JP2020114149A - モータ内の巻線の層間短絡を検出する短絡検出装置、モータ制御装置及び数値制御システム - Google Patents

モータ内の巻線の層間短絡を検出する短絡検出装置、モータ制御装置及び数値制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】モータ内の巻線の層間短絡を任意のモータ動作状態において専用装置を用いずに検出することができる短絡検出装置、モータ制御装置及び数値制御システムを実現する。【解決手段】複数組の多相巻線が各組独立してステータに配置されるモータ3における層間短絡を検出する短絡検出装置10は、各組の多相巻線における個々の相の巻線に対応する電気情報を取得する取得部11と、複数組の多相巻線における互いに同じ相の巻線に対し取得部11が取得した電気情報に基づいて、同じ相の巻線のいずれかに層間短絡が発生したか否かを判定する判定部12とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、モータ内の巻線の層間短絡を検出する短絡検出装置、モータ制御装置及び数値制御システムに関する。
従来、モータ内の巻線における層間短絡(レアショートまたはレイアーショート:Layer Short)の検出は、検査対象のモータの電流波形と、層間短絡のない正常なモータについて事前に測定された電流波形との比較結果に基づいて行われていた。
例えば、3相電動機の回転中の各相の電流波形を検出し、この検出結果に基づき電動機の眉間短絡又は巻線のゆるみの有無を診断する方法において、前記各相の検出電流波形より各相間の位相差の最大のものと最小のものとの差に関連付けた位相不平衡率を求め、また、各相の電流波形の振幅の最大のものと最小のものとの差に関連付けた振幅不平衡率を求め、これらによって電動機の眉間短絡又は巻線のゆるみの有無を判別することを特徴とする電動機の診断方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
例えば、診断対象となる電気設備に流れる電流から特徴量を検出する特徴量検出手段と、前記電気設備が正常状態のときに前記特徴量検出手段で得られた特徴量の平均と標準偏差とを導出して記憶しておく演算記憶手段と、前記電気設備の診断をする際に、前記特徴量検出手段により得られた特徴量と前記演算記憶手段に記憶されている前記平均と標準偏差とに基づいて決定される楕円体の内側に存在する確率値を求める確率計算手段とを備え、前記電気設備の複数相に流れる電流を同期計測し、各相に流れる電流から各相毎の前記確率値を前記確率計算手段で導出し、各相で得られた確率値をかけ合わせる若しくは足し合わせることで得られた確率値に基づいて、前記電気設備が正常か異常かを診断する診断手段を備えたことを特徴とする電気設備の良否診断システムが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開昭60−109742号公報 特開2012−220485号公報
モータ内の巻線における層間短絡の検出の際には、層間短絡のない正常なモータの電流波形を事前に測定しておく必要がある。また、層間短絡の検出のために用いられる電流波形は、専用装置(ハードウェア)を用いて測定しなければならず、手間がかかる。また、層間短絡の検出のために用いられる電流波形は、モータが一定速で動作しているときに測定されたものでなければならず、モータの加減速時に測定された電流波形では層間短絡を検出することができないことから、層間短絡を検出できるモータ動作状態が限られていた。したがって、モータ内の巻線の層間短絡を任意のモータ動作状態において専用装置を用いずに検出することができる技術が望まれている。
本開示の一態様によれば、複数組の多相巻線が各組独立してステータに配置されるモータにおける層間短絡を検出する短絡検出装置は、各組の多相巻線における個々の相の巻線に対応する電気情報を取得する取得部と、複数組の多相巻線における互いに同じ相の巻線に対し取得部が取得した電気情報に基づいて、同じ相の巻線のいずれかに層間短絡が発生したか否かを判定する判定部とを備える。
また、本開示の一態様によれば、モータ制御装置は、モータを制御するモータ制御部と、上記短絡検出装置とを備える。
また、本開示の一態様によれば、工作機械の数値制御システムは、上記モータ制御装置を備える。
本開示の一態様によれば、モータ内の巻線の層間短絡を、任意のモータ動作状態において専用装置を用いずに検出することができる。
本開示の実施形態による短絡検出装置、モータ制御装置及び数値制御システムを示す図である。 4組の独立した三相巻線を有する4巻線モータを例示する概略図である。 巻線とステータ内のスロットとの位置関係を説明する分解斜視図である。 4巻線モータの各三相巻線のステータにおける配置例を例示する断面図である。 複数巻線モータの巻線に発生する層間短絡を説明する図である。 複数巻線モータの巻線で発生した層間短絡により流れる電流経路を説明する図である。 層間短絡により生じる循環電流と磁束との関係を説明する図である。 第1の形態において複数組の三相巻線のうちの1組のU相巻線に層間短絡が発生した場合の電流の波形を例示する図である。 第2の形態において複数組の三相巻線のうちの1組のU相巻線に層間短絡が発生した場合の電流の波形を例示する図である。 第3の形態において複数組の三相巻線のうちの1組のU相巻線に層間短絡が発生した場合の電流の波形を例示する図である。 第4の形態による短絡検出処理が実行される短絡検出装置、モータ制御装置及び数値制御システムを示す図である。 多相巻線内の各巻線に流れる電流が同一となるように組ごとの指令にて個別に制御される複数巻線モータに対して、第1〜第3の形態による短絡検出処理が実行される短絡検出装置、モータ制御装置及び数値制御システムを示す図である。
以下図面を参照して、モータ内の巻線の層間短絡を検出する短絡検出装置、モータ制御装置及び数値制御システムについて説明する。各図面において、同様の部材には同様の参照符号が付けられている。また、理解を容易にするために、これらの図面は縮尺を適宜変更している。また、図面に示される形態は実施するための一つの例であり、図示された形態に限定されるものではない。
本開示の実施形態による短絡検出装置は、複数組の多相巻線が各組独立してステータに配置されるモータにおける層間短絡を検出する。複数組の多相巻線が各組独立してステータに配置されるモータは、例えば「複数巻線モータ」と称されることがある。以下、本明細書では、多相巻線の組数に応じて「〇巻線モータ」と称する(〇には多相巻線の組数が入る)。例えば、ステータに設けられる多相巻線の組数が4組であるモータを、「4巻線モータ」と称する。ここでは一例として、4組の三相巻線が各組独立してステータに配置される4巻線モータの層間短絡を検出する実施形態について説明するが、三相巻線以外の多相巻線が複数組独立してステータに設けられる複数巻線モータにも本実施形態は適用可能である。
図1は、本開示の実施形態による短絡検出装置、モータ制御装置及び数値制御システムを示す図である。なお、図1並びに後述する図11及び図12では、図面を簡明にするために、三相交流のモータ3に係る配線を、慣例に倣い、1本の配線「−」と3本の斜線「///」との組合せで表記している。
本開示の実施形態による短絡検出装置10は、モータ3の各組の多相巻線における個々の相の巻線に対応する電気情報を取得する取得部11と、複数組の多相巻線における互いに同じ相の巻線に対し取得部11が取得した電気情報に基づいて、同じ相の巻線のいずれかに層間短絡が発生したか否かを判定する判定部12とを備える。取得部11によって取得される電気情報には、例えば、多相巻線の個々の相の巻線に流れる電流の波形、多相巻線の個々の相の巻線に生じる電圧の波形、または、多相巻線における個々の相の巻線に流れる電流が同一となるように制御するための組ごと指令の振幅が含まれる。
また、モータ制御装置1は、モータ制御部20と、短絡検出装置10とを備える。モータ制御装置1は、例えば工作機械の数値制御システム100に設けられる。
図1に示す例では、モータ3は、各組が独立した三相巻線を4組(すなわち30−1、30−2、30−3、30−4)の独立した三相巻線を有する4巻線モータである。
ここで、4巻線モータの一例について説明する。図2は、4組の独立した三相巻線を有する4巻線モータを例示する概略図である。また、図3は、巻線とステータ内のスロットとの位置関係を説明する分解斜視図である。また、図4は、4巻線モータの各三相巻線のステータにおける配置例を例示する断面図である。図2に示すように、例えば4巻線モータ3のロータ31の周りには、4組(すなわち30−1、30−2、30−3、30−4)の独立した三相巻線がステータに配置される。組30−1の三相巻線におけるU相巻線をU1、V相巻線をV1、W相巻線をW1とする。また、組30−2の三相巻線におけるU相巻線をU2、V相巻線をV2、W相巻線をW2とする。また、組30−3の三相巻線におけるU相巻線をU3、V相巻線をV3、W相巻線をW3とする。また、組30−4の三相巻線におけるU相巻線をU4、V相巻線をV4、W相巻線をW4とする。よって、4巻線モータにおいて、U相巻線はU1、U2、U3及びU4であり、V相巻線はV1、V2、V3及びV4であり、W相巻線はW1、W2、W3及びW4である。図3に示すように、例えば三相巻線の組30−1のW相巻線W1は、ステータ43内のスロット42に配置される。また、図4に示すように、4組(すなわち30−1、30−2、30−3、30−4)の独立した三相巻線の各巻線は、ステータ43内のスロット42に配置される。
図1に示すように、複数巻線モータを駆動するために、三相巻線の組(すなわち30−1、30−2、30−3、30−4)毎に、各巻線に駆動電力を供給するためのアンプが設けられる。すなわち、三相巻線の組30−1には第1のアンプ4−1が接続され、三相巻線の組30−2には第2のアンプ4−2が接続される。また、三相巻線の組30−3には第3のアンプ4−3が接続され、三相巻線の組30−4には第4のアンプ4−4が接続される。
第1のアンプ4−1、第2のアンプ4−2、第3のアンプ4−3及び第4のアンプ4−4は、モータ3を駆動するために、電源部2から供給された直流電力を所望の電圧及び所望の周波数を有する交流電力に変換し、モータ3内の三相巻線の各組(すなわち30−1、30−2、30−3、30−4)に供給する。このため、第1のアンプ4−1、第2のアンプ4−2、第3のアンプ4−3及び第4のアンプ4−4は、例えばインバータを有する。第1のアンプ4−1、第2のアンプ4−2、第3のアンプ4−3及び第4のアンプ4−4内のインバータは、モータ制御装置1内のモータ制御部20から受信した駆動指令に基づき各スイッチング素子がオンオフ制御されることにより、電源部2から供給された直流電力を、モータ3を駆動するための交流電力に変換して出力する。これにより、モータ3は、例えば電圧可変及び周波数可変の交流電力に基づいて動作する。インバータは、例えばスイッチング素子及びこれに逆並列に接続されたダイオードのブリッジ回路からなり、例えば三角波比較方式のPWMスイッチング制御に基づいて各スイッチング素子がオンオフ制御される。スイッチング素子の例としては、FETなどのユニポーラトランジスタ、バイポーラトランジスタ、IGBT、サイリスタ、GTOなどがあるが、スイッチング素子の種類自体は本実施形態を限定するものではなく、その他のスイッチング素子であってもよい。
電源部2は、例えば、交流電源(図示せず)から供給された交流電力を直流電力に変換して出力する整流器からなる。また例えば、電源部2は、バッテリであってもよい。
短絡検出装置10及びモータ制御部20は、例えばソフトウェアプログラム形式で構築されてもよく、あるいは各種電子回路とソフトウェアプログラムとの組み合わせで構築されてもよい。例えばこれらをソフトウェアプログラム形式で構築する場合は、モータ制御装置1内にある例えばDSPやFPGAなどの演算処理装置をこのソフトウェアプログラムに従って動作させることで、短絡検出装置10及びモータ制御部20の各機能を実現することができる。また、短絡検出装置10及びモータ制御部20を有するモータ制御装置1は、例えば工作機械の数値制御システム100内に設けられてもよい。また、ソフトウェアプログラム形式で構築された短絡検出装置10は、モータ制御装置1の外部であってかつ数値制御装置100の内部に設けられてもよく、この場合、数値制御システム100内にある例えばDSPやFPGAなどの演算処理装置を、このソフトウェアプログラムに従って動作させることで、短絡検出装置10の機能を実現することができる。また、短絡検出装置10の機能を実現するソフトウェアプログラムは、記録媒体に記録されてもよい。
このように、ソフトウェアプログラム形式で構築された短絡検出装置10は、モータ制御装置1内にある例えばDSPやFPGAなどの演算処理装置や数値制御システム100内にある例えばDSPやFPGAなどの演算処理装置が、このソフトウェアプログラムに従って動作することで実現されるので、従来のように層間短絡の検出のための専用装置を用いる必要はない。
続いて、本開示の実施形態による短絡検出装置10の動作原理について、図5〜図7を参照して説明する。
図5は、複数巻線モータの巻線に発生する層間短絡を説明する図である。また、図6は、複数巻線モータの巻線で発生した層間短絡により流れる電流経路を説明する図である。また、図7は、層間短絡により生じる循環電流と磁束との関係を説明する図である。複数巻線モータにおいては、巻線(コイル)は複数回重ねて巻回されてステータに配置される。巻線の層(Layer)は重なった状態になっており、巻線の層間は絶縁されている。例えばモータの回転に伴う振動により層間の絶縁が破壊されると、巻線の層間は短絡する。例えば図5に示すように1組(30−1)の三相巻線において、U相の巻線U1で層間短絡が位置S1で発生すると、図6の矢印に示すように、巻線41上に、位置S1を含んだループ状の電流経路が形成される。図7に示すように、モータ3の回転時には、位置S1を含んだループ状の電流経路を貫く磁束Φが刻々と変化し、式1で表されるような起電圧eが発生する。
Figure 2020114149
巻線U1上に層間短絡が発生することで、巻線U1の抵抗成分及びインダクタンス成分が変化する。巻線U1上に形成されたループ状の電流経路のインピーダンスをZとしたとき、この電流経路には式2で表されるような循環電流iが流れる。
Figure 2020114149
このように、層間短絡した位置S1を含むループ状の電流経路に流れる循環電流iのため、複数組の多相巻線における互いに同じ相の巻線に流れる電流の波形を組同士間で相互に比較すると、層間短絡の発生した組の巻線に流れる電流の波形は、層間短絡のない正常な組の巻線に流れる電流の波形とは、異なったものとなる。また、巻線に流れる電流の波形についても、巻線に生じる電圧の波形に対応するので、複数組の多相巻線における互いに同じ相の巻線に生じる電圧の波形を組同士間で相互に比較すると、層間短絡の発生した組の巻線に生じる電圧の波形は、層間短絡のない正常な組の巻線に生じる電圧の波形とは異なったものとなる。同一指令に基づく制御により複数組の各々の多相巻線に同一電圧が印加される複数巻線モータにおいては、いずれの組の多相巻線の巻線にも層間短絡が発生していない場合は、各組を通じて同じ相の巻線についての電流及び電圧の波形は略同一となる。しかし、ある1組の多相巻線の1相に層間短絡が発生すると、当該組における層間短絡が発生した相の巻線についての電流及び電圧の波形は、これと同相の他の組における巻線についての電流及び電圧の波形とは異なったものとなる。そこで、本開示の実施形態では、取得部11にて各組の多相巻線における個々の相の巻線に対応する電気情報を取得し、判定部12により、複数組の多相巻線における互いに同じ相の巻線に対し取得部11が取得した電気情報に基づいて、当該同じ相の巻線のいずれかに層間短絡が発生したか否かを判定する。取得部11によって取得される電気情報には、例えば、多相巻線の個々の相の巻線に流れる電流の波形、多相巻線の個々の相の巻線に生じる電圧の波形、または、多相巻線における個々の相の巻線に流れる電流が同一となるように制御するための組ごと指令の振幅が含まれる。電気情報が電流の波形である場合、取得部11は、電流検出部(図示せず)によって検出された電流の波形を取得する。電気情報が電圧の波形である場合、取得部11は、電圧検出部(図示せず)によって検出された電圧の波形を取得する。電気情報が指令である場合、取得部11は、モータ制御部20から指令を取得する。
続いて、短絡検出装置10による層間短絡検出処理の形態例について、いくつか列記する。
第1の形態では、同一指令に基づく制御により複数組の各々の多相巻線に同一電圧が印加される複数巻線モータにおいて、多相巻線内の各巻線に対応する電気情報として、各組の多相巻線における個々の相の巻線に流れる電流の波形または各組の多相巻線における個々の相の巻線に生じる電圧の波形を取得し、複数組の多相巻線における互いに同じ相の巻線に対し取得された波形の振幅に基づいて、当該相の巻線に層間短絡が発生したか否かを判定する。図8は、第1の形態において複数組の三相巻線のうちの1組のU相巻線に層間短絡が発生した場合の電流の波形を例示する図である。取得部11は、同一指令に基づく制御により複数組の各々の多相巻線に同一電圧が印加されるモータ3の三相巻線内の各巻線に対応する電気情報として、各組の三相巻線における個々の相の巻線に流れる電流の波形または各組の三相巻線における個々の相の巻線に生じる電圧の波形を取得する。図8に示す例では、三相巻線における個々の相の巻線に流れる電流の波形を取得している。判定部12は、互いに同じ相の巻線に対し取得部11が取得した波形を組同士の間で相互に比較し、複数組のうちいずれか1組の三相巻線における波形の振幅と、上記複数組のうち他の組の三相巻線における波形の振幅との差が、予め規定された振幅閾値より大きい場合、当該1組の三相巻線の同じ相において層間短絡が発生したと判定する。図8に示す例では、各組の三相巻線のうち、組30−4におけるU相巻線U4に層間短絡が発生しているので、組30−4におけるU相巻線U4についての電流の波形の振幅は、組30−1におけるU相巻線U1、組30−2におけるU相巻線U2及び組30−3におけるU相巻線U3についての各電流の波形の振幅とは異なったものとなる。例えば判定部12は、組30−4におけるU相巻線U4についての電流の波形の振幅と、組30−1におけるU相巻線U1、組30−2におけるU相巻線U2及び組30−3におけるU相巻線U3についての各電流の波形の振幅との差が、予め規定された振幅閾値より大きい場合、組30−4におけるU相巻線U4に層間短絡が発生したと判定する。なお、判定部12により層間短絡の発生の有無を判定する際に用いられる振幅閾値は、波形に乗るノイズに起因する誤検出を防止するために、ノイズレベルよりも十分に大きい値に設定すればよい。
第2の形態では、同一指令に基づく制御により複数組の各々の多相巻線に同一電圧が印加される複数巻線モータにおいて、多相巻線内の各巻線に対応する電気情報として、各組の多相巻線における個々の相の巻線に流れる電流の波形または各組の多相巻線における個々の相の巻線に生じる電圧の波形を取得し、複数組の多相巻線における互いに同じ相の巻線に対し取得された波形の位相に基づいて、当該相の巻線に層間短絡が発生したか否かを判定する。図9は、第2の形態において複数組の三相巻線のうちの1組のU相巻線に層間短絡が発生した場合の電流の波形を例示する図である。取得部11は、同一指令に基づく制御により複数組の各々の多相巻線に同一電圧が印加されるモータ3の三相巻線内の各巻線に対応する電気情報として、各組の三相巻線における個々の相の巻線に流れる電流の波形または各組の三相巻線における個々の相の巻線に生じる電圧の波形を取得する。図9に示す例では、三相巻線内の各巻線に流れる電流の波形を取得している。判定部12は、互いに同じ相の巻線に対し取得部11が取得した波形を組同士の間で相互に比較し、複数組のうちいずれか1組の三相巻線における波形の位相と、上記複数組のうち他の組の三相巻線における波形の位相との差が、予め規定された位相閾値より大きい場合、当該1組の三相巻線の同じ相において層間短絡が発生したと判定する。図9に示す例では、各組の三相巻線のうち、組30−2におけるU相巻線U2に層間短絡が発生したとしている。この場合、組30−2におけるU相巻線U2ではインダクタンスが低下するので、U相巻線U2についての電流の波形の位相は、組30−1におけるU相巻線U1、組30−3におけるU相巻線U3及び組30−4におけるU相巻線U4についての各電流の波形の位相より進む。例えば判定部12は、組30−2におけるU相巻線U2についての電流の波形の位相と、組30−1におけるU相巻線U1、組30−3におけるU相巻線U3及び組30−4におけるU相巻線U4についての各電流の波形の位相との差(図中、aで示す)が、予め規定された位相閾値より大きい場合、組30−2におけるU相巻線U2に層間短絡が発生したと判定する。なお、判定部12により層間短絡の発生の有無を判定する際に用いられる位相閾値は、波形に乗るノイズに起因する誤検出を防止するために、ノイズレベルよりも十分に大きい値に設定すればよい。
第3の形態は、同一指令に基づく制御により複数組の各々の多相巻線に同一電圧が印加される複数巻線モータを停止状態から加速させたときに、短絡検出装置10が層間短絡検出処理を実行するものである。第3の形態では、同一指令に基づく制御により複数組の各々の多相巻線に同一電圧が印加される複数巻線モータにおいて、多相巻線内の各巻線に対応する電気情報として、複数巻線モータを停止状態から加速させたときに各組の多相巻線における個々の相の巻線に流れる電流の波形または各組の多相巻線における個々の相の巻線に生じる電圧の波形を取得し、複数組の多相巻線における互いに同じ相の巻線に対し取得された波形の立ち上がり時間に基づいて、当該相の巻線に層間短絡が発生したか否かを判定する。図10は、第3の形態において複数組の三相巻線のうちの1組のU相巻線に層間短絡が発生した場合の電流の波形を例示する図である。図10において、縦軸は、モータ3の加速が完了して一定速度で回転しているときにおける電流の振幅で規格化した電流値を示している。すなわち、モータ3の加速が完了して一定速度で回転しているときにおける電流値を1.0(すなわち100%)としている。電流の波形の「立ち上がり時間」は、規格化された電流値が0.1(すなわち10%)から0.9(すなわち90%)に達するまでに要する時間として規定される。取得部11は、同一指令に基づく制御により複数組の各々の多相巻線に同一電圧が印加されるモータ3の三相巻線内の各巻線に対応する電気情報として、複数巻線モータを停止状態から加速させたときにおいて、各組の多相巻線における個々の相の巻線に流れる電流の波形または各組の多相巻線における個々の相の巻線に生じる電圧の波形を取得する。図10に示す例では、三相巻線内の各巻線に流れる電流の波形を取得している。例えば判定部12は、モータ3を停止状態から加速させたときに互いに同じ相の巻線に対し取得部11が取得した波形の立ち上がり時間を組同士の間で相互に比較し、複数組のうちいずれか1組の波形の立ち上がり時間と、上記複数組のうち他の組の波形の立ち上がり時間との差が、予め規定された立ち上がり時間閾値より大きい場合、当該1組の三相巻線の同じ相において層間短絡が発生したと判定する。図10に示す例では、各組の三相巻線のうち、組30−2におけるU相巻線U2に層間短絡が発生したとしている。この場合、組30−2におけるU相巻線U2ではインダクタンスが低下するので、U相巻線U2についての電流の波形の立ち上がり時間は、組30−1におけるU相巻線U1、組30−3におけるU相巻線U3及び組30−4におけるU相巻線U4についての各電流の波形の立ち上がり時間よりも短くなる。例えば判定部12は、組30−2におけるU相巻線U2についての電流の波形の立ち上がり時間と、組30−1におけるU相巻線U1、組30−3におけるU相巻線U3及び組30−4におけるU相巻線U4についての各電流の波形の立ち上がり時間との差が、予め規定された立ち上がり時間閾値より大きい場合、組30−2におけるU相巻線U2に層間短絡が発生したと判定する。なお、判定部12により層間短絡の発生の有無を判定する際に用いられる立ち上がり時間閾値は、波形に乗るノイズに起因する誤検出を防止するために、ノイズレベルよりも十分に大きい値に設定すればよい。なお、第3の形態においては、電流の波形の立ち上がり時間に基づいて層間短絡の発生の有無を判定するが、この変形例として、電流の波形の遅れ時間に基づいて層間短絡の発生の有無を判定してもよい。電流の波形の「遅れ時間」は、モータ3の加速を開始してから規格化された電流値が0.5(すなわち50%)に達するまでに要する時間として規定される。本変形例によれば、判定部12は、モータ3を停止状態から加速させたときに互いに同じ相の巻線に対し取得部11が取得した波形の遅れ時間を組同士の間で相互に比較し、複数組のうちいずれか1組の波形の遅れ時間と、上記複数組のうち他の組の波形の遅れ時間との差が、予め規定された遅れ時間閾値より大きい場合、当該1組の三相巻線の同じ相において層間短絡が発生したと判定する。なお、判定部12により層間短絡の発生の有無を判定する際に用いられる遅れ時間閾値は、波形に乗るノイズに起因する誤検出を防止するために、ノイズレベルよりも十分に大きい値に設定すればよい。
上述の第1〜第3の形態による短絡検出装置10による層間短絡検出処理は、単独で実行されてもよく、複数組み合わせて実行されてもよい。例えば第1〜第3の形態のうちの2つまたは3つを組み合わせて実行すれば、第1〜第3の形態の各々を単独で実行するよりも、層間短絡検出精度が高くなる。
第4の形態では、多相巻線における個々の相の巻線に流れる電流が同一となるように組ごとの指令にて個別に制御される複数巻線モータにおいて、多相巻線内の各巻線に対応する電気情報として、多相巻線内の各巻線に対応する指令の振幅をモータ制御部29から取得し、各組について取得された同じ相の巻線に対応する指令の振幅に基づいて、当該相の巻線に層間短絡が発生したか否かを判定する。層間短絡判定に用いられる指令は、電流指令、トルク指令、または速度指令のいずれであってもよい。図11は、第4の形態による短絡検出処理が実行される短絡検出装置、モータ制御装置及び数値制御システムを示す図である。モータ制御部20は、モータ3の三相巻線内の各巻線に流れる電流が同一となるように組ごとの指令にて個別に制御する。すなわち、モータ制御部20は、モータ3の各組の三相巻線に駆動電力を供給する第1のアンプ4−1、第2のアンプ4−2、第3のアンプ4−3及び第4のアンプ4−4の各々に対し、モータ3の三相巻線内の各巻線に流れる電流が同相については同一となるように個別に指令を生成して出力する。モータ制御部20による指令の生成にあたっては、各組の三相巻線の各巻線に流れる電流が、モータ制御部20にフィードバックされる。上述のように、ある組の三相巻線において層間短絡の発生した相の巻線に流れる電流の波形は、これと同相の他の組の層間短絡のない正常な巻線に流れる電流の波形とは異なったものとなる。いずれの組の多相巻線の巻線にも層間短絡が発生していない場合は、各組を通じて同じ相の巻線についての指令の振幅は略同一となる。しかし、ある1組の多相巻線の1相に層間短絡が発生すると、当該組における層間短絡が発生した相の巻線についての電流の波形は、これと同相の他の組における巻線についての電流の波形とは異なったものとなる。このとき、モータ制御部20は、層間短絡の発生した組の当該相の巻線に流れる電流がこれと同相の他の組の層間短絡のない正常な巻線に流れる電流と同一となるよう、層間短絡の発生した相の巻線に対応する指令を生成するので、層間短絡の発生した相の巻線に対応する指令は、これと同相の他の組における巻線に対応する指令とは異なったものとなる。そこで第4の形態では、各組について取得された同じ相の巻線に対応する指令の振幅に基づいて、当該相の巻線に層間短絡が発生したか否かを判定する。より具体的には取得部11は、多相巻線内の各巻線に流れる電流が同一となるように組ごとの指令にて個別に制御されるモータ3の三相巻線内の各巻線に対応する電気情報として、多相巻線における個々の相の巻線に流れる電流が同一となるように制御する各組ごとの指令の振幅をモータ制御部20から取得する。判定部12は、互いに同じ相の巻線に対し取得部11が取得した指令の振幅を組同士の間で相互に比較し、複数組のうちいずれか1組の指令の振幅と、上記複数組のうち他の組の指令の振幅との差が、予め規定された指令閾値より大きい場合、当該1組の多相巻線の同じ相において層間短絡が発生したと判定する。なお、判定部12により層間短絡の発生の有無を判定する際に用いられる指令閾値は、各巻線からフィードバックされた電流に含まれるノイズに起因する誤検出を防止するために、ノイズレベルよりも十分に大きい値に設定すればよい。
なお、多相巻線内の各巻線に流れる電流が同一となるように組ごとの指令にて個別に制御される複数巻線モータにおいても、第1〜第3の形態のように、多相巻線内の各巻線に対応する電気情報として、各組の多相巻線における個々の相の巻線に流れる電流の波形または各組の多相巻線における個々の相の巻線に生じる電圧の波形を取得し、複数組の多相巻線における互いに同じ相の巻線に対し取得された波形の振幅、位相もしくは立ち上がり時間(遅れ時間)に基づいて、当該相の巻線に層間短絡が発生したか否かを判定してもよい。図12は、多相巻線内の各巻線に流れる電流が同一となるように組ごとの指令にて個別に制御される複数巻線モータに対して、第1〜第3の形態による短絡検出処理が実行される短絡検出装置、モータ制御装置及び数値制御システムを示す図である。モータ制御部20は、モータ3の各組の三相巻線に駆動電力を供給する第1のアンプ4−1、第2のアンプ4−2、第3のアンプ4−3及び第4のアンプ4−4の各々に対し、モータ3の三相巻線内の各巻線に流れる電流が同相については同一となるように個別に指令を生成して出力する。モータ制御部20による指令の生成にあたっては、各組の三相巻線の各巻線に流れる電流が、モータ制御部20にフィードバックされる。取得部11は、同一指令に基づく制御により複数組の各々の多相巻線に同一電圧が印加されるモータ3の三相巻線内の各巻線に対応する電気情報として、各組の多相巻線における個々の相の巻線に流れる電流の波形または各組の多相巻線における個々の相の巻線に生じる電圧の波形を取得する。モータ制御部20は、層間短絡の発生した相の巻線に流れる電流がこれと同相の他の組の層間短絡のない正常な巻線に流れる電流と同一となるよう、層間短絡の発生した相の巻線に対応する指令を生成するので、層間短絡の発生した相の巻線に対応する指令は、これと同相の他の組における巻線に対応する指令とは大きく異なったものとなる。モータ制御部20により、層間短絡の発生した組の相の巻線に流れる電流がこれと同相の他の組の層間短絡のない正常な巻線に流れる電流と同一となるように制御できているならば、図11を参照して説明したように第4の形態にて指令の振幅に基づき層間短絡を検出することができる。しかしながら、モータ制御部20により、層間短絡の発生した組の相の巻線に流れる電流がこれと同相の他の組の層間短絡のない正常な巻線に流れる電流と同一となるように制御できていない場合は、取得部11により取得された各組の三相巻線内の各巻線に流れる電流または三相巻線内の各巻線に生じる電圧の波形に基づいて、第1〜第3の形態のいずれかにより、当該相の巻線に層間短絡が発生したか否かを判定してもよい。
上述した短絡検出装置10は、図5のS1に示すような複数巻線モータの多相巻線の同相中の巻線の層間短絡を検出することができるが、図5のS2に示すような複数巻線モータの三相巻線における異相間の短絡についても検出することができる。同一指令に基づく制御により複数組の各々の三相巻線に同一電圧が印加されるモータ3の1組(例えば30−1)の三相巻線において、例えば図5に示すようにU相の巻線U1とW相の巻線W1との間の短絡が位置S2で発生すると、組30−1の三相巻線において層間短絡の発生したU相の巻線U1に流れる電流及びW相の巻線W1に流れる電流の波形は、これらU相及びW相の他の組の層間短絡のない正常な巻線に流れる電流の波形とは異なったものとなる。よって、上述した第1〜第3の形態による層間短絡検出処理にて、短絡を検出することができる。また、三相巻線内の各巻線に流れる電流が同一となるように組ごとの指令にて個別に制御されるモータ3についても、短絡の発生したU相の巻線U1及びW相の巻線W1に対応する指令は、これらU相及びW相の他の組における巻線に対応する指令とは大きく異なったものとなる。よって、第4の形態層間短絡検出処理にて、短絡を検出することもできる。
上述した短絡検出装置10は、ソフトウェアプログラム形式で構築することができ、例えば、モータ制御装置1内にある例えばDSPやFPGAなどの演算処理装置や、数値制御システム100内にある例えばDSPやFPGAなどの演算処理装置を、このソフトウェアプログラムに従って動作させることで、短絡検出装置10の機能を実現することができる。例えば、モータ制御装置1や数値制御システム100では、各巻線に流れる電流や各巻線に生じる電圧を検出してモータ3の制御に用いているが、短絡検出装置10は、モータ3の制御に用いられる各巻線の電流もしくは電圧の波形またはモータ3を制御するための指令を、層間短絡判定処理にも利用するので、従来のように専用装置(ハードウェア)を用いた測定は不要であり、また、モータ3の動作状態に依存せずに層間短絡判定処理を実行することもできる。また、短絡検出装置10は、モータ制御装置1や数値制御システム100によるモータ3の制御中に得られる各巻線の電流もしくは電圧の波形またはモータ3を制御するための指令に基づいて層間短絡判定処理を行うので、従来のような層間短絡のない正常なモータの電流波形を事前に測定する手間を省くことができる。
1 モータ制御装置
2 電源部
3 モータ
4−1 第1のアンプ
4−2 第2のアンプ
4−3 第3のアンプ
4−4 第4のアンプ
10 短絡検出装置
11 取得部
12 判定部
20 モータ制御部
30−1、30−2、30−3、30−4 三相巻線の組
31 ロータ
42 スロット
43 ステータ
100 数値制御システム
U1、U2、U3、U4 U相巻線
V1、V2、V3、V4 V相巻線
W1、W2、W3、W4 W相巻線

Claims (10)

  1. 複数組の多相巻線が各組独立してステータに配置されるモータにおける層間短絡を検出する短絡検出装置であって、
    各組の前記多相巻線における個々の相の巻線に対応する電気情報を取得する取得部と、
    複数組の前記多相巻線における互いに同じ相の巻線に対し前記取得部が取得した前記電気情報に基づいて、前記同じ相の巻線のいずれかに層間短絡が発生したか否かを判定する判定部と、
    を備える、短絡検出装置。
  2. 前記電気情報は、前記個々の相の巻線に流れる電流の波形または前記個々の相の巻線に生じる電圧の波形である、請求項1に記載の短絡検出装置。
  3. 前記判定部は、前記互いに同じ相の巻線に対し前記取得部が取得した前記波形を前記組同士の間で相互に比較し、いずれか1組の前記多相巻線における前記波形の振幅と、他の組の前記多相巻線における前記波形の振幅との差が、予め規定された振幅閾値より大きい場合、前記1組の前記多相巻線の前記同じ相において前記層間短絡が発生したと判定する、請求項2に記載の短絡検出装置。
  4. 前記判定部は、前記互いに同じ相の巻線に対し前記取得部が取得した前記波形を前記組同士の間で相互に比較し、いずれか1組の前記多相巻線における前記波形の位相と、他の組の前記多相巻線における前記波形の位相との差が、予め規定された位相閾値より大きい場合、前記1組の前記多相巻線の前記同じ相において前記層間短絡が発生したと判定する、請求項2に記載の短絡検出装置。
  5. 前記判定部は、前記モータを停止状態から加速させたときに前記互いに同じ相の巻線に対し前記取得部が取得した前記波形の立ち上がり時間を前記組同士の間で相互に比較し、いずれか1組の前記波形の立ち上がり時間と、他の組の前記波形の立ち上がり時間との差が、予め規定された立ち上がり時間閾値より大きい場合、前記1組の前記多相巻線の前記同じ相において前記層間短絡が発生したと判定する、請求項2に記載の短絡検出装置。
  6. 前記モータは、同一指令に基づく制御により前記複数組の各々の前記多相巻線に同一電圧が印加される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の短絡検出装置。
  7. 前記電気情報は、前記多相巻線における個々の相の巻線に流れる電流が同一となるように前記組ごとの指令にて個別に制御される前記モータにおける、前記多相巻線内の各巻線に対応する前記指令の振幅である、請求項1に記載の短絡検出装置。
  8. 前記判定部は、前記互いに同じ相の巻線に対し前記取得部が取得した前記指令の振幅を前記組同士の間で相互に比較し、いずれか1組の前記指令の振幅と、他の組の前記指令の振幅との差が、予め規定された指令閾値より大きい場合、前記1組の前記多相巻線の前記同じ相において前記層間短絡が発生したと判定する、請求項7に記載の短絡検出装置。
  9. 前記モータを制御するモータ制御部と、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の短絡検出装置と、
    を備える、モータ制御装置。
  10. 請求項9に記載のモータ制御装置を備える、工作機械の数値制御システム。
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