JP2022162813A - 回転電機の異常検知装置および回転電機の異常検知方法 - Google Patents

回転電機の異常検知装置および回転電機の異常検知方法 Download PDF

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安雄 加幡
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Abstract

【課題】 少ない種類のセンサで回転電機における異常事象を検知すること。【解決手段】 実施形態による回転電機の異常検知装置は、複数相で偶数極を有し各相に複数の並列回路を備える電機子巻線と、前記電機子巻線に起磁力を与える界磁巻線と、前記電機子巻線と前記界磁巻線のうちの一方を有する回転子と、前記電機子巻線と前記界磁巻線のうちのもう一方を有する固定子と、を備えた回転電機に適用される回転電機の異常検知装置であって、前記複数の並列回路の少なくとも一部に流れる電流を測定する測定手段と、前記測定手段により測定される電流を用いて、界磁起磁力の不平衡により各並列回路に流れる循環電流を検知し、当該循環電流に対する分析を行う分析手段と、前記分析手段の分析結果に基づき、前記回転電機における特定の異常事象の有無を判定する判定手段とを具備する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、回転電機の異常検知装置および回転電機の異常検知方法に関する。
一般に、回転電機は、図20に示すように電機子部1、界磁部2、シャフト3等から構成される。電機子部1と界磁部2は、どちらか一方が回転子として回転し、もう一方は固定子として固定される。ここでは、電機子部1が固定子、界磁部2が回転子である場合を例に挙げて説明する。電機子部1は、電機子鉄心5と電機子巻線6とからなり、電機子鉄心5は積層鉄板を積層して構成され、この電機子鉄心5の周囲部に設けられたスロット7には電機子巻線6が収められている。この電機子巻線6は、スロット開口部に近い側の上コイル片8と、スロット底側の下コイル片9の2層に配置され、その外周部が主絶縁層で覆われている。界磁部2は、磁極に巻かれた界磁巻線15を有する。界磁巻線15は、電機子巻線6に起磁力を与える。
図21は、3相12極72スロット4並列回路の回転電機における電機子巻線6の展開模式図を示している。本例は波巻と呼ばれる巻線方式である。図21に示されるように、電機子巻線6は、U相巻線、V相巻線、およびW相巻線から構成され、各相の各並列回路は各磁極を順次通過して電機子を周回するように要所にジャンパ線12を用いて巻回される。
図22は、図21に示される電機子巻線6の展開模式図の1相分のみを対象に、当該1相内の4並列回路を識別して示す図である。図23は、電機子巻線6の構成図を3相分示したものである。図22に示されていない他の2相については、図23と同様の巻線構成とし、図22に図示された相の電機子巻線6の構成をそれぞれ電気角で120度及び240度ずつずらして構成される。
図22に示すように、電機子巻線6は4つの並列回路C1,C2,C3,C4を構成している。各並列回路の電機子巻線6は、スロット7内の開口部側に納められる上コイル片8と、スロット内の底側に納められる下コイル片9を有し、これら上コイル片8、下コイル片9の端部同士を、巻線口出し部16,17に接続される接続側コイルエンド10と、その軸方向反対側で巻線口出し部16,17に接続されない反接続側コイルエンド11とにおいてそれぞれ回転電機の周方向に一方向に順次直列に接続し、12個の相帯13による相帯群14を形成している。ここで、相帯13とは、3相各相を複数に分割して割り当てられた電機子鉄心5に有する複数のスロット7にそれぞれ上コイル片8及び下コイル片9を2層に収めてこれらを接続して同一相を形成する巻線部分を言う。
図20において、界磁巻線15を構成する導体間には、層間絶縁が導体に挟まれるような形で設けられており、導体同士を絶縁し、導体間に短絡電流が流れるのを防いでいる。
図24は、図23に示される電機子巻線に対して電位が等しい点を等電位短絡線23で接続した別の構成例を示すものである。この例では、後述する回転子の偏心などによって、界磁起磁力の不平衡が生じた場合に、等電位短絡線23に循環電流が流れ、偏心を緩和するような磁気吸引力が働く。
特開昭56-44360号公報
Wilian Oliveira, Mauro Uemori, Johnny Rocha, Renato Carlson, "Reduction of Unbalanced Magnetic Pull (UMP) due to equipotential connections among parallel circuits of the stator winding" Proceedings of 2009 IEEE International Electric Machines and Drives Conference, Miami, USA, 2009
回転電機は、通常、中心点21を中心に回転子2が回転しており、固定子1と回転子2との間の空隙は円周上で均一であるが、図20に示されるように固定子1の中心点21から回転子2の中心軸22がずれ、固定子1と回転子2との間の空隙が円周上で不均一となり、ギャップ4による回転子2の偏心が生じることがある。回転子2の偏心が生じた場合、固定子1と回転子2とを結合する磁気エネルギーが全周上で不均一となり、磁気吸引力が働く。
大容量の回転電機の大容量化においては、偏心が生じた際の磁気吸引力が大きくなり、軸受やフレームに掛かる力が大きくなる。また、既存の回転電機の構造を変えずに大容量化した場合、偏心に対して回転子2を元の位置に戻すことができないため、軸受やフレームが耐えられなくなり変形や破損、回転子2と固定子1との接触が起こる可能性がある。一方、上記と防止するために回転電機全体の再設計を行うとなると、多大な時間とコストを要する。こうした問題は、回転子が電機子部1、固定子が界磁部2の場合においても同様に起こる。
こうした偏心は、ギャップ4の幅を測定するギャップセンサや、シャフト3の振動を測定する振動センサ等によって検知できることが知られている。
また、界磁巻線15については、層間絶縁の劣化もしくは損傷などの要因により、層間短絡と呼ばれる、導体間の短絡が発生すると、巻線の有効な巻き数が減少するため、発生する磁界が減少するなど、回転電機の性能低下を招く。そのため、層間短絡の早期の検知は、回転電機が設置されている機械やプラント全体の性能維持の観点でも、重要な技術となっている。層間絶縁は、経年的な劣化に加え、運転状態の変化に伴う巻線の温度変化によっても、劣化が加速される場合もあり、部分負荷や力率が変動するような運用が多い回転電機においては、層間短絡のリスクは高くなり、その早期検知は特に重要である。
回転電機運転中に、層間短絡を検知する技術としては、巻線に印加される電圧と巻線に流れる電流から巻線抵抗を算出し、その巻線抵抗の変化から短絡を検知する方法や、さらに、巻線の温度を計測することで、巻線抵抗に対する温度の影響を除去する方法などが提案されている。
また、図20に示した回転子2の磁極部は、比較的大容量の回転電機では、その内側のシャフト部とは別に製作され、シャフト部と接合するように組み立てられる。組立時の組立誤差や、経年的に固定子側との磁気吸引力などによって、この回転子2の磁極部の径方向のずれ(回転子磁極のずれ)、回転子2や固定子1の真円度のずれなどが生じる場合がある。回転子磁極のずれや真円度のずれなどについては、ギャップの幅の測定や、シャフトの振動センサによる振動ぶれの発生の確認などから検知が行われる。
図20に示した固定子1では、磁気吸引力によって生じる鉄心振動、鉄心端部のもれ磁束とコイルを流れる電流のローレンツ力に起因するコイルエンド部の振動などが、振動センサによって検知される。
このように回転電機では、回転子の偏心、界磁巻線の層間短絡、回転子磁極のずれ、固定子の振動、回転子・固定子の真円度のずれなどの異常事象に対して、様々なセンサを用いた測定、検知が行われる。そのため複数種類のセンサを複数個所に取り付ける必要があり、センサ取り付けの手間が多く、各センサから各センサの信号取込装置までの配線の引き回し、センサごとの測定、分析法の設定などを行わなければならない。
本発明が解決しようとする課題は、少ない種類のセンサで回転電機における異常事象を検知することを可能にする回転電機の異常検知装置および回転電機の異常検知方法を提供することにある。
実施形態による回転電機の異常検知装置は、複数相で偶数極を有し各相に複数の並列回路を備える電機子巻線と、前記電機子巻線に起磁力を与える界磁巻線と、前記電機子巻線と前記界磁巻線のうちの一方を有する回転子と、前記電機子巻線と前記界磁巻線のうちのもう一方を有する固定子と、を備えた回転電機に適用される回転電機の異常検知装置であって、前記複数の並列回路の少なくとも一部に流れる電流を測定する測定手段と、前記測定手段により測定される電流を用いて、界磁起磁力の不平衡により各並列回路に流れる循環電流を検知し、当該循環電流に対する分析を行う分析手段と、前記分析手段の分析結果に基づき、前記回転電機における特定の異常事象の有無を判定する判定手段とを具備する。
本発明によれば、少ない種類のセンサで回転電機における異常事象を検知することが可能になる。
第1の実施形態に係る回転電機の異常検知装置を適用した場合の電機子巻線の1相分を示す展開模式図。 同実施形態の回転電機の異常検知装置における電流センサの配置を3相分示す模式図。 並列回路数が4の場合にU相,V相,W相の各並列回路に流れる循環電流を、「回転子の偏心」の有無それぞれについて、数値解析によって求めた結果を示すグラフ。 並列回路数が4の場合にU相,V相,W相の各並列回路に流れる循環電流を、「界磁巻線の層間短絡」の有無それぞれについて、数値解析によって求めた結果を示すグラフ。 同実施形態に係る回転電機の異常検知装置の機能構成の一例を示すブロック図。 図5に示される異常検知装置による動作の一例を示すフローチャート。 第2の実施形態に係る回転電機の異常検知装置を適用した場合の電機子巻線6の1相分を示す展開模式図。 同実施形態の回転電機の異常検知装置における電流センサの配置を3相分示す模式図。 同実施形態に係る回転電機の異常検知装置の機能構成の一例を示すブロック図。 図9に示される異常検知装置による動作の第1の例を示すフローチャート。 図9に示される異常検知装置による動作の第2の例を示すフローチャート。 第3の実施形態の回転電機の異常検知装置における電流センサの配置を3相分示す模式図。 同実施形態に係る回転電機の異常検知装置の機能構成の一例を示すブロック図。 図13に示される異常検知装置による動作の例を示すフローチャート。 第4の実施形態に係る回転電機の異常検知装置を適用した場合の電機子巻線6の1相分を示す展開模式図。 同実施形態の回転電機の異常検知装置における電流センサの配置を3相分示す模式図。 第5の実施形態の回転電機の異常検知装置における電流センサの配置を3相分示す模式図。 第6の実施形態に係る回転電機の異常検知装置の機能構成の一例を示すブロック図。 図18に示される異常検知装置による動作の例を示すフローチャート。 回転電機の基本的な構成を示す概念図。 一般的な3相12極72スロット4並列回路の回転電機における電機子巻線6の展開模式図。 図21に示される電機子巻線6の展開模式図の1相分のみを対象に、当該1相内の4並列回路を識別して示す展開模式図。 電機子巻線6の構成図を3相分示す模式図。 図23に示される電機子巻線に対して電位が等しい点を等電位短絡線23で接続した別の構成例を示す模式図。
以下、図面を参照して、実施の形態について説明する。
(第1の実施形態)
最初に、第1の実施形態について説明する。なお、本実施形態では、前述した図20~図24も適宜参照する。
図1は、第1の実施形態に係る回転電機の異常検知装置を適用した場合の電機子巻線6の1相分を示す展開模式図である。ここでは、前述した図22と共通する要素に同一の符号を付している。
なお、本実施形態では、3相12極72スロット4並列回路を備える回転電機の電機子巻線について例示するが、相数・極数・スロット数・並列回路数はこの例に限定されるものではなく、複数相で偶数極を有し各相に複数の並列回路を備える回転電機の電機子巻線であればよい。
また、本実施形態では、固定子1が電機子巻線を有し、回転子2が界磁巻線を有する場合について例示するが、逆に、固定子1が界磁巻線を有し、回転子2が電機子巻線を有するように構成してもよい。
図1では、3相12極72スロット4並列回路の回転電機における電機子巻線6の1相分(U相分)のみを示しているが、図1に示されていない他の2相(V相、W相)については、図示されている相の電機子巻線6の構成をそれぞれ電気角で120度及び240度ずつずらしたものとなる。
図1の例では、回転電機の電機子は積層鉄心から成る電機子鉄心5に72個のスロット7が設けられ、これらのスロット7に12極3相4並列回路の電機子巻線6が2層に収められている。各相の電機子巻線6は、4つの並列回路C1~C4を構成している。
各並列回路の電機子巻線6は、スロット7内の開口部側に納められる上コイル片8と、スロット内の底側に納められる下コイル片9とを有し、これら上コイル片8、下コイル片9の端部同士を、巻線口出し部16,17に接続される接続側コイルエンド10と、その軸方向反対側で巻線口出し部16,17に接続されない反接続側コイルエンド11とにおいてそれぞれ回転電機の周方向に一方向に順次直列に接続し、12個の相帯13による相帯群14を形成している。
本実施形態では、並列回路C1~C4の少なくとも一部に流れる電流を測定する電流センサ(測定手段)24が設けられる。図1の例では、並列回路C1~C4のそれぞれに、電流センサ24が取り付けられる(U相においては、並列回路C1~C4のそれぞれに電流センサU1~U4が取り付けられる)。電流センサの具体例としては、変流器、ロゴスキーコイル、光電流センサなどが挙げられる。
図2は、本実施形態の回転電機の異常検知装置における電流センサの配置を3相分示す模式図である。
図2に示されるように、各相の各並列回路に、電流センサ24が配置される。具体的には、U相の並列回路C1~C4にそれぞれ電流センサU1~U4が、V相の並列回路C1~C4にそれぞれ電流センサV1~V4が、W相の並列回路C1~C4にそれぞれ電流センサW1~W4が配置される。
図2に示される端子TU、TV、TWは出力端子であり、図1中の巻線口出し部16に通じている。端子TX、TY、TWは、中性点端子であり、図1中の巻線口出し部17に通じている。本例では、各並列回路の電圧の低い中性点端子TX、TY、TW側に電流センサを設けることで、各電流センサにかかる対地電圧を低減している。
本実施形態において、図20に示されるように回転子2に偏心が生じた場合、界磁起磁力の不平衡により、各並列回路内でインダクタンスに差が生じて、各並列回路間の起電力に差が生じ、起電力が高くなる並列回路(ギャップ4が狭くなる位置に該当する回路)では磁気吸引力と逆の方向に循環電流が流れ、起電力が低くなる回路(ギャップ4が広くなる位置に該当する回路)では磁気吸引力と同方向に循環電流が流れる。
各電流センサが設置される各並列回路には、負荷運転時においては、負荷電流と循環電流の和が流れる。一般に、各並列回路の負荷電流は、回転電機の運転状態を監視するために所定の測定手段(図示せず)により測定されている。そのため、当該測定される負荷電流と各並列回路に設置した電流センサ24により測定される電流との差分から、各並列回路に流れる循環電流を求めることができる。
なお、負荷電流の情報が得られない場合は、各並列回路を流れる循環電流の総和は零となることから、各電流センサにより測定される電流の平均値を負荷電流とみなすことができ、当該平均値と各並列回路に設置した電流センサ24により測定される電流との差分から、各並列回路に流れる循環電流を求めることができる。
一方、出力端子TU、TV、TWを開放した無負荷運転時においては、負荷電流が流れないため、各電流センサでは循環電流のみが測定されることになる。
図3(a),(b),(c)は、並列回路数が4の場合にU相,V相,W相の各並列回路に流れる循環電流を、「回転子の偏心」の有無それぞれについて、数値解析によって求めた結果を示すグラフである。グラフの横軸は交流周波数の1周期を360度とした電気角を、縦軸は偏心無し時の循環電流の波高値を1としたp.u.(per unit)値で循環電流を表している。
各グラフにおいて、符号3n,4nはそれぞれ偏心無しのときに並列回路C3,C4に流れる循環電流の波形を示す。偏心無しのときに並列回路C1,C2に流れる循環電流の波形は、符号3n,4nに示す波形と同様となるが、これらも図示すると煩雑になるため、ここではその図示を省略している。一方、符号1e,2e,3e,4eはそれぞれ偏心有りのときに並列回路C1~C4に流れる循環電流の波形を示す。
例えば回転子2に偏心が生じると、図3に示されるように、各相の各並列回路の循環電流の波形が変化して波高値が大きくなり、相間においても循環電流の波形や波高値に差が生じていることがわかる。この相間で生じる波形の差は、固定子1における相帯の分布と、偏心の方向・大きさとの関係によって変わる。逆に言えば、相間における循環電流の波形の差から、偏心の方向・大きさを示す情報を得ることができるといえる。
図4(a),(b),(c)は、並列回路数が4の場合にU相,V相,W相の各並列回路に流れる循環電流を、「界磁巻線の層間短絡」の有無それぞれについて、数値解析によって求めた結果を示すグラフである。ここでは、回転子2側の界磁巻線15の1極分が層間短絡を起こす場合を想定している。図4のグラフの表記の仕方は、図3のグラフと同様である。
各グラフにおいて、符号3n,4nはそれぞれ層間短絡無しのときに並列回路C3,C4に流れる循環電流の波形を示す。層間短絡無しのときに並列回路C1,C2に流れる循環電流の波形は、符号3n,4nに示す波形と同様となるが、これらも図示すると煩雑になるため、ここではその図示を省略している。一方、符号1s,2s,3s,4sはそれぞれ層間短絡有りのときに並列回路C1~C4に流れる循環電流の波形を示す。
また、例えば回転子2側の界磁巻線15に層間短絡が生じると、図4に示すように、循環電流の波高値が大きくなり、波長も大きくなる。この例では、図3の場合とは違い、相間で生じる循環電流の波高値の差は顕著ではない。これは、層間短絡によって、回転子2側の界磁起磁力に不平衡は生じるものの、回転子2側が一周する間に、各相帯が受ける界磁起磁力は同様であるため、各相を鎖交する界磁起磁力による起電力は同じになるためである。界磁巻線15の層間短絡の場合は、循環電流は図3で示した偏心の場合とは異なる波形を示す。よって、循環電流の波形を分析することで、回転子2の偏心と界磁巻線15の層間短絡とを識別することができる。
また、回転子2の異常事象の一つとして、回転子2の磁極の一部が、経年的な支持機能の劣化や遠心力、磁気吸引力によって、径方向にずれる「磁極のずれ」が生じる場合がある。磁極の一部が径方向に固定子1側に近づいた場合は、固定子1側の受ける界磁起磁力による鎖交磁束量は増加し、前述の界磁巻線15の層間短絡で特定の磁極の界磁起磁力による鎖交磁束量が減少するのとは、逆の事象になる。この場合、各相が同様の鎖交磁束を受ける点では同じであるが、鎖交磁束量の変化が異なるため、図4に示した循環電流の波形とは異なる波形を示す。
したがって、循環電流の波形を分析することで、界磁起磁力の不平衡に関連する回転電機の各種の異常事象を識別することができる。
図5は、第1の実施形態に係る回転電機の異常検知装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5に示される異常検知装置は、前述した複数の電流センサ(測定手段)24、即ち、U相の並列回路C1~C4に配置される電流センサU1~U4、V相の並列回路C1~C4に配置される電流センサV1~V4、W相の並列回路C1~C4に配置される電流センサW1~W4を含むほか、比較・分析回路(分析手段)31、判定部(判定手段)32、および表示器(表示手段)33を含む。複数の電流センサで測定される電流は、それぞれケーブルを通じて電気信号として比較・分析回路31へ供給されるように構成されている。
比較・分析回路31は、複数の電流センサ24により測定される電流を用いて、相毎に界磁起磁力の不平衡により各並列回路に流れる循環電流を検知し、当該循環電流の経時変化を示す波形の分析などを行うものであり、分析結果として当該波形の特徴を示すデータ(例えば、周波数、振幅、位相、波高値などの物理量の組み合わせ)などを生成する。生成された循環電流の波形の特徴を示すデータは、特定の異常事象の有無の判定に使用される。
この比較・分析回路31は、検知した循環電流の波形の特徴を示すデータを生成する回路を備えるほか、検知した循環電流の波形の特徴を示すデータと予め通常運転時において通常時データとして記憶媒体に保存しておいた循環電流の波形の特徴を示すデータとを比較して、その差分を示す差分データを生成する回路や、相間で循環電流の波形の特徴を示すデータどうしを比較してその差分を示す差分データを生成する回路、並列回路間で循環電流の波形の特徴を示すデータどうしを比較してその差分を示す差分データを生成する回路などを備えている。これら各種の差分データもそれぞれ必要に応じて特定の異常事象の有無の判定に使用されてもよい。
判定部32は、比較・分析回路31の分析結果に示される各種のデータに基づき、回転電機における特定の異常事象の有無を判定するものであり、例えば比較・分析回路31により生成された循環電流の波形の特徴を示すデータを用いて、回転電機における特定の異常事象の有無を判定する機能を備えている。特定の異常事象とは、例えば、回転子の偏心、界磁巻線の層間短絡、回転子磁極のずれ、固定子または回転子の振動、回転子または固定子の真円度のずれ、などを指す。
この判定部32は、例えば、比較・分析回路31により生成された循環電流の波形の特徴を示すデータ、相間での循環電流の波形の特徴の差分を示すデータ、並列回路間での循環電流の波形の特徴の差分を示すデータ、などを用いて、特定の異常事象の有無や異常事象の種別を判定する。これらのデータは、例えば、予め用意しておいた対応する基準データ(特定の異常事象が発生したときの特徴を示すデータ)とそれぞれ比較され、双方の類似度または乖離度から判定されるようにしてもよい。また、それぞれの類似度もしくは乖離度に対し、データごとに必要な重み付けをした上で加算等をして算出した合計値が閾値を超えているか否かに応じて、特定の異常事象が発生しているか否かが判定されるようにしてもよい。また、このような判定は、異常事象の種別ごとに行われてもよい。
表示器33は、判定部32により判定された特定の異常事象の有無や異常事象の種別を表示するものである。
なお、比較・分析回路31や判定部32は、ハードウェアとして構成してもよいが、代わりに、例えばコンピュータのプロセッサが実行するプログラム(ソフトアウェア)の機能として構成してもよい。また、判定部32においては、予め定められた判定法の他に、機械学習によって、回転電機における特定の異常事象の有無を学習し、判定の精度を高めるようにしてもよい。その場合、判定部32は、特定の異常事象の有無を学習する機械学習によって構築しておいた数値モデルを用いて、特定の異常事象の有無を判定するように構成されてもよい。
次に、図6のフローチャートを参照して、図5に示される異常検知装置による動作の一例を説明する。
回転電機の運転中は、複数の電流センサ24、即ち、複数の電流センサU1~U4、V1~V4、W1~W4により各並列回路に流れる電流が測定され、それらが電気信号として比較・分析回路31に供給される。
比較・分析回路31は、各電流センサからそれぞれ供給されてくる信号を入力し、相毎に、各並列回路に流れる循環電流を検知して、当該循環電流の波形を取得する(S11)。さらに比較・分析回路31は、当該循環電流の波形の分析を行い(S12)、各相、各並列回路の循環電流の特徴を表すデータ(例えば、周波数、振幅、位相などを示すデータ)を求めて出力する(S13)。当該データは、通常運転時においては通常時データとして記憶媒体に保存される(S14)。
そして、比較・分析回路31は、ステップS13で出力したデータについて、予め通常運転時において通常時データとして記憶媒体に保存しておいた該当するデータとの比較を行ってその差分を示す差分データを生成し(S15)、また、各相・各並列回路のそれぞれのデータ間の比較(データ間比較)(S16)を行ってその差分を示す差分データを生成し、それらの差分データを含む分析結果を出力する。
判定部32は、比較・分析回路31から出力される分析結果に示される個々のデータと予め用意された対応する基準データとに基づき、n種類の各種の異常事象の有無を判定する(S17~S19)。
異常事象1として、例えば「回転子の偏心」が発生している可能性があるか否かが判定される(S17)。この判定は、分析結果に示される個々のデータと「回転子の偏心」に対応する基準データとの比較結果に基づいて行われるようにしてもよい。「回転子の偏心」が発生している可能性があると判定された場合は、その旨を示す異常表示が表示器33において行われる(S17a)。
また、異常事象2として、例えば「界磁巻線の層間短絡」が発生している可能性があるか否かが判定される(S18)。この判定は、分析結果に示される個々のデータと「界磁巻線の層間短絡」に対応する基準データとの比較結果に基づいて行われるようにしてもよい。「界磁巻線の層間短絡」が発生している可能性があると判定された場合は、その旨を示す異常表示が表示器33において行われる(S18a)。
最後に、異常事象nとして、例えば「磁極のずれ」が発生している可能性があるか否かが判定される(S19)。この判定は、分析結果に示される個々のデータと「磁極のずれ」に対応する基準データとの比較結果に基づいて行われるようにしてもよい。「磁極のずれ」が発生している可能性があると判定された場合は、その旨を示す異常表示が表示器33において行われる(S19a)。
異常事象1~nのいずれも発生している可能性がなければ、回転電機は正常な状態にあるものとみなされ、その旨を示す正常表示が表示器33において行われる(S19b)。
第1の実施形態によれば、1種類のセンサ(電流センサ)を各並列回路に設けることで、回転電機における各種の異常事象を検知することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態では、前述した図20~図24、図1~図6も適宜参照する。また、本実施形態では、前述した第1の実施形態と共通する部分の説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
図7は、第2の実施形態に係る回転電機の異常検知装置を適用した場合の電機子巻線6の1相分を示す展開模式図である。ここでは、前述した図1と共通する要素に同一の符号を付している。
前述した第1の実施形態と異なる点は、相毎に、電流センサ24が、1つの並列回路を除く残りの並列回路にそれぞれ設けられることである。図7の例では、並列回路C1~C3のそれぞれに、電流センサ24が取り付けられる(U相においては、並列回路C1~C3のそれぞれに電流センサU1~U3が取り付けられる)。
図8は、本実施形態の回転電機の異常検知装置における電流センサの配置を3相分示す模式図である。
図8に示されるように、各相の3つの並列回路に、電流センサ24が配置される。具体的には、U相の並列回路C1~C3にそれぞれ電流センサU1~U3が、V相の並列回路C1~C3にそれぞれ電流センサV1~V3が、W相の並列回路C1~C3にそれぞれ電流センサW1~W3が配置される。
第1の実施形態でも説明したように、各並列回路の負荷電流は、回転電機の運転状態を監視するために所定の測定手段(図示せず)により測定されている。そのため、当該測定される負荷電流と3つの並列回路に設置した電流センサ24により測定される電流との差分から、3つの並列回路に流れる循環電流を求めることができる。また、各並列回路を流れる循環電流の総和は零となることから、並列回路数をNとした場合、各相でN-1個の並列回路のそれぞれの循環電流を電流センサ24で検知すれば、残りの1個の並列回路の循環電流が判るので、N個の並列回路のそれぞれの循環電流が判る。
図9は、第2の実施形態に係る回転電機の異常検知装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図9に示される異常検知装置は、前述した図5に示される構成要素に加え、差分回路34をさらに含む。複数の電流センサ24は、電流センサU1~U3、V1~V3、W1~W3により構成される。各電流センサで測定される電流は、それぞれケーブルを通じて電気信号として比較・分析回路31へ供給されるとともに、差分回路34に供給されるように構成されている。
比較・分析回路31および差分回路34は、各電流センサにより測定される電流を入力して、相毎に並列回路C1、C2、C3に流れる循環電流を検知する。
差分回路34は、検知した並列回路C1、C2、C3の循環電流の総和と零との差分をとることにより、残りの並列回路C4の循環電流を算出する。算出された並列回路C4の循環電流は、比較・分析回路31へ供給される。
比較・分析回路31は、差分回路34により算出された並列回路C4の循環電流、および、自身が検知した並列回路C1、C2、C3の循環電流を用いて、これら循環電流の分析を行い、その分析結果を出力する。
次に、図10のフローチャートを参照して、図9に示される異常検知装置による動作の第1の例を説明する。
図10中のステップS21、S24~S31は、前述した図6中のステップS11~S19に相当する。前述した図6のフローチャートと異なる点は、ステップS22~S23が加えられていることと、ステップS21及びS24での処理内容が異なることなどである。
回転電機の運転中は、複数の電流センサ24、即ち、複数の電流センサU1~U3、V1~V3、W1~W3により並列回路C1~C3に流れる電流が測定され、それらが電気信号として比較・分析回路31および差分回路34に供給される。
比較・分析回路31および差分回路34は、電流センサU1~U3、V1~V3、W1~W3からそれぞれ供給されてくる信号を入力し、相毎に、並列回路C1、C2、C3に流れる循環電流を検知して、当該循環電流の波形を得る(S21)。
差分回路34は、検知した並列回路C1、C2、C3の循環電流の総和と零との差分をとることにより、残りの並列回路C4の循環電流を算出する(S22)。算出された並列回路C4の循環電流は、比較・分析回路31へ供給される。比較・分析回路31は、差分回路34から供給された並列回路C4の循環電流からその信号波形を得る(S23)。
比較・分析回路31は、差分回路34により算出された並列回路C4の循環電流、および、自身が検知した並列回路C1、C2、C3の循環電流を用いて、これら循環電流の分析を行う(S24)。
以降の処理の流れは、前述した図6中のステップS13~S19と同様となる。
次に、図11のフローチャートを参照して、図9に示される異常検知装置による動作の第2の例を説明する。
図11中のステップS41~S43、S46~S52は、前述した図6中のステップS11~S19に相当する。前述した図6のフローチャートと異なる点は、ステップS442~S45が加えられていることと、ステップS41~S43での処理内容が異なることなどである。
回転電機の運転中は、複数の電流センサ24、即ち、複数の電流センサU1~U3、V1~V3、W1~W3により並列回路C1~C3に流れる電流が測定され、それらが電気信号として比較・分析回路31に供給される。
比較・分析回路31は、電流センサU1~U3、V1~V3、W1~W3からそれぞれ供給されてくる信号を入力し、相毎に、並列回路C1、C2、C3に流れる循環電流を検知して、当該循環電流の波形を得る(S41)。
さらに比較・分析回路31は、当該循環電流の波形の分析を行い(S42)、電流センサU1~U3、V1~V3、W1~W3が設置されている並列回路C1、C2、C3に流れる循環電流の特徴を表すデータ(例えば、周波数、振幅、位相などを示すデータ)を求めて出力する(S43)。また、比較・分析回路31は、当該データから残りの並列回路C4の循環電流の演算を差分回路34に依頼する。これにより、差分回路34は、当該データから、電流センサU4、V4、W4が設置されている並列回路C4に流れる循環電流の特徴を表すデータ(例えば、周波数、振幅、位相などを示すデータ)を求めて出力する(S45)。
第2の実施形態によれば、より少ない電流センサによって、回転電機における各種の異常事象を検知することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。なお、本実施形態では、前述した図20~図24、図1~図11も適宜参照する。また、本実施形態では、前述した第1の実施形態と共通する部分の説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
図12は、第3の実施形態の回転電機の異常検知装置における電流センサの配置を3相分示す模式図である。ここでは、前述した図2と共通する要素に同一の符号を付している。
前述した第1の実施形態と異なる点は、相毎に、電流センサ24が、少なくとも2つの並列回路を除く残りの並列回路にそれぞれ設けられることである。図12の例では、U相においては、並列回路C1、C4にそれぞれ電流センサU1、U4が取り付けられ、V相においては、並列回路C1、C3にそれぞれ電流センサV1、V3が取り付けられ、W相においては、並列回路C1、C4にそれぞれ電流センサW1、W4が取り付けられている。但し、相毎に電流センサ24が配置される並列回路の組み合わせは、この例に限定されるものではなく、適宜、変更して実施してもよい。
図13は、第3の実施形態に係る回転電機の異常検知装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図13に示される異常検知装置は、前述した図5に示される構成要素に加え、循環電流計算部40、機器情報記憶部41、運転条件記憶部42、予測値記憶部43をさらに含む。複数の電流センサ24は、電流センサU1、U4、V1、V3、W1、W4より構成される。各電流センサで測定される電流は、それぞれケーブルを通じて電気信号として比較・分析回路31へ供給されるように構成されている。
循環電流計算部40は、機器情報記憶部41に予め記憶された機器情報と、運転条件記憶部42に予め記憶された運転条件とに基づき、通常運転時に各並列回路に流れる循環電流(予測値)を数値解析により推定するものである。機器情報とは、例えば、電機子部1や界磁部2の形状や寸法、電機子巻線6の巻線ピッチ、並列回路数、インピーダンス値、電機子鉄心や回転子鉄心の磁気特性、などを指す。運転条件とは、回転電機の出力、力率、電機子電流、電機子巻線の端子電圧、界磁電流、回転子の回転数、巻線温度、などを指す。
比較・分析回路31は、各電流センサにより測定される電流を入力して、U相の並列回路C1、C4に流れる循環電流、V相の並列回路C1、C3に流れる循環電流、W相の並列回路C1、C4に流れる循環電流を検知する。また、比較・分析回路31は、自身が検知した循環電流と循環電流計算部40により推定される対応する循環電流(予測値)とを比較してその差分を示す差分データを生成する回路を含む。
この差分データは、予測値記憶部43に記憶される。当該差分データは、比較・分析回路31が検知した循環電流の実測値と循環電流計算部40により推定された循環電流の予測値との類似度または乖離度を表すものであるため、特定の異常事象の有無判定に有効に使用できる。
判定部32は、比較・分析回路31により生成されたデータと予め用意された対応する基準データとに基づき、特定の異常事象の有無を判定する。
次に、図14のフローチャートを参照して、図13に示される異常検知装置による動作の例を説明する。
図14中のステップS61~S63、S68~S70は、前述した図6中のステップS11~S13、S17~S19に相当する。前述した図6のフローチャートと異なる点は、ステップS14~S16がなく、ステップS64~S67が加えられていることと、ステップS61~63での処理内容が異なることなどである。
回転電機の運転中は、複数の電流センサ24、即ち、複数の電流センサU1、U4、V1、V3、W1、W4により該当する並列回路に流れる電流が測定され、それらが電気信号として比較・分析回路31に供給される。
比較・分析回路31は、電流センサU1、U4、V1、V3、W1、W4からそれぞれ供給されてくる信号を入力し、相毎に、該当する並列回路に流れる循環電流を検知して、当該循環電流の波形を得る(S61)。
さらに比較・分析回路31は、当該循環電流の波形の分析を行い(S62)、相毎、並列回路毎の循環電流の特徴を表すデータ(例えば、周波数、振幅、位相などを示すデータ)を求めて出力する(S63)。
一方、循環電流計算部40は、機器情報記憶部41から機器情報を取得し(S64)、運転条件記憶部42から運転条件を取得し(S65)、これらの情報を用いて、通常運転時に各並列回路に流れる循環電流を数値解析により計算し(S66)、計算された循環電流の計算値(予測値)を出力する(S67)。これにより、比較・分析回路31は、自身が検知した循環電流と循環電流計算部40により推定される対応する循環電流(予測値)とを比較してその差分を示す差分データを生成する。
比較・分析回路31は、ステップS63で生成したデータとステップS67で生成したデータを含む分析結果を出力する。
判定部32は、比較・分析回路31により生成されたデータと予め用意された対応する基準データとを用いて、各種の異常事象の有無の判定を行う(S68~S70)。
第3の実施形態によれば、より一層少ない電流センサによって、回転電機における各種の異常事象を検知することができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。なお、本実施形態では、前述した図20~図24、図1~図14も適宜参照する。また、本実施形態では、前述した第1の実施形態と共通する部分の説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
図15は、第4の実施形態に係る回転電機の異常検知装置を適用した場合の電機子巻線6の1相分を示す展開模式図である。ここでは、前述した図1と共通する要素に同一の符号を付している。
前述した第1の実施形態と異なる点は、相毎に、電流センサ24が、巻線口出し部17において各並列回路の端部どうしを接続する線に設けられることである。図15の例では、U相において、並列回路C1~C2を接続する線に電流センサU1-2が取り付けられ、並列回路C2~C3を接続する線に電流センサU2-3が取り付けられ、並列回路C3~C4を接続する線に電流センサU3-4が取り付けられている。
図16は、本実施形態の回転電機の異常検知装置における電流センサの配置を3相分示す模式図である。
図16に示されるように、相毎に、巻線口出し部17において各並列回路の端部どうしを接続する線に、電流センサ24が配置される。具体的には、前述したようにU相においては、並列回路C1~C2を接続する線に電流センサU1-2が取り付けられ、並列回路C2~C3を接続する線に電流センサU2-3が取り付けられ、並列回路C3~C4を接続する線に電流センサU3-4が取り付けられる。同様に、V相においては、並列回路C1~C2を接続する線に電流センサV1-2が取り付けられ、並列回路C2~C3を接続する線に電流センサV2-3が取り付けられ、並列回路C3~C4を接続する線に電流センサV3-4が取り付けられる。同様に、W相においては、並列回路C1~C2を接続する線に電流センサW1-2が取り付けられ、並列回路C2~C3を接続する線に電流センサW2-3が取り付けられ、並列回路C3~C4を接続する線に電流センサW3-4が取り付けられる。
これらの電流センサの信号と、負荷電流とから、前述した第2の実施形態と同様に各並列回路の循環電流を検出することが可能になる。並列回路数をNとした場合、各相でN-1個の並列回路の循環電流を検知すれば、N個の並列回路の循環電流が判る。例えば、前述した第2の実施形態の場合と同様に図9に示される差分回路34を含む回路構成を採用することで、電流センサが取り付けられていない部分の循環電流を求めることができる。
第4の実施形態によれば、第2の実施形態と同様に、より少ない電流センサによって、回転電機における各種の異常事象を検知することができる。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。なお、本実施形態では、前述した図20~図24、図1~図16も適宜参照する。また、本実施形態では、前述した第1の実施形態と共通する部分の説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
図17は、第5の実施形態の回転電機の異常検知装置における電流センサの配置を3相分示す模式図である。
図17に示されるように、相毎に、各並列回路の等電位部分どうしを短絡する等電位短絡線23に、電流センサ24が配置される。具体的には、U相においては、並列回路C1~C2を接続する等電位短絡線23に電流センサU1-2が取り付けられ、並列回路C2~C3を接続する等電位短絡線23に電流センサU2-3が取り付けられ、並列回路C3~C4を接続する等電位短絡線23に電流センサU3-4が取り付けられる。同様に、V相においては、並列回路C1~C2を接続する等電位短絡線23に電流センサV1-2が取り付けられ、並列回路C2~C3を接続する等電位短絡線23に電流センサV2-3が取り付けられ、並列回路C3~C4を接続する等電位短絡線23に電流センサV3-4が取り付けられる。同様に、W相においては、並列回路C1~C2を接続する等電位短絡線23に電流センサW1-2が取り付けられ、並列回路C2~C3を接続する等電位短絡線23に電流センサW2-3が取り付けられ、並列回路C3~C4を接続する等電位短絡線23に電流センサW3-4が取り付けられる。
界磁起磁力の不平衡が生じた場合には、等電位短絡線23に循環電流が流れることから、等電位短絡線23に取り付けられている電流センサの信号と、負荷電流とから、前述した第2の実施形態と同様に各並列回路の循環電流を検出することが可能になる。
また、並列回路数をNとした場合、各相でN-1個の並列回路の間で流れる循環電流を検知すれば、N個の並列回路の間で流れる循環電流が判る。例えば前述した第2の実施形態の場合と同様に図9に示される差分回路34を含む回路構成を採用することで、電流センサが取り付けられていない部分の循環電流を求めることができる。
第5の実施形態によれば、第2の実施形態と同様に、より少ない電流センサによって、回転電機における各種の異常事象を検知することができる。
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。なお、本実施形態では、前述した図20~図24、図1~図17も適宜参照する。また、本実施形態では、前述した第1の実施形態と共通する部分の説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
図18は、第6の実施形態に係る回転電機の異常検知装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図18に示される異常検知装置は、前述した図5に示される構成要素に加え、センサ(A)25をさらに含む。
センサ(A)25は、回転電機における界磁起磁力の不平衡により変化する物理量を測定する測定手段である。このセンサ(A)25は、回転電機における所定の位置の振動、変位、温度、磁束を測定する振動センサ、変位センサ、温度センサ、磁束センサのいずれかに相当する。
比較・分析回路31は、センサ(A)25により測定される物理量に対する分析をさらに行う。この比較・分析回路31は、前述した複数の電流センサ24により測定される電流のみならず、センサ(A)25により測定される物理量も、波形分析の対象とし、これを分析して特定の異常事象の有無を判定に使用するデータを生成する。
前述した第1~第5の実施形態は、界磁起磁力の不平衡によって並列回路に鎖交する磁束が異なることを利用して、当該並列回路に流れる循環電流から、回転電機の異常事象を検知するものであったが、循環電流からの異常事象の識別が難しい場合もある。例えば、固定子1の真円度のずれが生じると、固定子1の一部が回転子2に近づく、あるいは遠ざかるため、特定の並列回路に鎖交する界磁起磁力が変化するが、回転子2の偏心によっても、固定子1と回転子2の位置関係の変化が生じ、特定の並列回路に鎖交する界磁起磁力が変化し、発生する循環電流からの異常事象の識別が難しい場合がある。
そのような場合に、例えば回転子2に変位センサを備え、そのセンサ信号も併せて分析・判定を行うことで、異常事象が回転子2側、固定子1側のいずれに生じているのか、界磁起磁力に係わる異常事象が発生しているか否か等を確認でき、より詳細に異常事象を識別することができる。
また、固定子コイルあるいは固定子鉄心に振動センサを備え、そのセンサ信号も併せて分析を行うことで、界磁起磁力の変化と固定子コイルあるいは固定子鉄心の振動が同時に生じているか、固定子コイルや固定子鉄心の振動周波数と循環電流の周波数の相違を識別することができるため、固定子コイルあるいは固定子鉄心の振動によって鉄心が真円度を失うほど変形して界磁起磁力に変化が起きている場合、振動に寄与せず界磁起磁力を変化させる事象が起きているのか否かなどを確認でき、より詳細に異常事象を識別することができる。
また、固定子1あるいは回転子2に温度センサを備え、そのセンサ信号も併せて分析を行うことで、界磁起磁力の変化と、熱変形、回転子熱伸び、固定子鉄心熱変形などが同時に生じているのか否かなどを確認できるため、より詳細に異常事象を識別することができる。
また、特定の並列回路に鎖交する界磁起磁力の変化が、界磁巻線15の層間短絡によるものである場合は、ギャップ部に磁束センサを備えておけば、並列回路の循環電流の変化とともに、磁束センサの信号にも変化が生じるので、より詳細に異常事象を識別することができる。この場合も、循環電流の波形の分析結果を用いることで、磁束センサについては、プローブ部や信号分析部に高精度のものを用いずとも、例えば、変化の有無を識別する程度のものであっても、有効であるので、簡易なものとすることができる。
次に、図19のフローチャートを参照して、図18に示される異常検知装置による動作の例を説明する。
図19中のステップS71~S76、S81~S83は、前述した図6中のステップS11~S19に相当する。前述した図6のフローチャートと異なる点は、ステップS77~S80が加えられていることである。
回転電機の運転中は、複数の電流センサ24、即ち、複数の電流センサU1~U3、V1~V3、W1~W3により並列回路C1~C3に流れる電流が測定され、それらが電気信号として比較・分析回路31に供給されるとともに、センサ(A)25により回転電機における所定の位置の振動、変位、温度、あるいは磁束などの物理量が測定され、それが電気信号として比較・分析回路31に供給される。
比較・分析回路31は、センサ(A)25から供給されてくる信号を入力し、その信号の波形を取得する(S77)。さらに比較・分析回路31は、当該信号の波形の分析を行い(S78)、その信号の特徴を表すデータ(例えば、周波数、振幅、位相などを示すデータ)を求めて出力する(S79)。
そして、比較・分析回路31は、ステップS79で出力したデータについて、予め通常運転時において通常時データとして記憶媒体に保存しておいた信号の波形の特徴を示すデータとの比較を行ってその差分を示す差分データを生成する(S80)。
比較・分析回路31は、ステップS75,S76で生成したデータとステップS80で生成したデータを含む分析結果を出力する。
第6の実施形態によれば、設置するセンサの種類を少なく抑えながら、より的確に回転電機における各種の異常事象を検知することができる。
以上詳述したように、各実施形態によれば、少ない種類のセンサで回転電機における異常事象を検知することが可能になる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…電機子部(固定子)、2…界磁部(回転子)、3…シャフト、4…ギャップ、5…電機子鉄心、6…電機子巻線、8…上コイル片、9…下コイル片、10…接続側コイルエンド、11…反接続側コイルエンド、12…ジャンパ線、13…相帯、14…相帯群、15…界磁巻線、16,17…巻線口出し部、21…回転電機の中心点、22…回転子の中心軸、23…等電位短絡線、24…電流センサ、25…センサ、31…比較・分析回路、32…判定部、33…表示器、34…差分回路、40…循環電流計算部、41…機器情報記憶部、42…運転条件記憶部、43…予測値記憶部、C1,C2,C2,C4…並列回路。

Claims (18)

  1. 複数相で偶数極を有し各相に複数の並列回路を備える電機子巻線と、前記電機子巻線に起磁力を与える界磁巻線と、前記電機子巻線と前記界磁巻線のうちの一方を有する回転子と、前記電機子巻線と前記界磁巻線のうちのもう一方を有する固定子と、を備えた回転電機に適用される回転電機の異常検知装置であって、
    前記複数の並列回路の少なくとも一部に流れる電流を測定する測定手段と、
    前記測定手段により測定される電流を用いて、界磁起磁力の不平衡により各並列回路に流れる循環電流を検知し、当該循環電流に対する分析を行う分析手段と、
    前記分析手段の分析結果に基づき、前記回転電機における特定の異常事象の有無を判定する判定手段と
    を具備する、回転電機の異常検知装置。
  2. 請求項1に記載の回転電機の異常検知装置において、
    前記測定手段は、相毎に設けられる、
    回転電機の異常検知装置。
  3. 請求項1又は2に記載の回転電機の異常検知装置において、
    前記測定手段は、前記複数の並列回路にそれぞれ設けられる電流センサを含む、
    回転電機の異常検知装置。
  4. 請求項1又は2に記載の回転電機の異常検知装置において、
    前記測定手段は、1つの並列回路を除く残りの並列回路にそれぞれ設けられる電流センサを含む、
    回転電機の異常検知装置。
  5. 請求項1又は2に記載の回転電機の異常検知装置において、
    前記測定手段は、少なくとも2つの並列回路を除く残りの並列回路にそれぞれ設けられる電流センサを含む、
    回転電機の異常検知装置。
  6. 請求項1又は2に記載の回転電機の異常検知装置において、
    前記測定手段は、巻線口出し部において各並列回路の端部どうしを接続する線に設けられる電流センサを含む、
    回転電機の異常検知装置。
  7. 請求項1又は2に記載の回転電機の異常検知装置において、
    前記測定手段は、各並列回路の等電位部分どうしを短絡する等電位短絡線に設けられる電流センサを含む、
    回転電機の異常検知装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の回転電機の異常検知装置において、
    前記分析手段は、前記循環電流の経時変化を示す波形を分析してその波形の特徴を示すデータを生成する、
    回転電機の異常検知装置。
  9. 請求項8に記載の回転電機の異常検知装置において、
    前記判定手段は、前記分析手段により生成された前記循環電流の波形の特徴を示すデータを用いて、前記特定の異常事象の有無を判定する、
    回転電機の異常検知装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の回転電機の異常検知装置において、
    前記分析手段は、相間で前記循環電流の波形の特徴を示すデータどうしを比較してその差分を示すデータを生成する手段を含む、
    回転電機の異常検知装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の回転電機の異常検知装置において、
    前記分析手段は、並列回路間で前記循環電流の波形の特徴を示すデータどうしを比較してその差分を示すデータを生成する手段を含む、
    回転電機の異常検知装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の回転電機の異常検知装置において、
    前記回転電機の機器情報と運転条件とに基づき、通常運転時に各並列回路に流れる循環電流を数値解析により推定する循環電流計算手段をさらに具備し、
    前記分析手段は、前記検知した循環電流と前記循環電流計算手段により推定される対応する循環電流とを比較してその差分を示すデータを生成する手段を含む、
    回転電機の異常検知装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の回転電機の異常検知装置において、
    前記判定手段により判定された前記特定の異常事象の有無を表示する表示手段をさらに具備する、
    回転電機の異常検知装置。
  14. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の回転電機の異常検知装置において、
    前記特定の異常事象は、回転子の偏心、界磁巻線の層間短絡、回転子磁極のずれ、固定子または回転子の振動、回転子または固定子の真円度のずれ、のいずれかを含む、
    回転電機の異常検知装置。
  15. 請求項1乃至14のいずれか1項に記載の回転電機の異常検知装置において、
    前記回転電機における界磁起磁力の不平衡により変化する物理量を測定する別の測定手段をさらに具備し、
    前記分析手段は、前記別の測定手段により測定される物理量に対する分析をさらに行う、
    回転電機の異常検知装置。
  16. 請求項15に記載の回転電機の異常検知装置において、
    前記別の測定手段は、前記回転電機における所定の位置の振動、変位、温度、磁束を測定する振動センサ、変位センサ、温度センサ、磁束センサのいずれかを含む、
    回転電機の異常検知装置。
  17. 請求項1乃至16のいずれか1項に記載の回転電機の異常検知装置において、
    前記判定手段は、前記特定の異常事象の有無を学習する機械学習によって構築しておいた数値モデルを用いて、前記特定の異常事象の有無を判定する、
    回転電機の異常検知装置。
  18. 複数相で偶数極を有し各相に複数の並列回路を備える電機子巻線と、前記電機子巻線に起磁力を与える界磁巻線と、前記電機子巻線と前記界磁巻線のうちの一方を有する回転子と、前記電機子巻線と前記界磁巻線のうちのもう一方を有する固定子と、を備えた回転電機に適用される回転電機の異常検知方法であって、
    測定手段により、前記複数の並列回路の少なくとも一部に流れる電流を測定することと、
    分析手段により、前記測定手段により測定される電流を用いて、界磁起磁力の不平衡により各並列回路に流れる循環電流を検知し、当該循環電流に対する分析を行うことと、
    判定手段により、前記分析手段の分析結果に基づき、前記回転電機における特定の異常事象の有無を判定することと
    を含む、回転電機の異常検知方法。
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