JP2008063210A - ガラス成形体の製造方法、光学素子の製造方法、ガラス成形体の製造方法を制御するプログラムおよび記憶媒体 - Google Patents

ガラス成形体の製造方法、光学素子の製造方法、ガラス成形体の製造方法を制御するプログラムおよび記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】受型(ゴブ型)からのガスが流出口に直撃しないようにするガラス成形体の製造方法および該製造方法によって得られたガラス成形体を成形する光学素子の製造方法等を提供すること。
【解決手段】流出口から流出する溶融ガラスを落下させ、それぞれガスを噴出する複数個からなる受型が溶融ガラスを受け、受型上でガスを噴出しながら溶融ガラスを成形し、ガラス成形体を製造するガラス成形体の製造方法であって、溶融ガラスを落下させる直前に受型が流出口の直下にくるように受型を移動させ、落下させた溶融ガラスを受け、溶融ガラスを成形する。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶融ガラスからプリフォーム等のガラス成形体を製造する方法、該製造方法により製造したガラス成形体を、精密プレス成形等を行うことにより光学素子を製造する方法、ガラス成形体の製造方法をコンピュータに実行させるための制御プログラムおよび記憶媒体に関し、より詳細には流出口より分離した溶融ガラスを受ける受型の移動を受型から噴出する噴出エアーが流出口に吹きかからないように制御することを特徴とするガラス成形体を製造する方法等に関する。
従来より、光学素子等の元材料として利用されるガラス成形体(ガラスゴブ)は、原料ガラスを溶解装置で溶解し、得られた溶融ガラスを適当な大きさおよび形状に成形することにより得られる。
ガラス成形体から光学素子を製造する方法として、例えば、ガラス溶融炉において、溶解されたガラスを流出口から溶融ガラスとして流出させ、流出したガラスを落下させるとともに冷却してガラス成形体を製造し、次いで、加熱された型等により精密プレス成形(モールドプレス成形)することにより、研削および研磨等の後加工を必要としない、高精度の光学機能面を有する光学素子を製造する方法が開発されている。
また、例えば特許文献1では、流出口から連続的に落下した溶融ガラスを受型で受け、受型上で風圧を加えることにより溶融ガラスを成形する方法を提案している。
特開平2−14839号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法において、受型を複数個用意して順次流出口の下に移動させ、溶融ガラスを次々と受けて成形を行う場合、受型上で溶融ガラスを成形させるために受型の下部から噴出するガスが流出口に吹きかかる。特に、受型の中央に溶融ガラスを落下させる場合、流出口の真下にガス噴出口がくるのでガスが流出口を直撃してしまう。この状態では流出口の温度が変動し、溶融ガラス温度が低下してしまう。このため、溶融ガラスが流出口で結晶化したり、外観不良や形状不良のガラス成形体を得る場合が多いといった問題があった。
本発明は、上述したような課題を解決するためになされたものであり、受型(ゴブ型)からのガスが流出口に直撃しないようにするガラス成形体の製造方法および該製造方法によって得られたガラス成形体を成形する光学素子の製造方法等を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、受型の移動を制御することにより受型から噴出するガスを流出口に吹きかけないようすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 流出口から溶融ガラスを落下させ、それぞれガスを噴出する受型が前記溶融ガラスを前記流出口の下にて受けて成形し、ガラス成形体を製造するガラス成形体の製造方法であって、前記受型は、前記溶融ガラスを落下させる直前に前記流出口の下にくるように前記受型を移動させることを特徴とするガラス成形体の製造方法。
(1)の発明におけるガラス成形体の製造方法は、流出口より流出する溶融ガラスから溶融ガラスが落下し、受型が一つずつ順次に溶融ガラスを受け、例えば受型上でガスを噴出しながら溶融ガラスを成形し、ガラス成形体を製造するガラス成形体の製造方法に関し、溶融ガラスが落下する直前に受型が流出口の下にくるように受型を移動させ、流出口から落下した溶融ガラスを受けて成形する。
仮に、溶融ガラスが流出口から落下するまでに受型が流出口の下で待機させると、受型から噴出するガスが流出口を直撃し、流出口の温度が変動し、流出口から落下しようとする溶融ガラスが流出口で結晶化したり、外観不良や形状不良が発生しやすくなる。
(2) 前記溶融ガラスを連続的または間欠的に落下させ、複数個の前記受型が落下する各前記溶融ガラスを順次受ける(1)に記載のガラス成形体の製造方法。
(2)の発明におけるガラス成形体の製造方法は、受型は複数個設置してあり、流出口から連続的または間欠的に溶融ガラスを落下させる際、落下した各溶融ガラスを順次各受型が受ける。すなわち、溶融ガラス一滴につき、一つの受型が受ける。
(3) 前記受型が前記溶融ガラスを受けた後、前記流出口の下にて前記溶融ガラスを成形し、次に落下する溶融ガラスが落下する直前に前記溶融ガラスを受けた前記受型と別の受型を前記流出口の下にくるように移動させて、順次落下する溶融ガラスを受ける(1)または(2)に記載のガラス成形体の製造方法。
(3)の発明におけるガラス成形体の製造方法は、受型が溶融ガラスを受けた後、受型を移動させずに流出口の下で溶融ガラスを成形する。さらに、成形された溶融ガラスの後に流出口から落下する溶融ガラスが流出口から落下する直前に溶融ガラスを受けた受型とは別の受型を流出口の下にくるように移動させ、流出口から落下した溶融ガラスの後に流出口から落下する溶融ガラスを隣の受型で受ける。
なお、「流出口の下にて」とは、受型から噴出する気体が、受型の上方に位置する流出口付近へ吹きかけられて溶融ガラスに悪影響を及ぼす範囲の位置を含む。すなわち、流出口の直下はもちろん、直下でなくとも受型からの噴出気体が流出口付近の溶融ガラスに悪影響を及ぼす範囲であれば、直下でなくとも含まれるという意味である。逆に流出口の下方にあっても、鉛直下方から十分にずれており、噴出気体が影響を与えないような位置は除くものとする。
溶融ガラスを受けた受型を移動させずに、流出口の下で溶融ガラスを成形することにより、流出口に受型から噴出するガスが流出口を直撃することがなくなり、流出口の温度が変動しなくなる。このため、流出口から落下する溶融ガラスは所定範囲の温度を維持し、一定の質量を有し、かつ、外観不良や形状不良が発生しなくなる。
(4) 前記受型が前記溶融ガラスを受けた後、前記流出口の下に前記受型が停止しないように前記受型を直ちに移動させ、次に落下する溶融ガラスが落下する直前に別の受型が前記流出口の下にくるように別の前記受型を移動させ、前記次に落下する溶融ガラスを受ける(1)または(2)に記載のガラス成形体の製造方法。
(4)の発明におけるガラス成形体の製造方法は、受型が溶融ガラスを受けた後、流出口の下に受型と別の受型との間がくるように受型を停止させずに直ちに移動させる。成形された溶融ガラスの後に流出口から落下する溶融ガラスが流出口から落下する直前に、別の受型が流出口の下にくるように受型を移動させ溶融ガラスを受ける。
溶融ガラスを受けた受型と後に流出口から落下する溶融ガラスを受ける受型との間の真上に流出口がくるように受型を移動させることにより、流出口に受型から噴出するガスが流出口を直撃することがなくなり、流出口の温度が変動しなくなる。このため、流出口から落下する溶融ガラスは一定の質量を有し、かつ、外観不良や形状不良が発生しなくなる。
(5) 前記受型は、回転テーブル上に複数個配置され、前記回転テーブルを回転させることにより前記受型を順次移動させ、前記流出口から落下した前記溶融ガラスを順次受ける(1)から(4)のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法。
(5)の発明におけるガラス成形体の製造方法は、回転テーブル上に複数個の受型が設置されており、溶融ガラスの後に流出口から落下する溶融ガラスが落下する直前に、溶融ガラスを受けた受型と別の受型を流出口の下にくるように回転テーブルを移動させる。
複数個の受型は回転テーブル上に有していることから、回転テーブルのみを回転させることで複数個の受型を同時に移動させることができる。これにより、複数個の受型の移動を容易に制御することができる。
(6) 前記溶融ガラスを表面張力により前記溶融ガラスを前記流出口から分離させる(1)から(5)のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法。
(6)の発明におけるガラス成形体の製造方法は、表面張力により流出口より流出した溶融ガラスを流出口から分離させ、落下させる方法であってもよい。
(7) 前記溶融ガラスは、間欠的にガラス塊として分離される(1)から(6)のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法。
(7)の発明におけるガラス成形体の製造方法は、間欠的に溶融ガラスが流出口から落下し、かつ、表面張力により流出口より流出した溶融ガラスを落下させることから、一定の質量を有するガラス成形体を容易に複数個製造することができる。また、溶融ガラスが流出口から落下する直前に受型を移動させればよく、効率的に受型を移動させることができる。
(8) 前記受型または前記回転テーブルは、間欠的に回転する(1)から(7)のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法。
(8)の発明におけるガラス成形体の製造方法は、間欠的に溶融ガラスが流出口から落下することから、一定時間ごとに回転テーブルを溶融ガラスの落下のタイミングにあわせて移動させることにより、回転テーブル上に有する全ての受型を同時に移動させることができる。
(9) 前記ガラス成形体は、精密プレス成形用プリフォームである(1)から(8)のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法。
(9)の発明におけるガラス成形体の製造方法は、(1)から(8)に記載の製造方法によって得られたプリフォームを精密プレス成形することで、高品質で、研削、研磨が全く必要のない光学素子を製造することができる。
(10) (1)から(9)のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法によって製造されたガラス成形体を加熱し、精密プレス成形を行うことを特徴とする光学素子の製造方法。
(10)の発明における光学素子の製造方法は、製造されたガラス成形品を精密プレス成形する精密プレス工程を含む。
(1)から(9)の製造方法により製造されたガラス成形体を精密プレス成形する場合は、ガラス成形体の製造工程と精密プレス工程が連結されており、ガラス溶解から光学素子の精密プレスまでが連続的な工程になっていてもよい。逆に、ガラス成形体の製造と精密プレス工程が不連続であってもよい。
(11) (1)から(9)のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
(11)の発明におけるコンピュータに実行させるための制御プログラムにおいて、予めプログラムしたコードを読み出して実行するようにしてもよい。
(12) (1)から(9)のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法をコンピュータに実行させるための制御プログラムを格納した記憶媒体。
(12)の発明における制御プログラムを格納した記憶媒体において、予めプログラムしたコードを読み出して実行するようにしてもよい。
本発明のガラス成形体の製造方法によれば、受型から噴出するガスが流出口を直撃することがなくなるため流出口の温度が変動せず、溶融ガラス温度の低下を防止することができるようになったことから、所定の温度を維持し、一定の質量を有し、かつ、外観不良や形状不良のないガラス成形体を製造することができるようになった。
本発明の光学素子の製造方法によれば、研削、研磨の必要がない優れた光学素子を提供することができる。
本発明は、流出口より溶融ガラスが連続的または間欠的に流出口から落下し、それぞれガスを噴出する複数個からなる受型が一つずつ順次に溶融ガラスを受け、受型上でガスを噴出しながら溶融ガラスを成形し、ガラス成形体を製造するガラス成形体の製造方法に関し、溶融ガラスが流出口から落下する直前に受型が流出口の下にくるように受型を移動させ、流出口から落下した溶融ガラスを受けた後、受型を移動させずに流出口の下で溶融ガラスを成形し、次いで流出される溶融ガラスが流出口から落下する直前に溶融ガラスを受けた受型とは別の受型を流出口の下にくるように移動させることを特徴とする。
または、受型が溶融ガラスを受けた後、流出口の下に受型と別の受型(流出口の下に受型の隣の受型)との間がくるように受型を移動させ、成形された溶融ガラスの後に流出口から落下する溶融ガラスが流出口から落下する直前に、別の受型が流出口の下にくるように受型を移動させ溶融ガラスを受けることを特徴とする。
以下、本発明のガラス成形体の製造方法、光学素子の製造方法、ガラス成形体の製造方法を制御するプログラムおよび記憶媒体の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の趣旨を限定するものではない。
また、説明の便宜上、流出口から連続的または間欠的に流出口から落下する溶融ガラスを表現するにあたって、溶融ガラス2の後に流出口から落下する溶融ガラスを溶融ガラス2a、溶融ガラス2aの後に流出口から落下する溶融ガラスを溶融ガラス2bと表現し、複数個の受型3のうち溶融ガラス2を受ける受型3の隣の受型(溶融ガラス2aを受ける受型)を受型3a、受型3aの隣の受型(溶融ガラス2bを受ける受型)を受型3bと表現するが、表現上区別しただけであり、発明の趣旨を限定するものではない。なお、溶融ガラス2の次に落下する溶融ガラス2aを受ける受型は受型3aである必要はなく、必要に応じて受型3bが溶融ガラス2a受けてもよい。すなわち、溶融ガラス2を受けた受型3と別の受型であればよい。
[ガラス成形体の製造方法の第一実施形態]
ガラス成形体の製造方法の第一実施形態は、受型が溶融ガラスを受けた後、受型を移動させずに流出口の下で溶融ガラスを成形し、次いで流出される溶融ガラスが流出口から落下する直前に次の受型の隣の受型を流出口の下にくるように移動させる。
図1は、本発明のガラス成形体の製造方法の第一実施形態を示した図である。流出口1より一定質量の溶融ガラス2が一定時間ごとに連続的または間欠的に次々と流出口1からガラス塊として分離、落下する。流出口1の下には、一つずつ順次に溶融ガラス2を受ける複数個の受型3があり、流出口1から落下した溶融ガラス2を受ける。受型3には、ガス4を噴出する噴出口31を有しており、流出口1から落下した溶融ガラス2を成形する。
受型3に有する噴出口31から噴出するガス4は、溶融ガラス2を浮上成形することができれば、ガス成分等は特に限定されないが、空気等の乾燥ガスを使用することが好ましい。また、図1および図2では、紙面の都合上、噴出口31は一つのみ記載しているが、複数の噴出口31を有していてもよく、受型3の凹部全体からガス4を噴出するようにしてもよい。
図4に示すように、受型3の上面には、受け面である凹状成形面32が形成されている。凹状成形面32は、流出口1から落下された溶融ガラス2を受け入れる面である。凹状成形面32には、ガス4を噴出可能な噴出口(図示せず)が形成される通気性の多孔材料体33で構成されることが好ましい。多孔材料体33の内部331には空間が形成されている。受型3は、多孔材料体33の内部331の空間から噴出口(図示せず)を通って凹状成形面32にガス4を噴出させることにより、凹状成形面32にある溶融ガラス2を浮上させてガラス成形体を成形させるようにするためである。
受型3の材質として、溶融ガラス2を浮上成形するためには必ずしも受型3は多孔質材料からなるものでなくともよく、例えば、ステンレス鋼等の耐熱性金属、カーボン等公知の種々の材質を用いることができ、具体的には、特開2003−40632号公報に記載されるようなものであってもよい。また、受型3に落下した溶融ガラス2は、高温であることから融着するおそれがあるため、融着防止のため、受型3の表面にダイヤモンド様カーボン膜等の公知の種々の膜を設けることが好ましい。受型3は、少なくとも二個以上有していれば特に個数は制限されない。また、受型3とその隣の受型3aとの間隔も使用目的等に応じて適宜変更することができる。
また、成形するガラスの熱特性により、適宜、受型3を加熱してもよい。
受型3は、溶融ガラス2を受けた状態において、所定の温度条件になるよう温度制御してもよい。例えば、受型3は、バーナー(図1では図示せず)により溶融ガラス2を受けた状態の受型3および/または溶融ガラス2を受けていない状態の受型3が加熱され、受型3が溶融ガラス2を受けてから成形して得られるガラス成形品が移載されるまでの間である溶融ガラス2および/またはガラス成形品を受けた状態における温度範囲が制御される。
例えば、受型3が溶融ガラス2を受けてからガラス成形品が移載装置(図1では図示せず)に移載されるまでの間において溶融ガラス2を受けたときよりも高い温度になるよう温度制御される。
また、例えば、受型3が溶融ガラス2を受けてからガラス成形品が移載装置(図1では図示せず)に移載されるまでの間において複数個の受型3それぞれにおける最高温度と最低温度との差が10℃以下になるよう温度制御される。
また、例えば、ガラス成形品を受けている受型3の温度が所定のガラス成形品が移載装置(図1では図示せず)により移載される収容容器における温度よりも高くなるよう温度制御される。
すなわち、本発明において受型3を加熱する場合は、加熱手段の個数、場所は特に限定するものでなく、ガラスによって適宜変更することが好ましい。
流出口1から流出する溶融ガラス2を落下させる方法として、例えば、流出口1から流出する溶融ガラス2の流量を絞り込んで、表面張力により流出口1から溶融ガラス2を連続的に落下させる方法や、流出口1から溶融ガラス2を連続的に落下させ、連続流として流下したガラスをシャー・ブレード等により切断して落下する方法等があげられるが、本発明では操作の簡便性等の点から表面張力を使用して溶融ガラス2を連続的または間欠的に落下させることが好ましい。
また、溶融ガラス2を連続的に流出口1から落下させると、溶融ガラスの表面張力により液滴状になって間欠的に溶融ガラス2が落下する。このため、容易に溶融ガラス2が落下する間隔を予測でき、溶融ガラス2が落下するタイミングにあわせて受型3を移動させればよく、より容易に溶融ガラス2が落下する直前に受型3を流出口1の下にくるように移動させることができる。すなわち、一定時間に近づいたときに受型3を移動させればよい。なお、このタイミングは、流出口1の大きさ、溶融ガラス2の大きさや成分等に応じて変化するが、使用目的等に応じて適宜設定することができる。
図1から図3には図示していないが、溶融ガラス2が流出口1からの落下を感知するセンサ、または溶融ガラス2が一定の大きさに達すると感知するセンサを設けてもよい。センサが溶融ガラス2の落下等を感知し、受型3を移動させることにより、ガス4が流出口1に直撃しないように受型3を移動させることができる。なお、必要に応じてセンサを省略することもできる。
流出口1から落下した溶融ガラス2は、流出口1から落下するまで終始、鉛直下方に沿った経路をたどる。そのため、溶融ガラス2に働く外力の水平方向成分を極小にすることができ、ガラス成形体の欠陥発生を防止することができる。
図1(A)は、流出口1から溶融ガラス2が落下する直前の様子を示した図である。溶融ガラス2が一定質量に達すると、表面張力により流出口1から溶融ガラス2が落下する。溶融ガラス2が流出口1から落下するタイミングが近づくと、流出口1の下に受型3を移動させ、流出口1から落下した溶融ガラス2を受ける。受型3には、受けた溶融ガラスを成形するためのガスを噴出する噴出口31を有している。
流出口1から落下した溶融ガラス2を受けた受型3は、移動せずに流出口1の下で待機しながら溶融ガラス2aを成形する(図1(B))。流出口1の下で受型3を待機させながら溶融ガラス2を成形することにより、ガス4が流出口1に直撃し、溶融ガラス温度が低下させることを防止することができる。溶融ガラス2を成形している間に、溶融ガラス2の後に流出口1から落下する溶融ガラス2aが流出口1から徐々に流出する。
溶融ガラス2aが流出口1から落下するタイミング(一定時間)が近づくと、溶融ガラス2を成形しながら流出口1の下に待機していた受型3を移動させると同時に溶融ガラス2aを受ける受型(溶融ガラス2を受けた受型の隣の受型)3aを流出口1の下に移動させ、流出口1から落下した溶融ガラス2aを受ける(図1(C))。
溶融ガラス2aを受けた受型3aは、移動せずに流出口1の下で待機させながら溶融ガラス2aを成形する(図1(D))。流出口1の下で受型3aを待機させながら溶融ガラス2aを成形することにより、ガス4が流出口1に直撃し、溶融ガラス温度を低下させることを防止することができる。溶融ガラス2aを成形している間に、溶融ガラス2aの後に流出口1から落下する溶融ガラス2bが流出口1から徐々に流出する。
溶融ガラス2bが流出口1から落下するタイミングが近づくと、溶融ガラス2aを成形しながら流出口1の下に待機していた受型3aを移動させると同時に溶融ガラス2bを受ける受型(溶融ガラス2を受けた受型の隣の受型)3bを流出口1の下に移動させ、流出口1から流出口1から落下した溶融ガラス2bを受ける。
図1(A)から(D)の手順を繰り返すことにより、流出口1から連続的または間欠的に落下する溶融ガラス2を受型3で受け、溶融ガラス2を受けた受型3を流出口1の下で待機させながら成形することにより、効率よくガラス成形体を製造することができる。
ガラス成形体の製造方法の第一実施形態によれば、受型3から噴出するガス4が流出口1を直撃することがなくなり、流出口1の温度が変動することにより、溶融ガラス温度が低下することを防止することができるようになった。このため、流出口1から落下しようとする溶融ガラス2(2a、2b)が流出口1で結晶化したりすることがなくなり、所定の温度範囲を維持し、一定質量を有し、かつ、外観不良や形状不良のないガラス成形体を製造することができるようになった。
本発明の製造方法では、様々な形状を有するガラス成形体を製造することができ、例えば、球状、回転対称軸を一つ有し、回転対称軸を含む断面における輪郭が外側に凸になっている回転体等公知の種々の形状を製造することができる。また、光学ガラスからなるガラス成形体を製造することにより、光学素子を精密プレス成形するためのプリフォームを製造することもできる。
[ガラス成形体の製造方法の第二実施形態]
ガラス成形体の製造方法の第二実施形態は、受型が溶融ガラスを受けた後、溶融ガラスを受けた受型とその隣の受型との間が流出口の下にくるように移動させる点以外は第一実施形態と同様である。
図2は、本発明のガラス成形体の製造方法の第二実施形態を示した図である。流出口1より一定質量の溶融ガラス2が連続的または間欠的に次々と落下する。流出口1の下には、溶融ガラス2を一つずつ順次に受ける複数個の受型3があり、流出口1から落下した溶融ガラス2を受ける。受型3には、ガス4を噴出する噴出口31を有しており、噴出口31から噴出するガス4により、流出口1から落下した溶融ガラス2を成形する。
図2(A)は、流出口1から溶融ガラス2が落下する直前の様子を示した図である。溶融ガラス2が一定質量に達すると、表面張力により流出口1から溶融ガラス2が落下する。流出口1の下に受型3が移動し、流出口1から落下した溶融ガラス2を受ける。受型3には、受けた溶融ガラス2を成形するためのガス4を噴出する噴出口31を有している。
受型3が、流出口1から落下した溶融ガラス2を受けた後、受型3と受型3の隣の受型3aとの間が流出口1の下にくるように、複数個の受型3を停止させずに直ちに移動させる(図2(B))。流出口1の下に受型3と隣の受型3aとの間がくるように複数個の受型3を移動させることにより、ガス4が流出口1に直撃し、溶融ガラス温度が低下させることを防止することができる。溶融ガラス2を成形している間に、溶融ガラス2の後に流出口1から落下する溶融ガラス2aが流出口1から徐々に流出する。
溶融ガラス2aが流出口1から落下するタイミング(一定時間)が近づくと、複数個の受型3(3a等)を移動させ、溶融ガラス2aを受ける受型(溶融ガラス2を受けた受型3の隣の受型)3aを流出口1の下に移動させ、流出口1から落下した溶融ガラス2aを受ける(図2(C))。
溶融ガラス2aを受けた受型3aは、受型3と隣の受型3aとの間が流出口1の下にくるように停止させずに直ちに複数個の受型3を移動させる(図2(D))。流出口1の下に受型3aと隣の受型3bとの間がくるように複数個の受型3を移動させることにより、ガス4が流出口1に直撃し、溶融ガラス温度を低下させることを防止することができる。溶融ガラス2aを成形している間に、溶融ガラス2aの後に流出口1から落下する溶融ガラス2bが流出口1から徐々に流出する。
溶融ガラス2bが流出口1から落下するタイミングが近づくと、受型3aを移動させると同時に溶融ガラス2bを受ける受型(溶融ガラス2を受けた受型の隣の受型)3bを流出口1の下に移動させ、流出口1から落下した溶融ガラス2bを受ける。
図2(A)から(D)の手順を繰り返すことにより、流出口1から連続的または間欠的に落下する溶融ガラス2を受型3で受け、成形することにより、効率よくガラス成形体を製造することができる。
ガラス成形体の製造方法の第二実施形態によれば、受型3から噴出するガス4が流出口1を直撃することがなくなり、流出口1の温度が変動することにより、溶融ガラス温度が低下することを防止することができるようになった。このため、流出口1から落下しようとする溶融ガラス2(2a、2b)が流出口1で結晶化したりすることがなくなり、所定の温度範囲を維持し、一定質量を有し、かつ、外観不良や形状不良のないガラス成形体を製造することができるようになった。
[ガラス成形体の製造方法の第三実施形態]
ガラス成形体の製造方法の第三実施形態は、複数個の受型が回転テーブル上に有し、回転テーブルを回転させることにより受型3を順次移動させ、流出口1から落下した溶融ガラス2を順次受ける点以外は第一実施形態および第二実施形態と同様であり、流出口1から落下した溶融ガラス2を受けた後の受型3の移動については、第一実施形態および第二実施形態のいずれかの製造方法を採用することができる。
図3は、ガラス成形体の製造方法の第三実施形態を示した図であり、具体的には、右回りまたは左回りに回転可能である回転テーブル5を使用してガラス成形体を製造する概略の一例である。第三実施形態では、回転テーブル5と、回転テーブル5の周縁部の同心位置上に配置され、かつ、流出口1から落下した溶融ガラス2を一つずつ順次受ける複数個の受型3とを有する。なお、必要に応じて、冷却装置(図示せず)等を設けてもよい。
また、受型3の移動経路上に位置する流出口1と、受型3の移動経路上に位置する溶融ガラス2を成形したガラス成形品の回収手段である移載装置7とが、回転テーブル5の回転方向に向かって、流出口1、バーナー6および移載装置7の順に配置されている。成形されるガラスの種類により、必要に応じてバーナー6を省略してもよい。
バーナー6は、回転テーブル4が静止状態の時には、複数個の受型3のうち、ひとつの受型3に向かって火炎を照射できる位置に配置されている。
移載装置7は、回転テーブル4が静止状態の時には、複数個の受型3のうち、ひとつの受型3の直上に位置している。移載装置7は水平方向に180度回転することができ、上下方向に昇降することができる。移載装置7は、テイクアウト装置とも呼ばれる。
受型3は、溶融ガラス2を受けた状態において、所定の温度条件になるよう温度制御してもよい。例えば、受型3は、バーナー6により溶融ガラス2を受けた状態の受型3および/または溶融ガラス2を受けていない状態の受型3が加熱され、受型3が溶融ガラス2を受けてから成形して得られるガラス成形品が移載されるまでの間である溶融ガラス2および/またはガラス成形品の温度範囲が制御される。
例えば、受型3が溶融ガラス2を受けてからガラス成形品が移載装置7に移載されるまでの間にある溶融ガラス2またはガラス成形品を、溶融ガラス2を受けたときよりも高い温度になるよう温度制御される。
また、例えば、受型3が溶融ガラス2を受けてからガラス成形品が移載装置7に移載されるまでの間である溶融ガラス2またはガラス成形品を受けた状態において、複数個の受型3それぞれにおける最高温度と最低温度との差が10℃以下になるよう温度制御される。
また、例えば、所定のガラス成形品を受けている受型3の温度が所定のガラス成形品が移載装置7により移載される収容容器における温度よりも高くなるよう温度制御される。
すなわち、本発明において受型3を加熱する場合は、加熱手段の個数、場所は特に限定するものでなく、ガラスの成分によって適宜変更することが好ましい。
第一実施形態のように、流出口1の下で溶融ガラス2を受けた受型3を待機させながら溶融ガラス2を成形し、溶融ガラス2の後に流出口1から落下する溶融ガラス2aが流出口1から落下する直前に受型3aを流出口1の下に移動させる場合、複数個の受型3を移動させる代わりに、回転テーブル5を回転させればよい。溶融ガラス2が間欠的に落下する場合には、回転テーブル5も間欠的に回転させればよい。
回転テーブル5の回転は、溶融ガラス2が流出口1から落下するタイミングにあわせて一定時間ごとにすればよい。すなわち、溶融ガラス2が間欠的に落下する場合には、回転テーブル5も間欠的に回転させればよい。
同様に第二実施形態のように、溶融ガラス2を受けた後、受型3と受型3の隣の受型3aとの間が流出口1の下にくるように、複数個の受型3を移動させ、溶融ガラス2の後に流出口1から落下する溶融ガラス2aが流出口1から落下する直前に受型3aを流出口1の下に移動させる場合、複数個の受型3を移動させる代わりに、回転テーブル5を回転させればよい。
ガラス成形体の製造方法の第三実施形態によれば、回転テーブル5を回転させることにより複数個の受型3を同時に移動させることができるため、容易かつ効率的にガラス成形体を製造することができるようになった。また、受型3から噴出するガス4が流出口1を直撃することがなくなり、流出口1の温度が変動することにより、溶融ガラス温度が低下することを防止することができるようになった。このため、流出口1の温度が変動することにより、流出口1から落下しようとする溶融ガラス2が流出口1で結晶化したりすることがなくなり、一定の質量を有し、外観不良や形状不良のないガラス成形体を製造することができるようになった。
[ガラス成形体の製造方法の第四実施形態]
上述した第一から第三実施形態を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいはガラス成形体の製造装置のコンピュータやCPU等が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行するようにしてもよい。
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が第一実施形態から第三実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明のガラス成形体の製造方法を構成することになる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等公知の種々の記憶媒体を用いることができる。
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、第一実施形態から第三実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって第一実施形態から第三実施形態の機能が実現されるようにしてもよい。
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって第一実施形態から第三実施形態の機能が実現されるようにしてもよい。
[光学素子の製造方法]
本発明の光学素子の製造方法は、上述したガラス成形体の製造方法の第一実施形態から第四実施形態によって製造されたガラス成形体を加熱し、精密プレス成形することによって、光学素子を製造することができる。
光学素子として、例えば、レンズ、プリズム、レンズ付プリズム、回折格子、ポリゴンミラー等公知の種々の光学素子をあげることができる。また、ガラス成形体がプリフォームの場合、プリフォームを精密プレス成形することで、高品質で、研削、研磨が全く必要のない光学素子を製造することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、これら実施例は、本発明を好適に説明するための例示に過ぎず、なんら本発明を限定するものではない。
[実施例1]
溶融ガラス2の質量が638mgで流出口1から落下し、10秒間隔で間欠的に溶融ガラス2が落下するように流出口1の直径を調整した。回転テーブル5上に、凹状成形面32の底部の深さが2.5mm、凹状成形面32の曲率半径が5mmの受型3が備えられており、受型3の噴出口31から乾燥空気が流量400ml/minで噴出していた。なお、受型3の温度は65から70℃であった。
受型3が溶融ガラス2を受けた後、回転テーブル5を回転させずに溶融ガラス2を受けた受型3を流出口1の下に待機させる時間(流出口直下待機時間)を変化させ、成形された溶融ガラス2の外観不良および形状不良のガラス成形体の個数を検査した。なお、外観不良とは、流出口1が受型3から噴出するガス4により冷却されることに起因して発生するガラス成形体表面上の微小な凹みを示す。また、形状不良とは、ガラス全体の形状の形状不良を意味し、ガラス成形体を流出口1から受型3の方向で見た場合、円周の最大径と最小径との差が小さいほど形状は良好であることを示す。
外観不良の検査は、24個のガラス成形体について行い、製造されたガラス成形体に光を当てて顕微鏡にて観察した。形状不良は、成形されたガラス成形体の外径を測定することにより行い、1個のガラス成形体においてランダムに4点測定し、その最大と最小の差にて判断した。なお、その差は0.1mm以下が好ましい。以下、結果を表1および図5に示す。なお、表1および図5中の流出口直下待機時間とは、溶融ガラス2を受けた受型3が流出口1の下に待機しつつ、溶融ガラス2を成形している時間のことである。すなわち、流出口直下待機時間8秒とは、8秒間溶融ガラス2を受けた受型3が流出口1の下に待機しつつ、溶融ガラス2を成形し、残りの2秒で流出口1の下に受型3aがくるように移動させる。
また、比較例として、流出口直下待機時間が0秒の場合についても測定した。
Figure 2008063210
図5からわかるように、溶融ガラス2を受けた受型3を流出口1の下に待機させた流出口直下待機時間が長いほど外径の最大と最小の差が小さく、形状不良のない精密なガラス成形体を製造できることがわかる。また、表1からわかるように、流出口直下待機時間が長いほど外観不良の発生が抑えられていることがわかる。
[実施例2]
溶融ガラス2の質量が638mgで流出口1から落下し、10秒間隔で間欠的に溶融ガラス2が落下するように流出口1の直径を調整した。回転テーブル5上に、凹状成形面32の底部の深さが2.5mm、凹状成形面32の曲率半径が5mmの受型3が備えられており、受型3の噴出口31からは乾燥空気が流量700ml/minで噴出していた。なお、受型3の温度は65から70℃であった。
受型3が溶融ガラス2を受けた後、回転テーブル5を回転させて、溶融ガラス2を受けた受型3と、次の溶融ガラス2aを受ける次の受型3aとの間を流出口1の下に待機させる時間(受型中間待機時間)を変化させ、成形された溶融ガラス2の外観不良および形状不良のガラス成形体の個数を検査した。なお、検査は24個のガラス成形体により行った。外観不良は、製造されたガラス成形体に光を当てて顕微鏡にて観察した。形状不良は、成形されたガラス成形体の外径を測定することにより行い、1個のガラス成形体においてランダムに4点測定し、その最大と最小の差にて判断した。なお、その差は0.1mm以下が好ましい。以下、結果を表2および図6に示す。なお、表2および図6中の受型中間待機時間とは、溶融ガラス2を受けた受型3と受型3の隣の受型3aとの間が流出口1の下に位置している時間のことである。すなわち、受型中間待機時間8秒とは、8秒間溶融ガラス2を受けた受型3と受型3aとの間が流出口1の下に位置しており、残りの2秒で流出口1の下に受型3aがくるように移動させる。
また、比較例として、受型中間待機時間が0秒の場合についても測定した。
Figure 2008063210
図6からわかるように、溶融ガラス2を受けた受型3と次の溶融ガラス2aを受ける次の受型3aとの間を流出口1の下に待機させた時間が長いほど外径の最大と最小の差が小さく、形状不良のない精密なガラス成形体を製造できることがわかる。また、表2からわかるように、受型中間待機時間が長いほど外観不良の発生が抑えられていることがわかる。
本発明のガラス成形体の製造方法の第一実施形態の一例を示した図であり、(A)流出口から落下した溶融ガラスを受け、(B)溶融ガラスを受けた受型を流出口の下で待機させ、(C)後の溶融ガラスが落下する直前に隣の受型が流出口の下に移動し、(D)後の溶融ガラスを受けた受型を流出口の下で待機させた様子を示した図である。 本発明のガラス成形体の製造方法の第二実施形態の一例示した図であり、(A)流出口から落下した溶融ガラスを受け、(B)流出口の下に溶融ガラスを受けた受型とその受型の隣の受型との間がくるように受型を停止させずに直ちに移動させ、(C)後の溶融ガラスが落下する直前に隣の受型が流出口の下にくるように受型を移動させ、(D)流出口の下に後の溶融ガラスを受けた受型とその受型の隣の受型との間がくるように受型を停止させずに直ちに移動させた様子を示した図である。 本発明のガラス成形体の製造方法の第三実施形態の一例示した図である。 受型の垂直断面の概略の一例を示した図である。 実施例1の形状不良と流出口直下待機時間との関係を示したグラフである。 実施例2の形状不良と受型中間待機時間との関係を示したグラフである。
符号の説明
1 流出口
2 溶融ガラス
2a 溶融ガラス(溶融ガラス2の後に落下する溶融ガラス)
2b 溶融ガラス(溶融ガラス2aの後に落下する溶融ガラス)
3 受型
3a 受型(溶融ガラス2を受けた受型の隣の受型)
3b 受型(溶融ガラス2aを受けた受型の隣の受型)
31 噴出口
32 凹状成形面
33 多孔材料体
331 多孔材料体の内部
4 ガス
5 回転テーブル
6 バーナー
7 移載装置(テイクアウト装置)

Claims (12)

  1. 流出口から溶融ガラスを落下させ、それぞれガスを噴出する受型が前記溶融ガラスを前記流出口の下にて受けて成形し、ガラス成形体を製造するガラス成形体の製造方法であって、
    前記受型は、前記溶融ガラスを落下させる直前に前記流出口の下にくるように前記受型を移動させることを特徴とするガラス成形体の製造方法。
  2. 前記溶融ガラスを連続的または間欠的に落下させ、複数個の前記受型が落下する各前記溶融ガラスを順次受ける請求項1に記載のガラス成形体の製造方法。
  3. 前記受型が前記溶融ガラスを受けた後、前記流出口の下にて前記溶融ガラスを成形し、次に落下する溶融ガラスが落下する直前に前記溶融ガラスを受けた前記受型と別の受型を前記流出口の下にくるように移動させて、順次落下する溶融ガラスを受ける請求項1または2に記載のガラス成形体の製造方法。
  4. 前記受型が前記溶融ガラスを受けた後、前記流出口の下に前記受型が停止しないように前記受型を直ちに移動させ、
    次に落下する溶融ガラスが落下する直前に別の受型が前記流出口の下にくるように別の前記受型を移動させ、前記次に落下する溶融ガラスを受ける請求項1または2に記載のガラス成形体の製造方法。
  5. 前記受型は、回転テーブル上に複数個配置され、前記回転テーブルを回転させることにより前記受型を順次移動させ、前記流出口から落下した前記溶融ガラスを順次受ける請求項1から4のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法。
  6. 前記溶融ガラスを表面張力により前記溶融ガラスを前記流出口から分離させる請求項1から5のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法。
  7. 前記溶融ガラスは、間欠的にガラス塊として分離される請求項1から6のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法。
  8. 前記受型または前記回転テーブルは、間欠的に回転する請求項1から7のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法。
  9. 前記ガラス成形体は、精密プレス成形用プリフォームである請求項1から8のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法によって製造されたガラス成形体を加熱し、精密プレス成形を行うことを特徴とする光学素子の製造方法。
  11. 請求項1から9のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
  12. 請求項1から9のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法をコンピュータに実行させるための制御プログラムを格納した記憶媒体。
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