JP6404424B1 - 巻線短絡診断装置および巻線短絡診断方法 - Google Patents

巻線短絡診断装置および巻線短絡診断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ティースに集中巻を施した回転機の固定子または回転子における巻線のどのあたりで短絡が発生しているのかを特定すること。【解決手段】ティース22b毎に巻かれた三相巻線24U,24V,24Wに生じる磁界を、磁界センサ6を用いて当該ティース22bの延出方向に沿って所定間隔d毎に計測すると共に、三相巻線24U,24V,24Wに流れる交流電流ACIと計測位置ti毎の出力電圧Vsとの位相差を比較することによって磁界センサ6により計測される磁界の向きを決定し、当該磁界の向きを考慮した出力電圧Vsを予め設定した閾値と比較して、三相巻線24U,24V,24Wに短絡が発生しているか否かを判定する。これにより、ティース22bに巻かれた三相巻線24U,24V,24Wのどのあたりで短絡が発生しているのかを特定することができる。【選択図】図6

Description

本発明は、円周方向に略等間隔で複数配置されたティースに集中巻を施した回転機の固定子または回転子における巻線の短絡を診断する巻線短絡診断装置および巻線短絡診断方法に関する。
特開平2009−115505号公報(特許文献1)には、電動機や発電機のような回転機の内部の巻線のうち任意の相の巻線の端子間にインパルス電圧を印加すると共に、当該インパルス電圧の印加によって巻線の端子間に発生する振動電圧の波形を検出し、当該検出した振動電圧の波形を予め作成しておいた正常巻線(短絡が発生していない巻線)の振動電圧の波形と比較することにより、巻線の短絡発生の有無を診断する巻線短絡診断装置が記載されている。
当該巻線短絡診断装置では、どの相の巻線で短絡が発生しているのか、例えば、三相誘導電動機であれば、短絡がU相で発生しているのか、それともV相やW相で発生しているのかを特定することができる。
ところで、電動機や発電機のような回転機の内部の巻線において、どのあたりに巻かれている巻線で短絡が発生しているのかを特定することができたならば、短絡が発生しやすい傾向にある箇所の情報を設計段階へフィードバックすることができ、短絡が起こりやすい箇所での構造的もしくは強度的な対策を施すことができるため、電動機や発電機といった回転機の短絡発生割合を低下させることにつながり、大きなメリットとなる。
本出願人も、こうした観点から、特開2016−116301号公報(特許文献2)において、スロット毎に磁界の変化を計測することによって、いずれのスロットに巻回された巻線で短絡発生しているのかを特定することができる巻線短絡診断装置を提案しているが、当該装置は分布巻構造を採用した回転機の短絡診断に適用することができるものの、集中巻構造を採用した回転機の短絡診断には適用することができず、集中巻構造を採用した回転機のティースに巻かれた巻線において、どのあたりで短絡が発生しているのかを特定するという点においては、なお改良の余地がある。
特開2009−115505号公報 特開2016−116301号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、ティースに集中巻を施した回転機の固定子または回転子における巻線のどのあたりで短絡が発生しているのかを特定することができる巻線短絡診断装置および巻線短絡診断方法を提供することを主目的とする。
本発明に係る巻線短絡診断装置の好ましい形態によれば、円周方向に略等間隔で複数配置されたティースに集中巻を施した回転機の固定子または回転子における巻線の短絡を診断する巻線短絡診断装置が構成される。当該巻線短絡診断装置では、巻線の端子間に交流電圧を印加するように構成された電圧発振部と、交流電圧の印加に応じてティース毎に巻かれた巻線に生じる磁界をティースの延出方向に沿って所定間隔毎に計測する磁界センサと、当該磁界センサによって計測された所定間隔毎の磁界の強さを計測位置に紐づけて記憶する記憶手段と、記憶した磁界の強さと閾値とを比較する比較手段と、記憶した磁界の強さの全てが閾値の範囲内である場合には巻線には短絡が発生していないと判定すると共に記憶した磁界の強さのいずれかが閾値の範囲外である場合には当該閾値の範囲外と判定された磁界の強さと紐づけされた計測位置において巻線に短絡が発生していると判定する判定手段と、を備えている。
ここで、本願発明における「磁界の強さ」とは、ティース毎に巻かれた巻線に生じる磁束密度の大きさ、あるいは、当該磁束密度の大きさに比例した電圧がこれに該当する。
本発明によれば、ティース毎に巻かれた巻線に生じる磁界をティースの延出方向に沿って所定間隔毎に計測すると共に、計測位置毎(所定間隔毎)の磁界の強さを閾値と比較することによって、巻線に短絡が発生しているか否かを判定する構成であるため、ティースに巻かれた巻線のどのあたりで短絡が発生しているのかを特定することができる。これにより、短絡が発生しやすい傾向にある箇所の情報を取得し得るため、当該情報を設計段階へフィードバックすることによって、短絡が起こりやすい箇所での構造的もしくは強度的な対策を施すことができ、電動機や発電機といった回転機の短絡発生割合を低下させることにつながり、品質向上に寄与し得る。
本発明に係る巻線短絡診断装置の更なる形態によれば、磁界センサは、磁界の強さとして磁束密度の大きさに比例した出力電圧を出力するように構成されている。また、記憶手段は、電圧発振部によって巻線の端子間に印加された交流電圧または当該交流電圧に起因して巻線に流れる交流電流と、磁界センサによって出力された出力電圧と、を同期して記憶するように構成されている。そして、判定手段は、記憶された交流電圧または交流電流と、出力電圧と、の関係にもとづき磁界の方向を決定し、当該磁界の方向を考慮して磁界の強さが閾値の範囲内であるか否かを判定するように構成されている。
本形態によれば、磁界の方向を考慮した磁界の強さをもって閾値の範囲内であるか否かの判定を行う構成であるため、短絡発生の有無をより精度よく診断することができる。即ち、集中巻きではティースの材質に強磁性体を用いる構成上、1ターン短絡のような軽微な短絡が発生した場合でも、短絡が発生していない巻線の他の部分が作る磁界の方向とは逆方向に強い磁界を発生するため、磁界の方向を考慮しない場合には、短絡が発生している場合と短絡が発生していない場合との差異が不明確となる場合があり、短絡発生の判定が困難となる場合がある。しかしながら、磁界の方向を考慮することにより、短絡が発生している場合と短絡が発生していない場合とで両者の差異が明確となるため、短絡の発生を確実に診断することができるのである。
本発明に係る巻線短絡診断装置の更なる形態によれば、電圧発振部は、巻線の端子間に印加する交流電圧の周波数が商用周波数よりも高い周波数となるように構成されている。
本発明者らは、電圧発振部によって印加する交流電圧の周波数を上げていくことに伴って、巻線のうち短絡が発生している箇所において計測される磁束密度が、短絡が発生していない箇所において計測される磁束密度に対して、その値が低下していく傾向にあることを見出した。即ち、電圧発振部によって印加する交流電圧の周波数を上げていくと、巻線において短絡が発生していない正常な箇所において計測される磁束密度の値と、短絡が発生している箇所において計測される磁束密度の値と、の間に大きな差異が生じることを見出した。このような研究結果を踏まえて、本実施形態では、巻線の端子間に印加する交流電圧の周波数を商用周波数よりも高い周波数とする構成であるため、短絡が発生の有無を特定し易くなる。
本発明に係る巻線短絡診断装置の更なる形態によれば、電圧発振部は、巻線の端子間に印加する交流電圧が50ボルト以下となるように構成されている。
本形態によれば、電圧発振部に供給する電源を小型化することができると共に、電圧発振部の電子回路を安価に仕上げることができる。これにより、巻線短絡診断装置自体の小型化およびコスト低減を図ることができる。
本発明に係る巻線短絡診断装置の更なる形態によれば、磁界センサは、磁界の強さを計測するサーチコイルを有している。そして、当該磁界センサは、磁界の強さを計測する際、サーチコイルの軸線方向がティースに巻かれた巻線の軸線方向と平行になるように構成されている。
本形態によれば、電圧発振部により巻線の端子間に印加された交流電圧によって当該巻線に発生する磁界の強さを精度よく計測することができる。
本発明に係る巻線短絡診断装置の更なる形態によれば、磁界センサは、磁界の強さを計測するサーチコイルを有している。そして、当該磁界センサは、磁界の強さを計測する際、固定子または回転子の軸線方向の一方側から見たときの仮想投影面上におけるサーチコイルの軸線が、ティースに巻かれた巻線の軸線に重なるように構成されている。
本形態によれば、磁界センサのサーチコイルの軸線をティースに巻かれた巻線の軸線に一致させた状態で磁界の強さを計測する構成であるため、ティースに巻かれた巻線の側縁、換言すれば、ティースに巻かれた巻線のうち軸線から径方向外方向に離れた位置にある部分によって作られる磁界の影響を小さく抑えることができる。これにより、より正確に巻線の短絡発生の有無を診断することができる。
本発明に係る巻線短絡診断方法の好ましい形態によれば、円周方向に略等間隔で複数配置されたティースに集中巻を施した回転機の固定子または回転子における当該巻線の短絡を診断する巻線短絡診断方法が構成される。当該巻線短絡診断方法では、(a)ティース毎に巻かれた巻線の両端に交流電圧を印加し、(b)交流電圧の印加に応じてティース毎に巻かれた巻線に生じる磁界の強さを、ティースの延出方向に沿って所定間隔毎に計測し、(c)計測された所定間隔毎の磁界の強さを計測位置に紐づけて記憶し、(d)記憶した磁界の強さと閾値とを比較し、(e)記憶した磁界の強さの全てが閾値の範囲内である場合には、巻線には短絡が発生していないと判定し、記憶した磁界の強さのいずれかが閾値の範囲外である場合には、当該閾値の範囲外と判定された磁界の強さに紐づけて記憶された計測位置において巻線に短絡が発生していると判定する。
本発明によれば、ティース毎に巻かれた巻線に生じる磁界をティースの延出方向に沿って所定間隔毎に計測すると共に、計測位置毎(所定間隔毎)の磁界の強さを閾値と比較することによって、巻線に短絡が発生しているか否かを判定する構成であるため、ティースに巻かれた巻線のどのあたりで短絡が発生しているのかを特定することができる。これにより、短絡が発生しやすい傾向にある箇所の情報を取得し得るため、当該情報を設計段階へフィードバックすることによって、短絡が起こりやすい箇所での構造的もしくは強度的な対策を施すことができ、電動機や発電機といった回転機の短絡発生割合を低下させることにつながり、品質向上に寄与し得る。
本発明に係る巻線短絡診断方法の更なる形態によれば、ステップ(b)は、磁界の強さとして磁束密度の大きさに比例した出力電圧を出力するステップを含んでいる。また、ステップ(c)は、巻線の端子間に印加された交流電圧または当該交流電圧に起因して巻線に流れる交流電圧に起因して流れる交流電流と、前記ステップ(b)で出力された出力電圧と、を同期して記憶するステップを含んでいる。そして、ステップ(e)は、記憶された交流電圧または交流電流と、出力電圧と、の関係にもとづき磁界の方向を決定し、当該磁界の方向を考慮して磁界の強さが閾値の範囲内であるか否かを判定するステップを含んでいる。
本形態によれば、磁界の方向を考慮した磁界の強さをもって閾値の範囲内であるか否かの判定を行う構成であるため、短絡発生の有無をより精度よく診断することができる。即ち、集中巻きではティースの材質に強磁性体を用いる構成上、1ターン短絡のような軽微な短絡が発生した場合でも、短絡が発生していない他の巻線が作る磁界の方向とは逆方向、即ち、短絡が発生した巻線が作る磁界の方向と同方向に強い磁界を発生するため、磁界の方向を考慮しない場合には、短絡が発生していない他の巻線が作る磁界の強さに対する差異が小さくなり、短絡発生の判定が困難となる場合がある。しかしながら、磁界の方向を考慮することにより、短絡が発生した巻線が作る磁界の強さと、短絡が発生していない他の巻線が作る磁界の強さと、の間に大きな差異を生じることになるため、短絡の発生を確実に診断することができるのである。
本発明によれば、ティースに集中巻を施した回転機の固定子または回転子における巻線のどのあたりで短絡が発生しているのかを特定することができる。
本発明の実施の形態に係る巻線短絡診断装置1の構成の概略を示す構成図である。 回転子32が取り外された状態の電動機2を軸線方向の一方側から見た状態を示す説明図である。 固定子22の構成の概略を示す説明図である。 U相巻線24Uと当該U相巻線24U上に設置されるサーチコイル62との位置関係を示す斜視説明図である。 U相巻線24Uと当該U相巻線24U上に設置されるサーチコイル62との位置関係を、軸線CL1,CL2に直行する平面で切った断面で見た状態を示す説明図である。 U相巻線24U上に設置されたサーチコイル62を、ティース22bの延出方向に沿って所定間隔d毎に移動させながら磁界を計測する際の様子を示す説明図である。 U相巻線24Uの端子間に交流電圧ACEを印加した際に、当該U相巻線24Uの周辺に生じる磁界の様子を模式的に示す説明図である。 U相巻線24Uの一部に短絡Sが発生した際の当該U相巻線24Uの周辺に生じる磁界の様子を模式的に示す説明図である。 位相差が所定範囲内である場合の交流電流ACIと出力電圧Vsとの様子を示す説明図である。 位相差が所定範囲外である場合の交流電流ACIと出力電圧Vsとの様子を示す説明図である。 ソレノイドコイルが正常な場合における出力電圧Vsの計測結果を示す実験結果である。 ソレノイドコイルに1ターン短絡が発生している場合における出力電圧Vsの計測結果を示す実験結果である。 変形例の磁界センサ106を用いて出力電圧Vsを計測する際の様子を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
本発明の実施の形態に係る巻線短絡診断装置1は、図1に示すように、回転機としての電動機2(図2参照)の後述する三相巻線24U,24V,24Wのいずれかの端子間に交流電圧ACEを印加する電圧発振部4と、当該電圧発振部4によって交流電圧ACEが印加されたことによって三相巻線24U,24V,24Wに発生する磁界を計測する磁界センサ6と、電圧発振部4および磁界センサ6に信号線L1,L2によって電気的に接続されたA/D変換部8と、当該A/D変換部8に信号線L3によって電気的に接続された診断部10と、当該診断部10に信号線L4によって電気的に接続された表示装置12と、を備えている。
電動機2は、汎用三相誘導電動機として構成されており、図2に示すように、主に、固定子22と、回転子32と、を備えている。
固定子22は、薄い電磁鋼板(強磁性体)を積層して構成されており、図3に示すように、略環状に構成されたヨーク22aと、当該ヨーク22aの内周面から当該ヨーク22aの中心に向かって延出するティース22bと、を備えている。
ティース22bは、ヨーク22aの内周面に円周方向に均等間隔で、例えば、18個設けられている。各ティース22bには、図2に示すように、絶縁物(図示せず)を介して直接三相巻線24U,24V,24Wが施されている(所謂、集中巻方式)。即ち、18個のティース22bのうちの6個にU相巻線24Uが巻かれ、他の6個にV相巻線24Vが巻かれ、残りの6個にW相巻線24Wが巻かれる。なお、各三相巻線24U,24V,24Wの端部は、口出し線として電動機2の外部に引き出されて商用交流電源に接続される接続端子26を構成している。ここで、三相巻線24U,24V,24Wが集中巻方式で巻かれたティース22bを有する固定子22は、本発明における「円周方向に略等間隔で複数配置されたティースに集中巻を施した回転機の固定子」に対応する実施構成の一例である。
電圧発振部4は、三相巻線24U,24V,24WのうちU相巻線24UおよびV相巻線24V間(以下、「U−V相間」という)、あるいは、V相巻線24VおよびW相巻線24W間(以下、「V−W相間」という)、あるいは、W相巻線24WおよびU相巻線24U間(以下、「W−U相間」という)に交流電圧ACEを印加するよう構成されており、印加する交流電圧ACEの周波数を変更可能なファンクションジェネレータとして構成されている。なお、電圧発振部4によってU−V相間、V−W相間、W−U相間それぞれに印加する交流電圧ACEまたは当該交流電圧ACEによって流れる交流電流ACIは、図1に示すように、A/D変換部8によってデジタル化された後、信号線L3を介して診断部10に送信される。
本実施の形態では、電圧発振部4によってU−V相間、V−W相間、W−U相間それぞれに印加する交流電圧ACEは50ボルト以下とし、周波数は商用交流電源の周波数60Hz(あるいは50Hz)よりも高い10kHzとした。交流電圧ACEは50ボルト以下とすることによって、電圧発振部4に供給する電源を小型化することができると共に、電圧発振部4の電子回路を安価に仕上げることができる。この結果、巻線短絡診断装置1自体の小型化およびコスト低減を図ることができる。また、周波数を商用交流電源の周波数60Hz(あるいは50Hz)よりも高い10kHzとすることによって、三相巻線24U,24V,24Wに短絡が発生したことを特定し易くなる。当該理由についての詳細は後述する。
磁界センサ6は、図1に示すように、サーチコイル62と、当該サーチコイル62から出力される出力電圧Vsの大きさを増幅する増幅器64と、を備えている。サーチコイル62は、コイルを数ターンから数十ターン程度巻いた構成をしており、これにより磁束密度の大きさに比例した出力電圧Vsを出力する。サーチコイル62から出力されて増幅器64によって増幅されたたアナログ信号である出力電圧Vsは、A/D変換部8によってデジタル化された後、信号線L3を介して診断部10に送信される。
診断部10は、図示しないCPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶する図示しないROMと、データを一時的に記憶するRAMと、信号線L3が接続される入力ポートと、信号線L4が接続される出力ポートと、を備えている。診断部10には、A/D変換部8からの出力電圧Vsや交流電圧ACE、交流電流ACIが入力されており、診断部10からは、各三相巻線24U,24V,24Wの短絡診断結果が信号線L4を介して表示装置12に出力される。
次に、こうして構成された本発明の実施の形態に係る巻線短絡診断装置1によって電動機2の三相巻線24U,24V,24Wに短絡が生じたか否かの診断が行われる際の動作について説明する。ここで、三相巻線24U,24V,24Wに短絡が生じたか否かの診断は、電動機2から回転子32を取り外した状態、即ち、集中巻の固定子22のみとした状態で行われる。なお、当該診断は、三相巻線24U,24V,24Wのいずれかが巻かれた1つのティース22b毎に行うが、以下では、説明の便宜上、任意の1つのティース22bに巻かれたU相巻線24Uにおける短絡の診断を行う場合を例に挙げて説明をする。
まず、図2に示すように、電動機2から回転子32が取り外された状態の固定子22において、U相巻線24Uが巻かれた任意の1つのティース22b上に磁界センサ6を設置する。ここで、磁界センサ6は、図2、図4および図5に示すように、サーチコイル62の軸線CL1がティース22bに巻かれたU相巻線24Uの軸線CL2に対して平行で、軸線CL1のU相巻線24Uの表面からの距離が所定距離h(例えば、5mm)となる位置関係となるように(図5参照)、かつ、電動機2(固定子22、回転子32)の軸線方向の一方側から見たときに(図2を紙面に垂直な方向から見たときに)、軸線CL1と軸線CL2とが重なる位置関係(図2参照)となるように設置される。このとき、磁界センサ6は、図6に示すように、サーチコイル62がティース22bの根元部(ヨーク22aへの接続端部)に巻かれたU相巻線24U上、即ち、計測位置t0に来るように設置される。
そして、当該設置状態において、電圧発振部4からU相巻線24Uの端子間、より詳細には、U−V相間(あるいは、W−U相間)に周波数10kHzの交流電圧ACE(50V以下)を印加して交流電流ACIを流す。ここで、交流電圧ACEに起因してU相巻線24Uに流れる交流電流ACIは、A/D変換部8によってデジタル化された後、診断部10のRAMに一時的に記憶される。
U相巻線24Uの端子間(U−V相間、あるいは、W−U相間)に交流電圧ACEが印加されると、U相巻線24U周辺に磁界が生じる。これにより、当該磁界の強さが磁束密度の大きさに比例した出力電圧Vsとしてサーチコイル62から出力される。サーチコイル62から出力された出力電圧Vsは、増幅器64によって増幅されると共にA/D変換部8によってデジタル化された後、当該出力電圧Vsを計測した計測位置t0に紐づけされて診断部10のRAMに一時的に記憶される。出力電圧Vsを計測した計測位置t0に紐づけして記憶するRAMは、本発明における「記憶手段」に対応する実施構成の一例である。
ここで、U相巻線24Uに短絡が生じていない場合、即ち、U相巻線24Uが正常な状態の場合に当該U相巻線24Uの端子間に交流電圧ACEを印加すると、図7の実線矢印に示すように、U相巻線24Uには交流電流ACIが流れ、当該交流電流ACIによってU相巻線24U周辺には強さH0の磁界が生じる。しかしながら、U相巻線24Uの一部に短絡Sが生じると、図8に示すように、U相巻線24Uの中に短絡Sによって新たな閉ループ24Usが発生する。短絡Sでは抵抗がほとんど値0となるため、交流電流ACIは当該短絡Sを流れて閉ループ24Usには流れなくなる。
一方、閉ループ24Usには、交流電流ACIによってU相巻線24U周辺に生じた磁界が通過することによって誘導起電力が発生し、当該誘導起電力に起因して電流ISが流れる(図8参照)。これにより、閉ループ24Us周辺には、図8に示すように、当該電流ISによって強さHSであって、交流電流ACIによってU相巻線24U周辺に生じた磁界の向きとは逆方向の磁界が発生する。即ち、サーチコイル62から出力される出力電圧Vsは、交流電流ACIによってU相巻線24U周辺に生じた磁界の強さH0と電流ISによって閉ループ24Us周辺に生じた磁界の強さHSとの差に比例した大きさとなる。なお、誘導起電力は、U相巻線24Uの端子間に印加する交流電圧ACEの周波数の関数として表すことができるため、U相巻線24Uの端子間に印加する交流電圧ACEの周波数を高くすることによって、閉ループ24Us周辺に生じる磁界の強さHSを意図的に大きくすることができる。これにより、U相巻線24Uに短絡が生じたか否かの特定が容易となる。
出力電圧Vsを計測位置t0とともにRAMに一時的に記憶すると、続いて、診断部10のCPUは、RAMに記憶された交流電流ACIと出力電圧Vsとの関係に基づいて、磁界センサ6(サーチコイル62)によって計測された磁界の向きを決定する。具体的には、交流電流ACIと出力電圧Vsとの位相差を比較し、当該位相差に基づき磁界の向きを決定する。図9に示すように、交流電流ACIと出力電圧Vsとの位相差が所定範囲内であれば、磁界の方向は正方向であると判定し、図10に示すように、交流電流ACIと出力電圧Vsとの位相差が所定範囲外であれば負方向であると判定する。ここで、磁界の方向が正方向であるとは、磁界センサ6(サーチコイル62)によって計測された磁界の方向が、U相巻線24U周辺に生じる磁界の方向と同じ方向であると規定され、磁界の方向が負方向であるとは、磁界センサ6(サーチコイル62)によって計測された磁界の方向が、U相巻線24U周辺に生じる磁界の方向とは逆方向であると規定される。
このように、磁界センサ6(サーチコイル62)によって計測された磁界の向きを決定するのは、U相巻線24Uに短絡が発生したか否かをより精度よく診断するためである。即ち、集中巻きではティース22bの材質に強磁性体を用いる構成上、1ターン短絡のような軽微な短絡が発生した場合でも、短絡が発生していない他の部分が作る磁界の方向とは逆方向に強い磁界を発生するため、磁界の強さ(出力電圧Vsの大きさ)のみでは、短絡が発生している場合と短絡が発生していない場合との差異が不明確となる場合があり、短絡発生の判定が困難となる場合があるが、磁界の方向を考慮することにより、短絡が発生している場合と短絡が発生していない場合とで両者の差異が明確となるため、短絡の発生を確実に診断することができる。
そして、判定した磁界の方向に関する正負情報を記憶した出力電圧Vsに付加する処理を実行する。即ち、先にRAMに記憶した(正負情報が付加されていない)出力電圧Vsを、正負情報が付加された出力電圧Vsに置き換える処理を実行する。こうして計測位置t0における正負情報が付加された出力電圧VsをRAMに記憶する処理が完了すると、サーチコイル62が計測位置t1に来るように磁界センサ6を移動して、当該計測位置t1において出力電圧Vsを計測すると共に、当該出力電圧Vsと交流電流ACIとの関係に基づいて磁界の向きを決定し、先にRAMに記憶した(正負情報が付加されていない)出力電圧Vsを、正負情報が付加された出力電圧Vsに置き換える処理を実行する。
こうした処理を計測位置tLまで所定間隔dずつ移動しながら繰り返し実行する。即ち、サーチコイル62の位置をティース22bの根元部(ヨーク22aへの接続端部)からティース22bの先端部(固定子22の中心寄りの端部)に向かって軸線CL2の延在方向に沿って所定間隔dずつ移動しながら上述した処理(正負情報が付加されていない出力電圧Vsを計測してから正負情報が付加された出力電圧Vsに置き換えるまでの処理)を実行する。なお、所定間隔dは、例えば、各三相巻線24U,24V,24Wを構成するコイルの中心間距離にほぼ等しい値に設定することができる。
そして、正負の情報が付加された各計測位置ti(i=0〜L)毎の出力電圧Vsと閾値Vsrefとを比較し、出力電圧Vsが閾値Vsrefの範囲内であるか否かの判定を行う。ここで、閾値Vsrefは、本実施の形態では、正常な三相巻線24U,24V,24Wを有する電動機2における磁界を予め実験などによって求めてROMに記憶しておく構成とした。正負の情報が付加された各計測位置ti(i=0〜L)毎の出力電圧Vsと閾値Vsrefとを比較するCPUは、本発明における「比較手段」に対応する実施構成の一例である。
正負の情報が付加された各計測位置ti(i=0〜L)毎の出力電圧Vsと閾値Vsrefとの比較の結果、当該出力電圧Vsが閾値Vsrefの範囲内であれば当該計測位置ti(i=0〜L)ではU相巻線24Uに短絡は発生していないと判定し、当該判定結果を表示装置12に送信する。一方、出力電圧Vsが閾値Vsrefの範囲外であれば当該計測位置ti(i=0〜L)においてU相巻線24Uに短絡が発生していると判定し、当該判定結果を表示装置12に送信する。正負の情報が付加された各計測位置ti(i=0〜L)毎の出力電圧Vsと閾値Vsrefとを比較に基づいてU相巻線24Uに短絡が発生しているか否かを判定するCPUは、本発明における「判定手段」に対応する実施構成の一例である。
次に、本実施の形態に係る本発明の巻線短絡診断装置1を用いてティース22bに巻かれた三相巻線24U,24V,24Wの短絡発生の箇所を診断した実験結果について図11および図12を参照しながら説明する。当該実験では、長さ60mmの鉄の材質の直方体の長手方向の両端を5mmだけ残して長手方向の中央50mmの範囲にソレノイドコイルを巻いたものを用い、当該ソレノイドコイルの長手方向の一端(以下、「測定開始点」という)にサーチコイル62が配置されるように磁界センサ6を設置して、磁界センサ6をソレノイドコイルの軸線方向(直方体の長手方向)に2mmずつずらしながら、ソレノイドコイルの長手方向の他端(以下、「測定終了点」という)まで測定点を変えて磁界を計測した。なお、当該磁界を計測は、ソレノイドコイルが正常な状態(ソレノイドコイルに短絡が発生しない状態)の場合(図11参照)と、ソレノイドコイルに1ターン短絡が発生している状態の場合(図12参照)と、の両方を行った。また、1ターン短絡の箇所は、測定開始点から30mmの箇所に設定した。さらに、ソレノイドコイルの端子間には、約70mAの交流電流を通電するものとした(このときの周波数は10kHzである)。
ソレノイドコイルが正常な場合には、図11に示すように、測定開始点から14mmの測定点から46mmの測定点までの範囲では、測定誤差はあるものの出力電圧Vsは概ね一定値を示す。一方、ソレノイドコイルに1ターン短絡が存在する場合には、短絡が存在する箇所(測定開始点から30mmの箇所)では、短絡によって発生したソレノイドコイルの閉ループによって磁界を打ち消す方向の磁界が強いため、図12に示すように、測定開始点から30mmの箇所で磁界が大きく減少する。これにより、当該測定点(測定開始点から30mmの箇所)において短絡が発生したことを容易に特定することができる。
以上説明した本実施の形態に係る本発明の巻線短絡診断装置1によれば、ティース22b毎に巻かれた三相巻線24U,24V,24Wに生じる磁界を当該ティース22bの延出方向に沿って所定間隔d毎に計測すると共に、三相巻線24U,24V,24Wに流れる交流電流ACIと計測位置ti(i=0〜L)毎の出力電圧Vsとの位相差を比較することによって磁界センサ6(サーチコイル62)により計測される磁界の向きを決定し、当該磁界の向きを考慮した出力電圧Vsを予め設定した閾値と比較して、三相巻線24U,24V,24Wに短絡が発生しているか否かを判定する構成であるため、ティース22bに巻かれた三相巻線24U,24V,24Wのどのあたりで短絡が発生しているのかを特定することができる。これにより、短絡が発生しやすい傾向にある箇所の情報を取得し得るため、当該情報を設計段階へフィードバックすることによって、短絡が起こりやすい箇所での構造的もしくは強度的な対策を施すことができ、電動機2の短絡発生割合を低下させることにつながり、品質向上に寄与し得る。
本実施の形態では、コイルを数ターンから数十ターン程度巻いた1つのサーチコイル62を有す磁界センサ6を、計測位置t0から計測位置tLまで軸線CL2の延在方向に沿って移動しながら各計測位置ti(i=0〜L)での磁界(出力電圧Vs)を計測する構成としたが、これに限らない。例えば、図13に例示する変形例の磁界センサ106に示すように、磁界センサ106がコイルを数ターンから数十ターン程度巻いたサーチコイル62を有し、当該サーチコイル62を各計測位置ti(i=0〜L)毎に配置して、一度に各計測位置ti(i=0〜L)での磁界(出力電圧Vs)を計測する構成としても良い。当該構成によれば、サーチコイル62を移動させる時間を省略することができるため、計測時間の短縮および計測の簡略化を図ることができる。
本実施の形態では、ティース22b毎に巻かれた三相巻線24U,24V,24Wに生じる磁界の強さを、磁束密度の大きさに比例した出力電圧Vsとして計測するのみならず、三相巻線24U,24V,24Wに流れる交流電流ACIと計測位置ti毎の出力電圧Vsとの位相差に基づいて当該磁界の向きを決定して、当該磁界の向きを考慮した出力電圧Vsをもって三相巻線24U,24V,24Wに短絡が発生しているか否かの判定を行う構成としたが、磁界の向きは考慮せずに計測した出力電圧Vsのみを用いて三相巻線24U,24V,24Wに短絡が発生しているか否かを判定する構成としても良い。
磁界の向きを考慮しない場合、出力電圧Vsは、図12の二点鎖線に示すように、短絡が存在する箇所(測定開始点から30mmの箇所)に関して、その両側の測定点(測定開始点から26mmの箇所および測定開始点から34mmの箇所)において極小点を示し、短絡が存在する箇所(測定開始点から30mmの箇所)において極大点を示す。したがって、当該極大点を示した測定点(測定開始点から30mmの箇所)において短絡が発生したことを特定することができる。
本実施の形態では、交流電流ACIと出力電圧Vsとの位相差を比較し、当該位相差に基づき磁界の向きを決定する構成としたが、これに限らない。例えば、磁界の向きを決定するにあたり、交流電圧ACEと出力電圧Vsとの位相差を比較し、当該位相差に基づき磁界の向きを決定する構成としても良い。
本実施の形態では、電圧発振部4によってU−V相間、V−W相間、W−U相間それぞれに印加する交流電圧ACEの周波数を10kHzに設定したが、これに限らない。電圧発振部4によってU−V相間、V−W相間、W−U相間それぞれに印加する交流電圧ACEの周波数は、商用交流電源の周波数60Hz(あるいは50Hz)よりも高い周波数であれば周波数は如何なる値であっても良い。なお、周波数は、1kHz以上に設定することが望ましい。
本実施の形態では、電圧発振部4によってU−V相間、V−W相間、W−U相間それぞれに印加する交流電圧ACEを50ボルト以下に設定したが、これに限らない。
本実施の形態では、ティース22bの根元部(ヨーク22aへの接続端部)からティース22bの先端部(固定子22の中心寄りの端部)に向かってサーチコイル62を移動させる間隔である所定間隔dを各三相巻線24U,24V,24Wを構成するコイルの中心間距離にほぼ等しい値に設定する構成としたが、これに限らない。
本実施の形態では、三相巻線24U,24V,24Wが直接巻回されたティース22bを有する固定子22における当該三相巻線24U,24V,24Wの短絡を診断する構成としたが、これに限らない。例えば、三相巻線24U,24V,24Wが直接巻回されたスロットを有する回転子32における当該三相巻線24U,24V,24Wの短絡を診断する構成としても良い。この場合、電動機2から固定子22を取り外して、回転子32のみとした状態で、三相巻線24U,24V,24Wの短絡を診断を行う構成とすれば良い。
本実施の形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものである。したがって、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。なお、本実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下に示す。
1 巻線短絡診断装置(巻線短絡診断装置)
2 電動機(回転機)
4 電圧発振部(電圧発振部)
6 磁界センサ(磁界センサ)
8 A/D変換部
10 診断部
22 固定子(固定子)
22a ヨーク
22b ティース(ティース)
24U U相巻線(巻線)
24Us 閉ループ
24V V相巻線(巻線)
24W W相巻線(巻線)
26 接続端子
32 回転子(回転子)
62 サーチコイル(サーチコイル)
64 増幅器
ACE 交流電圧(交流電圧)
ACI 交流電流(交流電流)
L1 信号線
L2 信号線
L3 信号線
L4 信号線
Vs 出力電圧(出力電圧)
CL1 軸線
CL2 軸線
0 磁界の強さ
s 磁界の強さ
s 電流
S 短絡
0 計測位置
L 計測位置
i 計測位置
d 所定間隔
h 所定距離
Vsref 閾値

Claims (8)

  1. 円周方向に略等間隔で複数配置されたティースに集中巻を施した回転機の固定子または回転子における巻線の短絡を診断する巻線短絡診断装置であって、
    前記巻線の端子間に交流電圧を印加するよう構成された電圧発振部と、
    前記交流電圧の印加に応じて前記ティース毎に巻かれた前記巻線に生じる磁界の強さを前記ティースの延出方向に沿って所定間隔毎に計測する磁界センサと、
    該磁界センサによって計測された前記所定間隔毎の前記磁界の強さを計測位置に紐づけて記憶する記憶手段と、
    記憶した前記磁界の強さと閾値とを比較する比較手段と、
    記憶した前記磁界の強さの全てが前記閾値の範囲内である場合には前記巻線には短絡が発生していないと判定し、記憶した前記磁界の強さのいずれかが前記閾値の範囲外である場合には該閾値の範囲外と判定された前記磁界の強さと紐づけされた前記計測位置において前記巻線に短絡が発生していると判定する判定手段と、
    を備える巻線短絡診断装置。
  2. 前記磁界センサは、前記磁界の強さとして磁束密度の大きさに比例した出力電圧を出力するよう構成されており、
    前記記憶手段は、前記電圧発振部によって前記巻線の端子間に印加された前記交流電圧または該交流電圧に起因して前記巻線に流れる交流電流と、前記出力電圧と、を同期して記憶するよう構成されており、
    前記判定手段は、記憶された前記交流電圧または前記交流電流と、前記出力電圧と、の関係にもとづき前記磁界の方向を決定し、該磁界の方向を考慮して前記磁界の強さが前記閾値の範囲内であるか否かを判定するよう構成されている
    請求項1に記載の巻線短絡診断装置。
  3. 前記電圧発振部は、前記巻線の端子間に印加する交流電圧の周波数が商用周波数よりも高い周波数となるよう構成されている
    請求項1または2に記載の巻線短絡診断装置。
  4. 前記電圧発振部は、前記巻線の端子間に印加する交流電圧が50ボルト以下となるよう構成されている
    請求項1ないし3のいずれ1項に記載の巻線短絡診断装置。
  5. 前記磁界センサは、前記磁界の強さを計測するサーチコイルを有しており、前記磁界の強さを計測する際、前記サーチコイルの軸線方向が前記ティースに巻かれた前記巻線の軸線方向と平行になるよう構成されている
    請求項1ないし4のいずれ1項に記載の巻線短絡診断装置。
  6. 前記磁界センサは、前記磁界の強さを計測するサーチコイルを有しており、前記磁界の強さを計測する際、前記固定子または前記回転子の軸線方向の一方側から見たときの仮想投影面上における前記サーチコイルの軸線が、前記ティースに巻かれた前記巻線の軸線に重なるよう構成されている
    請求項1ないし5のいずれ1項に記載の巻線短絡診断装置。
  7. 円周方向に略等間隔で複数配置されたティースに集中巻を施した回転機の固定子または回転子における前記巻線の短絡を診断する巻線短絡診断方法であって、
    (a)前記ティース毎に巻かれた前記巻線の端子間に交流電圧を印加し、
    (b)前記交流電圧の印加に応じて前記ティース毎に巻かれた前記巻線に生じる磁界の強さを、前記ティースの延出方向に沿って所定間隔毎に計測し、
    (c)計測された前記所定間隔毎の前記磁界の強さを計測位置に紐づけて記憶し、
    (d)記憶した前記磁界の強さと閾値とを比較し、
    (e)記憶した前記磁界の強さの全てが前記閾値の範囲内である場合には、前記巻線には短絡が発生していないと判定し、記憶した前記磁界の強さのいずれかが前記閾値の範囲外である場合には、該閾値の範囲外と判定された前記磁界の強さと紐づけて記憶された前記計測位置において前記巻線に短絡が発生していると判定する
    巻線短絡診断方法。
  8. 前記ステップ(b)は、前記磁界の強さとして磁束密度の大きさに比例した電圧を出力するステップを含んでおり、
    前記ステップ(c)は、前記巻線の端子間に印加された前記交流電圧または該交流電圧に起因して前記巻線に流れる交流電流と、前記ステップ(b)で出力された出力電圧と、を同期して記憶するステップを含んでおり、
    前記ステップ(e)は、記憶された前記交流電圧または前記交流電流と、前記出力電圧と、の関係にもとづき前記磁界の方向を決定し、該磁界の方向を考慮して前記磁界の強さが前記閾値の範囲内であるか否かを判定するステップを含んでいる
    請求項7に記載の巻線短絡診断方法。
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