JP2005079123A - 成膜装置のクリーニング方法 - Google Patents

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直樹 玉置
Hirosuke Sato
裕輔 佐藤
Kayo Momota
香代 百田
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孝子 木村
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Abstract

【課題】成膜装置の構成部材に対するフッ素ガスおよびフッ化水素ガス含有クリーニングガスの残留量を低減させ得る成膜装置のクリーニング方法を提供する。
【解決手段】石英製構成部材を有する成膜装置をシリコン系薄膜の形成に使用した後にその構成部材に堆積したシリコン系堆積物を除去するための成膜装置のクリーニング方法である。成膜装置内に、フッ素ガスとフッ化水素ガスを含むクリーニングガスを供給しながら、石英製構成部材を加熱することによってシリコン系堆積物をクリーニング除去した後、クリーニングガスの供給を停止して300℃を超える温度でクリーニングを終了させる。クリーニング終了時に石英製構成部材は、300℃を超える温度にある。しかる後、石英製構成部材を少なくとも10分間300℃を超える温度に維持する脱ガス処理に供する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成膜装置のクリーニング方法に係り、特に、フッ素ガスとフッ化水素ガスを含むクリーニングガスを用いた成膜装置のクリーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置を製造するに際し、化学気相成長反応チャンバ(CVD反応チャンバ)を備える成膜装置を用いて二酸化シリコン膜、窒化シリコン膜等の種々の薄膜を半導体ウエハ上に形成することが行われている。この薄膜形成に際し、CVD反応生成物は、目的とする半導体ウエハ上ばかりでなく、成膜装置の構成部材、例えばCVD反応チャンバの内壁、半導体ウエハ載置ボートもしくはサセプタ、配管内等にも堆積する。この堆積したCVD反応生成物は、これを除去しないと、成膜プロセスが安定しないばかりか、堆積したCVD反応生成物がCVD反応チャンバの内壁等から剥落して、パーティクルの発生原因となり、後のCVD反応において半導体ウエハ上に形成される薄膜の品質を劣化させる。そこで、成膜装置のクリーニングが必要となる。
【0003】
例えば、低圧(LP)CVD装置では、通常、装置を大気開放して、酸溶液での洗浄によりクリーニングを行っている。しかし、この場合、成膜装置を一旦停止した上で、分解、洗浄、組み立て、リークチェックの工程を経るため、作業に要する時間も長く、危険性も高いため、生産性および作業安全上の観点から問題がある。
【0004】
反応性ガスを用いて、熱反応によって、CVD反応チャンバ内をクリーニングすることも行われている。そのような反応性ガスとしては、ClF、NF、フッ化水素ガス、F等のフッ素含有ガスの単体あるいは混合ガスが市販されている。中でも、Fガスとフッ化水素ガスとの混合ガスは、CVD反応装置に対するダメージが少なく、高速で、安価にクリーニングができるため、次世代のクリーニング技術として期待されている。例えば、特許文献1には、フッ素ガスとフッ化水素ガスを用いて、400℃未満の温度でクリーニングを行うことが開示されている。
【0005】
【特許文献1】
国際公開第02/101805号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のごとく、フッ素ガスとフッ化水素ガスを用いて加熱により成膜装置内部をクリーニングする技術は、次世代のクリーニング技術として期待されている。しかし、これらフッ素系ガスを使ったクリーニングでは、これらのガスまたはクリーニングの結果生じた生成ガスが、CVD反応チャンバ内や配管壁面に吸着、残留することが問題を生じさせることがわかった。残留したこれらのガスは、後の成膜プロセスにおいて徐々に放出され、生成する膜を汚染し得るのである。
【0007】
したがって、本発明は、フッ素ガスとフッ化水素ガスをクリーニングガスとして用い、加熱により成膜装置内部のシリコン系堆積物をクリーニング除去するにあたり、成膜装置の構成部材表面に残留した反応性ガスあるいは生成ガス量を低減させ得る成膜装置のクリーニング方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成すべく、クリーニングに用いる反応性ガスとしてフッ素ガスとフッ化水素ガスの混合ガスを用いた場合の、成膜装置の構成部材として使用される石英表面へのガスの残留現象を調べた結果、クリーニング終了時の石英温度を制御することにより、残留ガスを大幅に低減できることを見いだした。本発明はかかる知見に基づく。石英は、通常、CVD反応装置の反応チャンバ全体を構成する部材として使われるため、石英表面への残留を低減することが、もっとも効果的な対策となる。
【0009】
すなわち、本発明の1つの側面によれば、石英製構成部材を有する成膜装置をシリコン系薄膜の形成に使用した後にその構成部材に堆積したシリコン系堆積物を除去するための成膜装置のクリーニング方法であって、前記成膜装置内に、フッ素ガスとフッ化水素ガスを含むクリーニングガスを供給しながら、前記構成部材を加熱することによって前記シリコン系堆積物をクリーニング除去し、前記シリコン系堆積物をクリーニング除去した後、前記クリーニングガスの供給を停止してクリーニングを終了させ、該クリーニング終了時に前記構成部材は300℃を超える温度にあり、しかる後、前記石英製構成部材を少なくとも10分間300℃を超える温度に維持する脱ガス処理に供することを特徴とする成膜装置のクリーニング方法が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をより詳しく説明する。
【0011】
1つの実施の形態において、本発明は、石英製構成部材を有する成膜装置の内部に堆積したシリコン系堆積物をフッ素ガスとフッ化水素ガスを含むクリーニングガスを供給し、成膜装置の構成部材を加熱することにより成膜装置をクリーニングする方法に関し、300℃を超える温度でクリーニング終了させた後、石英製構成部材を10分間以上300℃を超える温度に維持する脱ガス処理を行うものである。
【0012】
本発明の1つの実施の形態において、成膜装置内部に堆積したシリコン系堆積物をクリーニング除去するに際し、通常のシリコン系膜の成膜工程を終了した成膜装置を真空引きし、装置内部の排気を行う。
【0013】
成膜装置は、例えば、CVD反応チャンバとCVD原料ガスの導入・排出ライン(配管)を含む。また、成膜装置内には、成膜を行う対象となる半導体ウエハを載置する載置部材(例えば、バッチ式装置の場合には、ボートであり、枚葉式装置の場合には、サセプタである)が設けられている。成膜装置の構成部材には、CVD反応チャンバ、CVD反応チャンバに付設される配管、半導体ウエハの載置部材が含まれる。CVD反応チャンバ壁は、バッチ式成膜装置の場合、通常、石英または石英で被覆されたステンレス鋼で形成され、枚葉式成膜装置の場合、通常、石英またはステンレス鋼で形成される。配管は、通常、石英やステンレス鋼で形成される。また、ステンレス鋼は、バッチ式成膜装置においては、半導体ウエハ全体を支持する支持台を含む下部構造の形成材料として使用されている。
【0014】
成膜装置は、シリコン系薄膜として、例えばポリシリコン膜、酸化シリコン膜または窒化シリコン膜を形成するためのものであり、本発明の1つの実施の形態では、石英構成部材上のシリコン系堆積物をクリーニング除去するものである。なお、クリーニングは、シリコン系薄膜を成膜した毎に行う必要はなく、成膜により成膜装置内に許容し得ない厚さでシリコン系堆積物が堆積したときに行えばよい。
【0015】
さて、成膜装置の排気を行った後、成膜装置の構成部材を加熱する。バッチ式成膜装置の場合には、CVD反応チャンバの周囲に設けられている加熱器によりCVD反応チャンバを加熱する。その際、CVD反応チャンバ内に設けられている半導体ウエハ載置ボートも同時に加熱される。枚葉式成膜装置の場合には、サセプタ内部に設けられている加熱器によりサセプタを加熱する。なお、枚葉式成膜装置の場合でも、CVD反応チャンバの周囲に加熱器を設け、その加熱器によりCVD反応チャンバを加熱することもできる。
【0016】
こうして成膜装置の構成部材を加熱した後、フッ素ガスとフッ化水素ガスを含むクリーニングガスをCVD反応チャンバ内に供給する。その際、必要により不活性希釈ガスをも供給することができる。不活性希釈ガスとしては、アルゴンのような希ガス類、あるいは窒素ガス等を用いることができる。
【0017】
クリーニングに際しては、CVD反応チャンバ内を0.1Torrから760Torrまでの圧力下に維持することができる。また、このクリーニングは、一般に、1000℃までの温度で行うことができる。しかしながら、クリーニングされるシリコン系堆積物のエッチング速度は、400℃を超える温度でより高く、他方石英とシリコン系堆積物とのエッチング選択比は、400℃以下の温度でより高いので、シリコン系堆積物と石英製構成部材との界面近傍までは400℃を超える温度でクリーニングを行い、しかる後、温度を段階的または連続的に低下させて、エッチング選択比が高くとれる400℃以下の温度でクリーニングを行い、クリーニングを終了させることができる。なお、クリーニング終了時に石英製構成部材の温度を300℃を超える温度にあるようにするためには、クリーニング自体を300℃を超える温度で行うことが好都合である。フッ素ガスに対するフッ化水素ガスの流量比(フッ化水素ガス/F流量比)は、通常、0.1から1までの範囲である。
【0018】
反応炉内に堆積したシリコン系堆積物がほぼ全てエッチング除去されたとき、クリーニングガスの導入を停止し、CVD反応チャンバの温度を少なくとも10分間300℃を超える温度に維持する(脱ガス処理)。この脱ガス処理により、石英製構成部材等の成膜装置の構成部材からの脱ガスが行われる。なお、シリコン系堆積物のクリーニング終了時点は、シリコン系堆積物の膜厚とクリーニングガスによるエッチング速度から予測することができる。
【0019】
ところで、成膜装置が、少なくとも1つのステンレス鋼製構成部材を有する場合、ステンレス鋼製構成部材(少なくとも内面等)を予めフッ化処理することにより、ステンレス鋼製構成部材からの脱ガスが大幅に抑制されることがわかった。このフッ化処理は、ステンレス鋼製構成部材をフッ素ガスと接触させることにより行うことができる。フッ化処理は、20℃〜200℃の温度で任意の時間行うことができる。例えば、成膜装置が、ステンレス鋼製CVD反応チャンバと、その上流側および下流側にステンレス製構成部材(例えば、配管)を有する場合、少なくともステンレス鋼製CVD反応チャンバと上流側ステンレス製構成部材の内面をフッ化処理することができる。
【0020】
図1は、本発明の1つの形態に係るクリーニング方法を実施するために好適な成膜装置の一例を示すブロック図である。
【0021】
図1に示す成膜装置10は、CVD反応チャンバ11、フッ素ガスの供給源12、フッ化水素ガスの供給源13、および必要により導入される不活性希釈ガスの供給源14を備えるバッチ式の縦型低圧CVD成膜装置である。
【0022】
CVDチャンバ11は、例えば石英製の反応炉からなり、内部に例えば石英製のプロセスチューブ111が配置されている。プロセスチューブ111内には、例えばステンレス鋼製の半導体ウエハ支持台112と、半導体ウエハ(図示せず)を差し込んで保持する複数の溝を設けた一対の石英ロッド113aおよび113bが設置されている。一対の石英ロッド113aおよび113bは、いわゆるボートを構成する。CVD反応チャンバの周囲には加熱器114が設けられている。シリコン系薄膜の成膜が終了した後は、ボート(113a、113b)から半導体ウエハを取り除く。CVD反応チャンバ11は、加熱器114によって加熱される。
【0023】
フッ素ガスは、その供給源12(例えばボンベ)から、フッ素ガス供給ラインL11を通って、CVD反応チャンバ11内に導入される。ラインL11には開閉弁V11が設けられ、その下流に流量調整器、例えばマスフローコントローラMFC11が設けられている。フッ素ガスは、マスフローコントローラMFC11により流量が調整されてCVD反応チャンバ11内に導入される。
【0024】
フッ化水素ガスは、その供給源13(例えば、ボンベ)から、フッ化水素ガス供給ラインL12を通って、CVD反応チャンバ11内に導入される。ラインL12には、開閉弁V12とその後流に流量調整器、例えばマスフローコントローラMFC12が設けられている。フッ化水素ガスは、マスフローコントローラMFC12により流量が調整されてCVD反応チャンバ11内に導入される。
【0025】
不活性希釈ガスは、必要に応じて、その供給源14(例えば、ボンベ)から、不活性希釈ガス供給ラインL13を介してCVD反応チャンバ11内に導入される。ラインL13には、開閉弁V13とその後流に流量調整器、例えばマスフローコントローラMFC13が設けられている。不活性希釈ガスは、マスフローコントローラMFC13により流量が調整されてCVD反応チャンバ11内に導入される。
【0026】
図1に示す装置は、フッ化水素ガス供給ラインL12がCVD反応チャンバ11の上流側でフッ素ガス供給ラインL11に合流し、この合流したラインが不活性希釈ガス供給ラインL13に合流している。この配置によれば、フッ素ガスおよびフッ化水素ガスとともに不活性希釈ガスを事前に混合した状態でCVD反応チャンバ11内に導入することができる。
【0027】
CVD反応チャンバ11の出口は、ラインL14により廃ガス処理装置15に接続されている。廃ガス処理装置15は、副生成物および未反応物質等を除去するものであって、この廃ガス処理装置15により清浄化されたガスが系外に排出される。ラインL14には、圧力センサーPG、圧力調整器、例えばバタフライ弁BV1、および真空ポンプPMが接続されている。CVD反応チャンバ11内の圧力は、圧力センサーPGによりモニターされ、バタフライ弁BV1の開閉制御により、所望の圧力値に設定される。
【0028】
なお、いうまでもなく、CVD反応チャンバ11には、通常のCVD反応(シリコン系薄膜の成膜)を行うための、図示しないCVD原料ガス供給系が接続されている。
【0029】
図1の装置では、例えば、半導体基板上に、ポリシリコン膜、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜等のシリコン系膜を成膜した後、CVD反応チャンバ11の内壁、プロセスチューブ111の内外表面、石英ロッド113a、113b等の上に堆積したシリコン系堆積物を本発明の一実施の形態によりクリーニング除去することができる。
【0030】
次に、一例として、図1に示す成膜装置を用いてシリコン系膜の成膜とその後のクリーニングを行う手法を図2および図3をも参照して以下に説明する。図2は、成膜およびクリーニングプロセスのフロー図であり、図3は、成膜およびクリーニングプロセスにおける成膜装置の温度変化を示す図である。
【0031】
<成膜>
成膜に際し、まず、図1のLPCVD成膜装置10のCVD反応チャンバ11にウエハを導入する(図2のステップST11、図3の時間t)。通常、加熱ヒータ114の電源は入れたままにしてあり、成膜装置10内は、例えば300℃程度の温度になっている。その状態で、石英ロッド113a、113bを下降させ、100枚程度の半導体ウエハ(図示せず)を石英ロッド113a、113bに装填する。
【0032】
半導体ウエハを装填した後、CVD反応チャンバ11を一度真空引きをし、成膜温度まで加熱する(図2のステップST12、図3の時間t)。成膜温度は、例えばポリシリコンを成膜する場合、600℃程度である。成膜温度まで加熱した後、成膜のためのCVD原料ガスを成膜装置10内に供給する(図2のステップST13、図3の時間t)。ポリシリコンの場合、CVD原料ガスとして、通常、シランガス(SiH)が使用される。シランガスの流量は、例えば30cc/分程度である。CVD原料ガス導入と同時に成膜が始まる。所要の厚さまでポリシリコンが堆積した後、CVD原料ガスを止めて成膜を終了させる(図2のステップST14、図3の時間t)。いうまでもなく、時間tから時間t間では、ポリシリコンの成膜時間である。シリコン系膜の膜厚は、通常、CVD原料ガスを流す時間で管理することができる。
【0033】
成膜終了後は、まずCVD反応チャンバ11の真空引きを行ない、CVD原料ガスを完全に排気した後、窒素ガス等の不活性ガスをCVD反応チャンバ11内に充填する。この間に、CVD反応チャンバ11内の温度は、成膜温度(例えば600℃)から通常の待機温度(例えば300℃)まで低下する。温度が待機温度まで下がり、原料ガスがCVD反応チャンバ11から完全に排気された後、ウエハを取り出す(図2のステップST15、図3の時間t)。こうして成膜プロセスが終了する。
【0034】
<クリーニングプロセス>
上にも述べたように、クリーニングは、成膜の都度行うものではなく、何回かの成膜工程によって、反応炉内壁に許容できない膜厚が堆積したときにのみ実行される。従って、成膜後クリーニングの必要性を確認する(図2のステップST16)。クリーニングが必要なければ、上記順序に従って成膜を行うことができる。クリーニングが必要となったら、クリーニングプロセスを開始する。
【0035】
クリーニングの際には、いうまでもなく半導体ウエハをCVD反応チャンバ11内に導入することはないので、待機状態からクリーニングプロセスを開始する。クリーニングの時間は、クリーニングの温度が高いほど短くて済むが、成膜装置の石英製構成部材に対するダメージもそれに応じて大きくなる。そのため、シリコン系堆積物が厚く堆積している場合のみ少し高温(例えば450℃)でクリーニングを行い、石英製構成部材が露出する時点には、少し温度を下げることが望ましい。
【0036】
例えば、クリーニングの開始に際し、まずクリーニング温度例えば450℃にCVD反応チャンバ11内を加熱する(図2のステップST21、図3の時間t)。しかる後、CVD反応チャンバ11内にフッ素ガスとフッ化水素ガスを含むクリーニングガスを供給して、クリーニングを開始する(図2のステップST22、図3の時間t)。堆積しているシリコン系堆積物の膜厚とクリーニングガスによるシリコン系堆積物のエッチング速度から、例えば、堆積膜厚の80%をエッチングする時間を算出することができる。算出された時間だけ、上記高温(例えば450℃)でクリーニングを行った後、成膜装置10の温度を、例えば400℃まで低下させる(図2のステップST23、図3の時間t)。この温度が300℃より高いとき、石英からの脱離ガス量を低減させることができる。この温度でクリーニングを続け、シリコン系堆積物が除去された後、クリーニングガスの供給を止め、クリーニングを終了させる(図2のステップST24、図3の時間t)。
【0037】
クリーニング終了後、そのままの温度(例えば400℃)で少なくとも10分間維持すること(脱ガス処理)により、石英表面に吸着したクリーニングガスは、ほぼ脱離し終える(図2のステップST25、図3の時間t)。クリーニングガスの脱離を完全に行わずに、次のプロセス、例えば成膜プロセスに移行した場合、成膜された膜の中に、デバイスに影響を与えるほどの、例えばF原子が混入してしまう。300℃を超える温度を少なくとも10分間維持することによって、次のプロセスへのクリーニングガスの影響を最小に抑えることができる。こうして脱ガス処理を行った後、新たな成膜プロセスを開始することができる。
【0038】
なお、上に述べたように、成膜装置が排気配管等ステンレス鋼製構成部材を有する場合、これを予めフッ化処理に供しておくことにより、当該ステンレス鋼製構成部材からのガス脱離をさらに低減させることができる。ステンレス鋼製構成部材のフッ化処理を併用することによって、総合的に成膜装置内に残留する例えばフッ化水素ガス分子を速やかに取り除くことが可能になる。
【0039】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0040】
【実施例】
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0041】
実施例1
石英製の反応炉に、フッ素ガスとフッ化水素ガスを窒素ガスとともに導入し、反応炉圧力を50Torrに設定し、フッ素ガス流量、フッ化水素ガス流量、窒素ガス流量をそれぞれ、50sccm、50sccm、400sccmに設定して30分間クリーニングを行った。その際、クリーニング温度を20℃から700℃の範囲内で変化させた。クリーニング終了後、ガスを止め、反応炉の温度をクリーニング温度から段階的に800℃まで上昇させながら、反応炉壁面から脱離したフッ化水素ガスの量(フッ化水素イオンのイオン強度)を測定した。クリーニング温度が300℃以下の結果を図4に、400℃以上の結果を図5に示す。図4において、線aは、反応炉の段階的温度上昇のプロファイルを示し、線bは、クリーニングを20℃で行った場合のフッ化水素の脱離量(イオン強度)を示し、線cは、クリーニングを100℃で行った場合のフッ化水素の脱離量(イオン強度)を示し、線dは、クリーニングを300℃で行った場合のフッ化水素の脱離量(イオン強度)を示す。また、図5において、線eは、反応炉の段階的温度上昇のプロファイルを示し、線fは、クリーニングを400℃で行った場合のフッ化水素の脱離量(イオン強度)を示し、線gは、クリーニングを500℃で行った場合のフッ化水素の脱離量(イオン強度)を示し、線hは、クリーニングを600℃で行った場合のフッ化水素の脱離量(イオン強度)を示し、線iは、クリーニングを700℃で行った場合のフッ化水素の脱離量(イオン強度)を示す。
【0042】
図4に示す結果から、クリーニング温度が20℃から300℃の範囲において、クリーニング終了後の昇温過程で大きな脱ガスがみられることがわかる。特に、CVD成膜で通常使われる、600℃から800℃の温度領域で、大きな脱ガスのピークが現れることがわかる。
【0043】
一方、図5に示す結果から、クリーニング温度が400℃以上であると、クリーニング終了後の昇温において、クリーニング温度から100℃程度上昇させて時点で、脱ガスは無くなり、それ以上の昇温では、大きな脱ガスはみられないことがわかる。
【0044】
実施例2
石英製の反応炉に、フッ素ガスとフッ化水素ガスを窒素ガスとともに導入し、反応炉圧力を50Torrに設定し、フッ素ガス流量、フッ化水素ガス流量、窒素ガス流量をそれぞれ、50sccm、50sccm、400sccmに設定して、400℃で放置し、30分間クリーニングを行った。クリーニング終了後、400℃で30分間ガスを止め、反応炉の温度をクリーニング温度で30分間維持した後、段階的に800℃まで上昇させながら、反応炉壁面から脱離したフッ化水素ガスの量(フッ化水素イオンのイオン強度)を測定した。結果を図6に示す。図6において、線aは、反応炉の段階的温度上昇のプロファイルを示し、線bは、フッ化水素の脱離量(イオン強度)を示す。
【0045】
図6に示す結果からわかるように、クリーニングガスを止めた後、約10分で脱ガス量は大きく減少し、フッ化水素の脱離が完全に減少した後は、それ以上反応炉の温度を上昇させても、フッ化水素の脱離は生じない。
【0046】
実施例3
(2−1)表面処理を施していないSUS316ステンレス製の反応炉に、フッ素ガスとフッ化水素ガスを窒素ガスとともに導入し、反応炉圧力を50Torrに設定し、フッ素ガス流量、フッ化水素ガス流量、窒素ガス流量をそれぞれ、50sccm、50sccm、400sccmに設定して30分間クリーニングを行った。その際、クリーニング温度を20℃から200℃の範囲内で変化させた。クリーニング終了後、ガスを止め、反応炉の温度をクリーニング温度から段階的に200℃まで上昇させながら、反応炉壁面から脱離したフッ化水素ガスの量を測定した。結果を図7に示す。図7において、線aは、反応炉のクリーニング温度の段階的上昇のプロファイルを示し、線bは、クリーニングを20℃で行った場合のフッ化水素の脱離量(イオン強度)を示し、線cは、クリーニングを100℃で行った場合のフッ化水素の脱離量(イオン強度)を示し、線dは、クリーニングを200℃で行った場合のフッ化水素の脱離量(イオン強度)を示す。
【0047】
図7に示す結果から、クリーニング終了後の昇温で、大きなフッ化水素ガスの脱離がみられる。特に、クリーニング温度100℃の結果に大きな脱ガスがあることがわかる。
【0048】
(2−2)予め200℃で0.05MPaのフッ素ガスに5時間暴露して表面フッ化処理を施したSUS316ステンレス製の反応炉に、フッ素ガスとフッ化水素ガスを窒素ガスとともに導入し、反応炉圧力を50Torrに設定し、フッ素ガス流量、フッ化水素ガス流量、窒素ガス流量をそれぞれ、50sccm、50sccm、400sccmに設定して30分間クリーニングを行った。その際、クリーニング温度を20℃から200℃の範囲内で変化させた。クリーニング終了後、ガスを止め、反応炉の温度をクリーニング温度から段階的に200℃まで上昇させながら、反応炉壁面から脱離したフッ化水素ガスの量を測定した。結果を図8に示す。図8において、線eは、反応炉のクリーニング温度の段階的上昇のプロファイルを示し、線fは、クリーニングを20℃で行った場合のフッ化水素の脱離量(イオン強度)を示し、線gは、クリーニングを100℃で行った場合のフッ化水素の脱離量(イオン強度)を示し、線hは、クリーニングを200℃で行った場合のフッ化水素の脱離量(イオン強度)を示す。
【0049】
図8に示す結果から、クリーニング終了後の昇温で、表面処理の無い場合に比べ、大幅にフッ化水素ガスの脱離が低減されたことがわかる。
【0050】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の方法によれば、成膜装置の構成部材に対するフッ素ガスおよびフッ化水素ガス含有クリーニングガスの残留量を低減させ得る成膜装置のクリーニング方法が提供される。さらに、ステンレス部分を、予め表面フッ化処理しておくことで、ステンレス表面に残留するクリーニングガスも大幅に低減することができる。これらの組み合わせにより、クリーニング終了後の成膜工程で、クリーニングガスによる汚染のほとんど無い清浄な成膜が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの形態に係るクリーニング方法を実施するために好適な成膜装置の一例を示すブロック図。
【図2】成膜およびクリーニングプロセスのフロー図。
【図3】成膜およびクリーニングプロセスにおける成膜装置の温度変化を示すグラフ。
【図4】300℃以下のクリーニング実施後の石英からのフッ化水素ガス脱離量を示すグラフ。
【図5】400℃以上のクリーニング実施後の石英からのフッ化水素ガス脱離量を示すグラフ。
【図6】表面処理をしないSUS316からのフッ化水素ガス脱離量を示すグラフ。
【図7】予め表面フッ化処理をしたSUS316からのフッ化水素ガス脱離量を示すグラフ。
【図8】本発明の別の態様における石英からのフッ化水素ガス脱離量を示すグラフ。
【符号の説明】
10…クリーニングシステムを付加した成膜装置、11…反応炉、12…フッ素ガス供給源、13…フッ化水素ガス供給源、14…不活性ガス供給源、15…廃ガス処理装置、111…プロセスチューブ、113a,113b…石英ロッド、114…加熱器、L11〜L13、L5…ガス供給ライン、V11〜V13…開閉弁、PG…圧力センサー、MFC11〜MFC13…マスフローコントローラ、BV1…バタフライ弁、PM…真空ポンプ

Claims (2)

  1. 石英製構成部材を有する成膜装置をシリコン系薄膜の形成に使用した後にその構成部材に堆積したシリコン系堆積物を除去するための成膜装置のクリーニング方法であって、前記成膜装置内に、フッ素ガスとフッ化水素ガスを含むクリーニングガスを供給しながら、前記構成部材を加熱することによって前記シリコン系堆積物をクリーニング除去し、前記シリコン系堆積物をクリーニング除去した後、前記クリーニングガスの供給を停止してクリーニングを終了させ、該クリーニング終了時に前記構成部材は300℃を超える温度にあり、しかる後、前記石英製構成部材を少なくとも10分間300℃を超える温度に維持する脱ガス処理に供することを特徴とする成膜装置のクリーニング方法。
  2. 前記成膜装置が少なくとも1つのステンレス鋼製の構成部材を有し、該少なくとも1つのステンレス製の構成部材の内面を予めフッ化処理しておくことを特徴とする請求項1に記載のクリーニング方法。
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