デザイン画像(a)、前景デザインマスク画像(b)、前景嵌め込み部マスク画像(c)、および入力用マスク画像(d)に加えて、後景デザイン画像と後景デザインマスク画像とを含んで構成される。
なお、処理の説明上、ステップS305において被写体画像とデザイン画像との合成表示の処理を行なうようになっているが、顔スタンプ作成中は、リアルタイムに合成表示画面が表示されるので、当該合成処理は、当然以降の処理においても行なわれるものである。
顔スタンプに用いるデザイン画像の選択操作もまた、上述と同様に規定時間内に行なうように予め設定されており、図9に示されるように、操作可能な残り時間もまた顔スタンプ作成画面に表示される。そのため、ステップS305においてデフォルトのデザイン画像と被写体画像との合成画像が表示された後、ユーザ6からのボタン操作がないまま規定時間が経過すると(S310でNO)、撮影側コンピュータ装置101aのCPUは、現在表示されているデフォルトのデザイン画像を顔スタンプに用いるデザイン画像と決定して、ステップS330の撮影処理に移行する。
規定時間内において(S310でYES)、ユーザ6がタッチパネルディスプレイ22のデザイン画像選択領域70に選択可能に表示されるデザイン画像の中から所望のデザイン画像をタッチすると(S315でYES)、撮影側コンピュータ装置101aのCPUは選択されたデザイン画像を顔スタンプ確認領域71に表示する(S320)。また、このとき、ユーザ6がサイズ指定ボタン74をタッチしてサイズを指定すると、CPUは、顔スタンプ確認領域71に表示されているデザイン画像を指定されたサイズに変更する。また、ここで、デザイン画像が選択されなければ(S315でNO)、処理をステップS310に戻して、判定処理を繰返す。
なお、デザイン画像のサイズの変更は上述の方法だけに限らず、自動で変化してもよい。たとえば、規定時間が経過するまで、または利用者により撮影開始ボタン72が押されるまで、顔スタンプ確認領域71で、サイズが変化するようにしてもよい。CPUは、予め記憶されているサイズにデザイン画像のサイズを段階的に変化させたり、拡大縮小などの処理により変化させたりする。この場合、ユーザ6は、サイズが変化するデザイン画像と被写体映像との合成イメージを確認し、所望の大きさのサイズの時に、たとえば撮影開始ボタン72をタッチするなどの所定の操作を行なってデザイン画像のサイズを決定する。
利用者であるユーザ6は、顔スタンプ確認領域71において、リアルタイムで表示される被写体画像(動画像)を見ながらデザイン画像に合うポーズなど好みのポーズをとり、ポーズが決まったら、撮影開始ボタン72をタッチする(S325でYES)。ステップS325で撮影開始ボタンがタッチされなければ(S325でNO)、処理をステップS310に戻して、判定処理を繰返す。
ステップS315でのデザイン画像の選択操作と、ステップS325での撮影開始の操作とは、ステップS310で判定される規定時間内行なうことができる。そして、これらの操作において規定時間に達すると(S310でNO)、規定時間内に選択されたデザイン画像を顔スタンプに用いるデザイン画像と決定して、ステップS330の撮影処理に移行する(S330)。
ステップS325におけるタッチパネルディスプレイ22からの信号を受付けると、またはステップS310で規定時間の経過を判定すると、ステップS330において撮影側コンピュータ装置101aのCPUは、カメラ21に信号を送り、シャッタ動作を指示する。同時に、タッチパネルディスプレイ22に顔スタンプ撮影画面を表示する。ステップS330でタッチパネルディスプレイ22に表示される顔スタンプ撮影画面の具体例を図11に示す。撮影側コンピュータ装置101aのCPUは、タッチパネルディスプレイ22より信号を受付けてから、図11に示されるように時間経過と共に「3、2、1」などのカウントダウンを顔スタンプ撮影画面に表示して、シャッタタイミングをユーザ6に通知する。また、スピーカ23にシャッタタイミングを出力してユーザに通知してもよい。ステップS330では、このシャッタ動作によってカメラ21から得られた被写体画像(静止画)が固定され、記憶装置に記憶される。
ステップS330における、1回の撮影が終了すると、撮影側コンピュータ装置101aのCPUは、今回撮影された被写体画像(静止画)とデザイン画像とが合成されたイメージをユーザ6に確認させるための作成画像確認画面をタッチパネルディスプレイ22に表示する(S335)。
ステップS335でタッチパネルディスプレイ22に表示される作成画像確認画面の具体例を図12に示す。図12を参照して、作成画像表示画面には、被写体画像(静止画)とデザイン画像とが合成されたイメージ、すなわち「顔スタンプ」のイメージを表示する領域と、被写体画像の撮直しを指示する撮直しボタン76とが含まれ、ユーザ6はこの表示を見て、作成された「顔スタンプ」が気に入らなければ、撮直しボタン76にタッチすることで、再び撮影し直すことができる。また、作成画像表示画面には、顔スタンプの登録を指示する登録ボタン77も含まれる。
ステップS335において作成画像表示画面を表示した後、撮影側コンピュータ装置101aのCPUは、規定時間以内か否かを判定する(S340)。判定の結果、規定の時間に達すると(S340でNO)、ステップS355の顔スタンプ登録処理に移行する。
一方、ステップS340の判定の結果、規定時間内であると判定された場合には(S340でYES)、処理をステップS345へ移行する。すなわち、ステップS340において規定時間内であると判定された場合には、撮影側コンピュータ装置101aのCPUはユーザ6からの指示を待機する。
ここで、撮直しボタン76がタッチされると(S345でYES)、処理をステップS330へ戻して、被写体を撮影する処理を再び行なう。
一方、撮直しボタン76がタッチされず(S345でNO)、登録ボタン77がタッチされた場合(S350でYES)、撮影側コンピュータ装置101aのCPUは、ステップS330で撮影された被写体画像と、ステップS315で選択されたデザイン画像、またはステップS305で用いられたデフォルト設定されたデザイン画像とを画像合成して記憶装置に保存し、「顔スタンプ」として登録する(S355)。なお、ここでは、顔スタンプ確認領域71においては、被写体画像およびデザイン画像は、撮影を行ないやすくするために大きく表示することが好ましいが、生成された「顔スタンプ」は、顔スタンプ確認領域71に表示される同じサイズではなく、後の編集入力において好適なサイズに縮小されるなどの加工が施され生成される。
また、ステップS340で判定される規定時間内に、撮直しボタン76も登録ボタン77もタッチされない場合にも(S345でNO、かつS350でNO)、規定時間経過後に(S340でNO)、撮影側コンピュータ装置101aのCPUは、ステップS355の顔スタンプの登録処理を実行する。
なお、撮影操作側の操作で「顔スタンプ」を作成する場合、編集側コンピュータ装置101bに作成された顔スタンプのデータを転送するときの転送時間や、顔スタンプの作成を含む編集プレイ時間の制約などを考慮して、登録できる「顔スタンプ」は数が限定される。本実施の形態においては登録できる「顔スタンプ」の数を2枚を上限としているが、これに限定するものではない。また、登録できる「顔スタンプ」の限度数を前述のテストモードなどで設定できるようにしておいてもよい。
そして、撮影側コンピュータ装置101aのCPUは、「顔スタンプ」として登録したデザイン画像と被写体画像(静止画)とを合成した画像の数が規定の限度数内であれば(S360でNO)、処理をステップS300へ戻して上述の処理を再度実行し、新たな「顔スタンプ」を作成する。「顔スタンプ」として登録した画像の枚数が規定枚数を超過しているか、撮影プレイの規定時間を超過しているかのいずれかであれば(S360でYES)、登録された顔スタンプを記録する。そして、図10に示される顔スタンプ作成処理を終了し、処理を図7に示されるメインルーチンに戻す。
なお、上述の処理の説明においては、規定時間の監視をステップS310とステップS340とステップS360とで行なっているが、これらのタイミングに限定するものでない。予め決められた時間内に、顔スタンプ作成処理を少なくとも1回は提供でき、選択操作などが早い利用者には複数回の提供ができるものであれば、規定時間の監視の方法はどのようであってもよい。
上述の処理が行なわれて撮影操作側の操作で作成された「顔スタンプ」は、撮影プレイ終了後、撮影側コンピュータ装置101aから編集側のコンピュータ装置101bに送信され、後の編集プレイに利用される。
次に、図13を用いて、写真自動販売機の編集操作側での操作に応じた処理について説明する。
前述のとおり、撮影が終了し編集を行なう画像が装置に存在しない間は、操作ディスプレイ13には待機画面が表示される(S200)。
撮影側コンピュータ装置101aからの指示により、編集対象となる画像であるキープ画像が準備されると、まず、編集側コンピュータ装置101bのCPUは、操作ディスプレイ13に明るさ調整画面を表示し、明るさの選択を受付ける(S205)。ユーザ6は、タッチペン14を用いて撮影された画像を好みの色調の画像に調整する。
ここで、明るさ調整とは、画像の明るさだけを調整するのでなく、たとえば、彩度、濃度、色合い、など画像に係わる色調を調整することを含み、さらに、肌色のみを補正するなど写真自動販売機特有の画像処理を施すことも含む。
明るさ調整画面には、ステップS150で選択された各キープ画像が明るさ調整可能に表示される領域と、各キープ画像の明るさ調整の操作を行なうためのボタンを表示する領域とが含まれる。このような明るさ調整の画像処理には時間がかかることがある。そのため、明るさ調整画面の表示に先だって、予め各調整用のボタンに対応した画像処理を施した画像を作成し、メモリに置くことが好ましい。このようにすることで、ユーザ6がボタンを押してから画像が切替わるまでの時間を短縮でき、操作性をよくすることができる。
なお、ステップS205での明るさ調整は、撮影操作側での操作によって、ステップS135の画質の選択と同じタイミングで実行されてもよい。
ステップS205での明るさ調整が終了すると、続いて編集側コンピュータ装置101bのCPUは、操作ディスプレイ13に編集画面を表示し、ユーザ6よりキープ画像に対して編集用画像を入力する編集入力(お絵描き入力)を受付ける(S210)。
編集画面には、編集処理が可能な残り時間を表示する残り時間表示領域と、現在の日付・時間や1行メッセージなどを表示する情報表示領域と、選択された各キープ画像をサムネイル表示するサムネイル表示領域と、編集対象画像として選択されたキープ画像を編集可能に表示する編集入力領域と、編集に用いることが可能な機能を選択するための機能ボタンを表示する機能ボタン表示領域と、選択された機能において用いることが可能な、各アイテムやテクスチャや色を選択するためのボタン、選択した「スタンプ」や「ライン」等の大きさを選択したり、「ペン」の太さを選択したりするためのボタン、入力したスタンプ画像や文字などのお絵描きの一部を消すときに使用する「けしゴム」ボタン、後述する「ぼかしケシゴム」ボタン、直近で入力したお絵描きを取消すときに使用する「ひとつもどる」ボタン、お絵描きを取消してしまったがもう一度取消したお絵描きを復帰させたいときに使用する「ひとつすすむ」ボタン、何もお絵描きされていない初期状態のキープ画像に戻すとき選択される「はじめから」ボタン、およびお絵描きを終了するときに選択される「おしまい」ボタンなどの各指示ボタンを表示するボタン表示領域とが含まれる。
なお、上述の「けしゴム」ボタンは、タッチペン14で指定された位置から所定の範囲の画素を消去するときに使用するボタンである。所定の範囲とは、「けしゴム」の「太さ」を選択可能にすることで、選択された「太さ」に応じた範囲であって、該「太さ」に応じた範囲の画素が消去される。
たとえば、所定の範囲とは、タッチペン14で指定した位置を中心として所定の画素数を半径とする円の内側であり、「太さ」が「小」の場合に所定の画素数が5、「太さ」が「中」の場合に所定の画素数が10、および「太さ」が「大」の場合に所定の画素数が20で定められる範囲、などが考えられる。
このような「けしゴム」ボタンに応じた機能を備えることで、細かく消したい部分や大きく消したい部分などに応じて機能を使い分けることができる。
しかし、上述のように画素が消去される場合、入力したスタンプ画像や文字によっては、消去した部分と消去されていない部分との境界がはっきりしすぎて不自然になり、いわゆるエッジが現われるという問題がある。そのため、「けしゴム」を用いた場合であっても、ユーザが意図するようにきれいな消去ができないという問題がある。
そこで、本実施の形態にかかる写真自動販売機は上述の「ぼかしケシゴム」ボタンを備えて、「ぼかしケシゴム」を用いて画素を消去する際、所定の範囲内でタッチペン14で指定した位置より遠くなるにしたがって、周囲の画素を参照して(たとえば平均化処理を行なうなどして)新たな画素を生成し、対応する位置の画素を、新たに生成した画素に置換えることが好ましい。
このようにすることによって、「けしゴム」を用いた場合に消去される所定の範囲の周辺をぼかした状態にする、いわゆる「ぼかし効果」を施すことができ、上述のエッジが緩和されて、見た目に自然に画像を消去することが可能になるため、きれいな画像を得ることができる。
ステップS210でユーザ6は、編集画面において、編集用画像を入力するために用いられる機能(ツール)として機能ボタン表示領域に表示される、ペン、スタンプ、背景、色、線種、および柄等の中から、所望するツールをタッチペン14で選択する。そして選択されたツールを用いて、任意の画像や文字や顔スタンプなどの編集用画像の入力操作を行なう。なお、本発明の特徴とする顔スタンプを用いた編集用画像の入力操作については、後にサブルーチンを挙げて詳細に説明する。
ステップS210において、編集側コンピュータ装置101bのCPUは、編集画面にて、キープ画像と入力されたペン画像や編集用画像とを、メモリ上のそれぞれ別のレイヤに展開し操作ディスプレイ13上にそれらレイヤを重ねて表示する。それぞれのレイヤのどちらを上に表示するかは、用途により設定されている。たとえば、編集用画像をキープ画像の前景画像とする場合には編集用画像が上のレイヤとなり、キープ画像の背景画像とする場合には編集用画像が下のレイヤとなる。さらに編集用画像は、スタンプ画像のレイヤ、フレーム画像のレイヤなど、それぞれ機能ごとの複数のレイヤで構成されていてもよい。このように編集用画像を表示するレイヤを複数のレイヤとすることにより、「ひとつもどる」、「ひとつすすむ」、および「はじめから」などの編集過程のコントロールを容易に実現できる。
ステップS210における編集用画像の入力操作もまた、所定の制限時間に達するまで行なうことができる。そして、ステップS210での編集操作が終了すると、編集側コンピュータ装置101bのCPUは、ステップS150で選択されたキープ画像またはステップS210で編集されたキープ画像である印刷対象の画像の、サイズと配置との組合せ例であるシールレイアウトを選択させるシールレイアウト選択画面(図示せず)を操作ディスプレイ13に表示し、ユーザ6よりシールレイアウトの選択を受付ける(S215)。
シールレイアウトは印刷する印刷対象画像のサイズと配置との組合せ例であって、そのサイズとしては、所定の印刷媒体のサイズを8分割、16分割、24分割、28分割、および36分割等にしたサイズがあるが、言うまでもなくシールレイアウトは上述の分割数に限定されるものではない。図示されないシールレイアウト選択画面では、撮影人数の倍数で分割したサイズのシールレイアウトや、撮影人数で切り分けやすいようにユーザ1人分ずつにグループ分けされた配置のシールレイアウト(撮影人数が2人の場合には左右対象に配置して中央から2人分に切り分けられるようなレイアウト)などがシールレイアウト表示画面に選択可能に表示される。
編集側コンピュータ装置101bのCPUは、操作ディスプレイ13とタッチペン14とからなる入力装置100からシールレイアウトの選択の入力を受付けると、選択されたシールレイアウトに沿って編集対象であるキープ画像と編集用画像とを合成して、合成した画像データである印刷対象画像データを生成する。そして、編集側コンピュータ装置101bのCPUは、印刷対象画像データと指示信号とをプリンタ12に送信する。
プリンタ12は、該指示信号に基づいて、編集側コンピュータ装置101bから受取った印刷対象画像データを所定の印刷媒体の表面に印刷し、印刷した印刷媒体をプリント取出口9から排出することでユーザ6に提供する(S220)。
なお、プリント取出口9が操作ディスプレイ13の側面側にある場合は、印刷を開始するタイミングで操作ディスプレイ13に「印刷中です。プリントは横から出ます。外に出て待ってね。」などの案内を表示することが好ましい。
そして上記案内を表示した後、処理をステップS200に戻し、待機画面を操作ディスプレイ13に表示して次の利用者の利用を待機する。
以上が本写真自動販売機における処理の説明である。
[変形例]
上述の説明においては、顔スタンプは撮影操作側の操作で作成されるものとしたが、撮影操作側の操作に替えて、または撮影操作側の操作と共に、編集操作側の操作で作成されてもよい。変形例として、編集操作側の操作の、上述のステップS210の編集入力処理において顔スタンプを作成する場合について説明する。この場合の、上述のステップS150で選択されたキープ画像を用いて「顔スタンプ」が作成される。
図14は、上述のステップS150で実行される顔スタンプ作成処理を示すフローチャートである。また、図15は、ステップS150の編集操作時の編集画面の具体例を示す図である。
編集画面の「スペシャル」ボタンが選択されると、編集側コンピュータ装置101bのCPUは「スペシャル」のカテゴリに含まれるスタンプを選択するためのタブまたはボタンなどを編集画面上に表示する。図15においては、「顔」「手書き」「ふるふる」「デカ」「イニシャル」がタブで表示されている。そして、図15に示される編集画面において、キープ画像の中から編集対象のキープ画像が選択された状態で、ユーザ6によって「顔」が選択されると、編集側コンピュータ装置101bのCPUは、該キープ画像を用いた顔スタンプ作成処理を開始する。
始めに、編集側コンピュータ装置101bのCPUは、編集画面上にデザイン画像/顔スタンプ選択領域78を表示する(S400)。デザイン画像/顔スタンプ選択領域78には、「顔スタンプ」のデザイン画像と、すでに撮影プレイ時に登録された「顔スタンプ」がある場合は、登録されている「顔スタンプ」とがサムネイル表示される。撮影プレイ時に登録された「顔スタンプ」は、撮影プレイ時に登録されたものであることがわかるように表示され、登録されている「顔スタンプ」の下には、該顔スタンプの修正を指示するやりなおしボタン79が表示される。
デザイン画像/顔スタンプ選択領域78に表示されるデザイン画像は、色彩または模様が施されたデザイン部と嵌め込み領域とがすでに組合され、これらを同時に選択できるようにしているが、これらデザイン部と嵌め込み領域とを別々に選択できるように表示し、選択するようにしてもよい。言うまでもなく、上記の撮影側の操作において顔スタンプを作成する顔スタンプ作成処理においてもデザイン部と嵌め込み領域とが別々に選択できるように表示され、上述のステップS315で、デザイン部と嵌め込み領域とを別々に選択するようにしてもよい。このように構成されると、デザイン部と嵌め込み領域と組合せにより、作成できる顔スタンプのバリエーションが増える。
ステップS400でデザイン画像/顔スタンプ選択領域78が表示された編集画面において、「ペン」ボタンや「スタンプ」ボタンや「スペシャル」内の「手書き」「ふるふる」など別の機能が選択されるなど、「顔スタンプ」処理以外の操作がなされた場合は(S405でYES)、「顔スタンプ」の処理を終了して、選択されたスタンプの処理やユーザの操作した動作の処理に移行する。「顔スタンプ」の処理以外の処理がなされていない場合は(S405でNO)、処理をステップS410へ移行し、デザイン画像の選択を待機する。
ステップS410において、デザイン画像/顔スタンプ選択領域78のデザイン画像群の中から、ユーザ6がいずれかのデザイン画像をタッチしてデザイン画像を選択した場合(S410でYES)、編集側コンピュータ装置101bのCPUは、選択されたデザイン画像を準備し、処理をステップS415へ移行する。
次に、ステップS410でデザイン画像が選択された状態で、編集対象のキープ画像が表示されている操作ディスプレイ13の描画領域80上がタッチペン14でタッチされると(S415でYES)、タッチペン14と操作ディスプレ13とからなる入力装置100は、タッチペン14がタッチしている操作ディスプレイ13上の位置を、嵌め込み領域に嵌め込む被写体画像である嵌め込み画像用にコピーする位置座標(x、y)として検出し、CPUにその情報を出力する(S420)。
図16に、顔スタンプ作成処理中の編集画面の具体例を示す。図16に示されるように、上述のステップS420で嵌め込み画像用にコピーする位置座標(x,y)が検出されると、編集側コンピュータ装置101bのCPUは、描画領域80の該位置座標(x,y)に基づいた所定位置に、描画領域80に表示されている編集対象のキープ画像に、ステップS410で選択されたデザイン画像をキープ画像に重ねて表示する(S425)。
なお、本実施の形態においては、デザイン画像をキープ画像に重ねて表示するものとしているが、ステップS425での表示はこのような表示に限定されず、被写体画像が確認できる程度であれば、嵌め込み領域の形状を示す画像のみをキープ画像に重ねて表示するなど、その他の表示であってもよい。その他の表示としては、たとえば、嵌め込み領域の形状を示す画像を、その内側を半透明に形成して表示する、などが具体的に挙げられる。
さらに、タッチペン14でタッチされた位置が移動すると(S430でYES)、上述のステップS420,S425の処理が再度実行されて、タッチペン14の移動に伴ってキープ画像に重ねて表示されるデザイン画像の位置も移動する。
描画領域80でキープ画像に重ねて表示されるデザイン画像には、図16に示されるように、嵌め込み領域81が含まれ、以降のステップS445において、描画領域80に表示されるキープ画像の一部分であって、その嵌め込み領域81内の部分が嵌め込み画像と確定される。ステップS425において、描画領域80にキープ画像に重ねて表示されるデザイン画像の嵌め込み領域81は透過されており、重ねて表示されているキープ画像が透けて見えるようになっている。このため、タッチペン14を移動して、嵌め込み画像の位置を確認できるため、「顔スタンプ」の出来上がりをイメージしやすい。
また、編集画面において、描画領域80とは別の領域に、タッチペン14の移動によって、デザイン画像の位置が移動するのと同時に、現在位置での「顔スタンプ」出来上がり画像をリアルタイムで表示する領域を設定しておいてもよい。このようにすることにより、さらに「顔スタンプ」の出来上がりをイメージしやすくなる。
なお、本処理では、タッチペン14でキープ画像の表示される描画領域80上の1点をタッチして嵌め込み画像用にコピーする位置座標(x,y)を指定し、該位置座標(x,y)に基づいた所定位置が嵌め込み画像として指定される。そのため、検出された位置座標(x,y)によって、キープ画像からその一部が嵌め込み画像用にコピー可能な範囲と不可能な範囲とがある。具体的に、描画領域80のキープ画像のコピー可能な範囲について、図17〜図19を参照して説明する。
図17や図18に示されるように、検出された位置座標(x,y)に基づいて指定される位置に表示されたデザイン画像の嵌め込み領域81がすべて描画領域80内に入っている場合、検出された位置座標(x,y)によって指定されるキープ画像上の範囲は、すべてコピー可能な範囲内にある。つまり、図18に示されるように、デザイン画像の全てが描画領域80内に入っていなくても、少なくとも嵌め込み領域81がすべて描画領域80内に入っていれば、そのときの位置座標(x,y)によって指定されるキープ画像上の範囲はコピー可能な範囲内にある。
一方、図19に示されるように、検出された位置座標(x,y)に基づいて指定される位置に表示されたデザイン画像の嵌め込み領域81の一部が描画領域80外に出ている場合、検出された位置座標(x,y)によって指定されるキープ画像上の範囲には、コピー不可能な範囲が含まれる。
そこで、上述のステップS430で操作ディスプレイ13上のタッチペン14の位置が移動した場合、編集側コンピュータ装置101bのCPUは、ステップS435でその位置に基づいて指定される位置に表示されたデザイン画像の嵌め込み領域81がすべてコピー可能な範囲内にあるか否かを判定する。そして、そのタッチペン14の位置に応じて嵌め込み領域81の少なくとも一部がコピー不可な範囲内に入っていることが判定されると(ステップS435でNO)、ステップS430のタッチペン14の移動を無効としてその直前でタッチされた座標に基づいた位置、つまりコピー可能な範囲内にデザイン画像をとどめておき、処理をステップS420へ戻す。嵌め込み領域81のすべてがコピー可能な範囲内にあると判定された場合には(ステップS435でYES)、処理をステップS440へ移行して、ステップS430のタッチペン14の移動を有効とし、その状態で処理をステップS420へ戻す。
このようにすることにより、端の方に写っているユーザの顔などの抽出が容易にできるようになる。また、嵌め込み画像が切れてしまったりすることもない。
なお、嵌め込み領域81がすべて描画領域80内に入っていない場合でも、コピーを可能にしてもよい。この場合は、嵌め込み領域81内に、描画領域80外の部分が含まれる、すなわち画像のない部分ができるため、顔スタンプとして好ましくない。従って、プログラムによって、自動的に、画像のない部分に色をつけたり、柄を施したりなどの、画像処理を施すことによって、不自然なスタンプにならないようにするとよい。このようにすることにより、かなり端の方に写っているユーザの顔などの抽出が容易にできるようになる。
上述のステップS420〜S440の処理は、タッチペン14が描画領域80上にタッチしている間繰返し行なわれる。そして、タッチペン14が操作ディスプレイ13から離れると(S443でYES)、編集側コンピュータ装置101bのCPUはキープ画像のうちの嵌め込み画像用にコピーする位置を確定し(S445)、確定した位置の嵌め込み領域81内の画像をコピーする(S450)。さらに、ステップS450でコピーして得られた嵌め込み画像と、ステップS410で選択されたデザイン画像とを合成してスタンプ化する。作成された合成画像は「顔スタンプ」として登録され、該編集プレイにおいて使用可能な顔スタンプを登録する記憶装置の所定領域に記憶される(S455)。このような所定領域に作成された顔スタンプが記憶されることで、選択されたいずれのキープ画像に対して編集入力処理を行なう際にも、そのスタンプ画像を用いることができる。つまり、編集対象である第1のキープ画像に対する編集入力処理においても、第1のキープ画像とは異なる第2のキープ画像の少なくとも一部を用いて作成されたスタンプ画像を用いることができ、オリジナリティのある編集を行なうことができる。
ステップS455で「顔スタンプ」が登録されると、デザイン画像/顔スタンプ選択領域80に登録された顔スタンプをサムネイル表示し、そのサムネイル画像の下にやりなおしボタン79を表示する(S460)。
以上で編集入力処理における顔スタンプ作成処理は終了する。
このように、編集操作側の操作によって顔スタンプを作成する場合には、デザイン画像の嵌め込み領域81に描画領域80の所望の顔などの一部分を入れることによって、オリジナルの「顔スタンプ」が容易に作成できる。また、この嵌め込み領域81の形は、デザイン画像ごとに異なっているため、バリエーションも豊富である。
なお、編集操作側の操作によって顔スタンプを作成する場合も、撮影操作側の操作によって顔スタンプを作成する場合と同様に、作成する顔スタンプのサイズを選択できるようにしておくことが好ましい。また、作成中にタッチペン14が離れるまで、描画領域に表示されているデザイン画像のサイズを可変にし、タッチペン14が離れた時点のサイズをデザイン画像のサイズとして決定するようにしてもよい。
また顔スタンプ生成時は図16に示されるように大きな画面で操作されるが、生成される顔スタンプは、デザイン画像選択領域に表示されている程度の大きさに縮小などの加工が施されて生成される。
さらに、このようにして、撮影時および/または編集時に作成された顔スタンプは、編集入力に用いる以外に、おまけ画像として印刷シートの一部にプリントされてもよい。
次に、編集操作側の操作の、上述のステップS210の編集入力処理における、顔スタンプを用いた編集入力である顔スタンプ入力処理について説明する。
図20は、上述のステップS150で実行される顔スタンプ入力処理を示すフローチャートである。また、図21は、ステップS150の顔スタンプを用いた編集操作時の編集画面の具体例を示す図である。
編集画面の「スペシャル」ボタンが選択されると、編集側コンピュータ装置101bのCPUは「スペシャル」のカテゴリに含まれるスタンプを選択するためのタブまたはボタンなどの表示をする。図21においては、「顔」「手書き」「ふるふる」「デカ」「イニシャル」がタブで表示されている。そして、図21に示される編集画面において、ユーザ6によって「顔」が選択されると、編集側コンピュータ装置101bのCPUは顔スタンプ入力処理を開始する。
始めに、編集側コンピュータ装置101bのCPUは、編集画面上にデザイン画像/顔スタンプ選択領域78を表示する(S500)。デザイン画像/顔スタンプ選択領域78には、「顔スタンプ」のデザイン画像と、すでに撮影プレイ時(または編集プレイ時)に登録された「顔スタンプ」がある場合は、登録されている「顔スタンプ」とがサムネイル表示される。撮影プレイ時(または編集プレイ時)に登録された「顔スタンプ」は、撮影プレイ時(または編集プレイ時)に登録されたものであることがわかるように表示され、登録されている「顔スタンプ」の下には、該顔スタンプの修正を指示するやりなおしボタン79が表示される。
ステップS500でデザイン画像/顔スタンプ選択領域78が表示された編集画面において、「ペン」ボタンや「スタンプ」ボタンや「スペシャル」内の「手書き」「ふるふる」など別の機能が選択されるなど、「顔スタンプ」処理以外の操作がなされた場合は(S505でYES)、「顔スタンプ」の処理を終了して、選択されたスタンプの処理やユーザの操作した動作の処理に移行する。「顔スタンプ」の処理以外の処理がなされていない場合は(S505でNO)、処理をステップS510へ移行し、ユーザ6からの指示入力を待機する。
ステップS510において、デザイン画像/顔スタンプ選択領域78に表示されいるすでに登録されたデザイン画像のやりなおしボタン79がタッチされた場合(S510でYES)、該当する登録されている顔スタンプを解除し(S515)、解除した顔スタンプに用いられていた元のデザイン画像を選択可能デザイン画像/顔スタンプ選択領域78に表示する(S520)。さらに、その顔スタンプの近傍に表示されていたやりなおしボタン79を非表示にする。そして、ステップS505へ処理を戻す。このようにすることにより、作成した「顔スタンプ」が気に入らない場合、作成し直しができるため、ユーザ6の満足度が向上する。やり直しは、撮影プレイ時に作成した「顔スタンプ」も、編集プレイ時に作成した「顔スタンプ」もどちらも実行可能である。
やりなおしボタン79がタッチされずに(S510でNO)、デザイン画像/顔スタンプ選択領域78のデザイン画像群の中から、ユーザ6がいずれかのデザイン画像が選択された場合(S530でYES)、処理を上述の編集操作側の操作での顔スタンプ作成処理(図14)のS415へ移行する。
編集側コンピュータ装置101bのCPUは、デザイン画像/顔スタンプ選択領域78のデザイン画像群の中からいずれかの顔スタンプが選択されるまで上述のステップS510〜S530を繰返し、いずれかの「顔スタンプ」がタッチされた場合(S535でYES)、選択された顔スタンプを準備し、処理をステップS540へ移行する。
次に、ステップS535で顔スタンプが選択された状態で、操作ディスプレイ13の描画領域80上がタッチペン14でタッチされると(S540でYES)、タッチペン14と操作ディスプレ13とからなる入力装置100は、タッチペン14がタッチしている操作ディスプレイ13上の位置を、顔スタンプの入力座標(x,y)として検出し、CPUにその情報を出力する(S545)。
さらに、図21が図示するように、編集側コンピュータ装置101bのCPUは、描画領域80の該入力座標(x,y)上に、編集対象であるキープ画像に重ねて顔スタンプを表示する(S550)。ここでも、タッチペン14が描画領域80上を離れない間は(S555でNO)顔スタンプの入力位置は確定されず、タッチペン14でタッチされた位置の移動に伴ってキープ画像に重ねて表示される顔スタンプの位置を移動させる。
タッチペン14が描画領域80から離れると(S555でYES)、編集側コンピュータ装置101bのCPUは顔スタンプを入力する位置を確定し(S560)、確定した位置に顔スタンプを表示する(S565)。
以上で、顔スタンプを用いた編集入力処理である顔スタンプ入力処理を終了する。
なお、本実施の形態においては、説明の便宜上、「スタンプ作成処理」と「スタンプ入力処理」とを異なる処理として別のフローチャートを用いて説明しているが、実際には図16または図21に示される編集画面を表示している間の処理は一連の処理で行なわれる。この時、編集側コンピュータ装置101bのCPUは、ユーザ6によりデザイン画像/顔スタンプ選択領域内78内のデザイン画像または顔スタンプの表示領域がタッチされた場合に、その領域に対応するデザイン画像の顔スタンプが既に登録されているときには入力処理に移行し、まだ顔スタンプが登録されていないときには作成処理に移行するよう、作成処理と入力処理とを分岐する制御を行なう。
また作成された「顔スタンプ」は元の被写体画像であるキープ画像に入力できるだけでなく、その他のキープ画像に対しても入力できるのは、いうまでもない。
さらに、一連のプレイで作成された、顔スタンプは、プレイ終了時、または次の利用者のプレイ開始時に、次のプレイにおいて使用できないように初期化されることが好ましい。つまり、プレイ中に作成された顔スタンプは、本プレイにおいてのみ使用可能なように、該顔スタンプが記憶される記憶装置の所定領域は、該プレイ終了後、または次のプレイ開始時に初期化されることが好ましい。プレイ中に作成される顔スタンプは、当該プレイを行なっている被写体の一部が含まれた画像であることから、このようなタイミングで初期化することで、悪戯に他の利用者に利用されることを防止し、プライバシーを適切に保護することができる。
さらに、本実施の形態にかかる写真自動販売機において実行される処理は、撮影操作側の操作による処理と編集操作側の操作による処理とに分けられており、それぞれの処理を並列的に行なうことを可能としているが、これに限定されるものではなく、撮影操作側の処理と編集操作側の処理とを並列的に行なわず、撮影処理および編集処理が順次行なわれるような形態であってもよい。
さらに、上述の写真自動販売機において行なわれる顔スタンプの作成方法および入力方法を、プログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
さらに、上述した本発明のある局面に従えば、発明の他の構成例として、以下のものが考えられる。
(1)対価の受領を確認する対価受領手段と、被写体を撮影する第1の撮影手段と、装飾画像の素材を選択する素材選択手段と、撮影される撮影画像を表示する表示手段と、表示手段に、選択された装飾画像の素材と被写体の撮像とを合成表示して、装飾画像用の撮影画像を得るための撮影を行なう第2の撮影手段と、第2の撮影手段で撮影された撮影画像を、選択された装飾画像の素材の所定領域である嵌め込み領域に嵌め込んで装飾画像を生成する第2の生成手段と、生成された装飾画像を、第1の撮影手段で撮影された撮影画像に入力する入力手段とを含む、写真自動販売機。
(2)対価の受領を確認する対価受領手段と、被写体を撮影する第1の撮影手段と、装飾画像の素材を選択する素材選択手段と、撮影される撮影画像を表示する表示手段と、表示手段に、選択された装飾画像の素材と被写体の撮像とを合成表示して、装飾画像用の撮影画像を得るための撮影を行なう第2の撮影手段と、前記第1の撮影手段で撮影された撮影画像の中から装飾画像用の撮影画像を選択する撮影画像選択手段と、選択された撮影画像の少なくとも一部の範囲を嵌め込み範囲として、選択された装飾画像の素材の所定領域である嵌め込み領域に、撮影画像の嵌め込み範囲を嵌め込んで装飾画像を生成する第1の生成手段と、第2の撮影ステップで撮影された撮影画像を、選択された装飾画像の素材の所定領域である嵌め込み領域に嵌め込んで装飾画像を生成する第2の生成手段と、入力手段の操作によって、第1の生成手段で生成された装飾画像と第2の生成手段で生成された装飾画像との少なくとも一方の装飾画像を、第1の撮影手段で撮影された撮影画像に入力する入力手段とを含む、写真自動販売機。
(3)対価の受領を確認する対価受領手段と、被写体を撮影する撮影手段と、撮影手段で撮影される撮影画像を表示する表示手段と、撮影画像に装飾画像を入力する入力手段と、装飾画像を記憶する記憶手段と、撮影画像と装飾画像とを合成し合成画像を生成する合成手段と、合成画像を印刷する印刷手段と、上記各手段を制御する制御手段とを備える写真自動販売機における画像編集をコンピュータに実行させるプログラムであって、撮影手段において被写体を撮影する第1の撮影ステップと、装飾画像の素材を選択する素材選択ステップと、表示手段に、選択された装飾画像の素材と被写体の撮像とを合成表示して、装飾画像用の撮影画像を得るための撮影を行なう第2の撮影ステップと、第2の撮影ステップで撮影された撮影画像を、選択された装飾画像の素材の所定領域である嵌め込み領域に嵌め込んで装飾画像を生成する第2の生成ステップと、入力手段の操作によって、生成された装飾画像を、第1の撮影ステップで撮影された撮影画像に入力する入力ステップとを実行させる、画像編集プログラム。
(4)対価の受領を確認する対価受領手段と、被写体を撮影する撮影手段と、撮影手段で撮影される撮影画像を表示する表示手段と、撮影画像に装飾画像を入力する入力手段と、装飾画像を記憶する記憶手段と、撮影画像と装飾画像とを合成し合成画像を生成する合成手段と、合成画像を印刷する印刷手段と、上記各手段を制御する制御手段とを備える写真自動販売機における画像編集をコンピュータに実行させるプログラムであって、撮影手段において被写体を撮影する第1の撮影ステップと、装飾画像の素材を選択する素材選択ステップと、表示手段に、選択された装飾画像の素材と被写体の撮像とを合成表示して、装飾画像用の撮影画像を得るための撮影を行なう第2の撮影ステップと、第1の撮影ステップで撮影された撮影画像の中から装飾画像用の撮影画像を選択する撮影画像選択ステップと、選択された撮影画像の少なくとも一部の範囲を嵌め込み範囲として、選択された装飾画像の素材の所定領域である嵌め込み領域に、撮影画像の嵌め込み範囲を嵌め込んで装飾画像を生成する第1の生成ステップと、第2の撮影ステップで撮影された撮影画像を、選択された装飾画像の素材の所定領域である嵌め込み領域に嵌め込んで装飾画像を生成する第2の生成ステップと、入力手段の操作によって、第1の生成ステップで生成された装飾画像と第2の生成ステップで生成された装飾画像との少なくとも一方の装飾画像を、第1の撮影ステップで撮影された撮影画像に入力する入力ステップとを実行させる、画像編集プログラム。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,2 写真自動販売機の筐体、3 撮影ブース、4 編集ブース、5 背景カーテン、6 ユーザ、7 編集筐体、8 印刷筐体、9 プリント取出口、10 印刷中LED、11 印刷エラーLED、12 プリンタ、13 操作ディスプレイ、14 タッチペン、18 照明部、19 撮影部、20 フラッシュ、21 カメラ、22 タッチパネルディスプレイ、23 スピーカ、24 ライブモニタ、25 フード、26 コイン投入口、27 コイン返却口、28 フロントドア、29 電源スイッチ、30 照明装置、31 ファン、32 パイロットランプ、39 サイドカーテン、101 コンピュータ装置、102 制御部、103 電源制御部、104 UPS、105 サービスパネル、106 フラッシュ制御部、107 コイン制御部、70 デザイン画像選択領域、71 顔スタンプ確認領域、72 撮影開始ボタン、73 画像取込みボタン、74 サイズ指定ボタン、76 撮直しボタン、77 登録ボタン、78 デザイン画像/顔スタンプ選択領域、79 やりなおしボタン、80 描画領域、81 嵌め込み領域。