JP2005214715A - 回転電機の検査装置および検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造工程におけるステータの不良検査時において、大電流がステータコイル流れるために高電圧での絶縁試験ができないおそれを回避できる回転電機の検査装置および検査方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
ステータコイルの絶縁検査時にはダミーロータ2がステータ1のロータ挿入部に挿入され、磁束経路が形成されることで、コイルのインダクタンスおよび電気的時定数が大きくなる。よって電圧印加時間に対してコイルに流れる電流量が増加する割合を小さくすることができるため、部分放電試験時などにコイルに印加される電圧を所定電圧値まで上げようとした時に、コイルに流れる電流値がステータコイルの許容電流量を越えてしまうため電圧が上げられず試験が行えなくなるおそれを防止できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転電機の不良品を検出するものであり、特に、回転電機のステータの製造工程におけるステータの不良検査装置および検査方法に関するものである。
特許文献1に開示されている、回転機巻線の部分放電測定方法を図7に示す。各スロット103において、上巻線104aと下巻線104bとの間には、温度測定用の抵抗を有するサーチコイル106が配置されている。ある1つのサーチコイル106に既知の電荷量を持つパルスを流し、巻線104との間の静電結合を利用してその巻線104に注入して他のサーチコイル106から部分放電を検出するという間接注入法を採用することにより、部分放電の測定を発電機の停止中は勿論のこと発電機の運転中であっても容易に行うことができる。
また、その他のモータの絶縁検査方法についても特許文献2および3などが開示されている。
特開平9−222456号公報(段落0024−0032、図1) 特開2000−346916 特開2002−71742号公報
従来の回転電機の検査方法は完成品の状態でステータのコイルの短絡の有無を検査できるものではあるが、ステータの不良検査の効率化を考えると、モータの完成後にステータの検査をするのは効率が悪く、ステータの製造工程においてステータの完成直後に絶縁検査をするのが好ましい。しかしながら通常はステータの製造工程での検査は、ロータ挿入部にロータがない状態で行われるため、ステータの磁気回路ができておらず巻線コイルのインダクタンスが小さく電気的時定数が小さい状態で行われる。よって第1に、電圧印加時間に対してコイルに流れる電流量が増加する割合が大きくなるため、部分放電試験時などにコイルに印加される電圧を所定電圧値まで上げようとした時に、コイルに流れるリップル電流値がステータコイルの許容電流量を越えてしまうため電圧が上げられず試験が行えなくなるおそれがあるため問題である。また第2に、ステータへの電圧印加時に過大なリップル電流がステータコイルに流れ、巻線の発熱、熱衝撃、電気エネルギの注入等によりステータの劣化が生じるおそれがあり問題である。また大きなリップル電流に備えて電源装置の電源容量を増加させる必要があり、装置が高価になるおそれがあり問題である。
また上記特許文献1に記載の方法では、各モータのステータごとにサーチコイル106を備えており、上記特許文献2に記載の方法では、ステータにエアーギャップ測定用穴を備えている。以上のよう検査方法では、センサ配置用スペースまたは検査用スペースがステータ内に必要となるため、ステータの小型化の障害となるおそれがあり問題である。またステータごとに検査用のセンサ(サーチコイル106)を内蔵する構成とすると、ステータのコストアップにつながるおそれがあり問題である。
本発明は前記従来技術の課題の少なくとも1つを解消するためになされたものであり、ステータの製造工程におけるステータの不良検査時において、ステータに検査部材を挿入することで磁束経路を構成し、ステータコイルのインダクタンスおよび電気的時定数を大きくすることで、ステータコイルへの電圧印加時に過大なリップル電流がステータコイルに流れステータの劣化が生じるおそれを防止することや、大きな電流が流れるために高電圧をステータコイルに印加できないため高電圧での絶縁試験ができないおそれを防止することが可能な回転電機の検査装置および検査方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に係る回転電機の検査装置は、回転電機のステータの製造工程における該ステータの検査装置において、ステータ検査時に該ステータのロータ挿入部に挿入され、磁束経路を構成する検査部材を備えることを特徴とする。
検査部材はステータ検査時に該ステータのロータ挿入部に挿入される。ステータのティースの内周端部からステータの中心軸方向へ流れ出た磁束は、検査部材に構成された磁束経路を通って他のティースの内周端部へ流れ込むため、空気中への漏洩磁束の発生を減少させることができる。
これにより、検査部材が挿入されたステータのコイルと挿入されないステータのコイルとのインダクタンスを比較すると、検査部材を挿入したステータのコイルのインダクタンスの方が大きいため、電気的時定数が大きくなる。すると電圧印加時間に対してコイルに流れる電流量が増加する割合を小さくすることができるため、同等の電圧を同等の期間印加したときに流れる電流の最大値を比較すると、検査部材を挿入したステータのコイルに流れる電流の最大値の方が小さくできる。よって検査部材を挿入して検査を行えば、部分放電試験時などにコイルに印加される電圧を所定電圧値まで上げようとした時に、コイルに流れる電流値がステータコイルの許容電流量を越えてしまうため試験が行えないなどの事態を防止することができる。
また請求項2に係る回転電機の検査装置は、請求項1に記載の回転電機の検査装置において、検査部材は、磁束を測定する磁気回路測定用センサを備えることを特徴とする。
磁気回路測定用センサは例えば磁束の時間変化を測定する。磁気回路測定用センサは、例えば電磁誘導作用を用いたセンサ(サーチコイル)、電流磁気効果を用いたセンサ(ホール素子)等が挙げられる。
これにより、ステータのコイルの磁束を、磁気回路測定用センサで検査することができる。また検査部材がステータに挿入され検査部材に磁束経路が形成され漏洩磁束が抑えられているため、磁気回路測定用センサに流れる磁束量を多くすることができ、検査精度を高めることができる。また磁気回路測定用センサをステータ側ではなく検査部材側に備えるため、ステータごとに検査用のセンサを備える必要がなく、ステータの製造コストのアップにつながるおそれを防止できる。
また請求項3に係る回転電機の検査装置は、請求項1に記載の回転電機の検査装置において、磁気回路測定用センサは、ステータに形成されるステータコイルに対向する位置に配置される測定コイル部を備えることを特徴とする。
測定コイル部では、ステータコイルに印加された交流電圧によって発生した磁束の時間変化が測定される。磁界の時間変化はオシロスコープ等で時間と起電力の波形として表示される。これにより、ステータコイルの巻回回数が所定値と異なる場合やステータコイルにレアショート(同一コイル間のショート)が発生している場合には、測定コイル部の起電力が変化するため、測定コイル部により起電力の変化を検知することによりこれらの異常の発生を検査することができる。
また請求項4に係る回転電機の検査方法は、請求項1乃至請求項3の少なくともいずれか1項に記載の回転電機の検査装置により検査を行うに当たり、ステータに検査部材を挿入する検査部材挿入ステップと、ステータのステータコイルに直流電圧を印加する直流電圧印加ステップとを備えることを特徴とする。
検査部材挿入ステップでは、ステータに検査部材が挿入される。直流電圧印加ステップでは、ステータコイルに直流電圧が印加される。直流電圧印加ステップにより、ステータコイルに絶縁不良部分がある場合には、絶縁不良部分で発生する部分放電を検出することで絶縁検査を行うことができる。なお部分放電の検出方法は、微小電流を測定する方法、部分放電時に放射される電磁波を測定する方法、放電時に発生する放電光を測定する方法等が挙げられる。
検査部材挿入ステップで検査部材をステータに挿入して検査を行うことにより、電圧印加時間に対してコイルに流れる電流量が増加する割合を小さくすることができる。よって直流電圧印加ステップ時にコイルに流れる電流値がステータコイルの許容電流量を越えてしまうため、コイルの電圧値が十分に上げられずに試験が行うことができない等の事態を防止することができ、ステータコイルの絶縁検査を行うことができる。
また請求項5に係る回転電機の検査方法は、請求項1乃至請求項3の少なくともいずれか1項に記載の回転電機の検査装置により検査を行うに当たり、ステータに検査部材を挿入する検査部材挿入ステップと、ステータのステータコイルにインパルス電圧を印加するインパルス電圧印加ステップとを備えることを特徴とする。
検査部材挿入ステップでは、ステータに検査部材が挿入される。インパルス電圧印加ステップでは、ステータコイルにインパルス電圧が印加される。インパルス電圧が印加されることにより発生する電気振動の振幅等を測定することにより、ステータコイルのインダクタンスの状態を知ることができ、ステータのコイルの巻回回数異常や、レアショート等を検知することができる。このとき検査部材をステータ内に挿入することにより、ステータコイルのインダクタンスおよび電気的時定数が大きくなり、電気振動の振動周期が長くなる。
これによりオシロスコープ等で電気振動の波形を測定したときに、電気振動の振動周期が長くなるため、サンプルレートは同一のままで波形の測定分解能を高めることができるため、波形の検出精度を高めることができる。
また請求項6に係る回転電機の検査方法は、請求項1乃至請求項3の少なくともいずれか1項に記載の回転電機の検査装置により検査を行うに当たり、ステータに検査部材を挿入する検査部材挿入ステップと、ステータのステータコイルに3相交流電圧を印加する3相交流電圧印加ステップとを備えることを特徴とする。
検査部材挿入ステップでは、ステータに検査部材が挿入される。3相交流電圧印加ステップでは、3相交流同期モータのステータコイルに3相交流電源電圧が印加され、印加された電圧に応じてコイルから発生した磁束の磁束量や磁束の時間変化が、検査部材に備えられた磁気回路測定用センサで測定される。このときステータに検査部材が挿入されることで、ステータコイルのインダクタンスおよび電気的時定数も実使用状態に近い値とされているため、実動作に近い3相交流電源電圧を印加した場合にコイルに流れるリップル電流値が許容電流量を越えてしまうようなおそれを防止できる。
これにより、実使用に近い状態時において各ステータコイルから発生する磁束の時間変化を測定することができる。すなわち、電気的にモータを回転させている状態でのステータコイルから発生する磁束の時間変化を調べることができるため、ステータの出来をより実使用状態に近い試験で評価することができる。
また請求項7に係る回転電機の検査方法は、請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の回転電機の検査方法において、検査部材をステータの中心軸を軸として回転させ、磁気回路測定用センサをステータ内の測定対象であるステータコイルに対向する位置に測定のために移動させる磁気回路測定用センサ移動ステップを備え、直流電圧印加ステップまたはインパルス電圧印加ステップまたは3相交流電圧印加ステップと、磁気回路測定用センサ移動ステップとを交互に繰り返すことを特徴とする。
磁気回路測定用センサ移動ステップでは、検査部材をステータの中心軸を軸として回転させることで、磁気回路測定用センサをステータ内の各ステータコイルに対向する位置に測定のために移動させる。そして直流電圧印加ステップまたはインパルス電圧印加ステップまたは3相交流電圧印加ステップと、磁気回路測定用センサ移動ステップとが交互に繰り返されることで、ステータ内の各コイルの磁束を順次測定することができる。
これにより、ステータ内の複数のコイルについて磁束を検査することができるため、ステータ内の各コイルが発生する磁束量のステータコイル間ばらつき量を検出することができる。また3相交流の各相のコイルでの磁束の発生量を比較すれば、各相の磁束が均一にバランスよく発生しているか検査することができる。よってステータの出来の善し悪しを判断することができ、ステータの品質を維持することができる。
本発明によれば、回転電機のステータの製造工程における回転電機の検査装置および検査方法において、ステータに検査部材を挿入することで磁束経路を構成し、巻線コイルのインダクタンスおよび電気的時定数を大きくすることができる。よって、ステータコイルへの電圧印加時に過大なリップル電流がステータコイルに流れステータの劣化が生じるおそれを防止することや、大きな電流がステータコイル流れるために高電圧をステータに印加できないため、高電圧での絶縁試験ができないおそれを防止することが可能となる。
以下、本発明の回転電機の検査装置および検査方法について具体化した実施形態を図1乃至図6に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。本発明に係る第1実施形態を図1乃至図4を用いて説明する。図1に本発明にかかる検査装置を用いたステータの検査方法を示す。ステータ1は、同期モータのステータ製造工程においてコイルの巻線工程が完了し、ロータが挿入されていない状態のステータである。ステータ1の不図示の複数のティースにはU、V、Wの3相のコイルがそれぞれ形成されている。各相の中性点は結合されて、実使用状態とされている。3相交流電源装置4は3相交流電源を供給する電源装置であり、U、V、W相の各相の出力端子はそれぞれステータ1のU、V、Wの3相のコイルの入力端子6a、7a、8aに接続される。不図示のダミーロータ挿入機構により、ステータ1の検査時にはダミーロータ2がステータ1のロータ挿入部に挿入され、検査終了後にはダミーロータ2はステータ1から脱着される。ダミーロータ2は略円筒形状に構成され、材質としては磁束経路を形成する材質(好ましくは鉄や電磁鋼板等の強磁性体、または強磁性体を主成分とする焼結材等)が用いられる。なおダミーロータ2は検査部材の一例である。
ステータ1の部分放電測定による高電圧絶縁試験時を説明する。ステータ1のコイルの構造は図2の等価回路に示す様に、U相のコイル6、V相のコイル7、W相のコイル8が中性点9で結合された構造に考えることができる。U、V、W相のコイルはそれぞれ端子6a、7a、8aを備える。高電圧絶縁試験時には、例えば、端子6a−7a間、端子7a−8a間、端子8a−6a間にそれぞれ電圧が印加され、部分放電が測定される。部分放電の発生は不図示のセンサにより監視され、部分放電が検出されると当該ステータ1のコイルは絶縁不良ありと判断される。
まずステータ1にダミーロータ2が挿入されない時の高電圧絶縁試験時の状態を説明する。例として端子6a−7a間に、図3(A)に示すような振幅E(V)、周期T(sec)の方形波の交流電圧が印加される場合を説明する。なお方形波は直流電圧印加ステップにおける直流電圧の一例である。実使用状態になるべく近い状態でステータ1の高電圧絶縁試験を行うため、中性点9で各コイルが結合されている。ステータ1のロータ挿入部にダミーロータ2が挿入されず、ステータ1のティースの内周側端面から流れ出た磁束が他のティースへ流れ込む磁束経路が形成されていない状態のため、ステータ1のコイル6、7に電圧が印加されると、発生した磁束の大部分はティースの内周側端面から空気中に漏洩する。よってコイル6、7の合成インダクタンスが小さくなり、電気的時定数が小さくなるため、図3(B)に示すように、電圧印加時間に対するコイル6、7に流れる電流値の割合は大きくなる。そして、周期T/2ごとに交互に反対向きの最大電流値をとるため、大きなリップル電流振幅RI1を有するリップル電流がコイルに流れる。なお、コイル6、7で構成される回路にはコンデンサ成分が含まれるため、電圧印加時間に対するコイルに流れる電流値の割合は比例関係になっていない。
一方、ステータ1にダミーロータ2が挿入された場合には、ステータ1のティースの内周側端面から出た磁束の大部分はダミーロータ2に形成された磁束経路を通って他のティースに流れ込み、漏洩磁束が発生しにくくなるため、コイル6、コイル7のインダクタンスが大きくなり、電気的時定数が大きくなる。すると図4(B)に示すように、電圧印加時間に対するコイル6、7に流れる電流値の割合は小さくなる。よって、ダミーロータ2が挿入されない場合と同じ周期で同じ振幅Eを有する電圧を印加する場合、周期T/2ごとに流れる最大電流値の値が小さくなり、小さなリップル電流振幅RI2を有するリップル電流が流れることになる。
よってダミーロータ2を挿入することにより、第1に、電圧印加時間に対してコイルに流れる電流量が増加する割合を小さくすることができるため、部分放電試験時などにコイルに印加される電圧を所定電圧値まで上げようとした時に、コイルに流れる電流値がステータコイルの許容電流量を越えてしまうため電圧が上げられず試験が行えなくなるおそれを防止できる。また第2に、ステータ1への電圧印加時に過大なリップル電流がステータ1のコイル6、7に流れるおそれを防止でき、巻線の発熱、熱衝撃、電気エネルギの注入等によりステータ1の劣化が生じるおそれを防止できる。また大きなリップル電流に備えて電源装置の電源容量を増加させる必要がなく、検査装置が高価になるおそれを防止できる。
本発明に係る第2実施形態のステータの検査方法を図1および図5を用いて説明する。第2実施形態では図1における3相交流電源装置4に代えて、インパルス巻線試験器がステータ1のU、V、Wの3相のコイルの入力用の端子6a、7a、8aに接続される。またステータ1の検査時には、ダミーロータ2がステータ1のロータ挿入部に挿入される。
インパルス巻線試験器は、ステータ1のコイルにインパルス波形を有する電圧を印加する機能を備える。またモニタを備え、コイルに印加される電圧値の時間変化を波形として表示する機能を有する。試験例として、中性点を結合した上で端子6a−7a間にインパルス電圧が印加される場合を説明する。このときインパルス巻線試験器のモニタで得られる端子6a−7a間の時間―電圧値の波形図を図5に示す。なお図5において、波形15aはステータ1にダミーロータ2が挿入されているときの波形図、波形15bはダミーロータ2が挿入されていないときの波形図である。インパルス巻線試験器にはコンデンサが備えられており、端子6a−7a間に接続されたステータ1のコイル6、コイル7と当該コンデンサによって振動回路が形成されている。よって当該振動回路にインパルス電圧が印加されることにより電気振動が発生し、導線の抵抗による発熱等によりエネルギがしだいに失われ電気振動が減衰する波形(波形15a、15b)が得られる。このときステータコイルの巻回回数が所定値と異なる場合やレアショートの発生がある場合には、コイルのインダクタンス値が変化する。よって図5の電気振動の波形の周期や振幅等を測定することにより、これらのインダクタンス値の変化を検知することで、コイルの異常の発生を検出することができる。
ここで波形15b(ダミーロータ2未挿入)の振動周期をT1、波形15a(ダミーロータ2挿入時)の振動周期をT2とすると、振動周期T2の方が振動周期T1に比して大きいことが分かる。これはダミーロータ2挿入時の方がコイルのインダクタンスが大きくなり、インダクタンスが大きいほど振動周期も長くなるためである。よって当該試験時にダミーロータ2を挿入して振動周期を長くすることで、同一サンプルレートで電源電圧値の振動波形15a、15bを測定したときの波形の測定分解能を高めることができるため、波形の検出精度が良くなる効果が得られる。またインパルス電圧が印加された時にコイルに流れる電流量も、第1実施形態で前述したようにダミーロータ2を挿入してコイルのインダクタンスを大きくすることで減少させることができるため、コイルにダメージを与えにくくなるという効果も得ることができる。
本発明に係る第3実施形態を図6を用いて説明する。図6に本発明にかかる検査装置を用いたステータの検査方法を示す。高圧電源装置10は直流の高電圧を供給する電源装置であり、その出力端子は3相インバータ11の入力端子に接続される。3相インバータ11は、直流電源をU、V、Wの3相交流電源に変換するインバータであり、U、V、Wの3相の出力端子はそれぞれステータ1のU、V、Wの3相のコイルの入力用の端子6a、7a、8aに接続される。
ステータ1の検査時には、ダミーロータ2がステータ1のロータ挿入部に挿入される。ダミーロータ2は磁束経路を形成する電磁鋼板、鉄等の材質で構成され、略円筒形状に構成される。ダミーロータ2にはU、V、Wの各相のコイルに対応した不図示の測定コイル部が、磁気回路測定用センサとして備えられる。ダミーロータ2がステータ1に挿入されることで磁束経路が形成されているため、測定コイル部に流れる磁束量を多くすることができ、磁束変化を精度よく検知することができる。
測定コイル部は、ダミーロータ2の外周部にステータ1のティースと平行になるような溝部を複数形成し、当該溝と溝との間に形成された突部を芯部として導線を巻回することで構成される。そして測定コイル部は、ステータ1に形成されるステータコイルと対向し、ティースから入出流する磁束と鎖交するように、ダミーロータ2の外周部に配置される。U、V、W相の各相に対応した測定コイル部の各相の3つの出力端子は、オシロスコープ12に接続され、オシロスコープ12では測定コイル部の出力が波形として表示される。また不図示のコントローラによりダミーロータ2は、ステータ1の中心軸を軸として所定角度回転させることが可能に構成されている。
3相インバータ11によって、ステータ1に実動作に近いスイッチング周波数を有する3相交流電源電圧が印加される。このときステータ1にダミーロータ2が挿入されることで、ステータコイルのインダクタンスおよび電気的時定数も実使用状態に近い値とされているため、実動作に近い3相交流電源電圧を印加した場合にコイルに流れるリップル電流値が許容電流量を越えてしまうようなおそれを防止できる。ステータコイルから発生する磁束の時間変化は、ダミーロータ2の測定コイル部で測定され、オシロスコープ12で時間―起電力の波形として表示される。これにより、実使用に近い状態時において各ステータコイルから発生する磁束の時間変化を測定することができる。すなわち、実際にはダミーロータ2は回転していないが、電気的にはモータを回転させている状態でのステータコイルから発生する磁束の時間変化を調べることができるため、ステータの出来をより実使用状態に近い試験で評価することができる。
またコイル間に磁束変化のばらつきが存在すると、ロータの回転が滑らかにならないなどの問題が発生するおそれがありステータの品質低下に結びつくため問題である。そこで、あるステータコイルに3相交流電源電圧を印加して磁束変化を測定した後に、ダミーロータ2をステータ1の中心軸を軸として所定角度回転させて次に測定するステータコイルに対向する位置に移動させ、再度3相交流電源電圧をステータコイルに印加して、発生する磁束の時間変化を測定することを繰り返すことにより、ステータ内に多数存在するステータコイルの全てについて磁束を測定することができる。これにより各ステータコイル間の磁束や、U、V、W相の各相間の磁束が均一にバランスよく発生しているかのばらつきを検査できるため、ステータの出来の善し悪しを判断することができ、ステータの品質保証が可能となる。
なお、U、V、W相の各コイルがステータの中心軸から所定角度ごとに配置されているようなステータの場合には、U、V、W相の各々に対応した角度で測定コイル部を備えれば、各相のコイルについて同時に磁束を測定することができる。
また本実施形態では、測定コイル部をステータ1側ではなくダミーロータ2側に備えるため、ステータごとに検査用のセンサや検査用のスペースを備える必要がない。これにより、ステータの製造コストアップやステータの大型化のおそれを防止することができる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは言うまでもない。本実施形態では磁気回路測定用センサとして、ダミーロータ2には測定コイル部が備えられるとしたがこれに限られない。磁気回路測定用センサはたとえばホール素子等の電流磁気効果を用いたセンサであってもよいことは言うまでもない。
また第3実施形態におけるステータの検査時には、3相交流電圧を印加したときの発生磁束のステータコイル間ばらつきを検出することでステータの品質試験をするとしたが、試験内容はこれに限られず、絶縁試験を行っても良いことは言うまでもない。これにより、絶縁試験と同時にステータの品質試験を行うことが可能となり、ステータの試験時間の短縮を図ることができる。
また本実施形態は、3相交流同期モータのステータの検査装置および検査方法であるとしたが、モータの種類はこれに限られず、ステッピングモータ等の各種モータであってもよいことは言うまでもない。
第1実施形態におけるステータ1の検査方法を示す図である。 ステータ1のコイルの構造を示す図である。 ダミーロータ2未挿入時におけるステータ1のコイルのリップル電流を示す図である。 ダミーロータ2挿入時におけるステータ1のコイルのリップル電流を示す図である。 インパルス巻線試験器で得られる電圧値の波形図である。 第3実施形態におけるステータ1の検査方法を示す図である。 従来技術における回転機巻線の部分放電測定方法を示す図である。
符号の説明
1 ステータ
2 ダミーロータ
6、7、8 コイル
6a、7a、8a 端子
9 中性点
11 3相インバータ
12 オシロスコープ
RI1、RI2 リップル電流振幅

Claims (7)

  1. 回転電機のステータの製造工程における該ステータの検査装置において、
    前記ステータ検査時に該ステータのロータ挿入部に挿入され、磁束経路を構成する検査部材を備えることを特徴とする回転電機の検査装置。
  2. 前記検査部材は、磁束を測定する磁気回路測定用センサを備えることを特徴とする請求項1に記載の回転電機の検査装置。
  3. 前記磁気回路測定用センサは、
    前記ステータに形成されるステータコイルに対向する位置に配置される測定コイル部を備えることを特徴とする請求項1に記載の回転電機の検査装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の少なくともいずれか1項に記載の回転電機の検査装置により検査を行うに当たり、前記ステータに前記検査部材を挿入する検査部材挿入ステップと、
    前記ステータのステータコイルに直流電圧を印加する直流電圧印加ステップとを備えることを特徴とする回転電機の検査方法。
  5. 請求項1乃至請求項3の少なくともいずれか1項に記載の回転電機の検査装置により検査を行うに当たり、前記ステータに前記検査部材を挿入する検査部材挿入ステップと、
    前記ステータのステータコイルにインパルス電圧を印加するインパルス電圧印加ステップとを備えることを特徴とする回転電機の検査方法。
  6. 請求項1乃至請求項3の少なくともいずれか1項に記載の回転電機の検査装置により検査を行うに当たり、前記ステータに前記検査部材を挿入する検査部材挿入ステップと、
    前記ステータのステータコイルに3相交流電圧を印加する3相交流電圧印加ステップとを備えることを特徴とする回転電機の検査方法。
  7. 前記検査部材を前記ステータの中心軸を軸として回転させ、前記磁気回路測定用センサを前記ステータ内の測定対象であるステータコイルに対向する位置に測定のために移動させる磁気回路測定用センサ移動ステップを備え、
    前記直流電圧印加ステップまたは前記インパルス電圧印加ステップまたは前記3相交流電圧印加ステップと、前記磁気回路測定用センサ移動ステップとを、交互に繰り返すことを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の回転電機の検査方法。
JP2004019853A 2004-01-28 2004-01-28 回転電機の検査装置および検査方法 Pending JP2005214715A (ja)

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