JP2005072065A - 積層体の導体パターンと外部電極との接続構造及び接続方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層型電子部品において、内部導体(導体パターン)と外部電極との十分な接続を確保することができる積層体の導体パターンと外部電極との接続構造を提供すること。
【解決手段】第1内部導体31及び第2内部導体32が形成された第2非磁性絶縁材料22及び第3非磁性絶縁材料23を積層してなる積層体の側面に設けられた外部電極と第1内部導体31及び第2内部導体32とを電気的に接続する積層体の導体パターンと外部電極との接続構造であって、引出電極34,35,36,37と外部電極との間に配置され、非磁性材料層20の積層方向へ連続する外部電極接続面を備えた外部接続導体41,42,43,44が設けられている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層型コモンモードチョークコイル等の積層型電子部品に適用される積層体の導体パターンと外部電極との接続構造及び接続方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、パーソナルコンピュータやその周辺機器で採用されているUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)及びLDVS(Low Voltage Differential Signaling)といった高速の差動伝送方式のラインに流れるコモンモードノイズを除去するために、コモンモードチョークコイルが使用されている。
【0003】
このコモンモードチョークコイルは、2つ以上のコイルを磁気的に組み合わせたコイルのことであり、電流の伝導方向におけるノーマルモードの成分には影響を与えないようにしてコモンモードの成分のみを除去するように構成したものである。すなわち、ノーマルモードのインピーダンスを最小限に抑えて、コモンモードのインピーダンスをできるだけ大きくすることが必要となる。
【0004】
このようなコモンモードチョークコイルとして、従来より積層型コモンモードチョークコイルが知られている。積層型コモンモードチョークコイルとしては、1ターン以上の渦巻状とした外側の第1内部導体及び内側の第2内部導体が互いに短絡しないよう同一磁性体シート(シート状材料)内に設けられ、この磁性体シートを複数積層して第1内部導体及び第2内部導体をそれぞれ接続することにより、二つのコイルパターン(導体パターン)を形成したものがある。(たとえば、特許文献1参照)
【0005】
積層型コモンモードチョークコイルの場合、積層する磁性体シート間における第1内部導体及び第2内部導体の接続については、スルーホールを介して行われている。
また、従来の積層型コモンモードチョークコイルにおいては、第1内部導体及び第2内部導体の両端に設けた引出電極を介して、積層体の側面に設けた外部電極と電気的に接続される構成となっている。
【0006】
図3は、内部導体と外部電極との接続構造例を示す断面図であり、図中の符号1は積層型コモンモードチョークコイル、2,3はそれぞれ3層の磁性材料よりなる磁性材料層、4は4層の非磁性絶縁材料よりなる非磁性材料層、5は内部導体、6は内部導体の端部に設けられている引出電極、7は外部電極である。この場合、内部電極5及び引出電極6の厚さは、非磁性材料と比較してかなり小さな(薄い)ものとなるため、外部導体7と電気的に接続している引出電極6の面積は小さなものとなって細い線で接続されることになる。なお、図3(a)においては、図示の都合上から、内部導体5の厚さが非磁性材料と比較して実際よりかなり大きく(厚く)示されている。
また、上述した引出電極6の接続面積を大きく確保することで電気的な接続を高めるため、引出電極6の幅を、内部導体5と比較してかなり大きく形成したものもある。(たとえば、特許文献2参照)
【0007】
【特許文献1】
特開2002−217031号公報(図1及び図2)
【特許文献2】
特開平5−190364号公報(図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術の積層型コモンモードチョークコイルにおいては、引出電極の幅を内部導体よりかなり大きく設定したものであっても、内部導体の厚さが非常に薄いものであるため、外部電極との接続が細い線状となることに変わりはない。すなわち、接続部の線長を長くすることで接続面積を増加させることはできるが、内部導体の厚さが同じであれば細い線による比較的弱い接続となることに変わりはなく、従って、厳しい環境においては接続不良の発生が懸念される。このような接続不良の発生は、特に、(1)150℃〜250℃の低温で形成する樹脂端子電極等の接合しにくい電極や、(2)600℃〜800℃と高温焼成により形成する外部電極等の接合のよい電極を採用した場合でも、内部電極が銀の場合、素体焼成時に飛散した場合や、また、外部電極を高温焼成する際に、内部電極の銀が素体材料内に引き込んだりした場合に顕著である。
このような背景から、接続不良の発生を抑制または防止するためには、内部導体(引出電極)と外部電極との間に十分な接続を確保することが望まれる。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、積層型コモンモードチョークコイル等の積層型電子部品において、内部導体と外部電極との十分な接続を確保することができる積層体の導体パターンと外部電極との接続構造及び接続方法の提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明による積層体の導体パターンと外部電極との接続構造は、表面に導体パターンが形成されたシート状材料を複数積層してなる積層体の側面に設けられた外部電極と前記導体パターンとを電気的に接続する積層体の導体パターンと外部電極との接続構造であって、前記導体パターンと前記外部電極との間に配置され、複数のシート状材料にわたって積層方向へ連続する外部電極接続面を備えた外部接続導体が設けられていることを特徴としている。
【0011】
このような積層体の導体パターンと外部電極との接続構造によれば、導体パターンと外部電極との間に配置され、複数のシート状材料にわたって積層方向へ連続する外部電極接続面を備えた外部接続導体が設けられているので、外部電極は積層方向へ連続する外部電極接続面と、すなわち内部導体と比較して十分な厚さを有する外部電極接続面と接続されるようになる。また、導体パターンと外部接続導体との間は、同一のシート状材料上で一体的に接続される。
【0012】
上記の発明においては、前記外部接続導体は、前記シート状材料の端部を切り欠くように形成したスルーホールに設けられることが好ましく、これにより、スルーホールに充填された導電材料によって積層方向に連続する外部接続導体を容易に形成することができ、しかも、外部導体と内部導体との間も同一のシート状材料に形成されたスルーホールの導電材料と一体的に接続される。
また、上記の発明においては、前記外部接続導体及び外部電極の材料として銀より融点の高い銀/パラジウム合金を採用することが好ましく、これにより、高温焼成により形成する外部電極を採用した積層体の接続不良を解消できる。
【0013】
本発明による積層体の導体パターンと外部電極との接続方法は、表面に導体パターンが形成されたシート状材料を複数積層してなる積層体の側面に設けられた外部電極と前記導体パターンとを電気的に接続する積層体の導体パターンと外部電極との接続方法であって、複数のシート状材料にわたって積層方向へ連続する外部電極接続面を形成する外部接続導体を前記導体パターンと前記外部電極との間に配置し、前記外部接続導体を介して前記導体パターンと前記外部電極とが接続されることを特徴としている。
【0014】
このような積層体の導体パターンと外部電極との接続方法によれば、複数のシート状材料にわたって積層方向へ連続する外部電極接続面を形成する外部接続導体を導体パターンと外部電極との間に配置し、この外部接続導体を介して導体パターンと外部電極とが接続されるようにしたので、外部電極は、積層方向へ連続する外部電極接続面と、すなわち内部導体と比較して十分な厚さを有する外部電極接続面と接続されることができる。また、導体パターンと外部接続導体との間は、同一のシート状材料上で一体的に接続される。
【0015】
上記の発明においては、前記外部接続導体は、前記シート状材料の端部を切り欠くように形成したスルーホールに導電材料を充填して設けられることが好ましく、これにより、スルーホールに充填された導電材料が積層方向に連続する外部接続導体を形成し、しかも、外部導体と内部導体との間は、同一のシート状材料に形成されたスルーホールの導電材料と一体的に接続することができる。
また、上記の発明においては、前記外部接続導体及び外部電極の材料として銀より融点の高い銀/パラジウム合金を採用することが好ましく、これにより、高温焼成により形成する外部電極を採用した積層体の接続不良を解消できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による積層体の導体パターンと外部電極との接続構造及び接続方法の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、積層型電子部品の一例として、積層型コモンモードチョークコイル(以下、「コモンモードチョークコイル」と呼ぶ)を示して説明する。なお、図1は本発明におけるコモンモードチョークコイルの分解斜視図、図2(a)は図1の完成状態を示すコモンモードチョークコイルの外観斜視図、図2(b)は図2(a)のA−A断面図、図2(c)は図2(b)のB−B断面図である。
【0017】
図1及び図2において、図中の符号10はコモンモードチョークコイルを示している。このコモンモードチョークコイル10は、シート状とした複数枚の非磁性絶縁材料及び磁性材料を積層して一体化した構成とされる。また、略直方体形状の積層体としたコモンモードチョークコイル10の対向する2側面には、後述する2組の内部導体と引出電極を介して接続されている4つの外部電極11,12,13,14が分配して設けられている。
図1に示す構成例では、積層体としたコモンモードチョークコイル10の上下両端面側に、それぞれが1または複数層よりなる磁性材料層15,16を配置してある。そして、これら上下の磁性材料層15,16の間には、少なくとも2層よりなる非磁性絶縁材料層20を配置してある。
【0018】
磁性材料層15,16は、それぞれが磁性材料15a,15b,15c及び磁性材料16a,16b,16cを3層に積層した構成とされる。ここで、磁性材料層15,16としては高透磁率のものが好ましく、使用可能なシート状の磁性材料には、たとえばNi−Znフェライト、Ni−Zn−Cuフェライト等がある。
なお、磁性材料層15,16については、上述した3層に限定されることはなく、磁性材料の種類や厚みに応じて適宜変更することができる。
【0019】
非磁性絶縁材料層20は、上面側から第1非磁性絶縁材料21、第2非磁性絶縁材料22、第3非磁性絶縁材料23及び第4非磁性絶縁材料24の順に、シート状の非磁性絶縁材料を4層に積層した構成とされる。ここで、非磁性絶縁材料層20として使用可能なシート状の非磁性絶縁材料には、たとえばアルミナなどのセラミックス材料、シリカなどのガラス材料やポリイミド樹脂などの樹脂材料等がある。
なお、第1非磁性絶縁材料21及び第4非磁性材料24については、諸条件に応じてなくしたり、あるいはそれぞれを2層以上としてもよい。
【0020】
さて、上述した4層の非磁性絶縁材料のうち、中間部の第2非磁性絶縁材料22及び第3非磁性絶縁材料23には、それぞれの上面に渦巻状(スパイラル状)とした第1上部導体31a,第2上部導体32a及び第1下部導体31b,第2下部導体32bが設けられている。なお、これらの各導体31a,31b,32a,32bは、たとえば銀や銅などの導電体を印刷、スパッタリングまたはメッキなど周知の手法により形成した導体パターンである。
【0021】
このうち、第1上部導体31a及び第2上部導体32aは、第2非磁性絶縁材料22の上面に形成され、それぞれが1ターン以上の渦巻状となっている。そして、第1上部導体31aの内側には第2上部導体32aが略平行に配置され、互いに短絡しないように設けられている。すなわち、第1上部導体31aと第2上部導体32aとを1つの組とした場合、この1組が渦巻状になっており、その渦巻方向は、上面視において第1上部導体31a及び第2上部導体32a共に同じ方向となっている。
【0022】
第1上部導体31aの一方の端部、すなわち渦巻きの外側となる端部には、外部電極11に接続される引出電極部34が形成されている。また、第1上部導体31aの他方の端部、すなわち渦巻きの内側となる端部には、第2非磁性絶縁材料22を貫通する第1スルーホール22aが設けられている。この結果、第1上部導体31aの他端側は、第1スルーホール22aを介して、後述する第3非磁性絶縁材料23側に形成されている第1下部導体31bと電気的に接続されるため、一体に連続する第1内部導体31が形成される。
【0023】
同様に、第2上部導体32aの一方の端部、すなわち渦巻きの外側となる端部には外部電極13に接続される引出電極36が形成されている。また、第2下部導体32aの他方の端部、すなわち渦巻きの内側となる端部には、第2非磁性絶縁材料22を貫通する第2スルーホール22bが設けられている。この結果、第2上部導体32aの他端側は、第2スルーホール22bを介して、後述する第3非磁性絶縁材料23側に形成されている第2下部導体32bと電気的に接続されるため、一体に連続する第2内部導体32が形成される。
【0024】
また、第1下部導体31b及び第2下部導体32bは、第3非磁性絶縁材料23の上面に形成され、それぞれが1ターン以上の渦巻状となっている。この場合においても、上述した第2非磁性絶縁材料22の上部導体配置と同様に、第1下部導体31bの内側に第2下部導体32bが略平行に配置され、互いに短絡しないように設けられている。すなわち、第1下部導体31bと第2下部導体32bとを1つの組とした場合、この1組が渦巻状になっており、その渦巻方向は、上面視において第1下部導体31b及び第2下部導体32b共に同じ方向となっており、しかも、上述した上部導体31a及び第2上部導体32aとも同方向となっている。
【0025】
第1下部導体31bの一方の端部、すなわち渦巻きの外側となる端部には、外部電極12に接続される引出電極35が形成されている。また、第1下部導体31bの他方の端部、すなわち渦巻きの内側となる端部23aが、第1スルーホール22aを介して上述した第2非磁性絶縁材料22に形成されている第1上部導体31aと電気的に接続されている。
同様に、第2下部導体32bの一方の端部、すなわち渦巻きの外側となる端部には外部電極14に接続される引出電極37が形成されている。また、第2下部導体32bの他方の端部、すなわち渦巻きの内側となる端部23bは、第2スルーホール22bを介して上述した第2非磁性絶縁材料22側に形成されている第2上部導体32aと電気的に接続されている。
【0026】
さて、上述した各内部導体の一端部にそれぞれ設けられている引出電極34,35,36,37は、それぞれが外部接続導体41,42,43,44を介して外部電極11,12,13,14と接続される。すなわち、外部接続導体41,42,43,44は、導体パターンの引出電極34,35,36,37と外部電極11,12,13,14との間に配置され、両者を電気的に接続させることで導通可能としている。
なお、これらの外部接続導体41,42,43,44は、実質的な構成は全て同じであるから、以下では外部電極11と引出電極34との間に配置されている外部接続導体41を代表例として図2(b)、(c)に示し、その構成を詳細に説明するが、図示の都合上導体パターン(第1上部導体31a)の厚さは非磁性材料と比較して実際よりかなり大きく(厚く)示されている。
【0027】
外部接続導体41は、外部電極11が形成される積層体の側面に設けられた柱状の導電体であり、シート状材料である第1非磁性絶縁材料21〜第4非磁性絶縁材料24の積層方向へ連続している外部電極接続面41aを備えている。この外部電極接続面41aは、積層体の側面に露出するようにして設けられ、その外側に形成される外部電極11と電気的に接続される部分である。また、第2非磁性絶縁材料22の上面に形成された第1上部導体31aは、引出電極34が外部電極接続面41aを除く外部接続導体41の周囲を取り囲むようにして電気的に接続されている。
【0028】
このような外部接続導体41は、4層とした非磁性絶縁材料21〜24の端部を矩形断面や半円形断面等に切り欠いたスルーホールS11,S12,S13,S14に、第2非磁性絶縁材料22に形成されている銀よりなる第1上部導体31aの引出電極34と一体的に連続するように、銀などの導電材料を充填して設けたものである。すなわち、外部電極11が形成される積層体の側面となる端部に矩形断面または半円形断面等の断面形状とした柱状の凹部を形成し、この凹部を埋めるようにして導電材料を充填したものである。
この結果、外部接続導体41は、積層方向に連続して長い、具体的には、4層とした非磁性絶縁材料21〜24の積層厚さに相当する長さ(厚さ)でスルーホールS11〜S14の幅となる比較的大きな面積を有する面状の外部電極接続面41aを備えたものとなる。
【0029】
同様にして、外部接続導体42は、スルーホールS21,S22,S23,S24に導電材料の銀を充填し、第3非磁性絶縁材料23に形成されている銀よりなる第1下部導体31bの引出電極35と一体的に連続するよう設けたものであり、外部電極12と電気的に接続される面状の外部電極接続面を有している。
また、外部接続導体43は、スルーホールS31,S32,S33,S34に導電材料の銀を充填し、第2非磁性絶縁材料22に形成されている銀よりなる第2上部導体32aの引出電極36と一体的に連続するよう設けたものであり、外部電極13と電気的に接続される面状の外部電極接続面を有している。
また、外部接続導体44は、スルーホールS41,S42,S43,S44に導電材料の銀を充填し、第3非磁性絶縁材料23に形成されている銀よりなる第2下部導体32bの引出電極37と一体的に連続するよう設けたものであり、外部電極14と電気的に接続される面状の外部電極接続面を有している。
【0030】
以上のように構成された本発明のコモンモードチョークコイル10について、以下にその製造方法を説明する。
最初に、所定の形状(たとえば矩形状)としたシート状の第1非磁性絶縁材料21、第2非磁性絶縁材料22、第3非磁性絶縁材料23及び第4非磁性絶縁材料24を作製する。
次に、各非磁性絶縁材料21〜24の所定位置に、レーザ、パンチングなど周知の手法を用いて穴あけ加工を施しスルーホールを設ける。このうち、中間位置となる第2非磁性絶縁材料22には、スルーホール22a,22bとともに、スルーホールS12,S22,S32,S42を設ける。
【0031】
同様にして、第1非磁性絶縁材料21にはスルーホールS11,S21,S31,S41を設け、第3非磁性絶縁材料23にはスルーホールS13,S23,S33,S43を設け、さらに、第4非磁性絶縁材料24にはスルーホールS14,S24,S34,S44を設ける。なお、非磁性絶縁材料21〜24の端部に設けられるスルーホールについては、シート状材料の所定形状成形時において同時の切断を行って設けてもよい。
【0032】
次に、第2非磁性絶縁材料22及び第3非磁性絶縁材料23の上面に、抵抗値の小さい銀を導電材料として用い、それぞれ1ターン以上の第1上部導体31a,第2上部導体32a及び第1下部導体31b,第2下部導体32bを、印刷、スパッタリングまたはメッキなど周知の手法を用いて互いに短絡しないように形成する。
【0033】
この時、第1上部導体31aの一端には引出電極34が、第2上部導体32aの一端には引出電極36が、第1下部導体31bの一端には引出電極35が、そして第2下部導体32bの一端には引出電極37が、それぞれ一体に連続して同じ導電材料で形成されている。また、スルーホール22a,22bには、スルーホールを設けた非磁性絶縁材料に形成される導体と一体的に連続するよう銀などの導電材料が充填される。
また、外部接続導体41,42,43,44を形成するため、各スルーホールS11〜14,S21〜24,S31〜34,S41〜44には、それぞれが引出電極34,35,36,37と一体的に連続するよう銀などの導電材料が充填される。
なお、スルーホール22a,22bを介して接続される第3非磁性絶縁材料23側の導体とは、導体側に図示しない凸状の電極部を設けるなどしてスルーホール22a,22bに充填された導電体と接触させ、電気的に接続されるようになっている。
【0034】
次に、第1非磁性絶縁材料21、第2非磁性絶縁体材料22、第3非磁性絶縁材料23及び第4非磁性絶縁材料24を積層し、非磁性絶縁材料層20を形成する。これにより、第1上部導体31a及び第1下部導体31bがスルーホール22aを介して電気的に接続され、また、第2上部導体32a及び第2下部導体32bがスルーホール22bを介して電気的に接続される。
同時に、各スルーホールS11〜14,S21〜24,S31〜34,S41〜44に充填された導電材料も積層方向に接続されて一体化するので、積層方向へ連続する外部電極接続面を備えた柱状の外部接続導体41,42,43,44が形成される。
なお、磁性材料層15,16は、非磁性材料層20を挟み込むようにして上下に積層されることにより、素体となる積層体が完成する。
【0035】
また、上述したコモンモードチョークコイル10は、各非磁性絶縁材料に対し所定のピッチで複数組の内部導体を形成して積層してもよく、この場合、ダイシングなどで切断することにより、上述した積層体(素体)を同時に多数製造することができる。
最後に、積層体の対向する両側面に露出した外部接続導体41,42,43,44の外部電極接続面と電気的に接続させて、銀などの導電体からなる外部電極11,12,13,14をそれぞれ形成し、上述した構成のコモンモードチョークコイルを製造する。
【0036】
このような接続構造及び接続方法により、導体パターンと外部電極との間は、比較的大きな面積を有する外部電極接続面による面接触となるので、内部導体と外部電極との接続を高めたコモンモードチョークコイル10を容易に得ることができる。
なお、外部電極11,12,13,14は、必要に応じて銀などの導電体の上面にメッキ処理を施してもよい。
【0037】
ところで、非磁性絶縁材料に21〜24にポリイミド樹脂を採用したコモンモードチョークコイル10の場合、ポリイミド樹脂が高温(300℃程度)に耐えられないため、引出電極を含む内部導体31,32の導電材料にはスパッタリングによる銀やメッキによる銅を採用し、外部電極11〜14には150℃〜250℃程度の低温にて形成可能な樹脂端子電極を採用することになる。このような樹脂端子電極は接合しにくいという問題を有しているが、上述した外部接続導体41〜44を設けて外部電極11〜14との間に大きな接続面積が得られるようにすれば、樹脂端子電極採用時においても、断線等の接続不良発生を解決することができる。
【0038】
また、これまで説明した実施形態では積層型コモンモードチョークコイルへの適用例を示したが、たとえばサーミスタ等の電子部品のように、導体パターンを形成したシート状材料を複数積層してなる積層体の側面に配設される外部電極と導体パターンとが電気的に接続される構成を有するものであれば、他の各種積層型電子部品への適用が可能なことはいうまでもない。
【0039】
また、たとえば600℃〜800℃程度の高温焼成により形成する接合のよい外部電極を採用する積層型電子部品、たとえば上述した樹脂端子電極を採用しなくてすむ積層型コモンモードチョークコイルの他、チップサーミスタやコイル・コンデンサ(LC)複合部品等においては、外部接続導体41〜44の導電材料として、内部導体を形成する導電材料の銀よりも融点の高い銀/パラジウム合金を採用するとよい。この場合、外部電極11〜14の導電材料についても、外部接続導体41〜44と同様の銀/パラジウム合金を採用する。
【0040】
このような構成とすれば、素体を高温焼成する場合において、外部接続導体41〜44及び外部電極11〜14に使用されている導電材料の融点が銀より高くなるため、導電材料が飛散しにくくなって接続不良の発生を解消することができる。また、素体材料内に引き込まれることを原因とする接続不良の発生についても、同様に解消することができる。
なお、本発明の構成は上述した実施形態に限定されるものではなく、たとえばシート状材料の積層数を適宜変更したり、あるいは、上述した構成のものを複数組並べてアレイ化するなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明の積層体の導体パターンと外部電極との接続構造及び接続方法によれば、外部電極は、内部導体の厚さと比較して十分に大きい(厚い)長さを有する外部電極接続面と接続されるようになるので、十分な接続面積を確保することで接続を向上させることができる。従って、従来問題となっていた断線等による接続不良が発生するのを抑制または解消することができ、積層型電子部品の信頼性や耐久性を向上させるという顕著な効果を奏する。
【0042】
また、外部接続導体及び外部電極の導電材料として銀より融点が高い銀/パラジウム合金を採用すれば、素体焼成時に溶融して飛散することを抑制または防止できるようになるので、樹脂端子電極等のように接合しにくい電極を採用した場合においも、積層型電子部品の信頼性や耐久性を向上させるという顕著な効果を奏する。
さらに、外部接続導体及び外部電極の導電材料として銀より融点が高い銀/パラジウム合金を採用すれば、外部電極を高温焼成する場合においても、内部電極が素体材料内に引き込まれるようなことはなくなるので、積層型電子部品の信頼性や耐久性を向上させるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層体の導体パターンと外部電極との接続構造及び接続方法の一実施形態として、積層型コモンモードチョークコイルへの適用例を示す分解斜視図である。
【図2】(a)は図1の完成状態を示す斜視図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(b)のB−B断面図である。
【図3】従来の内部導体と外部電極との接続構造を示す図で、(a)は要部の縦断面図、(b)は要部の横断面図である。
【符号の説明】
10 コモンモードチョークコイル
11、12,13,14 外部電極
15,16 磁性材料層
20 非磁性絶縁材料層
21 第1非磁性絶縁材料
22 第2非磁性絶縁材料
23 第3非磁性絶縁材料
24 第4非磁性絶縁材料
31 第1内部導体
31a 第1上部導体
31b 第1下部導体
32 第1内部導体
32a 第2上部導体
32b 第2下部導体
34,35,36,37 引出電極
41,42,43,44 外部接続導体
41a 外部電極接続面
S11〜14 スルーホール
S21〜24 スルーホール
S31〜34 スルーホール
S41〜44 スルーホール

Claims (6)

  1. 表面に導体パターンが形成されたシート状材料を複数積層してなる積層体の側面に設けられた外部電極と前記導体パターンとを電気的に接続する積層体の導体パターンと外部電極との接続構造であって、
    前記導体パターンと前記外部電極との間に配置され、複数のシート状材料にわたって積層方向へ連続する外部電極接続面を備えた外部接続導体が設けられていることを特徴とする積層体の導体パターンと外部電極との接続構造。
  2. 前記外部接続導体は、前記シート状材料の端部を切り欠くように形成したスルーホールに設けられていることを特徴とする請求項1記載の積層体の導体パターンと外部電極との接続構造。
  3. 前記外部接続導体及び外部電極の材料が銀/パラジウム合金であることを特徴とする請求項1または2記載の積層体の導体パターンと外部電極との接続構造。
  4. 表面に導体パターンが形成されたシート状材料を複数積層してなる積層体の側面に設けられた外部電極と前記導体パターンとを電気的に接続する積層体の導体パターンと外部電極との接続方法であって、
    複数のシート状材料にわたって積層方向へ連続する外部電極接続面を形成する外部接続導体を前記導体パターンと前記外部電極との間に配置し、前記外部接続導体を介して前記導体パターンと前記外部電極とが接続されることを特徴とする積層体の導体パターンと外部電極との接続方法。
  5. 前記外部接続導体は、前記シート状材料の端部を切り欠くように形成したスルーホールに導電材料を充填して設けられることを特徴とする請求項3記載の積層体の導体パターンと外部電極との接続方法。
  6. 前記外部接続導体及び外部電極の材料が銀/パラジウム合金であることを特徴とする請求項4または5記載の積層体の導体パターンと外部電極との接続方法。
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