JP3888664B2 - ガラス塊の製造方法及び成形ガラスの製造方法並びにこれらの方法に用いる装置 - Google Patents

ガラス塊の製造方法及び成形ガラスの製造方法並びにこれらの方法に用いる装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス塊の製造方法、成形ガラスの製造方法、及びこれらの方法に使用する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、非球面ガラスレンズなどの製造法として成形型による高精度熱間プレス成形技術が開発され発展を遂げている。この成形に用いる成形予備体(以下「プリフォーム」という)は、ミリグラム単位の重量精度が要求され、かつ用途上、脈理、デビ、傷、泡などの欠陥や洗浄で除去できない表面付着物の存在は許されない。
また、最近のレンズ成形品の多様化が進む中で、大型の球状プリフォームのニーズが高まりつつある。しかしながら、これまでの大型の球状プリフォームは、冷間加工により作製されていたため、かなり高価であった。したがって、大型の球状プリフォームを安価に提供することが望まれている。また、成形工程での取扱いが容易であるという理由から、良質な球状プリフォームを安価に提供することが望まれている。
【0003】
このようなプリフォームを安価に量産する方法としては、例えば、多孔質材料からなる受け型を使用し、その受け型から加圧ガスを噴出している状態で、溶融ガラスを受け、非接触状態で凹部内に溶融ガラス塊を保持しながら冷却してガラス塊を得る方法が知られている(特開平6−122526号公報、特開平6−144845号公報、特開平6−206730号公報等)。また、半球状の凹部を持つ多孔質材料の受け型からガスを噴出させた状態で溶融ガラスを受け、溶融ガラス塊を非接触状態で回転させながら冷却することにより球状ガラスを得る方法が特開平11−116252号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例においては、それぞれ以下のような欠点があった。特開平6−122526号公報などに記載されているように、多孔体からなる受け型を使用して、噴出ガス流を均一化することにより、より完全な浮上状態を得ることができる。しかし、多孔体から噴出するガスのみではガラス塊を回転させて球状のガラス塊を得ることは困難であった。
【0005】
また、上記特開平11−116252号公報に開示される、軟化ガラス塊を回転させながら球状ガラス塊を製造する方法では、溶融ガラス塊の回転は以下の手段により行われる。
(a) 多孔質の受け型の凹球状面の受け面から噴出する加圧ガスの噴出速度や噴出圧力に前記受け面の部位によって差を持たせる。
(b) 軟化ガラス塊の上部に対して横方向からガスを噴射する。
(c) 軟化ガラス塊の上方にガスを噴出する多孔質部材を配置し、これを軟化ガラス塊に接近させると共に、軟化ガラス塊に対して横方向に相対的に移動させる。
(d) 受け型を直線往復運動、回転運動、揺動運動又はこれらの複合運動させる。
【0006】
しかし、加圧ガスの噴出速度や噴出圧力に差を持たせる場合(上記(a))、多孔質面を複数の領域に分け、それぞれの領域から吹出されるガスを制御するなど、装置や制御が複雑になってしまう。特に比較的大きな外径又は大きな体積(以下、単に大型という)の軟化ガラス塊を回転させるためには、各領域のガス噴出の差を大きくする必要がある。そして多孔質面から噴出されるガスは、凹部内部に向かって噴出されるため、ガス噴出の大きい部分のガラス塊に窪みが生じるおそれがある。また、ガス噴出の差によりガラス塊の位置が変動し、受け型の内面に衝突してしまうおそれがある。その上、多孔質材料の気孔は内部で連通しているため、局部的に導入ガス量を増減したとしても、吹き出すガス流量に大きな分布を付けることは困難である。したがって、よほど大きな分布を付けない限り、大型の軟化ガラス塊を回転させることは困難である。
【0007】
また、軟化ガラス塊の横方向にガスを噴射する場合(上記(b))、回転前の軟化ガラス塊は上部が扁平化しているので、軟化ガラス塊の上部に気流を吹きかけても回転させることは難しい。また軟化ガラス塊は非常に軟らかいため、気流の圧力で軟化ガラス塊の形状が変形してしまう。このガラス変形のために回転力が減少し、大型の軟化ガラス塊を気流で回転させることが非常に困難となる。また気流を吹きかける位置と気流の流速を正確に制御する必要がある。さらに軟化ガラス塊を回転させることにより軟化ガラス塊の上面が扁平な状態から盛り上がるため、気流の噴出位置が相対的に変化してしまう。
【0008】
また、ガス噴出用の多孔質部材を軟化ガラス塊に接近させ、かつ横方向に相対的に移動させる場合には(上記(c))、装置と制御が複雑になると共に、受け型以外に多孔質部材が必要となるため、コスト高になる。また真球度のよい球を得るには軟化ガラス塊を高速回転させる必要があるが、この方法で高速回転させることは原理的に困難である。また、軟化ガラス塊の上部は、多孔質部材の移動に伴う圧力ガスとの気体粘性により横移動する。したがって、大型のガラス塊を回転させるために、この横移動を大きくすると、ガラス塊が受け型に衝突するおそれがある。また、間接的な作用による回転力であるため、大型のガラス塊の回転に作用する力は小さいものとなる。
【0009】
また、受け型を直線往復運動等させる場合(上記(d))、装置と制御が複雑になることはもちろん、軟化ガラス塊が受け型に衝突しガラス表面にキズが生じる危険性がある。特に大型の軟化ガラス塊では、受け型の運動を大きくする必要があるため、衝突する危険性が増加してしまう。
【0010】
このように、上記従来技術の方法により大型のガラスを浮上させながら回転させようとする場合には、十分な回転力を得ることは困難であることを始めとして、回転時のガラス塊の窪みの問題、ガラス塊と型との衝突の問題、さらには装置や制御が複雑になるという問題点があった。
【0011】
かくして本発明は、上記従来技術における問題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、粘性の低いガラス塊や大型のガラス塊であっても、窪みのない表面品質のよいガラス塊を製造することのできるガラス塊の製造方法を提供することを目的とする。また本発明の目的は、ガラス塊、特に大型の球状ガラス塊であっても型に接触することなく、十分な回転力を得て表面品質のよい球状ガラス塊を製造する方法を提供することにある。さらに、本発明の目的は、得られたガラス塊を効率的に成形して成形ガラスを製造する方法を提供すること、及び上記本発明の方法に用いる製造装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術における問題に対し、本発明者は、これまでにガラス塊を浮上させてガラス塊を球状化させる方法として、凹部の内面の一部又は全部に沿って前記凹部の開口側から底部に向かって気流を供給するガラス塊の製造方法を提案している(特願平11−297460号)。ガラス塊の底部に層状気流を流すこの方法では、重力でガラス塊が凹面に接近する際に、層状気流が確実にガラス塊の表面に当たり強力な回転力が得られる。またガラス塊の表面に沿った層状気流であるため、ガラス塊に窪みを作ることもない。本発明者は、さらにこの発明に基づき鋭意検討を重ねて、ガラス塊の浮上用気流と回転用気流とを組み合わせることにより、ガラス融液の粘度が極端に低い溶融ガラス塊や比較的大きな体積又は外径のガラス塊であっても、強力な回転力が得られる方法を見出し、本発明の方法及び本発明に用いる製造装置を完成するに至った。
【0013】
上記目的を達成するための本発明のガラス塊の製造方法は以下のとおりである。
溶融ガラス塊を浮上保持するための凹部を有する装置を用いて気流により溶融ガラス塊を浮上させながら冷却してガラス塊を製造する方法であって、前記凹部の内面の一部又は全部に沿って、前記凹部の開口側から底部に向かって気体(以下、気体aという)を常時又は一時的に供給するとともに、前記凹部の内面の少なくとも底部に設けられた気体吹出口から前記凹部内に気体(以下、気体bという)を常時又は一時的に供給して前記気流を形成し、前記気流により凹部上に溶融ガラス塊を浮上させる(但し、気体a及び気体bの少なくとも一方は供給されているものとする)ことを特徴とする前記方法(請求項1)。
請求項1に記載の発明によれば、凹部の内面に沿って開口側から底部に向かう気体aと、気体吹出口から供給される気体bとから形成される気流により、溶融ガラス塊を凹部の内面に接触することなく浮上させた状態で冷却してガラス塊を製造するができる。特にガラス融液の粘度が極めて低い溶融ガラス塊では、適正な粘度になるまで浮上保持しながら冷却できるので、溶融ガラス塊を球状化する際に脈理等のないガラス塊を製造することができる。
【0014】
請求項1に記載の方法において、溶融ガラス塊は、溶融ガラス流出ノズルから流出した溶融ガラスを前記凹部内において前記気流により浮上させながら形成されたものであることができる(請求項2)。また、溶融ガラス流出ノズルから流出する溶融ガラスを前記凹部の外部に設けられたガラス受け部に積載して溶融ガラス塊とし、この溶融ガラス塊を凹部に導入することができる(請求項3)。さらに、前記溶融ガラス塊を浮上中に回転させて球状化することができる(請求項4)。また、前記凹部の内面の少なくとも底部に設けられた気体吹出口から凹部内に気体bを供給した状態で、溶融ガラス塊を前記凹部に導入して浮上させながら所定の温度まで冷却した後に、前記溶融ガラス塊を回転させるために前記凹部の内面の一部又は全部に沿って前記凹部の開口側から底部に向かって気体aの供給を開始することができる(請求項5)。
【0015】
また、上記目的を達成するための本発明の球状ガラス塊の製造方法は以下のとおりである。
溶融ガラス塊を浮上保持するための凹部を有する装置を用いて、気流により軟化した溶融ガラス塊を浮上させながら球状化する球状ガラス塊の製造方法であって、前記凹部の内面の一部又は全部に沿って前記凹部の開口側から底部に向かって、気体aを常時又は一時的に供給するとともに、前記凹部の内面の少なくとも底部に設けられた気体吹出口から前記凹部内に気体bを常時又は一時的に供給して前記気流を形成し、前記気流により前記凹部上に溶融ガラス塊を浮上させながら前記気流により溶融ガラス塊を回転させる(但し、気体a及び気体bの少なくとも一方は供給されているものとする)ことを特徴する前記方法(請求項6)。請求項6に記載の発明によれば、凹部の内面に沿って開口側から底部に向かう気体aと、気体吹出口から供給される気体bとから形成される気流によって、溶融ガラス塊を浮上させた状態のまま、溶融ガラス塊の底側を強力な気流に乗せて蹴飛ばすように回転させることができる。これにより溶融ガラス塊を回転させる力は強力である。また、表面が平坦化した大型の溶融ガラス塊であっても、溶融ガラス塊の底側に対して気流による回転力を与えるため、大型のガラス塊を確実に回転させることができる。
【0016】
また、上記目的を達成するための本発明の成形ガラスの製造方法は以下のとおりである。
請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法により得られたガラス塊を、対向する位置に形成面を有する上型及び下型を用いてプレス成形することを特徴とする成形ガラスの製造方法(請求項7)。
請求項7に記載の発明においては、ガラス塊の表面に窪み等のない良質なガラス塊をプレス成形するため、得られる成形ガラスは極めて表面品質のよいものとなる。
【0017】
さらに上記目的を達成するための本発明の製造方法に用いるガラス塊の製造装置は、以下のとおりである。
溶融ガラス塊を気流の作用により浮上保持するための凹部(但し、前記凹部の内面の少なくとも底部に気体bを吹き出すための気体吹出口を有する)及び前記凹部の内面の一部又は全部に沿って前記凹部の開口側から底部に向かって気体aを供給する気体供給口を有することを特徴とするガラス塊の製造装置(請求項8)。
請求項8に記載の発明によれば、凹部に設けられた気体吹出口から溶融ガラス塊を浮上保持するための気体bを供給することができると共に、凹部の開口側に設けられた気体供給口から溶融ガラス塊を浮上保持及び回転するための気体aを供給することができる。このため、ガラス粘度が極端に低い溶融ガラス塊や大型の溶融ガラス塊であっても、凹部の内面と非接触状態を保持したまま、これらの溶融ガラス塊を確実に回転させてガラス塊を製造することができる。
【0018】
請求項8の製造装置は、溶融ガラス流出ノズルから流出される溶融ガラスを積載して溶融ガラス塊とし、この溶融ガラス塊を前記凹部に導入するためのガラス受け部を前記凹部の開口に隣接して有することができる(請求項9)。また、前記凹部は、多孔質材料からなるか、又は気体を前記吹出口まで導く導管を内部に有する製造装置であることができる(請求項10)。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、適宜図面を参酌しながら説明する。
本発明のガラス塊の製造方法及び成形ガラスの製造方法では、溶融ガラス塊を浮上保持するための凹部を有する装置を用いて気流により浮上させる。
【0020】
本明細書において「ガラス塊」というときは、溶融ガラス、軟化ガラス及び固体ガラスを意味する。また本明細書において「溶融ガラス塊」というときは、溶融ガラスの塊を意味し、軟化させたガラス塊も含まれる。
本発明のガラス塊の製造方法では、溶融ガラス塊を凹部内において気流により浮上させながらガラス塊を形成することができる。また、溶融ガラス塊は、流出ノズルから流下する溶融ガラスを凹部の外部に設けられたガラス受け部に積載して得られるものであってもよい。本発明の方法により製造されたガラス塊は、プレス成形のためのプリフォーム等として使用できる。
【0021】
本発明の方法において溶融ガラス塊を構成するガラスの種類は、特に限定されないが、例えば、通常レンズの成形などに用いられる光学ガラスであることができる。また、従来製造が難しかった液相温度が高いガラスや、失透しやすいガラスなどであることもできる。
本発明の方法では、溶融ガラス流出ノズルから流出するガラスの粘度は例えば、10〜50ポイズ程度であり、このような溶融ガラスを上記凹部で浮上させながら冷却し、移送しても変形が生じない温度(Tg以下の温度、このときの粘度は1013ポイズ以上となる)になったところで、装置から取り出すことができる。また、軟化した溶融ガラスを用いて前記装置と非接触状態を維持しながら成形する場合には、ガラスの粘度が大きすぎると十分に成形できず、ガラスの粘度が低すぎると、折れ込み等の現象が発生する。そのため、ガラスの粘度は102〜108ポイズ程度の粘度で成形するのが好ましい。
また、製造するガラス塊のサイズには特に限定は無いが、例えば、直径7〜20mmの範囲とすることができる。特に、本発明の方法は、直径8〜13mmの比較的大型のガラス球の製造に適している。
【0022】
本発明において気流発生のために使用する気体としては、窒素などの不活性ガスや空気が好ましく使用できる。また、気体は常温であっても、所望の温度(100〜300)℃に調整されたものであってもよい。
【0023】
本発明のガラス塊の製造方法及び成形ガラスの製造方法において使用される気流は、溶融ガラスを浮上保持するための凹部の内面の一部又は全部に沿って、前記凹部の開口側から底部に向って供給される気体aと、前記凹部の内面の少なくとも底部に設けられた気体吹出口より前記凹部内に供給される気体bとからなる。
本発明における「気流」とは、気体の流れのことである。この気流は、凹部内面とガラス塊との間に存在し、溶融ガラス塊を凹部と接触させずに浮上保持するためのクッションとして働くとともに、溶融ガラス塊を球状化する際には、その流れによって溶融ガラス塊を回転させる。本発明の方法では、凹部の開口側の一部又は全部から凹部の内面に沿って底部に向かって気体aを供給し、かつ、凹部の内面の少なくとも底部に設けられた気体吹出口から凹部の開口側へ気体bを供給することにより気流を発生させる。そのため、本発明の方法では、複雑な気流の流れを形成することができ、その結果、溶融ガラス塊の特定個所に集中して気流がぶつかることはないため、溶融ガラス塊に気流が原因となる凹凸を生じることもないと考えられる。
【0024】
上記気体aは、溶融ガラス塊を浮上させるための気体として作用すると同時に、溶融ガラス塊を回転させるための気体として作用することができる。この気体aは、前記凹部の開口側から内面の底部に向かって供給されるか、又は開口端と底部との間(途中)の内面から内面の底部に向かって供給されることができる。この際、凹部の底部に向かって供給される気体aは、凹部の内面に沿って層状に供給されることが、溶融ガラス塊を安定して回転させるという観点から好ましい。
一方、上記気体bは、主として溶融ガラス塊を浮上させるための気体として作用する。この気体bで溶融ガラス塊を浮上させることにより、凹部内面との非接触状態を安定して維持することができ、これによりガラス塊の凹部との接触に起因するガラス表面上のしわ等の発生を回避することが可能となる。また、溶融ガラス塊のガラス粘度が極端に低い場合には、溶融ガラス塊が適正な粘度を有する温度に冷却されるまで気体bにより浮上保持した後に、回転を開始させることもできる。適正な粘度になった後に溶融ガラスを回転させれば、回転時の折れ込みによる脈理や巻き込み泡の発生を回避することができる。さらに溶融ガラス塊から大型の球状ガラス塊(直径12mm以上)を製造する場合においても、気体aに加えて気体bによる気流により浮上保持できれば、大型の球状ガラス塊の表面品質を良好にすることが可能となる。
【0025】
凹部に供給する気体aは、凹部の周囲のどの場所からも均一に供給することができるが、供給する気体の量を場所により変えること(気流のバランスを崩すこと)もできる。このように気体aの供給バランスを調整することにより、大型の溶融ガラス塊であっても安定して回転させることができる。具体的には、例えば、凹部の周囲の位置によって供給する気流発生用の気体の量を変化させるか、また凹部の周囲の一部のみから気流発生用の気体を供給することにより行うことができる。例えば、凹部の周囲の2割〜4割程度を占める連続した部分から気体aを噴出し、残りの部分については、ほとんど気体aを噴射しないか、全く噴射しないようにすることができる。
例えば、図4に示すように、スリット状の気体供給口4が凹部の周囲全体に備えられている場合には、ステンレス板等の板状の部材9と、凹部を有する部材との間の気体aの通路の一部に、板状の部材を挟み込むことによって、その部分における気体aの流通を遮断し、凹部の周囲の一部のみから気体aを噴射するようにすることができる。
【0026】
あるいは、図7に示すように、一部が欠けたリング状の板状の部材15を、部材9と凹部を有する部材の凹部の周囲の間に挟み込み、リングの欠けている部分に相当する凹部の周囲のみから気体aを噴射させることができる。この時、凹部にある溶融ガラス塊は、図のA部分に多少寄った形で安定して浮上し、型の内面に沿ってBからA方向に向かう気体aがガラス塊の下部に潜り込むことにより、安定した回転を付与する。このような構成は、大型のガラスを回転、球状化させる際に有用である。この場合、周囲から均一に気体を噴射した時に比較して、気流どうしの衝突は起こりにくくなるが、凹部内面と溶融ガラス塊の間には気流(気体aと気体b)が流れているため、型との非接触状態を保つことができる。また、気体aを噴射しないA側では、図に示すようにBからA方向に流れる気流が型の内面及び、気体供給口を形成しているスリット部分の内周を通って、上方に抜けるので、この部分においても型とガラス塊の間に気流の層が存在し、ガラス塊がA側に寄っていてもこの部分で型とガラス塊が接触することがない。なお、凹部の開口周縁部の一部のみから気体を供給する場合、必要に応じて、浮上中に気体が供給される凹部開口周縁部の位置を変化させるようにしてもよい。
【0027】
また、本発明の方法において、凹部周辺より凹部の中心に向かって複数の気体供給口から等量の気体aを供給する場合のみならず、複数の気体供給口からの気体aの供給量を、各供給口について変化させ、かつ凹部の内面から開口側へ供給される気体bの供給量を変化させることにより、溶融ガラス塊の浮上保持状態、回転状態、形状などを制御することもできる。このように、溶融ガラス塊を回転しながら浮上保持することで、溶融ガラス塊や軟化した溶融ガラス塊を容易に球状化することができる。気体を供給する位置は、凹部の周囲における位置、凹部の深さ方向における位置ともに必要に応じて、調整、選択することができる。
【0028】
気体aを供給する向きは、凹部の内面において凹部の開口側から凹部の底部に向かう気流を生じる向きであればよく、必ずしも凹部中央底部方向に真下に向けて気体aを供給する必要はない。しかしながら、凹部の底側で気体aどうしの衝突が有効に生じるように供給するのが、安定的にガラス塊を保持するという観点からは好ましい。また、気体aどうしの衝突は、必ずしも凹部底部中央である必要はなく、ガラス塊の浮上の安定性や回転状態を考慮して調整すればよい。例えば、図5(b)に示すように、気体aを供給する向きを選択することにより、凹部底側でサイクロン状の渦を巻かせるようにすることもできる。この場合、安定した浮上状態が得られ、溶融ガラス塊を回転させる効果もあるので、球状のガラス塊を製造する際に有用である。
また、気体bを供給する向きは、凹部の内面において凹部の内面から凹部の開口側に向かう気流を生じる向きであり、少なくとも凹部の底側から凹部の開口側への向きが含まれる。気体bは、主として溶融ガラス塊を浮上するための気流として作用し得るため、溶融ガラス塊の浮上という観点からは、凹部の底側から溶融ガラス塊を浮上させる方向に気体bが供給されることが好ましい。
【0029】
本発明の方法における気流の供給は、上記気体aと気体bとが常時又は一時的に供給されることができる。但し、溶融ガラス塊が浮上した状態を保持するためには、気体a及び気体bの少なくとも一方は必ず供給されている。このような気流の供給としては、例えば、気体a及び気体bの供給を同時に開始する場合、気体bの供給中に気体aの供給を開始する場合、又は気体aの供給中に気体bを供給する場合などが挙げられる。
具体的には、本発明の方法では、凹部内にあらかじめ気体bを供給した状態で、この凹部に溶融ガラス塊を導入して浮上させながら所定の温度まで冷却した後に、溶融ガラス塊を回転させるように前記凹部の内面に一部又は全部に沿って前記凹部の開口側から底部に向かって気体aの供給を開始してもよい。このようにすれば、溶融ガラス塊は気体bにより浮上された状態で所定の温度まで冷却され得るため、ガラス粘度の極端に低い溶融ガラス塊が凹部内供給された場合であっても回転に適した粘性状態の溶融ガラス塊にした後に、回転を開始させることができる。回転に適した粘性状態になった後に気体aを供給して溶融ガラス塊の回転を開始すれば、回転時における折れ込みによる脈理や巻き込み泡の発生を防ぐことができるという利点がある。
なお、気体a及びbの供給比率、供給時間、供給速度、供給温度及び供給圧力などについては、溶融ガラス塊の大きさ、材質等に対応させて適宜決定することができる。例えば、気体bを供給した後に気体aの供給を開始し、次いで気体bの供給を停止して、気体aのみで溶融ガラス塊を浮上保持又は回転させることもできる。
【0030】
上記気流の流速バランスの崩しすぎは凹部外への溶融ガラスの飛び出しにつながるが、適当にバランスを微調整すると、任意の位置に溶融ガラスを安定浮上させることができる。特に型の容積に対し溶融ガラスが小さい場合には、型の一定位置に溶融ガラス塊を浮上させ、ランダムに回転させることできる。さらにガス流速を上げてゆくと、ガラス融液には公転運動が加わる。よって、これらの回転運動(自転)により、球状のガラスを成形することができる。
【0031】
本発明のガラス塊の製造方法では、溶融ガラス塊を浮上保持しながら気流により冷却する。ここで、ガラス塊は、前述したように溶融ガラス流出ノズルから流出し、切断された溶融ガラス塊を、前記凹部内において前記気流により浮上させて、装置(凹部内面)と溶融ガラス塊との非接触状態を維持しながら冷却することで形成され得る。
具体的には、溶融ガラス塊の形成は、例えば、図1に示すように、凹部2の内面の底部に設けられた気体吹出口7から吹出される気体bにより溶融ガラス11は浮上され得る。また、凹部2の内面の一部又は全部に沿った凹部の開口側から底部に向かう気体aを噴出する場合には、気体aの衝突により発生する上昇気流によっても溶融ガラス11は浮上され得る。すなわち、流下した溶融ガラス11は、これらの気体aと気体bとの衝突で発生する上昇気流による浮力を受けるとともに、凹部2内面を開口側から底部に向かう気体aにより、凹部2の内面との非接触状態が保たれる。気流の流速を十分に上げることで、凹部2の内面との非接触状態を安定して維持することが可能となる。また、気体aの衝突により発生する上昇気流は、気体の衝突による乱れた上昇気流であるため、気体aの流速を上げた状態でも溶融ガラス表面に窪み等の欠陥を生じにくい。
次いで、装置を下方に移動させるか、又は溶融ガラス流出ノズルを上方に移動させて流出溶融ガラスを切断することにより、溶融ガラス塊が得られる。この溶融ガラス塊と凹部の内面との非接触状態を保持した状態で冷却することにより重量の均一なガラス塊が得られる。
【0032】
また、溶融ガラス流出ノズルから溶融ガラスを流出させて溶融ガラス塊を作製するには、上記方法以外に、例えば図8に示されるように、溶融ガラス流出ノズル24から流出する溶融ガラス23をガラス受け部22に積載して、ガラス受け部22に積載された溶融ガラスが所望の重量になった時点で、溶融ガラス23を溶融ガラス流出ノズル24から切断し、ガラス受け部22に所望の重量の溶融ガラス23を得、次いでこの溶融ガラス23をガラス受け部22から、凹部20へ導入するようにしてもよい。ガラス受け部に溶融ガラスを受けることで、所望の重量の溶融ガラスを重量精度よく得ることができる。
溶融ガラスを流出ノズルから切断する手段としては、流出ノズルを上方に移動させるか、ガラス受け部を下方に移動させる方法を取ることができる。さらに、ガラス受け部が凹部を有する装置に一体に成形されている場合には、装置を下方に移動させればよい。ガラス受け部は、溶融ガラス流出ノズルから流出する溶融ガラスを受け、所望の重量をためておくことができるものであればよい。例えば、板状の部材、皿状の部材などを用いることができる。また、溶融ガラスは、流出ノズルから滴下し、または切断して、溶融ガラス塊となった後に、凹部の外部に設けられたガラス受け部に受けることもできる。
【0033】
また、上記ガラス受け部は、前記凹部の開口に隣接して有することが好ましく、例えば、図8に示すように、凹部20を有する装置の凹部開口21側の周囲に、溶融ガラス23が凹部20に向かって落下するような向きに傾きを持った面を一体に形成したものであることが好ましい。具体的には、図8に示すように、凹部20の周囲に一部被さるように形成された、気体供給口を形成するための突出部25を内側に有する部材の上面に、凹部20に向かって落ち込むような傾きを有する面を形成させることにより、この傾きを有する面をガラス受け部22とすることができる。傾きを有する面は曲面でもよい。
但し、ガラス受け部22に溶融ガラス23が滞留する時間が長いと、溶融ガラス表面の一部に比較的粘度の高い部分が生じ、製造されるガラス塊の形状がいびつになり、球状化が困難になる。このため、ガラス受け部22に設ける傾きの角度、曲率、形状等を調整することにより、溶融ガラス23が溶融ガラス流出ノズル24から切断するとほぼ同時に、凹部20内へ溶融ガラス塊26が導入されるようにすることが好ましい。溶融ガラス塊26の自重により、凹部内へ自然に溶融ガラス塊26が導入されるようにするのがより好ましい。
【0034】
上記のような構成とすることにより、複雑な装置を用いることなく、ガラス受け部において形成された溶融ガラス塊を素早く自動的に、凹部へ導入することができるようになる。ガラス受け部の構造及び配置は、ガラス受け部におけるガラスの滞留時間が5秒以下となるようにすることが好ましい。そのため、ガラス受け部は、凹部開口の外部のうち、凹部開口側近傍に設けるか、又は凹部開口側に隣接して設けることが好ましい。ここで、凹部開口の近傍とは、ガラス流がガラス受け部に接触してから5秒以下で凹部に溶融ガラス塊を導入できる範囲を意味する。ガラス受け部が、凹部開口の近傍ではあるが、凹部開口に隣接していない場合、ガラス受け部と凹部開口との間に、溶融ガラス塊が受け部から凹部開口に自然に移動し得る程度の傾きを持った通路を設けることが好ましい。この場合にも、ガラス流がガラス受け部に接触してから溶融ガラス塊が凹部に導入されるまでの時間は5秒以下となるように、通路の長さを考慮して、通路の傾きは決定される。
【0035】
但し、このように凹部を有する装置の凹部開口の近傍又は隣接に設けられ、かつ凹部開口側に向かって傾きを持った受け部は、傾きが大きすぎるなどの場合、流出した溶融ガラスがガラス受け部にたまらずに、凹部の方へ流れてしまったり、流れ気味となったり、というおそれがある。このような場合にはガラス塊の重量が変動しやすくなるので、ガラス受け部の形状や、溶融ガラスを受ける位置を最適に調整することが好ましい。
また、溶融ガラス流がガラス受け部に接触した後、溶融ガラス流が切断されない速度で、流出ノズルと受け部の間の相対的な距離を広げながら、溶融ガラスをガラス受け部上に流出、載置することによって、ガラス受け部から凹部への溶融ガラスの流出を抑制することもできる。これは、例えば、溶融ガラス流の流出中に、溶融ガラス流が切断されない速度で、流出ノズルを上方に移動させるか、又はガラス受け部を下方に移動させることにより行うことができる。この方法は、ガラス受け部との接触面積を少なくできるとともに、滞留中の融液の扁平化を防止できる(特に、球成形に有利である)という観点から好ましい。この場合も、所望の重量の溶融ガラスが得られた所で、溶融ガラス流を流出ノズルから切断し、溶融ガラス塊を形成することができる。溶融ガラス流の切断は、例えば、溶融ガラスが切断されるのに十分な速度で、流出ノズルを上方に移動させるか、または受け部を下方に移動させることにより行うことができる。
【0036】
本発明のガラス塊の製造方法は、溶融ガラス塊を浮上中に回転させて所望の形状、例えば、球状化することもできる。溶融ガラス塊の球状化は、例えば図5に示すように、気体aの吹き出しを、凹部の中心から一定の角度を持たせた方向に行うことで、ガラス塊を回転(自転)させることにより可能である。気体aの吹き出し量(速度)と吹き出し角度とを変化させることで、溶融ガラス塊の粘度に応じて、球状化に必要な時間を適宜変化させることができる。あるいは、図7に示すように、一部が欠けたリング状の板状の部材15を、部材9の部材と凹部を有する部材の凹部の周囲の間に挟み込み、リングの欠けている部分に相当する凹部の周囲のみから気体aを噴射するようにして、溶融ガラス塊の球状化を行うこともできる。この場合、凹部にあるガラス塊は、図のA部分に多少寄った形で安定して浮上し、型の内面に沿ってBからA方向に向かう気流がガラス塊の下部に潜り込むことにより、安定した回転が得られる。球状のガラス塊は、成形型を用いたレンズ成形などの際に下型の成形面の中心に配置することが容易であり、好ましい。
【0037】
前述したガラス塊の製造方法には、溶融ガラス塊を気流の作用により浮上保持するための凹部、及び前記凹部の内面の一部又は全部に沿って前記凹部の開口側から底部に向かって気体を供給する気体供給口を有することを特徴とするガラス塊の製造装置(本発明の装置)を用いることができる。
【0038】
本発明の製造方法に使用される、溶融ガラス塊をその上に浮上保持するための凹部を有する装置としては、本発明の製造装置を用いることができる。以下、本発明の製造装置について概説する。
図1は、本発明の製造装置1の断面図及びその一部拡大図(右下)である。また図2は、上部が本発明の製造装置1の上方からの図であり、下部が本発明の製造装置1の断面図及びその一部拡大図(右下)である。
図1及び図2に示す本発明の浮上装置1は、溶融ガラス塊を気流の作用により浮上保持するための凹部2、開口側付近に設けられ、凹部2の底部に向かって気体aを供給して溶融ガラス塊浮上用の気流を生成させるための気体供給口4、及び凹部2の底部に設けられガラス塊浮上用の気体bを供給する多孔体からなる気体吹出口7を有する。気体供給口4から凹部底へ向かって気体aを供給することで、層状の気流が凹部2の内面に沿って生じる。また、凹部2の底部に設けられた気体吹出口7から吹き出される気体bにより溶融ガラス塊を浮上させる状態が保持できる。さらに凹部2と溶融ガラス塊との間には、凹部開口側から凹部底側に向かう気体aと、凹部底側から凹部開口側に向かう気体bとによる気流層が存在することにより、溶融ガラス塊は凹部とは非接触に保持される。また凹部2内面と溶融ガラス塊との間に気流が存在することで、溶融ガラス塊を凹部2に置いた直後の初期の浮上状態や、大型の溶融ガラス塊の浮上状態をも安定に保つことができる。
【0039】
図2に示されるように、溶融ガラス塊を浮上保持させるための上昇気流は、凹部の底部に設けられた気体吹出口7から吹き出される気体bのほか、気体aが凹部2底側に集まり、衝突し合って発生した気流を含む。この上昇気流は、溶融ガラス塊を浮上させるのに寄与し、浮上量を高くすることができる。また、この上昇気流は、気体bの上昇気流のほかに、気体aの衝突による乱気流を含む混合気流とすることができるため、気流の流速を上げた状態でもガラス塊に窪み等の欠陥を生じにくい。そのため、溶融ガラス塊と凹部内面の良好な非接触状態を保つことができ、溶融ガラス塊や軟化した溶融ガラス塊から発生する揮発性の物質が凹部とガラス塊の間に滞留したり、型に付着した揮発性物質が再付着することがない。その結果、従来製造が困難であった流下温度域で成分揮発が多いガラス素材や結晶化傾向の強いガラス、例えば液相温度の高いガラス素材であっても、良質なガラス塊を容易に製造することが可能である。
【0040】
図3及び図4は、上側が本発明の製造装置1の上方(開口側)から見た図であり、下側が本発明の製造装置1の断面図及びその一部拡大図(右下)である。図3に示すように、凹部2の開口側より底部に向かう気体aは、凹部開口側近傍に、フィルム状(層状)に気体を噴射できる気体供給口4を設け、成形型の凹部内面2に沿うよう下方向に気体を噴射することにより発生させることができる。この場合、凹部内面2に沿った層状の気流が形成できる。また、気体供給口4の断面形状は、特に限定されず、円形状、楕円形状、正方形、長方形等とすることができる。また、先の図2に示すように、気体供給口4の断面形状を扁平楕円状としたものを使用することもできる。また気体供給口4の数についても特に制限はなく、複数の気体供給口4を複数放射線状に並べたものや、連続して円弧状に並べたものなど、実質的に層(フィルム)状に気体を噴射できるものであればよい。また、図3及び図4に示すように、気体供給口4,4'の先端をリング状とし、スリット状の気体供給口4,4’から凹部内面に凹部の全周より気体aを噴射する方法がさらに好ましい。
なお、図4に示すように気体供給口4’を凹部内面に突き出すように設置することで、気体aを凹部の底側に確実に潜り込ませることができ、気体bによるガラス塊12の浮上と相俟って溶融ガラス塊の回転をより確実にすることができる。
【0041】
一方、凹部2の底部より開口側に向かう気体bは、凹部内面に設けられた気体吹出口から噴出され、上昇気流として溶融ガラス塊に作用することができる。図3及び4に示すように、凹部が多孔質材料でできている場合には、気体吹出口7は所定の孔径を有する細孔として存在し、溶融ガラス塊を浮上させる方向に各細孔から気体bを均一に噴出させることができる。この場合の気体吹出口7は凹部2の内面全体に存在していてもよく、また、凹部2の一部(例えば底部における所定の範囲内)にのみ存在していてもよい。気体吹出口7の凹部内面に対する気孔率は、ガラス塊の浮上の安定性を保つためには10〜40%の範囲が好ましい。
また気体吹出口7の別の態様としては、図9に示すように気体(窒素)導入管29から凹部20の底側まで導かれる気体(窒素)導入用細孔30を成形型内部に設けたものが挙げられる。この態様では、気体吹出口は気体導入用細孔30と凹部20の底側との接触部分に形成され、その細孔から気体bを噴出させて溶融ガラス塊を浮上させることができる。気体導入用細孔30の大きさ、位置及び数は、供給される気体bの単位時間あたりの体積や浮上させる溶融ガラスの重量又は大きさなどに応じて適宜決定されることができる。
【0042】
図1〜図3に示すように、気体供給口4の位置は開口側付近であるか、又は図4に示すように、凹部2内面の開口側と底部との中間(4’)であることができる。また、図6に示すように、凹部2内面の開口側と底部との中間に窒素ガス等の気体aの供給パイプを通し、供給パイプの凹部2内面の端部に、気体aを凹部2の底部に向ける部材9を設けて気体供給口4を形成することもできる。
また図4に示すように、多孔体挿入穴5と気体導入管6が一体となってラッパ状に形成された管から気体bを気体吹出口7に供給することもできる。
さらに、図には示されていないが、多孔体挿入穴5の下側に気体導入管6を複数設けて、各々の気体導入管6から多孔体挿入穴5を介して気体吹出口7に所望の流量の気体bを供給することもできる。
【0043】
一方、気体供給口と凹部は、互いの相対位置を調整後に固定することが望ましい。これは相対位置が変化すると、安定した浮上状態が得られなくなるからである。凹部を有する部材と気体供給手段が、機械的に一体化されているか、一体に成形されていると更に好ましい。溶融ガラスを凹部に受けてガラス塊を製造する場合、ノズルから次々に流出する溶融ガラスを連続的に受けて成形するため、成形型は移動テーブル上に乗せられることが多いが、型の凹部と気体供給手段を一体化することで、型の移動に合わせて気体供給手段を移動させる必要もなくなる。
【0044】
なお、本発明のガラス塊の製造装置においては、ガラス塊を取り出すための装置の清掃を容易にするため等の目的で、必要に応じてこの製造装置を複数に分割可能に形成してもよい。この場合、例えば、浮上状態で保持したガラス塊を、装置を分割することにより装置下部より取り出し、成形装置に移す場合などに使用できる。
【0045】
本発明のガラス塊の製造装置における凹部の形状は、溶融ガラス塊の形状、製造するガラス塊の形状などに応じて、適宜選択することができる。
例えば、凹部の形状としては半球状、円筒状、円錐状等を挙げることができる。但し、凹部の形状は、ガラス塊を凹部に浮上保持できる形状であればよいが、製造するガラス塊に近似した形状であるのが、ガラス塊を安定して浮上又は回転させる観点から好ましい。
また、本発明のガラス塊の製造装置において、凹部はプレス成形用の成形型として使用することもできる。例えば、凹部を下型としてガラス塊を受け、プレス成形可能な温度にまでこの型上で冷却した後、所定形状の成形面を備えた上型でこのガラス塊をプレスすることにより、所定形状の成形ガラスを製造することも可能である。
本発明の製造装置は、溶融ガラス塊と凹部内面との非接触状態が良好に保てるので、溶融ガラス塊との接触による破損なども生じない。したがって、本発明のガラス塊の製造装置を用いれば、低コストで装置の寿命を長く保つことができる。
【0046】
また、本発明のガラス塊の製造装置は、凹部の全部又は一部を多孔質からなる材料で形成し、多孔質材料から気体bを凹部開口側に噴出させるとともに、前記凹部の内面に沿って、前記凹部の開口端周辺近傍の全部又は一部から底部に向って気体aを供給するようにすることができる。また、凹部の底面に細孔を設け、そこから凹部開口側に噴出する気体b供給しつつ、気体aと併用することもできる。これにより、大型のガラス塊を安定して浮上、回転して成形することができる。
【0047】
本発明の方法で溶融ガラスから得られたガラス塊は、例えば、プレス成形用のプリフォームとして用いることができる。プレス成形は、通常行われる方法が使用できる。例えば、本発明の方法で製造されたガラス塊はプレス成形装置へと移送される。プレス成形装置は製造される成形ガラスの形状に相応する成形面を対向する位置に有する上型及び下型を有するものであることができる。ガラス塊は通常下型へと移送され、ガラス塊の粘度が106〜1010ポイズ、好ましくは108ポイズオーダーになる温度に加熱され、上型及び下型間で押圧されて所望の形状に成形される。冷却された成形ガラスは、アニール、洗浄されガラス製品となる。なお、ガラス塊の粘度がもっと低い範囲でのプレス成形も勿論可能である。
【0048】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
(実施例1)
図1は、上端が溶融ガラス槽に取り付けられた貴金属製溶融ガラス流出ノズル10付近の図面である。該流出ノズル10は、図示しないヒーターで加熱されており、該流出ノズルに溶接した熱電対と温度制御装置によりガラス融液が流出可能な温度域(ガラスの粘性で3〜50ポアズ)に温度制御されている。後述する型の凹部2で流出した溶融ガラス11を一定時間受けた後、型を降下させてガラス融液を切断し、ガラス流出位置から型と成形ガラスを退避させる。また型の退避と同時に別の型をガラス流出位置に配置し、上記の成形操作を繰り返す。
【0049】
以下に成形型1について図2を用いて詳しく説明する。耐熱ステンレス鋼を直径40mm、長さ40mmの円柱状に機械加工し、その上端に深さ7mmで底部のアール(曲率半径)が4mmの凹部2を加工した。なお、凹部2の内面は鏡面仕上げとし、酸化防止のために厚み8μmの金をコートした。また、凹部2の下側には凹部を保持するため、深さ13mm、直径20mmの多孔体挿入穴5を加工し、さらにその下側に直径9mmの気体導入管6を加工した。次いで、外径が2mmで管の厚みが0.3mmの銅パイプ先端部をつぶし、200μmのスリット状の気体供給口を持つ幅3mmの気体噴射ノズル3を作製した。この噴射ノズル3の8個を上記の凹部2外周に均等に配置し、気体噴射ノズル3の先端を下向きに曲げ、噴射気体が凹部2内面に沿って下方向に層状に流れるように調整し固定した。
なお、窒素などの不活性気体を気体導入管6及び気体噴射ノズル3から噴射することで、溶融ガラス塊の完全な浮上状態が得られる。完全な浮上に必要な流量は溶融ガラスの重量と噴射スリットの隙間の大きさにより変化するが、1グラム程度のガラスであれば、合計量で毎分1.5リットル以上流せば、完全な浮上状態が得られる。流量バランスの関係で、安定した浮上状態が得られない場合には、各ノズルの気体流量を微調整すればよい。
【0050】
(実施例2)
溶融ガラスの成形法は実施例1と同様なので、実施例1と異なる型構造のみ図3を用いて説明する。実施例1と同様なステンレス製の成形型1の上端部に多孔体挿入穴5、次いでその下側に気体導入管6を形成した後、ステンレス製の成形型1の上面に、直径が30mmで深さ300μmの一段低い平面部を加工した。次に凹部を囲む形で、一段低い部分に直径3mmの気体供給穴8を8個均等に貫通させた。次に外径40mm、厚み約1mmで中心部に型の凹部より僅かに小さい穴が開いており、穴の縁部が斜め下方向に1mm突出しているステンレス製部材9を加工した。このステンレス部材9の穴の中心とステンレス製の成形型1の凹部2の中心を合わせた後、両者を図3のように一体化した。一体化した状態で直径3mmの気体供給穴8からガスを流すことで、成形型1の凹部2上端から底部中央に向かう気体aを発生させることができる。つまり成形型1上部に一体化したステンレス製の部材9の端部が、実質的に気体供給口4として働く。
以上のように、成形型1の凹部2の内面に下向きに層状の気体aを発生させると同時に、凹部2の底部から気体導入管6を介して気体bを供給することにより、成形型1の凹部2とガラス塊12の接触を完全に防止することができる。
【0051】
(実施例3)
基本的な構造は実施例2と同様であるが、成形型1の凹部形状のみが異なる実施例について図4を用いて説明する。図4のように、成形型1の凹部2の深さは7.4mmで、底部はアール(曲率半径)4.4mmの球面となっている。また底部から2.5mm以上はラッパ状に口が広がっており、広がり角度は約50°である。また成形型1上面の板状のノズル先端4’は3mm突き出ており、実施例1及び2よりも突き出し量が大きい。本成形型1を使用し、成形型内面に毎分1.8リットルの窒素気流を発生させ、980mgの溶融ガラス塊12を型中央に滴下した。その結果、溶融ガラス塊12は、成形型1の凹部2内で浮上しながら回転し、ほぼ球状のガラス塊が得られた。以上のように、成形型1の凹部2の内面に下向きに層状の気体aを発生させると同時に、凹部2の底部から気体bを供給することにより、成形型1の凹部2とガラス塊12の接触を完全に防止でき、成形型1の凹部2の形状とノズル先端4’の位置を最適化することで、溶融ガラス12を回転させることが可能となり、球状のガラスを成形することもできる。
【0052】
(実施例4)
図8は、ガラス融液を型上面の外周で受け、球状のガラス塊を成形する実施例の説明図である。以下に成形型の製造法について図で説明する。
図8のように、耐熱ステンレス綱を直径40mm、長さ40mmの円柱状に機械加工し、その上端部に深さ13mmで、直径が20mmの多孔体挿入穴28を加工した。次に多孔体挿入穴28の下側に直径9mmの窒素導入管29を加工した。さらに、凹部20の外周は最外周より0.5mm低くなるよう研削加工し、円柱の底部側から貫通する直径1.5mmの穴を一段低い部分に8個形成した。また底部アール(曲率半径)が4.8mmで、スロープの開き角度が80°の凹部20を加工した深さ13mmの多孔体を別途加工し、上記の多孔体挿入穴28に挿入固定した。なお本実施例では、平均気孔径が20μmで気孔率が25%の炭素系多孔体を用いた。一方、耐熱ステンレス綱で直径が40mm、深さが3.5mmで下側に4.8mm突き出した構造の気体噴射ノズルに加工した。図8のように、本ノズルの突き出し部のテーパーは凹部のテーパー部に係合するよう同じ開き角とした。また中央には開き角15°の貫通穴を形成し、穴上面の角部に6mmのアール(曲率半径)を形成した。図8のように、気体噴射ノズルの下側先端の断面は刃物状に加工されている。上記の円柱状部品と同様に、気体噴射ノズルの上面と内側面は鏡面研磨仕上げし,酸化防止のため10μmのNiメッキを施した。
【0053】
上記二つの部品を組み合わせ、以下のようにガラス塊の成形型を組み立てた。図8の拡大図に示すように、二つの部品の中心位置をずらしてネジ固定した。拡大図において右側は気体噴射ノズルの隙間が100μmとし、左側を10μm以下とした。このように気体噴射ノズルの隙間をアンバランスに調整するとノズルからの気体噴射流量に大きな差が生じ、ガラス融液を効率よく回転させる一方向の気流を発生させることができる。つまり球成形に限っては、ほぼ一方向の気流の方が融液の回転能力が高く望ましい。気流のバランスが崩れると成形体が窪みから飛び出す現象が起こりやすい。しかし対向する気流が全く無い場合でも、気体噴射ノズルの隙間を200μm以下にし、かつノズルから噴出気体流量を少なくることで成形体の飛び出しを防止することは可能である。次にガラス球の成形操作について説明する。
【0054】
回転テーブルの外周上に複数個設置した球成形型のうち一つを、ガラスが流出している白金合金製の溶融ガラス流出ノズル24の下に設置し、型上面凹部の外周でガラス融液(溶融ガラス23)を受けた。ガラス融液が一定重量溜まった段階で成形型を降下し図8(b)のようにガラス融液を凹部に落下させた。このとき溶融ガラス流出ノズル24の中心は、型上面の平坦部とアール部の境界付近に設置することが望ましい。このような設置状態とした場合、型の降下と同時にガラス融液をスムーズに型の凹部20に落下させることができる。型の降下後に速やかに回転テーブルを回転させ成形型を溶融ガラス流出ノズル24位置から退避させるとともに、別の成形型を溶融ガラス流出ノズル24下部に移動させ、連続的に球成形を行った。
【0055】
図8(b)のように、成形開始時においては、多孔体からの浮上気流のみが0.8L/分の流量で流され、ガラス融液が浮上状態に保たれている。この状態でガラス融液を自然冷却しながら粘性を上げていき、成形開始から9秒後に気体噴射ノズルからガラス融液回転用の窒素を流した.噴出流量の最適値は噴射ノズルの隙間の大きさによって異なるが、隙間が80〜100μmの場合には0.8〜2.0L/分と少ない流量で球を成形することができる。落下直後の溶融ガラス塊26は図8(c)のようにいびつであるが、凹部底面の層状気流に乗り、溶融ガラス塊が方向を変えながら高速回転し、図8(d)のように非常に真球度のよい球ガラス塊27となる。なお、成形型の底面のアール(曲率半径)は4.8mmなので、直径が9.3mmの球まで成形可能であった。このとき球直径の長短径差は100μm以下であり、ガラスモールドレンズのプリフォームとして十分な真球度であった。また連続成形した2000個の球状ガラスの重量変動を調査した結果、1250mgの目標重量に対し±10mgの範囲に入っていた。また成形による巻き込み泡や折れ込みによる脈理はみられなかった。
【0056】
(実施例5)
実施例5の成形型は、実施例4における多孔体挿入穴28の代わりに凹部底面に22個の窒素導入用細孔30(直径400μm)を設けた点を除き、成形型の構造や寸法は同一である。また図9に示すように、ガラス融液を凹部で直接受ける点が実施例1と異なる。以下成形操作について実施例と異なる点のみ説明する.
図9のように、細孔からの浮上気流0.5L/分を流しながらガラス融液を直接凹部に受け、ガラス融液を凹部に溜めた(図9(a))。ガラス融液の重量が所定重量となったとき、成形型を降下させてガラスの流れを切断した(図9(b))。切断されたガラス融液は、凹部底面の細孔から浮上する気流のみで浮上させ、適当な粘性となるまで保持した。次に成形開始から13秒後に気体噴射ノズルからガラス融液回転用の窒素を流した。窒素流入直後の溶融ガラス塊26は図9(c)のようにいびつであるが、凹部底面の層状気流に乗り、溶融ガラス塊26が方向を変えながら高速回転し、図9(d)に示すように非常に真球度のよい直径9.2mmの球ガラス塊27となった。このとき球直径の長短径差は100μm以下であり、ガラスモールドレンズのプリフォームとして十分な真球度であった。また連続成形した2000個の球状ガラスの重量変動を調査した結果、1250mgの目標重量に対し±10mgの範囲に入っていた。また成形による巻き込み泡や折れ込みによる脈理はみられなかった。
【0057】
【発明の効果】
本発明のガラス塊の製造方法及び成形ガラスの製造方法によれば、溶融ガラス塊と凹部内面を完全な非接触状態を保持しつつ、溶融ガラス塊を所定の粘度まで冷却することができる。そのため、極端にガラス粘度の低い溶融ガラスであっても、折れ込みによる脈理や巻き込み泡を防止することができ、表面状態の良好なガラス塊を容易に製造することができる。
また、本発明のガラス塊の製造方法によれば、大きなガラスゴブであっても気流により上下左右に揺動することができるため、ゴブ上面の平坦化を防止しすることができる。また、従来球状化が困難であった大型のガラス塊であっても表面が平坦化していない良質の球状化ガラス塊を製造することができる。
また、本発明のガラス塊の製造方法で得られたガラス塊を、型を用いてプレス成形を行うことにより、表面状態の良好な成形ガラスを得ることができる。
さらに、本発明のガラス塊の製造装置は、比較的簡単な構造にすることができるため、装置の製造コストが安価に抑えることができる。本発明の製造装置をガラス塊の製造に用いれば、低コストでガラス塊を製造でき、装置の寿命を長く保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガラス塊の製造装置の概略図(その1)である。
【図2】 本発明のガラス塊の製造装置の概略図(その2)である。
【図3】 本発明のガラス塊の製造装置の概略図(その3)である。
【図4】 本発明のガラス塊の製造装置の概略図(その4)である。
【図5】 本発明のガラス塊の製造方法における気流の流れを説明する説明図(その1)である。
【図6】 本発明のガラス塊の製造装置の概略図(その5)である。
【図7】 本発明のガラス塊の製造方法における気流の流れを説明する説明図(その2)である。
【図8】 本発明の実施例におけるガラス塊の製造工程を説明する工程図(その1)である。
【図9】 本発明の実施例におけるガラス塊の製造工程を説明する工程図(その2)である。
【符号の簡単な説明】
1 成形型
2 凹部
3 気体噴射ノズル
4、4’ 気体供給口
5 多孔体挿入穴
6 気体導入管
7 気体吹出口
8 気体供給穴
9 部材
10 溶融ガラス流出ノズル
11 溶融ガラス
12 溶融ガラス塊
15 リング状の板状の部材
20 凹部
21 凹部開口
22 ガラス受け部
23 溶融ガラス
24 溶融ガラス流出ノズル
25 突出部
26 溶融ガラス塊
27 球状ガラス塊
28 多孔体挿入穴
29 窒素導入管
30 窒素導入用細孔

Claims (10)

  1. 溶融ガラス塊を浮上保持するための凹部を有する装置を用いて気流により溶融ガラス塊を浮上させながら冷却してガラス塊を製造する方法であって、前記凹部の内面の一部又は全部に沿って、前記凹部の開口側から底部に向かって気体(以下、気体aという)を、気体aが前記溶融ガラス塊の下部を通過するように常時又は一時的に供給するとともに、前記凹部の内面の少なくとも底部に設けられた気体吹出口から前記凹部内に気体(以下、気体bという)を常時又は一時的に供給して前記気流を形成し、前記気流により凹部上に溶融ガラス塊を浮上させる(但し、気体a及び気体bの少なくとも一方は供給されているものとする)ことを特徴とする前記方法。
  2. 前記溶融ガラス塊は、溶融ガラス流出ノズルから流出した溶融ガラスを前記凹部内において前記気流により浮上させながら塊とし形成されたものである請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記溶融ガラス流出ノズルから流出する溶融ガラスを前記凹部の外部に設けられたガラス受け部に積載して溶融ガラス塊とし、この溶融ガラス塊を凹部に導入する請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記溶融ガラス塊を浮上中に回転させて球状化する請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記凹部の内面の少なくとも底部に設けられた気体吹出口から前記凹部内に気体bを供給した状態で、溶融ガラス塊を前記凹部に導入して浮上させながら所定の温度まで冷却した後に、前記溶融ガラス塊を回転させるために前記凹部の内面の一部又は全部に沿って前記凹部の開口側から底部に向かって気体aの供給を開始する請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 溶融ガラス塊を浮上保持するための凹部を有する装置を用いて、気流により軟化した溶融ガラス塊を浮上させながら球状化する球状ガラス塊の製造方法であって、前記凹部の内面の一部又は全部に沿って前記凹部の開口側から底部に向かって、気体aを、気体aが前記溶融ガラス塊の下部を通過するように常時又は一時的に供給するとともに、前記凹部の内面の少なくとも底部に設けられた気体吹出口から前記凹部内に気体bを常時又は一時的に供給して前記気流を形成し、前記気流により前記凹部上に溶融ガラス塊を浮上させながら前記気流により溶融ガラス塊を回転させる(但し、気体a及び気体bの少なくとも一方は供給されているものとする)ことを特徴する前記方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法により得られたガラス塊を、対向する位置に成形面を有する上型及び下型を用いてプレス成形することを特徴とする成形ガラスの製造方法。
  8. 溶融ガラス塊を気流の作用により浮上保持するための凹部(但し、前記凹部の内面の少なくとも底部に気体bを吹き出すための気体吹出口を有する)及び前記凹部の内面の一部又は全部に沿って前記凹部の開口側から底部に向かって気体aを、気体aが前記溶融ガラス塊の下部を通過するように供給する気体供給口を有することを特徴とするガラス塊の製造装置。
  9. 溶融ガラス流出ノズルから流出される溶融ガラスを積載して溶融ガラス塊とし、この溶融ガラス塊を前記凹部に導入するためのガラス受け部を前記凹部の開口に隣接して有する請求項8に記載の製造装置。
  10. 前記凹部は、多孔質材料からなるか、又は気体を前記気体吹出口まで導く導管を内部に有する請求項8又は9に記載の製造装置。
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