以下、本発明の実施の形態における写真撮影遊戯装置を用いた、写真シール遊戯システムの一例について説明する。
写真シール遊戯システム(画像提供システムの一例)は、写真シール作成装置(写真撮影遊戯装置の一例)と、画像提供サーバ(画像提供装置の一例)とで構成されている。画像提供サーバは、ユーザが写真シール作成装置でプレイを行ったときに撮影された複数の画像を、写真シール作成装置から取得する。そして、取得した複数の画像を、プレイを行ったユーザに対して提供することができる。
写真シール作成装置は、ユーザをカメラを用いて撮影して得た撮影画像を用いて、ユーザに提供するシールを出力するほか、種々の機能を実行する。写真シール作成装置は、撮影画像を用いてユーザに提供するための提供画像を生成し、その画像を画像提供サーバに送信する。これにより、画像提供サーバにより、その画像がユーザに提供される。写真シール作成装置は、シールにプリントして出力する画像に加えて、提供画像として、撮影画像をコラージュしたコラージュ(コラージュ画像)や撮影画像の一部を切り取った切り取り画(切り取り画像)を生成する機能を有している。コラージュ画像としては、例えば、インターネット上で提供されるウェブサービスにおいてユーザの設定操作に基づいて表示される背景画像を生成することができる。
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける写真シール遊戯システムのネットワーク接続例を示す図である。
写真シール作成装置1は、画像提供サーバ(以下、単にサーバということがある)601や携帯端末装置(以下、携帯端末ということがある)701(701a,701b)などと共に、写真シール遊戯システム901を構成する。写真シール作成装置1は、例えばゲームセンタなど、様々な店舗に設置されている。サーバ601は、例えば、データセンタで管理されている。携帯端末701は、例えば、写真シール作成装置1でプレイするユーザ(ユーザ)が所有するものである。写真シール遊戯システム901の各装置は、例えば、インターネットなどのネットワーク801に接続されている。これにより、写真シール作成装置1や携帯端末701は、ネットワーク801を介して、サーバ601と通信可能である。なお、写真シール作成装置1と携帯端末701とが互いに通信可能であってもよい。
画像提供サーバ601は、一般的なハードウェア構成を有する電子計算機であり、通信部603、記憶部605、及び装置の各部を制御する制御部650などを有している。通信部603は、LAN(構内情報通信網)などを経由して、サーバ601をネットワーク801に接続する。記憶部605は、例えばHDD(Hard Disk Drive)である。記憶部605には、制御プログラム607が記憶されている。制御部650は、例えばCPUやメモリなどで構成されている。制御部650は、制御プログラム607などを実行することで、サーバ601の各部の動作を制御する。
携帯端末701は、例えば、いわゆるフィーチャーフォンやスマートフォンである。携帯端末701は、通信部703と、記憶部705と、制御部750とを有している。通信部703は、例えば、無線LANや携帯電話網を通じてネットワーク801に接続可能である。記憶部705は、例えばフラッシュメモリである。記憶部705には、制御プログラム707が記憶されている。携帯端末701は、さらに、操作部711や、表示部713や、カメラ715などを有している。制御部750は、例えばCPUやメモリなどで構成されている。制御部750は、制御プログラム707などを実行することで、携帯端末701の各部の動作を制御する。
写真シール作成装置1は、プレイ時に生成された画像データをサーバ601に送信する。サーバ601は、送信された画像データを記憶する。サーバ601は、画像データを、それを送信したユーザのデータに対応させて管理する。サーバ601は、携帯端末701などからのアクセスを受け付け、携帯端末701を所有するユーザに対応する画像データを、その携帯端末701に対して公開する機能などを有している。これにより、ユーザは、携帯端末701を用いて、サーバ601に記憶されている画像データを取得可能である。
[写真シール作成装置1の概略構成]
図2は、写真シール作成装置1のハードウェア構成を示す側面図である。図3は、写真シール作成装置1のハードウェア構成を示す平面図である。
図2に示されるように、写真シール作成装置1は、前部筐体(撮影筐体)510、背部筐体540、及び編集出力装置570を有している。前部筐体510、背部筐体540、及び編集出力装置570は、互いに並べられて1台の写真シール作成装置1として用いられる。
前部筐体510には、外部モニタ521やコイン投入部525などが配置された事前接客部520が設けられている。事前接客部520は、写真シール作成装置1の前部筐体510の左側面に配置されている(一方に選択的に配置されていればよく、右側面にあってもよい。)。前部筐体510の内側には、正面照明装置511、カメラ515、及び操作モニタ517などが配置されている。
背部筐体540の内側には、背部照明装置541が配置されている。
編集出力装置570の前部には、シール排出口575が設けられている。編集出力装置570の両側部には、それぞれ、編集モニタ581、タッチペン583、非接触通信装置585、及びスピーカ587などを有する編集受付部580が設けられている。
図3に示されるように、前部筐体510と背部筐体540とが組み合わせられることにより、撮影コーナー(撮影ブース)が形成される。撮影コーナーの両側方は開口部となるが、この開口部は、カーテン(図示せず)で覆うことができる。また、編集出力装置570の周囲も、カーテン(図示せず)で覆うことができる。これにより、ユーザは、他者にプレイ中の姿や編集画面などをのぞき込まれないようにして、プレイ可能である。
上述のように、写真シール作成装置1には、種々のモニタ(外部モニタ521、操作モニタ517、編集モニタ581など)が配置されている。これらのモニタは、プレイ中には種々の案内が表示されるとともに、ユーザによる操作入力を受け付ける。また、モニタには、プレイ中の場合とプレイ中でない場合とのそれぞれで、宣伝や広告が表示される。このとき、装置各部に設けられているスピーカから、音声による案内や広告等が出力されるようにしてもよい。
図4は、写真シール作成装置1を用いたプレイを示すフローチャートである。
本実施の形態において、写真シール作成装置1を用いたプレイは、大まかに、次のような4つの段階を順にたどるようにして行われる。プレイは、通常動作モードでの動作時に行われる。
事前接客部520のコイン投入部525に規定枚数の硬貨が投入されると、プレイが開始する。ステップS1において、外部モニタ521における受け付けが行われる。このとき、図3において示されるP1の位置にユーザが立つ。この段階では、撮影を開始する前に、撮影、編集、作成される画像やシートなどの各種プレイに関する案内及び広告がユーザに対して行われる。また、ユーザは、各種選択操作を行う。
ステップS2において、撮影が行われる。このとき、図3において示されるP2の位置、すなわち撮影コーナー内にユーザが立つ。撮影コーナーでは、事前接客部520で受け付けられた各種選択操作に基づいて、ユーザに対して、各種操作で選択された撮影コースに応じた撮影が行われる。また、それと共に、ユーザによる各種操作が受け付けられ、落書き可能な画像データが作成される。
ステップS3において、落書き受け付けが行われる。このとき、図3において示されるP3の位置(落書きコーナー)にユーザが立つ。すなわち、ユーザは、左右いずれか一方の編集受付部580a,580bに対面するように立つ。落書き受け付けでは、撮影コーナーでのプレイが終了したユーザに対して、各種選択作業に関する案内が行われる。そして、ユーザにより行われる、出力するシールなどについての各種選択操作や、落書き操作が受け付けられる。このとき受け付けられた受付結果に基づいて、シールにプリントされる画像の処理が行われる。
ステップS4において、シールの出力が行われる。このとき、図3において示されるP4の位置にユーザが立つ。すなわち、ユーザは、シール排出口575の前方で、シール排出口575からシールが排出されるのを待つ。シール排出口575からシールが排出されると、写真シール作成装置1の近傍で行われる、一連の主なプレイは終了する。
このように、4段階に分かれて、ユーザが移動しながらプレイが進むことで、単位時間当たりに写真シール作成装置1を利用可能なユーザ組数が多くなっている。すなわち、最大で5組のユーザが、同時に写真シール作成装置1を利用できる。落書き受け付けは時間がかかるため、2つの編集受付部580a,580bを用いて、同時に2組のユーザが落書き受け付けの段階をプレイできるように構成されている。
なお、写真シール作成装置1のハードウェア構成は公知のものであるので、ここでの詳細な説明は省略する。写真シール作成装置1は、上記とは異なるハードウェア構成を有していてもよい。例えば、シール排出口575の近くには、そこで待機するユーザが見ることができるように表示パネルを設けて、表示パネルを用いてユーザに案内表示を行ったり、広告等を表示したりしてもよい。
図5は、写真シール作成装置1の制御に関する構成を説明するブロック図である。
写真シール作成装置1は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)のような、CPU502、メモリ503、画像処理部504、記憶部505、及び通信部509などで構成された制御部(制御装置)501を有している。
画像処理部504は、カメラ515により撮影された写真画像(撮影画像)の情報に基づいて、その後の処理に用いられる合成前画像を生成したり、編集受付部580で受け付けられた落書きに応じて編集画像を生成したり、合成前画像と編集画像とを合成して合成画像を生成したりする。すなわち、画像処理部504は、編集受付部580で受け付けられた落書き等の受付結果や外部モニタ521等での操作入力の受付結果に応じて、カメラ515により得られた撮影画像を用いて、シートにプリントする画像やサーバ601に送信する画像など、その後の処理に用いられる画像の処理を行ったり、画像を生成したりする。
記憶部505は、例えばフラッシュメモリやHDDであり、制御プログラム507を有している。
制御部501は、CPU502が制御プログラム507を実行することで、写真シール作成装置1の各部の動作を制御する。
通信部509は、例えばPHS通信モジュールを有し、写真シール作成装置1をネットワーク801に接続できる。
制御部501は、事前接客部520について、外部モニタ521、スピーカ527、及びコイン制御部525aなどを制御する。コイン制御部525aは、コイン投入部525を制御し、コインの投入状況などを確認し、制御部501に通知する。
制御部501は、前部筐体510及び背部筐体540について、カメラ515、操作モニタ517、及びストロボ制御部530などを制御する。ストロボ制御部530は、正面照明装置511や背部照明装置541を制御し、適時に適切な態様で発光させる。
制御部501は、編集出力装置570について、編集モニタ581、非接触通信装置585、スピーカ587、及び印刷部590などを制御する。印刷部590は、画像処理部504により処理が行われた画像について、用紙にプリント(印刷)し、印刷後のシートをシール排出口575に搬送する。印刷部590により、シール排出口575からシートが出力される。
なお、図5で示される構成は、概念的な構成を示すものである。例えば、撮影コーナー側(前部筐体510及び背部筐体540)にPCを設け、落書きコーナー側(編集出力装置570)にも別のPCを設け、これらが連携して動作することで、制御部501などの機能が実現されるようにしてもよい。
[写真シール遊戯システム901の動作の説明]
写真シール作成装置1は、サーバ601や携帯端末701と連携し、大まかに、次のような動作を行う。最初に、図6を参照し、主に写真シール作成装置1がプレイを実行可能なるまでの写真シール作成装置1の基本的動作について説明する。次に、図7を参照し、写真シール遊戯システム901を用いて行われるプレイについて説明する。
図6は、写真シール作成装置1の基本的動作の一例を示すフローチャートである。
図6に示されるように、写真シール作成装置1が起動されると、ステップS21において、起動時処理が行われる。ここでは、各種制御プログラム507の読み込み、実行や、必要に応じて、サーバ601との通信処理などが行われる。起動時処理において、サーバ601からアップデートデータや機能設定コマンド等が送信されると、制御部501は、それを写真シール作成装置1に適用する。これにより、サーバ601を介して、写真シール作成装置1の管理を行うことができる。なお、このような動作は行われなくてもよい。
なお、本実施の形態においては、起動時処理において、写真シール作成装置1の内部時計をネットワーク上の他の時刻と同期させる処理が行われる。これにより、写真シール作成装置1の内部時計が比較的正確に維持され、プレイ時刻の記録を正確に行うことができる。なお、このような時刻同期処理は、公知の種々の方法で行うようにすればよい。また、起動時に限らず、定期的に行うようにしてもよい(例えば、1日毎)。
ステップS22において、制御部501は、デモ画面を外部モニタ521やその他のモニタなどに表示させる。
ステップS23において、制御部501は、テストモードに入るかどうかを確認する。例えば、管理者にしかアクセスできない位置に配置されている所定のスイッチなどが操作されたとき、制御部501は、テストモードに入ると判断する。
また、ステップS24において、制御部501は、プレイを行うための対価を受け付けたか否かを確認する。
対価が受け付けられるか、テストモードに入ると確認されるまでは、制御部501は、デモ画面を表示しながら待機する。
ステップS23でテストモードに入ると判断された場合には、ステップS26において、テストモードが実行される。テストモードでは、管理者により、写真シール作成装置1の種々の機能設定などを行うことができる。すなわち、テストモードは、機能設定用の動作モードである。テストモードが終了すると、再び、デモ画面の表示に戻る(S22)。
ステップS24でコイン投入部525に規定枚数のコインが投入されて対価が受け付けられたと判断されたとき、ステップS25において、プレイが実行される。プレイは、図4に説明したようにして行われる。写真シール作成装置1を用いたプレイが終了すると、ステップS22の動作に戻る。
図7は、ユーザのプレイ時における写真シール作成装置1とサーバ601との動作を大まかに示すシーケンス図である。
プレイを実行するために上述のようにユーザから写真シール作成装置1にコインが投入されると、プレイが開始される。この時点が、プレイ開始時刻として記録される。図7に示されるように、ステップS51において、写真シール作成装置1は、撮影及び編集を行う。すなわち、図4において説明した、外部モニタ受付(S1)、撮影(S2)、及び落書き受付(S3)が行われる。ユーザは、編集段階において、落書き編集入力を行うことができる。
編集が終了すると、ユーザは、携帯端末701で取得したい画像を選択する操作を写真シール作成装置1に対して行う。また、ユーザは、画像を取得するための情報を受信するためのメールアドレスを入力する操作を写真シール作成装置1に対して行う。
ステップS52において、写真シール作成装置1は、撮影画像に基づく送信画像データと、メールアドレスとを互いに関連付けて、サーバ601に送信する。このとき、写真シール作成装置1は、送信画像について、属性情報を合わせて送信する。属性情報としては、例えば、その送信画像について、画像IDや、撮影日時、撮影モードやプレイコース名などの画像の種類に関する情報や、その他プレイに関する情報などが送信される。
ステップS53において、写真シール作成装置1では、印刷が行われる。印刷が終了すると、シール排出口575から、印刷が完了したシート(シール)が排出される。
ステップS54において、ユーザは、シール排出口575に排出されたシートを取得する。
一方、写真シール作成装置1からサーバ601にデータが送信されると、ステップS55において、サーバ601は、送信された情報を受信する。
ステップS56において、サーバ601では、受信した情報を用いて、データベース記録処理が行われる。
サーバ601は、受信した送信画像データに基づいて携帯端末機用の画像データ(取得用画像データ)を生成し、その画像データをユーザに取得させるための取得ページを通じて閲覧可能に保持する。取得ページは、例えばサーバ601のウェブサーバ機能によって外部から取得可能となるように、保持される。このとき、取得ページにアクセスするための取得用URLが生成される。ステップS57において、サーバ601は、取得用URL(取得ページアドレス)をユーザに送信する。このとき、例えば、写真シール作成装置1から送信されたメールアドレスを用いて、電子メールにより、ユーザの携帯端末701などに情報が送信される。
ステップS58において、ユーザの携帯端末701は、取得用URLを受信する。
ステップS59において、ユーザは、携帯端末701を操作し、携帯端末701で動作するウェブブラウザなどを用いて、取得用URLにアクセスする。
ステップS60において、サーバ601は、取得ページのデータを携帯端末701に送信する。このとき、取得ページの表示時に閲覧される画像の携帯端末機用画像データも、携帯端末701に送信される。
ステップS61において、携帯端末701は、取得した取得ページや画像のデータに基づいて、画像を含む取得ページを表示する。これにより、ユーザは、携帯端末機用の画像を、サーバ601から取得することができる。ユーザは、プレイを行った結果、シートを受け取ることができるとともに、携帯端末機用の画像を取得できる。したがって、ユーザにとって、プレイを行う楽しみが増加する。
次に、プレイにおける写真シール作成装置1の動作を具体的に説明する。写真シール作成装置1のプレイ時において、各段階の流れは、例えば次のようである。各動作は、制御部501の制御に基づいて行われる。なお、各処理において、外部モニタ521、操作モニタ517、編集モニタ581等の表示内容を中心に説明するが、画面表示に伴い、スピーカ527,587等を利用した音声案内が適宜行われる。
図8は、外部モニタ受け付けのプレイ時の流れについて説明するフローチャートである。
図8に示されるように、プレイが開始されると、ステップS101において、プレイの説明が行われる。例えば、外部モニタ521に画像を表示したり、スピーカ527から音声を出力したりすることで、プレイの一連の流れや後述のプレイコースについての説明が行われる。
ステップS102において、プレイコース選択が受け付けられる。本実施の形態においては、生成できる画像の雰囲気に応じた、複数のプレイコースが設けられている。ユーザは、これらのプレイコースを選択してプレイできる。制御部501は、選択されたプレイコースをそのプレイのプレイコースとして決定し、以後、そのプレイコースに応じた所定の制御内容(撮影コースなど)で、そのプレイについて制御を行う。
ステップS103において、名前入力を受け付ける。例えば、ユーザに対して、名前入力を行わせる画面が表示される。入力された名前は、落書き編集時に使用されたり、背景やフレームなどのデザインの一部として使用されたりする。
ステップS104において、コース選択を行ったユーザに対して、コースによって異なる背景などを選択する画面が表示される。例えば、「背景を6枚選んでね」などの表示・案内などが行われ、ユーザは、所望の背景やシートデザインなどを選択する。
ステップS105において、制御部501は、撮影コーナーが空いているか(使用中でないか)を判断する。
ステップS105で撮影コーナーが空いていなければ、ステップS106において、制御部501は、撮影コーナーが空くまで、外部モニタ521にウェイト画面を表示させる。例えば、携帯端末でアクセス可能なウェブサイトの宣伝画面等をウェイト画面として表示させる。
ステップS105で撮影コーナーが空いていれば、ステップS107において、撮影コーナー誘導の画面表示が行われる。これにより、事前接客部520での各種操作が完了したユーザを、撮影コーナーへ誘導する。
制御部501は、事前接客部520で受け付けられた情報を用いて、撮影コーナーで撮影を行う。
図9は、撮影のプレイ時の流れについて説明するフローチャートである。
図9に示されるように、ステップS121において、制御部501は、操作モニタ517に、撮影開始画面を表示させる。ユーザに対して、撮影開始を促す画面が表示される。ユーザが操作モニタ517にタッチすることで、撮影シーケンスに移る。
ステップS122において、撮影シーケンスが開始される。撮影シーケンスにより、撮影画像が得られる。なお、本実施の形態では、1プレイにつき例えば6回の撮影が行われる。これにより、ユーザは、6枚の互いに異なる撮影画像に基づいて、写真シールの作成等や、サーバ601を介して提供される画像の取得を行うことができる。
ステップS123では、目の写り選択や明るさ選択が行われる。ここでは、撮影画像をプレビュー表示させながら、複数の設定(例えば、各5段階の設定)のうちどれを適用するかが選択される。
ステップS124において、制御部501は、落書きコーナーが空いているか(使用中でないか)を判断する。例えば、編集受付部580a,580bのいずれか一方でも他のユーザにより使用中でなければ、落書きコーナーが空いていると判断される。
ステップS124で落書きコーナーが空いていなければ、ステップS125において、制御部501は、落書きコーナーが空くまで、操作モニタ517にウェイト画面を表示させる。ウェイト画面として、上述と同様の宣伝画面等を表示できる。
ステップS124で落書きコーナーが空いていれば、ステップS126において、落書きコーナー誘導の画面表示が行われる。これにより、撮影が完了したユーザを、落書きコーナーへ誘導する。このとき、編集受付部580a,580bのうち、いずれか適切な方に移動するようにユーザに促すようにすればよい。例えば、「右の1番のらくがきコーナーに移動してね」などと案内すればよい。
図10は、落書き受け付けのプレイ時の流れについて説明する第1のフローチャートである。図11は、落書き受け付けのプレイ時の流れについて説明する第2のフローチャートである。
図10に示されるように、落書き受け付けが開始されると、ステップS131において、制御部501は、編集モニタ581にデータ転送開始画面を表示させる。ここでは、撮影画像に対して、外部モニタで選択したプレイコースや背景画像、撮影コーナーで選択した目の写りや明るさ等に基づき作成された画像データが、撮影コーナーから落書きコーナーに転送される。そして、そのことを示す画面が表示される。
ステップS132において、画面タッチが受け付けられる。ここでは、タッチペン583を用いて編集モニタ581のタッチ操作を受け付ける。タッチ操作が行われるか、所定の時間が経過すると、次の処理に進む。
タッチ操作が受け付けられると、ステップS133において、落書き案内が行われる。ユーザに対して、落書き操作が開始されることが案内される。例えば、「次はらくがきだよ!」などと表示が行われる。画像データが転送されてから、この表示が行われている期間に、落書きに用いる画像データについての各種の処理が行われる。画像データについての処理が終了すると、次の処理に進む。
ステップS134において、落書き編集が開始される。落書き編集は、編集モニタ581に落書き編集画面を表示し、ユーザからの操作を受け付けることで行われる。落書き編集画面には、撮影画像に基づく画像が含まれる。ユーザは、各画像について、所定時間内に、落書き編集を行うことができる。落書き編集により、タッチペン583を用いて書き込むようにして行われた「ペン」と呼ばれる落書きや、所定の図柄や、ここまでのユーザの入力内容(名前入力等)に応じて生成された図柄をタッチペン583により指定した位置に配置した「スタンプ」と呼ばれる落書きなどを行うことができる。これらの落書きが行われると、落書きが含まれる編集画像が作成される。この編集画像と、当初落書き編集画面に表示されていた画像とを合成して、落書きあり画像が生成される。なお、画像について落書きが行われなかった場合には、落書きを含まない編集画像と元の画像とが合成され、落書きなし画像が生成される。
ステップS135において、分割数選択説明画面が表示され、シートデザイン選択に移る旨が案内される。
ステップS136において、シートデザイン選択が受け付けられる。ここでは、例えば、ユーザに対し、シート当たりに印刷する画像の数の選択が受け付けられる。シートデザイン選択は、例えば、選択されたプレイコースに応じて行われる。
図11に示されるように、ステップS138において、送信画像選択処理が行われる。本実施の形態において、基本のプレイ時には、ユーザの携帯端末701に、例えばプレイによって作成された撮影画像又は合成画像のうち1枚の画像を取得させることができる。制御部501は、携帯端末701に取得させる対象となる画像の選択操作をユーザから受け付ける。当該画像は、撮影された画像、シールとして印刷できる落書き画像、及び後述するようにして生成されたおまけ画像などの、ユーザの選択によらず無料でユーザに提供されるように設定された画像以外のすべての画像の中から選択可能である。なお、2人までのユーザがそれぞれ希望する画像を選択するか、所定の時間が経過することによって次の画面に進む。所定の時間が経過し、タイムアウトになった場合は、タイムアウト時に選択されている画像が選択される。
ステップS140において、アドレス入力画面が表示される。ここでは、携帯端末701の電子メールアドレス等の入力が受け付けられる。電子メールアドレス等が入力されると、その情報がサーバ601に送信される。これにより、例えば、サーバ601は、ステップS138で選択された選択画像を取得可能にするURLを、電子メールなどの方法で携帯端末701に通知する。ユーザは、携帯端末701で当該URLにアクセスすることで、別途写真シール作成装置1からサーバ601に送られた画像の中から、少なくとも選択画像を取得できる。
なお、ステップS140のアドレス入力画面において、非接触通信(NFC通信など)で送信することを選択できるようにしてもよい。これが選択されたとき、ステップS141において、非接触通信操作画面が表示される。制御部501は、非接触通信装置585を制御し、選択された画像を取得可能にするURLなどの情報を、非接触通信装置585にかざされた携帯端末701に送信できる。非接触通信操作画面には、ユーザが行うべき動作の説明などが含まれる。非接触通信操作画面は、携帯端末701への通信が成功するか、例えば「アドレス入力に戻る」ボタンが操作されるまで、表示されるようにすればよい。
ステップS140で入力が完了すると、ステップS142において、制御部501は、印刷部(プリンタ)590が空いているか(使用中でないか)を判断する。
ステップS142で印刷部590が空いていなければ、ステップS143において、制御部501は、印刷部590が空くまで、編集モニタ581に広告画面を表示させる。例えば、上述と同様のウェブサイト等の広告画面が表示される。
ステップS142で印刷部590が空いていれば、ステップS144において、プリントが行われる。制御部501は、印刷すべき画像データを生成し、印刷部590に転送する。これにより、印刷部590によりシールの印刷が行われる。なお、印刷部590に用紙切れなどのエラーが発生している場合には、プリンタエラー画面が表示されるようにすればよい。このとき、メンテナンスを行うための連絡先などが表示される。
ステップS145において、編集モニタ581には、落書きコーナー終了画面が表示される。印刷が完了するまで、シール排出口575の前で待機するように、ユーザに案内が行われる。これにより、シール排出口575からシールが排出され、一連のプレイが終了する。
[落書き編集に関する説明]
本実施の形態において、落書き編集は、次のような落書き編集画面(通常落書き画面)を表示して行われる。
図12は、落書き編集画面の一例を示す図である。
図12に示されるように、落書き編集画面100は、同時に2人のユーザが落書き編集操作(「通常らくがき」と表現することもある)を行えるように構成されているものである。すなわち、落書き編集画面100は、大まかに、左右の2つの編集画面101(101a,101b)に分かれている。各編集画面には、後述する残り時間表示119や、一部の表示(日付や名前を変更するための表示)を除き、同様の機能を示すアイコンや画像等が配置されている。なお、以降の編集画面の説明は、左側の1人のユーザ用に割り当てられている領域LHを参照して行うことがあり、編集画面101a,101bを特に区別せず、それぞれを総称して編集画面101という。
編集画面101には、落書き対象画像111、サムネイル部113、パレット115、簡単らくがき設定ボタン116、コマンドアイコン117(117a,117bなど)、及び残り時間表示119などが含まれている。サムネイル部113には、撮影された写真に基づく画像として、撮影コーナーから送られた画像又はそれに落書きを加えた後の画像がサムネイル表示される。落書き対象画像111には、サムネイル部113のうち編集対象として選択された画像が表示される。ユーザは、落書き編集画面100に表示されている画像について、パレット115などを操作し、画像上への文字や図形の配置(いわゆる「落書き」。具体的には、線や文字の書き込みや所定のスタンプ画像や枠画像などの貼り付けなど。)を行うことができる。また、ユーザは、簡単らくがき設定ボタン116を操作することで、顔判別処理などにより自動的に文字や図形を配置させ、その画像についての落書きを行うこともできる。コマンドアイコン117としては、編集終了ボタン117aや、アンドゥ・リドゥボタン117bなど、種々の動作を実行させるためのボタンが表示されており、これらを用いてユーザが直感的な操作を行うことができる。残り時間表示119には、例えば、ユーザに落書き編集を行うことが許可されている時間のうち、既に経過した時間を除く残り時間が秒数で表示される。ユーザは、表示されている時間内に、落書き編集や、後述のおまけ画像の編集作業を行う必要がある。
サムネイル部113に表示されている複数の画像は、同一のプレイ時において、左右のユーザで、共同で編集可能なものである。一方のユーザが編集対象としている画像については、サムネイル部113においては「らくがき中」などとその旨を示す表示を伴って表示され、他方のユーザが編集対象として選択することができないように制御される。このような排他的な制御が行われることにより、各画像の編集を2人のユーザで効率的に進めることができる。
ここで、本実施の形態においては、落書き編集画面100には、おまけ画像の作成(「おまけらくがき」と表現することもある)を行うために操作される作成ボタン118が含まれる。すなわち、落書き編集においては、ユーザに対して、シール紙に反映される落書き以外のおまけ画像の作成作業も受け付ける。
作成ボタン118は、所定の条件が満たされたときに表示される(「出現」ということがある。)。例えば、作成ボタン118は、落書き編集の開始から所定の時間が経過したり、サムネイル部113に表示されているすべての画像に対する落書きが一通り行われたりした場合に、出現するようにすればよい。これにより、完成度の高いシールを出力するために必要な落書きがほとんど行われないままに、落書き編集操作に割り当てられている制限時間のほとんどがおまけ画像の作成作業に費やされてしまうことを防止できる。したがって、総合的に、ユーザの満足度を大きく高めることができる。作成ボタン118が表示されるまでは、作成ボタン118が表示されるべき領域に例えば破線で囲まれた予備画像が表示されるようにしてもよいし、作成ボタン118の色を淡色にした画像やグレースケールにした画像を表示することで、これに代えてもよい。また、作成ボタン118の出現まで、何ら画像を表示させないようにしてもよい。作成ボタン118が、落書き編集が開始された当初から表示されるようにしてもよい。
作成ボタン118としては、2つのボタン(第1の作成ボタン118a、第2の作成ボタン118b)が表示されている。本実施の形態において、おまけ画像として、2種類の画像を作成可能である。すなわち、第1の作成ボタン118aを操作することで、撮影画像の一部を切り取った切り取り画(切り取り画像)を作成できる(この機能を「切り取り画作成」ということがある。)。また、第2の作成ボタン118bを操作することで、撮影画像を用いたコラージュ(コラージュ画像)を作成できる(この機能を「コラージュ作成」ということがある。)。
切り取り画は、それまでのプレイで撮影されて得られた一の撮影画像を部分的に切り取る(トリミングする)ことで作成されるトリム後画像(トリミング後の画像)や、そのトリム後画像とフレーム画像とを合成して得られる合成画像や、それらに落書きを行った編集画像を合成して得られる合成画像(トリム後画像と編集画像とを合成した画像や、トリム後画像とフレーム画像と編集画像とを合成した画像)である。
コラージュ画像は、それまでのプレイで撮影されて得られた複数の撮影画像やそのトリム後画像と、落書き画像やテンプレート画像とを組み合わせて作成される画像である。
ユーザは、これらの切り取り画やコラージュ画像を、例えば、インターネット上で提供されるSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)などのウェブサービスにおいて、ユーザの画像として取り扱われるプロフィール画像やユーザに関係するウェブページに表示される背景画像として用いることができる。
なお、例えば、作成するおまけ画像の用途に合わせて、「ブログ用ボタン」や「SNS用ボタン」など、他の名称で作成ボタン118を表示してもよいし、作成ボタン118として編集画面101には単一のボタンを表示するようにしてもよい。作成ボタン118として単一のボタンを表示するようにした場合、作成ボタン118の操作があったときに遷移する画面において、切り取り画とコラージュとのいずれの作成を行うか選択を求める画面をユーザに提示することで、切り取り画とコラージュとのうちユーザが指定する方の画像の作成を行うことができるようにしてもよい。
なお、サーバ601に、上述のように切り取り画やコラージュ画像が送信されたとき、ユーザは、次のようにして携帯端末701を用いてサーバ601にアクセスすることにより、それらの画像を取得できる。次で説明するサーバ601の動作は、サーバ601の制御部650が、制御プログラム607を実行してサーバ601の各部を制御することにより行われる。
サーバ601は、ユーザの所有する携帯端末701からのアクセスに応じて、携帯端末701に対して情報を提供する。また、ユーザにより携帯端末701に入力された操作に応じた情報を携帯端末701から受信し、その操作に応じて処理を行う。具体的には、サーバ601は、携帯端末701で動作するウェブブラウザの動作に応じて、ウェブサーバとして機能する。そして、HTML(ハイパーテキスト記述言語)で記述された文書など、ウェブページ情報や画像情報を適宜携帯端末701に提供することで、表示部713にユーザが閲覧可能な画面を表示させる。なお、サーバ601が、携帯端末701で動作する所定のアプリケーションに対して所定の形式の情報や画像情報を提供することで、表示部713に画面表示が行われるように構成されていてもよい。
図13は、落書き編集時の動作を示すフローチャートである。
図13に示されるように、落書き編集時には、落書き時間が終了(落書きに与えられた期間が満了)するまで、適宜、通常落書きやおまけ落書きを行うことができる。
すなわち、落書き編集が開始されると、ステップS301において、通常落書き画面(落書き編集画面100)が表示され、通常落書きを行うことができるようになる。これに伴い、落書き時間の計時が開始される。
ステップS303において、制御部501は、切り取り画を作成するか否か(切り取り画の作成モードに入るか否か)を判断する。通常落書きが行われているときに第1の作成ボタン118aが操作されると、切り取り画を作成すると判断される。
ステップS303において作成すると判断されると、ステップS304において、制御部501は、切り取り画作成を行う(詳細は後述する。)。切り取り画作成がいったん完了すると、落書き編集画面100に戻る(ステップS301に戻る。)。
ステップS305において、制御部501は、コラージュを作成するか否か(コラージュの作成モードに入るか否か)を判断する。通常落書きが行われているときに第2の作成ボタン118bが操作されると、コラージュを作成すると判断される。
ステップS305において作成すると判断されると、ステップS306において、制御部501は、コラージュ作成を行う(詳細は後述する。)。コラージュ作成がいったん完了すると、落書き編集画面100に戻る(ステップS301に戻る。)。
なお、切り取り画作成やコラージュ作成が行われているとき、切り取り画やコラージュが未完成であっても(作成途中であっても)、いったん作成を中断して通常落書き画面に戻ることができる(S301)。このような場合でも、再度作成ボタン118が操作されたとき、各画像の作成を再開できる(S304,S306)。
ステップS307において、制御部501は、落書き時間が終了したか否かを判断する。落書き時間が終了するまで、ステップS301〜S306の処理が行われる。すなわち、ユーザは、落書き時間が終了するまで、通常落書き、切り取り画作成、及びコラージュ作成のいずれかを行うことができる。
ステップS307において落書き時間が終了すると、ステップS308において、落書き編集が終了される。その後は、図13に示される動作が引き続き行われる。
なお、上述のステップS301〜306の処理は、編集画面101の左右のユーザでそれぞれ独立して行われるようにすればよい。すなわち、2人のユーザの一方が通常落書きを行っているとき、他方のユーザが切り取り画の作成やコラージュの作成を行うことが可能である。落書き時間は、各ユーザに共通して計時されるようにすればよい。
落書き編集時においては、大まかに、ユーザの操作等に応じて編集画面が遷移する。これにより、それぞれ適した編集画面が表示されている状態で、「通常らくがき」を行ったり、切り取り画の作成やコラージュの作成を行ったりすることができる。
[切り取り画作成の説明]
図14は、切り取り画作成時の動作を示すフローチャートである。
切り取り画作成時には、制御部501は、次のように、大まかに3種類の画面(切り取り画面140、ぼかし編集画面160、切り取り画落書き画面180)を遷移させながら、切り取り画の作成に用いる情報の入力を受け付ける。
すなわち、図14に示されるように、切り取り画作成時には、ユーザの作成作業が進むにしたがって、切り取り画面140(ステップS321)、ぼかし編集画面160(ステップS323)、切り取り画落書き画面180(ステップS325)が順に表示されることで、ユーザは、切り取り画を作成するための操作を行うことができる。
なお、切り取り画面140に遷移するとき、切り取り画面140の表示に用いられる種々の画像が生成される(ステップS321)。
また、ぼかし編集画面160や切り取り画落書き画面180に遷移するとき、遷移先の画面で作成作業に用いられる画像を生成するための時間がかかる場合がある。このようなときには、所定の待機画面が表示される(ステップS322、ステップS324)。
図15は、切り取り画面140を示す図である。
図15には、切り取り画面140のうち片側のみ(左右2人で操作されるように構成された画面のうち、一方のみ)が示されている。切り取り画面140は、切り取り画を作成する場合において、撮影画像を切り取って得られるトリム後画像の切り取り範囲を設定したり、切り取り画に施すフィルタ加工(複数の画像処理の組み合わせが指定された画像処理フィルタ)の選択作業を行ったりする際に表示される。
ここで、フィルタ加工としては、例えば、元画像に対して、コントラスト、カラーバランス、トーンカーブ、再度、透明度、テクスチャの種類及びその合成方法等、様々な要素についての画像処理の複数の組合せが設定されているものである。フィルタ加工が適用されるとは、そのフィルタ加工として予め設定された複数の画像処理の組合せを画像について適用することをいう。
図15に示されるように、切り取り画面140は、撮影画像の切り取り範囲を調整するためのトリム領域141と、切り取る対象となる撮影画像を選択するための写真選択領域151と、フィルタ加工を選択するためのフィルタ選択領域153とを含んでいる。また、切り取り画面140は、決定ボタン157と、復帰ボタン158と、前画面ボタン159とを含んでいる。決定ボタン157と、復帰ボタン158と、前画面ボタン159とは、画面を遷移する際に用いられる。
トリム領域141は、画像端表示枠143と、画像表示領域145と、ズームバー147と、回転バー(角度スライドバー)148と、回転リセットボタン149とを含んでいる。
画像端表示枠143は、その内部が切り取り画として仕上がる画像の端縁部となることを示す表示である。本実施の形態では、画像端表示枠143により囲まれた範囲が切り取り範囲となり、決定ボタン157が操作されたときに切り取られ、切り取り後の画像(以下、トリム後画像ということがある)となる。なお、画像端表示枠143よりも所定距離だけ外側の範囲や所定距離だけ内側の範囲が切り取り範囲となるように設定されていてもよい。
画像表示領域145は、画像端表示枠143で囲まれた領域である。画像表示領域145には、切り取られる対象となる元の撮影画像(元画像)のうち、画像端表示枠143で囲まれている部分が表示される。元画像のうち、その他の部位は、非表示となる。なお、元画像のうち画像端表示枠143外の部分は、画像表示領域145と同様に表示されていてもよいし、彩度や濃度などの表示態様を画像表示領域145とは変更して表示されていてもよい。このとき、撮影画像は、フィルタ選択領域153で選択されたフィルタ加工155が反映された状態で表示される。
ズームバー147は、切り取り範囲を拡大縮小(ズーミング)するために操作される部位である。ズームバー147は、縦長に表示されたレール部分の画像と、レール部分に沿ってスライドするように配置された角形のつまみ部分の画像とで構成されている。ユーザは、タッチペン583を用いてつまみ部分をレール部分に沿ってスライドさせることで、画像端表示枠143に対する元画像の大きさを変更することができる(拡大縮小操作)。このようなUIを採用することで、ユーザが直感的に切り取り範囲を調整することが可能となっている。
なお、本実施の形態では、現在表示されている画像の大きさに対して大きくなる場合を拡大と呼び、小さくなる場合を縮小と呼ぶ。元画像を拡大すると画質が劣化するため、実際には、元画像をそのとき表示するサイズにあわせて縮小したものが切り取り画面140に表示される。例えば、画像のサイズとして、サイズ1(元画像の0.6倍)、サイズ2(元画像の0.7倍)、元画像(元画像の1.0倍)とがあるとする。このとき、サイズ1で表示する場合には、元画像を0.6倍に縮小して切り取り画面140に表示する。また、サイズ1からサイズ2に拡大して表示する場合には、サイズ1で表示している画像を拡大するのではなく、元画像を0.7倍に縮小して切り取り画面140に表示する。これにより、サイズ1からサイズ2へ変更されたときに画像が拡大するように見える。
回転バー148は、切り取り範囲に表示される元画像を切り取り範囲に対して回転させるために操作される部位である。回転バー148は、横長に表示されたレール部分の画像と、レール部分に沿ってスライドするように配置された角形のつまみ部分の画像とで構成されている。ユーザは、タッチペン583を用いてつまみ部分をレール部分に沿ってスライドさせることで、画像端表示枠143に対する元画像の角度を変更することができる(回転操作)。このようなUIを採用することで、ユーザが直感的に切り取り範囲を調整することが可能となっている。回転バー148の操作時の回転中心は、例えば、画像表示領域145の中央に位置する。
なお、元画像の大きさや角度をズームバー147や回転バー148で調整可能であることを知らしめるため、初回の切り取り画面140の表示時に、操作方法を示すアニメーションを表示させたり、ポップアップ画像で操作方法を説明したり、ズームバー147や回転バー148の近傍に「ここで画像の大きさを調整できるよ」、「ここで画像を回転できるよ」などの文言を表示するようにしてもよい。
ここで、本実施の形態において、回転バー148の近くに回転リセットボタン149が配置されている。ユーザが回転リセットボタン149を操作すると、画像端表示枠143に対する元画像の角度が、初期状態(回転角0度)に戻る。これにより、ユーザは、より容易に切り取り画作成を行うことができるようになる。
トリム領域141において、ユーザは、画像表示領域145をタッチペン583で触ったままスライドさせる操作を行うことで、切り取り画面140中で、元画像を画像端表示枠143に対して移動させることができる(移動操作)。これにより、ユーザは、元画像のうち所望の位置が切り取り領域となるように調整できる。なお、移動操作が可能なときには、切り取り画面140上に表示させるポインタアイコン(タッチペン583による操作位置を示す画像など)を移動操作が行われないときとは異なる画像とすることで、移動操作中であることがユーザに認識されやすくなるようにしてもよい。
なお、画像表示領域145には、元画像を移動させることができることを示す表示が行われる。例えば、図15において示されるように、画像表示領域145の中央部に、矢印のアイコン画像144が表示される。アイコン画像144は、元画像が画像表示領域145に配置された当初に表示され、その後ユーザが画像表示領域145をタッチペン583で触ると、非表示状態となる。これにより、初めて切り取り画作成を行うユーザであっても、直感的に操作方法を知ることができ、容易に作成操作を行うことができる。
切り取り画面140において、ユーザは、写真選択領域151とフィルタ選択領域153とのそれぞれで、切り取る対象となる撮影画像と、撮影画像に適用するフィルタ加工155とを選択できる。選択された結果は、すぐにトリム領域141に反映され、元画像の大きさやフィルタ加工など、作成する切り取り画における元画像の位置や大きさ調整などを行うことができるようになる。
写真選択領域151には、それまでのプレイで撮影された撮影画像が、例えば6枚表示される。本実施の形態では、例えば、撮影シーケンスで撮影される、横辺と縦辺との比が1:1.2のアップ画像が4枚と、9:16の全身画像が2枚とが選択候補として表示される。通常落書きで入力した編集画像が合成されていない撮影画像が切り取り画の対象として利用される。
フィルタ選択領域153では、色調や明るさ等の特段の画像処理を施さないもの(「加工なし」)を含めて、8種類のフィルタ加工155が用意されている。すなわち、ユーザは、切り取り画に特段の画像処理を適用するかしないか、及び、適用するのであれば7種類のうちいずれのフィルタ加工155にするか、を選択することができる。
ユーザは、必要に応じて、トリム領域141で拡大縮小操作と、回転操作と、移動操作とを行うことで、画像表示領域145に所望の画像が表示されるようにし、その状態で決定ボタン157を操作する。そうすると、そのとき表示されている画像端表示枠143に対する元画像の位置及び角度と元画像の大きさ(又は切り取り画面140中の拡大率)とに基づいた切り取り範囲で、元画像が切り取られてトリム後画像が作成される。このとき、選択されたフィルタ加工155が適用された状態(反映された状態)の画像が、画像表示領域145に表示される。すなわち、このとき、画像表示領域145に、作成される画像のプレビュー表示が表示されることになる。ユーザは、このように作成される画像を確認しながら、画像の切り取り範囲を調節することができる。その後、ぼかし編集画面160を用いた動作が行われる。
なお、切り取り画面140に遷移するときには、予め、選択可能な撮影画像のそれぞれについて、適用可能なフィルタ加工155のそれぞれを適用した画像が生成される。このように生成された画像を用いることで、切り取り画面140でトリム後画像を生成する際に、ユーザの操作に応じて迅速に画像表示領域145のプレビュー表示を行うことができる。
図16は、ぼかし編集画面160を示す図である。
図16には、ぼかし編集画面160のうち片側のみが示されている。ユーザは、ぼかし編集画面160を用いてトリム後画像について所望の態様でぼかしを付加する操作を行うことができる(ぼかし機能)。図16に示されるように、ぼかし編集画面160は、ぼかし編集部161と、ぼかしパターン選択部171と、決定ボタン177と、復帰ボタン158と、前画面ボタン179とを含んでいる。決定ボタン177、復帰ボタン158、及び前画面ボタン179は、上述の切り取り画面140における各ボタン157〜159と同様に、画面遷移の際に用いられる。
ぼかし編集部161には、ぼかしプレビュー画像163が表示される。ぼかしプレビュー画像163は、初期状態で、トリム後画像である。ぼかしプレビュー画像163としては、ぼかしパターンの適用後の画像が、プレビュー表示される。
ぼかしパターン選択部171は、例えば、複数のぼかしパターン173(173a〜173g)をユーザに選択可能に提示する。また、ぼかしパターン選択部171においては、特定のぼかしパターン173に関して、ぼかしを行う領域のぼかしサイズ選択部175が設けられている。
ぼかし編集画面160において、ユーザは、ぼかし編集部161に表示されているぼかしプレビュー画像163について、複数のぼかしパターン173のうち好みのものを選択するパターン選択操作を行う。パターン選択操作に応じて、ぼかしプレビュー画像163の表示が変更される。ユーザにより決定ボタン177が操作されると、ぼかしプレビュー画像163の内容で画像が生成され、生成された画像が落書き編集のベースとなる切り取り画として採用される。すなわち、決定ボタン177が操作されると、そのときのぼかしプレビュー画像163について落書き編集が行えるように、切り取り画落書き画面180が表示される。
ここで、本実施の形態においては、ぼかし編集画面160において、7種類のぼかしパターン173a〜173gが適用可能に用意されている。ぼかしパターン173は、大まかに、切り取り画についてのぼかしを適用しない特定領域(以下、フォーカス領域ということがある。)を一部に含むぼかしパターン173b,173c,173d,173e,173fと、そのような領域を含まないぼかしパターン173a,173gとに分けることができる。すなわち、ぼかしパターン173gは、画像の全域にぼかしを適用しないものである(「ボケなし」)。また、ぼかしパターン173aは、画像の全域を一様にぼかすものである(「全ボケ」)。
ぼかしパターン173のうち、ぼかしを適用しないフォーカス領域を含むものは、そのフォーカス領域の形状が互いに異なる複数が用意されている。すなわち、ぼかしパターン173bは、ハート形のフォーカス領域を有するものである(「ハート」)。ぼかしパターン173cは、円形のフォーカス領域を有するものである(「マル」)。ぼかしパターン173dは、横長楕円形のフォーカス領域を有するものである(「楕円」)。ぼかしパターン173eは、縦長長方形のフォーカス領域を有するものである(「タテ」)。ぼかしパターン173fは、例えば画像の下方に山形のフォーカス領域を有するものである(「山」)。
ここで、ぼかしパターン173のうち、「山」のぼかしパターン173fは、切り取り画面140において、ユーザの全身を画角内に収めた画像についての切り取りが行われた場合にのみ選択可能になるように構成されている。ぼかしパターン173fは、画像の下部をフォーカス領域165aとし、特に、全身を画角内に収めた画像についてユーザの足下を強調するときなどに適したものであるからである。なお、これに限らず、各ぼかしパターン173は、切り取りが行われた画像の写真形状(アップ画像や全身画像の画角)に応じて、選択可能であるか否かが自動的に変更されるようにしてもよい。また、画像の写真形状に限られず、撮影コースやその他のプレイや撮影等に関する情報に基づいて、予め定められた出現条件に従って、選択可能なぼかしパターン173が自動的に変わるようにしてもよい。
ユーザがぼかしパターン選択部171においていずれかのぼかしパターン173を選択すると、選択されたぼかしパターンに応じて、制御部501は、フォーカス領域を特定する。これにより、ユーザが、好ましいと考える形状のフォーカス領域を含み、他の領域をぼかした切り取り画を生成することができる。なお、「ボケなし」のぼかしパターン173gが選択されたときには、ぼかしは適用されない。換言すると、このとき、フォーカス領域が画像の全域として特定される。他方、「全ボケ」のぼかしパターン173aが選択されたときには、画像の全域が一様にぼかされる。換言すると、このとき、フォーカス領域は画像には含まれないものとして特定される。
なお、フォーカス領域を含むぼかしパターン173を選択しているときに、フォーカス領域の切り取り画中の位置や大きさは、変更可能である。例えば、フォーカス領域の大きさを変更するには、ぼかしサイズ選択部175で適切な大きさを選択するようにすればよい。これにより、ぼかしサイズ選択部175で選択されたサイズに応じて、フォーカス領域の大きさが変更される。また、位置を変更するには、ぼかし編集部161中でフォーカス領域のドラッグ操作(位置指定操作の一例)が行われればよい。これにより、ドラッグ操作に応じて、フォーカス領域が切り取り画中で移動する。このような動作に伴って、ぼかし編集部161において、随時ぼかしプレビュー画像163の表示が更新されることで、プレビュー表示が行われる。ユーザは、得られる画像を確認しながら、ぼかしの編集を行うことができる。
なお、ぼかす程度やぼかしの種類を変更することができるように構成されていてもよい。例えば、ガウシアンフィルタを用いたぼかしを行うか、移動平均フィルタを用いたぼかしを行うかなど、ぼかし処理の種類を選択可能にしてもよい。また、ぼかしの程度が比較的大きくなるようにするか(「もやもや」としたぼかし)、小さくなるようにするか(「うっすら」としたぼかし)、それらの中間となるようにするか(「ふつう」程度のぼかし)などを選択可能になるようにしてもよい。
また、フォーカス領域に相当する範囲もぼかすようにしつつ、フォーカス領域とそれ以外の領域とで、ぼかしの態様が異なるようにしてもよい。このとき、フォーカス領域外の領域は、ぼかさないようにしてもよい。
図17は、切り取り画落書き画面180を示す図である。
図17には、切り取り画落書き画面180のうち片側のみが示されている。図17に示されるように、切り取り画落書き画面180には、上述の編集画面101と同様にパレット115などが表示されているほか、落書きを行う対象としてぼかし編集画面160の編集結果が反映された対象画像181が表示されている。切り取り画落書き画面180には、ぼかし変更ボタン191と、画像変更ボタン193と、編集終了ボタン195と、復帰ボタン158と、加工濃度調整部185とが含まれている。
ユーザは、切り取り画落書き画面180が表示されている状態で、「通常らくがき」を行う場合と同様にして、対象画像181について落書きを行うことができる。切り取り画落書き画面180において復帰ボタン158が操作されると、その状態でいったん対象画像181と落書きの内容とが保存され、落書き編集画面100に戻る。切り取り画落書き画面180において編集終了ボタン195が操作されると、一連の切り取り画作成が完了する。これにより、落書きが行われた状態の対象画像181が切り取り画として作成される。なお、いったん切り取り画作成が完了したときに切り取り画を作成するようにしてもよいし、落書き時間が終了したときに、切り取り画を作成するようにしてもよい。
なお、図17において、パレット115には、被写体の顔に配置するのに適したスタンプ(変装スタンプ)811が選択可能に表示されている。また、パレット115には、スタンプセット選択ボタン812が選択可能に表示されている。本実施の形態において、パレット115に表示されるスタンプ811の組合せ(変装スタンプセット)は2組が予め設定されており、スタンプセット選択ボタン812は、それらのいずれかを選択するために操作される。具体的には、変装スタンプセットとしては、黒色っぽい(色が濃い)服装の被写体に対して適した彩色が施されたスタンプ811が組み合わされたものと、白色っぽい(色が薄い)服装の被写体に対して適した彩色が施されたスタンプ811が組み合わされたものとの2種類が予め設定されている。スタンプセット選択ボタン812には、例えば、「今日のあなたのファッションはどっち?」という被写体の服装の色彩を尋ねる表示と、黒色っぽい(黒系の)服装であるか白色っぽい(白系の)服装であるかを選択するためのボタンの表示とが含まれる。ユーザは、これらのボタンのうち一方を選択する操作を行うことで、パレット115に表示させて落書きに用いることができる変装スタンプセットを切り替えることができる。
このようにして、被写体の服装の色に応じて、異なる彩色が施されたスタンプ811を用いることができるので、次のような効果が得られる。すなわち、スタンプ811として1種類しかない場合には、服装の色によっては、スタンプ811が服装と重なって目立たなくなり、スタンプ811の存在感が小さくなることがある。しかしながら、服装の色に応じた色彩の変装スタンプセットを用いることで、服装の色を問わず、存在感のあるスタンプ811を利用して落書きを行うことができ、完成度の高い画像を作成することができる。また、上述のような問題に対しては、ユーザが直接スタンプ811等の素材の色彩を変更することができるようにすることが考えられるが、この場合には、色彩の変更によって素材のデザイン意図が損なわれたり、ユーザが所望する色彩に調整することが困難であったりするという問題がある。これに対して、本実施の形態においては、変装スタンプセットとして、色彩も含めて予め用意されているものが用いられるので、プレイの撮影テーマや画像処理等と全体として調和の取れたスタンプ811を用いることができ、かつ、スタンプ811を用いた編集を容易に行うことができる。このような被写体の服装の色に応じて用いることができるスタンプ811の色を変更可能にすることは、切り取り画の作成時に限られず、一般的な落書き編集時等においても採用することができる。
なお、各変装スタンプセットのスタンプ811は、互いに略同型状のものであって、主にベタ塗り部の色や縁部の色などが異なるものであるが、これに限られるものではない。変装スタンプセットは、3種類以上が設けられていてもよい。また、変装スタンプに限られず、他のスタンプについても上述のように複数の組合せからユーザによる服装の色の選択に応じたものが選ばれるようにしてもよい。スタンプセット選択ボタン812として、例えば髪の色など、被写体の服装以外の要素の色彩について選択を求めるものを設け、その選択結果に応じて、用いられる素材(スタンプ等)の組合せが選択されるようにしてもよい。例えば、服装の色の選択結果に応じて選択される素材の組合せと、髪の色の選択結果に応じて選択される素材の組合せとが、それぞれ別々に設定されていてもよい。
また、ユーザによる被写体の要素の色彩に関する選択を必要とせず、制御部501が落書き対象の画像内に含まれる色を検出し、それに応じて自動的に落書きに用いることができる素材の組合せが選択されるようにしてもよい。例えば、黒色等の濃い色の占める割合が所定値以上であれば、黒系の服装に対応する素材の組合せを用いるようにし、そうでなければ白系の服装に対応する素材の組合せを用いるようにしてもよい。また、画像内の被写体を検出し、その所定の部分の色(例えば、髪部分の色)に基づいて、素材の組合せを自動的に決定するようにしてもよい。
さらにまた、スタンプ811等の素材の色を、そのデザイン意図が損なわれない範囲で変更可能にしてもよい。この場合、例えば上述のズームバー147のようなスライドバーを設け、多段階に徐々にスタンプ811の素材の色を変更できるようにしてもよい。例えば、黒色や茶色等を基色とするようなテーマのスタンプ811を用意するとき、黒色から茶色まで、スライドバーを操作することで徐々に色彩を変化させて、被写体の服装の色や髪の色等に調和するような所望の色彩を選択することができるようにしてもよい。これにより、容易な操作で、充実した落書き編集を行うことができる。
ここで、加工濃度調整部185は、調整バー187と、濃度リセットボタン188とを含んでいる。ユーザは、加工濃度調整部185を用いて操作を行うことにより、切り取り画面140で適用することが決定されたフィルタ加工155を適用する程度についての調整(以下、濃度調整ということがある)を行うことができる。例えば、調整バー187のスライダを右にスライドさせる操作を行うと、それに応じて、フィルタ加工155を適用する程度が大きくなり(フィルタ加工155が濃くなり)、左にスライドさせる操作を行うと、フィルタ加工155を適用する程度が小さくなる(フィルタ加工155が淡くなる)。また、濃度リセットボタン188が操作されると、フィルタ加工155の「濃度」(適用程度)が初期状態に戻る(リセットされる)。このようなフィルタ加工155の適用程度の調整機能(以下、濃度調整機能ということがある)の詳細については、後述する。
切り取り画落書き画面180を経て作成された切り取り画は、画像提供サーバ601に送信される。これにより、ユーザは、サーバ601にアクセスすることで、切り取り画を取得できる。
これらの各画面間の遷移を大まかにまとめると、次のようである。
図18は、切り取り画作成時における編集画面の画面遷移を説明する図である。
図18に示されるように、落書き編集画面100において、おまけらくがきに関する作成ボタンのうち第1の作成ボタン118aが操作されると、そのプレイにおいてまだ切り取り画が作成されていなければ、切り取り画面140に遷移する(S201)。そのプレイにおいて既に作成された切り取り画が保存されている状態で第1の作成ボタン118aが操作された場合には、切り取り画落書き画面180に直接遷移する(S203)。これにより、既に保存されている切り取り画がある場合、その編集状態の続きをすぐに行うことができる。
切り取り画面140では、決定ボタン157が操作されると、ぼかし編集画面160に遷移する(S205)。このとき、ぼかし編集画面160に表示するぼかしプレビュー画像163を生成するための画像処理が行われる。時間がかかるようであれば、処理待ち状態であることを示す画面表示が行われる。
切り取り画面140で復帰ボタン158が操作されると、落書き編集画面100に戻る(S215)。
ぼかし編集画面160では、決定ボタン177が操作されると、切り取り画落書き画面180に遷移する(S207)。このとき、切り取り画落書き画面180に表示する対象画像181を生成するための画像処理が行われる。時間がかかるようであれば、処理待ち状態であることを示す画面表示が行われる。
ぼかし編集画面160では、復帰ボタン158が操作されると、落書き編集画面100に遷移する(S213)。このとき、それまでで切り取り画面140を経て作成された画像を切り取り画として保存するようにしてもよい。
また、ぼかし編集画面160では、前画面ボタン179が選択されると、切り取り画面140に遷移する(S209)。このとき、前回切り取り範囲を調整した状態のままで切り取り画面140に遷移するようにすればよいが、これに限られるものではない。
切り取り画落書き画面180において、復帰ボタン158が操作されると、編集結果を保存して、落書き編集画面100に遷移する(S211)。
切り取り画落書き画面180において、ぼかし変更ボタン191が操作されると、所定の確認画面192が表示された後、ユーザの指示に応じてぼかし編集画面160に遷移する(S217)。確認画面192は、ぼかし編集画面160等に戻るのに伴って現在編集している落書きに関する情報が削除されることについて、ユーザに確認を促すメッセージを含む。ユーザは、確認画面192が表示された状態で、さらに指示を加えることにより、ぼかし編集画面160等へ戻ることを決行するか、ぼかし編集画面160等へ戻ることを中止して引き続き対象画像181への落書き編集を行うかを選択することができる。
同様に、切り取り画落書き画面180において、画像変更ボタン193が操作されると、所定の確認画面(図示せず)が表示された後、ユーザの指示に応じて切り取り画面140に遷移する(S219)。
[回転操作時の説明]
ここで、回転操作は、次のようにして、切り取り画面140の表示中に受け付けられる。
図19は、切り取り画面140の表示時の切り取り画面受付処理のフローチャートである。
図19においては、切り取り画面140の表示中にユーザの操作を受け付ける際の処理の全般が、大まかに示されている。すなわち、切り取り画面140が表示されると、切り取り画面受付処理が開始される。切り取り画面受付処理は、制御部501の制御によって行われ、切り取り画面140の表示中は繰り返し行われる。
図19に示されるように、ステップS231において、切り取り画に用いる撮影画像を選択する操作が行われたか否かが判断される。操作が行われたと判断されると、ステップS232において、画像選択処理が行われる。画像選択処理により、ユーザにより選択された撮影画像が、画像表示領域145への表示対象として選択される。
ステップS233において、トリム領域141について操作が行われたか否かが判断される。操作が行われたと判断されると、ステップS234において、切り取り編集処理が行われる。
ステップS235において、フィルタ選択領域153でフィルタ加工が選択されたか否かが判断される。選択されたと判断されると、ステップS237において、加工選択処理が行われる。すなわち、ユーザの操作に応じてフィルタ加工155が適用するものとして選択され、そのフィルタ加工155の適用後の撮影画像が画像表示領域145への表示対象として選択される。
ステップS238において、プレビュー画像すなわち切り取り画面140における画像表示領域145内の画像が更新される。これにより、ユーザは、プレビュー画像を見て、切り取り画面140における操作を常時反映させながら直感的に操作を行うことができる。
図20は、切り取り編集処理のフローチャートである。
図20に示されるように、ステップS501において、ズームバー147が操作されたか否かが検出される。ズームバー147が操作されると、すなわちユーザによる拡大縮小操作が行われると、ステップS502において、上述のようにしてサイズ変更処理が行われる。
ステップS503において、回転バー148が操作されたか否かが検出される。回転バー148が操作されると、すなわちユーザによる回転操作が行われると、ステップS504において、それが0度から離れる方向への操作であるか否かが判断される(元画像をより傾けるための操作であるか否かが判断される。)。
ステップS504において0度から離れる方向であれば、ステップS505において、第1回転処理が行われる。第1回転処理については、後述する。
ステップS504において0度から離れる方向でなければ、ステップS506において、第2回転処理が行われる。第2回転処理については、後述する。
ステップS507において、回転リセットボタン149が操作されたか否かが検出される。リセットボタンが操作されたときには、ステップS508において、回転リセット処理が行われる。回転リセット処理については、後述する。
ステップS509において、移動操作が行われたか否かが検出される。移動操作が行われたときには、ステップS510において、元画像が移動操作に応じて移動可能であるか否かが判断され、移動可能であれば、ステップS511において、移動操作に応じて画像が移動される。例えば、元画像の端部が既に画像表示領域145の周縁にあり、それ以上移動すると画像表示領域145内に余白(元画像外の領域)が入りそうなときには、移動可能でないと判断される。なお、画像表示領域145内に余白が入ることが許されるようにしてもよい(移動可能であると判断されてもよい)。
ここで、本実施の形態において、回転操作が行われると、元画像は、画像表示領域145の中央(画像端表示枠143)を回転中心として、画像端表示枠143に対して回転する。このとき、元画像と画像端表示枠143が略矩形でるところ、元画像をそのままの拡大率で回転させるようにすると、画像表示領域145内に余白(元画像以外の部分)が入り込む場合がある。本実施の形態において、これを防止するため、元画像を回転させるときには、必要に応じて、余白が画像表示領域145内に入らないように、回転量に対応する量だけ画像を拡大する処理が行われる。このような処理は、第1回転処理において行われる。
[第1回転処理の説明]
図21は、回転角を大きくする方向に回転操作が行われた場合の動作の一例を説明する図である。
図21を参照して、元画像である画像Pについて画像端表示枠143に対して回転させる回転操作が行われた場合の動作を説明する。
ステップS71に示されるように、回転操作前の状態として、略正方形の画像端表示枠143の内部に、縦長の矩形の画像Pの幅方向全部が入るような状態を想定する。
このようなときに、仮に回転のみが行われ、画像Pの拡大は行われない場合には、ステップS72に示されるようになる。すなわち、回転操作が行われると、中央部を回転中心143aとして、画像Pが画像端表示枠143に対して回転する。そうすると、斜線部で示されるように、画像Pと画像端表示枠143の角部との間に、画像P外の領域である余白が入り込む。
本実施の形態では、このように余白が入ることを避けるため、回転に応じて、画像Pが拡大される。すなわち、ステップS73に示されるように、回転操作が行われ、回転中心143aを中心に画像Pが回転される。このとき、随時、回転に伴って、余白が生じない程度に、画像Pが拡大される。画像Pが回転したとき、最初に画像Pの周縁部と画像端表示枠143の角部のいずれか1箇所とが重なるとき、画像Pの拡大が開始され、以後、回転角が大きくなるにつれて、その画像端表示枠143の角部が画像Pの周縁部上に位置する状態が保たれるように、画像Pが拡大される。
このように回転操作に伴って制御部501により自動的に画像Pが拡大されるので、回転後も、画像端表示枠143の内部に余白が入り込むことが防止される。
図22は、元画像について回転操作を行った後のトリム領域141の例を示す図である。
図22においては、元画像が画像端表示枠143に対してある程度回転した状態が示されている。上述のように、画像表示領域145内に余白が入らないようにして回転された状態では、その状態よりも元画像の拡大率が小さくなると、画像表示領域145に余白が入ってしまう。したがって、本実施の形態では、元画像が画像端表示枠143に対して回転されたとき、元画像が自動的に拡大されるとともに、拡大率がその状態よりも低くされることがないように制御される。
また、本実施の形態では、元画像が画像端表示枠143に対して回転されたとき、元画像の拡大率がその状態よりも低くすることができないことが、ユーザに視覚的に示される。具体的には、図22に示されるように、ズームバー147に、調整不可能な範囲を示すグレーアウト領域147gが表示される。グレーアウト領域147gにズームバー147のスライダを移動させようとする操作がユーザにより行われたとしても、スライダがグレーアウト領域147g内に入らないように(すなわちグレーアウト領域147g内の拡大率を選択することができないように)、制御部501により制御される。したがって、画像端表示枠143の内部に余白が入り込むことが防止される。
なお、グレーアウト表示147gとしては、図22に示されるようなものに限られず、調整不可能である範囲であることがわかるような、他の部分とは異なる色や態様で示されているものであれば、適宜用いることができる。
図23は、第1回転処理の動作を示すフローチャートである。
処理が開始されると、図23に示されるように、ステップS521において、ズームバー147の拡大率が最大であるか否かが判断される。
ステップS521において最大であれば、ステップS522において、回転操作を無視し、処理を抜ける。すなわち、この場合は、画像の回転は行われない。
ステップS523において、回転したときに画像が見切れるか否か、すなわち、回転したときにそのままでは余白が画像表示領域145に含まれてしまうか否かが判断される。見切れると判断される(余白が含まれてしまうと判断される)ときには、ステップS524〜S526の処理が行われる。
ステップS524において、ズームバー147を拡大方向に自動的に調節する。画像が見切れなくなるように、画像の拡大が行われる。
ステップS525において、回転後の、画像を拡縮可能な範囲が計算される。拡縮したときに画像表示領域145に余白が入らない(見切れない)ような範囲が、拡縮可能な範囲である。
ステップS526において、グレーアウト領域147gの表示が更新される。グレーアウト領域147gの表示は、計算された拡縮可能な範囲に基づいて更新される。
ステップS527において、画像が回転される。すなわち、ユーザの操作に応じて、画像の回転が実行される。
ステップS528において、回転バー148の表示が更新される。回転バー148におけるスライダの位置が、ユーザの操作に応じた位置(すなわち、タッチペン583に追従した位置)となる。
ステップS528の処理が行われると、引き続き、切り取り編集処理が行われる。
[第2回転処理の説明]
図24は、回転角を小さくする方向に回転操作が行われた場合のトリム領域141の表示例を説明する図である。
図24を参照して、元画像である画像Pについて画像端表示枠143に対して回転させる回転操作が行われた場合の、トリム領域141の表示内容の変化について説明する。
ステップS701に示されるように、回転操作前の状態として、画像端表示枠143の内部に、元画像が回転した状態で表示されている状態を想定する。ここで、回転バー148のスライダは、調整範囲の最大の位置にあり、回転角の大きさは略最大となっている。このとき、上述のようにして表示されるグレーアウト領域147gは、ズームバー147の略全域を覆うように表示されており、元画像の拡大率の大きさは、略最大となっている。
グレーアウト領域147gがズームバー147の略全域を覆っているところ、ズームバー147をユーザが操作して元画像の拡大率を小さくしようとしても、このような操作は無視され、反映されない。
このようなときに、回転角が0度に近づく方向に、回転操作が行われると、次のようになる。すなわち、ステップS702に示されるように、中央部を回転中心143aとして、画像Pが画像端表示枠143に対して回転する。そうすると、画像の拡大率を小さくしても直ちに余白が画像表示領域145に入るという状態にはならないため、ズームバー147のうちグレーアウト領域147gで覆われる範囲が若干少なくなる。換言すると、グレーアウト領域147gが、短くなる(縮む。)。このとき、元画像が自動的に縮小されることはなく、ズームバー147におけるスライダの位置も、回転操作の前後で変わらない。
このように、回転操作に伴ってグレーアウト領域147gが短くなるので、ユーザは、それを見て、縮小可能であることを容易に知ることができる。
さらに回転操作が行われ、回転角が0度になると、ステップS703に示されるように、画像は0度の位置になる。このとき、元画像の拡大率はそのままであって、ズームバー147におけるスライダの位置も、回転操作の前後で変わらない。回転角が0度になると、余白が生じることがなくなるので、グレーアウト領域147gは消去される(表示されなくなる。)。
これにより、ユーザは、拡大率が最小となるまで、画像を縮小することができることを容易に知ることができる。
図25は、第2回転処理の動作を示すフローチャートである。
ステップS531において、画像が回転される。すなわち、ユーザの操作に応じて、画像の回転が実行される。
ステップS532において、回転バー148の表示が更新される。回転バー148におけるスライダの位置が、ユーザの操作に応じた位置となる。
ステップS533において、回転後の、画像を拡縮可能な範囲が計算される。すなわち、拡縮したときに画像表示領域145に余白が入らないような範囲が計算される。
ステップS534において、グレーアウト領域147gの表示が、計算された拡縮可能な範囲に基づいて更新される。
ステップS534の処理が行われると、引き続き、切り取り編集処理が行われる。
図26は、回転操作及び拡大縮小操作が行われた場合のトリム領域141の表示例を説明する図である。
回転角を小さくする方向に回転操作が行われた後に、拡大縮小操作が行われる場合には、次に示すようになる。
図26において、ステップS711は、上述の図24のステップS702に対応する。すなわち、元画像は、0度よりも若干回転されており、かつ、拡大率は、略最大となっている。
ここで、画像の拡大率を下げる方向に拡大縮小操作が行われると、画像が縮小され、ステップS712に示されるようになる。すなわち、その回転角に応じて定まる拡縮可能な範囲内で、画像が縮小される。このとき、拡縮可能な範囲より拡大率が小さくなるように、ユーザがズームバー147の操作を行ったとしても、拡縮可能な範囲の下限まで縮小されるにとどまる。これにより、画像表示領域145に余白が入ることが防止される。
なお、回転角に応じて定まる拡縮可能な範囲内より拡大率が小さくなるようにズームバー147の操作が行われたときに、ズームバー147の操作に応じて画像の拡大率を小さくするとともに、回転角を0度に近づけるように画像を回転させることにより、画像表示領域145に余白が入ることを防止するようにしてもよい。このようにズームバー147の操作に対して従動的に画像を回転させることを許容する場合には、ズームバー147にグレーアウト領域147gを表示しないようにしてもよい。
[回転リセット処理の説明]
図26を参照して、回転リセットボタン149が押下された場合の動作について説明する。
ステップS711に示される状態において回転リセットボタン149が押下されると、ステップS713に示されるようになる。すなわち、画像の拡大率は略最大のまま維持され、画像の回転角が0度に戻る。画像の回転角が0度に戻るので、ズームバー147のグレーアウト領域147gは消去される。
他方、ステップS712に示される状態において回転リセットボタン149が押下されると、ステップS714に示されるようになる。すなわち、画像の拡大率は、ステップS712の状態のまま維持され、画像の回転角が0度に戻る。また、ステップS713と同様に、画像の回転角が0度に戻るので、ズームバー147のグレーアウト領域147gは消去される。
このように、回転リセットボタン149が押下されると、画像の回転角が0度に戻る。回転バー148を利用して画像の角度を0度から変更したときに、回転バー148を用いて再度0度に正確に戻す操作を行うのは困難な場合がある。しかしながら、このように回転リセットボタン149を用いることで、容易にかつ確実に、画像の回転角を0度に設定することができる。
なお、回転リセットボタン149の押下時に、画像の拡大率はそのまま維持される。したがって、回転角のみを0度に戻し、意図する範囲が画像表示領域145に表示されるように容易に操作を行うことができる。
回転リセットボタン149の押下時に、画像の拡大率も初期状態に戻るようにしてもよい。
図27は、回転リセット処理の動作を説明するフローチャートである。
図27に示されるように、回転リセットボタン149が操作されると、ステップS541において、画像が回転される。すなわち、画像の回転角が0度に戻される。
ステップS542において、回転バー148の表示が更新され、スライダの位置が0度の位置に戻される。
ステップS543において、ズームバー147のグレーアウト領域147gが消去される。これにより、ユーザは、画像を広い範囲で縮小できることを容易に知ることができる。
ステップS543の処理が行われると、引き続き、切り取り編集処理が行われる。
なお、回転角が大きくなるように回転操作が行われるとき、画像の回転中心143aの位置が回転操作に伴って変更されるようにしてもよい。
図28は、回転操作が行われたときの動作の一例を説明する図である。
図28に示されるように、元画像である画像Pについて画像端表示枠143に対して回転させる回転操作が行われた場合の動作を説明する。
ここでは、ステップS76に示されるように、回転操作前の状態として、元画像Pの回転角は0度であって、拡大率が拡縮可能な範囲の最大であるような状態を想定する。
このようなときに、回転操作が行われると、ステップS77に示されるようになる。すなわち、回転操作が行われると、中央部を回転中心143aとして、画像Pが画像端表示枠143に対して回転する。そうすると、元画像Pの周縁部に、画像端表示枠143の角部が接する状態となる。
ここで、元画像Pの拡大率が最大であるところ、これ以上このまま回転中心143aを中心に回転すると、画像表示領域145に余白が入る。そこで、元画像Pに対する回転中心143aの位置が、画像表示領域145に余白が入らないように変更されるようにしてもよい。すなわち、ステップS77の状態からさらに回転操作が行われると、画像端表示枠143の角部が元画像Pの周縁部に接する状態が維持されるように画像端表示枠143に対する元画像Pの位置が変更され、ステップS78に示されるようになる。ステップS78において、回転中心143aの位置すなわち画像端表示枠143の中央の位置は、ステップS77における回転中心143z(破線で示す)の位置から変位している。
このような制御を行うことで、効果的に、画像表示領域145に余白が入ることを防止できる。回転操作に伴ってスムーズにプレビュー画像の表示を変化させることで、ユーザにとって違和感の少ないユーザインターフェイスを提供することができる。
以上のように、本実施の形態においては、切り取り画面140においてユーザが容易に回転操作を行える。ユーザは所望の範囲を画像表示領域145に収めて切り取り画を作成できるので、プレイするユーザの満足度を向上させることができる。
なお、回転操作に関して、元画像の種類や、元画像の縦横比などに応じて、回転操作を実行可能であるか否かが変更されたり、回転可能な角度の範囲が変更されたりしてもよい。例えば、切り取り画を作成する際に縦横比が比較的大きい画像が元画像として選択されている場合には、回転操作を実行不可能にしたり、回転可能な角度の範囲を比較的小さく設定したりするようにしてもよい。また、例えばユーザの上半身が画像中に納まるように撮影された撮影画像である「アップ画像」と、ユーザの頭から足先までが画像中に納まるように撮影された撮影画像である「全身画像」とが元画像として選択可能である場合において、「全身画像」が元画像として選択されたときには、回転操作を実行不可能にしたり、回転可能な角度の範囲を比較的小さくするようにしてもよい。
このように、選択された元画像の種類や縦横比などに応じて回転操作を実行不可能にするときには、例えば、切り取り画面140において、回転バー148を非表示としてもよいし、ユーザが見て操作ができないことがわかるように回転バー148を淡色で表示したりグレーアウト表示を行ったりするようにしてもよい。
元画像の種類が例えば「全身画像」である場合や元画像の縦横比が比較的大きい場合などに、回転操作が行われたときに余白が画像表示領域145に入らないようにするには、画像の拡大率を相当大きくする必要がある。画像の拡大率が大きいと、切り取り画を作成したときに、ブロックノイズなどが目立ち、画像が劣化して見えることがある。また、「全身画像」のように、あえて画角を広くして、被写体の広い範囲が撮影画像に納まるように意図されたものが元画像であっても、切り取り画においては、その一部しか表示させることができないので、撮影の意図を反映させることができない。したがって、このような場合には回転操作を実行不可能にすることにより、ユーザが魅力的な切り取り画を作成しやすくなる。
[ぼかし機能に関する説明]
図29は、ぼかし編集画面160におけるぼかしプレビュー画像163のレイヤ構成を説明する図である。
図29に示されるように、ぼかしプレビュー画像163は、下から順に、トリム後画像レイヤ951aと、マスクレイヤ951cと、ぼかしレイヤ951bとが重ねられて構成されている。
トリム後画像レイヤ951aは、トリム後画像が配置されたレイヤである。
ぼかしレイヤ951bは、トリム後画像の全面にぼかしを適用してなる画像が配置されたレイヤである。
マスクレイヤ951cは、フォーカス領域に相当する領域を特定する、いわゆるアルファチャンネルのマスクデータが配置されたレイヤである。ぼかしレイヤ951bのうちマスクデータと重なる領域は透過領域となる。
例えばハート形のぼかしパターン173bが選択されている場合には、マスクレイヤ951cには、フォーカス領域となるハート形のマスクデータが配置される。そうすると、ぼかしプレビュー画像163は、マスクデータ部分はトリム後画像レイヤ951aが見え、その周囲にぼかしレイヤ951bが見える画像となる。すなわち、フォーカス領域を除いてぼかしが施された画像が表示される。なお、決定ボタン177が操作されたときには、これらの3つのレイヤに基づいて、切り取り画落書き画面180における対象画像181が用意される。
フォーカス領域を移動させるドラッグ操作(位置指定操作)が行われたときには、マスクレイヤ951cのみが、その操作に追従して、他のレイヤに対して変位する。また、フォーカス領域の大きさを変更する操作が行われたときには、マスクレイヤ951cのマスクデータの大きさが変更される。これにより、トリム後画像レイヤ951aが見える領域すなわちフォーカス領域が移動したり、大きさが変わったりし、ユーザの操作を反映したぼかしプレビュー画像163が表示されることになる。
このように、本実施の形態においては、フォーカス領域についての位置指定操作や大きさの変更操作が行われたとき、それに応じてマスクレイヤ951cのみが変更され、その結果として、ぼかしプレビュー画像163の表示内容がリアルタイムで変更される。このような操作が行われるたびにトリム後画像自体が処理されるのではなく、アルファチャンネルのデータを利用してぼかしプレビュー画像163が変更されるので、ユーザの操作に対するぼかしプレビュー画像163の表示内容の追従性が良好になり、快適にぼかし編集を行うことができる。
なお、全領域にぼかしがないぼかしパターン173gが選択されている場合には、マスクレイヤ951cには、全領域をマスクするマスクデータが配置されればよい。これにより、ぼかしがない、トリム後画像レイヤ951aの画像がぼかしプレビュー画像163として表示される。また、全領域に一様にぼかしが施されておりフォーカス領域が含まれないぼかしパターン173aが選択されている場合には、マスクレイヤ951cには、マスクデータが配置されない。これにより、全領域においてぼかしレイヤ951bの画像がぼかしプレビュー画像163として表示される。なお、これらの場合において、マスクレイヤ951cを用いずに、ぼかしプレビュー画像163の表示等が行われるようにしてもよい。
切り取り画面140においてトリム後画像が生成されると、ぼかし編集画面160において、トリム後画像を用いて、次のようにぼかし機能が行われる(ぼかし編集受付処理)。
図30は、ぼかし編集受付処理を示すフローチャートである。
図30に示されるように、ぼかし編集画面160が表示されると、ステップS251において、ぼかし編集部161に、ぼかしプレビュー画像163が表示される(プレビュー表示)。このとき、ぼかしプレビュー画像163は、例えば、トリム後画像の全域がぼかされた状態すなわちぼかしパターン173aが選択されている状態で表示される。なお、他のぼかしパターン173が選択されている状態でプレビュー表示が行われるようにしてもよい。例えば、ぼかしがない状態(ぼかしパターン173gが選択されている状態)でプレビュー表示が行われるようにしてもよい。
ステップS252において、ぼかしの種類が変更されたか否かが検出される。すなわち、現在選択されているものとは異なるぼかしパターン173が選択されると、それが検出される。このようなパターン選択操作が行われた場合には、ステップS253に進む。すなわち、ステップS253において、ユーザにより行われたパターン選択操作に応じて、ぼかしを変更する処理が行われる。具体的には、マスクレイヤ951cのマスクデータが、変更操作に応じて変更される。
ステップS254において、フォーカス領域が移動可能であるかが判断される。すなわち、ぼかしがあり、フォーカス領域が含まれるようなぼかしパターン173(173b〜173f)が選択されているか否かが判断される。フォーカス領域が移動可能でないと判断されたとき(「全ボケ」又は「ボケナシ」であるとき)には、ステップS258の処理に進む。
ステップS255において、フォーカス領域について、位置指定操作又は大きさ選択操作が行われたか否かが判断される。すなわち、フォーカス領域を移動させるドラッグ操作が行われると、それが検出される。また、ぼかしサイズ選択部175で現在の大きさとは異なる大きさが選択されると、それが検出される。いずれかの操作が行われた場合には、ステップS256に進む。すなわち、ステップS256において、ユーザにより行われた操作に応じて、マスクデータの位置を変更したり、大きさ(拡大率)を変更したりする処理が行われる。
ステップS253又はステップS256の処理が行われると、ステップS257において、ぼかしプレビュー画像163の表示が更新される。これにより、ユーザは、操作の結果をプレビュー表示により確認することができる。
ステップS258において、前画面ボタン179又は決定ボタン177が操作されたか否かが判断される。操作が行われると、その操作に応じた画面遷移が行われる。操作が行われるまで、ステップS252以降の処理が繰り返し行われる。
図31は、ぼかし編集機能について説明する図である。
図31においては、ぼかし編集部161と、ぼかしパターン選択部171とが示されている。ぼかし編集部161の画像中の斜線部は、ぼかしが適用されていることを示している。以下の説明において、ハート形のぼかしパターン173bが選択されており、フォーカス領域の大きさは、例えば3段階(大、中、小)のうち2番目の大きさ(中)が選択されている場合を想定する。
ぼかし編集部161には、ぼかしパターン173bに対応するようにフォーカス領域165aが設けられた状態のぼかしプレビュー画像163が表示される。本実施の形態において、フォーカス領域165aとその外側のぼかし領域165cとの境界部165bは、ぼかし領域165cと比べてぼかし量が小さく見えるように表示される。これにより、フォーカス領域165aからぼかし領域165cまで、その境界部165bにおいて徐々にぼけるように見える。このような境界部165bにおける効果は、例えば、マスクレイヤ951cのマスクデータを調整することにより実現できるが、このような方法に限られるものではない。また、境界部165bは設けられていなくてもよい。なお、以下の説明において、境界部165bの図示やその説明は省略する場合がある。
ここで、この場合において、フォーカス領域165aは移動可能である。そのような場合には、フォーカス領域165aの中央部には、フォーカス領域165aが移動可能であることを示すアイコン表示164aが表示される。アイコン表示164aは、例えば最初にフォーカス領域165aが移動可能となってからユーザがフォーカス領域165aの位置指定操作を行うまでの間に表示されるようにすればよいが、これに限られるものではない。
図32は、パターン選択操作が行われたときの動作を説明する図である。
図32を参照して、パターン選択操作が行われたときのぼかし編集部161の表示内容の変化について説明する。
ステップS81に示されるように、操作前の状態として、画像の全域にぼかしが適用されている状態(すなわち、ぼかしパターン173aが選択されている状態)を想定する。
このようなときに、パターン選択操作により、「ボケなし」のぼかしパターン173gが選択されると、ステップS82に示されるようになる。すなわち、画像の全域にぼかしがない、トリム後画像と同様の画像が表示される状態となる。
ステップS81に示される状態又はステップS82に示される状態から、パターン選択操作により、ハート形のぼかしパターン173bが選択されると、ステップS83に示されるようになる。すなわち、ぼかし編集部161には、ぼかしパターン173bに対応するハート形のフォーカス領域165aと、ぼかし領域165cとが設けられる。このとき、フォーカス領域165aは移動可能であるので、中央部にアイコン表示164aが配置され、ユーザは位置指定操作を行うことができる。
図33は、位置指定操作が行われたときの動作を説明する図である。
図33を参照して、位置指定操作が行われたときのぼかし編集部161の表示内容の変化について説明する。
ステップS84は、図32のステップS83と同様の状態である。すなわち、ハート形のぼかしパターン173bが選択されており、まだ位置指定操作が行われていない状態である。
ここで、ユーザにより、フォーカス領域165aを左に移動させるドラッグ操作が行われると、ステップS85に示されるようになる。すなわち、ユーザのドラッグ操作に従って、フォーカス領域165aがぼかし編集部161内で左側に移動する。
また、ステップS84又はステップS85の状態から、フォーカス領域165aを右上の位置まで移動させるようにドラッグ操作が行われると、ステップS86に示されるようになる。すなわち、ユーザの操作に従って、フォーカス領域165aが、ぼかし編集部161内の右上の位置に移動する。
このように位置指定操作に応じてフォーカス領域165aの位置が変わるので、例えばユーザの顔の周辺などをぼかしたくないというようなニーズにも適切に応えることができる。
なお、位置指定操作では、例えばフォーカス領域165aの外形形状とぼかしプレビュー画像163との位置関係に応じて、フォーカス領域165aの移動範囲に制限を設けるようにしてもよい。
図34は、大きさ選択操作が行われたときの動作を説明する図である。
図34を参照して、大きさ選択操作が行われたときのぼかし編集部161の表示内容の変化について説明する。
ステップS87は、図32のステップS83と同様の状態である。すなわち、ハート形のぼかしパターン173bが選択されており、まだ大きさ選択操作が行われていない状態である。本実施の形態で、ぼかしサイズ選択部175においては「大」、「中」、「小」の3段階の大きさを選択可能であり、初期状態では、そのうち「中」の大きさが自動的に選択されている。
ここで、ユーザにより、大きさを「小」とする大きさ選択操作が行われると、ステップS88に示されるようになる。すなわち、ユーザの操作に従って、フォーカス領域165aの大きさが縮小される。換言すると、フォーカス領域165aは、例えば、相似形の小さい領域に変更される。
また、ステップS87又はステップS88の状態から、大きさを「大」とする大きさ選択操作が行われると、ステップS89に示されるようになる。すなわち、ユーザの操作に従って、フォーカス領域165aの大きさが拡大される。
このように大きさ選択操作に応じてフォーカス領域165aの大きさが変わるので、フォーカス領域165aを、特徴的な形状を維持したまま好みの大きさに変更することができ、容易に所望の態様でぼかしを適用することができる。
なお、図34に示される例では、ステップS87からステップS89までに、位置指定操作は行われない。このような場合には、ステップS87で表示されているアイコン表示164aは、ステップS88においてもステップS89においても、継続して表示されるようにすればよいし、例えば大きさ選択操作などが行われたときにアイコン表示164aが非表示になるようにしてもよい。また、アイコン表示164aは、表示されてから所定の時間が経過したときに非表示になるなど、時間の経過に伴って表示状態が変更されるようにしてもよい。
大きさ選択操作は、上述の例よりも多くの段階でフォーカス領域165aの大きさを選択できるものであってもよい。このとき、大きさは、例えばズームバー147のようなユーザインターフェイスなどを用いたり、繰り返し拡大又は縮小の指示を受け付けるユーザインターフェイスなどを用いたりして、選択可能にしてもよい。
また、大きさ選択操作において、選択できる大きさは、フォーカス領域165aの形状(ぼかしパターン173)に応じて制限されたり、フォーカス領域165aとぼかしプレビュー画像163との位置関係に応じて制限されたりするようにしてもよい。
図35は、他のぼかしパターン173が選択されているときのぼかし編集部161の表示例を示す図である。
図35において、上段から、ぼかしパターン173cが選択されている場合、ぼかしパターン173dが選択されている場合、ぼかしパターン173eが選択されている場合、ぼかしパターン173fが選択されている場合のそれぞれについて示されている。これらのぼかしパターン173が選択されている場合には、いずれも、フォーカス領域165aは移動可能である。
このように、複数のぼかしパターン173が設定されていることで、ユーザは、所望のぼかしパターン173を選択して理想に近いぼかし方でぼかした画像を作成することができる。
ここで、トリム後画像の端縁部いっぱいまでフォーカス領域が設けられているような場合には、位置指定操作に対するフォーカス領域165aの移動が制限されるようにしてもよい。
図36は、ぼかしパターン173eが選択されているときの動作について説明する図である。
図36においては、ぼかしパターン173eがトリム後画像に配置されるときの位置指定操作の例が示されている。
ステップS84aにおいて、ぼかしパターン173eが適用された初期状態においては、フォーカス領域165aは、トリム後画像の上下端部まで設けられている。フォーカス領域165aとぼかし領域165cとの間には境界部165bが設けられ、フォーカス領域165aからぼかし領域165cに向かって徐々にぼけているように見えるようになっている。
ここで、フォーカス領域165aを下に移動させるように位置指定操作が行われると、ステップS85aに示されるようになる。すなわち、ステップS85aにおいて、位置指定操作に関わらず、フォーカス領域165aの位置は下方向に移動せず、ステップS84aに示される状態が維持される。
仮に、図に括弧で囲んで示されるように、フォーカス領域165aが下に移動したとすると、フォーカス領域165aの上部のフォーカス領域165aが設けられていない部分が切り取り画の内部に入ることになる。そうすると、縦方向に帯状のフォーカス領域165aを設けるというぼかしパターン173eの設定意図が反映された画像が生成できなくなる。また、このとき、フォーカス領域165aの上端には境界部165bのような領域が設けられないので、フォーカス領域165aとぼかし領域165cとの境界が際立って目立つことになり、ユーザに違和感を覚えさせる画像となる。したがって、ぼかしパターン173eについては、上下方向へのフォーカス領域165aの移動は無視されるように、移動制限が設定されている。
なお、ステップS84a又はステップS85aのから、フォーカス領域165aを左に移動させるように位置指定操作が行われると、ステップS86aに示されるようになる。すなわち、左右方向についてはフォーカス領域165aの移動制限が設けられていないので、位置指定操作に従って、フォーカス領域165aが左に移動する。
なお、このような例は、フォーカス領域165aに対応するアルファチャンネルのマスクの大きさがトリム後画像よりも小さい場合のものであるが、マスクの大きさがトリム後画像よりも大きく設けられている場合には、移動制限が設けられていなくてもよい。
図37は、ぼかしパターン173eが選択されているときの動作の別の例について説明する図である。
図37においては、上述とは異なり、アルファチャンネルのマスクの大きさがトリム後画像よりも大きく設定されている場合が示されている。すなわち、ステップS84bに示されるように、トリム後画像の端縁部よりも外側まで、フォーカス領域165aが適用できるように用意されている。
フォーカス領域165aを下に移動させるように位置指定操作が行われると、ステップS85bに示されるようになる。すなわち、ステップS85bにおいて、位置指定操作に従ってフォーカス領域165aが下に移動する。しかしながら、移動後もフォーカス領域165aがトリム後画像の上端まで適用可能な状態が維持されており、フォーカス領域165aの移動を制限した場合と同様の結果が得られる。
なお、このようにフォーカス領域165aに対応するアルファチャンネルのマスクが大きく設定されている場合において、そのマスクの外縁と、トリム後画像の外縁との位置関係に応じて、位置指定操作についてのフォーカス領域165aの移動制限を設けるようにしてもよい。
ここで、ぼかし編集画面160において、上述の様々な編集方法のほか、次のような編集機能が設けられていてもよい。例えば、フォーカス領域165aを回転させることができるようにしてもよい。このとき、90度毎に回転させたり、上述の回転操作と同様の操作を受け付けてフォーカス領域165aを回転させたりすることができるようにしてもよい。また、フォーカス領域165a又はフォーカス領域165a外の領域に、色を付したり、明るさを変化させたりするなど、種々の画像処理を適用できるようにしてもよい。また、フォーカス領域165aを複数配置できるようにしてもよい。
図38は、本実施の形態の一変型例に係るぼかし編集画面160bを示す図である。
図38に示されるように、ぼかし編集画面160bにおいては、回転ボタン174と、ぼかし追加ボタン176とが設けられているほかは、上述のぼかし編集画面160と同様である。本例では、フォーカス領域165aを複数配置することができ、また、フォーカス領域165aを回転させたうえで配置することができるようになっている。
ぼかし追加ボタン176は、1つの画像について、複数のフォーカス領域165aを配置するために利用されるボタンである。例えば、ぼかし追加ボタン176を操作した後で所望のぼかしパターン173を選択することで、新たに選択したぼかしパターン173に対応する形状のフォーカス領域165aがぼかし編集部161に配置される。なお、複数のぼかしは、例えば互いに別々のレイヤに、それぞれのフォーカス領域165aに対応する形状のアルファチャンネルのマスクデータが配置されることで実現されるようにすればよい。この場合、位置指定操作や大きさ変更動作をレイヤ毎に適用できるようにすることで、複数のフォーカス領域165aの位置や大きさを個別に編集することができる。
複数のフォーカス領域165aを配置することで、例えば2人のユーザが写る切り取り画を生成する場合に、各ユーザの顔等をフォーカス領域165aとするというように、切り取り画をぼかすことができる。
回転ボタン174は、フォーカス領域165aを回転させたうえで配置することができるように、回転可能なフォーカス領域165aに対応するぼかしパターン173の下方に配置されている。回転ボタン174は、右回転させるものと左回転させるものとが設けられており、それぞれの回転ボタン174が操作されるごとに、そのぼかしパターン173に対応するフォーカス領域165aが所定の角度(例えば、10度)だけ回転する。これにより、回転させた後のフォーカス領域165aを配置することができる。また、フォーカス領域165aの回転に伴い、それが適用されている編集中の画像のプレビュー表示と、ぼかしパターン173の表示内容とが変更される。
なお、回転ボタン174は、回転前後で形状が変化しない真円形のぼかしパターン173cや、「全ボケ」のぼかしパターン173aについては表示されない。また、回転ボタン174に加えて、回転角度を初期状態に戻すためのリセットボタンが配置されていてもよい。
このような回転ボタン174が設けられており、フォーカス領域165aを回転させたうえで配置したり、配置した状態で回転させたりすることができるので、多様なぼかしを行うことができる。また、特に切り取り画面140で画像を回転させてトリム後画像を生成した場合において、フォーカス領域165aを画像の回転角に応じて回転させることができる。したがって、画像を回転させた場合であっても、その画像に適合する形状のフォーカス領域165aを配置することができる。
例えば「タテ」のぼかしパターン173eのように、画像の周縁部までフォーカス領域165aが位置するものについては、回転した場合であっても画像の周縁部まで確実にフォーカス領域165aが設けられるように、マスクデータが用意されていればよい。例えば、ぼかしパターン173eが適用される場合において、画像の対角線に沿って帯状のフォーカス領域165aが配置されるようにした場合であっても画像の周縁部から周縁部までがフォーカス領域165aでカバーされるように、フォーカス領域165aの長手方向の長さが画像の対角線の長さよりも長くなるようにマスクデータが用意されていればよい。
なお、切り取り画面140で画像を回転させてトリム後画像が生成された場合において、その画像の回転角に応じて、フォーカス領域165aの形状が自動的に回転されるようにしてもよい。
フォーカス領域165aの形状は、ユーザが任意で設定できるようにしてもよい。例えば、ぼかし編集画面160に、ユーザがペン操作等を行うための消しゴムツールやスタンプツールを用意し、そのツールで操作されたとおりに、マスクレイヤ951cにマスクデータが配置されるようにしてもよい。これにより、ユーザが自由にぼかしたい領域と明瞭にしたい領域とを設定できるようになる。このとき、消しゴムツールなどで生成されるマスクデータの生成態様を変更できるようにしてもよい。例えば、マスクデータの透明度(濃度)を変化させたり、生成領域の大きさ(ペン先の大きさ)を変化させたりすることで、多様なフォーカス領域165aを設定できるようになる。
また、被写体と背景との境界を判定して被写体の形状のマスク(人物マスク)を生成し、被写体をフォーカス領域165aとして背景部分のみにぼかしを適用できるようにしてもよい。このとき、背景と共に、被写体の外縁部分をぼかすようにすることで、ポートレイト写真のような立体感のある画像を作成できるようにしてもよい。
図39は、回転操作を行ってトリム後画像を生成した場合の切り取り画落書き画面180の一例を示す図である。
本実施の形態において、図39に示されるように、回転操作を行ってトリム後画像を生成した場合には、切り取り画落書き画面180において表示されるパレット115において、所定のスタンプ等は、画像の回転操作に応じた角度で回転した状態で表示されるように構成されている。
図39においては、画像が左回りに約30度回転されてトリム後画像が生成された場合が示されている。このとき、上述の図17に示されるようなスタンプ811についても、回転操作による画像の回転角と同じ角度だけ回転した状態で、選択可能に表示される(スタンプ811a)。
このように、切り取り画面140において画像が回転された角度に応じて、切り取り画落書き画面180における落書き用の素材の初期表示状態を変化させることで、ユーザの素材の角度を画像の角度に合わせて調整する手間が省かれる。よって、容易にかつ速やかに、充実した内容の落書きを行えるようになり、プレイするユーザの満足度が高くなる。また、このように自動的にスタンプ811等の回転角を変更するとき、パレット115でなされたユーザのマニュアル操作に応じて回転させるときの角度ステップ(例えば、回転ボタンが操作されるごとに10度ずつ回転させるなど)に従わずに、それより細かな角度ステップで回転可能な画像の回転角と同じ角度で回転させるようにすればよい。これにより、回転させた画像とそれに対して配置されるスタンプ811等との調和を確実にとることができる。
なお、このように自動的に回転角を変更する素材は、予め定められている種類のものに限ればよい。例えば、上述のように被写体の頭部や目の位置に合わせて配置する事を想定されているスタンプ(スタンプ811等)については自動的に回転させ、文字等が含まれるスタンプについては回転させないなどというように、適宜設定することができる。
[切り取り画落書き及び濃度調整機能に関する説明]
図40は、切り取り画落書き画面180においてプレビュー表示される画像のレイヤ構成を説明する図である。
図40に示されるように、画像は、下から順に、下側人物レイヤ952aと、上側人物レイヤ952bと、フレームレイヤ952cと、落書きレイヤ952dとが重ねられて構成されている。
下側人物レイヤ952aは、ぼかし編集画面160を経て生成された画像に基づいて配置されたレイヤである。すなわち、下側人物レイヤ952aに配置されている画像は、切り取り画面140で選択されたフィルタ加工155やぼかし編集画面160での編集後のぼかしが適用された画像に基づいて生成されたものである。
上側人物レイヤ952bは、下側人物レイヤ952aと同一の画像が配置されたレイヤである。
フレームレイヤ952cは、切り取り画落書き画面180などで適用することが選択されたフレーム画像が配置されるレイヤである。
落書きレイヤ952dは、切り取り画落書き画面180で行われる落書き操作に従って画像が配置されるレイヤである。
なお、レイヤ構成はこれに限られない。例えば、落書き操作に応じて変更されるレイヤが複数にわたって配置されていてもよい。
ここで、下側人物レイヤ952aと上側人物レイヤ952bとのそれぞれに配置される画像は、例えば、次のようにして生成されていればよい。すなわち、本実施の形態において、下側人物レイヤ952aと上側人物レイヤ952bとは、乗算合成により合成されて、切り取り画として生成される。そこで、両レイヤ952a,952bを乗算合成したときに、切り取り画面140やぼかし編集画面160でプレビュー表示されていた画像と同様の画像になるように、フィルタ加工155に基づいて生成された画像が、両レイヤ952a,952bに配置されている。なお、後述するように濃度調整機能によってフィルタ加工155の濃度は変更されるところ、その初期状態にあわせて両レイヤ952a,952bが用意される。
図41は、切り取り画落書き受付処理を示すフローチャートである。
切り取り画落書き画面180に遷移すると、切り取り画落書き受付処理が実行される。
図41に示されるように、ステップS271において、対象画像181のプレビュー表示が行われる。なお、既に落書きが行われている場合に再度切り取り画落書き画面180に遷移した場合には、その内容がプレビュー表示に反映されるようにしてもよい。
ステップS272において、落書き操作が行われたか否かが判断される。操作が行われた場合には、ステップS273において、その操作内容が反映される。
ステップS274において、調整バー187が操作されたか否かが判断される。操作が行われた場合には、ステップS275において、その操作内容が反映され、濃度調整が行われる。
ステップS276において、濃度リセットボタン188が操作されたか否かが判断される。操作が行われた場合には、ステップS277において、フィルタ加工155の濃度が初期状態に戻される。
ステップS278において、プレビュー表示の表示内容が更新される。これにより、ユーザの操作が行われたときには、その結果を切り取り画落書き画面180において確認できる。
ステップS279において、編集終了ボタン195等、画面遷移を伴う操作ボタンが操作されたか否かが判断される。操作が行われると、その操作に応じた画面遷移が行われる。操作が行われるまで、ステップS272以降の処理が繰り返し行われる。
ここで、ユーザが、加工濃度調整部185を用いた操作を行ったとき、次のようにして濃度調整が行われる。
本実施の形態においては、上述のように下側人物レイヤ952aと上側人物レイヤ952bとを乗算合成することにより、切り取り画が生成されるように構成されている。ここで、乗算合成の合成結果が、濃度調整後の結果に反映される程度が変更されることにより、フィルタ加工155の濃度が変更されるような効果が得られるようになっている。
すなわち、一般に、乗算合成は、画素毎、RGBの色毎に、階調の値を掛け合わせて行われる。
(合成結果)=(上側人物レイヤ952bの階調の値)*(下側人物レイヤ952aの階調の値)/255
ここで、上側人物レイヤ952bと下側人物レイヤ952aとは同一の画像であるので、上側人物レイヤ952bの階調の値(又は下側人物レイヤ952aの階調の値)をAとして表すと、合成結果は、次のようになる。
(合成結果)=A^2(Aの2乗)/255
この合成結果と、上側人物レイヤ952b(又は下側人物レイヤ952a)の階調の値(A)とを用いて、さらに濃度調整の計数(xパーセントとする)を鑑み、次のように、画素毎、RGBの色毎に、濃度調整後の結果(調整結果)が得られる。
(調整結果)=A−(A−(合成結果))*x/100
すなわち、濃度調整の計数が最も高い場合(x(パーセント)=100である場合)には、濃度調整後の結果は、一般的な合成結果と同様になる。他方、濃度調整の計数が最も低い場合(x=0である場合)には、濃度調整後の結果は、上側人物レイヤ952b又は下側人物レイヤ952aと同様になる。なお、初期状態としては、例えば、濃度調整の計数xが例えば中間値である50パーセントに設定されるようにすればよい。換言すれば、この状態で標準的なフィルタ加工155の濃度となるように、上側人物レイヤ952bと下側人物レイヤ952aとが用意される。
このような濃度調整を行うことにより、ユーザは、撮影画像と、適用したいフィルタ加工155との関係に応じて、所望のフィルタ加工結果が得ることができる。
なお、濃度調整を行うことができる範囲は、例えば選択されたフィルタ加工155毎に変更されるようにしてもよい。これにより、比較的簡易な処理方法を用いたままで、通常ではありえない態様になるような濃度がユーザによって選択可能になることがなくなる。したがって、濃度調整に失敗することがなくなり、常に品質の高い切り取り画を生成することができる。
なお、特段の画像処理を行わないフィルタ加工155が選択されている場合には、調整バー187や濃度リセットボタン188などが非表示とされたりグレーアウト表示とされたりして、濃度調整に関する操作が受け付けられないようにしてもよい。
なお、濃度調整は、例えば次のように実現されてもよい。
図42は、本実施の形態の一変型例における、切り取り画落書き画面180においてプレビュー表示される画像のレイヤ構成を説明する図である。
図42に示されるレイヤ構成は、図40に示される下側人物レイヤ952aに代えて、フィルタ加工155に基づかない画像が配置された下側人物レイヤ954aが用いられている点で異なっており、その他のレイヤは同様である。下側人物レイヤ954aに配置されている画像は、フィルタ加工155が適用されていないトリム後画像について、ぼかし編集結果を適用したものであり、上側人物レイヤ952bとはフィルタ加工155が適用されているか否かのみが異なるものである。
このような場合において、濃度調整は、上側人物レイヤ952bの表示濃度を変更することにより行うことができる。すなわち、この場合、調整バー187を操作することで、上側人物レイヤ952bの表示濃度が変更される。そうすると、上側人物レイヤ952bの表示濃度に応じて、フィルタ加工155が適用されていない下側人物レイヤ954aが透けて見えることで、フィルタ加工155の濃度が変化するように見える。
[コラージュ作成の説明]
本実施の形態において、コラージュ作成では、大まかに、「簡単コラージュ」、「カバーコラージュ」、及び「フリーコラージュ」の3種類のデザインのコラージュ画像を作成できる。簡単コラージュ及びカバーコラージュによれば、予め用意されたテンプレート画像中の所定領域に撮影画像を配置し、その上で落書きを行うことでコラージュ画像を生成できる。他方、フリーコラージュによれば、所定の範囲のキャンバスに、撮影画像を任意に配置したり、文字や図形等を配置したりする(予め用意されたスタンプ画像を配置したり、ペンで書き込んだりする)ことで、自由にコラージュ画像を生成できる。
本実施の形態において、カバーコラージュで作成するコラージュ画像は、例えば所定のSNSなどインターネット上で提供されるウェブサービスでユーザが用いるのに適した背景画像として利用できる。例えば、「SNS A」(第1のウェブサービス)、「SNS B」(第2のウェブサービス)、「SNS C」(第3のウェブサービス)の3つのウェブサービスのそれぞれについて、ユーザの設定操作に基づいて表示される背景画像として、コラージュ画像を生成することができる。
図43は、コラージュ作成時の動作を示すフローチャートである。
図43に示されるように、コラージュ作成が開始されると、ステップS341において、デザイン選択操作が受け付けられる。デザイン選択操作は、「簡単コラージュ」、「カバーコラージュ」、及び「フリーコラージュ」の3種類のデザインの中から、ユーザが所望のものを選択することで行われる。本実施の形態では、「カバーコラージュ」の選択肢は、「SNS Aカバーコラージュ」、「SNS Bカバーコラージュ」、「SNS Cカバーコラージュ」というように、上述の第1から第3のウェブサービスのそれぞれに対応する3つの選択肢に細かく分けられて設けられているが、これに限られるものではない。デザイン選択操作は、デザイン選択画面を表示して行われる。
ステップS341で「フリーコラージュ」以外のデザインが選択されたときには、ステップS342に進む。ステップS342において、簡単コラージュ編集画面に画面遷移し、コラージュ画像の作成が行われる。
他方、ステップS341で「フリーコラージュ」が選択されたときには、ステップS343において、フリーコラージュ編集画面に画面遷移し、コラージュ画像の作成が行われる。
図44は、コラージュ作成時における編集画面の画面遷移を説明する図である。
図44に示されるように、落書き編集画面100において、おまけらくがきに関する作成ボタンのうち第2の作成ボタン118bが操作されると、そのプレイにおいてまだコラージュ画像が作成されていなければ、デザイン選択画面220に遷移する(S401)。そのプレイにおいて既に生成されたコラージュ画像が保存されている状態で第2の作成ボタン118bが操作された場合には、コラージュ編集や落書きを行うためのコラージュ画面280に直接遷移する(S403)。これにより、既に保存されているコラージュ画像がある場合、その編集状態から続きの編集をすぐに行うことができる。
デザイン選択画面220では、デザインが選択される。複数の選択肢のうちフリーコラージュが選択されて決定ボタン227が操作されると、コラージュ画面280に遷移する(S404)。他方、フリーコラージュ以外の選択肢が選択されて決定ボタン227が操作されると、写真選択画面260に遷移する(S405)。
デザイン選択画面220で復帰ボタン158が操作されると、落書き編集画面100に戻る(S415)。
写真選択画面260では、決定ボタン277が操作されると、コラージュ画面280に遷移する(S407)。このとき、サーバ601に送信される送信用画像のサイズと同サイズのベース画像が生成されると共に、生成されたベース画像に基づいて、表示用サイズのベース画像が生成される。送信用サイズのベース画像は、比較的高画質(画素数大)の画像である。表示用サイズのベース画像は、コラージュ画面280にそのまま(縮小処理することなく等倍で)表示可能な程度の画素数の画像である。その表示用サイズのベース画像が、コラージュ画面280に表示される。
写真選択画面260では、復帰ボタン158が操作されると、落書き編集画面100に遷移する(S413)。このとき、それまでで生成された画像をコラージュ画像として保存するようにしてもよい。
また、写真選択画面260では、前画面ボタン279が選択されると、デザイン選択画面220に遷移する(S409)。
コラージュ画面280において、復帰ボタン158が操作されると、編集結果を保存して、落書き編集画面100に遷移する(S411)。
コラージュ画面280において、前画面ボタン293が操作されると、所定の確認画面が表示された後、ユーザの指示に応じて写真選択画面260に遷移する(S417)。なお、このときの確認画面は、切り取り画の生成時に同様に表示される画面と同様であり、それに関し行われる動作も同様である。
図45は、デザイン選択画面220を示す図である。
図45に示されるように、デザイン選択画面220には、デザイン種類選択タブ221と、決定ボタン227と、前画面ボタン229と、復帰ボタン158とが配置されている。復帰ボタン158や前画面ボタン229が操作されると、落書き編集画面100に戻る。
本実施の形態において、デザイン種類選択タブは5つのタブで構成されている。すなわち、「簡単コラージュ」、「SNS A カバーコラージュ」、「SNS B カバーコラージュ」、「SNS C カバーコラージュ」、及び「フリーコラージュ」の各タブである。これらのタブのうち、選択されたタブに対応する種類のデザインが、タブ内表示領域223に表示される。タブ内表示領域223には、ユーザが選択可能なデザインが並んで表示される。また、タブ内表示領域223には、そのタブに対応する種類のデザインを用いたサンプル画像が表示されるようにしてもよい。
ユーザは、選択したタブのタブ内表示領域223に表示されているデザインのうち、所望のものを選択した上で、決定ボタン227を操作することで、デザインを決定できる。デザインが決定されると、選択したデザインに応じて、写真選択画面260又はコラージュ画面280に遷移する。
なお、図45においては、上述の5つのタブのうち「フリーコラージュ」が選択されている場合が示されている。「フリーコラージュ」では、コラージュ画像の外形を、「正方形」、「タテ」、「ヨコ」、「タテ長」のいずれにするかを選択できる。デザインを決定すると、選択された外形形状のコラージュ画像を、コラージュ画面280において編集できる。
図46は、「簡単コラージュ」選択時のデザイン選択画面220を示す図である。
図46に示されるように、「簡単コラージュ」のタブが選択されている場合には、所定のテンプレートや画像のレイアウトが互いに異なる8種類のデザインが、タブ内表示領域223に表示される。ユーザは、いずれかのデザインを選択し、決定ボタン227を操作することで、写真選択画面260においてコラージュ画像に配置する写真を選択できる。
図47は、「SNS A カバーコラージュ」又は「SNS B カバーコラージュ」が選択されているときのデザイン選択画面220を示す図である。
図47の上段に示されるように、「SNS A カバーコラージュ」のタブが選択されている場合には、例えば互いに図柄や文字などの異なる4種類のデザインが、タブ内表示領域223に表示される。ユーザは、いずれかのデザインを選択し、決定ボタン227を操作することで、「簡単コラージュ」の場合と同様に、写真選択画面260においてコラージュ画像に配置する写真を選択できる。
「SNS B カバーコラージュ」のタブが選択されている場合には、図47の下段に示されるように、4種類のデザインがタブ内表示領域223に表示される。「SNS C カバーコラージュ」のタブが選択されている場合もこれと同様である。これらの「カバーコラージュ」では、選択肢として、それぞれ対応するSNSの背景画像のサイズなどの仕様に応じたデザインが予め定められている点で、「簡単コラージュ」とは異なっている。
本実施の形態において、「カバーコラージュ」で作成するコラージュ画像(以下、背景画像と呼ぶことがある)は、ウェブサービスにおいてユーザ自身に関係するウェブページに表示するのに適した画像である。例えば、そのユーザのアイコン画像、ユーザネームの表示、ユーザプロフィールの表示などが配置される所定領域の背景として表示されるものである。
[「フリーコラージュ」に関する説明]
図48は、「フリーコラージュ」のデザインが選択されているときのコラージュ画面280を示す図である。
図48を参照して、まず、フリーコラージュの作成について説明する。
コラージュ画面280の構成は、大まかには、切り取り画落書き画面180と同様に構成されている。すなわち、コラージュ画面280には、パレット115と、復帰ボタン158と、前画面ボタン293とが表示される。コラージュ画面280の中央部には、デザイン選択の結果や写真選択画面260の選択結果に応じて、コラージュ領域281が表示される。コラージュ領域281の内側には、生成されるコラージュ画像に対応するプレビュー表示が表示される(このコラージュ領域281内の表示をプレビュー画像と呼ぶことがある。)。コラージュ画面280では、コラージュ領域281内に表示されるプレビュー表示が所望の通りとなるようにコラージュやその他落書きを行うことで、その画像をコラージュ画像として生成することができる。
フリーコラージュが選択されたとき、ユーザは、任意にコラージュ領域281に図柄や撮影画像などを配置することで、コラージュ画像を作成できる。すなわち、デザイン選択画面220からコラージュ画面280に遷移したとき、選択したデザイン(アスペクト比)の枠形状のコラージュ領域281がコラージュ画面280に表示される。ユーザは、コラージュ領域281の内部に、種々の撮影画像、スタンプ、又は文字の配置や、その他の落書きを行うことができる。
ここで、パレット115は、フリーコラージュのデザインが選択されたときとそうでないときとで、利用できる機能が異なる。例えば、フリーコラージュにおいては、撮影画像に基づいた図形等を任意にコラージュ領域281に配置できるように構成されている(これに用いるパレットをコラージュパレットということがある。)。これに対し、他のデザインではそのようなパレット115は選択できず、撮影画像に基づかない所定の図柄や文字などや、ユーザが任意に描画する機能が利用できるのにとどまる。
コラージュパレットでは、例えば、選択した撮影画像を所定の形状で切り取って(型抜きして)撮影画像スタンプを作成できる。作成した撮影画像スタンプは、コラージュ領域281に適宜配置できる。
ここで、本実施の形態においては、コラージュ画面280に、加工濃度調整部285が表示されていてもよい。加工濃度調整部285は、切り取り画落書き画面180における加工濃度調整部185と同様に、調整バー287と、濃度リセットボタン288とを含んでいる。フリーコラージュにフィルタ加工等の画像処理が適用されるとき、ユーザは、加工濃度調整部285を操作することで、その濃度を変更できる。
[「簡単コラージュ」に関する説明]
次に、「簡単コラージュ」について説明する。
図49は、「簡単コラージュ」のデザインが選択されているときの写真選択画面260を示す第1の図である。
「簡単コラージュ」のデザインが選択されると、例えば図49に示されるように写真選択画面260が表示される。写真選択画面260には、復帰ボタン158のほか、写真選択領域251と、デザイン表示領域261と、ズームバー267と、決定ボタン277と、前画面ボタン279とが表示されている。復帰ボタン158は、落書き編集画面100に戻るために操作されるボタンである。前画面ボタン279は、デザイン選択画面220に戻るためのボタンである。ズームバー267は、上述の切り取り画面140におけるズームバー147と同様に、コラージュ画像中に表示する撮影画像を拡大縮小させるために操作される。複数の撮影画像がコラージュ画像中に含まれることになる場合には、デザイン表示領域261に表示されている複数の撮影画像のうち指定されているものについて、ズームバー267の操作結果が反映されるように構成されている。
デザイン選択画面220から写真選択画面260に遷移したとき、デザイン表示領域261には、選択したデザインに対応する画像が表示される。すなわち、簡単コラージュのデザインの選択結果に従って、テンプレート画像263がデザイン表示領域261に表示される。各デザインのテンプレート画像263には、1つ又は複数の、撮影画像の表示領域が設けられている。この表示領域に配置する画像を、写真選択領域251で選択することができる。
本実施の形態では、テンプレート画像263において、2つの撮影画像265a,265bが配置可能となっている。各撮影画像265a,265bのうち、1つの領域を選択した上で(選択した領域には選択枠266が表示される)、その領域に表示させる撮影画像を写真選択領域251で選択する操作を行うことで、その写真を表示させることができる。
写真選択領域251には、そのプレイで撮影されて得られた撮影画像が表示される。ユーザは、これらのうち表示させたいものを選択する操作を行うことができる。
ここで、写真選択領域251には、一発指定ボタン252が配置されている。一発指定ボタン252は、写真選択領域251で選択候補となっている撮影画像をシャッフルして、テンプレート画像263の中の撮影画像265a,265bを表示させる領域に当てはめることができるボタンである。すなわち、テンプレート画像263に対応して表示させる複数の撮影画像を選択する必要があるときに、ユーザは、一発指定ボタン252を操作することで、すぐに、各撮影画像を指定することができる。なお、一発指定ボタン252を操作して指定できた撮影画像が適切でない場合には、繰り返し一発指定ボタン252を操作することで、容易に、撮影画像の再選択及び再配置を行うことができる。
また、写真選択画面260では、撮影画像が表示されている領域の1つを選択している状態で、切り取り画面140において行う操作と同様に、ズームバー267をスライドさせたり撮影画像のパン操作を行ったりすることで、元の撮影画像のうち、当該領域中に表示させる領域を変更することができる。
なお、本実施の形態において、選択されている領域には、当初、アイコン367が表示される。ユーザは、アイコン367を見ることで、その領域の画像についてパン操作を行えることを容易に知ることができる。
図50は、「簡単コラージュ」のデザインが選択されているときの写真選択画面260を示す第2の図である。
図50においては、図49に示されるような撮影画像265aが選択されている状態において、その撮影画像265aが操作されたときの状態が示されている。すなわち、図49に示されているように、撮影画像265aが配置された直後には、それが編集対象として選択されていれば、アイコン367が表示されている。この状態で、ユーザにより撮影画像265aにタッチする操作が行われると、アイコン367は消去される。
図51は、図50に示されている状態からズームバー267を操作した結果の一例を示す図である。
図51に示されるように、撮影画像265aの領域が選択されている状態で、ズームバー267が画像を拡大する方向に操作されると、撮影画像265aがデザイン表示領域261に対して拡大されて表示される。また、撮影画像265aをデザイン表示領域261に対して移動させるパン操作が行われたときにも、随時表示が更新され、撮影画像265aとして表れる範囲が変化する。これにより、デザイン表示領域261にテンプレート画像263と共に撮影画像265a,265bを表示させて、所望のコラージュ画像が得られるように確認しながら、容易に、撮影画像265a,265bの表示を調整することができる。
図52は、「簡単コラージュ」のデザインが選択されているときのコラージュ画面280を示す図である。
図52においても、基本的には図48を用いて説明したものと同様にコラージュ画面280が表示されて、画像を編集可能である。簡単コラージュのコラージュ画像の作成時において、写真選択画面260からコラージュ画面280に遷移すると、コラージュ領域281には、写真選択画面260で決定ボタン277が操作されたときに生成された画像が表示される。すなわち、コラージュ領域281には、生成されるコラージュ画像に対応するプレビュー表示が表示される。
なお、コラージュ領域281には、写真選択画面260を経て内容が確定された画像に対応する、撮影画像265a,265bやテンプレート画像263が含まれる撮影画像レイヤ(テンプレート画像263の表示レイヤと、撮影画像265a,265bを含む表示レイヤとを重ねたもの)と、その上側に表示される編集レイヤとが重ねられた画像が表示される。撮影画像レイヤには、上述のようにして生成されたベース画像が表示される。コラージュ画面280において落書きが行われると、落書きは、編集レイヤに追加される。撮影画像レイヤの画像についてフィルタ加工などの画像処理が適用される場合には、加工濃度調整部285を操作することで、その濃度調整を行うことができるが、これに限られるものではない。
なお、上述のフリーコラージュの作成時と異なり、この場合のコラージュ画面280において、パレット115を用いた撮影画像を用いた機能(上述のような型抜きにより生成される撮影画像スタンプを利用可能とする機能など)は行うことができず、単に、所定の図形や文字などをスタンプとしてコラージュ領域281に配置したり、コラージュ領域281にペンを用いて文字や図形を書き込んだりすることができるのみとなっているが、これに限られるものではない。
コラージュ領域281への落書きが終了すると、ユーザは、編集終了ボタンを操作したり、復帰ボタン158を操作したりする。これにより、コラージュの生成が終了する。
このように、コラージュ作成時においても、切り取り画作成時と同様に、濃度調整を行えるように構成されている。なお、例えば簡単コラージュが行われる場合において、写真選択画面260で選択された写真について、上述のようなぼかし編集を行うことができるようにしてもよい。
[実施の形態における効果]
本実施の形態では、次のような効果が得られる。
第1として、従来、例えば携帯端末などを用いて活用できる画像を得たいというようなユーザのニーズがある。このようなニーズに応じて、写真シール作成装置を利用して、ユーザが、デザイン性が高い画像や意図する通りの画像のようなユーザにとって魅力的な画像を生成できると、ユーザの満足度が向上する。すなわち、一例として、写真シール作成装置を利用して作成した画像をSNS等のウェブサービスに投稿する場合、画像においてユーザ自身の顔は明瞭に表示させつつ、他ユーザの顔は、隠したり不明瞭な表示に留めたりしたいというようなニーズがある。画像に他ユーザの顔が明瞭に表示されている場合には、画像の利用についてその他ユーザの意向を尊重する必要があるからである。また、画像を部分的に強調して落書き編集を行いたいというようなニーズがある。
上述のような場合には、例えばユーザ自身の部分のみを明瞭にしつつ他の部分をぼかしたり、落書き編集を行わない部分などを部分的にぼかしたりするなど、画像に効果的にぼかしを適用することで魅力的な画像を生成できると、ユーザの満足度が向上する。しかしながら、従来、このように効果的なぼかしを適用することができる写真シール作成装置はなかった。上述のようなニーズに対しては、ペンやスタンプなどの落書きを行って、所望の部分を隠す編集作業などが行われており、それにより作成された画像は、魅力的に見えない画像となる場合があるという問題があった。
これに対して、本実施の形態では、例えば切り取り画の作成時において、ぼかし編集画面を用いて、例えばフォーカス領域とその外側のぼかし領域とを含む画像など、魅力的な画像を生成できるようになる。この場合、フォーカス領域の位置、大きさ、形状等は適宜ユーザの操作に応じて変更可能である。したがって、ユーザが、自身がイメージするぼかしを施した魅力的な画像を生成することができ、写真シール作成装置を利用したプレイや、写真シール遊戯システムを利用したプレイの魅力を向上させることができる。
ぼかし編集画面では、ユーザの操作に応じて、プレビュー画像が更新される。したがって、ユーザは、完成状態をイメージしながらぼかし編集を行うことができ、プレイするユーザの満足度が向上する。
ぼかし編集画面は、切り取り画面でトリム後画像が生成された後に表示される。したがって、最終的な切り取り画像のイメージをプレビュー画像で確認しながら、効果的にぼかし編集を行うことができる。すなわち、切り取り範囲や切り取り対象の写真が決定される前(切り取り操作前)には、ぼかした後のイメージをユーザが把握することが困難であり、ぼかし編集操作を容易に行うことができない。また、切り取り画面において切り取り範囲の設定と同時にぼかしについての編集操作を行おうとすると、切り取り画面について写真画像を移動させる操作と、フォーカス領域を移動させる操作とを区別するためにユーザに多くの操作を要求する必要があり、操作性が悪く、煩雑なものとなる。これに対して、本実施の形態では、一旦トリム後画像を生成した後に、そのトリム後画像について、プレビュー画像を表示しながらぼかし編集操作が受け付けられるので、ユーザは容易にぼかし編集を行うことができる。
また、ぼかし編集画面は、切り取り画面でフィルタ加工等の種々の加工処理が適用された後のトリム後画像について表示され、ぼかし編集が受け付けられる。したがって、ぼかし編集に際してはぼかしの編集に関するレイヤ(ぼかしレイヤ及びマスクレイヤ)とトリム後画像レイヤとを扱い、ぼかし編集後はぼかし処理及びその他の加工処理が適用された画像のレイヤを扱えばよく、写真シール作成装置において比較的単純な処理が行われるだけで済む。すなわち、ぼかし編集を行った後に、ぼかしを適用する前の明瞭な画像を用いて行う必要のある画像処理を行えるようにするには、ぼかしの編集に関するレイヤと、ぼかし適用前の画像のレイヤとのレイヤ構成を維持したままとする必要があり、写真シール作成装置における処理負担が比較的大きくなる。これに対して、本実施の形態では、上述のように、写真シール作成装置の処理負担を比較的小さく抑えることができる。
第2として、上述のようなユーザのニーズに応じて、例えば、フィルタ加工等の種々の画像処理を適用することで魅力的な画像を生成できると、ユーザの満足度が向上する。しかしながら、従来、このようなフィルタ加工等の画像処理は、元の画像にかかわらず、一様な程度でその画像に適用されるのが通常であった。他方、元の画像として、被写体の違いやその他環境の違いなどの要因により、多様なものが処理対象となる。そのため、次のような問題点があった。
すなわち、元の画像の写りとして、例えば、被写体(ユーザなど)の顔が比較的明るく写る第1の場合と、顔が比較的暗く写る第2の場合とを想定する。このような違いは、例えば、被写体の肌の色や化粧の色の違いなどにより生じることがある。このような画像に対して、例えばハイキー調の画像に加工するようなフィルタ加工を行うと、第2の場合については良好な結果が得られるが、第1の場合については被写体の顔の部分などが白飛びし、階調が失われることがある。他方、例えば暗調の画像に加工するようなフィルタ加工を行うと、第1の場合については良好な結果が得られるが、第2の場合については被写体の顔の色の部分などが黒くつぶれ、階調が失われることがある。
このような問題に対して、フィルタ加工を構成する様々な画像処理を個別に調整することは、複数の画像処理の調和を維持するという点や、速やかに操作を行う必要があるという点で、困難である。
図53は、従来のフィルタ加工の例について説明する図である。
例えば、図53においては、元画像に対して、彩度の調整と、テクスチャのソフトライト合成とを行うフィルタ加工が適用される場合が示されている。すなわち、元画像に対して(S901)、彩度をマイナス30パーセントにする処理が施される(S902)。そして、処理後の画像に対して、右上から左下にかけてレインボーカラーとなるテクスチャ(S903)を、ソフトライト100パーセントで合成すると、フィルタ加工が施された画像が得られる(S904)。このようなフィルタ加工について、彩度の調整処理と合成処理とを個別に設定し、バランスが取れた加工後の画像を得るのは、容易ではなく、かつ、時間がかかる。
このような問題点に対して、本実施の形態では、例えば切り取り画の作成時において上述のような濃度調整を行うことにより、ユーザは、撮影画像と、適用したいフィルタ加工との関係に応じて、所望のフィルタ加工結果が得ることができる。具体的には、例えば、ハイキー調のフィルタ加工を適用するときに、初期状態ではユーザの顔が白飛びしてしまうような場合には、ユーザは、フィルタ加工の濃度を低くして白飛びを軽減した画像を得ることができる。また、比較的暗調のフィルタ加工155を適用するときに、初期状態では黒つぶれが発生して暗部の階調が乏しくなる場合には、ユーザは、フィルタ加工の濃度を低くして、暗部の階調が維持されるようにした画像を得ることができる。
上述のような濃度調整を反映するための処理は簡易に行うことができるものであるので、ユーザの操作に応じて、プレビュー表示を速やかに行うことができる。したがって、常にプレビュー画像の表示が行われている状態を維持しながら、さらなるユーザの操作を受け付けることができる。
図54は、本実施の形態におけるフィルタ加工の濃度調整例を説明する図である。
図54においては、上述の図53に示されるような彩度減処理とテクスチャのソフトライト合成とを行うフィルタ加工についての濃度調整範囲が示されている。ステップS923はデフォルトの濃度(例えば、濃度50パーセント)の画像であり、このとき、彩度は元画像からマイナス30パーセントであり、ソフトライト合成は50パーセントである。
調整バー187を操作して濃度を減じると、まず、ステップS922に示されるようになる。このとき、彩度がマイナス25パーセントとなり、ソフトライト合成が40パーセントとなる。すなわち、加工の程度が減少する。調整バー187を最も濃度が減少するように(スライダが左端に移動するように)操作すると、ステップS921に示されるように、元画像の状態になる。
他方、調整バー187を操作して濃度を増加させると、まず、ステップS924に示されるようになる。このとき、彩度がマイナス35パーセントとなり、ソフトライト合成が60パーセントとなる。すなわち、加工の程度が増大する。調整バー187をさらに濃度を増大させるように(スライダが右方に移動するように)操作すると、ステップS925に示されるように、彩度がマイナス45パーセントになり、ソフトライト合成が80パーセントになる。
このように、本実施の形態においては、調整バー187の操作に応じて、これらの複数の画像処理の程度を同時に、バランスを保ったままで調整できる。したがって、ユーザは、限られた時間の中で、調整される画像を見ながら、望みのフィルタ加工が施された画像となるように、調整することができる。
[本実施の形態の変型例の説明]
上述の実施の形態において、例えば切り取り画についてぼかしを適用するとき、ぼかし編集画面160でぼかしを編集することができるが、これに限られるものではない。例えば、切り取り画についての落書き編集時に、ぼかしの有無や態様について編集することができるようにしてもよい。このとき、落書き(編集画像)についてぼかし処理の適用対象とするか否かを選択できるようにしてもよい。なお、このような動作は、コラージュ作成時など、他の画像の落書き編集時においても行えるようにしてもよい。
図55は、本実施の形態の一変型例に係る写真シール作成装置における切り取り画作成処理を示すフローチャートである。
図55に示されるように、本変型例においては、切り取り画面140から(ステップS381)、必要に応じて待機画面を経て(ステップS382)、そのまま切り取り画落書き画面に遷移する(ステップS383)。
図56は、本変型例に係る切り取り画落書き画面180aを示す図である。
図56に示されるように、切り取り画落書き画面180aは、基本的に、上述の実施の形態における切り取り画落書き画面180と同様の構成を有している。加工濃度調整部185も同様に設けられている。切り取り画落書き画面180aにおいては、ぼかし編集を行うためのぼかしパレット115aが表示される。
ぼかしパレット115aは、大まかに、ぼかしパターン選択部821と、濃度調整バー823と、範囲調整バー825と、カラー選択部835とを含んでいる。また、ぼかしパレット115aには、対象選択ボタン831(831a,831b)が含まれている。
ぼかしパターン選択部821は、上述のぼかしパターン選択部171と同様に、所定の複数のぼかしパターンのいずれかを選択可能に構成されている。選択されたぼかしパターンが、落書き編集中の対象画像181に適用される。
濃度調整バー823と範囲調整バー825とは、それぞれ、左右にスライダを動かすことができるように構成されている。濃度調整バー823について調整操作を行うことで、ぼかし処理の程度(あまりぼかさないか、ぼけ量を多くするか)を調整できる。範囲調整バー825について調整操作を行うことで、ぼかしパターンに対応するフォーカス領域の大きさを調整することができる。
カラー選択部835は、複数の色のうちいずれかを選択する操作を受け付ける。色が選択されると、ぼかし領域がその色に色づくように制御が行われる。
なお、ぼかしパターンが選択されて、ぼかし処理が有効であるとき以外は、ぼかしがあることを前提とした操作受付部(例えば、濃度調整バー823、範囲調整バー825、カラー選択部835,対象選択ボタン831など)は、非表示であったり、操作受付不可能と認識できるように表示されていたりしてもよい。
図57は、ぼかし編集受付処理を示すフローチャートである。
図57に示されるように、ステップS291において、切り取り画落書き画面180aの表示中にぼかしパレット115aが選択される。
ステップS292において、パターン選択操作がされたか否かが判断される。操作が行われた場合には、ステップS293において、操作に応じてぼかしが反映される。
ステップS294において、ぼかしが適用中であるか否かが判断される。適用中であれば、ステップS295、ステップS296の処理が行われる。
ステップS295において、ぼかし編集操作が受け付けられる。すなわち、ユーザによる、濃度調整バー823、範囲調整バー825、及びカラー選択部835などの操作が受け付けられる。受け付けられた場合には、その操作に応じて、ぼかしが変更される。
ステップS296において、対象変更操作が受け付けられる。受け付けられた場合には、その操作に応じて、ぼかし処理の対象が変更される。
ステップS297において、プレビュー表示が更新される。
ステップS298において、編集終了ボタン195等、画面遷移を伴う操作ボタンが操作されたか否かが判断される。操作が行われると、その操作に応じた画面遷移が行われる。操作が行われるまで、ステップS292以降の処理が繰り返し行われる。
ここで、対象変更操作に伴うぼかし処理対象の変更処理は、例えば次のようにして行われる。
図58は、切り取り画落書き画面180aにおいてプレビュー表示される画像のレイヤ構成を説明する図である。
図58に示されるように、画像は、下から順に、人物レイヤ812aと、下側ぼかしレイヤ812bと、下側スタンプレイヤ812cと、上側ぼかしレイヤ812dと、上側スタンプレイヤ812eとが重ねられて構成されている。ここで、落書きは、上側スタンプレイヤ812e又は下側スタンプレイヤ812cに配置される。上側ぼかしレイヤ812dと下側ぼかしレイヤ812bとは、いずれか一方が含まれ、2つ同時に表示されることはない。
トリム後画像は、人物レイヤ812aに配置される。人物レイヤ812aは、フィルタ加工の調整機能が行えるようにするため、上述の実施の形態に示されるように2つのレイヤに分かれているが、ここでは1つのレイヤとして表し、調整機能についての説明も省略する。
図59は、ぼかし処理対象の変更処理について説明する図である。
図59において、各ステップのレイヤ構成図は、時系列に並んでいる。落書きが行われない状態で、ぼかし処理が行われた場合を想定する。
このとき、ステップS851において、人物レイヤ812aと、下側ぼかしレイヤ812bとが表示されることになる。切り取り画落書き画面180aには、トリム後画像にぼかし処理が適用された状態の画像がプレビュー表示される。
ステップS852において、落書きが追加される。
そうすると、ステップS853において、人物レイヤ812aと、下側ぼかしレイヤ812bと、上側スタンプレイヤ812eとが表示される。落書きは、上側スタンプレイヤ812eに配置される。このとき、切り取り画落書き画面180aには、落書きについてぼかし処理が適用されない状態、すなわち人物のみがぼかされた状態の画像がプレビュー表示される。
ステップS854において、落書きをぼかし対象に含めるための対象選択ボタン831aが操作される。そうすると、レイヤが移動する。
すなわち、ステップS855において、人物レイヤ812aと、下側スタンプレイヤ812cと、上側ぼかしレイヤ812dとが表示される。ステップS853における下側ぼかしレイヤ812bが上側ぼかしレイヤ812dに移動することで、上側ぼかしレイヤ812dが下側スタンプレイヤ812cに移動するようなレイヤ構成となる。このとき、切り取り画落書き画面180aには、落書きについてもぼかし処理が適用された状態の画像がプレビュー表示される。
ステップS856において、落書きが追加される。
そうすると、ステップS857において、人物レイヤ812aと、下側スタンプレイヤ812cと、上側ぼかしレイヤ812dと、上側スタンプレイヤ812eとが表示される。追加された落書きは、上側スタンプレイヤ812eに配置される。このとき、切り取り画落書き画面180aには、ステップS855の画像にぼかし処理が適用されない状態の落書きが行われた画像がプレビュー表示される。すなわち、ステップS852の落書きはぼかし処理され、ステップS856の落書きはぼかし処理がされていない状態の画像が表示される。
ステップS858において、ぼかし対象を人物だけとするための対象選択ボタン831bが操作される。そうすると、レイヤが移動する。
すなわち、ステップS859において、人物レイヤ812aと、下側ぼかしレイヤ812bと、下側スタンプレイヤ812cとが表示される。ステップS857における上側ぼかしレイヤ812dは下側ぼかしレイヤ812bに移動する。また、下側スタンプレイヤ812cと上側スタンプレイヤ812eとは、合成されて、下側スタンプレイヤ812cとなる。このとき、切り取り画落書き画面180aには、すべての落書きについてぼかし処理が適用されない状態の画像がプレビュー表示される。
ステップS860において、落書きをぼかし対象に含めるための対象選択ボタン831aが操作される。そうすると、レイヤが移動する。
すなわち、ステップS861において、人物レイヤ812aと、下側スタンプレイヤ812cと、上側ぼかしレイヤ812dとが表示される。ステップS859における下側ぼかしレイヤ812bが上側ぼかしレイヤ812dに移動する。このとき、切り取り画落書き画面180aには、すべての落書きについてもぼかし処理が適用された状態の画像がプレビュー表示される。
なお、ぼかしの対象は、初期状態で、そのときの落書きの状況に応じて、自動的に選択されるように構成されている。すなわち、落書きがされていない状態でぼかしパレット115aが表示されたときには、人物だけが対象にぼかし処理が行われるように選択される。他方、落書きがされている状態でぼかしパレット115aが表示されたときには、落書きも含めてぼかし処理が行われるように選択される。なお、このような処理は、必ずしも行われなくてもよいし、これと異なる処理が自動的に行われるようにしてもよい。落書きの状態にかかわらず、常に人物だけが対象になるように構成されていてもよい。
このように、本変型例においては、切り取り画落書き画面180aにおいて落書きとぼかしとを両方編集することができる。また、ぼかし処理の対象を人物だけにするか落書きを含めるかも、落書きの編集を行っている途中で、適宜選択し、変更できる。これらの操作は、プレビュー画像を確認しながら行うことができる。したがって、より多様なぼかし処理を加えた、ユーザにとって魅力的な画像を、容易に作成することができるようになる。
[その他]
写真シール作成装置は、上述の実施の形態における各特徴点をすべて有するものでなくてもよく、一部の特徴点のみを有するものであってもよい。そのように構成された写真シール作成装置であっても、その特徴点を有することに応じた効果を得ることができる。
写真シール作成装置の制御部は、ぼかし編集時において、トリム後画像などの写真画像のうち、人物の所定の部位がある領域(例えば顔部分)を認識可能であってもよい。このとき、認識された領域の位置や大きさに応じて、フォーカス領域の位置や大きさが自動的に選択されるようにしてもよい。これにより、容易にぼかし編集を行うことができる。
一旦ぼかし編集が行われた後で、画像について回転操作が行われた時には、フォーカス領域もそれに伴って回転するようにしてもよい。
ぼかしパターン、すなわちフォーカス領域の形状は、ぼかし編集画面において選択可能でなくてもよく、適宜、制御部により自動的に選択されるようにしてもよい。このとき、制御部は、適用対象となる画像の属性(例えば、画像がアップ画像であるか、全身画像であるか、など)に応じて、予め設定されている複数種類のぼかしパターンから一のものを自動的に選択するようにしてもよい。
なお、上述のぼかし編集機能と同様にして、例えばモザイクやフィルタ加工等、他の種の画像加工について、次のような処理を行うようにしてもよい。すなわち、指定した範囲の第1の領域とその周囲の第2の領域とで異なる効果を施す加工(画像処理)を行う場合において、加工を行うためのレイヤと、アルファチャンネルのデータが配置されたマスクレイヤとを用いることで、第1の領域と第2の領域とを区別したり、第1の領域の位置や大きさ等を変更したりすることができるようにしてもよい。これにより、第1の領域の位置指定操作や大きさ変更操作が行われる度に元の画像の処理を行う必要はなくなり、追従性の高いプレビュー表示を行うことができる。
切り取り画作成やコラージュ作成に際しては、切り取り画面等に表示される画像と、実際にユーザが取得する画像(例えば、写真シール作成装置からサーバに送信される画像)とが異なっていてもよい。具体的には、例えば次のようにすればよい。すなわち、切り取り画面等には画素数の少ない(ディスプレイの解像度等に応じたサイズの)表示用画像を元画像として表示させて切り取り範囲の調整や、フィルタ加工やぼかしの適用等を行えるようにする。切り取りが実行されるときや、適用するぼかしが決定されたときにおいては、表示用画像について設定された切り取り範囲に対応する範囲や、決定された処理態様で、表示用画像に対応する、より画素数の多い画像について切り取り処理や画像処理を行う。そして、切り取り後の画像を、適宜、所定の大きさ(画素数)に縮小する処理を行う。このような処理を行うことで、特にぼかしの非適用領域について解像感が高い、細かな画質の画像を作成することができる。
切り取り画の生成時やコラージュの生成時の処理において撮影画像を用いるときには、撮影画像をそのまま用いて処理を行ってもよいし、撮影画像について画像処理や切り取り等を行った後の画像(撮影画像に基づく画像)を用いて処理を行ってもよい。
コラージュの作成時におけるデザインは、上述のような所定の選択画面において選択可能でなくてもよく、適宜、プレイ時の種々の条件に応じて制御部により自動的に選択されたり、ランダムに制御部により自動的に選択されたりしてもよい。
生成された切り取り画やコラージュ画像等は、サーバに送信されず、他の方法でユーザに提供されるようにしてもよい。例えば、ユーザの携帯電話と写真シール作成装置が有線通信又は無線通信で直接通信することでユーザに画像が提供されるようにしてもよいし、可搬性のある記録媒体などを用いることでユーザに提供されるようにしてもよい。
本発明は、写真シール作成装置に限られず、撮像した写真を用いて加工画像をユーザに提供する写真撮影遊戯装置やそれを備える装置に広く適用可能である。
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアによって行っても、ハードウェア回路を用いて行ってもよい。
上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。上記のフローチャートで文章で説明された処理は、そのプログラムに従ってCPUなどにより実行される。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。