JP2007176763A - ガラス光学素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フツリン酸ガラスからなるガラス素材から精密モールドプレスによりガラス光学素子を得る方法であって、ガラス素材と成形面との融着抑止を防止して、クモリ、割れ等のない優れた光学性能を有するガラス光学素子を得る方法を提供する。
【解決手段】フツリン酸ガラスからなるガラス素材を、成形型によってプレス成形して、プレス成形によって形成された光学機能面を機械加工することなしにガラス光学素子を製造する方法。前記ガラス素材は表面にコート層を有さず、ガラス表面を前記成形型の成形面で直接押圧して成形面形状を転写して、前記ガラス光学素子を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、フツリン酸ガラスからなるガラス素材を精密モールドプレスすることによってガラスレンズ等のガラス光学素子を製造する方法に関する。精密モールドプレスによって得られたフツリン酸ガラスからなる光学素子の光学機能面は、その後研磨等の後加工を必要とせず所望の光学性能を有する。特に、本発明の製造方法は、低屈折、低分散のレンズを量産するに際し、生産効率と歩留の高い安定した方法である。
特開平8-217468号公報(特許文献1)には、炭化水素ガスの熱分解による炭素膜をガラスプリフォームの表面に形成し、その後ガラスプリフォームをプレス成形することにより、ガラスと成形型との融着を防止する方法が開示されている。
特開平8-259241号公報(特許文献2)にはガラスよりなる光学素子をプレス成形する方法において、ガラスブランクス表面がカーボン膜で覆われ、かつ光学素子成形型の成形面が硬質炭素からなることを特徴とする光学素子の成形方法が示されている。これにより離型性を向上させ、型の消耗を押させることが可能になったと記載されている。
特開2003-313046号公報(特許文献3)には、成形面にスパッタ法による炭素薄膜を有する成形型により、表面にカーボン膜を有する被成形ガラス素材を、非酸化性雰囲気下でプレス成形する方法が記載されている。これにより、ガラスと型の間の密着力、摩擦力が緩和され成形面の寿命が向上する等の効果が得られるとされている。
特開平8-217468号公報 特開平8-259241号公報 特開2003-313046号公報
精密モールドプレスによるガラス光学素子の成形においては、成形型の成形面とガラス素材の界面における融着や、ガラス表面の白濁、成形型の消耗など種々の問題が生じやすい。こうした問題を抑えて、優れた光学性能、外観を備えた、レンズ等ガラス素子を成形する上で、上述の特許文献1〜3に記載の方法は一定の効果を持つことが知られている。
ところで、撮像機器などの光学系を構成するレンズの材料として、低屈折、かつ低分散の光学ガラスは極めて有用である。特に、光学恒数として、屈折率の値nd(1)が1.40〜1.60、アッベ数(νd)が67以上であるような光学ガラスは、ズームレンズなどの色収差除去に有効である。しかし、従来、このような光学恒数を有するガラスを精密モールドプレスに適用することは必ずしも容易でなく、また精密モールドプレスに供するためにガラス素材の予備成形を行う方法においても制約があったため、生産性上の大きな課題となっていた。本発明者らは、このような光学恒数を有するガラスとして、新たな組成を有するフツリン酸ガラスを開発した。このフツリン酸ガラスは、上記光学特性を達成し得る高付加価値ガラスである。そして、さらにこのフツリン酸ガラスを、精密モールドプレスによりガラス光学素子とする検討を行った。
しかし、上記フツリン酸ガラスを精密モールドプレスによってレンズを成形しようとしたとき、従来にない、新たな課題が発生した。すなわち、一般には、前記特許文献1〜3に示すように、成形時に成形型の成形面とガラスとの間で融着を抑止するために、炭素などの膜をガラス素材表面に形成することにより、一定の融着抑止効果を得ることができる。しかし、上記フツリン酸ガラスからなるガラス素材の表面に炭素膜を設けてプレス成形を行っても、十分な融着抑止効果が得られなかった。ガラス素材の表面に炭素膜を設けても、成形体(光学素子)表面のクモリ、割れが多発し、光学性能上の問題となることが判明した。このように、フツリン酸ガラスからなるガラス素材は、精密モールドプレスしようとした場合、他の硝材とは、プレス成形時の挙動が異なり、光学性能に優れたガラス光学素子が得られない、という問題があった。
そこで本発明の目的は、フツリン酸ガラスからなるガラス素材から精密モールドプレスによりガラス光学素子を得る方法であって、ガラス素材と成形面との融着抑止を防止して、クモリ、割れ等のない優れた光学性能を有するガラス光学素子を得る方法を提供することにある。
本発明者らが種々検討した結果、精密モールドプレスによってフツリン酸ガラスからなるガラス素材からガラス光学素子を製造する場合、フツリン酸ガラスからなるガラス素材の表面に炭素系等のコート層を設けることなく、ガラス表面を成形型の成形面で直接押圧して成形面形状を転写することで、上記課題を解決することができ、本発明を完成した。このようなフツリン酸ガラスからなるガラス素材の挙動は、それ以外の硝材からなるガラス素材の挙動とは、正反対であり、全く予想外のことであった。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1]フツリン酸ガラスからなるガラス素材を、成形型によってプレス成形して、プレス成形によって形成された光学機能面を機械加工することなしにガラス光学素子を製造する方法において、
前記ガラス素材は表面にコート層を有さず、ガラス表面を前記成形型の成形面で直接押圧して成形面形状を転写して、前記ガラス光学素子を得ることを特徴とする、前記製造方法。
[2]前記押圧時の成形型は、成形面温度が300〜600℃の範囲である、[1]に記載の製造方法。
[3]前記フツリン酸ガラスが、カチオン%表示で、以下の成分を含有する、[1]又は[2]に記載の製造方法。
5+ 5〜50%、
Al3+ 0.1〜40%、
Mg2+ 0〜20%、
Ca2+ 0〜25%、
Sr2+ 0〜30%、
Ba2+ 0〜30%、
Li+ 0〜30%、
Na+ 0〜10%、
+ 0〜10%、
3+ 0〜5%、
La3+ 0〜5%
Gd3+ 0〜5%
[4]F-とO2-の合計量に対するF-の含有量のモル比F-/(F-+O2-)が0.25〜0. 95である、[3]に記載の製造方法。
[5]Li+を2〜30カチオン%含む、[3]または[4]に記載の製造方法。
[6]前記フツリン酸ガラスは、屈折率の値ndが1.40〜1.60の範囲であり、アッベ数(νd)が67以上である、[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]前記フツリン酸ガラスが、カチオン%表示で、
5+ 11〜45%、
Al3+ 0〜29%、
Li+、 Na+およびK+を合計で0〜43%、
Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+およびZn2+を合計で14〜50%、
Cu2+ 0.5〜13%、
アニオニック%表示で、
- 17〜80%
の成分を含有する、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[8]前記成形型は、成形面に炭素を含有する離型膜が設けられていることを特徴とする、[1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9]前記フツリン酸ガラスは、ガラス転移温度Tgが、470℃以下であることを特徴とする、[1]〜[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10]前記フツリン酸ガラスを、所定形状に予備成形したガラス素材を、ガラス粘度が106〜109dPa・sとなる温度に加熱した状態で、予熱された成形型内に供給し、押圧することを特徴とする、[1]〜[9]のいずれかに記載の製造方法。
[11]前記ガラス素材は、溶融状態のガラスを滴下、又は流下しつつ分離し、冷却中しつつ予備成形されたものであることを特徴とする、[1]〜[10]のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、精密モールドプレスによって、フツリン酸ガラスからなるガラス素材から、低屈折、低分散のガラス光学素子が得られる。成形に際しては、成形面の粗れやそれに起因する光学素子表面のクモリ、白濁が抑えられ、融着、割れが生じにくい。従って、光学性能の優れたガラス光学素子が安定して量産できる上、成形型の寿命を長くすることができる。
本発明は、フツリン酸ガラスからなるガラス素材を、成形型によってプレス成形して、プレス成形品の表面を機械加工することなしにガラス光学素子を製造する方法に関する。本発明の方法は、前記ガラス素材は表面にコート層を有さず、ガラス表面を前記成形型の成形面で直接押圧して成形面形状を転写して、前記ガラス光学素子を得ることを特徴とする。
本発明で用いられる光学ガラスは、フツリン酸ガラスである。
このフツリン酸ガラスは、好ましくは、カチオン%表示で、以下の成分を含有する。
5+ 5〜50%、
Al3+ 0.1〜40%、
Mg2+ 0〜20%、
Ca2+ 0〜25%、
Sr2+ 0〜30%、
Ba2+ 0〜30%、
Li+ 0〜30%、
Na+ 0〜10%、
+ 0〜10%、
3+ 0〜5%、
La3+ 0〜5%
Gd3+ 0〜5%
さらに、上記に加えて、F-とO2-の合計量に対するF-の含有量のモル比F-/(F-+O2-)が0.25〜0.95である光学ガラスことが好ましい。アニオン成分をこのようにすることにより、ガラスに低分散性を付与することができる。
更に、上記組成において、Li+を2〜30カチオン%含む光学ガラスであることが好ましい。これにより、ガラス素材のプレス温度を適正範囲にすることができる。
更に、上記フツリン酸ガラスは、屈折率の値nd(1)が1.40〜1.60、アッベ数(νd)が67以上であることが好ましい。
各組成成分の意義については以下のとおりである。カチオン、アニオンのそれぞれにつき、モル比に基づく%表示で示す。
5+はガラスのネットワークフォーマーとして重要なカチオン成分であり、5%未満ではガラスの安定性が低下し、50%超とすると、酸化物原料中の酸素が全体比率中で大きくなるため目標とする光学特性を満たさない。より好ましくは5%〜40%とし、特に好ましくは5%〜35%とする。
Al3+は0.1%の添加で、フツリン酸塩ガラスの安定性を向上させ、但し40%超ではガラス転移温度(Tg)が上昇するため、溶融状態からガラス素材を予備成形する際の温度が上昇し、ガラス素材の表面揮発による脈理が生じやすい。より好ましくは5%〜40%とし、特に好ましくは10%〜35%とする。
2価カチオン成分(R2+)であるMg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+の適量の導入はガラスの安定性の向上に寄与する。Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+を次の範囲にすることが好ましい。
Mg2+の好ましい含有量は0〜20%、より好ましくは1〜20%、さらに好ましくは5〜15%、特に好ましくは5〜10%とする。
Ca2+の好ましい含有量は0〜25%、より好ましくは1〜25%、さらに好ましくは5〜20%、特に好ましくは5〜16%とする。
Sr2+の好ましい含有量は0〜30%、より好ましくは1〜30%、さらに好ましくは5〜25%、特に好ましくは10〜20%とする。
Ba2+の好ましい含有量は0〜30%、より好ましくは1〜30%、さらに好ましくは1〜25%、より一層好ましくは5〜25%、特に好ましくは8〜25%とする。
Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+は、2種以上を導入することが好ましく、Ca2+、Sr2+、およびBa2+のうちの2種以上導入することがより好ましい。2価カチオン成分(R2+)の導入効果をより高める上から、Mg2+、Ca2+、Sr2+、およびBa2+の合計含有量を1カチオン%以上とすることが好ましい。
Li+は安定性を損なわずにガラス転移温度(Tg)を下げる成分であり、30%以下とすればガラスの耐久性、加工性を損なわない。好ましい範囲は2〜30%、5〜25%にすることがより好ましく、5〜20%にすることがさらに好ましい。
Na+、K+はそれぞれLi+と同様にガラス転移温度(Tg)を低下させる効果があるが同時に熱膨張率をLi+に比べてより大きくする傾向がある。またNaF、KFは水に対する溶解度がLiFに比べて非常に大きいことから耐水性の悪化ももたらすため、Na+、K+ともに好ましい範囲は0〜5%であり、導入しないのがより好ましい。
3+、La3+、Gd3+はガラスの安定性、耐久性を向上させ、屈折率を上昇させる効果があるが、5%超では安定性が逆に悪化し、ガラス転移温度(Tg)も上昇するため、その量を0〜5%とし、好ましい範囲は0〜3%である。
なお、高品質な光学ガラスを安定して製造する上から、P5+、Al3+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Li+およびY3+、La3+、Gd3+の合計量をカチオン%で95%超とすることが好ましく、98%超とすることがより好ましく、99%超とすることがさらに好ましく、100%とすることがより一層好ましい。
上記光学ガラスは、上記カチオン成分以外にTi、Zr、Znなどのランタノイドなどのカチオン成分や、Bなどのカチオン成分を本発明の目的を損なわない範囲で含有することができる。
アニオン成分の割合は、所望の光学特性を実現しつつ、優れた安定性を有する光学ガラスを得るために、F-とO2-の合計量に対するF-の含有量のモル比F-/(F-+O2-)を0.25〜0.95とすることが適当である。
以下に、本発明に特に好適なガラスを例示する。
(ガラスI)
必須のカチオン成分として、P5+、Al3+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、およびBa2+から選ばれる2価カチオン成分(R2+)を2種以上、およびLi+を含み、カチオン%表示にて、
5+ 10〜45%、
Al3+ 5〜30%、
Mg2+ 0〜20%、
Ca2+ 0〜25%、
Sr2+ 0〜30%、
Ba2+ 0〜25%、
Li+ 2〜30%、
Na+ 0〜10%、
+ 0〜10%、
3+ 0〜5%、
3+ 0〜0.5%、
を含有するとともに、F-とO2-の合計量に対するF-の含有量のモル比F-/(F-+O2-)が0.25〜0.85であるフツリン酸塩ガラス。
上記光学ガラスであって、屈折率(Nd)が1.40〜1.58、アッベ数(νd)が67〜90であることを特徴とする光学ガラス。
上記光学ガラスであって、2価カチオン成分(R2+)としてCa2+、Sr2+およびBa2+のうちの2種以上を含む光学ガラス。
2価カチオン成分(R2+)であるMg2+、Ca2+、Sr2+およびBa2+の合計含有量が1カチオン%以上である、光学ガラス。
ガラスIの各構成成分についての好ましい範囲を説明する。
5+は10〜45%とする。好ましい範囲は10〜40%、より好ましい範囲は20〜38%、さらに好ましい範囲は20〜30%である。
Al3+はその量を5〜30%とする。好ましい範囲は7〜30%、より好ましい範囲は15〜25%である。
2価カチオン成分(R2+)の導入効果をより高める上から、Ca2+、Sr2+およびBa2+のうち2種以上導入する。Mg2+、Ca2+、Sr2+およびBa2+の合計含有量を1カチオン%以上とすることが好ましい。
Mg2+の量は0〜20%、特に好ましくは5〜10%とする。Ca2+の量を0〜25%、好ましくは1〜25%、より好ましくは4〜20%、特に好ましくは5〜16%とする。Sr2+の量を0〜30%、好ましくは1〜30%、より好ましくは5〜25%、特に好ましくは10〜20%とする。Ba2+の量を0〜25%、好ましくは1〜20%、さらに好ましくは5〜15%、特に好ましくは8〜15%とする。
Li+は2〜30%とする。好ましい範囲は5〜25%、より好ましい範囲は5〜20%である。Na+、K+ともに好ましい範囲は0〜5%であり、導入しないのがより好ましい。
3+は0〜5%とし、好ましくは0〜3%である。
3+はBF3として溶解中に揮発しやすく、脈理の原因となるため、その量を0〜0.5%とするが、導入しないことが好ましい。
なお、上記同様、高品質な光学ガラスを安定して製造する上から、P5+、Al3+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Li+およびY3+の合計量をカチオン%で95%超とすることが好ましく、98%超とすることがより好ましく、99%超とすることがさらに好ましく、100%とすることがより一層好ましい。
また、本発明の光学ガラスは、アルカリ金属イオンのうちLi+を積極的に含有させたため、熱膨張率が比較的小さく、また比較的優れた耐水性を示す。したがって、ガラスを研磨してプレス成形用のガラス素材に予備加工して高品質に仕上げることができる。
アニオン成分の割合は、F-とO2-の合計量に対するF-の含有量のモル比F-/(F-+O2-)を0.25〜0.85、好ましくは0.5〜0.85とする。また、アニオン中におけるF-とO2-の合計量を100%にすることが好ましい。
本発明の光学ガラスIは、その屈折率(Nd)が1.40〜1.58であり、アッベ数(νd)は67〜90、好ましくは70〜90、さらに好ましくは75〜90、特に好ましくは78〜89である。
後述するように、本発明でガラス素材として用いるフツリン酸ガラスは、プレス成形後の際、従来の光学ガラスとは異なる、優れた離型性をもつ。しかしながら、そうした効果を充分に得るために所定範囲のプレス温度で成形を行うことが適当であり、そのようなプレス温度は、350〜600℃の範囲である。
さらに、本発明の光学ガラスは、ガラス転移温度(Tg)は470℃以下、好ましくは430℃以下とすることが好ましく、これを実現するためにLi+を所定量含むことが望ましい。ここで、所定量Li+とは、2〜30%の範囲である。より好ましくは、Li+の含有量は5〜25%の範囲である。
本発明に適用できる他のガラスとしては、以下のもの(ガラスII)が例示される。
これは、近赤外線吸収ガラスとして利用することのできる、Cu2+を含むフツリン酸ガラスである。
光学ガラスIIの特に好ましい組成は、カチオン%表示で、
5+ 11〜45%、
Al3+ 0〜29%、
Li+、 Na+およびK+を合計で0〜43%、
Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+およびZn2+を合計で14〜50%、
Cu2+ 0.5〜13%、
を含み、さらにアニオニック%表示で、
- 17〜80%
を含むものである。
上記組成において、P5+はフツリン酸ガラスの基本成分であり、Cu2+の赤外域の吸収をもたらす重要な成分であり、上記範囲とすることで、色が悪化しない。P5+は20〜45%とすることがより好ましく、23〜40%とすることがさらに好ましい。
Al3+はフツリン酸ガラスの耐失透性と耐熱性、耐熱衝撃性、機械的強度、化学的耐久性を向上させる成分である。ただし、29%を越えると近赤外吸収特性が悪化する。したがって、Al3+の含有量を0〜29%とすることが好ましく、1〜29%とすることがより好ましく1〜25%とすることがさらに好ましく、2〜23%とすることがより一層好ましい。
Li+、Na+およびK+はガラスの熔融性、耐失透性を改善させ、可視光域の透過率を向上する成分であるが、合計量で43%を超えると、ガラスの耐久性、加工性が悪化する。したがって、Li+、Na+およびK+の合計含有量を0〜43%とすることが好ましく、0〜40%とすることがより好ましく、0〜36%とすることがさらに好ましい。
アルカリ成分の中でもLi+は上記作用に優れており、Li+の量を15〜30%とすることがより好ましく、20〜30%とすることがさらに好ましい。
Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+およびZn2+はガラスの安定性に有用な成分であるが、過剰導入により安定性が低下するので、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+およびZn2+の合計量を14〜50%にすることが好ましく、20〜40%にすることがより好ましい。
Cu2+は近赤外光吸収特性の担い手である。その量が0.5%未満では近赤外吸収が小さく、逆に13%を越えると耐失透性が悪化する。したがって、Cu2+の含有量は0.5〜13%が好ましく、0.5〜10%がより好ましく、0.5〜5%がさらに好ましく、1〜5%がより一層好ましい。
-は光学ガラスIIにおいてガラスの融点を下げ、耐候性を向上させる重要なアニオン成分である。F-を含有することによって、ガラスの熔融温度を下げ、Cu2+の還元を抑え、所要の光学特性を得ることができる。17%未満では耐候性が悪化し、逆に80%を越えるとO2-の含有量が減少するため1価のCu+による400nm付近の着色を生じる。従ってF-の含有量を17〜80とすることが好ましい。上記特性を一層向上させる上から、F-の量を25〜55%にすることがより好ましく、30〜50%にすることがさらに好ましい。
2-は光学ガラスIIにおいて重要なアニオン成分であり、全アニオン成分のF-を除く残部全量をO2-成分で構成することが好ましい。したがって、O2-の好ましい量は上記F-の好ましい量を100%から差し引いた範囲となる。O2-が少な過ぎると2価のCu2+が還元され1価のCu+となるため短波長域、特に400nm付近の吸収が大きくなってしまい、緑色を呈するようになる。逆に過剰になるとガラスの粘度が高く、熔融温度が高くなるため透過率が悪化する。
光学ガラスIIに転移温度Tgは、300〜400℃、屈折率ndは、1.45〜1.58とすることができる。
該光学ガラスIIは、特にCCDやCMOSなどの半導体撮像素子の色補正用フィルタとして好適である。例えば、Cu2+の含有量を0.5〜13カチオン%とすることにより、良好に上記フィルタ効果が得られる。このようなフィルタガラスを、精密モールドプレスによる非球面レンズとして適用すると、撮像機器などの光学系において、レンズ系の他にフィルタを設ける必要がなく、機器のコンパクト化、低コスト化に大きく寄与する。
上記組成(光学ガラスIおよびII)においてアニオン成分の残量はすべてO2-とすることが好ましい。
ガラス素材の製造方法
本発明の製造方法で用いるガラス素材は、上記フツリン酸ガラスを所定体積、所定形状に予備成形したものとすることができ、その製法には限定されない。例えば、ブロック状のガラスから切り出したものを、研削や研磨によって所定体積、所定形状に予備成形することができる。更に、パイプから溶融状態のガラスを滴下、又は流下しつつ分離して所定量のガラス塊とし、このガラス塊の冷却中に予備成形することができる。これは製造効率上有利である上、この方法により得られたガラス素材は、特に離型性が良く、後述する発明の効果が高く得られた。
更には、上記所定量のガラス塊に対し、冷却後に更に研磨等の機械加工を加えて、形状又は体積を微調整することも可能である。ガラス素材の形状は、プレス成形によって得ようとする光学素子形状に応じて決定することができるが、例えば、回転対称形のレンズなどを得る場合は、球や、両凸曲面形状など、回転対称な形状とすることができる。本発明では、ガラス素材には、コート層は設けず、そのまま用いる。
光学素子の製造方法
用意したガラス素材を、プレス成形することによってガラス光学素子を得る。プレス成形に用いる、成形型は、炭化ケイ素、ケイ素、窒化ケイ素、炭化タングステン、酸化アルミニウムや炭化チタンのサーメットなど、素材は限定されないが、緻密性、耐熱性などから炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化タングステンからなるものが好ましい。
また、得ようとする光学素子形状を基に精密加工を施した成形面には、離型膜を設けることが好ましい。離型膜は、貴金属を含有するもの、炭素を含有するものなどを選択できる。炭素を含有するものとしては、非晶質及び/又は結晶質の、グラファイト及び/又はダイヤモンドの、単一成分層又は混合層からなるものが好ましい。この離型膜は、スパッタリング法、プラズマCVD法、CVD法、イオンプレーティング法等の手段で成膜することができる。例えば、スパッタ法による場合は、基板温度250〜600℃、RFパワー密度5〜15W/cm2、スパッタリング時真空度5×10-4〜5×10-1torrの範囲でスパッタガスとしてAr等の不活性ガスを、スパッタターゲットとしてグラファイトを用いてスパッタリングすることができる。マイクロ波プラズマCVD法により成膜する場合には、基盤温度650〜1000℃、マイクロ波電力200W〜1kW、ガス圧10−2〜600torrの条件下に、原料ガスとしてメタンガスと水素ガスを用いて成膜するのが好ましい。イオンプレーティング法により形成する場合には、基盤温度を200〜450℃とし、ベンゼンガスをイオン化するのが好ましい。これらの炭素膜はC−H結合を有するものを含む。
本発明に適用する離型膜としては、特に炭素を主成分とするものが好ましい。炭素は、ガラスに対する離型性、耐熱性に加えて、高い滑り性をもつために、成形面との摩擦による割れを抑止する。更に、本発明のフツリン酸ガラスはフッ素を相当量含有するかわりに、酸素含有量が小さいため、炭素に対する不活性性が優れ、不要な反応を生じにくい点で有利である。同じ理由で、加熱したガラス素材を搬送する治具にも、炭素を主成分とするものと用いることが有利である。
貴金属系の離型膜は、スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等を用いて成膜することができる。
本発明では、図1に示す、成形型外で所定温度に加熱し(A)、軟化したガラス素材を、予熱した成形型内に供給し(B)、押圧して、成形面形状をガラス素材に転写し(C)〜(D)、冷却し(E)、成形型から成形体を取り出す(F)ことができる(成形方法I)。又は、図2に示すように、ガラス素材を成形型内に供給し(G)、ガラス素材と成形型を一緒に加熱し(H)、ガラスが適度に軟化した状態で押圧し(I)〜(H)、冷却し(K)、成形型から成形体を取り出す(L)ことができる(成形方法II)。本発明においては、後述する方法で、成形方法Iを適用することがより好ましい。
その場合、成形型外でのガラス素材の加熱温度は、成形型の予熱温度より高くし、ガラス素材を成形型に供給後直ちに押圧を開始することが好ましい。そのようにすることで、成形型とガラス素材が高温下で接触する時間を短縮し、界面でのガラスと型の反応やガラス表面近傍における発泡を抑えつつ、ガラス素材に充分な形状変化を与えることができ、必要な、面形状、肉厚を確実に得ることができる。
成形方法Iの場合には、押圧開始時に、成形型の温度を、ガラス粘度で108〜1011dPa・s、ガラス素材の温度を、ガラス粘度で、106〜109dPa・s とすることが好ましい。また成形方法IIの場合には、押圧開始時のガラス素材と成形型の温度をガラス粘度で、107〜109dPa・sの範囲とすることが好ましい。
ただし、いずれの成形方法の場合でも、プレス成形時の成形面温度は、600℃を超えないものとする。これにより、ガラス素材の表面温度を600℃以下とすることができる。600℃を超えると、ガラス素材中のフッ素の揮発が生じやすく、成形面上に堆積する可能性が生じる。更には、570℃を超えないことが好ましい。また、300℃未満とすると、本発明のガラスを所望の肉厚精度に変形させることが困難になり、割れも生じやすい。より好ましくは、350〜600℃の範囲である。
発明者らの検討によると、従来のガラス素材においては通常、成形面に離型膜を用いるとともに、ガラス素材の表面に炭素系の膜を形成する方法は、形成しない場合に比べて、プレス成形時にガラス面と型の界面で生じる融着や割れなどの不良を大きく低減させる効果をもたらし、歩留が向上した。しかしながら、本発明のフツリン酸ガラスを用いたガラス素材においては、この傾向がほとんど見られなかった。一方、ガラス素材に膜を形成せずに、ガラス素材表面を直接成形面に接触させ、かつ所定の温度範囲でプレス成形した場合には、上記融着、割れの問題がなかったばかりか、連続プレス中のガラス表面のクモリ、白濁が大きく低減した。従って、良好な外観の光学素子の連続プレスを行うことが可能であった。プレス後の成形面の観察によっても、粗れおよび揮発物の堆積などによる汚れは殆ど見られなかった。
尚、本発明者らの発見によると、ガラス表面に上記膜を設けず、ガラス素材を直接成形型の成形面に接触させてプレスすることで優れた効果を得られたが、成形面に設けた炭素系の離型膜によって成形性を損なうことはなく、むしろ、成形性は向上した。従って、ここで、成形面上の炭素含有膜と、ガラス素材上の炭素膜(形成した場合には)とは、異なる機能を奏していることがわかる。
本発明に使用するフツリン酸ガラスからなるガラス素材は相当量のフッ素を含有しており、このため、ガラス素材表面の膜材(上記例では炭素含有膜)との密着力が弱く、ガラス素材表面から脱離した膜材が成形面に堆積しやすいためと考えられる。一方、本発明に使用するフツリン酸ガラスからなる光学ガラスが、膜材と密着しにくい性質は、同様に成形面に対する非密着性、すなわち離型性としての効果を増大させる効果をもつ。このため、他の一般硝材では密着によって生じやすい融着やクモリがむしろ抑止される働きをもつ。
更に、他の一般硝材は酸素含有量が大きいことに起因して、炭素との反応性が高いのに対し、本発明のガラス素材は、炭素含有量が相対的に低いために、成形面に設けた離型膜との間での反応性が低く、不要な反応を生じることもないものと推察される。
成形型内での押圧開始後、押圧を解除し、又は押圧を継続し、更には押圧荷重を低減するとともに、適切なスケジュールで冷却し、Tg相当付近の温度まで降温したところで、成形型から離型し、成形体を取り出す。冷却速度は、平均して30〜200℃/minとすることができる。
プレス成形後の光学素子には、必要に応じてアニールを施し、更に光学機能面に反射防止膜などの光学薄膜を設けることができる。
本発明により得られる光学素子
本発明を適用して得る光学素子の形状、用途には特に制約はない。光学機能面に非球面又は球面を有するレンズ、回折格子等の微細パターンを有するもの、プリズムなどに適用でき、レンズの場合には両凸レンズ、両凹レンズ、凸又は凹メニスカスレンズとすることができる。本発明によると、ガラス素材表面が直接成形面に接触して成形されるが、冷却時にガラスが収縮する際、ガラス表面と離型膜との滑り性、ガラスと成形面の収縮率の違いにより、充分に離型することができる。このため、離型時のレンズの割れや、成形面への貼りつきが抑止できる。
本発明の光学素子の用途は、撮像機器を構成するレンズ、光ピックアップレンズ、コリメータレンズなどとすることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
(比較例1)
ガラス素材(ガラスB:カチオン%で、P5+ 26%、Al3+ 20%、Mg2+ 10%、Ca2+ 14%、Sr2+ 15%、Ba2+ 10%、Li+ 4%、Y3+ 1%、アニオン%で、F- 64%、O2- 36%を含有するフツリン酸塩ガラス、nd 1.50、νd 81.2、Tg 430℃)を用いて、両凸形状のレンズ(プレス径16.5mmφ 中心肉厚3.3mm )を成形した。まず、溶融状態のガラスをパイプから流出させ、滴下したガラス塊を、底面からガスを噴出する受け型で受け、気流上で浮上させながら、両凸曲面形状に予備成形し、ガラス素材とした。
このガラス素材の表面に、以下の手順でプラズマを用いて炭素系の薄膜を形成した。高周波電圧を印加するための電極を配した密閉可能な容器内にガラス素材を配置した。ついで、真空容器内を密閉したまま1Pa以下まで減圧し、その後アセチレンガスを内圧が20Paになるまで導入し、再び密閉した。高周波電極間に10Wの高周波を印加し、約30秒後、高周波印加を停止した。当該高周波の印加によってプラズマ化した炭化水素をガラス素材表面に堆積させ、約1.0nmの炭素含有膜をガラス表面に成膜した。
一方、成形装置の上下型には、SiC製の型材を精密加工して作製し、グラファイトをターゲットとしたスパッタ法により炭素膜を成膜して成形面を形成した。
上記成膜後のガラス素材を、カーボン製の浮上皿に供給し、浮上皿の底面から噴出する気体によって浮上した状態のまま急熱炉中で550℃(ガラス粘度で108dPa・s相当)に加熱した。加熱により軟化したガラス素材を、浮上皿上で浮上状態のまま成形型内に搬送し、浮上皿を2つに分離することにより、下型上に落下供給した。予め、上下型は、540℃(ガラス粘度で109.5dPa・s相当)に加熱しておいた。ガラス素材を下型上に供給した後、直ちに上下型間でガラス素材を押圧した。押圧開始と同時に上下型の冷却を開始し、型温がTg相当の430℃付近まで降温したところで荷重を解除し、上下型を離間した。
上記プレス成形を連続して行ったところ、50回行ったところで、得られた成形体表面に、目視でクモリが見られるようになった。割れの発生は無かった。
(実施例1)
次に、比較例と同様のガラス素材であって表面に炭素含有膜を形成しないガラス素材を用いて、上記と同様のプレス成形を150回行った。その結果、成形体表面のクモリは見られなかった。尚、落下供給時に成形面上での滑り性に起因して、偏肉が時折観察された。
(比較例2、実施例2)
次に、上記とは組成の異なるフツリン酸塩光学ガラスAを用いて比較例1と同様のガラス素材を予備成形し、プレス成形を行った。(ガラスA:カチオン%表示で、P5+ 26%、Al3+ 21%、Mg2+ 8%、Ca2+ 9%、Sr2+ 16%、Ba2+ 11%、Li+ 8%、Y3+ 1%。F-/(O2-+F-)= 0.635 (F-とO2-の合計でアニオンの100%とする)、nd 1.50、νd 82、Tg 406℃)但し、加熱温度については、同様のガラス粘度となるように温度を調整した。
この結果、表に示すとおり、ガラス素材表面に炭素含有膜を形成したものは、連続プレス100回経過後に、成形面のクモリが見られるようになった。
一方、ガラス素材表面に炭素含有膜を形成せず、ガラス素材表面を直接成形面に接触させてプレスしたものは、800回連続プレスしてもクモリが生じなかった。また、ガラス素材の成形型への落下供給も良好で、偏肉、割れは発生しなかった。
(比較例3、4)
尚、比較のため、本発明外の、以下のリン酸塩光学ガラスを用いて、同様に予備成形したガラス素材を用いて、プレス成形を行った。(ガラスC:mol%表示で、P2O3 36%、B2O3 2%、Li2O 12%、Na2O 10%、K2O 4%、BaO2 3%、ZnO 12%、Bi2O3 1%、Nd 1.59、 νd 59.5、 Tg322℃)
ここでも、適用する、加熱温度については、同様のガラス粘度となるように温度を調整した。結果は表に示すとおり、ガラス素材に炭素含有膜を設けたものは連続プレスが50回経過した後、成形体表面にクモリが現われ(比較例3)、一方、炭素含有膜を設けないガラス素材を設けた場合には、プレス初期より割れが多発し、連続プレスが不可能であった(比較例4)。
成形方法Iの概説図。 成形方法IIの概説図。

Claims (11)

  1. フツリン酸ガラスからなるガラス素材を、成形型によってプレス成形して、プレス成形によって形成された光学機能面を機械加工することなしにガラス光学素子を製造する方法において、
    前記ガラス素材は表面にコート層を有さず、ガラス表面を前記成形型の成形面で直接押圧して成形面形状を転写して、前記ガラス光学素子を得ることを特徴とする、前記製造方法。
  2. 前記押圧時の成形型は、成形面温度が300〜600℃の範囲である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記フツリン酸ガラスが、カチオン%表示で、以下の成分を含有する、請求項1又は2に記載の製造方法。
    5+ 5〜50%、
    Al3+ 0.1〜40%、
    Mg2+ 0〜20%、
    Ca2+ 0〜25%、
    Sr2+ 0〜30%、
    Ba2+ 0〜30%、
    Li+ 0〜30%、
    Na+ 0〜10%、
    + 0〜10%、
    3+ 0〜5%、
    La3+ 0〜5%
    Gd3+ 0〜5%
  4. -とO2-の合計量に対するF-の含有量のモル比F-/(F-+O2-)が0.25〜0.95である、請求項3に記載の製造方法。
  5. Li+を2〜30カチオン%含む、請求項3または4に記載の製造方法。
  6. 前記フツリン酸ガラスは、屈折率の値ndが1.40〜1.60の範囲であり、アッベ数(νd)が67以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記フツリン酸ガラスが、カチオン%表示で、
    5+ 11〜45%、
    Al3+ 0〜29%、
    Li+、 Na+およびK+を合計で0〜43%、
    Mg2+、 Ca2+、Sr2+、Ba2+およびZn2+を合計で14〜50%、
    Cu2+ 0.5〜13%、
    アニオニック%表示で、
    - 17〜80%
    の成分を含有する、請求項1又は2に記載の製造方法。
  8. 前記成形型は、成形面に炭素を含有する離型膜が設けられていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 前記フツリン酸ガラスは、ガラス転移温度Tgが、470℃以下であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 前記フツリン酸ガラスを、所定形状に予備成形したガラス素材を、ガラス粘度が106〜109dPa・sとなる温度に加熱した状態で、予熱された成形型内に供給し、押圧することを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 前記ガラス素材は、溶融状態のガラスを滴下、又は流下しつつ分離し、冷却中しつつ予備成形されたものであることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
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