JP3841634B2 - ガラス塊の浮上方法、ガラス塊の製造方法及び成形ガラスの製造方法並びにこれらの方法に用いる装置 - Google Patents

ガラス塊の浮上方法、ガラス塊の製造方法及び成形ガラスの製造方法並びにこれらの方法に用いる装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス塊の浮上方法、ガラス塊の製造方法、及び成形ガラスの製造方法、並びにこれらの方法に使用する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、非球面ガラスレンズ等の製造法として成形型による高精度熱間プレス成形技術が開発され発展をとげている。本成形に用いる成形予備体(以下プリフォームと言う)は、ミリグラム単位の重量精度が要求され、かつ用途上、脈理、デビ、傷、泡などの欠陥や洗浄で除去できない表面付着物の存在は許されない。
【0003】
このようなプリフォームを安価に量産する方法としては、例えば、特開平2−14839号公報に記載の方法が知られている。本方法では、流出パイプから流下する溶融ガラスを成形型の凹部で受ける際、この凹部に開口する細孔から、空気、不活性ガス等の気体を吹き出し、溶融ガラス塊と成形型凹部の内面との間に気体の層を作り、溶融ガラス塊の少なくとも表面の一部が軟化点温度以下に達するまで、溶融ガラス塊を前記凹部内面と実質的に非接触状態で凹部内に保持し、冷却してガラス塊を作製している。本方法によれば、上下面とも自由表面となるため、表面品質の良好なプリフォームを得ることができる。また本方法では、溶融ガラスを自然滴下または切断刃で切断することによって溶融ガラスを落下させるため、実用レベルの重量精度を得ることも可能となる。
【0004】
また上記の細孔を開けた成形型の代わりに多孔質材料からなる受け型を使用し、その受け型からガスが噴出している状態で溶融ガラスを受け、同様に非接触状態で凹部内に溶融ガラス塊を保持しながら冷却し、ガラス塊を得る方法が、特開平6−122526号、特開平6−144845号、特開平6−206730号等に開示されている。また半球状の凹部を持つ多孔質材料の受け型からガスを噴出させた状態で溶融ガラスを受け、溶融ガラス塊を非接触状態で回転させながら冷却することで球状ガラスを得る方法が特開平11−116252号に開示されている。その他、水や液状有機化合物などを含浸させた多孔質材料の受け型で溶融ガラスを受け、蒸発ガスの圧力により溶融ガラスを浮上させながら冷却し、ガラス塊を得る方法が特開平10−139465号に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例においては、それぞれ以下のような欠点があった。特開平2−14839号公報に記載の方法では、凹型の細孔からガスを噴出させ溶融ガラスを浮上させる。このような浮上方式において、ガス流量を増やし溶融ガラスを完全に浮上させようとすると、溶融ガラス表面にミカン肌状の凹みができることがあった。この凹みは細孔からの噴出ガス圧でガラスが凹むことが原因なので、表面凹みが起こらない程度にガス流量を下げてやる必要があった。しかし、ガス流量を下げてしまうと、特にガラスの流下初期段階などにおける成形型とガラスの一時的な接触を完全に防止することはできない。そこで、この方法では凹部表面を鏡面仕上げし、一時的接触によるガラス表面のキズ発生や汚れ付着を防止している。
【0006】
ところが上記方法では品質の良いプリフォームが作製できないガラスもある。例えば流下温度域で成分揮発が多いガラスを成形する場合、揮発成分ガスが低温設定の成形型に凝結して堆積しやすく、型に堆積した揮発成分が、型とガラスの接触によりガラス表面に再付着するという現象が起こる。揮発成分が多いガラスとは、組成的には高温での蒸気圧が高い成分、例えばNa2O、K2O、Li2Oなどのアルカリ成分やB2O3等を多く含むガラス、そしてガラスの液相温度が高いガラスや高温での粘性が高いガラスなど、やむをえず流出温度が高くなるガラスが例として挙げられる。通常のガラスはアルカリ成分を含むので、液相温度が900℃以上のガラスは揮発物の問題が起こりやすい。
【0007】
また型との接触を防止できたとしても、型からの浮上量が小さいため、型とガラスの間の揮発成分濃度が高まり、ガラスに揮発成分が付着しやすい。また流出温度付近で結晶化(失透)しやすいガラスを成形する場合、流下直後の型とガラスの接触が結晶化の引き金になりガラス表面が結晶化する場合がある。以上のように、流下温度域で揮発物が多いガラスや結晶化しやすいガラスを成形するには、型とガラスを完全に非接触状態に保つ必要がある。
【0008】
また流下温度域で揮発物が多いガラスを成形するには、ガス流量を増やして型とガラス融液の隙間での揮発物濃度を低下させ、隙間から揮発成分を追い出してやることが必要である。
【0009】
特開平6−122526号公報などに記載されているように多孔体からなる受け型を使用して、噴出ガス流を均一化することにより、より完全な浮上状態を得ることができる。しかし実際には、以下のように多孔体そのものに起因する問題も多い。例えば、均一なガスの噴出状態を実現するには、気孔径が小さい多孔体を選ぶ必要がある。しかし、気孔径が小さい多孔体を用いる場合、浮上に充分なガス流量を得るには、非常に高いガス圧が必要となり、装置的にコスト高となる欠点がある。また多孔体の場合、ガス透過性の個体差が大きく、成形型ごとにガス流量を大きく調整しなければならない欠点がある。また多少の差はあるが、多孔体内のガス透過性には分布があり、そのために安定した浮上状態を得ることは容易でない。多孔質素材としては、カーボンやセラミックス、そして耐熱金属などの多孔体を使用できるが、脆性材料であるカーボンやセラミックスの多孔体は素材強度が低く、型組立時に多孔体が破損したり、成形時に熱衝撃などで多孔体表面が脱落し、破片が溶融ガラス表面に付着するなどの問題も起こりやすい。一方、耐熱金属からなる多孔体は、上記のような素材強度上の問題は少ない。しかし素材に靱性があるために、型加工時に表面気孔が目つぶれしやすく、均一なガス噴出状態が得られないことが多い。
【0010】
以上のように、浮上ガスの均一化が多孔体を使用する目的であるが、意図したような理想的な浮上状態を得るのが容易ではなかった。また、ガスの流し忘れなどのミスで、型にガラスが接触すると、型が破損しやすいという欠点もあった。その他、多孔体の素材コストや加エコストが高く、また揮発成分が付着した場合、洗浄や再研磨などによる再生がきかないなどの問題もある。
【0011】
また特開平10−139465号に記載されている、多孔質材料中の水などの蒸発ガス圧力で溶融ガラスを浮上させる方法においても次のような問題点がある。型で溶融ガラスを受ける前に液体が蒸発してしまうのを防ぐため、多孔質型の温度は液体の沸点以下にする必要がある。そのために、溶融ガラスの表面温度が急激に低下しやすく、大きめのガラス塊を成形する場合には、所謂カン割れなどが起こる可能性が高い。
【0012】
また、細孔を有する型を用いる方法、及び、受け皿に多孔体を用いる方法のいずれの方法においても、受け皿に微細な孔を設ける必要があり、構造が複雑であるために製造コストが高い。また、洗浄も容易でない上、この孔が汚れやガラスからの揮発物などで目詰まり、目つぶれしやすく、型の寿命が短いという欠点がある。
また、従来法では、凹部内壁に存在する細孔又は多孔体の孔より、直接気体が高圧で噴出されている為、直接気体が当たるガラス塊の部分において、どうしても変形が生じ易くなるという欠点がある。
また、従来法では、凹部に十分な大きさの溶融ガラス滴が侵入して初めて、凹部内壁とガラス塊の間に層状の気流が発生して浮上力が得られるため、溶融ガラス滴が十分な大きさになるまでの初期の浮上状態が不安定で、凹部との接触が起こりやすいという欠点があった。また、凹部の大きさに対してガラス塊が十分に小さいと、気体流がガラス塊の周囲より上方に逃げてしまい、浮上力がうまく働かないという問題があった。そのため、ガラス塊の大きさに応じた大きさの浮上装置を用意する必要もあった。
【0013】
本発明の目的は、上記のような問題を解決し、ガラス塊とガラス塊を浮上保持すための凹部との間の非接触状態を、ガラス塊の大きさに係わらず良好に保つことができるガラス塊の浮上方法を提供することにある。
さらに本発明の目的は、ガラス塊の大きさに係わらずガラス塊とガラス塊を浮上保持するための凹部との間の非接触状態を良好に維持し、流下温度域で成分揮発が多いガラスや結晶化傾向の強いガラスにおいても、表面品質が良いガラス塊または球状ガラス塊を容易に製造することのできる方法を提供することである。さらに本発明の目的は、ガラス塊の大きさに係わらずガラス塊とガラス塊を浮上保持するための凹部との間の非接触状態を良好に維持し、流下温度域で成分揮発が多いガラスや結晶化傾向の強いガラスにおいても、表面品質が良いガラス塊を製造し、このガラス塊を効率的に成形して成形ガラスを製造する方法を提供することにある。
また、本発明は上記本発明の方法に使用できる装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は以下のとおりである。
ガラス塊を浮上保持するための凹部を有する装置を用いて気流によりガラス塊を浮上させる方法であって、前記気流は、前記凹部の内面の一部又は全部に沿って、前記凹部の開口側から底部に向うものであることを特徴とする方法〔請求項1〕。
請求項1の方法において、気流は、前記凹部の開口端または開口端と底部との間の内面に設けられた気流供給口から供給されることができる。また、浮上させるガラス塊としては、溶融ガラス塊又は軟化ガラス塊を挙げることができる。
【0015】
上記目的を達成するための本発明(別の態様)は以下のとおりである。
溶融ガラス塊を浮上保持するための凹部を有する装置を用いて気流により溶融ガラス塊を浮上させながら冷却してガラス塊を製造する方法であって、前記気流は、前記凹部の内面の一部又は全部に沿って、前記凹部の開口側から底部に向うものであることを特徴とする方法〔請求項4〕。
請求項4の製造方法において、前記溶融ガラス塊は、溶融ガラス流出ノズルから流出した溶融ガラスを、前記凹部上において前記気流により浮上させながら形成されたものであることができる。また、請求項4に記載の製造方法においては、溶融ガラス流出ノズルから流出する溶融ガラスを前記凹部の外部に設けられたガラス受け部に受け、ガラス受け部上に受けた溶融ガラスを流出ノズルから切断して溶融ガラス塊とし、この溶融ガラス塊を凹部に導入することができる。また、この方法において、ガラス受け部は、凹部を有する装置上の凹部の開口に隣接して設けられているものであることができる。また、前記溶融ガラスの流出ノズルからの切断は、前記ガラス受け部を下方に移動させるか、または前記溶融ガラス流出ノズルを上方に移動させることで行うことができる。また、請求項4の製造方法においては、溶融ガラス塊を浮上中に球状化することができる。
【0016】
上記目的を達成するための本発明(別の態様)は以下のとおりである。
ガラス塊を浮上保持するための凹部を有する装置を用いて気流により軟化したガラス塊を浮上させながら球状化する、球状ガラス塊の製造方法であって、前記気流は、前記凹部の内面の一部又は全部に沿って、前記凹部の開口側から底部に向うものであることを特徴とする方法〔請求項10〕。
【0017】
さらに目的を達成するための本発明(別の態様)は以下のとおりである。
上記請求項4または10に記載の方法により得られたガラス塊を、対向する位置に成形面を有する上型及び下型を用いてプレス成形することを特徴とする成形ガラスの製造方法〔請求項11〕。
請求項11の製造方法においては、102〜1010ポイズの粘度のガラス塊をプレス成形することができる。
【0018】
さらに目的を達成するための本発明(別の態様)は以下のとおりである。
対向する位置に成形面を有する上型及び下型を用いて軟化ガラス塊をプレス成形する成形ガラスの製造方法であって、前記下型の凹状成形面の一部又は全部に沿って、前記下型の開口側から底部に向う気流によりガラス塊を浮上させながらプレス成形に適した温度に調整する工程、及び前記ガラス塊をプレス成形する工程を含む前記製造方法〔請求項12〕。
請求項12の製造方法においては、102〜1010ポイズの粘度のガラス塊をプレス成形することができる。
また、請求項4、10及び11の方法において、前記気流は、前記下型の開口端または前記開口端と底部との間の内面に設けられた気流供給口から供給されるものであることができ、ガラス塊を構成するガラスの液相温度は900℃以上であることができる。
【0019】
上記目的を達成するための本発明(別の態様)は以下のとおりである。
ガラス塊を気流の作用により浮上保持するための凹部、及び前記凹部の内面の一部又は全部に沿って、前記凹部の開口側から底部に向うガラス塊浮上用の気流を生成させるための気体供給口を有することを特徴とするガラス塊の浮上または製造装置〔請求項16〕。
請求項16の装置において、前記気流供給口は、前記凹部の開口端または前記開口端と底部との間の内面に設けることができる。また、前記ガラス塊は溶融ガラス塊または軟化ガラスであることができ、前記凹部の内面は、プレス成形型の成形面であることができる。
さらに、溶融ガラス塊を気流の作用により浮上保持するための凹部、及び前記凹部の内面の一部又は全部に沿って、前記凹部の開口側から底部に向うガラス塊浮上用の気流を生成させるための気体供給口を有し、かつ溶融ガラス流出ノズルからの溶融ガラスを載置して溶融ガラス塊とし、この溶融ガラスを前記凹部に導入するためのガラス受け部を、前記凹部の開口に隣接して有することを特徴とするガラス塊の製造装置〔請求項18〕。請求項18の装置において、前記気流供給口は、前記凹部の開口端または前記開口端と底部との間の内面に設けることができる。また、前記凹部の内面は、プレス成形型の成形面であることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明のガラス塊の浮上方法、ガラス塊または球状ガラス塊の製造方法及び成形ガラスの製造方法では、ガラス塊をその上に浮上保持するための凹部を有する装置を用いて気流により浮上させる。
【0021】
本発明におけるガラス塊とは、塊状に形成されているガラスのことであって、溶融ガラス塊、軟化ガラス塊、固体ガラス塊を含む。また、ガラスには結晶化ガラスも含む。これらのガラス塊は常温であっても加熱状態であってもよい。但し、加熱状態にあり、粘着性が出たり、或いは変形し易いガラス塊の場合、本発明の方法は最適である。また本発明の方法は、ガラス以外に高分子等からなる塊についても適用可能である。
本発明のガラス塊の浮上方法は、これらのガラス塊を製造、成形、処理、移送する際等に使用できる。例えば、ガラス塊を浮上状態で保持して、加熱、冷却処理等を行うことができる。本発明のガラス塊の製造方法及び成形ガラスの製造方法は、上記本発明の方法を利用するものである。例えば、ガラス塊が溶融ガラス塊の場合、溶融ガラス塊を浮上させながら冷却してガラス塊を製造することができる。また、溶融ガラス塊が、流出ノズルから流下する溶融ガラスから得られる場合も同様である。さらに、本発明の方法を利用してガラス塊を加熱軟化させ、次いでプレス成形して成形ガラスを得ることもできる。また、本発明の方法により得られたガラス塊は、プレス成形のためのプリフォームとして使用出来る。
【0022】
本発明の方法において上記ガラスは、通常レンズの成形などに用いられる光学ガラスであることができる。また、従来製造が難しかった液相温度が高いガラスや、失透しやすいガラスなどであることもできる。溶融ガラス流出ノズルから流出するガラスの粘度は10〜50ポイズ程度であるが、このような溶融ガラスは上記凹部で浮上させながら冷却し、移送しても変形が生じない温度(Tg以下の温度、この時粘度は1013ポイズ以上となる)になったところで、取出す事ができる。また、軟化ガラスを浮上させながら成形する場合には、ガラスの粘度が大きすぎると十分に成形できず、ガラスの粘度が低すぎると、折れ込み等の現象が発生する。そのため、ガラスの粘度は102〜103ポイズ程度の粘度で浮上させながら成形するのが好ましい。
【0023】
本発明において気流発生のために使用する気体としては、窒素などの不活性ガスや空気が好ましく使用できる。また、気体は常温であっても、所定温度に加熱されたものであっても良い。例えば、溶融ガラス塊を冷却する場合には、常温の気体を用いることができる。また、逆に常温のガラス塊や予め加熱されたガラス塊を所定温度に調整する場合には、加熱した気体を用いることができる。
【0024】
本発明のガラス塊の浮上方法、ガラス塊または球状ガラス塊の製造方法及び成形ガラスの製造方法では、気流が、前記凹部の内面の一部又は全部に沿って、前記凹部の開口側から底部に向って供給される。具体的には、上記気流は、前記凹部の開口端に設けられた気体供給口から内面の底部に向って供給されるか、または開口端と底部との間(途中)の内面に設けられた気体供給口から内面の底部に向って供給される。また、凹部の底部に向かって供給される気流は凹部の内面に沿って層状に供給されることが、ガラス塊を安定して浮上させるという観点から好ましい。また、気流の供給は、凹部の内面の一部について行われるか、または、凹部の内面の全体について行われる。この点については、装置の説明において詳述する。
【0025】
尚、本発明において気流とは、気体の流れのことである。この気流は、凹部内面とガラス塊との間に存在し、ガラス塊を凹部と接触させずに浮上保持する為のクッションとして働くと共に、ガラス塊を球状化する際には、その流れによってガラス塊を回転させる。本発明の方法では、例えば、凹部の開口部近傍の一部又は全部から凹部の内面に沿って底部に向かって気体を供給し、気流を発生させる。そのため、ガラス塊に直接この気流がぶつかることはなく、その結果、ガラス塊に気流が原因となる凹凸を生じることもない。また後述するが、凹部周囲から供給する気体のバランスを故意に崩すことにより、ガラス塊の下部に特定方向に流れる気流を入り込ませることができ、ガラス塊の回転が容易になる。
【0026】
本発明のガラス塊の製造方法においては、溶融ガラス塊を浮上保持しながら気流により冷却する。ここで、溶融ガラス塊は、溶融ガラス流出ノズルから流出した溶融ガラスから、前記凹部上において気流により装置と溶融ガラスとの非接触状態を維持しながら形成されたものであることができる。溶融ガラス塊の形成は、例えば図1に示すように、溶融ガラス流出ノズルから流出する溶融ガラスを気流により保持し、次いで前記装置を下方に移動させるか、または溶融ガラス流出ノズルを上方に移動させることにより、流出溶融ガラスを切断することで行うことができる。このようにすることで、溶融ガラスを非接触状態で塊にすることができ、しかも、ガラス塊の重量を均一にすることもできる。
【0027】
より具体的には、凹部の開口側より底側に向かう気流を凹部内面に沿って発生させ、溶融ガラスを浮上させる。この時、凹部底側で互いに衝突しあった気流の層は、上昇気流を発生する。まず流下した溶融ガラスは、この上昇気流の浮力を受けながら降下し、降下後は凹部内面の気流によって、型との非接触状態が保たれる。気流の流速を充分に上げることで、型との非接触状態を安定して維持することが可能となる。また、この上昇気流は気体の衝突による乱れた上昇気流であるため、気体の流速を上げた状態でも溶融ガラス表面に凹み等の欠陥を生じにくい。次いで装置を下方に移動させるか、または溶融ガラス流出ノズルを上方に移動させることにより、流出溶融ガラスを切断することでガラス塊が得られる。このガラス塊と型との非接触状態を保持した状態で冷却する事によりガラス塊が得られる。
【0028】
溶融ガラス流出ノズルから溶融ガラスを流出させて溶融ガラス塊を作製するには、上記方法以外に、溶融ガラス流出ノズルから流出する溶融ガラスをガラス受け部に受け、ガラス受け部に受けられた溶融ガラスが所望の重量になった時点で、溶融ガラスを溶融ガラス流出ノズルから切断し、ガラス受け部に所望の重量の溶融ガラスを得、次いでこの溶融ガラスを受け部から、凹部へ導入するようにしてもよい。ガラス受け部に溶融ガラスを受けることで、所望の重量の溶融ガラスを重量精度良く得ることができる。
溶融ガラスを流出ノズルから切断する手段としては、流出ノズルを上方に移動させるか、ガラス受け部を下方に移動させる方法を取ることができる。さらに、ガラス受け部が凹部を有する装置に一体に成形されている場合には、装置を下方に移動させれば良い。ガラス受け部は、溶融ガラス流出ノズルから流出する溶融ガラスを受け、所望の重量をためておくことができるものであれば良い。例えば、板状の部材、皿状の部材などを用いる事ができる。
また、溶融ガラスは、流出ノズルから滴下し、または切断して、溶融ガラス塊となった後に、凹部の外部に設けられたガラス受け部に受けることもできる。
【0029】
また、上記ガラス受け部は、前記凹部の開口に隣接して有することが好ましく、例えば、図11に示すように、凹部20を有する装置の凹部開口21側の周囲に、溶融ガラス23が凹部20に向かって落下するような向きに傾きを持った面を一体に形成したものであることが好ましい。具体的には、図11に示すように、凹部20の周囲に一部かぶさるように形成された、気体供給口を形成するための突出部25を内側に有する部材の上面に、凹部20に向かって落ち込むような傾きを有する面を形成させる事により、この傾きを有する面をガラス受け部22とする事ができる。傾きを有する面は曲面でもよい。
但し、受け部22に溶融ガラス23が滞留する時間が長いと、溶融ガラス表面の一部に比較的粘度の高い部分が生じ、製造されるガラス塊の形状がいびつになり、球状化が困難になる。従って、ガラス受け部に設ける傾きの角度、曲率、形状等を調整する事により、溶融ガラス23が流出ノズル24から切断するとほぼ同時に、凹部20内へ溶融ガラス塊が導入されるようにすることが好ましい。溶融ガラス塊の自重により、凹部内へ自然に溶融ガラス塊が導入されるようにされるのがより好ましい。
このような構成とすることにより、複雑な装置を用いることなく、受け部において形成された溶融ガラス塊をすばやく自動的に、凹部へ導入することができるようになる。ガラス受け部の構造及び配置は、ガラス受け部におけるガラスの滞留時間が5秒以下となるようにすることが好ましい。そのため、ガラス受け部は、凹部開口の近傍に設けるまたは隣接して設けることが好ましい。ここで、凹部開口の近傍とは、ガラス流がガラス受け部に接触してから5秒以下で凹部に溶融ガラス塊を導入できる範囲を意味する。ガラス受け部が、凹部開口の近傍ではあるが、凹部開口に隣接していない場合、ガラス受け部と凹部開口との間に、溶融ガラス塊が受け部から凹部開口に自然に移動し得る程度の傾きを持った通路を設けることが好ましい。この場合にも、ガラス流がガラス受け部に接触してから溶融ガラス塊が凹部に導入されるまでの時間は5秒以下となるように、通路の長さを考慮して、通路の傾きは決定される。
【0030】
但し、このように凹部を有する装置の凹部開口の近傍または隣接して凹部に向かって傾きを持った受け部は、傾きが大きすぎるなどの場合、流出した溶融ガラスがガラス受け部にたまらずに、凹部の方へ流れてしまったり、流れぎみとなったり、という恐れがある。このような場合にはガラス塊の重量が変動しやすくなるので、ガラス受け部の形状や、ガラス融液を受ける位置を最適に調整することが好ましい。
また、溶融ガラス流がガラス受け部に接触した後、溶融ガラス流が切断されない速度で、流出ノズルと受け部の間の相対的な距離を広げながら、溶融ガラスをガラス受け部上に流出、載置する事によって、ガラス受け部から凹部への溶融ガラスの流出を抑制する事もできる。これは、例えば、溶融ガラス流の流出中に、溶融ガラス流が切断されない速度で、流出ノズルを上方に移動させるか、または受け部を下方に移動させることにより行うことができる。この方法は、受け部との接触面積を少なくできるとともに、滞留中の融液の扁平化を防止できる(特に、球成形に有利である)という観点から好ましい。この場合も、所望の重量の溶融ガラスが得られた所で、溶融ガラス流を流出ノズルから切断し、溶融ガラス塊を形成することができる。溶融ガラス流の切断は、例えば、溶融ガラスが切断されるのに十分な速度で、流出ノズルを上方に移動させるか、または受け部を下方に移動させることにより行うことができる。
【0031】
本発明の方法は、溶融ガラス塊を浮上中に所望の形状、例えば、球状化することもできる。溶融ガラス塊の球状化は、例えば後述するように図5に示すように、気流の吹き出しを、凹部の中心から一定の角度を持たせた方向に行うことで、ガラス塊を回転(自転)させることにより可能である。気流の吹き出し量(速度)と吹き出し角度とを変化させることで、溶融ガラス塊の粘度に応じて、球状化に必要な時間を適宜変化させることができる。あるいは、後述する図12に示すように、一部が欠けたリング状の板状の部材15を、部材6と凹部を有する部材の凹部の周囲の間に挟み込み、リングの欠けている部分に相当する凹部の周囲のみから気流を噴射するようにして、溶融ガラス塊の球状化を行うこともできる。この場合、凹部にあるガラス塊は、図のA部分に多少寄った形で安定して浮上し、型の内面に沿ってBからA方向に向かう気流がガラス塊の下部に潜り込むことにより、安定した回転が得られる。球状のガラス塊は、成形型を用いたレンズ成形などの際に下型の成形面の中心に配置することが容易であり、好ましい。
【0032】
本発明では、溶融ガラス塊以外に、常温のガラス塊(例えばプリフォーム)を再加熱し、軟化させたものを球状化することもできる。この場合、常温のガラス塊を浮上中に加熱して軟化させることもでき、また、予め加熱軟化させたガラス塊を装置に供給し、浮上させながら球状化することもできる。例えば、上述のように、気流の吹き出しを、凹部の中心から一定の角度を持たせた方向に行うことで、ガラス塊を回転(自転)させることにより球状化することができる。気流の吹き出し量(速度)と吹き出し角度とを変化させることで、溶融ガラス塊の粘度に応じて、球状化に必要な時間を適宜変化させることができる。浮上させて球状化を行い、冷却してガラス塊を取り出すこともできる。又、冷却を行わずにプレス工程へ移行することも可能である。
【0033】
ガラス塊の浮上には、ガラス塊を気流の作用により浮上保持するための凹部、及び前記凹部の内面の一部又は全部に沿って、前記凹部の開口側から底部に向って気体を供給してガラス塊浮上用の気流を生成させるための気体供給口を有することを特徴とするガラス塊の浮上または製造装置(本発明の装置)を用いることができる。
【0034】
本発明の方法及び製造方法に使用される、ガラス塊等をその上に浮上保持するための凹部を有する装置としては、本発明の浮上または製造装置を用いることができる。以下、本発明の浮上または製造装置について概説する。尚、以下の説明では、浮上または製造装置のことを、単に浮上装置ということがある。
図1は、本発明の浮上装置1の断面図及びその一部拡大図(右下)である。また図2は、上部が本発明の浮上装置1の上方からの図であり、下部が本発明の浮上装置1の断面図及びその一部拡大図(右下)である。図1及び2に示す本発明の浮上装置1は、ガラス塊を気流の作用により浮上保持するための凹部2、及び凹部2の開口端付近に設けられ、凹部2の底部に向かって気体を供給してガラス塊浮上用の気流を生成させるための気体供給口3を有する。気体供給口3から凹部底へ向かって気体を供給することで、層状の気流が凹部2の内面に沿って生じる。凹部2とガラス塊との間に凹部開口側から凹部底側に向かう気流の層が存在する事により、ガラス塊は凹部とは非接触に保持される。また、凹部内面とガラス塊との間に気流が存在することで、ガラス塊を凹部に置いた直後の初期の浮上状態や、凹部に対して十分小さなガラス塊の浮上状態も安定に保つ事ができる。
【0035】
図2に示されるように、凹部底側に集まってきた層状の気流は互いにぶつかり合い、上昇気流を発生する。この上昇気流は、ガラス塊を浮上させるのに寄与し、浮上量を高くする事ができる。また、この上昇気流は気体の衝突による乱れた上昇気流であるため、気体の流速を上げた状態でもガラス塊に窪みや凹み等の欠陥を生じにくい。本発明の方法及び装置では、ガラス塊に向かって直接気体の噴射を行なわなくても良いので、ガラス塊など変形しやすい物の場合、窪みや凹みなどの欠陥が生じにくい。
【0036】
また、本発明のガラス塊等の製造方法においては、気流を凹部開口側から凹部底側に向かわせるため、ガラス塊に窪みや凹みを生じさせることなく、ガラス塊の浮上量及び気体の流量を大きくできる。そのため、良好な非接触状態を保つ事ができ、溶融ガラス塊や軟化したガラス塊から発生する揮発性の物質が凹部とガラス塊の間に滞留したり、型に付着した揮発性物質が再付着する事が無い。その結果、従来製造が困難であった流下温度域で成分揮発が多いガラス素材や結晶化傾向の強いガラス、例えば液相温度の高いガラス素材であっても、良質なガラス塊を容易に製造する事が可能である。
【0037】
図3及び4は、上部が本発明の浮上装置1の上方からの図であり、下部が本発明の浮上装置1の断面図及びその一部拡大図(右下)である。図3に示すように、凹部の開口側より底側に向かう気流は、凹部開口側近傍に、フィルム状(層状)に気体を噴射できる気体噴射口4等の気体供給手段を配置し、成形型内面2に沿うよう下方向に気体を噴射することにより発生させることができる。この場合、凹部内面に沿った層状の気流が形成できる。又、気体供給手段は、図2に示すように、気体噴射口の形状が線状のものが使用できるが、複数の気体供給手段を破線状に並べたものや、点を線上に並べたものなど実質的に層(フィルム)状に気体を噴射できるものであれば良い。図3及び4に示すように、気体供給手段の先端をリング状とし、スリット状の噴射口4から凹部内面に凹部の全周より気体を噴射する方法が更に好ましい。
【0038】
尚、図4に示すように噴射口4を凹部内面に突き出すように設置することで、気流を凹部の底側に確実にもぐり込ませることができ、ガラス塊12の浮上をより確実にすることができる。
また、気体供給手段であるスリット状の噴射口4の位置や断面形状、更には、は、凹部内面の断面形状は、図4に示す以外に図6〜9に示すような変形が可能である。尚、図6〜10は、いずれも本発明の浮上装置1の断面図である。凹部内面2の断面形状は、図4及び6に示すように半球状、図7に示すように円筒状、図8及び9に示すように円錐状等であることができる。但し、図8に示す円錐は、円錐の頂上(凹部の底部)が平らであり、図9に示す円錐は、円錐の頂上(凹部の底部)が半球状である。また、図示していないが、図7に示す円筒状の凹部の底部の形状も、半球状等であることもできる。
図1〜3に示すように、気体供給口3の位置は、開口端付近であるか、図4に示すように、凹部内面の開口端と底部との中間であることができる。あるいは、図6〜9に示すように、気体供給口4の位置は、開口端と底部との間ではあるが、凹部の底部に近い位置であることもできる。また、図10に示すように、凹部内面2の開口端と底部との中間に窒素ガス等の気流の供給パイプを通し、供給パイプの凹部内面2の端部に、気流を凹部の底部に向ける部材6を設けて気体供給口4を形成することもできる。
【0039】
一方、気体供給手段と凹部は、互いの相対位置を調整後に固定することが望ましい。これは相対位置が変化すると、安定した浮上状態が得られなくなるからである。凹部を有する部材と気体供給手段が、機械的に一体化されているか、一体に成形されていると更に好ましい。溶融ガラスを凹部に受けてガラス塊を製造する場合、ノズルから次々に流出する溶融ガラスを連続的に受けて成形するため、成形型は移動テーブル上に乗せられることが多いが、型の凹部と気体供給手段を一体化することで、型の移動に合わせて気体供給手段を移動させる必要もなくなる。
【0040】
なお、本発明のガラス塊の浮上または製造装置においては、ガラス塊を取り出す為や装置の清掃を容易にする為等の目的で、必要に応じてこの浮上または製造装置を複数に分割可能に形成しても良い。この場合、例えば、浮上状態で保持したガラス塊を、装置を分割する事により装置下部より取出し、成形装置に移す場合などに使用できる。
【0041】
また、本発明の方法において、凹部周辺より凹部の中心に向かって複数の気流供給口から等量の気体を供給する場合のみならず、複数の気流供給口からの気流供給量を、各供給口について変化させることにより、ガラス塊の保持状態、回転状態、形状などを制御する事もできる。このように、ガラス塊を回転しながら浮上保持することで、溶融ガラス塊や軟化したガラス塊を球状化することができる。気体を供給する位置は、凹部の周囲における位置、凹部の深さ方向における位置ともに必要に応じて、調整、選択する事ができる。
【0042】
流速バランスの崩しすぎは型外へのガラス融液の飛び出しにつながるが、適当にバランスを微調整すると、任意の位置にガラス融液を安定浮上させることができる。特に型の容積に対しガラス融液が小さい場合には、型の一定位置にガラス塊を浮上させ、ランダムに回転させることが可能となる。更にガス流速を上げてゆくと、ガラス融液には公転運動が加わる。よって、これらの回転運動(自転)により、球状のガラスを成形することができる。但し、ガラス融液の容量増大にともない、球状プリフォームの成形は技術的に困難となる。これは、成形中にガラス融液の内部外部で温度差が大きくなること、そして滴下時においてガラス融液の下部が浮上ガスで冷やされ、部分的に硬い部分ができるためである。そこで大容量の球状プリフォームに関しては、再加熱による成形方法が実用的である。つまり、浮上させながら再加熱することで、球状でないガラス塊を球状化することができる。ガラス融液を直接成形する方法では、ガス流量を大きくすると、低粘性であるためガラス表面に折れ込み等の表面欠陥を生じやすい。しかし再加熱ではガラス粘度を成形に最適化できるため、表面欠陥を生じることがない。なお再加熱時のガラスの粘性は、102〜105ポアズの範囲が好ましい。また浮上ガスによる部分的な温度低下を避けるため、球状化過程では浮上ガスを加熱することが好ましい。
【0043】
尚、多種多様なレンズの製造のために、大型で球状のプリフォームを安価に提供する事が望まれている。従来はこのようなプリフォームの作製は冷間加工で行っておりコスト高であった。大型のゴブ状プリフォームは、上面が扁平化したものしか得られないため、曲率が小さいレンズのプレス成形には適さない。よってこのようなレンズの成形には、大型の球プリフォームが有効である。また曲率が大きい下型にプリフォームを落下させてレンズを製造する場合にも、球状プリフォームは型の中心に自然に移動するため好ましい。しかも、球状のプリフォームは特定の方向を有しないため、移送、洗浄等の際の取り扱いが容易であると共に、これらに関わる装置が簡単なものですむという利点がある。
【0044】
気体を供給する向きは、凹部内面に凹部開口側から凹部底部に向かう気流を生じる向きであればよく、必ずしも凹部中央底部方向に真下に向けて気体を供給する必要はないが、凹部の底側で気流の同士の衝突が有効に生じるように供給するのが、安定的に保持するという観点からは好ましい。また、気流同士の衝突は、必ずしも凹部底部中央である必要はなく、ガラス塊の浮上の安定性や回転状態を考慮して調整すればよい。図5(b)に示すように、気流を供給する向きを選択する事により、凹部底側でサイクロン状の渦を巻かせるようにする事もできる。この場合、安定した浮上状態が得られ、ガラス塊を回転させる効果もあるので、球状のガラス塊を製造する際に有用である。
【0045】
凹部に供給する気体は、凹部の周囲から均一に供給する事もできるが、供給する気流のバランスを崩すこともできる。気流のバランスを調整することにより、大型のガラス塊を安定して回転させる事ができる。これは、例えば、凹部の周囲の位置によって供給する気流発生用の気体の量を変化させるか、また凹部の周囲の一部のみから気流発生用の気体を供給することにより行うことができる。例えば、凹部の周囲の2割〜4割程度を占める連続した部分から気流を噴出し、残りの部分については、ほとんど気流を噴射しないか、全く噴射しないようにすることができる。例えば、図4に示すように、スリット状の気体噴射口4が凹部の周囲全体に備えられている場合には、ステンレス板等の板状の部材6と、凹部を有する部材との間の気体の通路の一部に、板状の部材を挟み込む事によって、その部分における気体の流通を遮断し、凹部の周囲の一部のみから気流を噴射するようにすることができる。
【0046】
あるいは、図12に示すように、一部が欠けたリング状の板状の部材15を、部材6と凹部を有する部材の凹部の周囲の間に挟み込み、リングの欠けている部分に相当する凹部の周囲のみから気流を噴射させることができる。この時、凹部にあるガラス塊は、図のA部分に多少寄った形で安定して浮上し、型の内面に沿ってBからA方向に向かう気流がガラス塊の下部に潜り込むことにより、安定した回転を付与される。このような構成は、大型のガラスを回転、球状化させる際に有用である。この場合、周囲から均一に気体を噴射した時に比較して、気流同士の衝突は起こりにくくなるが、型とガラス塊の間には気流が流れているため、型との非接触状態を保つ事ができる。また、気流を噴射しないA側では、図に示すようにBからA方向に流れる気流が型の内面及び、気体供給口を形成しているスリット部分の内周を通って、上方に抜けるので、この部分においても型とガラス塊の間に気流の層が存在し、ガラス塊がA側に寄っていてもこの部分で型とガラス塊が接触する事がない。なお、凹部の開口周縁部の一部のみから気体を供給する場合、必要に応じて、浮上中に気体が供給される凹部開口周縁部の位置を変化させるようにしても良い。
【0047】
本発明のガラス塊の浮上または製造装置における凹部の形状は、ガラス塊の形状、製造するガラス塊の形状などに応じて、適宜選択する事ができる。
例えば、上述のように、図4及び6に示すように半球状、図7に示すように円筒状、図8及び9に示すように円錐状等であることができる。但し、図8に示す円錐は、円錐の頂上(凹部の底部)が平らであり、図9に示す円錐は、円錐の頂上(凹部の底部)が半球状である。また、図示していないが、図7に示す円筒状の凹部の底部の形状も、半球状等であることもできる。但し、凹部の形状は、ガラス塊を凹部に浮上保持できる形状であれば良いが、製造するガラス塊に近似した形状であるのが、ガラス塊を安定して浮上又は回転させる観点から好ましい。本発明のガラス塊の浮上または製造装置は、ガラス塊を浮上させながら製造、成形、処理、移送する際等に使用できる。
本発明の浮上または製造装置は凹部内面に細孔が無くても良い簡単な構造が可能である。このため、製造コストが安く済み、洗浄が容易で、目詰まり、目つぶれなどの心配が無い。また、ガラス塊等を浮上させるために高圧を必要としない。さらに、ガラス塊等との非接触状態が良好に保てるので、ガラス塊との接触による破損なども生じない。従って、本発明のガラス塊等の製造装置を用いれば、低コストで装置の寿命を長く保つ事ができる。
【0048】
また、本発明のガラス塊の浮上または製造装置は、浮上または製造装置の凹部に、気流吹き出し用の細孔を設けることもできる。この場合、気体供給口からの気流と凹部に設けた気流吹き出し用の細孔とからの気流を併用して、ガラス塊を浮上させることができる。気体供給口からの気流を併用することで、凹部に設けた気流吹き出し用の細孔とからの気流の量を低減でき、凹部に設けた気流吹き出し用の細孔とからの気流のみを用いた場合に生じる問題、例えば、ガラス塊表面への窪みの生成等、を回避することができる。
また、本発明のガラス塊の浮上または製造装置は、凹部の全部または一部を多孔質からなる材料で形成し、多孔質材料から気体を噴出させるとともに、前記凹部の内面に沿って、前記凹部の開口端周辺近傍の全部又は一部から底部に向って気体を供給するようにする事もできる。また、凹部の内面に細孔を設け、そこから凹部開口側に噴出する気体と併用することもできる。これにより、大型のガラス塊を安定して浮上、回転して成形することができる。
【0049】
本発明のガラス塊の浮上または製造装置が有する凹部には、細孔がなくても良い。その為、直接この浮上または製造装置をプレス成形用の成形型として使用する事もできる。例えば、ガラス塊を凹部に保持した浮上または製造装置を下型として、このガラス塊を所定形状の成形面を備えた上型でプレスする事により、所定形状のガラス塊を製造する事ができる。また、溶融ガラスを本発明の浮上または製造装置で受け、プレス成形可能な温度にまでこの型上で冷却した後、所定形状の成形面を備えた上型でプレスする事ができる。
即ち、本発明は、本発明の浮上または製造装置を、成形面を有する下型(この成形面がガラス塊を保持する為の凹部に相当する)とし、下型の成形面に対向する位置に成形面を有する上型を用い、軟化ガラス塊をプレス成形する成形ガラスの製造方法を包含する。この方法は、ガラス塊を前記気流により浮上させながらプレス成形に適した温度に調整する工程、及び前記ガラス塊をプレス成形する工程を含む。プレス成形に適した温度は、ガラスの種類やガラス塊の大きさ、プレス圧力等を考慮して適宜決定することができる。また、プレス成形の条件も適宜決定できる。また、上型及び下型を含む成形装置やその材質等は公知の装置と同様にすることができる。
【0050】
本発明の方法で溶融ガラスから得られたガラス塊は、プレス成形用のプリフォームとして用いることができる。プレス成形は、通常行われる方法が使用できる。例えば、本発明の方法で製造されたガラス塊はプレス成形装置へと移送される。プレス成形装置は製造される成形ガラスの形状に相応する成形面を対向する位置に有する上型及び下型を有するものであることができる。ガラス塊は通常下型へと移送され、ガラス塊の粘度が106〜1010ポイズ、好ましくは108ポイズオーダーになる温度に加熱され、上型及び下型間で押圧されて所望の形状に成形される。冷却された成形ガラスは、洗浄、アニールされガラス製品となる。なお、ガラス塊の粘度がもっと低い範囲でのプレス成形も勿論可能である。
【0051】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
(実施例1)
図1は上端が溶融ガラス槽に取り付けられた貴金属製流出ノズル10付近の図面である。流出ノズル10は図示しないヒーターで加熱されており、ノズルに溶接した熱電対と温度制御装置によりガラスが流出可能な温度域(ガラスの粘性で3〜50ポアズ)に温度制御されている。後述する型の凹部で流出した溶融ガラス11を一定時間受けた後、型を降下させてガラスの流れを切断し、ガラス流出位置から型と成形ガラスを退避させる。また型の退避と同時に別の型をガラス流出位置に配置し、上記の成形操作を繰り返す。なお急激な温度低下による成形ガラスの割れを防ぐため、成形型はヒーターでガラス転移温度付近まで予備加熱しておき、成形後はゆっくりとガラスを冷却する。
【0052】
以下に成形型1について図2を用いて詳しく説明する。耐熱ステンレス鋼を直径40mm、長さ40mmの円柱状に機械加工し、その上端に深さ7mmで底部のアールが4mmの凹部を加工した。なお凹部2の内面は鏡面仕上とし、酸化防止のために厚み8μmの金をコートした。次に気体の噴射ノズル3について説明する。外径2mmで管の厚みが0.3mmの銅パイプ先端部をつぶし、 200μmのスリット状の噴射口を持つ幅3mmの噴射ノズルを作製した。この噴射ノズル8個を上記の凹部外周に均等に配置し、ノズル先端を下向きに曲げ、噴射気体が凹部内面に沿って下方向に層状に流れるように調整し固定した。なお窒素などの不活性気体をノズルから噴射することで、ガラスの完全な浮上状態が得られる。完全な浮上に必要な流量は溶融ガラスの重量により変化するが、1グラム程度のガラスであれば、合計量で毎分7.5リットル以上流せば、完全な浮上状態が得られる。流量バランスの関係で、安定した浮上状態が得られない場合には、各ノズルごとの気体流量を微調整すれば良い。
【0053】
(実施例2)
溶融ガラスの成形法は実施例1と同様なので、実施例1と異なる型構造のみ図3を用いて説明する。実施例1と同様なステンレス型1の上面に、直径が30mmで深さ300μmの一段低い平面部を加工した。次に凹部を囲む形で、一段低い部分に直径3mmの穴5を8個均等に貫通させた。次に外径40mm、厚み約1mmで中心部に型の凹部より僅かに小さい穴が開いており、穴の縁部が斜め下方向に1mm突出しているステンレス板6を加工した。このステンレス板6の穴の中心と成形型の凹部の中心を合わせた後、両者を図のように一体化した。一体化した状態で直径3mmの穴5からガスを流すことで、型の凹部上端から底部中央に向かう層状の気流を発生させることができる。つまり型上部に一体化したステンレス板6の端部4が、実質的に気体の噴射ノズルとして働く。
【0054】
(実施例3)
基本的な構造は実施例2と同様であるが、型の凹部形状のみが異なる実施例について図4を用いて説明する。図4のように、型の凹部の深さは7.4mmで、底部はアール4.4mmの球面となっている。また底部から2.5mm以上はラッパ状に口が広がっており、広がり角度は約50°である。また型上面の板状のノズル先端4’は3mm突き出ており、実施例1、2よりも突き出し量が大きい。本成形型を使用し、型内面に毎分9.5リットルの下向きの窒素気流を発生させ、980mgの溶融ガラス塊12を型中央に滴下した。その結果、溶融ガラス塊12は成形型の凹部内で浮上しながら回転し、ほぼ球状のガラス塊が得られた。以上のように、型凹部の内面に下向きに層状の気流を発生させることで、型とガラスの接触を完全に防止できるとともに、型凹みの形状とノズル先端4’の位置を最適化することで、溶融ガラスを回転させることが可能となり、球状のガラスを成形することもできる。
【0055】
(実施例4)
実施例2と同様の成形型をヒーターで400℃に余熱しておき、720℃に加熱した窒素ガスを毎分13リットル流した。次に、実施例1で作製したガラスゴブを型の凹みに投入した。ガラスゴブはランダムに回転しながら浮上状態を保ち、約6分で球状化した。次に窒素ガス温度を下げながらガラス塊を浮上冷却したところ、固化した球状のガラスが得られた。
【0056】
(実施例5)
直径12mmで厚みが5mmのネジ穴付きステンレス円板を用意し、片面を研磨仕上げした。この研磨表面に金を8μmコート後、プレス用の軸をネジ固定しガラスゴブのプレス用平面型とした。このプレス用平面型を浮上成形装置のエアシリンダ部に装着し、ガラスゴブを加圧可能とした。次に、実施例1の方法でガラスゴブを成形し、ガラスゴブが580℃に達した時、430℃の平面型でガラスゴブを20秒間加圧した。次に平面型からプレス品を離型後、室温まで冷却した。プレス品は片面がアール約4mmの球面で、もう片面が平面に成形されていた。
【0057】
(実施例6)
図11はガラス融液を型上面の外周で受け、球状のガラスを成形する実施例の説明図である。以下に成形型の製造法について図で説明する。
図のように、耐熱ステンレス綱を直径40mm、長さ40mmの円柱状に機械加工し、その上端部に深さ7.9mmで、底部アールが4.8mmで、スロープの開き角度が80°の凹部を加工した。凹部の内面は鏡面仕上げし、酸化防止のため10μmのNiメッキを施した。更に、凹部の外周は最外周より0.5mm低くなるよう研削加工し、円柱の底部側から貫通する直径1.5mmの穴を一段低い部分に8個形成した。一方、耐熱ステンレス綱で直径が40mm、厚みが3.5mmで下側に4.8mm突き出した構造の気体噴射ノズルに加工した。図のように、本ノズルの突き出し部のテーパーは凹部のテーパー部に係合するよう同じ開き角とした。また中央には開き角15°の貫通穴を形成し、穴上面の角部に6mmのアールを形成した。図のように、気体噴射ノズルの下側先端の断面は刃物状に加工されている。上記の円柱状部品と同様に、気体噴射ノズルの上面と内側面は鏡面研磨仕上げし、酸化防止のため10μmのNiメッキを施した。
【0058】
上記二つの部品を組み合わせ、以下のようにガラス球の成形型を組み立てた。図11の拡大図に示すように、二つの部品の中心位置をずらしてネジ固定した。拡大図において右側は気体噴射ノズルの隙間が100μmとし、左側を10μm以下とした。このように気体噴射ノズルの隙間をアンバランスに調整するとノズルからの気体噴射流量に大きな差が生じ、ガラス融液を効率よく回転させる一方向の気流を発生させることができる。つまり球成形に限っては、ほぼ一方向の気流の方が融液の回転能力が高く望ましい。気流のバランスが崩れると成形体が窪みから飛び出す現象が起こりやすい。しかし対向する気流が全く無い場合でも、気体噴射ノズルの隙間を200μm以下にし、かつノズルから噴出気体流量を少なくることで成形体の飛び出しを防止することは可能である。次にガラス球の成形操作について説明する。
【0059】
回転テーブルの外周上に複数個設置した球成形型のうち一つを、ガラスが流出している白金合金製の流出ノズルの下に設置し、型上面凹部の外周でガラス融液23を受けた。ガラス融液が一定重量溜まった段階で成形型を降下し図11(b)のようにガラス融液を凹部に落下させた。このとき白金合金ノズル24の中心は、型上面の平坦部とアール部の境界付近に設置することが望ましい。このような設置状態とした場合、型の降下と同時にガラス融液をスムーズに型の凹部20に落下させることができる。型の降下後に速やかに回転テーブルを回転させ成形型をノズル位置から退避させるとともに、別の成形型をノズル下部に移動させ、連続的に球成形を行った。
【0060】
図11(b)のように、型の底面には一方向の層状気流が流れており、落下したガラス融液23はこの気流に乗って高速回転する。噴出流量の最適値は噴射ノズルの隙間の大きさによって異なるが、隙間が80〜100μmの場合には0.8〜2.0L/分と少ない流量で球を成形することができる。落下直後のガラス融液23′は図11(c)のようにいびつであるが、ガラスが方向を変えながら高速回転することで、図11(d)のように非常に真球度の良い球ガラス23″となる。なお本成形型の底面アール(曲率半径)は4.8mmなので、直径が9.3mmの球まで成形可能であった。このとき球直径の長短径差は100μm以下であり、ガラスモールドレンズのプリフォームとして充分な真球度であった。また連続成形した2000個の球状ガラスの重量変動を調査した結果、1250mgの目標重量に対し±10mgの範囲に入っていた。
【0061】
【発明の効果】
本発明のガラス塊の浮上方法、ガラス塊または球状ガラス塊の製造方法、及び成形ガラスの製造方法によれば、ガラス塊等の安定した浮上状態が保て、高い浮上量が実現できる為、ガラス塊と凹部内面を完全な非接触状態に維持する事が可能になる。そのため、従来製造が困難であった流下温度域で成分揮発が多いガラス素材や結晶化傾向の強いガラス素材においても良質なガラス塊を容易に製造する事ができる。
また、本発明のガラス塊の製造方法によれば、ガラス塊に直接的に気体を噴射する必要が無い為、ガラス塊に凹み、窪み等を生じる事が無く、表面状態の良好なガラス塊を製造する事が可能である。
さらに、本発明のガラス塊の浮上または製造装置は凹部内面に細孔が無くても良い簡単な構造であり、装置の製造コストが安く済み、洗浄が容易で、目詰まり、目つぶれなどの心配が無い。また高圧を必要としなくともガラス塊との非接触状態が良好に保てるので、ガラス塊と凹部の接触による破損なども生じない。本発明の浮上または製造装置をガラス塊の製造に用いれば、低コストでガラス塊を製造でき、装置の寿命を長く保つ事ができる。
また、本発明のガラス塊の浮上または製造装置は、凹部内面に細孔が無くても良い為、直接プレス成形型としても利用する事ができ、ガラス塊等の製造工程を簡略化する事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガラス塊の浮上または製造装置の概略図。
【図2】 本発明のガラス塊の浮上または製造装置の概略図。
【図3】 本発明のガラス塊の浮上または製造装置の概略図。
【図4】 本発明のガラス塊の浮上または製造装置の概略図。
【図5】 本発明のガラス塊の浮上または製造装置の概略図。
【図6】 本発明のガラス塊の浮上または製造装置の概略図。
【図7】 本発明のガラス塊の浮上または製造装置の概略図。
【図8】 本発明のガラス塊の浮上または製造装置の概略図。
【図9】 本発明のガラス塊の浮上または製造装置の概略図。
【図10】 本発明のガラス塊の浮上または製造装置の概略図。
【図11】 本発明のガラス塊の浮上または製造装置の概略図。
【図12】 本発明のガラス塊の浮上または製造装置の概略図。

Claims (20)

  1. ガラス塊を浮上保持するための凹部を有する装置を用いて気流によりガラス塊を浮上させる方法であって、
    前記気流は、前記凹部の内面の一部又は全部に沿って、前記凹部の開口側から底部に向うものであることを特徴とする方法。
  2. 前記気流が、前記凹部の開口端または前記開口端と底部との間の内面に設けられた気流供給口から流出する請求項1に記載の方法。
  3. 前記ガラス塊が溶融ガラス塊又は軟化ガラス塊である請求項1または2に記載の方法。
  4. 溶融ガラス塊を浮上保持するための凹部を有する装置を用いて気流により溶融ガラス塊を浮上させながら冷却してガラス塊を製造する方法であって、
    前記気流は、前記凹部の内面の一部又は全部に沿って、前記凹部の開口側から底部に向うものであることを特徴とする方法。
  5. 前記溶融ガラス塊が、溶融ガラス流出ノズルから流出した溶融ガラスを、前記凹部上において前記気流により浮上させながら形成されたものである、請求項4に記載の製造方法。
  6. 溶融ガラス流出ノズルから流出する溶融ガラスを前記凹部の外部に設けられたガラス受け部に受け、ガラス受け部上に受けた溶融ガラスを流出ノズルから切断して溶融ガラス塊とし、この溶融ガラス塊を凹部に導入する請求項4に記載の製造方法。
  7. 前記ガラス受け部は、凹部を有する装置上の凹部の開口に隣接して設けられている請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記溶融ガラスの流出ノズルからの切断を、前記ガラス受け部を下方に移動させるか、または前記溶融ガラス流出ノズルを上方に移動させることで行う請求項6又は7に記載の製造方法。
  9. 溶融ガラス塊を浮上中に球状化する請求項4〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. ガラス塊を浮上保持するための凹部を有する装置を用いて気流により軟化したガラス塊を浮上させながら球状化する、球状ガラス塊の製造方法であって、
    前記気流は、前記凹部の内面の一部又は全部に沿って、前記凹部の開口側から底部に向うものであることを特徴とする方法。
  11. 請求項4〜10のいずれか1項に記載の方法により得られたガラス塊を、対向する位置に成形面を有する上型及び下型を用いてプレス成形することを特徴とする成形ガラスの製造方法。
  12. 対向する位置に成形面を有する上型及び下型を用いて軟化ガラス塊をプレス成形する成形ガラスの製造方法であって、
    前記下型の凹状成形面の一部又は全部に沿って、前記下型の開口側から底部に向う気流によりガラス塊を浮上させながらプレス成形に適した温度に調整する工程、及び前記ガラス塊をプレス成形する工程
    を含む方法。
  13. 102〜1010ポイズの粘度のガラス塊をプレス成形する請求項11又は12に記載の製造方法。
  14. 前記気流が、前記下型の開口端または前記開口端と底部との間の内面に設けられた気流供給口から供給される請求項4〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. ガラス塊を構成するガラスの液相温度が900℃以上である請求項4〜14のいずれか1項に記載の製造方法。
  16. ガラス塊を気流の作用により浮上保持するための凹部、及び前記凹部の内面の一部又は全部に沿って、前記凹部の開口側から底部に向うガラス塊浮上用の気流を生成させるための気体供給口を有することを特徴とするガラス塊の浮上または製造装置。
  17. 前記ガラス塊が溶融ガラス塊または軟化ガラスである請求項16に記載の装置。
  18. 溶融ガラス塊を気流の作用により浮上保持するための凹部、及び前記凹部の内面の一部又は全部に沿って、前記凹部の開口側から底部に向うガラス塊浮上用の気流を生成させるための気体供給口を有し、かつ溶融ガラス流出ノズルからの溶融ガラスを載置して溶融ガラス塊とし、この溶融ガラスを前記凹部に導入するためのガラス受け部を、前記凹部の開口に隣接して有することを特徴とするガラス塊の製造装置。
  19. 前記気流供給口が、前記凹部の開口端または前記開口端と底部との間の内面に設けられている請求項16〜18のいずれか一項に記載の装置。
  20. 前記凹部の内面がプレス成形型の成形面である請求項16〜19のいずれか1項に記載の装置。
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