JP2005070365A - 光導波路部品及びその作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 反射光の偏波依存ロスがなく、透過光ポートの損失及びその環境変動も小さい、面型PD等の表面実装に適用可能とする光導波路部品を提供すること。
【解決手段】 基板31上に設けられ、コア32a及びクラッド32bから成る光導波路32には斜め溝33が形成されている。斜め溝33は、コア32aと交わり、基板31の垂直方向に対して斜めに傾斜して略平行に対向してなる第1の傾斜面33a及び第2の傾斜面33bとで構成されているとともに、開口部から基板方向に向けてコア32aよりも深く形成されている。開口部に向いた第2の傾斜面33bの少なくともコア32aの領域に反射膜35が被着され、この反射膜35が、コア32aからの出射光の少なくとも一部をクラッド32bの上方へ反射させるか、もしくはクラッド32bの上方からの入射光をコア32aに向けて反射させる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、光通信等で用いられる光導波路部品及びその作製方法に関し、より詳細には、フォトダイオードなどを光導波回路に実装する際に用いる反射ミラー構造を有する光導波路部品及びその作製方法に関するものである。
光通信等において、光ファイバや平面光導波路の一領域から光波の一部または全部を取り出して、その強度をフォトダイオード(以下、PDという。)を用いてモニタし、あるいは逆に半導体レーザーダイオード(以下、LDという。)からの出力光を光ファイバや平面光導波路の一領域から伝播モードに結合させるといった、光導波路と光素子との光結合が必要になる。
このような光素子と光ファイバや平面光導波路との光結合構造として、光ファイバや平面光導波路の一領域に、光導波路軸と略垂直に光波を反射させて取り出す光路変換ミラーが提案されている。その具体的な構造は様々であるが、中でも、ダイシングソー等の機械加工によって光導波路の途中に斜め溝を設ける方法は、光導波路の任意の箇所にミラー構造を設けることができることに加え、一般に工程が簡便であり、化学エッチング等と比較した場合には、加工工程が材料や光導波路構造に大きく依存しないという利点があり、実用上極めて有用である。
図1は、機械加工による光路変換ミラーの構造を有する光導波路部品に係る第1の従来例を示す構成図で、図中符号1はシリコン基板、2は光導波路、2aはコア、2bはクラッド、3は斜め溝、3aは斜め溝3を構成する第1の傾斜面、3bは斜め溝3を構成する第2の傾斜面、4は面型フォトダイオード(PD)、4aは受光面を示している。なお、この構成は、特許文献1に記載されているものと類似の面型PDの実装構造例である。
図1に示すように、基板1上に形成されたコア2a及びクラッド2bから成る光導波路2の一部に、基板1に対して垂直から斜めに傾いた斜め溝3を、ダイシングソーによって形成してある。この構造では、導波光は、斜め溝3の空気との界面において上方に反射し、上方に設置された面型PD4の受光面4aに入射し、受光される。
図2は、機械加工による光路変換ミラーの構造を有する光導波路部品に係る第2の従来例を示す構成図で、図中符号11はシリコン基板、12は光導波路、12aはコア、12bはクラッド、13はV字溝、13aはV字溝13を構成する第1の傾斜面、13bはV字溝13を構成する第2の傾斜面、14は面型フォトダイオード(PD)、14aは受光面、15は金属ミラー膜、16は樹脂を示している。なお、この構成は、特許文献2に類似の記載がある。
上述した第1の従来例と異なる構成は、V字状の回転刃を用いたダイシングによりV字溝13を形成し、光導波路12の光出射端と対向する傾斜面13bに金属ミラー膜15を蒸着等により直接被着した点である。また、V字溝13の内部は、光学的に透明で、かつその屈折率が光導波路材料と略等しい樹脂16が充填されている。このような構造により、導波光はこのV字溝13中に出射され、金属ミラー膜15によって上方に反射されて面型PD14で受光される。
図3は、機械加工による光路変換ミラーの構造を有する光導波路部品に係る第3の従来例を示す構成図で、図中符号21はシリコン基板、22は光導波路、22aはコア、22bはクラッド、23は斜め溝、23aは斜め溝23を構成する第1の傾斜面、23bは斜め溝23を構成する第2の傾斜面、24は面型フォトダイオード(PD)、24aは受光面、25は誘電体多層膜フィルタ、26は接着剤を示している。なお、この構造は、上述した特許文献3に類似の記載がある。
図3に示すように、基板21の一部領域に斜め溝23を形成し、その斜め溝23内に誘電体多層膜フィルタ25が挿入され、光学的に透明で、かつその屈折率が光導波路材料と略等しい接着剤26により固定されている。また、接着剤26の上部には面型PD24が固定されている。
このような構造によれば、導波光はこの斜め溝23に出射し、誘電体多層膜フィルタ25によって、所定の波長の光のみが上方に反射され、面型PD24で受光される。一方、それ以外の波長の光は、誘電体多層膜フィルタ25を透過して対向する光導波路22に結合して再び光導波路22を伝播する。
特開平3−103804号公報(特許第2921877号公報) 特開昭63−191111号公報 特開2002−182051号公報
ところで、上述した第1の従来例の構造は、極めて限定された場合にしか用いることができない。すなわち、斜め溝における導波路材料と空気との界面における全反射を利用する場合、斜め溝の角度が大きくなり加工が難しいことに加え、反射率に大きな偏波依存性が生じることも問題となる。そのため、このような構造は、入力偏波が規定されている場合など特殊な条件下でしか利用できないという問題がある。
また、上述した第2の従来例では、V字溝の加工の難しさに加えて、透過光の特性が問題となる。一般に平面光回路では、上方に取り出して光素子と結合させたい光導波路と、そのまま透過して光回路を伝播させたい光導波路とが混在している。ダイシングソー等による機械加工溝を利用する場合には、これらの光導波路を全て切断してしまい、上方に取り出したい光導波路に対応する部位にのみ金属膜ミラーを設けることになる。透過ポートはV字溝において樹脂中を広がりながら伝播し、対向する光導波路に結合する。しかしながら、V字溝の場合には、上述した第1の従来例の斜め溝の場合と比較して、樹脂中を伝播する距離が長くなるため、透過光の損失は増大する。さらに、第1、第3の従来例においては、樹脂の屈折率が導波路材料とずれた場合にも、光導波路の出射端と入射端における光軸の角度ずれは生じず、オフセットのみが生じるのに対し、第2の従来例においては角度ずれが発生してしまい、大きな損失が生じてしまう。オフセットによる損失に関しては、光導波路のモードフィールド径を大きくすることにより緩和できるが、角度ずれに関しては逆にモードフィールドを大きくすることより損失が増大する問題がある。
さらに、上述した第3の従来例では、反射ミラーを光導波路とは別工程で作製し、これを挿入・固定することにより、偏波依存性の問題を回避することができる。しかしながら、このような構造では、反射ミラーを別途作製し、実装する工程が増加することに加え、以下に述べる問題も発生してしまう。
すなわち、問題点の第1は、こうした薄膜部品の取り扱いは容易ではなく、実際に反射ミラーを保持し、溝中に挿入する作業のためには、図3に示すように、溝深さに比べて大きな反射ミラーを用いる必要があるが、この場合には固定後に反射ミラーの一部がクラッド上部より上に突き出た形状となるため、面型PDを配置する際の障害となる点である。図3ではクラッドの上部にも接着剤を盛り上げ、この上に面型PDを実装しているが、このような構造では、光導波路の出射端と面型PDの受光面との距離が大きくなってしまうために、出射ビームを損失なく受光するためには大きな受光径の面型PDを用いざるを得ない。ところが面型PDの受信信号帯域は、受光面積が大きくなると劣化するため、このような構造は高速信号の受信には適用できない。
また、第2の問題は、反射ミラーを接着剤によって固定するため、面型PD等の光素子をクラッドの上部に固定する際の固定法が限定される点である。すなわち、一般に接着剤は高温に弱いため、接着剤の固定の後に、半田リフロー等の工程を行うことができず、面型PD等の光素子も接着剤等により固定せざるを得ないという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、極めて簡便に作製可能で、反射光の偏波依存ロスがなく、透過光ポートの損失及びその環境変動も小さい、面型PD等の表面実装に適用可能な光導波回路の反射ミラー構造を有する光導波路部品及びその作製方法を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、基板上に設けられ、コア及びクラッドから成る光導波路を備えた光導波路部品において、前記光導波路が、前記コアと交わり、前記基板の垂直方向に対して斜めに傾斜して略平行に対向してなる第1の傾斜面及び第2の傾斜面とで構成されるとともに、開口部から前記基板方向に向けて前記コアよりも深く形成された溝と、前記開口部に向いた前記第2の傾斜面の少なくとも前記コアの領域に被着された反射膜とを備え、該反射膜が、前記コアからの出射光の少なくとも一部を前記クラッドの上方へ反射させるか、もしくは前記クラッドの上方からの入射光を前記コアに向けて反射させることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記光導波路が、石英系又はポリマー材料からなることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記反射膜を設ける前記第2の傾斜面の領域が、前記光導波路に遮られることなく前記基板の垂直上方から見通せるように、前記溝の幅及び傾斜角が設定されていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記コアから出射し、前記反射膜によって反射される光ビームが、前記溝の開口部から前記光導波路の上方へ出射されるように、前記溝の幅及び傾斜角が設定されていることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記溝中に、屈折率が前記光導波路とほぼ等しい樹脂が充填されていることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記クラッドの上面に金薄膜が被着されていることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記コアからの出射光が、前記溝の開口部に限定されることなく、前記クラッドを透過して出射させるように、前記溝の幅及び傾斜角が設定されていることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記クラッドの上面で、かつ前記溝の開口部周辺に金薄膜が被着されていることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、基板上に設けられ、コア及びクラッドから成る光導波路を備えた光導波路部品の作製方法において、基板上に光導波路を形成する第1の工程と、前記光導波路に機械加工によって、前記コアと交わり、前記基板の垂直方向に対して斜めに傾斜して略平行に対向してなる第1の傾斜面及び第2の傾斜面とを有するとともに、開口部から前記基板方向に向けて前記コアよりも深く形成された溝を形成する第2の工程と、前記開口部に向いた前記第2の傾斜面の少なくとも前記コアの領域に、前記光導波路の上方から、蒸着又はスパッタリングによって反射膜を被着する第3の工程とを有することを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記溝中に、屈折率が前記光導波路とほぼ等しい樹脂を充填する第4の工程を備えたことを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、(1)光導波路の基板側を凹とするように同一方向に傾斜した略平行な壁面を有する溝を形成し、(2)その一方の壁面の一部領域に反射膜を直接被着形成したことを最大の特徴としている。これによって、作製工程が極めて簡便で、光素子等を実装する際の構造や工程の制限をすることもなく、また偏波依存性も小さい反射ミラーを形成することが可能となった。また、溝幅を小さくでき、かつ溝中の樹脂屈折率の不整合がある場合にも透過光の角度ずれが発生しないため、透過ポートの損失およびその変動が小さく、かつ光ビーム径や溝幅の設計において原理的なトレードオフによる限界もないため、容易に透過ポートの最適設計が可能となるという効果もある。
したがって、本発明により、従来の問題点を解決し、極めて簡便に作製可能で、反射光の偏波依存ロスがなく、透過光ポートの損失およびその環境変動も小さい、面型PD等の表面実装に適用可能な光導波回路の反射ミラー構造を有する光導波路部品及びその作製方法を提供することが可能となった。
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
図4は、本発明の光導波路部品の実施例1を説明するための構成図、図5は、図4におけるA−A’線断面図で、図中符号31はシリコン基板、32は光導波路、32aはコア、32bはクラッド、33は斜め溝、33aは斜め溝33を構成する第1の傾斜面、33bは斜め溝33を構成する第2の傾斜面、34は面型フォトダイオード(PD)、34aは受光面、35は反射膜(ミラー)、35aは金薄膜、36は樹脂を示している。なお、図4及び図5において、光導波路32の上部に面型PD34を設置する構造を例にとっているが、これは単純に応用例をイメージしやすくするためであり、固定、位置合わせ、封止などに関する詳細な構造については省略してある。後述する実施例においても同様である。
本実施例1では、シリコン基板31上に形成した石英系光導波回路を用いており、その一部領域にはダイシングソーにより斜め溝33が形成されている。この光導波路32に形成される斜め溝33は、基板31の法線に対して同じ方向に傾斜した略平行な第1の傾斜面及び第2の傾斜面で構成されている。また、斜め溝33の傾斜方向は、上方の面型PD34などと結合すべき光導波路端(以下、外部結合導波路端という)の側の上部クラッド32bが凸である。また、外部結合導波路端と対向する傾斜面の一部と、クラッド32bの上面には金薄膜35aが蒸着形成されており、斜め溝33中には屈折率が石英系光導波路とほぼ等しい樹脂36が充填されている。また、斜め溝33の上方には、面型PD34が受光面34aを下にして設置されている。
つまり、実施例1の光導波路部品は、基板31上に設けられ、コア32a及びクラッド32bから成る光導波路32を備えており、この光導波路32には斜め溝33が形成されている。この斜め溝33は、コア32aと交わり、基板31の垂直方向に対して斜めに傾斜して略平行に対向してなる第1の傾斜面33a及び第2の傾斜面33bとで構成されているとともに、開口部から基板方向に向けてコア32aよりも深く形成されている。また、開口部に向いた第2の傾斜面33bの少なくともコア32aの領域に反射膜35が被着され、反射ミラー構造を有している。この反射膜35が、コア32aからの出射光の少なくとも一部をクラッド32bの上方へ反射させるか、もしくはクラッド32bの上方からの入射光をコア32aに向けて反射させる。なお、斜め溝33の底部は、基板31内に延びるように形成されてもよい。
このような構成により、外部結合導波路からの出力光は、斜め溝33中の樹脂36を介して反射膜35にて上方に反射され、面型PD34で受光される。
このような光導波路部品を作製するには、まず、適切な工程により作製した光導波路32を用意する。その後、ダイシングソー等により、光導波路32に斜め溝33を形成する。次に、蒸着またはスパッタ等により、斜め溝33を構成する開口部の向いた第2の傾斜面33bに反射膜35を形成する。この際、斜め溝33は外部結合導波路の上部クラッド側が凸であるので、蒸着源またはスパッタリング・ターゲットに対して基板表面を正対させるように設置して、垂直性の良い条件にて蒸着またはスパッタを行うことによって、自動的に外部結合導波路端部は保護され、斜め溝33を構成する第1の傾斜面33aには反射膜35は形成されない。
一方、それと対向する第2の傾斜面33bの一部、すなわち、斜め溝33の上部から見通せる領域には反射膜35を形成することができる。なお、蒸着やスパッタリングの際に基板31を斜めに傾けて設置することによって、斜め溝33の上部から見通せる領域を調節することができるが、ウエハ内に様々な方向の反射膜35を形成する場合などは設計が煩雑になるため、垂直上方から蒸着等を行うのが望ましい。
本実施例1では、ミラー35の形成と同時に、上部クラッド表面にも金薄膜35aが形成される。このような上部クラッド表面の金属膜35aは、光導波路32のクラッド32b中を伝播するいわゆる迷光が信号光に混入することを防ぐ効果があり、また、面型PD等の外部構造物の電気配線や、半田固定部としても利用できる。また、本実施例1では、外部結合導波路端部の不要な反射損失を低減するために、上述した工程の後、適切な段階で、斜め溝33中に樹脂36を充填した。
上述した斜め溝33の構造は、以下に述べるように設計できる。
図6は、斜め溝をどのように設計するのかを説明するための図である。簡単のために、光ビームの光路を幾何光学的に計算して概略設計を行う。
外部導波路端(座標(x1,y1))から出射した光ビームは、対向する第2の傾斜面(座標(x2,y2))で反射され、(x3,y3)においてクラッドの上面から出力される。溝中を伝播するビームは、基板と並行な方向を基準として反時計周りを正として表記した角度Φで溝中を進行するものとする。光ビームは溝中では広がり角をもって伝播するため、ビームを構成する光線成分を考えると角度ΦはΦu〜Φlまでの範囲にわたることになる。
ここで、図6中に示すとおり、Φuは、外部に取り出したい光ビームの最大角、Φlは同最小角である。したがって、ビーム中心線(角度Φc)、および最大角Φu、最小角Φlを持って溝中に放射された光ビームは、各々、座標(x2c,y2c)、(x2u,y2u)、(x2l,y2l)において第2の傾斜面で反射され、座標(x3c,y3c)、(x3u,y3u)、(x3l,y3l)においてクラッド上面に到達し、上方へ出射されることとなる。光導波路は上部クラッドの厚さをTocとする。また、座標原点は上部クラッド上の第1の斜面と溝との境界線とする。以上の座標設定に加え、本実施例においては、簡単のために、斜め溝中の樹脂屈折率は、導波路の屈折率と完全に整合しているものとする。
すなわち、光ビームの中心線の溝中の伝播角Φc=0であり、光ビームが第2の斜面で反射され、第1の斜面に到達した際には、反射も屈折もなく斜面を透過する。なお、樹脂屈折率と導波路屈折率が無視できない程度異なる場合には、第1の斜面における反射と屈折の効果を考慮する必要があるが、本発明の要点は同様であり、多少煩雑にはなるが特に困難な設計ではない。
さて、上述した設定を用いると、光線経路を表す各座標は以下の通り表記できる。まず、(x2,y2)については
Figure 2005070365
Figure 2005070365
であるので、
Figure 2005070365
Figure 2005070365
また、(x3,y3)については、
Figure 2005070365
である。
本発明における斜め溝の構造に関して、設計すべき重要なパラメータは、溝幅Wgapと斜め角θ0である。もちろん可能であれば、上部クラッド厚Toc、ビーム広がり角Φについても総合的に設計を行うのが望ましいが、これら光導波路自体のパラメータは、導波路の性能や製造工程をより重視して最適化するべきものであるため、上述したように、溝幅Wgapと斜め角θ0の設計のみで斜めミラー部の設計ができることが実用上好ましい。
本実施例1の構造及び工程を実現する上で必要となる条件は、(1)斜め溝中のミラーを形成すべき領域が、斜め溝の真上から見通せること、(2)ミラーで反射された光ビームが、斜め溝の開口部から出射されること、の2点である。(1)は蒸着等によりミラーを形成できるための条件であり、(2)は基板の上面で、金薄膜で覆われていない部分が斜め溝の上部開口だけであるために生じる条件である。
(1)の条件を数式で表すと、
Figure 2005070365
であり、(式3)を用いて、Wgapとθ0の満たすべき関係式として以下が得られる。
Figure 2005070365
つまり、(式7)の関係は、反射膜を設ける第2の傾斜面の領域が、光導波路に遮られることなく基板の垂直上方から見通せるように、溝の幅及び傾斜角が設定される関係を示したものである。
一方、(2)の条件を数式で表すと、
Figure 2005070365
である。不等式の左側部分(0<x3)から、(式3)、(式4)、(式5)を用いて、以下の関係式を得る。
Figure 2005070365
つまり、(式9)の関係は、コアから出射し、反射膜によって反射される光ビームが、溝の開口部から光導波路の上方へ出射されるように、溝の幅及び傾斜角が設定される関係を示したものである。
不等式の右側部分(x3<Wgap)に関しては、構造上自動的に満たされる。ただし、光ビームの広がり角と溝幅によっては、外部結合光導波路端から出射された光が、第2の斜面に反射されずに直接溝開口部から上方に出力される場合も含んでいる。一般の場合を考慮すると、そのような光線は溝開口部から出力されるとしても極端に浅い角度で出力されるため扱いにくいことも多い。そのような場合には、所望の光ビームがすべて第2の斜面で反射されるという、次式で表される付加的な条件をつけて設計すればよい。
Figure 2005070365
図7(a)〜(c)は、斜め溝の角度θ0を15°、30°、45°とした場合の溝幅Wgapと、ミラー面上の光ビーム反射位置x2c,x2u,x2lの関係、およびクラッド上面光ビーム出力位置x3c,x3u,x3lの関係の計算結果を示す図である。上部クラッド層厚Tocは20μmとし、斜め溝中の樹脂の屈折率は、導波路屈折率に完全に整合していると仮定した。また、取り出したい光ビームの広がり角範囲Φu〜Φl=6°〜−6°とした。
図7(a)〜(c)より、θ0が45°以下の小さい領域では、ミラー面の光ビーム反射位置は大きな変化はなく、溝幅は、概ね上部クラッドの厚さより若干大きい23μm程度以上に設定すれば、上述した条件(1)のミラー形成条件は満足できる。
一方、条件(2)の斜め溝の開口部から光ビームが出射する条件は、θ0=15°では、溝幅は最低でもWgap=68μm以上が必要である。θ0を大きくすることにより、より小さい溝幅から設定可能となり、θ0=30°、45°でそれぞれ溝幅の設計可能な範囲は、Wgap=30〜178μm、25〜170μmである。なお、上限の値は、上述した付加的な条件(式10)によって決定した。この範囲で、角度θ0、溝幅Wgapの加工のしやすさを加味して設計すればよい。本実施例1では、斜め角θ0=30°、溝幅Wgap=40μmとした。
上述したように、本発明により、現実的な構造および工程でミラー構造を形成できる。従来例と比較した本実施例1の利点は、第1に構造及び作製工程が極めて簡単なことであり、第2に面型PD等の実装構造や実装工程に熱的な制限が発生しない点である。第2の点に関しては、すでに述べた通り、図3に示した従来例では、反射膜を接着剤により溝中に固定するため、反射膜の上部が光素子と機械的に干渉して、実装構造を制約することになる。また接着剤が熱に弱いため、光素子の固定は低温の接着剤等によらざるを得ない。
これに対して、本実施例1では、反射膜は光導波路の斜面に直接被着形成しているため、構造上の干渉は生じない。さらに斜め溝中の樹脂は、単純に屈折率整合のみの目的であるので、充填するタイミングは適宜選べばよい。すなわち、面型PD34を上部に固定した後に樹脂37を充填しても何ら問題はない。例えば、図8に示すように、面型PD34を上部クラッド32b上に半田固定し、その後、面型PD34の樹脂封止と兼ねて、斜め溝33中にも封止樹脂36を充填することも可能であり、望ましい形態のひとつである。
さらに、本実施例1の利点の第3として、斜め溝を通過し、対向する光導波路に結合させたい透過光がある場合にも、透過損失及びその作製ばらつきや環境による特性変動も小さく抑えることができるという大きな利点もあるが、これについては後述する実施例3で説明する。
図9は、本発明の光導波路部品の実施例2を説明するための構成図、図10は、図9におけるB-B’線断面図で、図5と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。本実施例2の上述した実施例1と異なる点は、(1)ミラーによって上方に反射された光ビームの上部クラッド上面における出射位置が、斜め溝の開口部に限定されていない点と、(2)反射膜がパタン化されている点である。
本実施例2の利点は、光ビーム出射位置が、斜め溝33の開口部に限定されておらず、上部クラッド32bを透過して出射させることもできるため、斜め溝33の形状の設計自由度が格段に向上することにある。一般に斜め角が大きくなるほどダイシングソーによる溝加工は困難になるが、本実施例2では溝加工のしやすさに応じて斜め角を設定すればよい。
斜め溝33の形状設計に関しては、その他、個々の応用によって発生するクラッド上部に取り出した出射光ビームの広がりの条件及びクラッド上面による反射損失による条件があるが、これらに関しては実施例3で説明する。
なお、反射膜のパタン化は、例えば、以下のような複数の方法で可能である。
第1の方法は、ウエハ上でダイシングにより斜め溝を構成した後に、レジストを塗布・パタン化し、反射膜を蒸着またはスパッタにより被着させる。その後にレジストを剥離することによりリフトオフすれば、所望の反射膜パタンを得ることができる。このような方法は応用範囲が広く極めて有用である。反面、斜め溝の形成はダイシングソーによるため位置精度に問題があること、および段差部へのフォトリソグラフィーとなるため、図10のように、傾斜面のみに精度よくパタンを形成するには、相当の注意が必要である。
第2の方法は、ウエハ上面をレジストやテープなどの保護層で覆い、その後、ダイシングソーにより保護層ごと斜め溝を形成する。次いで、反射膜を被着形成し、最後に保護層を除去するものである。このような方法は、高精度のダイシングは必要なく、斜面の所望の領域にのみ反射膜パタンを形成することができるという利点がある。
図11は、本発明の光導波路部品の実施例3を説明するための構成図、図12は、図11におけるC−C’線断面図で、図10と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
本実施例3では、上述した実施例1及び2よりも、より一般的な応用形態の例を示すものであり、実施例1及び2と異なる特徴は、斜め溝33が複数の光導波路32を横切って形成され、かつ、光導波路32は反射ポートと透過ポートが混在している点である。したがって、斜め溝33中の反射ミラー35は必要な部位にのみ形成されている。また、反射ポートのミラー周辺部における反射膜35aのパタン形状も実施例2とは異なることが特徴であり、本実施例3では斜め溝33中の傾斜面のみではなく、上部クラッド32bの上面の斜め溝33の開口部の周辺にも反射膜35aを設けた反射膜パタンが形成されている。さらに、本実施例3では上部クラッド上に面型PD34の電気配線パタンも形成してある。
このような反射膜のパタン化は、フォトリソグラフィーを用いることにより実現できる。ただし、上述したように、ダイシングソーによる高精度な溝形成、およびフォトリソグラフィーによる溝中および溝のごく近傍への高精度なパタン化は容易ではないため、本実施例3では、図12のミラー部断面形状に示すように、溝近傍のクラッド上部にも反射膜35aが残るような構造を採用した。
このようなパタンであれば、斜め溝33の幅や位置がわずかにずれたとしても、ずれ分を考慮して必要なミラー部よりも十分大きな開口パタンを設計しておけば、必要なミラー面を欠損することなく形成することができる。また、段差部のごく近傍を除けば、レジスト膜厚のゆらぎは小さいことから、段差部の影響なく高精度なフォトリソグラフィーを行うことができる。なお、パタン化の精度が問題になるのは、斜め溝33に対して垂直方向である。これは斜め溝の幅や位置のゆらぎがこの方向に発生することと、ミラー形成領域が断面方向には数〜20μm程度と微小であるためである。
一方、溝と平行方向の精度はほとんど問題にならないことが多い。すなわち、この方向は溝形成の精度によらないし、透過ポートと反射ポートとの境界を高精度に設定する必要性も少ない。透過ポートと反射ポートとの境界線は、溝中のパタン化になるため5μm精度のパタン化は難しいが、ポート間隔は50〜数100μmの場合が多く、十分な余裕があるため問題にはならない。
なお、以上のようなパタン化が可能になったのは、本発明により同一方向に傾斜し、かつ角度と幅とを適宜に設計した斜め溝を用いたことによる効果でもある。すなわち、図2のようなV字溝ではかならず溝中に高精度なパタンを形成する必要があるのに対し、実施例1に述べた通り、本発明を用いれば溝中の反射膜パタンは自動的に形成されるのであり、反射膜のパタン化の精度によらない。
また、本実施例3では、反射膜として金薄膜を用いており、上部クラッド上の面型PD用電気配線パタンとミラーとは、一回のフォトリソグラフィーと一回の金薄膜の蒸着工程で同時に形成できる。したがって、特段工程数の増加も生じない。
次に、本実施例3における溝形状の設計について説明する。
反射ポートに関しては、実施例2と同様に、斜め溝の開口部から光ビームを出射させる条件(式9)は不要であり、上部クラッドを透過して光ビームを出力すれば良い。したがって、溝開口上部から反射点を見通せる条件(式7)に加えて、出力光ビームの広がりが所望の値になるように設計すればよい。まず、最低限の条件としては、必要な光ビームがすべて上方に反射されることが必要である。これは、
Figure 2005070365
で表されるが、光導波路の広がり角が数度程度の小さい場合には緩い条件である。通常は出力光ビームの広がりをある程度以下に抑えることが必要であり、本実施例3では、上方に設置したPDの受光径よりも光ビームの広がりが十分小さくなるように設計する。この条件は、PDの受光径をDとすると、次式で表される。
x3u-x3l≦D ・・・ (式12)
さらに、本実施例3においては、上部クラッドの上面の斜め溝開口部周辺に反射膜がパタン化されており、この部位から光ビームを出力させることができないため、光ビームが反射膜パタンにかからないという条件が付加される。図12中に示すように、上部クラッド上面の溝境界から第1の斜面側にある反射膜パタンの幅をWmaskとすると、上記の条件は、
Figure 2005070365
で表される。(式3)、(式4)、(式5)を用いると、以下の条件式を得る。
Figure 2005070365
以上に加えて、本実施例3では透過ポートが存在するため、透過ポートの損失が十分小さくなることも考慮する必要がある。
透過ポートの損失を小さくするためには、溝幅を小さくすることが必要である。なお、ブレードの強度の問題から、一般に溝深さが大きいほど溝幅を狭くすることは難しいが、本発明では、溝深さはクラッド上面から光ビームの反射点までの数10μm程度で十分である。したがって、10μm程度の極めて狭い溝も可能である。なお、図3に示した従来例では、反射膜を十分に差し込んで固定するために数100μmの溝深さが必要となり、比較すると、本発明の利点は顕著である。
図13(a)〜(c)は、実施例1と同様の計算を行った結果を示す図である。ただし、ここでは、溝幅Wgap=10、20、30μmに対して、斜め角θ0とミラー面の光ビーム反射位置x2c,x2u,x2l、光ビーム出射位置x3c,x3u,x3lとの関係を計算した。
光ビーム反射点が斜め溝の開口上部から見通し内にあるというミラー形成条件は、ある溝幅に対して斜め角の上限を与える。図13(a)〜(c)より、溝幅Wgap=10、20、30μmに対して、斜め角上限値はそれぞれθ0=25、42、52である。本実施例3では、上部クラッド上面の反射パタンにかからずに出力されるという出射条件(式14)がより厳しく、実質的に斜め角上限を決める。図13(a)〜(c)より、Wgap=10、20、30μmに対して、θ0の上限はそれぞれ約15°、10°、7°となる。一方、出射光ビームの広がりが面型PDの受光径内にあるという条件は、斜め角θ0の下限を決める。図13(a)〜(c)より、溝幅Wgap=10、20、30μmに対して、斜め角下限値は大きな差異はなく、面型PDの受光径を50μm、100μmとすると、おおよそθ0=7°、10°程度となる。
なお、光ビームが少なくとも上方に出射される条件(式11)は、広がり角が小さいためθ0>3°と緩い。以上の範囲で設計を行えばよい。溝幅を小さくするほど出力ビーム径を小さくする設計が可能であり、本実施例3では、溝幅は20μm、斜め角を8°とし、100μm受光径の面型PDで受光することとした。出力ビーム径が50μm程度であるので、十分な作製トレランスをもって受光できる。なお、10〜15°以下の角度であれば、市販の斜め角調整機構付きダイシング装置をそのまま用いることができるため、製造上好都合である。
次に、透過ポートに関して検討を行う。
図14は、図11のD−D’で切った透過ポートの断面図である。斜め溝中は光導波路と概ね屈折率を整合させた樹脂が充填されているため、光ビームはほとんど屈折なく直進して対向する光導波路に結合する。しかしながら、現実には樹脂の屈折率を完全に光導波路に一致させることは容易ではないし、また、一般に温度等の環境条件によって樹脂の屈折率が変動する問題がある。図15(a),(b)は、そのような樹脂の屈折率が光導波路と整合していない場合の溝中を伝播する光ビームの光路を示したものであり、図15(a)は第2の従来例に示したV字溝の場合、図15(b)は、本発明の場合である。図15(a)より明らかなように、V字溝の場合には溝中の樹脂の屈折率不整合によって、両側光導波路の光軸間に位置ずれx0に加えて、角度ずれ2ρが生じるのに対して、本発明の場合には位置ずれx0のみであって角度ずれは生じない。したがって、本発明を用いることにより、V字溝よりも透過損失を小さくすることが可能である。また、樹脂の屈折率が環境温度によって変動する場合には、V字溝の場合には大きな損失変動が発生するのに対して、本発明ではこれを小さく抑えることができる。
さらに顕著な特徴は、V字溝の場合には透過損失に原理的な限界が発生するのに対して、本発明はそのような限界がないことである。すなわち、一般に溝幅を大きくすると透過損失は増大するが、このような溝幅の制約は、単純には、光のビーム径を大きくすることによって緩和することができ、長い距離を自由伝播させても低損失で結合させることができる。すなわち、光導波路の径を大きくしたり、溝の入出射部にコリメータ機能を付加すれば良い。さらにこのようにビーム径を大きくすればするほど、位置ずれx0の許容範囲も増大するため、(b)に示す本発明の場合には、光ビーム径を大きくすることによって、幅広の溝も可能になり、また樹脂の屈折率の不整合があっても損失の増加を小さく抑える設計が可能である。
一方、光ビーム径を大きくすればするほど、角度ずれに対する損失増加が顕著に現れる。したがって、(a)のV字溝の場合には、光ビーム径を大きくして損失を下げようとすると、樹脂の屈折率不整合による角度ずれによって損失が増大してしまうため、実際には設計のトレードオフが発生し、原理的な限界があるのである。
以上のように、本発明の光導波路構造は、透過ポートの損失およびその変動を小さく抑えるためにも極めて有効である。
なお、上述した各実施例ではすべて、光導波路として石英系平面光回路を用い、また、光導波路の上部に面型PDを設置することとして説明を行ったが、これは単に説明を容易にするためのものであって、本発明はこれに限定するものではない。
例えば、光導波路としてはポリマーや、ニオブ酸リチウム、半導体材料でもよいし、光ファイバでも良い。ただし、斜め溝中の屈折率整合をする観点から言うと、樹脂材料の光透過性と屈折率の調整が容易である屈折率1.5程度以下の材料、すなわち、石英系またはポリマー材料が好適である。また、面型PDはベアチップではなくパッケージ品でも良いし、LD等の多種素子でも良い。さらにはレンズ等の構造物でも良いし、光導波路の上部は空間のままでも良い。
また、斜め溝中の傾斜面に形成する反射膜として、金薄膜を用いた全反射ミラーのみを例にとるが、これについても限定されるものではない。すなわち、本発明の反射膜とは、全反射ミラーのほか、ハーフミラーのように、光の一部を透過し一部を反射するものでも良いし、誘電体多層膜フィルタのように一部の波長のみを反射するものでも良い。これらのものは、実施例としては特に説明しないが、構造も工程も金薄膜ミラーと同様に形成可能である。
フォトダイオード等を光導波回路に実装する際に用いる反射ミラー構造を有する光導波路部品及びその作製方法に関し、極めて簡便に作製可能で、反射光の偏波依存ロスがなく、透過光ポートの損失及びその環境変動も小さい、面型PD等の表面実装に適用可能な光導波回路の反射ミラー構造を有する光導波路部品及びその作製方法を提供することができる。
機械加工による光路変換ミラーの構造を有する光導波路部品に係る第1の従来例を示す構成図である。 機械加工による光路変換ミラーの構造を有する光導波路部品に係る第2の従来例を示す構成図である。 機械加工による光路変換ミラーの構造を有する光導波路部品に係る第3の従来例を示す構成図である。 本発明の光導波路部品の実施例1を説明するための構成図である。 図4におけるA−A’線断面図である。 斜め溝をどのように設計するのかを説明するための図である。 (a)〜(c)は、本発明の実施例1の設計例を示す図である。 本発明の実施例1の他の樹脂充填構造を示す断面図である。 本発明の光導波路部品の実施例2を説明するための構成図である。 図9におけるB−B’線断面図である。 本発明の光導波路部品の実施例3を説明するための構成図である。 図11におけるC−C’線断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の実施例3の設計例を示す図である。 図11におけるD−D’線断面図である。 (a),(b)は、透過ポートの溝構造による比較を示す説明図である。
符号の説明
1,11,21 シリコン基板
2,12,22 光導波路
2a,12a,22a コア
2b,12b,22b クラッド
3,23 斜め溝
3a,23a 斜め溝を構成する第1の傾斜面
3b,23b 斜め溝を構成する第2の傾斜面
4,14,24 面型フォトダイオード(PD)
4a,14a,24a 受光面
13 V字溝
13a V字溝13を構成する第1の傾斜面
13b V字溝13を構成する第2の傾斜面
15 金属ミラー膜
16 樹脂
25 誘電体多層膜フィルタ
26 接着剤
31 シリコン基板
32 光導波路
32a コア
32b クラッド
33 斜め溝
33a 斜め溝33を構成する第1の傾斜面
33b 斜め溝33を構成する第2の傾斜面
34 面型フォトダイオード(PD)
34a 受光面
35 反射膜
35a 金薄膜
36,37 樹脂

Claims (10)

  1. 基板上に設けられ、コア及びクラッドから成る光導波路を備えた光導波路部品において、前記光導波路が、
    前記コアと交わり、前記基板の垂直方向に対して斜めに傾斜して略平行に対向してなる第1の傾斜面及び第2の傾斜面で構成されるとともに、開口部から前記基板方向に向けて前記コアよりも深く形成された溝と、
    前記開口部に向いた前記第2の傾斜面の少なくとも前記コアの領域に被着された反射膜とを備え、
    該反射膜が、前記コアからの出射光の少なくとも一部を前記クラッドの上方へ反射させるか、もしくは前記クラッドの上方からの入射光を前記コアに向けて反射させることを特徴とする光導波路部品。
  2. 前記光導波路が、石英系又はポリマー材料からなることを特徴とする請求項1に記載の光導波路部品。
  3. 前記反射膜を設ける前記第2の傾斜面の領域が、前記光導波路に遮られることなく前記基板の垂直上方から見通せるように、前記溝の幅及び傾斜角が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の光導波路部品。
  4. 前記コアから出射し、前記反射膜によって反射される光ビームが、前記溝の開口部から前記光導波路の上方へ出射されるように、前記溝の幅及び傾斜角が設定されていることを特徴とする請求項3に記載の光導波路部品。
  5. 前記溝中に、屈折率が前記光導波路とほぼ等しい樹脂が充填されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光導波路部品。
  6. 前記クラッドの上面に金薄膜が被着されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光導波路部品。
  7. 前記コアからの出射光が、前記溝の開口部に限定されることなく、前記クラッドを透過して出射させるように、前記溝の幅及び傾斜角が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の光導波路部品。
  8. 前記クラッドの上面で、かつ前記溝の開口部周辺に金薄膜が被着されていることを特徴とする請求項7に記載の光導波路部品。
  9. 基板上に設けられ、コア及びクラッドから成る光導波路を備えた光導波路部品の作製方法において、
    基板上に光導波路を形成する第1の工程と、
    前記光導波路に機械加工によって、前記コアと交わり、前記基板の垂直方向に対して斜めに傾斜して略平行に対向してなる第1の傾斜面及び第2の傾斜面とを有するとともに、開口部から前記基板方向に向けて前記コアよりも深く形成された溝を形成する第2の工程と、
    前記開口部に向いた前記第2の傾斜面の少なくとも前記コアの領域に、前記光導波路の上方から、蒸着又はスパッタリングによって反射膜を被着する第3の工程と
    を有することを特徴とする光導波路部品の作製方法。
  10. 前記溝中に、屈折率が前記光導波路とほぼ等しい樹脂を充填する第4の工程を備えたことを特徴とする請求項9に記載の光導波路部品の作製方法。
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