JP2005214717A - 多相電動機ステータの不良検査方法 - Google Patents

多相電動機ステータの不良検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 不良検査時にコイルより取り出される信号波形の状態に関わらずコイル巻数およびコイル束線の断線を検出することが可能な多相電動機ステータの不良検査方法を提供すること。
【解決手段】 コイル2が接続された端子T1、T2ごとに、制御信号CTLに応じて切り替え部51で端子T1、T2の接続先を抵抗測定器53あるいは電圧測定器55の何れかに切り替えて接続する。抵抗測定器53では端子間ごとに微小抵抗を測定して相互のアンバランス量を算出し、電圧測定器55ではコイルごとに発生する誘起電圧を実効値電圧として測定して相互のアンバランス量を算出する。算出結果が規定値内に収まるか否かが判定部57にて判断され不良判定が行われる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、電動機ステータの不良検出に関するものであり、特に、複数スロットの各々に巻装されたコイルの不良状態の検出に関するものである。
特許文献1に開示されている不良状態検出装置は、固定子鉄心の磁界空間にマグネットを配置させ、回転駆動装置を起動させてマグネットを回転させる。マグネットの回転に伴ってコイルに発生する電気信号を、測定手段の動作により例えば電圧波形や電流波形といった電気信号として取り出し、正常時の電気信号との差異を検知して不良の有無を判断する。
正常であるか否かの判別は、電圧波形や電流波形等の信号波形をオシロスコープ等で目視により確認することで行われる他、自動化された判定手段で行うことができる。すなわち、取り出された信号は全波整流されピークホールド処理が行われる。全波整流された信号とピークホールドされた信号との差分信号は平均信号で除算され、除算により出力される信号が基準値よりも大きい場合に不良と判断される。
特開平5−119102号公報(第0008、0011、0012段落、第8図)
しかしながら、前記特許文献1に開示されている信号波形の目視による判別では、自動化することはできないため、生産性の向上を図ることはできず問題である。
前記特許文献1に開示されている自動化された判定手段によれば、検査工程の自動化を図ることは可能ではある。しかしながら、前記特許文献1の判定手段では、信号波形のピーク値をホールドする必要があるが、信号波形には不確定なノイズ成分が混入していることが一般的である。有意な信号成分にノイズ成分が重畳した値をピーク値としてホールドしてしまう場合があり、ホールドされたピーク値は信号成分のピーク値とは精度よく一致しない場合がある。ホールドされるピーク値の精度には限界があり、判定結果にも誤差を含むこととなり問題である。特に、微小な巻数間違いを判別することができないおそれがあり問題である。
また、マグネットを回転させる回転駆動装置には、回転駆動時の回転ムラであるトルクリップルが存在する場合がある。また、マグネットに代えて電動機のロータを利用する場合には、ロータの回転ムラであるコギングトルクが存在する場合がある。これらの回転ムラの存在によりコイルに発生する電気信号が変動してしまう場合がある。精度よくピーク値等が検出できるとしても検出される信号波形自体が変動してしまえば高精度な判定をすることができないおそれがあり問題である。
また、スロットに巻装されているコイルは、複数の配線が束になって並列に巻装される、いわゆるコイル束線にて形成されている場合がある。この場合、個々の配線の断線はコイル束線における電気抵抗の増大を招来するため、不良検出することが好ましいが、前記特許文献1に開示されている装置ではこうした配線の断線を検出することができず問題である。
本発明は前記従来技術の課題の少なくとも1つを解消するためになされたものであり、不良検査時にコイルより取り出される信号波形の状態に関わらず、コイルの巻数が正常であるか否かを検出することができると共に、コイル束線の断線を検出することが可能な多相電動機ステータの不良検査方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に係る多相電動機ステータの不良検査方法は、各スロットに巻装され各相端子に接続されてなる複数のコイルを備える多相電動機ステータの不良検査方法であって、ロータまたはロータ配置空間に挿入された磁石体を外部から回転駆動することにより、コイルにおいて誘起され各相端子から出力される誘起電圧を個々に平均化する誘起電圧平均化ステップと、誘起電圧平均化ステップにより平均化された平均電圧を相互に比較し、平均電圧間の差電圧が所定値を越える場合に不良判定を行う差電圧判定ステップとを有することを特徴とする。
請求項1の多相電動機ステータの不良検査方法では、ロータが組み込まれた多相電動機についてステータの検査を行う場合にはロータを回転させ、ロータが組み込まれていない多相電動機ステータの検査を行う場合にはロータ配置位置に磁石体を挿入して回転させて、ステータスロットに巻装されているコイルに鎖交する磁束を変化させて誘起電圧を発生させる。発生させた誘起電圧はコイルと磁石体との位置関係により時間変化するので、各相端子から出力される誘起電圧ごとに平均化を行う。平均化された平均電圧を相互に比較して、各相端子間での平均電圧のバラツキが所定値を越える場合を不良品と判断する。
ここで、時間変化する誘起電圧は、磁石体が回転駆動してコイルへの鎖交磁束が周期的に変化するため、時間変化に伴い周期的に電圧極性が反転すると共に各極性の電圧波形の波高値が対称となる交流波形となる。このような誘起電圧を平均化するに当たっては電圧極性をキャンセルする必要がある。極性を残したままで平均化すると平均値は0となってしまうからである。平均化手法としては、二乗平均を行ういわゆる実効値算出が一般的である。誘起電圧の絶対値を求め積分した後、時間平均することも可能である。
これにより、各相端子から出力される誘起電圧に重畳されるノイズ成分の影響や、ロータや磁石体の回転駆動時の回転ムラによる誘起電圧の変動の影響を、相殺あるいは緩和することができ、巻装されたコイル間の巻数間違いや相内短絡を簡易かつ確実に検出することができる。
不良判定を行う際の所定値は、多相電動機の相数、コイル巻数、ロータの磁石形状やサイズ等の電動機の構成や製造ばらつき、磁石体の磁石形状やサイズ、ロータや磁石体の回転速度等といった検査系の構成などにより決定される。これらの構成を踏まえ、製造ばらつきを考慮した上で、コイルの巻数間違いや相内短絡が検出できる値が設定される。逆にいえば、不良品を確実に判別するために、電動機の構成や製造ばらつきを考慮して検査条件を決定すればよいこととなる。
また、請求項2に係る多相電動機ステータの不良検査方法は、請求項1に記載の多相電動機ステータの不良検査方法において、各相端子ごとに、端子の電気抵抗を測定する抵抗測定ステップと、抵抗測定ステップにより測定された電気抵抗を相互に比較し、電気抵抗間の差抵抗が所定値を越える場合に不良判定を行う差抵抗判定ステップとを有することを特徴とする。
請求項2の多相電動機ステータの不良検査方法では、更に、各相端子に接続されコイルを形成するコイル配線の電気抵抗を測定し、測定された電気抵抗を相互に比較して、各相端子間での電気抵抗のばらつきが所定値を越える場合を不良品と判断する。
これにより、コイル配線が、複数の配線を束にしてなるコイル束線により構成される場合に、コイル束線の一部に生ずる断線を検出することができる。コイル束線の一部が断線する場合、端子間の電気抵抗が上昇して通電の際の損失が増大することにより、ステータの温度上昇や通電電流量が許容値を満足しなくなるといった不良を検出することができる。
また、請求項3に係る多相電動機ステータの不良検査方法は、請求項2に記載の多相電動機ステータの不良検査方法において、差抵抗判定ステップでは、各相端子ごとの配線長の違いに応じて測定された電気抵抗を補正することを特徴とする。これにより、コイルごとのスロットへの巻装ループ形状やループ径の違いや端子からコイルまでのコイル束線の引き回しの違い等により、コイル束線の断線がない場合にも異なる値となる電気抵抗の違いを相殺して、コイル束線の断線による電気抵抗の違いのみを検出することができる。
また、請求項4に係る多相電動機ステータの不良検査方法は、請求項1または2に記載の多相電動機ステータの不良検査方法において、コイルは各相端子と中性点との間に接続されており、誘起電圧または前記電気抵抗は各相端子間で得られることを特徴とする。また、請求項5に係る多相電動機ステータの不良検査方法は、請求項1または2に記載の多相電動機ステータの不良検査方法において、コイルは各相端子と中性点との間に接続されており、誘起電圧または前記電気抵抗は各相端子と前記中性点との間で得られることを特徴とする。
多相電動機が多相同期電動機である場合、一端が各相端子に接続されたコイルの他端、あるいは更に多段にコイルが直列接続された後の最終段のコイル他端は、中性点に接続される。各相端子は少なくとも一つのコイルを介して中性点に接続されて構成されている。誘起電圧や電気抵抗の測定は、各相端子間あるいは各相端子と中性点との間において行うことができる。
ここで、多相電動機は、三相同期電動機であることが好ましい。
本発明によれば、不良検査時にコイルより取り出される信号波形の状態に関わらず、コイルの巻数が正常であるか否かを検出することができると共に、コイル束線の断線を検出することが可能な多相電動機ステータの不良検査方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の多相電動機ステータの不良検査方法について具体化した実施形態を図1乃至図7に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、多相電動機ステータ1をロータ回転軸方向から見た平面図である。円筒状のステータ1は、径方向内側に向かって延びる48本のティース11およびこれらのティース11同士の間に位置する48個のスロット13を有して構成されており、所定数のティース11を挟んで2つのスロット13間に不図示のコイル束線が巻装されてコイルが形成される。
多相電動機ステータ1の径方向内側には、円筒状のロータあるいは磁石体3が配置されている。ロータ3は、ステータ1の径方向内側においてステータ1の円筒軸と同位置に回転軸4を配して配置される。磁石体3は、ロータが組み込まれる前の状態でロータ配置位置に回転軸4を中心にして回転可能に配置される。
ロータあるいはロータの配置位置に配置される磁石体3は、円筒側面とステータ1のティース11の先端との間を所定のクリアランスを保って回転軸4に軸支される。円筒側面には、円周方向に所定幅を有する永久磁石31が回転軸4に沿うと共に円周方向に所定ピッチで配置されている。
スロット13間に巻装されロータあるいは磁石体3の永久磁石31に対向するコイルに、永久磁石31からの磁束がロータあるいは磁石体3の回転に応じて増減して鎖交することにより、コイルには正負極性の誘起電圧が交互に発生する。
図2、3では、ステータ1でのコイル巻装状態を模式的に示す。図2は、三相同期電動機を構成する場合のコイルの巻装状態を例示しており、図3は、ステッピングモータを構成する場合のコイルの巻装状態を例示している。
図2では、U相、V相、W相の各端子に接続され、6スロット離れたスロット間でコイル束線が所定巻数で巻装されたコイル21U、21V、21Wが構成される。各相のコイル21U、21V、21Wは互いに隣接して配置されており、所定数のスロットだけピッチをずらして互いに一部が重なりながら巻装されている。
コイル21U、21V、21Wは、ステータ1の円周に沿って隣接するスロットに所定巻数で巻装されてなるコイル22U、22V、22Wに接続されている。コイル22U、22V、22Wは、コイル21U、21V、21Wと同様に互いに隣接して配置され所定数のスロットだけピッチをずらして互いに一部が重なりながら巻装されているところ、巻装方向がコイル21U、21V、21Wとは反対方向である。以下、巻装方向が相互に反対方向である、コイル21U、21V、21Wとコイル22U、22V、22Wとが円周方向に沿って順次巻装される。各コイルは6スロット離れたスロット間で巻装されているので、48スロットを有するステータ1では8極のコイルが形成されることとなる。これらのコイルは、各相端子からステータ1の円周に沿って順次直列に接続され、円周方向の終端で互いに接続される。これが中性点Nである。
ロータあるいは磁石体3の円筒面に配置されている永久磁石31は、各相のコイルが互いに隣接して巻装されているスロット間に対向している。ロータあるいは磁石体3が回転軸に沿って回転駆動されると、永久磁石31はコイルに対向しながらステータ1の内径側の側面を順次移動していく。8極配置されているコイルには、順次永久磁石が近づいた後、離間する。永久磁石31から発せられ各コイルに鎖交する磁束は、永久磁石31がコイルに正対するまでは増大し、その後減少していく。コイルに鎖交する磁束の時間変化によりコイルには電圧が誘起される。
また、永久磁石がコイル21U、21V、21Wあるいは22U、22V、22Wを遠ざかる期間は、同コイルに鎖交する磁束が減少する期間であるが、同時に隣接するコイル22U、22V、22Wあるいは21U、21V、21Wに近づく期間であり、同コイルに鎖交する磁束は増大する。コイル21U、21V、21Wとコイル22U、22V、22Wとは互いに巻装方向が反対であるため誘起電圧は互いに強められることとなる。
更に、互いに巻装方向が反対の8極のコイルをステータ1の円周に沿って連続して配置しているので、コイルに誘起される誘起電圧は、永久磁石31の回転距離が2極分の円周距離を移動する時間を周期とする交流電圧となる。
図3では、ティース11を挟んで隣接するスロット13間でコイル束線が巻装されてコイル23が構成されている。ティース11をコアとするコイル23は、各々独立したコイルであり、48極のコイルが配置されている。
ロータあるいは磁石体3の円筒面に配置されている永久磁石31は、コイル23に対向している。ロータあるいは磁石体3が回転軸に沿って回転駆動されると、永久磁石31はコイルに対向しながらステータ1の内径側の側面を順次移動していく。48極配置されている各コイル23には、順次永久磁石が近づいた後、離間する。永久磁石31から発せられ各コイルに鎖交する磁束は、永久磁石31がコイルに正対するまでは増大し、その後減少していく。コイルに鎖交する磁束の時間変化によりコイル23には電圧が誘起される。
円周に沿って48極配置されているコイル23は各々独立しているので、各コイル23に誘起される誘起電圧は各々の端子から出力される。各コイル端子から出力される誘起電圧は、永久磁石31の通過ごとに正負電圧が交互に誘起される一周期のパルス状電圧となる。
図4には不良検査装置を示す。ここでは、簡単のため、複数存在するコイルおよび対応する端子のうち、端子T1、T2に接続されているコイル2についてのみ示す。端子T1、T2は、切り替え部51に接続される。ここで、端子T1、T2は、図2においては各相の端子間あるいは各相の端子と中性点端子とであり、図3においてはコイル両端の端子である。
切り替え部51は制御信号CTLにより制御され、コイル2を抵抗測定器53あるいは電圧測定器55の何れかに接続する。抵抗測定器53および電圧測定器55の出力端子は判定部57に接続される。判定部57からは制御信号CTLが出力されており、抵抗測定器53または電圧測定器55からの測定結果の判定に応じて切り替え部51を切り替えるための制御を行う。判定部57にて、抵抗測定器53および電圧測定器55からの測定結果に基づき不良判定を行い、判定結果Jが出力される。
尚、切り替え部51、抵抗測定器53、電圧測定器55、および判定部57は、多相電動機ステータの個々のコイルごとに備える構成とすることができる他、多相電動機ステータの全てのコイルに共通に備える構成とし、切り替え部51により検査対象のコイルを順次切り替える構成とすることもできる。また、各々の構成を適宜に組み合わせて構成することも可能である。
ここで、抵抗測定器53は、端子間のコイル束線の抵抗を測定する装置である。コイル束線は導電体であるため端子間の抵抗値は微小抵抗である。微小抵抗を測定可能な測定器である必要がある。
また、電圧測定器55は、コイルに発生する誘起電圧を測定する装置である。誘起電圧は、前述したように正負電圧の間で電圧波高値が周期的に変化する波形となる。例えば、三相同期電動機ステータのU、V、Wの各相コイルに発生する誘起電圧を図5に示す。各相の誘起電圧は互いに120度の位相差を有する交流波形として発生する。また、破線で示す電圧波形は、V相コイルについて巻数が過不足している場合の誘起電圧波形である。コイルに磁束が鎖交する場合、コイル巻数に比例して電圧が誘起されるため、巻数違いは誘起電圧波高値の違いとして現われる。電圧測定器55では、これらの誘起電圧を、例えば実効値電圧として測定する。波高値の違いは実効値電圧の違いとして検出することができる。
図4の不良検査装置において不良判定を行う際のフローを図6に示す。図6の判定フローでは、前半に電気抵抗による判定フロー(図6中、I)を行い、後半に誘起電圧による判定フロー(図6中、II)を行う場合を示している。検査フローを逆転させ、誘起電圧の検査を先行させその後に電気抵抗の検査を行う構成とすることもできる。各々の判定フローにおけるステータやコイルの発熱を考慮して温度上昇の少ない測定を先行させることが好ましい。
判定フローが開始されると、各端子が抵抗測定系に接続される。具体的には切り替え部51が制御信号CTLにより制御されて端子T1、T2を抵抗測定器53に接続する(S1。そして端子間の電気抵抗が測定される(S2)。
各端子間の抵抗測定が完了した後、実測値の補正が行われる(S3)。コイルごとのスロットへの巻装ループ形状やループ径の違い、端子からコイルまでのコイル束線の引き回し長の違い等を相殺するために、各端子間に接続されているコイル束線の配線長データ(D1)に応じて抵抗値の規格化が行われる。コイル束線の配線長に応じた比率で実測抵抗を換算する。補正後の抵抗値について最大値と最小値を抽出し(S4)、相互に抵抗値の違いを算出して端子ごとの抵抗値のアンバランス量を算出する(S5)。算出されたアンバランス量が規定値を越えていれば(S6:NO)不良品と判定する(S14)。
抵抗値のアンバランス量が規定値に収まっていれば(S6:YES)、以後、誘起電圧の判定フローに移行する。
各端子が誘起電圧測定系に接続される。具体的には切り替え部51が制御信号CTLにより制御されて端子T1、T2を電圧測定器55に接続する(S7)。ロータあるいは磁石体3を回転駆動させて回転磁界を発生させコイルに誘起電圧を発生させる(S8)。誘起電圧はコイルが接続されている端子間から取り出され電圧測定器55により実効値電圧に平均化されて測定される(S9)。
実効値電圧として平均化されて取り出された平均電圧について最大値と最小値を抽出し(S10)、相互の電圧差を算出して端子ごとの平均電圧のアンバランス量を算出する(S11)。算出されたアンバランス量が規定値を越えていれば(S12:NO)不良品と判定する(S15)。アンバランス量が規定値に収まっていれば(S12:YES)良品と判定される(S13)。
上記に説明した判定フローを、多相電動機として図7に示す三相同期電動機を例にして説明する。
電気抵抗による判定フロー(図6中、I)では、S2において、U−V間の端子間抵抗(RUV)、V−W間の端子間抵抗(RVW)、W−U間の端子間抵抗(RWU)を測定した後、S3において、U−V間の線長補正係数(KUV)、V−W間の線長補正係数(KVW)、W−U間の線長補正係数(KWU)を各端子間抵抗RUV、RVW、RWUに乗じて、規格化端子間抵抗RUV’、RVW’、RWU’を算出する。
ここで、線長補正係数KUV、KVW、KWUとは、予め格納されている端子間ごとのコイル束線の配線長データ(D1)に基づいてS3において算出される係数である。例えば、中性点から各端子U、V、Wまでのコイル束線の配線長を、各々102m、100m、101mとする。配線長が最長となるW−U間に対して規格化補正すると、
KUV=(101+102)/(102+100)=1.00495
KVW=(101+102)/(100+101)=1.00995
KWU=(101+102)/(101+102)=1.00000
となる。尚、コイル束線の配線長データ(D1)に代えて、線長補正係数KUV、KVW、KWUを予め格納しておくことも可能である。
算出された規格化端子間抵抗RUV’、RVW’、RWU’から最大値RMAX、最小値RMINが抽出され(S4)、S5において、(RMAX−RMIN)/RMIN×100としてアンバランス量が算出される。
端子間の電気抵抗は接続されているコイル束線の配線本数に比例するので、特定端子間に接続されているコイル束線の一部の配線が断線している場合、接続配線本数に応じて測定される抵抗値間のアンバランス量が算出されることとなる。断線によるアンバランス量が端子間抵抗値のばらつき範囲を越える値であればコイル束線の断線を検出することができる。
尚、コイル束線の断線の他にも、コイルの巻数違い、コイル束線間の短絡、コイル束線の伸び等を検出することも可能である。
誘起電圧による判定フロー(図6中、II)では、S9において、U−V間の端子間電圧(VUV)、V−W間の端子間電圧(VVW)、W−U間の端子間電圧(VWU)を実効値電圧として測定した後、最大値VMAX、最小値VMINが抽出され(S10)、S11において、(VMAX−VMIN)/VMIN×100としてアンバランス量が算出される。
端子間の誘起電圧は接続されているコイルの巻数に比例するので、特定端子間に接続されているコイルの巻数に過不足がある場合、巻数比に応じた端子間電圧のアンバランス量が算出されることとなる。アンバランス量が端子間誘起電圧のばらつき範囲を越える値であればコイルの巻数違いを検出することができる。
尚、コイルの巻数違いの他にも、コイル内での短絡を検出することも可能である。
以上詳細に説明したとおり、本実施形態に係る多相電動機ステータの不良検査方法において、各相端子間の誘起電圧を実効値電圧により測定して相互の電圧値のアンバランス量を算出すれば、各相端子から出力される誘起電圧に重畳されるノイズ成分の影響や、ロータや磁石体の回転駆動時の回転ムラによる誘起電圧の変動の影響を、相殺あるいは緩和することができ、巻装されたコイル間の巻数間違いや相内短絡を簡易かつ確実に検出することができる。
また、各相端子間に接続されているコイル束線の抵抗値を測定して相互に抵抗値のアンバランス量を算出すれば、コイル束線の一部に生ずる断線を検出することができる。コイル束線の一部が断線する場合、端子間の電気抵抗が上昇してステータの温度上昇や通電電流量が許容値を満足しなくなるといった不良を未然に検出することができる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態においては、ロータや磁石体の回転駆動により発生する誘起電圧を相互に比較してその差電圧の大きさに応じて不良判定する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。必要に応じて温度補正された電圧測定器により平均値化して測定される誘起電圧の電圧値自身から判定することも可能である。この場合、各相コイル間の巻数の過不足のみならず、全相コイルが一律に同一の巻数違いである場合も検出することができる。更に、この場合は、ロータに備えられている永久磁石の不良を検出することができる。
多相電動機ステータ1をロータ回転軸方向から見た平面図である。 三相同期電動機を構成する場合のステータコイルの巻装状態を示す模式図である。 ステッピングモータを構成する場合のステータコイルの巻装状態を示す模式図である。 不良検査装置の回路ブロック図である。 三相同期電動機ステータの各相コイルに発生する誘起電圧を示す波形図である。 不良判定を行う際のフロー図である。 多相電動機として三相同期電動機のコイル結線を示す回路図である。
符号の説明
1 多相電動機ステータ
2、21U、22U、21V、22V、21W、22W、23
コイル
3 ロータあるいは磁石体
11 ティース
13 スロット
31 永久磁石
51 切り替え部
53 抵抗測定器
55 電圧測定器
57 判定部
N 中性点
T1、T2 端子
CTL 制御信号
J 判定結果

Claims (6)

  1. 各スロットに巻装され各相端子に接続されてなる複数のコイルを備える多相電動機ステータの不良検査方法であって、
    ロータまたはロータ配置空間に挿入された磁石体を外部から回転駆動することにより、コイルにおいて誘起され各相端子から出力される誘起電圧を個々に平均化する誘起電圧平均化ステップと、
    前記誘起電圧平均化ステップにより平均化された平均電圧を相互に比較し、平均電圧間の差電圧が所定値を越える場合に不良判定を行う差電圧判定ステップとを有することを特徴とする多相電動機ステータの不良検査方法。
  2. 各相端子ごとに、端子の電気抵抗を測定する抵抗測定ステップと、
    前記抵抗測定ステップにより測定された電気抵抗を相互に比較し、電気抵抗間の差抵抗が所定値を越える場合に不良判定を行う差抵抗判定ステップとを有することを特徴とする請求項1に記載の多相電動機ステータの不良検査方法。
  3. 前記差抵抗判定ステップでは、各相端子ごとの配線長の違いに応じて測定された電気抵抗を補正することを特徴とする請求項2に記載の多相電動機ステータの不良検査方法。
  4. コイルは各相端子と中性点との間に接続されており、前記誘起電圧または前記電気抵抗は各相端子間で得られることを特徴とする請求項1または2に記載の多相電動機ステータの不良検査方法。
  5. コイルは各相端子と中性点との間に接続されており、前記誘起電圧または前記電気抵抗は各相端子と前記中性点との間で得られることを特徴とする請求項1または2に記載の多相電動機ステータの不良検査方法。
  6. 前記多相電動機は、三相同期電動機であることを特徴とする請求項4または5に記載の多相電動機ステータの不良検査方法。
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