JP2005075687A - 精密プレス成形用プリフォームの製造方法、精密プレス成形用プリフォーム、光学素子およびその製造方法 - Google Patents

精密プレス成形用プリフォームの製造方法、精密プレス成形用プリフォーム、光学素子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高品質なガラス製の精密プレス成形用プリフォームの製造方法、精密プレス成形用プリフォームおよび光学素子を提供する。
【解決手段】 流出パイプの流出口より流出する熔融ガラスから一定質量の熔融ガラス塊を分離し、該ガラス塊に風圧を加え、浮上させながらガラス製プリフォームに成形する精密プレス成形用プリフォームの製造方法において、流出パイプの下方に配した熔融ガラス支持体により熔融ガラス流の先端を受けて直接支持し、前記熔融ガラス支持体による支持を取り除いて熔融ガラス流の先端から前記熔融ガラス塊を分離する工程を非酸化性ガスで満たされた密閉空間内で行うなど、3種の精密プレス成形用プリフォームの製造方法、Bi含有のフツ燐酸塩ガラスからなり、全表面が熔融状態のガラスが固化して形成されてなる精密プレス成形用プリフォーム、および前記方法で作製されたプリフォームを精密プレス成形してなる光学素子である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、精密プレス成形用プリフォームの製造方法、精密プレス成形用プリフォーム、光学素子およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、高品質なガラス製の精密プレス成形用プリフォームを効率よく製造する方法、Bi含有のフツ燐酸塩ガラスからなる高品質な精密プレス成形用プリフォーム、これらのプリフォームを精密プレス成形して得られた光学素子およびその製造方法に関するものである。
撮像光学系をはじめ様々な光学系では、低分散性ガラスによって作られたレンズが必要とされている。このような低分散性光学ガラスには、一般に分散を小さくする目的でフッ素が導入されている。
近年、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラの小型化、高画素化、高性能化に伴い、低分散性ガラスにより作られた非球面レンズをはじめとするレンズの需要がますます多くなってきている。このような需要に応じるにはレンズ面などの光学機能面の形状を研削、研磨によって加工する方法では間に合わず、プリフォームと呼ばれるガラスを加熱、軟化し、プレス成形型でプレスし、光学機能面を成形する精密プレス成形法(モールドオプティクス成形法とも呼ぶ。)によって高い生産性のもとに量産する方法が有効である(例えば、特許文献1参照)。
フッ素を含む低分散性ガラスからなるレンズを精密プレス成形法で作る場合、まずプリフォームと呼ばれるガラス成形体を作る。プリフォームは目的とする精密プレス成形品の質量と等しい質量をもち、内部および表面に失透、脈理、傷などの欠陥がないものが要求される。
プリフォームの作製には、次の2つの方法が考えられる。1つはガラスブロックを成形し、脈理などの欠陥が無い部分を切り出し、面取り加工や表面を光学研磨してプリフォームとする方法である。この方法では一個一個のプリフォームの表面を光学研磨するので非常に時間と手間がかかり、そのためコストも高くなるという問題がある。また研削、研磨の進行に合わせ、ガラスの質量も厳密に管理しなければならないという問題もある。
もう1つの方法は、熔融ガラスから目的とするプリフォームの質量と等しい質量の熔融ガラス塊を分離し、この熔融ガラス塊が冷却する過程でプリフォームに成形する方法であり、熱間成形法と呼ばれるものである。熱間成形法では、熔融ガラスから直接プリフォームを作ることができるので、生産性を向上させることができる。また、熔融ガラスを流出ノズルから滴下させたり、流出ノズルから流下する熔融ガラスの先端を支持し、所定のタイミングで上記支持を取り除くことにより、熔融ガラス塊を高い質量精度で分離できる。
また、成形中にガラス塊表面が他の物体に極力触れないようにするため、ガラスに風圧を加えて浮上させた状態で成形することにより、極めて滑らかな表面をもつプリフォームを作ることができる。
熱間成形法はこのようにプリフォームの製造方法としては極めて優れたものであるが、フッ素などの揮発性の高い成分を含むガラスへの適用は、これまで困難であった。
例えば、需要が高い超低分散特性を有するガラスはガラス構造中にフッ素を含むことで前記特性を得ているが、熔融状態という極めて高温下のガラスにおいて、フッ素が空気中の酸素と置き換わることでガラス中のフッ素が減少して超低分散性が失われてしまう。熱的安定性が得られるように組成調整してあるガラスにおいて、フッ素が酸素に置き換わることにより安定性が損なわれてしまう。そのため、高い生産性でプリフォームを製造できる方法でありながら、フッ素含有ガラスなどの高温反応性の高いガラスを熱間成形法でプリフォームにすることは、実用化されていないのが実状である。
揮発のメカニズムに違いはあるが、硼素などの易揮発性成分を含むガラスを使用してプリフォームを熱間成形する場合にも揮発の問題がある。
特許第3153871号
このような事情のもとで、本発明の第1の目的は、高品質なガラス製の精密プレス成形用プリフォームを効率よく製造する方法、およびフツ燐酸塩ガラスからなる高品質な精密プレス成形用プリフォームを提供することにあり、第2の目的は、これらのプリフォームを精密プレス成形して得られた光学素子およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、フッ素含有ガラスや硼素含有ガラスなどのように熔融状態において高い反応性や揮発性を示すガラスを用いて精密プレス成形用プリフォームの熱間成形の可能性について鋭意研究を進めた。この過程でフツ燐酸塩ガラスからプリフォームを熱間成形し、その表面を詳細に調べたところ、一見して良好に成形されたと思われるプリフォームでも顕微鏡で拡大観察すると、微細な凸凹が鱗状に連なっているのが認められた。さらに、このプリフォームを精密プレス成形してレンズを作ったところ、レンズの表面にもプリフォームの凸凹が微細な凸凹として残ってしまうことが判明した。レンズ表面の凸凹も目視ではわからないレベルのものであるが、光学素子としては不適当なものである。
プリフォーム表面の微細な凸凹は、高温状態にあるガラス中のフッ素が冷却中に熔融ガラス表面から蒸発するために生じるものと考えられる。フッ素のガラスからの離脱は雰囲気中の酸素との反応の結果生じると考えられる。したがって、凸凹発生を防止するには、流出直後のガラスが大気あるいは酸素を豊富に含む雰囲気に極力触れないようにすればよい。
また、ガラス中の易揮発成分の蒸発を防止しても、ガラスが金型に接触した状態で成形するとプリフォーム表面には金型と接触した痕跡が凸凹となって残ってしまう。
したがって、フッ素含有ガラスなどの高温において反応性の高いガラスを熱間成形して高品質なプリフォームを作るには、
(i)高温状態のガラスは非酸化性雰囲気で満たされた密閉空間内で扱う。
(ii)ガラスが自然冷却しにくい比較的大きな質量の場合は、流出した熔融ガラスをガラスから熱を奪う物体に直接接触させて冷却した後に、プリフォームへの成形を開始する。プリフォームの成形は、他の物体との接触を極力避けるため、ガラスに風圧を加えて浮上させながら行う。
(iii)流出パイプから滴下する比較的質量の小さな熔融ガラス塊の場合は、熔融ガラス塊が滴下する過程で易揮発成分が蒸発しない温度にまで冷やしてから、風圧を加えて浮上させながらプリフォームの成形を開始することができる。
(iv)浮上成形のための浮上ガスが流出パイプの流出口に吹きかかると、プリフォームの質量変動や、脈理、失透などの原因になるため、流出口を浮上ガスから遮断する。
(v)熔融ガラス塊は折れ込みが生じないよう、熔融ガラスからの分離から浮上開始までの間、その移動経路を垂直方向に制限することが望ましい。
以上のような配慮を行った結果、表面に微細な凸凹がなく、内部品質も良好な光学ガラス製の精密プレス成形用プリフォームを安定して生産することができることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)流出パイプの流出口より流出する熔融ガラスから一定質量の熔融ガラス塊を分離し、該ガラス塊に風圧を加え、浮上させながらガラス製プリフォームに成形する精密プレス成形用プリフォームの製造方法において、流出パイプの下方に配した熔融ガラス支持体により熔融ガラス流の先端を受けて直接支持し、前記熔融ガラス支持体による支持を取り除いて熔融ガラス流の先端から前記熔融ガラス塊を分離する工程を非酸化性ガスで満たされた密閉空間内で行うことを特徴とする精密プレス成形用プリフォームの製造方法、
(2)流出パイプより熔融ガラス滴を滴下し、ガスを噴出する成形型で受けて前記ガスにより風圧を加えて浮上しながらガラス製プリフォームに成形する精密プレス成形用プリフォームの製造方法において、前記熔融ガラス滴の滴下を非酸化性ガスで満たされた密閉空間内で行うとともに、熔融ガラス滴の滴下経路を横切るように遮蔽体を設けて流出パイプを前記成形型より噴出するガスから遮蔽するとともに、熔融ガラス滴の滴下に同期して前記滴下経路から前記遮蔽体を取り除くことを特徴とする精密プレス成形用プリフォームの製造方法、
(3)風圧を加えるためのガスが非酸化性ガスである上記(1)または(2)項に記載の精密プレス成形用プリフォームの製造方法、
(4)流出パイプの流出口より流出する熔融ガラスから一定質量の熔融ガラス塊を分離し、該ガラス塊に風圧を加えるためのガスを噴出する成形型で受けて、浮上させながらガラス製プリフォームに成形する精密プレス成形用プリフォームの製造方法において、前記流出口の鉛直下方に開閉可能な開口部を有するカバーで流出口を含む空間を覆い、前記開口部を閉じた時に前記空間が密閉されるようにするとともに、前記空間内に非酸化性ガスを供給し、前記開口部を閉じた状態で熔融ガラス塊を分離し、前記開口部を開いて開口部に近接して配置された非酸化性ガスを噴出する成形型に該ガラス塊を移して成形することを特徴とする精密プレス成形用プリフォームの製造方法、
(5)フッ素を含むガラスからなるプリフォームを成形する上記(1)ないし(4)項のいずれか1項に記載の精密プレス成形用プリフォームの製造方法、
(6)Biを含むガラスからなるプリフォームを成形する上記(1)ないし(5)項のいずれか1項に記載の精密プレス成形用プリフォームの製造方法、
(7)Bi含有のフツ燐酸塩ガラスからなり、全表面が熔融状態のガラスが固化して形成されたものであることを特徴とする精密プレス成形用プリフォーム、
(8)必須カチオン成分としてP5+、Al3+、Ba2+、Ca2+、Sr2+を、任意カチオン成分としてMg2+、Zn2+、Li、Na、K、Si4+、B3+、La3+、Gd3+、Y3+、W6+、Nb5+、Bi3+を、必須アニオン成分としてO2−、Fを、任意アニオン成分としてCl、Brを含む弗燐酸塩光学ガラスからなり、全表面が熔融状態のガラスが固化して形成された面であることを特徴とする精密プレス成形用プリフォーム、
(9)モル%表示で、Al(PO 0〜15%、Ba(PO 1〜25%、AlF 2〜45%、YF 0〜15%、LaF 0〜10%、GdF 0〜10%、MgF 0〜20%、CaF 2〜45%、SrF 2〜45%、BaF 0〜20%、ZnF 0〜30%、LiF 0〜10%、NaF 0〜15%、KF 0〜15%、SiO 0〜5%、B 0〜5%、LiO 0〜5%、NaO 0〜5%、KO 0〜5%、MgO 0〜5%、CaO 0〜5%、SrO 0〜5%、BaO 0〜5%、 ZnO 0〜5%、Y 0〜5%、Al 0〜5%、Gd 0〜5%、Nb 0〜5%、WO 0〜5%を含む弗燐酸塩光学ガラスからなり、全表面が熔融状態のガラスが固化して形成された面であることを特徴とする精密プレス成形用プリフォーム、
(10)全表面が自由表面である上記(7)ないし(9)のいずれか1項に記載の精密プレス成形用プリフォーム、
(11)上記(1)ないし(6)項のいずれか1項に記載の製造方法により作製された精密プレス成形用プリフォームを加熱し、精密プレス成形して作製されたことを特徴とする光学素子、
(12)上記(7)ないし(10)のいずれか1項に記載の精密プレス成形用プリフォームを加熱し、精密プレス成形して作製されたことを特徴とする光学素子、
(13)精密プレス成形品であって、Bi含有のフツ燐酸塩ガラスからなる光学素子、
(14)上記(1)ないし(6)項のいずれか1項に記載の製造方法により作製された精密プレス成形用プリフォームを加熱し、プレス成形型を用いて精密プレス成形することを特徴とする光学素子の製造方法、
(15)上記(7)ないし(10)のいずれか1項に記載の精密プレス成形用プリフォームを加熱し、プレス成形型を用いて精密プレス成形することを特徴とする光学素子の製造方法、
(16)精密プレス成形用プリフォームをプレス成形型に導入し、前記プリフォームとプレス成形型を一緒に加熱し、精密プレス成形する上記(14)または(15)項に記載の光学素子の製造方法、および
(17)精密プレス成形用プリフォームとプレス成形型を別個に加熱してから前記プレス成形型にプリフォームを導入し、精密プレス成形する上記(14)または(15)項に記載の光学素子の製造方法、
を提供するものである。
本発明の精密プレス成形用プリフォームの製造方法によれば、フッ素含有ガラスのような易揮発性、高反応性を有する成分を含む熔融ガラスからでも直接、高品質かつ高い質量精度のプリフォームを作製することができる。
また、本発明の精密プレス成形用プリフォームによれば、精密プレス成形によって表面、内部とも高品質なガラス製の光学素子を提供することができる。
さらに、本発明の光学素子によれば、光学機能面の形状加工に研削、研磨加工が全く必要のない、表面および内部品質に優れたフツ燐酸ガラス製の光学素子を提供することができる。
また、本発明の光学素子の製造方法によれば、光学機能面の形状加工に研削、研磨加工が全く必要のない、表面および内部品質に優れたフツ燐酸ガラス製の光学素子の製造方法を提供することができる。
最初に精密プレス成形用プリフォームの製造方法について詳細に説明する。
[精密プレス成形用プリフォームの製造方法]
本発明において精密プレス成形とは光を屈折させたり、反射させたり、回折させたり、透過したりする光学的機能を備える光学機能面をプレス成形によって形成するプレス成形法のことで、一般にモールドオプティクス成形あるいはモールドプレス成形と呼ばれている。この精密プレス成形では光学機能面(例えば、非球面レンズの非球面などのレンズ面、回折格子の微細な凹凸が形成された面など)の形状をプレス成形で決定するため、研削、研磨により光学機能面を設計形状に加工する必要がない。また、精密プレス成形ではプレス成形品の質量に等しく調整されたガラス成形体を加熱し、加圧によって変形可能な温度にしてプレス成形型でプレスする。このガラス成形体を精密プレス成形用プリフォーム(以下、単にプリフォームと称すことがある。)という。
プリフォームは前記のように高い質量精度を有し、脈理、失透、傷、ヒビ割れなどがない内部品質ならびに表面状態が良好なもののみ使用される。
(プリフォーム製法1について)
プリフォームの製造方法の第1の態様(以下、プリフォーム製法1と呼ぶ。)は、流出パイプの流出口より流出する熔融ガラスから一定質量の熔融ガラス塊を分離し、該ガラス塊に風圧を加え、浮上させながらガラス製プリフォームに成形する精密プレス成形用プリフォームの製造方法において、流出パイプの下方に配した熔融ガラス支持体により熔融ガラス流の先端を受けて直接支持し、前記熔融ガラス支持体による支持を取り除いて熔融ガラス流の先端から前記熔融ガラス塊を分離する工程を非酸化性ガスで満たされた密閉空間内で行うことを特徴とするものである。
熔融状態のガラス中に含まれるフッ素等の高反応性成分は雰囲気中の酸素濃度が高いと表面付近の高反応性成分と酸素が置換することによりガラス表面の組成が変化し、表面に変質層が生じたり、高反応性成分がガラスから離脱する際に、先に説明したような鱗状の微細な凸凹を発生したりする。そのため、プリフォーム製法1では流出直後のガラスを非酸化性ガスで満たされた密閉空間内で扱う。
非酸化性ガスとしては、窒素ガス、不活性ガス(例えば、アルゴンガス、ヘリウムガスなど)、炭酸ガスあるいは前記ガスを混合したガスを例示できる。非酸化性ガス中の酸素の量は体積比率で15%以下に抑えることが望ましく、10%以下であることがさらに望ましく、5%以下であることが一層好ましく、0.1〜5%であればよい。
この方法では、清澄、均質化した熔融ガラスを用意し、温度制御された白金合金製などの流出パイプから一定の流出速度で連続して熔融ガラスを流下させる。そして流出パイプの下方で待機する熔融ガラス支持体の上面で流下する熔融ガラス流の先端を受けて直接支持する。つまり、熔融ガラス流の先端と熔融ガラス支持体が接触した状態で上記支持を行う。熔融ガラス支持体は複数の割り部材から構成されており、各割り部材が相互に離間したり密着する機能を備えている。熔融ガラス流の先端を受ける際には各割り部材を相互に密着させ、割り部材の境界部分で熔融ガラス流の先端を受けて支持する。この状態で前記支持体と熔融ガラス流の先端は直接接触しているため、流出時の粘度が低いガラスであっても熔融ガラス流の先端の粘度が上昇し、割り部材間に侵入することがない。また割り部材との接触で熔融ガラス塊の粘性が上昇するので、以下に説明する成形型に熔融ガラス塊を移す際に発生しやすいガラスの折れ込みを効果的に防止することも可能となる。また、熔融ガラス塊の粘性上昇(温度低下)によって表面からフッ素などの易揮発成分の揮発が減らすこともできる。割り部材は熔融ガラスとの融着を防止するとともに上記効果を得やすくするため、冷却することが好ましい。冷却方法としては割り部材を水冷する方法、割り部材を空冷する方法、割り部材表面を黒色として放射率を高める方法、前記方法の組合せなどを例示することができる。割り部材を水冷や空冷する場合、割り部材内部に流路を設け、その中に冷却水や冷却ガスを流せばよい。また、熔融ガラス支持体としては耐熱性の金属、カーボン、セラミックスなどを例示できる。なかでも耐熱性、熱伝導性を考慮すると耐熱性ステンレス鋼が好ましい。
熔融ガラス流の先端を受けて支持した後、所定量の熔融ガラス塊が得られるタイミングで熔融ガラス支持体による支持を取り除き、熔融ガラス塊を分離する。熔融ガラス支持体による支持の取り除く具体的な方法としては、熔融ガラス支持体を鉛直下方に降下する方法がある。熔融ガラス塊の量を一定にするため、熔融ガラス流の先端を受ける位置および熔融ガラス支持体の降下条件は一定とし、降下の周期も一定にする。前記降下の距離と速度は、熔融ガラス流が切断可能な距離と速度を選べば良い。熔融ガラス支持体を鉛直下方に降下させると熔融ガラス流の先端と流出パイプ側の間にくびれが生じ、さらに降下を続けることによってくびれが大きくなり、先端が分離して熔融ガラス支持体上に所定量の熔融ガラス塊が得られる。次に割り部材を相互に離間し、離間した割り部材の間から熔融ガラス塊を鉛直下方に落下させる。熔融ガラス流の分離が終了する前に割り部材を離間させて熔融ガラス塊を落下させてもよい。また割り部材を降下させず、割り部材を一定時間おきに開いてガラス流を切断してもよし、割り部材の降下と割り部材の一定時間おきの離間を組合せる方法で熔融ガラス塊を分離してもよい。
割り部材の数は幾つでもよいが、上記一連の動作を確実かつ容易に行うという観点から2つの割り部材で熔融ガラス支持体を構成することが好ましい。その際、割り部材を密着させた状態における割り部材の境界は直線とすることが両部材を密着させる上から好ましい。また2つの割り部材の上面を平面にするとともに、前記2つの上面がなす角度を90°〜180°、2つの割り部材の境界を通る仮想的な平面に対し、上記2つの面が対称であることが望ましい。このような熔融ガラス支持体を使用することにより、熔融ガラス流の先端を安定して支持できるとともに、割り部材を離間したときに熔融ガラス塊を鉛直下方に落下させることができる。
なお前記降下の前に熔融ガラス支持体を熔融ガラス流の流出速度よりも小さな速度で鉛直下方に降下させてもよい。このような操作により、熔融ガラス溜まりに流出パイプ先端が埋もれ脈理が発生することを防止することができる。
熔融ガラス支持体下方には成形型が待機し、落下する熔融ガラス塊を受け取る。熔融ガラスは流出パイプから流出し、成形型に落下するまで終始、鉛直下方に沿った経路をたどる。そのため熔融ガラス流、熔融ガラス塊に働く外力の水平方向成分を極小にすることができ、ガラス成形体に折れ込みなどの欠陥発生を防止することができる。
熔融ガラス塊を受けてガラス成形体に成形する成形型の底部にはガス噴出口が設けてあり、そこから成形型上のガラス(熔融ガラス塊およびガラス成形体を一括して呼ぶ。)に上向きの風圧を加えて浮上させるためのガスを噴出してガラスを浮上させながら成形を行う。なお、前記ガス(以下、浮上ガスという。)が流出パイプに吹きかかるとパイプや流下する熔融ガラス流の温度が低下したり、熔融ガラス流の流下を不安定にするため、熔融ガラス塊を落下した後、直ちに割り部材を相互に密着して浮上ガスを遮ることが望ましい。
なお浮上ガスとしても非酸化性ガスを使用することが好ましい。その場合、上記密閉空間内を満たす非酸化性ガスと同種のガスを使用することが望ましい。
なお、ガス噴出口は複数の細孔が選択的に開口されたものであってもよいし、1つの細孔であってもよい。選択的に開口した複数の細孔からガスを噴出する方法は、熔融ガラス塊には広い範囲にわたり上向きの風圧が加わるため、回転対称軸を一つ有し前記回転対称軸を含む断面における輪郭が外側に凸になっている回転体にガラスを成形する場合に好適である。この場合、成形型の凹部には凹部の中心に対して対称となるように複数の細孔を配することが好ましい。
一方、成形型の凹部の中心に細孔を1つ設けてガスを噴出することにより、成形型の凹部内でガラスを回転しながら成形することができる。この方法は球状のガラス成形体を成形する場合に適している。
成形型の材質としては、ステンレス鋼などの耐熱性金属、カーボンなどを用いることができる。また成形型に移された熔融ガラス塊は流出時よりも低温になっているが、依然として高温であり、融着のおそれがある。そのため成形型の温度を300℃以下にコントロールして確実に融着を防止することが好ましい。また、融着を防止するために成形型の表面にはダイヤモンド様カーボン膜などの膜を設けることが望ましい。
熔融ガラス支持体の熔融ガラスに接触する面、成形型の熔融ガラス塊に接触する面には、融着を防止するためにダイヤモンド様カーボン膜などの膜を設けることが望ましい。また、上記面を鏡面仕上げすることが望ましい。熔融ガラス支持体を離間させて、熔融ガラス塊を落下させる際、割り部材表面でガラスの融着が発生したり、熔融ガラスの滑りが悪い場合は、熔融ガラス塊に働く外力の水平方向成分が大きくなり、ガラス成形体に折れ込みなどの欠陥が発生する危険性が増える。よって融着防止と滑り向上の目的で、割り部材表面にダイヤモンド様カーボンをコーティングすること、割り部材を冷却すること、割り部材表面を研磨することが特に好ましい。
また、ガラスの折れ込み防止をより確実に行う上から熔融ガラス塊を成形型の中心に落下させることが好ましく、上記の手段がポイントとなる。
次々と分離、落下する熔融ガラス塊を受けるため、熔融ガラス支持体の下方に複数の成形型を順次移送する。具体的にはターンテーブル上に複数の成形型を等間隔に配置し、熔融ガラス塊の落下時に空の成形型が待機するようにすればよい。このようにして複数の成形型に熔融ガラス塊を分配し、ガラス成形体を成形する。
成形されたガラス成形体は外力によって変形しない温度にまで成形型上で冷却してから取り出し、徐冷する。
ここで、図1は、本発明の精密プレス成形用プリフォームの製造方法の1例を示す製造工程図であって、上記熔融ガラス塊を分離する工程を非酸化性ガスで満たされた密閉空間内で行うには、この図1に示すように流出パイプ2の先端、熔融ガラス支持体3a(図では割り部材)で形成された空間を非酸化性ガスで満たす。プリフォームを成形する成形型1は全て密閉容器内に入れて、その中を非酸化性ガスで満たす方法が望ましいが、成形型1のガラスを成形する空間に非酸化性ガスを流しておく方法でも十分効果がある。上記密閉空間を必要最小限にするため、流出パイプ2の先端と熔融ガラス支持体3aの熔融ガラス塊4aを載せる部分を囲むようにカバー5(図ではガラスカバー)で覆う。熔融ガラス支持体3aを構成する割り部材を互いに密着した状態でカバー5と熔融ガラス支持体3aによって密閉空間が形成される。この密閉空間内を非酸化性ガス6(図ではNガス雰囲気)で満たせば、熔融ガラス塊4aの分離は上記割り部材3aが互いに密着した状態で行われるので、ガラスの温度が高く外気との反応性が高い段階の熔融ガラス塊の分離工程を非酸化性ガスで満たされた密閉空間内で行うことができる。図2は、熔融ガラス流を受ける割り部材の形状の別の例を示す説明図であって、この図2においては、熔融ガラス支持体3bを2つの割り部材で構成し、熔融ガラス4を受ける面を傾斜させている。そして、所定量の熔融ガラス塊4aを分離できるタイミングで、割り部材3bを降下させないで、相互に離間することにより熔融ガラス下端部の支持を取り外し、熔融ガラス塊4aを分離し、成形型1の中央に自然落下させる。
上記カバー5として、透明容器、例えばガラス容器が好ましい。カバー5を透明にすることにより、流出状態を外部から観察することができる。また図1、2ではガラスカバー5内の密閉性を高めるために、ガラスカバー5と割り部材3a、3bの間をテフロン製などの弾力がある素材で構成したスカート8で隙間無くつなぎ、割り部材が降下したり、相互に離間したときでもガラスカバー5と割り部材3a、3bの間に隙間ができないようにしている。このように、隙間を小さくすることで、カバー内の内圧を外気圧より高くすることも可能となり、大気がカバー内に侵入しにくくなる。
なお、流出パイプの先端外周に熔融ガラスが濡れ上がる場合がある。このような場合、熔融ガラスが濡れ上がる部分も上記密閉空間内に含まれるようにすることが好ましい。
さらに、非酸化性ガスとして乾燥状態のガスを使用することが好ましい。ガス中に水分が含まれると、水分とガラス中のフッ素が結合しガラスから揮発しやすくなるためである。乾燥ガスの作り方としては、例えば、乾燥剤中を通してガス中の水分を除去したり、液化ガスを蒸発させて用意すればよい。液化ガスの例としては、液体窒素、液体炭酸ガスを好ましい例として示すことができる。尚、液体炭酸ガスは、高圧下で、炭酸ガスを液化したものである。
乾燥ガスとしては水分含有量が400ppm以下であることが好ましく、380ppm以下であることがより好ましい。乾燥ガスの水分含有量の下限には特に制限はなく、理想的には0ppmであるが、大量に入手できる乾燥ガスの水分含有量は100ppm以上のものである。また、乾燥ガスとして露点が−30℃以下のガスを用いることも好ましい。乾燥ガスの露点の下限には特に制限はないが、大量に入手できるガスの露点の下限は、−80℃程度である。さらに、乾燥ガスとして高圧ガスを使用することもできる。例えば、高圧ヘリウムガス、高圧アルゴンガスを使用する場合は、露点が−60℃のグレードや、超高純度グレード(露点が−80℃)を指定すればよい。したがって、これらの高圧ガスからガスを乾燥ガスとして利用することもできる。但し、高圧ガスは容器の保存状況によっては、露点が上昇することがあるので、十分に管理された高圧ガス容器からのガスを使用することが好ましい。また、水分含有量または露点が上記範囲に入らないガスであっても、合成ゼオライト等の乾燥剤を充填したカラムを通過させて、水分含有量または露点が所定の値になったガスを乾燥ガスとして使用することもできる。
次に密閉容器内に供給する非酸化性ガスの温度について説明する。非酸化性ガスを流出パイプから離した位置に供給する場合には乾燥ガスの温度は特に制限はなく室温程度でもよい。上記ガスを流出パイプ近傍から供給する場合には、パイプへの揮発成分の付着を防止するため、ガスの温度を成形するガラスの軟化温度以上にすることが好ましく、流出ガラス温度にすることがより好ましい。
図1で示すように、熔融ガラス支持体3aを構成する割り部材を離間して熔融ガラス塊4aを鉛直下方に落下して成形型1の中心に導入した後、上記割り部材は直ちに相互に密着させる。したがって、カバー5を用いて流出パイプ2の先端と熔融ガラス支持体3aの上部を密閉する構造でも熔融ガラス塊を落下させる時を除き、カバー5で覆われた空間を密閉状態に保つことができる。また割り部材を離間した時でもカバー内から非酸化性ガスが流れ出しているのでカバー5で覆われた空間内に浮上ガス9(図ではN)は流れ込みにくい。さらに浮上ガスが流れ込んだとしてもそのガスも非酸化性ガスであるので密閉空間内は非酸化性ガスで満たされた状態を保つこともできる。
以上、プリフォーム製法1によれば、大気との反応性が高い流出直後の熔融ガラスを非酸化性ガスで満たされた密閉空間内で扱うため、表面が滑らかで欠陥のないプリフォームを成形することができる。また、熔融ガラス塊を上記密閉空間内で熔融ガラス支持体に直接接触させることによりガラスの熱を奪い、成形型に導入する前にフッ素などの高反応性成分や易揮発性成分が後発しにくい温度域にまでガラス表面を冷却することができる。そのため、全表面が熔融状態のガラスが固化して形成されたものであり、鱗状の微細な凹凸のない、微視的に見ても滑らかなプリフォームを製造することができる。
一方、成形型の凹部の中心に細孔を1つ設けてガスを噴出することにより、成形型の凹部内でガラスを回転させながら成形することができる。この方法は球状のガラス成形体を成形する場合に適している。
なお、プリフォーム製法1は、比較的大きな質量のプリフォームを製造する場合に適している。プリフォーム質量の好ましい範囲は200mg〜10gである。また、質量精度は±2%以内であることが好ましく、±1%以内であることがより好ましい。
(プリフォーム製法2について)
プリフォームの製造方法の第2の態様(以下、プリフォーム製法2と呼ぶ。)は、流出パイプより熔融ガラス滴を滴下し、ガスを噴出する成形型で受けて前記ガスにより風圧を加えて浮上しながらガラス製プリフォームに成形する精密プレス成形用プリフォームの製造方法において、前記熔融ガラス滴の滴下を非酸化性ガスで満たされた密閉空間内で行うとともに、熔融ガラス滴の滴下経路を横切るように遮蔽体を設けて流出パイプを前記成形型より噴出するガスから遮蔽するとともに、熔融ガラス滴の滴下に同期して前記滴下経路から前記遮蔽体を取り除くことを特徴とする製造方法である。
プリフォーム製法2においてもプリフォーム製法1と同様の理由から、同製法1と同様の非酸化性ガスを使用する。
図3は、本発明の精密プレス成形用プリフォームの製造方法の別の例を示す製造工程図である。
プリフォーム製法2においても、図3に示したように、清澄、均質化した熔融ガラスを用意し、温度制御された白金合金製などの流出パイプ2から一定の流出速度で熔融ガラス4を流出させる。そして流出パイプ2の下方で待機する成形型1のガス噴出口が設けられた成形部に熔融ガラス滴を滴下する。成形型1は複数用意し、流出パイプ2の下方の熔融ガラス滴を受ける位置(滴下位置という。)で熔融ガラス滴4bを受けると滴下位置から搬出され、空の成形型が滴下位置に搬送される。このようにして複数の成形型を順次、滴下位置に搬送して熔融ガラス滴4bを次々と受ける。成形型上の熔融ガラス滴はガス噴出口から上向きに噴出するガス(浮上ガス)9(図ではN)により上向きの風圧が加えられ、浮上しながらガラス成形体に成形される。固化したガラス成形体は成形型から取り出され、再度、滴下位置に戻される。
このように複数の成形型を循環して使用するが、ガス噴出口からは浮上ガスが噴出しているため、成形型が滴下位置に来ると浮上ガスが流出パイプに吹きかかり、流出条件、滴下条件を不安定にする。
ここで流出条件が不安定になるという意味を具体的に説明する。浮上ガスが流出パイプの先端に吹きかかると、ガスにより流出パイプ先端が冷やされるため、流出パイプの温度が変動し、ガラスの流出量が変動する。但し滴下重量は、ガラスの流出量の変動幅が小さい場合は大きくは変動しない(理由は後述する)。一方、流出パイプ先端の温度が低下すると、流出口で熔融ガラスの結晶が析出することがあり、この場合は、滴下重量が大きくなったり、ガラス成形体に脈理が発生したりする。前記したガラス組成は、一般に流出温度域で結晶化しやすいため、流出パイプ先端の温度低下は大きな問題である。
次に滴下条件が不安定になるという意味を具体的に説明する。液滴の重量は、流出口の外径(D)、ガラスの表面張力(γ)、重力加速度(g)により決まる(式1)。厳密にはガラス流量が多いほど液滴重量は重くなるが、流量変化が小さい場合は液滴重量の変動要因とはならず影響は無視できる。一方、γは温度に依存するので、温度変動が大きいと、液滴重量が変動する原因となる。gは地球上では一定であるが、浮上ガスが液滴先端にかかると液滴を持ち上げる力となるので、みかけ上、gが小さくなったのと同じ影響を受ける。つまり液滴の下方から浮上ガスがかかると、液滴重量は重くなる。但し浮上ガスの流れが乱れており、液滴を持ち上げる力が一定でないため、浮上ガスを遮断した場合より滴下重量が変動しやすくなる。
液滴重量=πDγ/g ……(1)
本発明では浮上ガス9が流出パイプ2に吹きかからないようにするため、この図3に示すように、流出パイプ2と成形型1の間に遮蔽体または支持体3c(図では割り部材)を設け、流出パイプ2を浮上ガス9から遮蔽すると同時に、カバー5と遮蔽体3cで流出パイプ先端を含む密閉空間を形成する。密閉空間内に非酸化性ガスを満たすため、カバー内に一定流量の非酸化性ガス6(図ではNガス雰囲気)を流す。非酸化性ガスの流量を一定に制御することにより、流出パイプ先端部の温度変動を小さくすることもできる。また、前記遮蔽を十分なものにするため、遮蔽体3cは熔融ガラス滴の滴下経路を横切るように配置し、滴下に同期して滴下経路から遮蔽体3cを取り除くようにする。具体的には、遮蔽体3cを複数の割り部材で構成し、前記割り部材同士を密着させて噴出するガス9から流出パイプ2を遮蔽するとともに、熔融ガラス滴4bの滴下に同期して前記割り部材を相互に離間して、離間した割り部材の間を熔融ガラス滴4bが落下するよう遮蔽体3cを配置する。または、遮蔽体を支持体として使用し、滴下したガラス液滴を受けて支持し、ある程度冷却した後、支持体としての割り部材を相互に離間して、離間した割り部材の間を熔融ガラス滴が落下するよう支持体を配置する。確実かつ容易に上記操作を行うには2つの割り部材により遮蔽体を構成することが好ましい。
このように浮上ガスから流出パイプを遮蔽することにより、熔融ガラスの流出条件、熔融ガラス滴の滴下条件を安定させ、ガラス成形体の質量精度を向上させることができる。なお、前記質量精度としては目標とする質量の±1%以内の範囲とすることが望ましい。
プリフォーム製法2の第2の形態は、流出パイプより熔融ガラス滴を滴下し、ガスを噴出する成形型で受けて浮上しながら成形するプリフォームの製造方法である点は上記プリフォーム製法2の第1の形態と同様である。図4は、本発明の精密プレス成形用プリフォームの製造方法のさらに別の例を示す製造工程図であって、この図4に示すように、熔融ガラス滴4bの滴下経路を横切るように支持体3b(図では割り部材)を設けて流出パイプ2を前記成形型1より噴出するガス9から遮蔽するとともに、滴下した熔融ガラス滴4bを前記支持体3bで直接受けた後、前記支持体3bを取り除くことにより、鉛直下方に落下する熔融ガラス滴4bを成形型1で受け、成形する。上記支持体3bはプリフォーム製法2の第1の形態における遮蔽体の機能とともに滴下した熔融ガラス滴4bを直接受けて支持する機能も果たす。なお、図4に示す方法では、支持体3bの熔融ガラス滴を受ける面は傾斜しており、2つの割り部材を密着させた位置に熔融ガラス滴4bが安定してすわるようにしている。このようにすることにより、熔融ガラス滴4bを成形型1の所望の位置、好ましくは成形型の中心に自然落下するようにしている。
なお、図3や4においてもガラスカバー5と割り部材3c、3bの間にテフロンなどの弾力素材のスカートを隙間無く取り付けてカバー内の密閉性をより向上させてもよい。
なお、上記支持体の構造や形状、材質、冷却方法は、プリフォーム製法1と同様にすればよい。
プリフォーム製法2の第1の形態において、成形型のガス噴出口が設けられた成形部に流出パイプから熔融ガラス滴を滴下することが好ましく、第2の形態において、成形型のガス噴出口が設けられた成形部に支持体で受けた熔融ガラス滴を滴下することが好ましい。なお、流出パイプから成形型に至る間に滴下あるいは落下するガラスがある程度固化することもあるが、そのような場合も含めて滴下あるいは落下するガラスを熔融ガラス滴と呼ぶことにする。
上記第2の形態には次のようなメリットがある。流下時の粘度が極端に低いガラスを、ガスを吹き出している成形型に直接挿入した場合、型中央に挿入したとしても折れ込み脈理や泡が発生する場合がある。特に球状のプリフォームを成形する場合には、成形型内で熔融ガラスを高速回転させる必要があるので、折れ込み脈理や泡が発生する可能性がある。そこで成形型で球状化する前に、熔融ガラスの粘性を少しでも増大させておく必要がある。この方法では、熔融ガラスを成形型に挿入する前に支持体上に保持し、接触面から熔融ガラスの熱を奪うことで熔融ガラスを冷却する。このようにすれば折れ込み脈理や泡発生を防止しつつ、フッ素のような易揮発、高反応性成分のガラスからの離脱も低減することができる。冷却の手段は他にも考えられるが、例えばガスを吹きかける方法では、流出口を冷やしてしまう危険性がある。また多孔質材料からなる支持体を用い、多孔質材料から吹き出すガスで熔融ガラスを非接触状態で支持し冷却する方法も考えられる。しかしガスで流出口を冷やしてしまう危険性がある他、非接触状態だと冷却速度が小さいため、滴下間隔を遅くしなければならず、生産性が低下してしまう問題がある。つまり熔融ガラスの粘度を短時間で確実に増大させ、流出口を冷やす可能性が無いという理由から、第2の形態が好適である。また前記のように、熔融ガラスを成形型に落下挿入する際には、型の中央にできるだけ遅い速度即ち自然落下させることが望ましい。このような条件を実現するため、支持体を複数の割り部材で構成し、前記割り部材同士を密着させて密着部で熔融ガラスを受け、割り部材を相互に離間して、離間した割り部材の間を熔融ガラス滴が落下させる方法を用いる。このようにすることにより、熔融ガラス滴の落下距離を小さくできる他、熔融ガラス滴を自然落下させることができ、熔融ガラス滴に衝撃を与えることなく真下に自然落下させることができる。なお、支持体にはプリフォーム製法1で使用する熔融ガラス支持体と同じものを使用することができる。
第2の形態において、支持体を構成する割り部材は耐熱性がある金属材料、カーボン、セラミックスなどから構成し薄板状に加工する。熔融ガラスとの接触部は内部に水またはガスを流して冷却し、ガラスとの融着を防ぐ。冷却速度を制御するため、水温を制御することも有効である。また滴下された熔融ガラス塊の位置が安定するよう、割り部材は密着部に向けて傾斜させ、熔融ガラスの支持位置を低くする。面は平面である必要はなく、曲面であってもよい。また熔融ガラスとの接触部に窪みを形成してもよい。
また割り部材の離間時に熔融ガラスに加わる水平方向の力を低減するため、熔融ガラスを支持する面は研磨面とし、融着防止と低摩擦特性を有するコーティングを行うことが望ましい。
成形型の材質や成形面に設ける膜、成形型の移送方式としては、プリフォーム製法1と同様のものとすればよい。
上記方法は熔融ガラスの流出条件、熔融ガラス滴の滴下条件の変動により質量精度や品質が低下しやすいガラスの成形にも適している。
ここで、上記熔融ガラスを滴下する工程を非酸化性ガスで満たされた密閉空間内で行うには、流出パイプの先端、遮蔽体、プリフォームを成形する成形型を全て密閉容器内に入れて、その中を非酸化性ガスで満たしてもよい。あるいは上記のように密閉空間を必要最小限にするため、流出パイプの先端を含む空間をカバーで覆い、熔融ガラス滴の落下を妨げないようにカバー下部に開口部を設け、上記遮蔽体でカバー開口部を塞ぐ。熔融ガラス滴を成形型へ落下させる際を除き、前記カバーと遮蔽体により流出パイプ先端を含む空間は密閉状態になる。この密閉空間内に乾燥ガスを満たし、熔融ガラスを滴下する。
なお、カバーとしては透明容器を使用することが好ましく、ガラス容器を使用すればよい。このようにすると流出状態を外部から観察することができる。
このようにして熔融ガラス滴を成形型に送り出すまでを非酸化性ガス雰囲気中で扱うことができる。
なお、上記非酸化性ガスは、プリフォーム製法1の非酸化性ガスと同様にすればよい。
また、浮上ガスも上記非酸化性ガスを使用することが望ましい。
以上、プリフォーム製法2によれば、流出直後の熔融ガラスを非酸化性ガスで満たされた密閉空間内で扱うため、表面が滑らかで欠陥のないプリフォームを成形することができる。
また、滴下重量程度の熔融ガラス滴が有する熱量はプリフォーム製法1によって得られる熔融ガラス塊のもつ熱量に比べて小さいので、成形型に導入する前にフッ素などの易揮発性成分が揮発しにくい温度域にまでガラス表面を冷却することができる。しかし、熔融ガラス滴を遮蔽体に直接接触させる第2の形態によってより一層ガラスの冷却が促進されるので、易揮発性成分の揮発をより低減することができる。以上のようにプリフォーム製法2によれば、全表面が熔融状態のガラスが固化して形成されたものであり、鱗状の微細な凹凸のない、微視的に見ても滑らかなプリフォームを製造することができる。
プリフォーム製法2の非酸化性ガスにおいても、プリフォーム製法1の乾燥状態のガスを使用することができる。
プリフォーム製法2は、比較的小さな質量のプリフォームを製造する場合に適している。プリフォーム質量の好ましい範囲は5〜600mgである。
また、プリフォーム製法1、2のいずれにおいても、成形型に落下させた時点では、熔融ガラス塊(滴)は流出直後ほどではないが高温である。そして、浮上ガスはガラスの下面にのみかかるため、成形型の周囲の雰囲気を上記非酸化性ガス雰囲気として成形を行うことが好ましい。より簡易的な方法ではあるが、上記いずれかのガスを成形型上のガラス上面に吹き付ける方法は効果的である。
プリフォーム製法1、2のいずれも、折れ込みが発生しやすい流出粘度が低いガラスの成形にも適しており、流下時の粘度が0.5〜50dPa・s程度の熔融ガラスから質量精度の高い、高品質なプリフォームを成形することもできる。
上記のような流出粘度が低いガラスでは、球状のプリフォームを成形する場合、図1のようなロート状穴を有する成形型に熔融ガラス塊(滴)を挿入し球状化を行う。熔融ガラス塊(滴)の挿入時において、型中央に熔融ガラス塊(滴)を挿入できれば、吹き上げるガス流に支えられ着地するため、熔融ガラスが折れ込んで泡や脈理が発生する危険性は低くなる。しかしロート状の穴の入り口や壁に当たる状態で熔融ガラス塊(滴)が落下した場合は、壁とガラスの摩擦抵抗や瞬間的な融着により、熔融ガラス塊(滴)が引き伸ばされることがある。このような場合は、着地までにガラスが折れ込み、泡や脈理を生じやすくなる。このような問題は、流下時の粘度が低いガラスに特有の問題であり、粘度が50dPa・s以上のガラスでは殆ど問題にならない。 そこで、流出パイプの真下に成形型を配置し、熔融ガラス塊(滴)を型に挿入する際の折れ込みや泡の発生を防いでいる。しかし、成形型からの浮上ガスが流出パイプの流出口にかかると、プリフォームの質量変動やガラスの品質低下などの問題が発生するため、ガラスを浮上させるためのガスをプリフォーム製法1においては熔融ガラス支持体によって、プリフォーム製法2においては遮蔽体によって遮断し、流出パイプにかからないようにしている。プリフォーム製法2において、浮上ガスを遮蔽する目的だけのために使用する遮蔽体は、薄い板状のものとし、熔融ガラス滴の落下距離を可能な限り小さくすることが望ましい。遮蔽板の材質は、熔融ガラスが接触した場合を考慮し、耐熱性金属材料などを使用すればよい。また滴下と同期させ高速で遮蔽と除去を行うため、移動距離が少ない割り部材とすることが望ましい。
(プリフォーム製法3について)
プリフォームの製造方法の第3の態様(以下、プリフォーム製法3と呼ぶ。)は、流出パイプの流出口より流出する熔融ガラスから一定質量の熔融ガラス塊を分離し、該ガラス塊に風圧を加えるためのガスを噴出する成形型で受けて、浮上させながらガラス製プリフォームに成形する精密プレス成形用プリフォームの製造方法において、前記流出口の鉛直下方に開閉可能な開口部を有するカバーで流出口を含む空間を覆い、前記開口部を閉じた時に前記空間が密閉されるようにするとともに、前記空間内に非酸化性ガスを供給し、前記開口部を閉じた状態で熔融ガラス塊を分離し、前記開口部を開いて開口部に近接して配置された非酸化性ガスを噴出する成形型に該ガラス塊を移して成形することを特徴とするものである。
非酸化性ガスとしてはプリフォーム製法1あるいは2のものと同じものを使用することができる。
プリフォーム製法3は、密閉空間の開口部と成形型を近接した状態で熔融ガラス塊を密閉空間から成形型へ移動することができるので、高温状態のガラスを長時間非酸化性ガス雰囲気中で扱うことができ、高温下において高反応性を示すガラスでも良好なプリフォームを成形することができる。
上記観点ならびに熔融ガラス塊の落下距離を最小にして折れ込みなどの欠陥発生を防止する観点から、前記開口部と成形型上端を密着させてから開口部を開き、熔融ガラス塊の成形型への落下を行うことが好ましい。
また、折れ込みを防ぐ上から熔融ガラス塊は鉛直方向に自由落下させることが望ましく、また成形型の成形部の中央に落下させることが望ましい。
高品質のプリフォームをより安定して生産するためには、プリフォーム製法1および3を組合せた方法、またはプリフォーム製法2および3を組合せた方法がより望ましい。
本発明のプリフォームの製造方法が好適なガラスとして、フッ素含有ガラス、フツ燐酸塩ガラス、硼素含有ガラス、硼素およびフッ素含有ガラス、Bi含有ガラス、Biおよびフッ素含有ガラス、Bi含有フツ燐酸塩ガラス、Biおよび硼素含有ガラス、Bi、硼素およびフッ素含有ガラスなどを例示することができる。
本発明において、流出パイプ先端外周への熔融ガラスの濡れ上がりを低減するとともに、ガラスの高温安定性を向上する上から、ガラス成分にBiを導入することが望ましい。上記濡れ上がったガラスは、パイプ外周に比較的長時間滞在すると考えられ、その間にフッ素や硼素などの易揮発性、高反応性の成分が離脱して変質する。このように変質したガラスが熔融ガラス塊や熔融ガラス滴に取り込まれると、異質な部分がプリフォーム中に生じて欠陥になる。そのため、濡れ上がりは極力低減することが望まれる。
Biを導入することにより、熔融ガラスの表面張力が大きくなり、上記濡れ上がりの低減だけでなく、脈理低減や表面が微視的にも滑らかなプリフォームを効率よく生産することができる。なお、上記濡れ上がりの低減には金含有の白金合金製流出パイプの使用が望ましい。
また、フッ素含有ガラス(例えばフツ燐酸ガラス)の熔解は、酸素含有量を体積比率で15%以下に抑えた非酸化性ガス雰囲気中や、熔融ガラスと反応しない窒素ガスやアルゴンガスなどの雰囲気中で行うことが好ましい。また、前記乾燥状態の非酸化性ガス雰囲気中で熔解することもできる。このようにして、屈折率(nd)が1.4〜1.65の範囲にあり、アッベ数(νd)が65〜97の範囲にあるフツ燐酸塩ガラスからなるプリフォームを製造することができる。
次に本発明のプリフォームについて説明する。
[プリフォーム]
本発明の第1のプリフォームは、本発明の製造方法によって作製されたプリフォームであり、第2のプリフォームは、Bi含有のフツ燐酸塩ガラスからなり、全表面が熔融状態のガラスが固化して形成されたものであることを特徴とするプリフォームである。
本発明のプリフォームは全表面が熔融状態のガラスが固化して形成されたものであり、研磨痕などの微細な傷や潜傷はない。また、微細な凸凹もないので微視的にも滑らか表面になっている。このようなプリフォームによって、精密プレス成形品の表面、特に光学機能面の表面を微視的に意図しない凸凹のない良好な面にすることができ、光学機能面における光散乱や光学素子としての性能低下を防止することができる。なお、本発明のプリフォームとしては、全表面が自由表面であるものが好ましい。
次にプリフォームの好ましい形状について説明する。精密プレス成形の際、プリフォームをなるべく等方的に押し広げることができること、精密プレス成形品の主用途である光学素子で特に需要が高いレンズの形状の主なものが、回転対称軸を有していることから、球または1つの回転対称軸を有する形状が好ましい。1つの回転対称軸を有する形状として好ましいものは次のとおりである。
前記対称軸を含む断面において、プリフォームの輪郭線上の点とプリフォームの重心を結ぶ直線と、前記輪郭線上の点において輪郭線に接する接線を考える。そして前記直線と接線のなす角θが以下のように変化するものが好ましい形状である。すなわち、回転対称軸と輪郭線との交点においてθは90°であり、輪郭線上の点をこの交点から移動するにつれてθは単調増加した後、単調減少に移り、再び90°になった後も単調減少する。それから単調増加に移り、回転対称軸と輪郭線との交点の他方において90°に戻る。この場合、プリフォームは回転体なので、θは上記挙動と同じ挙動を示しながらスタート地点の交点で再び90°になる。なお、θを上記θの補角にとる場合は、単調増加と単調減少が入れ替わる挙動を示す。
このような形状によって、精密プレス成形時にプリフォームとプレス成形型の間に雰囲気ガスが閉じ込められ、成形不良となるガストラップの危険を低減することができる。なお、このようなガストッラプの危険をさらに低減するには、プリフォーム表面の曲率半径がプレス成形型成形面の曲率半径よりも小さくなるように成形すればよい。
次に、本発明のプリフォームがフツ燐酸塩ガラスからなる場合について説明する。この光学ガラスはフツ燐酸塩ガラスである点を活かし、アッベ数(νd)が65以上の低分散特性を備えるものが好ましく、特に、屈折率(nd)が1.4〜1.65、アッベ数(νd)が65〜97であるものが好ましい。
続いて光学ガラスの好ましい組成について説明する。
(好ましい組成I)
第1の好ましいフツ燐酸塩ガラスは、カチオン成分としてBiイオンを含むものである。Biイオン導入はガラスの高温安定性を向上させるとともに、流出パイプへの濡れ上がりを低減する効果がある。さらに、Biの導入により表面張力が大きくなり、上記濡れ上がりの低減だけでなく、脈理低減や表面が微視的にも滑らかなプリフォームを効率よく生産することができる。なお、Biの導入量としては、BiFでは0.2〜20モル%、Biでは0モル%超10%以下である。
(好ましい組成II)
第2の好ましいフツ燐酸塩ガラスは、必須カチオン成分としてP5+、Al3+、Ba2+、Ca2+、Sr2+を、任意カチオン成分としてMg2+、Zn2+、Li、Na、K、Si4+、B3+、La3+、Gd3+、Y3+、W6+、Nb5+、Bi3+を、必須アニオン成分としてO2−、Fを、任意アニオン成分としてCl、Brを含むフツ燐酸塩ガラスである。具体的には、モル%表示で、Al(PO 0〜15%、Ba(PO 1〜25%、AlF 2〜45%、YF 0〜15%、LaF 0〜10%、GdF 0〜10%、MgF 0〜20%、CaF 2〜45%、SrF 2〜45%、BaF 0〜20%、ZnF 0〜30%、LiF 0〜10%、NaF 0〜15%、KF 0〜15%、SiO 0〜5%、B 0〜5%、LiO 0〜5%、NaO 0〜5%、KO 0〜5%、MgO 0〜5%、CaO 0〜5%、SrO 0〜5%、BaO 0〜5%、ZnO 0〜5%、Y 0〜5%、Al 0〜5%、Gd 0〜5%、Nb 0〜5%、WO 0〜5%を含むものである。
上記各成分の組成範囲を限定した理由は次のとおりである。
Al(POはガラスの網目構造を構成する成分であり、ガラスの耐候性を高める最も重要な成分であるが、その含有量が15%を超えると、ガラスの熱安定性が低下し、液相温度も光学特性(分散が高くなる)も大幅に悪化する恐れがあるので、その導入量を15%以下にする。より好ましくは0.5〜12%の範囲である。
Ba(POはガラスの網目構造を構成する成分であると同時に、ガラスの耐候性を向上させるために欠かせない成分である。その含有量が1%未満ではガラスの耐候性が著しく低下するとともに安定性も悪化する。一方25%を超えて導入すると、ガラスの光学恒数(アッベ数)が低下するのに加え、Pの増加により耐候性も悪化する。したがって、その導入量は1〜25%にする。より好ましくは2〜20%の範囲である。
AlFはガラスを安定かつ低分散化する成分であるが、その含有量が45%を超えるとガラスの安定性が著しく低下し、熔解性も悪くなる一方、2%未満では目標とする光学特性が得られないので、その導入量は2〜45%の範囲にする。より好ましくは4〜40%の範囲である。
YF、GdF、LaFは少量の添加により耐失透性改善の効果が高いが、YF、GdF、LaFの導入量はそれぞれ15%、10%、10%を超えると、ガラスは逆に不安定となり、失透しやすくなるので、その導入量はそれぞれ15%、10%、10%以下に抑える。より好ましくはYFの含有量は12%以下で、GdFの含有量は8%以下、LaFの含有量は7%以下である。
MgFは20%を超えて多く導入すると、ガラスの結晶化傾向が増大してガラスが不安定となるため、その導入量は0〜20%とする。少量のMgF導入はガラスの安定性向上に寄与し、ガラスの低分散化に大きく貢献するので、0%を超えて導入することが好ましく、1〜18%導入することがより好ましい。
CaF、SrFはガラス耐失透性を保ち、低分散化するために必要不可欠な成分である。特にCaFがAlFとの組み合わせでガラス構造を強化する役割を果たし、ガラスの安定化に絶対欠かせない成分である。しかし、CaFとSrFの導入量は2%未満ではガラスの安定性が悪化し、また所望の光学恒数を得ることが困難になるのに対し、45%を超えて多く導入すると、逆にガラスを不安定化する恐れがあるので、その導入量は2〜45%の範囲にする。より好ましくはCaF 5〜40%、SrF 3〜35%の範囲である。
ZnFはガラスの安定性や耐候性を高めるために導入する成分ではあるが、その導入量が20%を超えると、逆にガラスが不安定となるため、その導入量を0〜20%とする。より好ましい導入量は1〜16%の範囲である。
BaFはガラスの安定性を高め、屈折率の向上に非常に有用な成分ではあるが、30%より多く導入すると、逆にガラスが結晶化傾向が大きくなり、溶解しにくくなるので、その導入量を0〜30%とする。より好ましい導入量は2〜25%の範囲である。
LiF、NaF、KFは少量の添加によりガラスの耐失透性や分散性を良化する効果があるが、多く導入すると、ガラスの安定性が急速に悪化し、耐久性も悪くなるので、LiF、NaF、KFの導入量はそれぞれ10%、15%、15%以下に抑える。より好ましくはそれぞれ0〜5%、0〜10%、0〜10%である。
SiO、B、LiO、NaO、KO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Y、Al、Gd、Nb、WOは任意成分であり、少量の上記成分の導入によりガラスの安定性や耐候性や耐久性を改善する効果があるが、ガラスの熔融性を悪化させたり、分散性を悪くしたりする恐れがあるので、その導入量は、それぞれ5%以下にする。より好ましくは4%以下である。
さらに脱泡や光学恒数を調整するなどの目的でCl、Brなどの化合物の少量導入は可能である。
なお、好ましいガラス組成IIと好ましいガラス組成Iを組合せ、Bi含有の好ましいガラス組成IIを作ることもできる。
なお、プリフォームを構成するフツ燐酸塩ガラスの耐水性としては、日本光学硝子工業会規格による耐水性試験において、質量減(%)表示で0.25未満であるものが望ましい。
さらにプリフォームを構成するフツ燐酸塩ガラスとしては、両面光学研磨された状態で温度65℃、相対湿度90%の清浄な空気で満たされた恒温恒湿器内に1週間保持し、前記研磨面に白色光を透過させた際の散乱光/透過光の強度比が8.0以下となるような耐候性を持つものが望ましい。
さらに、500℃以下のガラス転移温度(Tg)を有するフツ燐酸塩ガラスが精密プレス成形性の観点から好ましい。
また、ガラス表面における反射、散乱損失を含まないガラス内部透過率(厚さ10mm換算)が80%となる波長が300〜370nmの範囲にあるものが好ましい。
なお、ガラス中に吸収剤を導入し、フィルター機能を付与する場合には、ガラス中に着色成分を導入することもできる。例えば、Cuイオンを適量導入することにより、近赤外線吸収特性を付与することができ、近赤外線吸収機能を有する光学素子を精密プレス成形によって得ることもできる。
熔融ガラスから成形、徐冷して得られたプリフォームには必要に応じて洗浄及び乾燥を行う。また、離型作用やガラスがプレス成形型表面で広がりやすくなるよう潤滑作用を有する膜をプリフォーム表面に形成してもよい。このような膜はプリフォーム表面全体に形成することが望ましい。上記膜としては炭素含有膜や自己組織化膜を例示することができる。炭素含有膜としては、蒸着炭素膜、CVDによって形成される炭素膜などを例示できる。
次に本発明の光学素子について説明する。
[光学素子]
本発明の光学素子は、本発明の製造方法により作製されたプリフォームまたは本発明のプリフォームを加熱し、精密プレス成形して作製された光学素子である。このような光学素子としてはレンズ、プリズム、レンズ付きプリズム、回折格子、ポリゴンミラーなどを例示することができる。またレンズとしては球面レンズ、非球面レンズ、マイクロレンズ、ピックアップレンズ、コリメータレンズ、レンズアレイなどを例示することができる。
質量精度が高いプリフォームを使用することにより、光学素子の全面が精密プレス成形により形成された面である素子も得ることができる。光学素子全面を精密プレス成形により形成することにより、精密プレス成形品に研削、研磨などの機械加工によって形状加工を施こす必要がなくなる。レンズの光学機能面の周囲にある非光学機能面(レンズ周辺部と言う。)はレンズをホルダーに固定する場合に使用することがある。このレンズ周辺部をホルダーに固定する際の位置決めの基準として使用するには、レンズの光軸とレンズ周辺部の相対的位置関係ならびに角度が所定の関係に精度よく形成される必要がある。光学機能面とレンズ周辺部を精密プレス成形で同時に成形すれば、上記レンズの位置決め基準の機能をプレス成形と同時にレンズに付与することが可能である。
なお、光学素子の全面を精密プレス成形により形成する場合、使用する精密プレス成形用プリフォームの質量精度は目標値の±1%以内にすることが望ましい。
上記光学素子がフツ燐酸塩ガラスからなる場合は、低分散あるいは超低分散の光学素子を提供することができる。また、フツ燐酸塩ガラスは紫外線透過率が高いため、紫外線を光学的に制御するためのレンズ(球面レンズ、非球面レンズ、マイクロレンズ、ピックアップレンズ、コリメータレンズ、レンズアレイなど)、プリズム、レンズ付きプリズムに好適である。
また、前記のように着色剤を導入したプリフォームを使用することにより光吸収機能を有する光学素子を得ることもできる。このような素子としてはCuイオンを添加した近赤外線吸収機能を有する光学素子、例えば上記各種光学素子を提供することもできる。
なお、光学素子の表面には、必要に応じて反射防止膜や部分反射膜、高反射膜などの光学多層膜や単層膜を形成してもよい。
[光学素子の製造方法]
本発明の光学素子の製造方法は、本発明の製造方法により作製されたプリフォームまたは本発明のプリフォームを加熱し、プレス成形型を用いて精密プレス成形することを特徴とするものである。
上記方法により、光学機能面に意図しない微細な凸凹や変質、脈理、失透などの欠陥のない高品質な光学素子を作ることができる。特にフツ燐酸塩ガラス製の光学素子の製造に好適である。
光学素子の製造方法の第1の態様(光学素子の製法1と呼ぶ。)は、プリフォームをプレス成形型に導入し、前記プリフォームとプレス成形型を一緒に加熱し、精密プレス成形する方法である。
光学素子の製造方法の第2の態様(光学素子の製法2と呼ぶ。)は、プリフォームとプレス成形型を別個に加熱してから前記プレス成形型にプリフォームを導入し、精密プレス成形するという方法である。
光学素子の製法1では、プレス成形型の温度、プリフォームの温度をともにプリフォームを構成するガラスが10〜1012dPa・sの粘度を示す温度にすることが好ましい。また、上記ガラスが1012dPa・s以上の粘度を示す温度にまで冷却してからプレス成形型から取り出すことが好ましく、上記ガラスが1014dPa・s以上の粘度を示す温度にまで冷却してからプレス成形型から取り出すことがさらに好ましく、1016dPa・s以上の粘度を示す温度にまで冷却してからプレス成形型から取り出すことがより一層好ましい。
光学素子の製法1では、プレス成形型の温度よりも高温に予熱されたプリフォームをプレス成形型に導入して精密プレス成形する方法である。この方法において、プレス成形後、プリフォームを構成するガラスの粘度が1012dPa・s以上になってから離型することが好ましい。
また、プリフォームを浮上しながら予熱することが好ましく、上記ガラスが105.5〜10dPa・sの粘度を示す温度にまで予熱することがより好ましい。また、プレス開始と同時又はプレスの途中からガラスの冷却を開始することが好ましい。
上記プリフォームの予熱では、予熱温度をガラスが10dPa・s以下の粘度を示す温度とすることが好ましく、105.5〜10dPa・sの粘度を示す温度とすることがより好ましい。なお、プレス成形型の温度は上記ガラスが109〜1012dPa・sを示す温度とするのが好ましい。
上記いずれの方法においても、SiC製、超硬合金製、耐熱性金属製などの型材を用い、成形面には必要に応じて炭素膜、貴金属膜などの離型膜を設けたプレス成形型を使用することができ、窒素、窒素と水素の混合ガス、不活性ガスなどの雰囲気中でプレス成形を行うことができる。プレス成形された光学素子には徐冷された後、必要に応じて前記の膜を設けてもよい。
以上のように本発明の光学素子の製造方法によれば、高品質なプリフォームを使用するので表面欠陥、内部欠陥のない良好な光学素子を作製することができる。 さらに、プリフォームの質量精度が高いので光学機能面以外の面に機械加工を施すことなく光学素子を作ることもできる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、ガラスの諸物性は、以下のようにして測定した。
(1)屈折率(nd)およびアッベ数(νd)
1時間当たり、30℃の降温速度で冷却して得られた光学ガラスについて測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg)および屈伏点(Ts)
熱機械分析装置を用い、4℃/分の昇温速度で測定した。
実施例1
所定量のバッチを調合したガラス原料を加熱熔融し、脱泡清澄、攪拌均質化して得られた熔融ガラスを温度制御された白金合金製ノズルから一定の流出速度で連続して流下する。この際のガラスの引き上げ量を9.5kg/日とした。なお、上記熔融ガラスから得られるガラスの組成、特性は表1に示すとおりである。
Figure 2005075687
流下する熔融ガラス流は図1および図2に示された装置によりプリフォームに成形される。
本実施例で用いた熔融ガラス支持体は2つの平板状の割り部材により構成され、熔融ガラス流の先端を受ける面は鏡面仕上げされており、上記割り部材を相互に密着した状態で一つの平面を構成するようになっている。また、流出口と支持体とをN雰囲気にコントロールするため、SiOガラスカバーを図1、2のようにつけ、ガラス熔融体を成形型へ送るまではN雰囲気にコントロールする。さらに、熔融ガラス支持体の内部には熔融ガラスとの融着を防ぐため水路を設けてあり、冷却水を流して水冷している。支持体の温度は、水冷の水量と水温を制御することで制御した。また熔融ガラス支持体の表面には、ダイヤモンド様カーボンをコーティングした。
まず図1に示すように熔融ガラス支持体を割り部材を相互に密着した状態で上昇し、熔融ガラス流の先端を受ける面と流出パイプ流出口から4mm下方まで動かした後停止させる。この状態で熔融ガラス流の先端を受ける面は水平状態(前記受ける面が鉛直上方を向いた状態)に保たれる。次いで流下する熔融ガラス流の先端を密着した2つの割り部材の境界部分で受けて支持する。熔融ガラス支持体上で支持される熔融ガラスの大きさは、時間と共に大きくなる。熔融ガラスの量が多い場合はパイプ先端が熔融ガラス中に埋もれ、脈理が発生する可能性がある。そこで熔融ガラスと流出ノズルの距離を保つために、低速で前記支持体を鉛直方向に降下させてもよい。所望質量の熔融ガラスが前記支持体上に溜まったら、前記支持体を割り部材を密着させた状態で鉛直下方に前記支持体を急降下し、ガラスの表面張力でガラス流を切断分離し、前記支持体上に所定質量の熔融ガラス塊を得る。なお前記支持体の降下距離は、熔融ガラス流が切断可能な距離とすればよい。次いで割り部材を相互に離間し、2つの割り部材の間から熔融ガラス塊を鉛直下方に落下させた。落下した熔融ガラス塊は前記支持体の下方に待機する成形型に落ち込み、成形型の底部から噴出するガスによって浮上しながらプリフォームに成形される。
熔融ガラス支持体から熔融ガラス塊を落下させた後、直ちに割り部材を相互に密着した状態に戻す。この操作によって前記支持体がガスを遮り、流出パイプにガスが吹きかかるのを防止することができる。そして、前記支持体は熔融ガラス流の先端を受けるため再度上昇する。
成形型上で時間とともに冷却、固化したガラス成形体を吸引して成形型から取り出し、パレット上に移送し徐冷する。このようにして連続流出する熔融ガラスから所定質量のプリフォームを次々と製造していく。
また、図2に示すように、割り部材を互いに離間することにより所定質量の熔融ガラス塊を切断刃を使用することなく分離し、成形型の中央に自然落下して、連続流出する熔融ガラスから所定質量のプリフォームを次々と製造する方法も行った。割り部材にはテーパーが付けられ、割り部材を密着させた状態の開き角は150°となっている。このテーパーを付けることで、熔融ガラスを受ける位置が更に安定し、熔融ガラス塊の落下位置の精度が向上した。
このようにして、プリフォーム作製周期を3.2秒に設定し、光学ガラスよりなる350±3mgの球状ガラス成形体を作製し、フツ燐酸塩ガラスからなるプリフォームとした。
プリフォームにはカンワレその他の傷、脈理、折れ込み、失透などの欠陥は認められなかった。
さらにプリフォーム表面を光学顕微鏡で拡大観察したところ、全表面がなめらかな表面であった。
また一つの割り部材でガラス流を切断するため、複数の成形型でガラス流を切断する場合よりガラス流の切断精度が格段に向上すること、成形型から吹きかかる気体により流出パイプ先端の温度が変動することがないことから、質量精度も上記のように目標値の±1%以内に入る高いものであった。
実施例2
調合されたガラス原料を加熱熔融し、脱泡清澄、攪拌均質化して得られた実施例1と同じ熔融ガラスを温度制御された白金合金製パイプから一定の流出速度で連続して流下する。この際のガラスの引き上げ量を8kg/日とした。
流下する熔融ガラス流は図3に示された装置によりプレス成形用プリフォームに成形される。
本実施例で用いた遮蔽体は2つの平板状の割り部材により構成されている。前記割り部材は相互に密着し、下方から来るガスや空気の流れから流出パイプの先端を遮蔽しているが、流出パイプ先端から熔融ガラス滴が滴下するタイミングに合わせて割り部材が相互に離間し、離間した割り部材の間を通って熔融ガラス滴が成形型へと落下する。熔融ガラス滴が割り部材の間を通過したら直ちに、割り部材を相互に密着してガスから流出パイプを遮蔽する。
また、図4に示された装置によりプレス成形用プリフォームに成形することもできる。
図4で用いた支持体は、熔融ガラス滴を受ける面が傾斜している2つの割り部材により構成されている。前記割り部材は相互に密着し、下方から来るガスや空気の流れから流出パイプの先端を遮蔽しているとともに、流出パイプ先端から熔融ガラス滴が支持体に滴下した後、ある程度ガラス熔融液滴を冷却させたあと、割り部材が相互に離間し、離間した割り部材の間を通って熔融ガラス滴が成形型へと落下する。熔融ガラス滴が割り部材の間を通過したら直ちに、割り部材を相互に密着してガスから流出パイプを遮蔽する。
成形型上に落下した熔融ガラス滴は浮上ガスにより回転しながら浮上した状態で球状にガラス成形体に成形される。次いで冷却、固化したガラス成形体を吸引して成形型から取り出し、パレット上に移送し徐冷する。このようにして連続流出する熔融ガラスを滴下し、所定質量のガラス成形体を次々と製造していく。
このようにして、フツ燐酸塩ガラスよりなる350±1.4mgの球状プリフォームを作製した。
プリフォームにはカンワレその他の傷、脈理、失透などの欠陥は認められなかった。また重量精度も上記のように目標値の±1%以内に入る高いものであった。
さらにプリフォーム表面を光学顕微鏡で拡大観察したところ、微細な凸凹は見られず、滑らかな表面であった。また、全表面が自由表面であった。
実施例3
実施例1、2で成形されたフツ燐酸塩ガラスからなるプリフォームを洗浄、乾燥した後、精密プレス成形を行って非球面レンズを作製した。上記プレス成形ではSiC製の型材表面に炭素膜を形成したプレス成形型を用い、雰囲気を窒素雰囲気とした。プレス成形は、プリフォームを600℃以下の温度にまで加熱し、60秒間、10MPaの圧力でプレスして行った。プレス成形後、非球面レンズをプレス成形型から取り出し徐冷した。得られたレンズは内部、表面とも良好な状態であった。またレンズ表面を拡大観察しても微細な凸凹は認められなかった。レンズは心取り加工を行う必要がなく、精密プレス成形によって形成されたレンズ周辺部をホルダーに固定する際に位置決め基準に使用できるものであった。このようにして得られた表面に反射防止膜を形成してもよい。
また、上記精密プレス成形では、プリフォームをプレス成形型に導入し、プリフォームとプレス成形型を同時に加熱してもよいし、予熱されたプレス成形型に加熱されたプレス成形型を投入してプレスしてもよい。
本実施例は非球面レンズの製造方法に関するものであるが、その他の光学素子、例えばプリズムや回折格子などの製造にも適用できる。
比較例
実施例1、2と同じ組成のガラスが得られる熔融ガラスを大気中で流出パイプから滴下し、流出パイプの下方で待機する浮上ガスを噴射する成形型に落下導入し、浮上させながら球状プリフォームに成形した。このプリフォームを徐冷してから光学顕微鏡で拡大観察したところ、鱗状の微細な凸凹が表面全域に認められた。
次いで、このプリフォームを実施例3と同様に精密プレス成形したところ、得られたレンズ表面に微細な凸凹が認められた。また浮上ガスが流出パイプに吹きつけるため、プリフォームの質量精度は悪化した。
また、実施例1、2と同じ組成のガラスが得られる熔融ガラスを大気中で流出パイプから流出し、その先端を浮上ガスを噴出する成形型で受け、所定質量のガラスが得られるタイミングで所定の距離だけ成形型を降下し、熔融ガラス塊を成形型上に得た。この熔融ガラス塊を浮上させながら球状プリフォームに成形した。このプリフォームを徐冷してから光学顕微鏡で拡大観察したところ、鱗状の微細な凸凹が表面全域に認められた。
次いで、このプリフォームを実施例3と同様に精密プレス成形したところ、得られたレンズ表面に微細な凸凹が認められた。
本発明のプリフォームの製造方法によると、高品質なガラス製の精密プレス成形用プリフォームを効率よく製造することができる。そして、このプリフォームを精密プレス成形することにより、研削、研磨などの機械加工によって形状加工を施す必要のない各種の光学素子を作製することができる。
本発明の精密プレス成形用プリフォームの製造方法の1例を示す製造工程図である。 熔融ガラス流を受ける割り部材の形状の別の例を示す説明図である。 本発明の精密プレス成形用プリフォームの製造方法の別の例を示す製造工程図である。 本発明の精密プレス成形用プリフォームの製造方法のさらに別の例を示す製造工程図である。
符号の説明
1 成形型
2 流出パイプ
3a、3b、3c 割り部材
4 熔融ガラス
4a 熔融ガラス塊
4b 熔融ガラス滴
5 カバー
6 Nガス雰囲気
7 水路
8 テフロンスカート
9 浮上ガス

Claims (17)

  1. 流出パイプの流出口より流出する熔融ガラスから一定質量の熔融ガラス塊を分離し、該ガラス塊に風圧を加え、浮上させながらガラス製プリフォームに成形する精密プレス成形用プリフォームの製造方法において、流出パイプの下方に配した熔融ガラス支持体により熔融ガラス流の先端を受けて直接支持し、前記熔融ガラス支持体による支持を取り除いて熔融ガラス流の先端から前記熔融ガラス塊を分離する工程を非酸化性ガスで満たされた密閉空間内で行うことを特徴とする精密プレス成形用プリフォームの製造方法。
  2. 流出パイプより熔融ガラス滴を滴下し、ガスを噴出する成形型で受けて前記ガスにより風圧を加えて浮上しながらガラス製プリフォームに成形する精密プレス成形用プリフォームの製造方法において、前記熔融ガラス滴の滴下を非酸化性ガスで満たされた密閉空間内で行うとともに、熔融ガラス滴の滴下経路を横切るように遮蔽体を設けて流出パイプを前記成形型より噴出するガスから遮蔽するとともに、熔融ガラス滴の滴下に同期して前記滴下経路から前記遮蔽体を取り除くことを特徴とする精密プレス成形用プリフォームの製造方法。
  3. 風圧を加えるためのガスが非酸化性ガスである請求項1または2に記載の精密プレス成形用プリフォームの製造方法。
  4. 流出パイプの流出口より流出する熔融ガラスから一定質量の熔融ガラス塊を分離し、該ガラス塊に風圧を加えるためのガスを噴出する成形型で受けて、浮上させながらガラス製プリフォームに成形する精密プレス成形用プリフォームの製造方法において、前記流出口の鉛直下方に開閉可能な開口部を有するカバーで流出口を含む空間を覆い、前記開口部を閉じた時に前記空間が密閉されるようにするとともに、前記空間内に非酸化性ガスを供給し、前記開口部を閉じた状態で熔融ガラス塊を分離し、前記開口部を開いて開口部に近接して配置された非酸化性ガスを噴出する成形型に該ガラス塊を移して成形することを特徴とする精密プレス成形用プリフォームの製造方法。
  5. フッ素を含むガラスからなるプリフォームを成形する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の精密プレス成形用プリフォームの製造方法。
  6. Biを含むガラスからなるプリフォームを成形する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の精密プレス成形用プリフォームの製造方法。
  7. Bi含有のフツ燐酸塩ガラスからなり、全表面が熔融状態のガラスが固化して形成されたものであることを特徴とする精密プレス成形用プリフォーム。
  8. 必須カチオン成分としてP5+、Al3+、Ba2+、Ca2+、Sr2+を、任意カチオン成分としてMg2+、Zn2+、Li、Na、K、Si4+、B3+、La3+、Gd3+、Y3+、W6+、Nb5+、Bi3+を、必須アニオン成分としてO2−、Fを、任意アニオン成分としてCl、Brを含む弗燐酸塩光学ガラスからなり、全表面が熔融状態のガラスが固化して形成された面であることを特徴とする精密プレス成形用プリフォーム。
  9. モル%表示で、Al(PO 0〜15%、Ba(PO 1〜25%、AlF 2〜45%、YF 0〜15%、LaF 0〜10%、GdF 0〜10%、MgF 0〜20%、CaF 2〜45%、SrF 2〜45%、BaF 0〜20%、ZnF 0〜30%、LiF 0〜10%、NaF 0〜15%、KF 0〜15%、SiO 0〜5%、B 0〜5%、LiO 0〜5%、NaO 0〜5%、KO 0〜5%、MgO 0〜5%、CaO 0〜5%、SrO 0〜5%、BaO 0〜5%、ZnO 0〜5%、Y 0〜5%、Al 0〜5%、Gd 0〜5%、Nb 0〜5%、WO 0〜5%を含む弗燐酸塩光学ガラスからなり、全表面が熔融状態のガラスが固化して形成された面であることを特徴とする精密プレス成形用プリフォーム。
  10. 全表面が自由表面である請求項7ないし9のいずれか1項に記載の精密プレス成形用プリフォーム。
  11. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の製造方法により作製された精密プレス成形用プリフォームを加熱し、精密プレス成形して作製されたことを特徴とする光学素子。
  12. 請求項7ないし10のいずれか1項に記載の精密プレス成形用プリフォームを加熱し、精密プレス成形して作製されたことを特徴とする光学素子。
  13. 精密プレス成形品であって、Bi含有のフツ燐酸塩ガラスからなる光学素子。
  14. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の製造方法により作製された精密プレス成形用プリフォームを加熱し、プレス成形型を用いて精密プレス成形することを特徴とする光学素子の製造方法。
  15. 請求項7ないし10のいずれか1項に記載の精密プレス成形用プリフォームを加熱し、プレス成形型を用いて精密プレス成形することを特徴とする光学素子の製造方法。
  16. 精密プレス成形用プリフォームをプレス成形型に導入し、前記プリフォームとプレス成形型を一緒に加熱し、精密プレス成形する請求項14または15に記載の光学素子の製造方法。
  17. 精密プレス成形用プリフォームとプレス成形型を別個に加熱してから前記プレス成形型にプリフォームを導入し、精密プレス成形する請求項14または15に記載の光学素子の製造方法。
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