JP2005069745A - ステータの絶縁不良箇所特定方法及び絶縁不良箇所特定装置 - Google Patents

ステータの絶縁不良箇所特定方法及び絶縁不良箇所特定装置 Download PDF

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Yasumi Kawabata
康巳 川端
Shinji Kogure
真二 小暮
Norihiko Akao
憲彦 赤尾
Masayuki Nagao
雅行 長尾
Tadahiro Hozumi
直裕 穂積
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Abstract

【課題】 絶縁不良箇所が存在するステータ周方向位置を特定することが可能なステータの絶縁不良箇所特定方法及び絶縁不良箇所特定装置を提供する。
【解決手段】 本発明のステータの絶縁不良箇所特定方法は、例えば、ステータ鉄心60とU相巻線71、V相巻線72、及びW相巻線73とを有するステータ50について絶縁不良箇所を特定する場合、U相巻線71、V相巻線72、あるいはW相巻線73に所定の電圧を印加して、U相巻線71、V相巻線72、あるいはW相巻線73の絶縁不良箇所で部分放電を繰り返し発生させた状態で、部分放電により放射された電磁波を受信する移動アンテナ111b,111c,112b,112cをステータ50に対し相対的にその周方向に移動させる。そして、この移動アンテナ111b,111c,112b,112cによって検出された移動アンテナ信号に基づいて絶縁不良箇所を特定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ステータの絶縁不良箇所特定方法及び絶縁不良箇所特定装置に関する。
従来より、ステータの絶縁不良箇所特定方法及び絶縁不良箇所特定装置について、様々なものが提案されている。
特開平04−296673号公報 特開2001−74802号公報 特開2000−275310号公報
特許文献1は、回転電気(発電機あるいは電動機)の固定フレームの内壁面のうち巻線端部と対向する位置にループアンテナを固設し、使用に伴い絶縁劣化した箇所から生じる部分放電に基づく電磁波を検出して、絶縁劣化による異常を検出するものである。従って、特許文献1では、絶縁不良箇所を特定することまでは困難であった。
特許文献2は、回転電気のフレーム内部に部分放電センサを固設し、この部分放電センサで検出した信号を分岐して異なる2周波数帯域で同時に計測する。そして、計測した信号の2周波数強度相関に基づいて2周波強度比が一定範囲にある信号群に分離し、これを発生頻度別に分離して演算処理することで絶縁劣化による異常を検出するものである。すなわち、特許文献2は、回転電気の運転に伴うノイズに影響されることなく、絶縁劣化による異常を検出するものであり、やはり絶縁不良箇所を特定することまでは困難であった。
これに対し、特許文献3は、ステータコイル(巻線)に対し、一定の時間的割合で磁束を変化させつつ磁界を供給して、ステータコイル(巻線)に発生する起電力を測定し、この起電力の変化に基づいてステータコイル(巻線)の絶縁不良箇所を特定するものである。詳細には、磁束の時間的変化割合が一定であれば、ステータコイル(巻線)の巻数の違いにより起電力が異なるため、正常な他の部位に比してステータコイル(巻線)の巻数が低減している絶縁不良箇所では、起電力が小さくなると考えられる。従って、起電力が小さくなる位置を絶縁不良箇所と推定している。しかしながら、電磁誘導による起電力は不安定なものであるため、ステータコイル(巻線)の巻数の減少に伴う起電力の変化が小さい場合は、絶縁不良箇所を特定することが困難であった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、絶縁不良箇所が存在するステータ周方向位置(ステータをその周方向に見たときの絶縁不良箇所が存在する位置)を特定することが可能なステータの絶縁不良箇所特定方法及び絶縁不良箇所特定装置を提供することを目的とする。
その解決手段は、ステータ鉄心とこのステータ鉄心に対し巻かれた巻線とを有するステータにおける上記巻線の絶縁不良箇所を特定する方法であって、上記巻線に所定の電圧を印加して、上記巻線の絶縁不良箇所で部分放電を繰り返し発生させた状態で、上記部分放電により放射された電磁波を受信する少なくとも1つの移動アンテナを上記ステータに対し相対的にその周方向に移動させて、上記移動アンテナによって検出された移動アンテナ信号に基づいて上記絶縁不良箇所を特定するステータの絶縁不良箇所特定方法である。
本発明のステータの絶縁不良箇所特定方法では、まず、巻線に所定の電圧(ステータに絶縁不良箇所(絶縁が不十分な箇所)が存在していれば、その箇所から部分放電が生じる電圧)を印加する。その上で、少なくとも1つの移動アンテナを、ステータに対し相対的にその周方向に移動させて、移動アンテナによって検出された移動アンテナ信号に基づいて絶縁不良箇所を特定する。従って、本発明では、絶縁不良箇所が存在するステータ周方向位置(ステータをその周方向に見たときの絶縁不良箇所が存在する位置)を特定することが可能となる。
具体的には、例えば、巻線に所定の電圧(sin波などの定常電圧)あるいは所定の繰り返し周波数を有するインパルス電圧を印加して絶縁不良箇所において部分放電を繰り返し生じさせた状態で、移動アンテナをステータの周方向に移動させて各周方向位置で電磁波を受信し、各周方向位置において検出されたそれぞれの移動アンテナ信号の強度から絶縁不良箇所の周方向位置を特定する手法が挙げられる。この手法では、最も強い移動アンテナ信号が検出された位置(ステータ周方向位置)を、絶縁不良箇所が存在するステータ周方向位置と特定することができる。
あるいは、移動アンテナをステータの周方向に移動させ、ステータの周方向位置ごとに、インパルス電圧を印加してから移動アンテナ信号が検出されるまでの検出時間を計測しても良い。この手法では、検出時間が最も短い位置(ステータ周方向位置)を、絶縁不良箇所が存在するステータ周方向位置と特定することができる。さらに、移動アンテナ信号の強度と検出時間との両要素に基づいて特定するようにすれば、より正確に、絶縁不良箇所が存在するステータ周方向位置を特定することができる。
また、互いがステータの周方向に等間隔に配置された3以上の移動アンテナを用いて、それぞれの移動アンテナ信号の検出時間に基づいて絶縁不良箇所を特定するようにしても良い。具体的には、まず、3以上の移動アンテナを所定の周方向位置に配置させた状態で電圧を印加し、それぞれの移動アンテナ信号が検出されるまでの時間を計測する。次いで、最も早く移動アンテナ信号が検出された第1移動アンテナの周方向両隣りに位置する第2,第3移動アンテナの検出時間が等しくなる方向に、それぞれのアンテナを周方向に移動させる。そして、第2,第3移動アンテナの検出時間が等しくなったときの第1移動アンテナのステータ周方向位置を、絶縁不良箇所が存在するステータ周方向位置と特定することができる。
なお、上記手法では、検出時間に代えて、信号強度に基づいて絶縁不良箇所を特定するようにしても良い。具体的には、まず、3以上の移動アンテナを所定の周方向位置に配置させた状態で電圧を印加し、それぞれの移動アンテナ信号を検出する。次いで、信号強度が最も大きい第1移動アンテナの周方向両隣りに位置する第2,第3移動アンテナの信号強度が等しくなる方向に、それぞれのアンテナを周方向に移動させる。そして、第2,第3移動アンテナの信号強度が等しくなったときの第1移動アンテナのステータ周方向位置を、絶縁不良箇所が存在するステータ周方向位置と特定することができる。
なお、移動アンテナは、ステータの周方向に相対的に移動すれば良く、例えば、アンテナ自身をステータの周方向に移動させる場合が挙げられる。あるいは、アンテナを所定の位置に固定し、ステータを周方向に回転させるようにしても良い。あるいは、アンテナ自身をステータの周方向に移動させると共に、ステータも周方向に回転させるようにしても良い。
さらに、後述するように、この移動アンテナに加え、ステータに対する相対的位置が固定された固定アンテナを設け、この固定アンテナによって検出された固定アンテナ信号と移動アンテナ信号に基づいて絶縁不良箇所を特定するようにすると好ましい。
さらに、上記のステータの絶縁不良箇所特定方法であって、前記ステータに対する相対的位置が固定され、前記部分放電により放射された電磁波を受信する固定アンテナを設け、上記固定アンテナによって検出された固定アンテナ信号と前記移動アンテナによって検出された移動アンテナ信号とに基づいて、前記絶縁不良箇所が存在するステータの周方向位置を特定するステータの絶縁不良箇所特定方法とすると良い。
本発明では、移動アンテナに加え、ステータに対する相対的位置が固定された固定アンテナを設け、固定アンテナによって検出された固定アンテナ信号と移動アンテナによって検出された移動アンテナ信号とに基づいて、絶縁不良箇所が存在するステータの周方向位置を特定する。このため、移動アンテナのみで絶縁不良箇所を特定する場合に比して、精度良く、絶縁不良箇所が存在するステータの周方向位置を特定することが可能となる。
具体的には、例えば、移動アンテナ信号の強度と固定アンテナ信号の強度とを比較しつつ、移動アンテナをステータの周方向に移動する手法が挙げられる。あるいは、移動アンテナ信号及び固定アンテナ信号のうちいずれか一方が検出されてから他方が検出されるまでの経過時間(時間差)を算出しつつ、移動アンテナをステータの周方向に移動するようにしても良い。さらに、両アンテナ信号の強度比と経過時間(時間差)との2つの要素に基づいて判断するようにすれば、より正確に絶縁不良箇所が存在するステータ周方向位置を特定することができる。
さらに、上記のステータの絶縁不良箇所特定方法であって、前記移動アンテナ信号の強度と前記固定アンテナ信号の強度との比に基づいて、前記絶縁不良箇所が存在するステータの周方向位置を特定するステータの絶縁不良箇所特定方法とすると良い。
本発明では、移動アンテナ信号の強度と固定アンテナ信号の強度との比に基づいて、絶縁不良箇所が存在するステータの周方向位置を特定する。このため、絶縁不良箇所で生じる部分放電強さが、固定アンテナ信号とステータの各周方向位置において検出した移動アンテナ信号との組ごとに変化している場合でも、これに影響されることなく、正確に絶縁不良箇所が存在するステータ周方向位置を特定することができる。
本発明の絶縁不良箇所特定方法としては、例えば、固定アンテナ信号の強度に対する移動アンテナ信号の強度の比を、固定アンテナ信号とステータの各周方向位置において検出した移動アンテナ信号との組ごとに、それぞれ算出する手法が挙げられる。この手法では、強度比が最も大きくなる移動アンテナのステータ周方向位置を、絶縁不良箇所が存在するステータ周方向位置と特定することができる。
あるいは、前記のステータの絶縁不良箇所特定方法であって、前記移動アンテナ信号及び前記固定アンテナ信号のうちいずれか一方が検出されてから他方が検出されるまでの経過時間に基づいて、前記絶縁不良箇所が存在するステータの周方向位置を特定するステータの絶縁不良箇所特定方法とすると良い。
本発明では、移動アンテナ信号及び固定アンテナ信号のうちいずれか一方が検出されてから他方が検出されるまでの経過時間に基づいて、絶縁不良箇所が存在するステータの周方向位置を特定する。このように、経過時間(時間差)を測定する手法は、処理が容易となる。本発明の絶縁不良箇所特定方法としては、例えば、固定アンテナ信号が検出されてから移動アンテナ信号が検出されるまでの経過時間を、固定アンテナ信号とステータの各周方向位置において検出した移動アンテナ信号との組ごとに、それぞれ算出する手法が挙げられる。この手法では、経過時間(時間差)が最も長くなる移動アンテナのステータ周方向位置を、絶縁不良箇所が存在するステータ周方向位置と特定することができる。
あるいは、前記のステータの絶縁不良箇所特定方法であって、前記移動アンテナ信号の強度と前記固定アンテナ信号の強度との比、及び上記移動アンテナ信号及び上記固定アンテナ信号のうちいずれか一方が検出されてから他方が検出されるまでの経過時間に基づいて、前記絶縁不良箇所が存在するステータの周方向位置を特定するステータの絶縁不良箇所特定方法とすると良い。
本発明では、移動アンテナ信号と固定アンテナ信号との強度比及び一方の信号が検出されてから他方の信号が検出されるまでの経過時間(時間差)の2つの要素に基づいて、絶縁不良箇所が存在するステータの周方向位置を特定する。このため、移動アンテナ信号と固定アンテナ信号との強度比及び検出時間差のいずれか一方のみに基づいて判断する場合に比して、精度良く、絶縁不良箇所を特定することができる。
本発明の絶縁不良箇所特定方法としては、例えば、次のような手法が挙げられる。まず、固定アンテナ信号の強度に対する移動アンテナ信号の強度の比を、固定アンテナ信号とステータの各周方向位置において検出した移動アンテナ信号との組ごとにそれぞれ算出し、強度比が最も大きくなる移動アンテナのステータ周方向位置を、絶縁不良箇所が存在するステータ周方向位置と特定する。一方、固定アンテナ信号が検出されてから移動アンテナ信号が検出されるまでの経過時間を、固定アンテナ信号とステータの各周方向位置において検出した移動アンテナ信号との組ごとにそれぞれ算出し、経過時間(時間差)が最も長くなる移動アンテナのステータ周方向位置を、絶縁不良箇所が存在するステータ周方向位置と特定する。そして、これらを総合的に判断することにより、精度良く、絶縁不良箇所が存在するステータ周方向位置を特定することができる。
さらに、上記いずれかのステータの絶縁不良箇所特定方法であって、前記ステータ鉄心は、所定数のスロットを有し、前記移動アンテナは、上記ステータ鉄心の全周を上記所定数で分割した等角度ごとに前記電磁波を受信するステータの絶縁不良箇所特定方法とすると良い。
本発明では、移動アンテナが、ステータ鉄心の全周を所定のスロット数で分割した等角度ごとに電磁波を受信する。従って、等間隔でステータの全周に亘って検出されたスロット数と同数の移動アンテナ信号に基づいて、絶縁不良箇所を特定することができる。このように、本発明では、等間隔でステータの全周に亘って検出されたスロット数と同数の移動アンテナ信号を基に判断できるので、絶縁不良箇所の位置精度が良好となる。これにより、絶縁不良を無くすために改善すべき製造工程を絞り込むことが可能となり、迅速に製造工程を改善することが可能となる。あるいは、迅速に絶縁不良箇所を修繕することも可能となる。
なお、本発明の移動アンテナによる受信位置としては、例えば、ステータ鉄心の軸線を含み、この軸線から放射状に延びて各スロットを通過する仮想平面を想定したとき、それぞれの仮想平面上の位置(以下、スロット位置とも言う)が挙げられる。あるいは、ステータ鉄心の軸線を含み、この軸線から放射状に延びて各スロットを通過する仮想平面を想定したとき、それぞれの仮想平面上の位置(以下、ティース位置とも言う)ごとに受信するようにしても良い。このように、各スロット位置や各ティース位置で移動アンテナ信号を検出すれば、絶縁不良箇所が存在するスロットやティース、あるいは絶縁不良箇所に最も近いスロットやティースを特定することができる。すなわち、1スロットあるいは1ティースごとの細かな位置精度で、絶縁不良箇所を特定することが可能となる。
さらに、上記いずれかのステータの絶縁不良箇所特定方法であって、前記ステータ鉄心は、表面と裏面とを有する円環状であり、前記移動アンテナは、前記巻線によって形成されたコイルのうち上記ステータ鉄心の上記表面あるいは上記裏面から突出するコイルエンドよりも上記ステータ鉄心の径方向内側に位置する内側移動アンテナと上記コイルエンドよりも上記ステータ鉄心の径方向外側に位置する外側移動アンテナとを含み、上記内側移動アンテナと上記外側移動アンテナとを前記ステータに対し相対的にその周方向に移動させて、上記内側移動アンテナによって検出された内側移動アンテナ信号と上記外側移動アンテナによって検出された外側移動アンテナ信号とに基づいて上記絶縁不良箇所を特定するステータの絶縁不良箇所特定方法とすると良い。
本発明では、コイルエンドよりもステータ鉄心の径方向内側に位置する内側移動アンテナとコイルエンドよりもステータ鉄心の径方向外側に位置する外側移動アンテナとをステータに対し相対的にその周方向に移動させ、内側移動アンテナ信号及び外側移動アンテナ信号を検出する。このため、絶縁不良箇所が存在するステータ周方向位置に加えて、径方向内側及び径方向外側のいずれに存在するかまで特定することができ、さらに細かな位置精度で絶縁不良箇所を特定することが可能となる。
さらに、上記いずれかのステータの絶縁不良箇所特定方法であって、前記移動アンテナは、上記ステータ鉄心の板厚方向中心位置よりも上記表面側に位置する表面側移動アンテナと上記板厚方向中心位置よりも上記裏面側に位置する裏面側移動アンテナとを含み、上記表面側移動アンテナと上記裏面側移動アンテナとを前記ステータに対し相対的にその周方向に移動させて、上記表面側移動アンテナによって検出された表面側移動アンテナ信号と上記裏面側移動アンテナによって検出された裏面側移動アンテナ信号とに基づいて上記絶縁不良箇所を特定するステータの絶縁不良箇所特定方法とすると良い。
本発明では、ステータ鉄心の板厚方向中心位置よりも表面側に位置する表面側移動アンテナと板厚方向中心位置よりも裏面側に位置する裏面側移動アンテナとをステータに対し相対的にその周方向に移動させ、表面側移動アンテナ信号及び裏面側移動アンテナ信号を検出する。このため、絶縁不良箇所が存在するステータ周方向位置に加えて、表面側及び裏面側のいずれに存在するかまで特定することができ、さらに細かな位置精度で絶縁不良箇所を特定することが可能となる。
他の解決手段は、ステータ鉄心とこのステータ鉄心に対し巻かれた巻線とを有するステータにおける上記巻線の絶縁不良箇所を特定する絶縁不良箇所特定装置であって、上記巻線に所定の電圧を印加して、上記巻線の絶縁不良箇所で繰り返し生じさせた部分放電により放射された電磁波を受信する少なくとも1つの移動アンテナと、上記移動アンテナを、上記ステータに対し相対的にその周方向に移動させるアンテナ移動装置と、を有する絶縁不良箇所特定装置である。
本発明の絶縁不良箇所特定装置は、巻線の絶縁不良箇所で生じる部分放電により放射された電磁波を受信する少なくとも1つの移動アンテナを有している。さらに、この移動アンテナを、ステータに対し相対的にその周方向に移動させるアンテナ移動装置を有している。従って、移動アンテナによって検出された移動アンテナ信号に基づいて、絶縁不良箇所が存在するステータ周方向位置(ステータをその周方向に見たときの絶縁不良箇所が存在する位置)を特定することが可能となる。
なお、アンテナ移動装置は、移動アンテナをステータに対し相対的にその周方向に移動させれば良く、例えば、アンテナ自身をステータの周方向に移動させる装置が挙げられる。あるいは、アンテナを所定の位置に固定し、ステータを周方向に回転させるようにしても良い。あるいは、アンテナ自身をステータの周方向に移動させると共に、ステータも周方向に回転させるようにしても良い。
さらに、上記の絶縁不良箇所特定装置であって、前記ステータに対する相対的位置が固定され、前記部分放電により放射された電磁波を受信する固定アンテナを有する絶縁不良箇所特定装置とすると良い。
本発明の絶縁不良箇所特定装置は、移動アンテナに加え、ステータに対する相対的位置が固定され、部分放電により放射された電磁波を受信する固定アンテナを有している。従って、固定アンテナによって検出された固定アンテナ信号と移動アンテナによって検出された移動アンテナ信号とに基づいて、絶縁不良箇所が存在するステータの周方向位置を特定することが可能となる。このため、移動アンテナのみで絶縁不良箇所を特定する装置に比して、精度良く、絶縁不良箇所が存在するステータの周方向位置を特定することが可能となる。
さらに、上記いずれかの絶縁不良箇所特定装置であって、前記ステータ鉄心は、所定数のスロットを有し、前記アンテナ移動装置は、上記ステータ鉄心の全周を上記所定数で分割した等角度ごとに、前記移動アンテナを移動させる絶縁不良箇所特定装置とすると良い。
本発明の絶縁不良箇所特定装置では、移動アンテナが、ステータ鉄心の全周を所定のスロット数で分割した等角度ごとに移動する。従って、移動アンテナは、ステータ鉄心の全周を所定のスロット数で分割した等角度ごとに、部分放電により放射された電磁波を受信することができる。このため、等間隔でステータの全周に亘って検出されたスロット数と同数の移動アンテナ信号に基づいて、絶縁不良箇所を特定することが可能となり、ひいては、絶縁不良箇所の位置精度が良好となる。これにより、絶縁不良を無くすために改善すべき製造工程を絞り込むことが可能となり、迅速に製造工程を改善することが可能となる。あるいは、迅速に絶縁不良箇所を修繕することも可能となる。
なお、本発明の絶縁不良箇所特定装置における移動アンテナの動きとしては、例えば、各スロット位置(ステータ鉄心の軸線を含み、この軸線から放射状に延びて各スロットを通過する仮想平面を想定したとき、それぞれの仮想平面上の位置)ごとに、ステータの周方向に移動する場合が挙げられる。あるいは、各ティース位置(ステータ鉄心の軸線を含み、この軸線から放射状に延びて各ティースを通過する仮想平面を想定したとき、それぞれの仮想平面上の位置)ごとに、ステータの周方向に移動させるようにしても良い。このように、各スロット位置あるいは各ティース位置ごとに移動アンテナを移動させれば、各スロット位置あるいは各ティース位置ごとに移動アンテナ信号を検出することができ、絶縁不良箇所が存在するスロットやティース、あるいは絶縁不良箇所に最も近いスロットやティースを特定することが可能となる。すなわち、1スロットあるいは1ティースごとの細かな位置精度で、絶縁不良箇所を特定することが可能となる。
さらに、上記いずれかの絶縁不良箇所特定装置であって、前記ステータ鉄心は、表面と裏面とを有する円環状であり、前記移動アンテナは、前記巻線によって形成されたコイルのうち上記ステータ鉄心の上記表面あるいは上記裏面から突出するコイルエンドよりも上記ステータ鉄心の径方向内側に位置する内側移動アンテナと、上記コイルエンドよりも上記ステータ鉄心の径方向外側に位置する外側移動アンテナと、を含む絶縁不良箇所特定装置とすると良い。
本発明の絶縁不良箇所特定装置は、ステータ鉄心の板厚方向中心位置よりも表面側に位置する表面側移動アンテナと板厚方向中心位置よりも裏面側に位置する裏面側移動アンテナとを有している。従って、外側移動アンテナからの外側移動アンテナ信号と内側移動アンテナからの内側移動アンテナ信号とを検出することができ、この外側移動アンテナ信号と内側移動アンテナ信号とに基づいて、絶縁不良箇所を特定することが可能となる。このため、絶縁不良箇所が存在するステータ周方向位置に加え、内側及び外側のいずれに存在するかまで特定することができ、さらに細かな位置精度で絶縁不良箇所を特定することが可能となる。
さらに、上記いずれかの絶縁不良箇所特定装置であって、前記移動アンテナは、上記ステータ鉄心の板厚方向中心位置よりも上記表面側に位置する表面側移動アンテナと、上記板厚方向中心位置よりも上記裏面側に位置する裏面側移動アンテナと、を含む絶縁不良箇所特定装置とすると良い。
本発明の絶縁不良箇所特定装置は、ステータ鉄心の板厚方向中心位置よりも表面側に位置する表面側移動アンテナと板厚方向中心位置よりも裏面側に位置する裏面側移動アンテナとを有している。従って、表面側移動アンテナからの表面側移動アンテナ信号と裏面側移動アンテナからの裏面側移動アンテナ信号とを検出することができ、この表面側移動アンテナ信号と裏面側移動アンテナ信号とに基づいて、絶縁不良箇所を特定することが可能となる。このため、絶縁不良箇所が存在するステータ周方向位置に加え、表面側及び裏面側のいずれに存在するかまで特定することができ、さらに細かな位置精度で絶縁不良箇所を特定することが可能となる。
次に、本発明の実施例について、図面を参照しつつ説明する。
まず、実施例1でサンプルとして用いるステータ50の構成について説明する。ステータ50は、図1に示すように、ステータ鉄心60とコイル70とを有している。このうち、ステータ鉄心60は、図2(b)に示すように、円環状で、48個のティース61及びスロット1〜48を有している。コイル70は、U相,V相,W相の各相ごとに、U相巻線71,V相巻線72,W相巻線73を所定のスロット1〜48に挿入し、ティース61に分布巻きによって巻き付けて形成してなる。U相巻線71,V相巻線72,W相巻線73は、それぞれ一端にU相端子71b,V相端子72b,W相端子73bを有している。
次いで、実施例1の絶縁不良箇所特定装置100について説明する。絶縁不良箇所特定装置100は、図1に示すように、4本の移動アンテナ111b,111c,112b,112c、2本の固定アンテナ121b,121c、アンテナ移動装置130b,130c、及び金属製のスロット載置台140を有している。アンテナ移動装置130b,130cは、それぞれ、ステッピングモータ131b,131c、このステッピングモータ131b,131cに連結された減速機133b,133c、及びこの減速機133b,133cに連結された移動アンテナホルダ135b,135cを有している。このようなアンテナ移動装置130b,130cは、移動アンテナホルダ135b,135cの回転軸が一致するように、スロット載置台140を挟んで対向する位置に配置されている。
移動アンテナ111b,112bは、移動アンテナホルダ135bに装着されており、スロット載置台140上にステータ50を載置したとき、ステータ鉄心60の板厚方向中心位置Dよりもステータ鉄心60の表面60b側に位置するように配置されている。このうち、移動アンテナ111bは、コイル70のうちステータ鉄心60の表面60bから突出する表面側コイルエンド70bよりもステータ鉄心60の径方向内側に位置する。一方、移動アンテナ112bは、表面側コイルエンド70bよりもステータ鉄心60の径方向外側に位置する。なお、ステータ50は、その軸線Cが移動アンテナホルダ135b,135cの回転軸と一致するようにスロット載置台140上に載置される。これにより、ステータ鉄心60とスロット載置台140とが電気的に導通する。
これに対し、移動アンテナ111c,112cは、移動アンテナホルダ135cに装着されており、スロット載置台140上にステータ50を載置したとき、ステータ鉄心60の板厚方向中心位置Dよりもステータ鉄心60の裏面60c側に位置する。このうち、移動アンテナ111cは、コイル70のうちステータ鉄心60の裏面60cから突出する裏面側コイルエンド70cよりもステータ鉄心60の径方向内側に位置する。一方、移動アンテナ112cは、裏面側コイルエンド70cよりもステータ鉄心60の径方向外側に位置する。なお、本実施例1では、移動アンテナ111b,111cが内側移動アンテナ、移動アンテナ112b,112cが外側移動アンテナに相当し、さらに、移動アンテナ111b,112bが表面側移動アンテナ、移動アンテナ111c,112cが裏面側移動アンテナに相当する。
固定アンテナ121b,121cは、互いの位置が軸線C方向に一致するように固設されている。このうち、固定アンテナ121bは、表面側コイルエンド70bよりもステータ鉄心60の径方向外側で、且つステータ鉄心60の板厚方向中心位置Dよりもステータ鉄心60の表面60b側に位置するように配置されている。一方、固定アンテナ121cは、裏面側コイルエンド70cよりもステータ鉄心60の径方向外側で、且つステータ鉄心60の板厚方向中心位置Dよりもステータ鉄心60の裏面60c側に位置するように配置されている。
このような絶縁不良箇所特定装置100では、ステッピングモータ131bを駆動させることで、移動アンテナ111b,112bが一体となって、ステータ鉄心60の全周をスロット数と同数の48分割した等角度ごとに、ステータ50の周方向に移動する。詳細には、図2(a)に示すように、軸線Cを含み、この軸線Cから放射状に延びて各スロット1〜48を通過する仮想平面K1〜K48を想定したとき、移動アンテナ111b,112bは、それぞれの仮想平面K1〜K48上の位置(以下、スロット1〜48の位置とも言う)ごとに移動する。なお、図2(a)は、移動アンテナ111b,112bが、仮想平面K13上のステータ50の周方向位置(スロット13の位置)に位置しているときの様子を示している。
さらに、ステッピングモータ131cを駆動させることで、移動アンテナ111c,112cが一体となって、移動アンテナ111b,112bと同様にステータ50の周方向に移動する。なお、絶縁不良箇所特定装置100では、移動アンテナ111bと移動アンテナ111cとは、互いの位置を軸線C方向に一致させつつ、ステータ50の周方向に移動する。同様に、移動アンテナ112bと移動アンテナ112cとは、互いの位置を軸線C方向に一致させつつ、ステータ50の周方向に移動する。
なお、本実施例1では、図1に示すように、電源82によってU相巻線71,V相巻線72,W相巻線73のそれぞれに所定の電圧を印加することで、絶縁不良箇所において部分放電を繰り返し発生させることができる。具体的には、例えば、U相巻線71とステータ鉄心60との間の絶縁不良箇所を調査する場合は、図1に示すように、U相端子71b,V相端子72b,W相端子73bを連結する中性点を接続しない状態で、U相巻線71のU相端子71bと電源82の+端子82bとを導線85bによって接続し、スロット載置台140と電源82の−端子82cとを導線85cによって接続する。この状態で、電源82によって所定の定常波電圧(例えば、Sin波)を印加すれば、U相巻線71の絶縁不良箇所において部分放電を繰り返し発生させることができる。従って、後に詳述するが、移動アンテナ111b,111c,112b,112c、及び固定アンテナ121b,121cによって、部分放電により放射される電磁波を受信することができ、受信したアンテナ信号に基づいて絶縁不良箇所を特定することが可能となる。
また、V相巻線72とステータ鉄心60との間、あるいは、W相巻線73とステータ鉄心60との間の絶縁不良箇所を調査する場合は、U相端子71b,V相端子72b,W相端子73bを連結する中性点を接続しない状態で、V相端子72bあるいはW相端子73bと電源82の+端子82bとを導線85bによって接続し、スロット載置台140と電源82の−端子82cとを導線85cによって接続する。この状態で、電源82によって所定の定常波電圧(例えば、Sin波)を印加すれば、V相巻線72あるいはW相巻線73の絶縁不良箇所において部分放電を繰り返し発生させることができる。
また、U相巻線71,V相巻線72,W相巻線73のいずれかの相間で生じている絶縁不良箇所を調査する場合にも、電源82を用いて、絶縁不良箇所において部分放電を繰り返し発生させることができる。例えば、U相巻線71とV相巻線72との間の絶縁不良箇所を調査する場合には、U相端子71b,V相端子72b,W相端子73bを連結する中性点を接続しない状態で、U相端子71bと電源82の+端子82bとを導線85bによって接続し、V相端子72bと電源82の−端子82cとを導線85cによって接続する。この状態で、電源82によって所定の定常波電圧(例えば、Sin波)を印加すれば、U相巻線71とV相巻線72との間の絶縁不良箇所において部分放電を繰り返し発生させることができる。
さらに、U相巻線71,V相巻線72,W相巻線73のいずれかの相内で生じている絶縁不良箇所を調査する場合にも、電源82を用いて、絶縁不良箇所において部分放電を繰り返し発生させることができる。例えば、U相巻線71内の絶縁不良箇所を調査する場合には、U相端子71b,V相端子72b,W相端子73bを連結する中性点を接続した状態で、V相端子72bと電源82の+端子82bとを導線85bによって接続し、U相端子71bと電源82の−端子82cとを導線85cによって接続する。この状態で、電源82によって所定のインパルス電圧を繰り返し印加すれば、U相巻線71内の絶縁不良箇所において部分放電を繰り返し発生させることができる。
固定アンテナ121b,121cからは、それぞれ導線155,156が導出されており、この導線155,156は、それぞれ固定アンテナスイッチ88の端子88b,88cに接続されている。さらに、固定アンテナスイッチ88の端子88dとストレージオシロスコープ81の第1チャンネル81bとは、導線91によって電気的に接続されている。これにより、固定アンテナスイッチ88によって固定アンテナ121b,121cとストレージオシロスコープ81の第1チャンネル81bとの接続を切替えることができる。従って、部分放電により放射される電磁波に基づいて固定アンテナ121b,121cから送信されるそれぞれの固定アンテナ信号を、ストレージオシロスコープ81によって検出することが可能となる(図3(a)参照)。
同様に、移動アンテナ111b,111c,112b,112cからは、それぞれ導線151,152,153,154が導出されており、この導線151,152,153,154は、それぞれ移動アンテナスイッチ87の端子87b,87c,87d,87eに接続されている。さらに、移動アンテナスイッチ87の端子87fとストレージオシロスコープ81の第2チャンネル81cとは、導線92によって電気的に接続されている。このため、移動アンテナスイッチ87によって移動アンテナ111b,111c,112b,112cとストレージオシロスコープ81の第2チャンネル81cとの接続を切替えることができる。従って、部分放電により放射される電磁波に基づいて移動アンテナ111b,111c,112b,112cから送信されるそれぞれの移動アンテナ信号を、ストレージオシロスコープ81によって検出することが可能となる(図3(b)参照)。
さらに、本実施例1では、ストレージオシロスコープ81が図示しないコンピュータに接続されており、検出された固定アンテナ信号及び移動アンテナ信号に基づいて、このコンピュータによって部分放電位置(絶縁不良箇所)を特定することができる。具体的には、例えば、移動アンテナ111b,111c,112b,112cによってスロット1〜48の位置でそれぞれ検出した移動アンテナ信号と、これらの移動アンテナ信号と共に固定アンテナ121b,121cによって検出された固定アンテナ信号との組ごとに、それぞれ固定アンテナ信号の強度に対する移動アンテナ信号の強度の比を算出する手法が挙げられる。この手法では、強度比が最も大きくなる移動アンテナのスロット位置を、絶縁不良箇所が存在するスロット位置と特定することができる。
なお、前述のように、本実施例1では、移動アンテナ111b,112b,111c,112cは、それぞれ、表面側コイルエンド70bの径方向内側,径方向外側、裏面側コイルエンド70cの径方向内側,径方向外側に配置されている。このため、本実施例1では、絶縁不良箇所が存在するスロット位置に加え、径方向内側及び径方向外側のいずれに存在するか、さらに、表面側及び裏面側のいずれに存在するかまで特定することができる。例えば、移動アンテナ信号と固定アンテナ信号との組ごとにそれぞれ強度比を算出した結果、移動アンテナ111bによってスロット24の位置で検出された移動アンテナ信号とこれと共に固定アンテナ121bによって検出された固定アンテナ信号との強度比が最も大きくなった場合(図5参照)は、スロット24の位置のうち表面側で且つ径方向内側の位置を絶縁不良箇所と特定することができる。
さらに、移動アンテナ111b,111c,112b,112cによってスロット1〜48の位置でそれぞれ検出した移動アンテナ信号と、これらの移動アンテナ信号と共に固定アンテナ121b,121cによって検出された固定アンテナ信号との組ごとに、固定アンテナ信号が検出されてから移動アンテナ信号が検出されるまでの経過時間を、それぞれ算出しても良い。この手法では、経過時間(時間差)Tfが最も長くなる移動アンテナのスロット位置を、絶縁不良箇所が存在するスロット位置と特定することができる。なお、この場合にも、上述のように、絶縁不良箇所が存在するスロット位置に加え、径方向内側及び径方向外側のいずれに存在するか、さらに、表面側及び裏面側のいずれに存在するかまで特定することができる。
さらに、図1に示すように、ストレージオシロスコープ81及び上記コンピュータは、モニター83に接続されている。このため、ストレージオシロスコープ81によって検出された固定アンテナ信号及び移動アンテナ信号に基づいて上記コンピュータによって特定された部分放電位置(絶縁不良箇所)を、モニター83に表示させることができる(図6参照)。
次に、このような絶縁不良箇所特定装置100を用いたステータ50の絶縁不良箇所特定方法について説明する。
サンプルとして用いられるステータ50は、例えば、所定の組立工程を経た後、検査工程において、絶縁不良が存在していると確認されたものである。本実施例1では、U相巻線71とステータ鉄心60との間で絶縁不良が存在していると確認されたステータ50をサンプルとして、絶縁不良箇所特定装置100を用いて絶縁不良箇所を特定する手法について、以下に説明する。
まず、ステータ50を、U相端子71b,V相端子72b,W相端子73bを連結する中性点を接続しない状態で、図1に示すように、スロット載置台140上に載置する。次いで、U相巻線71のU相端子71bと電源82の+端子82bとを導線85bによって接続し、スロット載置台140と電源82の−端子82cとを導線85cによって接続する。次いで、電源82によって、所定の定常波電圧(例えば、Sin波)を印加する。これにより、U相巻線71の絶縁不良箇所において部分放電を繰り返し発生させることができる。
次いで、ステッピングモータ131b,131cを駆動させ、移動アンテナ111b,112b,111c,112cをステータ50の周方向に移動させる。詳細には、図2(a),(b)に示すように、移動アンテナ111b,112b,111c,112cを、スロット1の位置(仮想平面K1上のステータ50の周方向位置)を起点として、スロット2,3の位置(仮想平面K2,K3上の位置)の順に、スロット48の位置(仮想平面K48上のステータ50の周方向位置)まで、スロット1〜48の位置(仮想平面K1〜K48上のステータ50の周方向位置)ごとに、周方向(図2中時計回り)に移動させる。
さらに、ステッピングモータ131b,131cを駆動させると共に、移動アンテナスイッチ87,固定アンテナ88を切替え、移動アンテナ111b,112b,111c,112cからの移動アンテナ信号及び固定アンテナ112b,121cからの固定アンテナ信号を、ストレージオシロスコープ81によって検出する。
具体的には、まず、移動アンテナ111b,112b,111c,112cを、スロット1の位置(仮想平面K1上のステータ50の周方向位置)に配置させた状態で、固定アンテナスイッチ88の端子88bと88dとを接続すると共に、移動アンテナスイッチ87の端子87bと87fとを接続する。これにより、スロット1の位置における移動アンテナ111bからの移動アンテナ信号と固定アンテナ121bからの固定アンテナ信号とが、いずれかの信号をトリガとして、ストレージオシロスコープ81によって検出される。さらに、固定アンテナスイッチ88の端子88bと88dとを接続した状態で、移動アンテナスイッチ87を切替えて端子87cと87fとを接続する。これにより、スロット1の位置における移動アンテナ112bからの移動アンテナ信号と固定アンテナ121bからの固定アンテナ信号とが、いずれかの信号をトリガとして、ストレージオシロスコープ81によって検出される。
次いで、固定アンテナスイッチ88を切替えて端子88cと88dとを接続すると共に、移動アンテナスイッチ87を切替えて端子87cと87fとを接続する。これにより、スロット1の位置における移動アンテナ111cからの移動アンテナ信号と固定アンテナ121cからの固定アンテナ信号とが、いずれかの信号をトリガとして、ストレージオシロスコープ81によって検出される。さらに、固定アンテナスイッチ88を切替えて端子88cと88dとを接続すると共に、移動アンテナスイッチ87を切替えて端子87cと87fとを接続する。これにより、スロット1の位置における移動アンテナ111cからの移動アンテナ信号と固定アンテナ121cからの固定アンテナ信号とが、いずれかの信号をトリガとして、ストレージオシロスコープ81によって検出される。このようにして、スロット1の位置において、4組のアンテナ信号を検出する。
次に、ステッピングモータ131b,131cを駆動し、移動アンテナ111b,112b,111c,112cを、スロット2の位置(仮想平面K2上のステータ50の周方向位置)に移動させ、上述したスロット1の位置と同様にして、スロット2の位置において、4組のアンテナ信号を検出する。このようにして、スロット1〜48の位置(仮想平面K1〜K48上の各ステータ50の周方向位置)ごとに、4組のアンテナ信号をそれぞれ検出すると共に、この4組のアンテナ信号について、強度比と時間差Tfをそれぞれ算出する。
ここで、図3(a),(b)に、1組のアンテナ信号を表すグラフ示し、このグラフに基づいて、2つのアンテナ信号の時間差Tf及び強度比の算出方法について説明する。なお、図3(b)は、スロット1〜48の位置のいずれかにおいて、移動アンテナによって検出された移動アンテナ信号の経時変化を示すグラフであり、図3(a)は、この移動アンテナ信号と共に固定アンテナによって検出された固定アンテナ信号の経時変化を示すグラフである。
まず、2つのアンテナ信号の時間差Tfの算出方法について説明する。本実施例1では、図3(a),(b)に示すように、最初の移動アンテナ信号が検出されてから最初の固定アンテナ信号が検出されるまでの経過時間をアンテナ信号の時間差Tfとした。具体的には、図3(a),(b)に示すスロットの位置では、Tf=51.5−49.0=2.5(ns)として算出することができる。このようにして、4組のアンテナ信号について、各スロット位置ごとに時間差Tfを算出する。
次に、2つのアンテナ信号の強度比Rの算出方法について説明する。本実施例1では、固定アンテナ信号の最大信号レベルL1に対する移動アンテナ信号の最大信号レベルL2の比(L2/L1)を強度比Rとした。具体的には、図3(a),(b)に示すスロットの位置では、R=L2/L1=0.055/0.006=9.2と算出する。このようにして、4組のアンテナ信号について、各スロット位置ごとに強度比Rを算出する。
本実施例1では、このような算出方法を用いて、ステータ50について検出された4組のアンテナ信号について、時間差Tf及び強度比Rを算出した。
このうち、移動アンテナ111bによって検出された移動アンテナ信号と固定アンテナ121bによって検出された固定アンテナ信号との時間差Tfについて、各スロット位置ごとに算出した結果を、図4にグラフで示す。図4に示すように、時間差Tfは、スロット22,23,24の位置で最も大きくなった。従って、スロット22,23,24の位置の少なくともいずれかに、絶縁不良箇所が存在すると考えられる。
さらに、これらのアンテナ信号の強度比Rについて、各スロット位置ごとに算出した結果を、図5にグラフで示す。図5に示すように、強度比Rは、スロット24の位置で最も大きくなった。従って、スロット24の位置に、絶縁不良箇所が存在すると考えられる。
従って、時間差Tfに基づいて判定された結果と強度比Rに基づいて判定された結果とを総合的に判断すると、スロット24の位置を、絶縁不良箇所と特定することができる。このように、時間差Tfと強度比Rとの2つの要素に基づいて判断することで、精度良く、絶縁不良箇所を特定することができる。
なお、本実施例1の装置では、図4あるいは図5に示すグラフを、モニター83に表示することができる。
ところで、本実施例1では、検出された4組のアンテナ信号について時間差Tf及び強度比Rを算出し、比較した結果、上述した移動アンテナ111bと固定アンテナ121bとのアンテナ信号の時間差Tf及び強度比Rが最も大きな値を示した。従って、4本の移動アンテナ111b,111c,112b,112cのうち、移動アンテナ111bが絶縁不良箇所に最も近い位置で移動アンテナ信号を検出したと考えられる。すなわち、絶縁不良箇所は、ステータの表面側で、且つ径方向内側に存在すると考えられる。
以上の結果より、本実施例1のステータ50では、絶縁不良箇所は、U相巻線のうちスロット24の位置に存在する部分であって、さらに、その部分のうちステータ表面側で径方向内側に位置する部分であると特定することができる。さらには、このように特定された部位にかかる製造工程・製造装置を迅速に見直し、改善することができ、絶縁不良率を低減させることができる。あるいは、迅速に絶縁不良箇所を修繕することも可能となる。
なお、本実施例1の装置では、図6に示すように、上述のように特定した絶縁不良箇所を、部分放電位置表示画面としてモニター83に表示することができる。具体的には、部分放電位置表示画面において、部分放電が確認されたスロット24と部分放電を検出したアンテナ111bとが点滅すると共に、そのスロットNo及びアンテナNoが表示される。
次に、実施例2の絶縁不良箇所特定装置300について説明する。
絶縁不良箇所特定装置300は、図7に示すように、3本の移動アンテナ311,312,313、及びスロット回転装置340を有している。
移動アンテナ311,312,313は、円周上に等間隔で固設されている。この移動アンテナ311,312,313からは、それぞれ導線351,352,353が導出されており、この導線351,352,353は、それぞれストレージオシロスコープ81の第1,第2,第3チャンネル81b,81c,81dに接続されている。これにより、部分放電により放射される電磁波に基づいて移動アンテナ311,312,313から送信されるそれぞれのアンテナ信号が、いずれかの信号をトリガとして、ストレージオシロスコープ81によって検出される。
スロット回転装置340は、スロット載置台341及びステッピングモータ342を有しており、ステッピングモータ342を駆動させることによってスロット載置台341を1スロット間隔で周方向に回転させることができる。従って、本実施例2では、モータ342を駆動させると、移動アンテナ311,312,313が一体となって、相対的にステータ50の周方向に各スロット位置ごとに回転することとなる。
なお、本実施例2においても、本実施例1と同様に、電源82によってU相巻線71,V相巻線72,W相巻線73のそれぞれに所定の電圧を印加することで、絶縁不良箇所において部分放電を繰り返し発生させることができる。
このような絶縁不良箇所特定装置300を用いたステータ50の絶縁不良箇所特定方法について説明する。
なお、本実施例2においても、本実施例1と同様に、U相巻線71とステータ鉄心60との間で絶縁不良が存在していると確認されたステータ50をサンプルとする。
まず、ステータ50を、U相端子71b,V相端子72b,W相端子73bを連結する中性点を接続しない状態で、図7に示すように、スロット載置台341上に載置する。次いで、U相巻線71のU相端子71bと電源82の+端子82bとを導線85bによって接続し、ステータ鉄心60と電源82の−端子82cとを導線85cによって接続する。 次いで、電源82によって、所定の定常波電圧(例えば、Sin波)を印加し、移動アンテナ311,312,313からの移動アンテナ信号をストレージオシロスコープ81によって検出する。このとき、それぞれの移動アンテナ信号が検出されるまでの時間を計測する。
次いで、最も早く移動アンテナ信号が検出された移動アンテナ(第1アンテナ)以外の2つの移動アンテナ(第2,第3アンテナ)の検出時間が等しくなる方向に、スロット載置台341を回転させる。そして、第2,第3アンテナの検出時間が等しくなったときの第1移動アンテナのスロットの位置を、絶縁不良箇所Gが存在するスロットの位置と特定する。
例えば、移動アンテナ313からの移動アンテナ信号が最も早く検出され、次いで、移動アンテナ311,312の順で移動アンテナ信号が検出された場合は、図8(a)に示すように、スロット載置台341を時計回りに回転させる。このようにすることで、絶縁不良箇所Gは、移動アンテナ312に接近すると共に移動アンテナ311から離れていくので、移動アンテナ311,312の検出時間の差が小さくなっていく。
そして、移動アンテナ311,312の検出時間が等しくなったときは、移動アンテナ311,312,313及び絶縁不良箇所Gは、図8(b)に示すような位置関係となり、移動アンテナ313のスロット位置(周方向位置)と絶縁不良箇所Gのスロット位置(周方向位置)とが一致する。このため、移動アンテナ313のスロット位置(周方向位置)を絶縁不良箇所Gが存在するスロット位置(周方向位置)と特定することができる。
以上において、本発明を実施例1,2に即して説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例1では、図1に示すように、4本の移動アンテナ111b,111c,112b,112c及び2本の固定アンテナ121b,121cを用いたが、移動アンテナ及び固定アンテナの数は、このような数に限定されるものではない。例えば、表面側コイルエンド70bの径方向中心位置(図1中表面側コイルエンド70bの真上)と裏面側コイルエンド70cの径方向中心位置(図1中裏面側コイルエンド70cの真下)に移動アンテナを追加するようにしても良い。あるいは、4本の移動アンテナ111b,111c,112b,112cのうち、コイル70の外側に位置する移動アンテナ112b,112cを削除するようにしても良い。
また、実施例1では、移動アンテナ111bと移動アンテナ112b、移動アンテナ111cと移動アンテナ112cとをそれぞれ一体とし、さらに、移動アンテナ111bと移動アンテナ111c、移動アンテナ112bと移動アンテナ112cとをそれぞれ軸線C方向に一致させつつ、4本の移動アンテナ111b,111c,112b,112cをステータ50の周方向に移動させた。しかし、4本の移動アンテナ111b,111c,112b,112cは、このような移動方法に限定されるものではなく、例えば、それぞれを個別に移動させるようにしても良い。
また、実施例1では、4本の移動アンテナ111b,111c,112b,112cを各スロット位置ごとに移動させたが、移動間隔(角度)はいずれでも良い。但し、移動間隔(角度)を小さくしたほうが、絶縁不良箇所を精度良く特定することができるので好ましい。
また、実施例1では、アンテナ移動装置130b,130cによって、移動アンテナ111b,111c,112b,112cを移動するようにした。しかし、移動アンテナ111b,111c,112b,112cは、ステータ50に対し、相対的にその周方向に移動すれば良く、実施例2のように、ステータ50を周方向に回転させるようにしても良い。反対に、実施例2では、ステータ50を周方向に回転させるようにしたが、移動アンテナ311,312,313を移動するようにしても良い。
実施例1にかかる絶縁不良箇所特定装置100の構成を示す説明図である。 実施例1にかかる絶縁不良箇所特定装置100を用いたステータの絶縁不良箇所特定方法を説明する説明図であり、(a)は図1の上面視概略図、(b)はステータ鉄心60の上面図である。 実施例1にかかる絶縁不良箇所特定装置100を用いたステータの絶縁不良箇所特定方法を説明する説明図であり、(a)はモニター83に表示される固定アンテナ信号を示す図、(b)はモニター83に表示される移動アンテナ信号を示す図である。 実施例1にかかる絶縁不良箇所特定装置100を用いたステータの絶縁不良箇所特定方法を説明する説明図であり、モニター83の検出時間差表示画面を示す図である。 実施例1にかかる絶縁不良箇所特定装置100を用いたステータの絶縁不良箇所特定方法を説明する説明図であり、モニター83の信号強度比表示画面を示す図である。 実施例1にかかる絶縁不良箇所特定装置100を用いたステータの絶縁不良箇所特定方法を説明する説明図であり、モニター83の絶縁不良箇所表示画面を示す図である。 実施例2にかかる絶縁不良箇所特定装置300の構成を示す説明図である。 実施例2にかかる絶縁不良箇所特定装置300を用いたステータの絶縁不良箇所特定方法を説明する説明図である。
符号の説明
1〜48 スロット
50 ステータ
60 ステータ鉄心
70 コイル
71 U相巻線
72 V相巻線
73 W相巻線
111b 内側移動アンテナ、表面側移動アンテナ
111c 内側移動アンテナ、裏面側移動アンテナ
112b 外側移動アンテナ、表面側移動アンテナ
112c 外側移動アンテナ、裏面側移動アンテナ
121b,121c 固定アンテナ
311,312,313 移動アンテナ

Claims (13)

  1. ステータ鉄心とこのステータ鉄心に対し巻かれた巻線とを有するステータにおける上記巻線の絶縁不良箇所を特定する方法であって、
    上記巻線に所定の電圧を印加して、上記巻線の絶縁不良箇所で部分放電を繰り返し発生させた状態で、上記部分放電により放射された電磁波を受信する少なくとも1つの移動アンテナを上記ステータに対し相対的にその周方向に移動させて、上記移動アンテナによって検出された移動アンテナ信号に基づいて上記絶縁不良箇所を特定する
    ステータの絶縁不良箇所特定方法。
  2. 請求項1に記載のステータの絶縁不良箇所特定方法であって、
    前記ステータに対する相対的位置が固定され、前記部分放電により放射された電磁波を受信する固定アンテナを設け、
    上記固定アンテナによって検出された固定アンテナ信号と前記移動アンテナによって検出された移動アンテナ信号とに基づいて、前記絶縁不良箇所が存在するステータの周方向位置を特定する
    ステータの絶縁不良箇所特定方法。
  3. 請求項2に記載のステータの絶縁不良箇所特定方法であって、
    前記移動アンテナ信号の強度と前記固定アンテナ信号の強度との比に基づいて、前記絶縁不良箇所が存在するステータの周方向位置を特定する
    ステータの絶縁不良箇所特定方法。
  4. 請求項2に記載のステータの絶縁不良箇所特定方法であって、
    前記移動アンテナ信号及び前記固定アンテナ信号のうちいずれか一方が検出されてから他方が検出されるまでの経過時間に基づいて、前記絶縁不良箇所が存在するステータの周方向位置を特定する
    ステータの絶縁不良箇所特定方法。
  5. 請求項2に記載のステータの絶縁不良箇所特定方法であって、
    前記移動アンテナ信号の強度と前記固定アンテナ信号の強度との比、及び
    上記移動アンテナ信号及び上記固定アンテナ信号のうちいずれか一方が検出されてから他方が検出されるまでの経過時間に基づいて、前記絶縁不良箇所が存在するステータの周方向位置を特定する
    ステータの絶縁不良箇所特定方法。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のステータの絶縁不良箇所特定方法であって、
    前記ステータ鉄心は、所定数のスロットを有し、
    前記移動アンテナは、上記ステータ鉄心の全周を上記所定数で分割した等角度ごとに前記電磁波を受信する
    ステータの絶縁不良箇所特定方法。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のステータの絶縁不良箇所特定方法であって、
    前記ステータ鉄心は、表面と裏面とを有する円環状であり、
    前記移動アンテナは、前記巻線によって形成されたコイルのうち上記ステータ鉄心の上記表面あるいは上記裏面から突出するコイルエンドよりも上記ステータ鉄心の径方向内側に位置する内側移動アンテナと上記コイルエンドよりも上記ステータ鉄心の径方向外側に位置する外側移動アンテナとを含み、
    上記内側移動アンテナと上記外側移動アンテナとを前記ステータに対し相対的にその周方向に移動させて、上記内側移動アンテナによって検出された内側移動アンテナ信号と上記外側移動アンテナによって検出された外側移動アンテナ信号とに基づいて上記絶縁不良箇所を特定する
    ステータの絶縁不良箇所特定方法。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のステータの絶縁不良箇所特定方法であって、
    前記移動アンテナは、上記ステータ鉄心の板厚方向中心位置よりも上記表面側に位置する表面側移動アンテナと上記板厚方向中心位置よりも上記裏面側に位置する裏面側移動アンテナとを含み、
    上記表面側移動アンテナと上記裏面側移動アンテナとを前記ステータに対し相対的にその周方向に移動させて、上記表面側移動アンテナによって検出された表面側移動アンテナ信号と上記裏面側移動アンテナによって検出された裏面側移動アンテナ信号とに基づいて上記絶縁不良箇所を特定する
    ステータの絶縁不良箇所特定方法。
  9. ステータ鉄心とこのステータ鉄心に対し巻かれた巻線とを有するステータにおける上記巻線の絶縁不良箇所を特定する絶縁不良箇所特定装置であって、
    上記巻線に所定の電圧を印加して上記巻線の絶縁不良箇所で繰り返し生じさせた部分放電により放射された電磁波を受信する少なくとも1つの移動アンテナと、
    上記移動アンテナを、上記ステータに対し相対的にその周方向に移動させるアンテナ移動装置と、を有する
    絶縁不良箇所特定装置。
  10. 請求項9に記載の絶縁不良箇所特定装置であって、
    前記ステータに対する相対的位置が固定され、前記部分放電により放射された電磁波を受信する固定アンテナを有する
    絶縁不良箇所特定装置。
  11. 請求項9または請求項10に記載の絶縁不良箇所特定装置であって、
    前記ステータ鉄心は、所定数のスロットを有し、
    前記アンテナ移動装置は、上記ステータ鉄心の全周を上記所定数で分割した等角度ごとに、前記移動アンテナを移動させる
    絶縁不良箇所特定装置。
  12. 請求項9〜請求項11のいずれか一項に記載の絶縁不良箇所特定装置であって、
    前記ステータ鉄心は、表面と裏面とを有する円環状であり、
    前記移動アンテナは、
    前記巻線によって形成されたコイルのうち上記ステータ鉄心の上記表面あるいは上記裏面から突出するコイルエンドよりも上記ステータ鉄心の径方向内側に位置する内側移動アンテナと、
    上記コイルエンドよりも上記ステータ鉄心の径方向外側に位置する外側移動アンテナと、を含む
    絶縁不良箇所特定装置。
  13. 請求項9〜請求項12のいずれか一項に記載の絶縁不良箇所特定装置であって、
    前記移動アンテナは、
    上記ステータ鉄心の板厚方向中心位置よりも上記表面側に位置する表面側移動アンテナと、
    上記板厚方向中心位置よりも上記裏面側に位置する裏面側移動アンテナと、を含む
    絶縁不良箇所特定装置。
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