JP2018194496A - 回転電機の絶縁診断装置および回転電機の絶縁診断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転電機のコイルにおける各部位の絶縁異常を適切に診断する。
【解決手段】実施形態における回転電機の絶縁診断装置は、回転電機のコイルにインパルス電圧を印加するインパルス電圧印加手段と、前記コイルにおける絶縁診断対象の部位に応じて前記インパルス電圧の立ち上がりのタイミングを調整する波形調整手段と、前記波形調整手段により調整されたインパルス電圧が印加されたコイルから出力される電圧波形を計測する波形計測手段と、前記波形計測手段で計測された波形をもとに、前記コイルの絶縁異常を判定する異常判定手段とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】実施形態における回転電機の絶縁診断装置は、回転電機のコイルにインパルス電圧を印加するインパルス電圧印加手段と、前記コイルにおける絶縁診断対象の部位に応じて前記インパルス電圧の立ち上がりのタイミングを調整する波形調整手段と、前記波形調整手段により調整されたインパルス電圧が印加されたコイルから出力される電圧波形を計測する波形計測手段と、前記波形計測手段で計測された波形をもとに、前記コイルの絶縁異常を判定する異常判定手段とを有する。
【選択図】 図1
Description
本発明の実施形態は、回転電機の絶縁診断装置および回転電機の絶縁診断方法に関する。
回転電機のステータのコイルやロータのコイルにおいて、巻線のレアショート(Layer Short)などの、絶縁の異常を診断する方法として、インパルス電圧を巻線に印加し、この印加した電圧の応答波形の変歪などを検出して、絶縁にかかる異常の有無を診断する方法がある。
この方法では、診断対象の巻線の応答波形と正常な巻線の応答波形とを比較し、両者の波形のズレの変化量などからレアショートなどの異常を判定する。
また、最近では、回転電機のステータとロータを組み合わせた状態での診断や絶縁劣化状態の診断に対応した方法が検討されている。
また、最近では、回転電機のステータとロータを組み合わせた状態での診断や絶縁劣化状態の診断に対応した方法が検討されている。
上述した回転電機の絶縁診断方法では、インパルス電圧の応答を参照するが、巻線にインパルス電圧を印加すると、この電圧が、印加した端子からの距離に応じて減衰しながら巻線内部に伝搬するため、同じレアショートでも巻線の位置によって応答波形が異なる。
つまり、巻線における、インパルス電圧を印加する端子に近い部位の絶縁異常は、インパルス電圧の応答波形に与える変化が大きいが、巻線における、上記の端子から遠い部位の絶縁異常は、インパルス電圧の応答波形に与える変化が小さいため、インパルス電圧を印加する端子から遠い部位であるほど、この絶縁異常の検知が困難でなる。
つまり、巻線における、インパルス電圧を印加する端子に近い部位の絶縁異常は、インパルス電圧の応答波形に与える変化が大きいが、巻線における、上記の端子から遠い部位の絶縁異常は、インパルス電圧の応答波形に与える変化が小さいため、インパルス電圧を印加する端子から遠い部位であるほど、この絶縁異常の検知が困難でなる。
本発明が解決しようとする課題は、回転電機のコイルにおける各部位の絶縁異常を適切に診断することが可能な回転電機の絶縁診断装置および回転電機の絶縁診断方法を提供することである。
実施形態における回転電機の絶縁診断装置は、回転電機のコイルにインパルス電圧を印加するインパルス電圧印加手段と、前記コイルにおける絶縁診断対象の部位に応じて前記インパルス電圧の立ち上がりのタイミングを調整する波形調整手段と、前記波形調整手段により調整されたインパルス電圧が印加されたコイルから出力される電圧波形を計測する波形計測手段と、前記波形計測手段で計測された波形をもとに、前記コイルの絶縁異常を判定する異常判定手段とを有する。
本発明によれば、回転電機のコイルにおける各部位の絶縁異常を適切に診断することができる。
以下、実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、実施形態における絶縁診断装置の機能構成例を示す概略図である。
図1に示すように、実施形態における絶縁診断装置100は、回転電機1内のコイル2に対してインパルス電圧を印加し、このインパルス電圧の応答波形である電圧波形を計測して、コイル2の所望の部位の絶縁状態を診断する。
絶縁状態を診断するためには、コイル2に電源からの通電がなされていない状態で、インパルス電圧をコイル2に印加する必要がある。このため、回転電機1の運転を停止して、この回転電機1を電源から外した状態で絶縁状態を診断することとする。
図1は、実施形態における絶縁診断装置の機能構成例を示す概略図である。
図1に示すように、実施形態における絶縁診断装置100は、回転電機1内のコイル2に対してインパルス電圧を印加し、このインパルス電圧の応答波形である電圧波形を計測して、コイル2の所望の部位の絶縁状態を診断する。
絶縁状態を診断するためには、コイル2に電源からの通電がなされていない状態で、インパルス電圧をコイル2に印加する必要がある。このため、回転電機1の運転を停止して、この回転電機1を電源から外した状態で絶縁状態を診断することとする。
図1に示した例では、コイル2はインパルス電圧を印加するためのコイル端子7を有する。このコイル端子7の一端部(高圧側(正極側)端子)に、コイル2の各部位として、第1コイル2a、第2コイル2b、第3コイル2c、第4コイル2dを含む複数のコイルが直列に接続される。
コイル端子7の一端部とコイル2の各部位との間の距離は、以下の式(1)のとおりである。つまり、コイル端子7の一端部とコイル2の各部位との間の距離は、第1コイル2a、第2コイル2b、第3コイル2c、第4コイル2dの順に長い。
コイル端子7の一端部と第1コイル2aとの間の距離 < コイル端子7の一端部と第2コイル2bとの間の距離 < コイル端子7の一端部と第3コイル2cとの間の距離 < コイル端子7の一端部と第4コイル2dとの間の距離 …式(1)
また、コイル2の戻り側の各部位として、コイル端子7の他端部(低圧側(負極側)端子)に戻り側第1コイル2a2、戻り側第2コイル2b2、戻り側第3コイル2c2、戻り側第4コイル2d2を含む複数のコイルが直列に接続される。
また、コイル2の戻り側の各部位として、コイル端子7の他端部(低圧側(負極側)端子)に戻り側第1コイル2a2、戻り側第2コイル2b2、戻り側第3コイル2c2、戻り側第4コイル2d2を含む複数のコイルが直列に接続される。
コイル端子7の他端部とコイル2の戻り側の各部位との間の距離は、以下の式(2)のとおりである。つまり、コイル端子7の他端部とコイル2の戻り側の各部位との間の距離は、戻り側第1コイル2a2、戻り側第2コイル2b2、戻り側第3コイル2c2、戻り側第4コイル2d2の順に長い。
コイル端子7の他端部と戻り側第1コイル2aとの間の距離 < コイル端子7の他端部と戻り側第2コイル2b2との間の距離 < コイル端子7の他端部と戻り側第3コイル2c2との間の距離 < コイル端子7の他端部と戻り側第4コイル2d2との間の距離 …式(2)
絶縁診断装置100は、インパルス電源3、波形調整器4、電圧計測器(波形計測器、分圧器と呼ぶことがある)5、電圧モニタ6を有する。
インパルス電源3は、コイル端子7の高圧側端子と低圧側端子との間にインパルス電圧を印加する。電圧計測器5は、コイル端子7と並列接続され、コイル端子7にインパルス電圧が印加されたときのコイル2から出力される応答波形の電圧を計測する。電圧モニタ6は、電圧計測器5により計測した応答波形を、視認可能に表示する。
絶縁診断装置100は、インパルス電源3、波形調整器4、電圧計測器(波形計測器、分圧器と呼ぶことがある)5、電圧モニタ6を有する。
インパルス電源3は、コイル端子7の高圧側端子と低圧側端子との間にインパルス電圧を印加する。電圧計測器5は、コイル端子7と並列接続され、コイル端子7にインパルス電圧が印加されたときのコイル2から出力される応答波形の電圧を計測する。電圧モニタ6は、電圧計測器5により計測した応答波形を、視認可能に表示する。
本実施形態では、測定対象物として発電機の界磁コイルの絶縁異常を診断した場合の説明を行なうが、電気機器でコイルと鉄心を構成したものであれば、例えば、発電機や電動機の固定子コイルや電機子、変圧器のコイルなどを測定対象物としても同様の効果を得ることができる。
図2は、実施形態における絶縁診断装置の波形調整器の機能構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、波形調整器4は、入力部(入力端子)4a、波形調整部4b、出力部(出力端子)4c、波形取得部(入力端子)4d、パラメータ計算部4eを有する。
図2に示すように、波形調整器4は、入力部(入力端子)4a、波形調整部4b、出力部(出力端子)4c、波形取得部(入力端子)4d、パラメータ計算部4eを有する。
波形調整器4は、例えばコンピュータで実現することができる。この場合、波形調整部4bやパラメータ計算部4eによる機能は、例えばコンピュータ内の図示しない記憶装置に記憶される、波形調整部4bやパラメータ計算部4e用のプログラムを、コンピュータ内の図示しないCPU(中央処理装置)が読み出して実行することにより実現される。
図3は、実施形態における絶縁診断装置の電圧モニタの機能構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、電圧モニタ6は、入力部(電圧入力端子)6a、波形生成部6b、記憶部6c、判定部6d、表示部(例えば液晶ディスプレイ)6eを有する。記憶部6cは、例えば不揮発性メモリなどの記憶装置である。
電圧モニタ6は、例えばコンピュータを内蔵した装置として実現することができる。この場合、波形生成部6b、判定部6dによる機能は、例えば記憶部6cに記憶される、波形生成部6bや判定部6d用のプログラムを図示しないCPU(中央処理装置)が読み出して実行することにより実現される。
図3に示すように、電圧モニタ6は、入力部(電圧入力端子)6a、波形生成部6b、記憶部6c、判定部6d、表示部(例えば液晶ディスプレイ)6eを有する。記憶部6cは、例えば不揮発性メモリなどの記憶装置である。
電圧モニタ6は、例えばコンピュータを内蔵した装置として実現することができる。この場合、波形生成部6b、判定部6dによる機能は、例えば記憶部6cに記憶される、波形生成部6bや判定部6d用のプログラムを図示しないCPU(中央処理装置)が読み出して実行することにより実現される。
図4は、実施形態における絶縁診断装置により測定する、インパルス電圧の応答波形の一例を示す図である。
図4では、回転電機1内のコイル2のコイル端子7に対して、インパルス電源3からのインパルス電圧を印加した際の応答波形である電圧波形を示す。この応答波形は、電圧モニタ6が表示できる。
図4では、回転電機1内のコイル2のコイル端子7に対して、インパルス電源3からのインパルス電圧を印加した際の応答波形である電圧波形を示す。この応答波形は、電圧モニタ6が表示できる。
インパルス電圧が印加される箇所は、コイル2のコイル端子7間の誘導性負荷である。このため、電圧モニタ6で測定される電圧(印加電圧)は、図4に示す、正常時(コイルの絶縁異常(短絡)なし)の応答波形10のように、応答電圧が急峻に上昇した(立ち上がった)後、直ちに下降する(立ち下がる)応答波形になる。
ここで、波形調整器4を用いない場合の、コイル2の巻線の絶縁異常時の動作として、巻線にレアショート(短絡)が発生した場合について説明する。
巻線にレアショートが発生すると、コイル2の巻線に流れる電流の経路が変化するため、インダクタンスなどの、コイル2のパラメータが変化する。
コイル端子7の一端部に近い第1コイル2aにレアショートが発生した時に、インパルス電源3がインパルス電圧をコイル端子7に印加した時に電圧モニタ6に表示される応答波形11は、正常時の応答波形10とは異なる応答波形として目視可能な応答波形である。
これにより、正常時の応答波形10に対する、異常発生時の応答波形11の変化量などを目視することで、第1コイル2aの巻線の絶縁異常の有無を判断することができる。
巻線にレアショートが発生すると、コイル2の巻線に流れる電流の経路が変化するため、インダクタンスなどの、コイル2のパラメータが変化する。
コイル端子7の一端部に近い第1コイル2aにレアショートが発生した時に、インパルス電源3がインパルス電圧をコイル端子7に印加した時に電圧モニタ6に表示される応答波形11は、正常時の応答波形10とは異なる応答波形として目視可能な応答波形である。
これにより、正常時の応答波形10に対する、異常発生時の応答波形11の変化量などを目視することで、第1コイル2aの巻線の絶縁異常の有無を判断することができる。
一方、インパルス電圧をコイル2に印加した際、このインパルス電圧は高周波成分を含むため、コイル2と鉄心との間の静電容量が影響して、インパルス電圧は、コイル2の各部位(例えば第1コイル2a、第2コイル2b、第3コイル2c、第4コイル2d)に均等に分担せず、コイル2のコイル端子7に近い部位、例えば第1コイル2aには加わる電圧は比較的大きく、コイル2のコイル端子7から遠い部位、例えば第2コイル2bに加わる電圧は、比較的小さい傾向にある。
図4に示した例では、第1コイル2aで短絡(レアショート)が生じた時の応答波形11は,正常時の応答波形10と大きな差がみられるが、第2コイル2bで短絡が生じた時の応答波形12は,正常時の応答波形10と殆ど差がみられず、この第2コイル2bで生じた短絡の検知は困難である。
これは、インパルス電圧の立ち上がりが急峻であるため、第1コイル2aに印加電圧の大半が加わり、第2コイル2bなどの、コイル端子7から遠いコイルへの印加電圧が僅かであるからである。
図4に示した例では、第1コイル2aで短絡(レアショート)が生じた時の応答波形11は,正常時の応答波形10と大きな差がみられるが、第2コイル2bで短絡が生じた時の応答波形12は,正常時の応答波形10と殆ど差がみられず、この第2コイル2bで生じた短絡の検知は困難である。
これは、インパルス電圧の立ち上がりが急峻であるため、第1コイル2aに印加電圧の大半が加わり、第2コイル2bなどの、コイル端子7から遠いコイルへの印加電圧が僅かであるからである。
本実施形態では、コイル端子7に印加するインパルス電圧の立ち上がりのタイミングを遅くすれば、印加電圧の周波数成分が低くなり、コイル端子7から遠い、例えば第2コイル2bにも大きい電圧を印加でき、正常時の応答波形と、絶縁診断対象部位の絶縁異常時の応答波形との差を大きくして、絶縁診断の精度を向上させることができることに着目した。
そこで、本実施形態では、コイル2に印加するインパルス電圧波形の形状を波形調整器4にて変化させる。
図4の例では、波形調整器4は、コイル2に印加するインパルス電圧波形の立ち上がり後のピークのタイミングが遅くなる(時刻t1から時刻t2(時刻t1より後)になる)ように、インパルス電圧波形の形状を調整する。
図4の例では、波形調整器4は、コイル2に印加するインパルス電圧波形の立ち上がり後のピークのタイミングが遅くなる(時刻t1から時刻t2(時刻t1より後)になる)ように、インパルス電圧波形の形状を調整する。
この、波形調整器4で調整する、立ち上がりを遅らせる適切な時間は、コイル2内の各部位(例えば、第1コイル2a、第2コイル2b)のうち、所望の絶縁診断対象の部位によって異なる。
詳しくは、コイル端子7に近い部位(例えば、第1コイル2a)では、波形調整器4で調整する、立ち上がりを遅らせる適切な時間は比較的短く、コイル端子7から遠い部位(例えば、第2コイル2b)では、波形調整器4で調整する、立ち上がりを遅らせる適切な時間は比較的長い。
このように、絶縁診断対象の部位によって、波形調整器4で調整する、立ち上がりを遅らせる適切な時間を都度設定することで、正常時の応答波形と、絶縁診断対象部位の絶縁異常時の応答波形との差がさらに大きくなり、絶縁診断の精度をさらに向上させることができる。
詳しくは、コイル端子7に近い部位(例えば、第1コイル2a)では、波形調整器4で調整する、立ち上がりを遅らせる適切な時間は比較的短く、コイル端子7から遠い部位(例えば、第2コイル2b)では、波形調整器4で調整する、立ち上がりを遅らせる適切な時間は比較的長い。
このように、絶縁診断対象の部位によって、波形調整器4で調整する、立ち上がりを遅らせる適切な時間を都度設定することで、正常時の応答波形と、絶縁診断対象部位の絶縁異常時の応答波形との差がさらに大きくなり、絶縁診断の精度をさらに向上させることができる。
ここで、図2を参照して、波形調整器4によるインパルス電圧波形の調整の詳細について説明する。ここでは、図2に示した入力部4a、波形調整部4b、出力部4cを用いる。波形調整器4の入力部4aは、インパルス電源3から発生したインパルス電圧を入力する。波形調整部4bは、この入力したインパルス電圧の波形の立ち上がりが遅くなるように調整する。出力部4cは、波形調整部4bが調整した後のインパルス電圧を電圧計測器5へ出力する。
このように、インパルス電圧波形が調整されることで、調整前の正常時の応答波形10が、調整後の正常時の応答波形20に変化する。
これにより、第1コイル2aが短絡したときの応答波形も、調整前の応答波形11から、調整後の応答波形21に変化する。この応答波形21は、調整後の正常時の応答波形20と差がみられる。
そして、第2コイル2bで短絡が生じた時の応答波形は、調整前の応答波形12から、調整後の応答波形22に変化する。
これにより、第1コイル2aが短絡したときの応答波形も、調整前の応答波形11から、調整後の応答波形21に変化する。この応答波形21は、調整後の正常時の応答波形20と差がみられる。
そして、第2コイル2bで短絡が生じた時の応答波形は、調整前の応答波形12から、調整後の応答波形22に変化する。
図4に示すように、調整後における、正常時の応答波形20と第2コイル2b短絡時の応答波形22との差は、調整前における、正常時の応答波形10と、同じく第2コイル2b短絡時の応答波形12との差よりも明らかに大きい。
次に、図3を参照して、電圧モニタ6によるインパルス電圧波形の調整の詳細について説明する。電圧モニタ6の入力部6aは、電圧計測器5が計測したインパルス電圧を入力する。波形生成部6bは、入力されたインパルス電圧の応答波形を生成する。
記憶部6cは、正常時の応答波形20の情報をあらかじめ記憶する。
判定部6dは、波形生成部6bが生成した応答波形(例えば第2コイル短絡時の応答波形22)と、記憶部6cに記憶された、正常時の応答波形20とを比較して、両者に一定以上の差がみられるときは、コイル2の診断対象部位に絶縁異常が生じていると判定し、この判定結果を表示部6eに表示させる。
判定部6dは、波形生成部6bが生成した応答波形(例えば第2コイル短絡時の応答波形22)と、記憶部6cに記憶された、正常時の応答波形20とを比較して、両者に一定以上の差がみられるときは、コイル2の診断対象部位に絶縁異常が生じていると判定し、この判定結果を表示部6eに表示させる。
よって、診断対象のコイル2における絶縁診断したい部位に合わせて、この部位に印加するインパルス電圧の波形を波形調整器4により調整することで、診断したい部位がコイル端子7から遠い場合でも、この部位の絶縁異常の検知が可能となる。
(第1の変形例)
また、上記の説明実施例では、波形調整器4で調整する、立ち上がりを遅らせる適切な時間は、絶縁診断対象の部位により任意に決められる。この第1の変形例では、コイル2の巻線抵抗やインダクタンスなどのパラメータをもとに、絶縁診断したい部位に合わせてインパルス電圧の波形の調整の程度(立ち上がりを遅らせる時間)を計算することについて説明する。
ここでは、波形調整器4の波形取得部4dは、インパルス電圧の応答波形を電圧モニタ6から取得する。パラメータ計算部4eは、この取得された応答波形をもとに、コイル2の巻線抵抗やインダクタンスなどのパラメータを計算する。
パラメータ計算部4eは、この計算したパラメータをもとに、コイル2における絶縁診断対象の部位に印加するインパルス電圧の波形パラメータを計算する。
また、上記の説明実施例では、波形調整器4で調整する、立ち上がりを遅らせる適切な時間は、絶縁診断対象の部位により任意に決められる。この第1の変形例では、コイル2の巻線抵抗やインダクタンスなどのパラメータをもとに、絶縁診断したい部位に合わせてインパルス電圧の波形の調整の程度(立ち上がりを遅らせる時間)を計算することについて説明する。
ここでは、波形調整器4の波形取得部4dは、インパルス電圧の応答波形を電圧モニタ6から取得する。パラメータ計算部4eは、この取得された応答波形をもとに、コイル2の巻線抵抗やインダクタンスなどのパラメータを計算する。
パラメータ計算部4eは、この計算したパラメータをもとに、コイル2における絶縁診断対象の部位に印加するインパルス電圧の波形パラメータを計算する。
波形調整部4bは、この計算された、インパルス電圧の波形パラメータをもとに、コイル2における絶縁診断対象部位における絶縁診断に適切な時間である、インパルス電圧の立ち上がりを遅らせる時間を計算する。
このように、第1の変形例では、インパルス電圧の応答波形を予め取得して、この波形をもとにコイル2のパラメータを計算し、診断したい部位に合わせてインパルス電圧の調整を行なうので、絶縁異常の精度良い検知のための自動的な波形調整が可能となる。
(第2の変形例)
また、上記の説明では、電圧モニタ6は、正常時の応答波形を用いて絶縁異常を判定した。しかし、コイル2で絶縁異常となる部位はコイル2の全体でなくコイル2の一部であるケースが殆どである。
また、上記の説明では、電圧モニタ6は、正常時の応答波形を用いて絶縁異常を判定した。しかし、コイル2で絶縁異常となる部位はコイル2の全体でなくコイル2の一部であるケースが殆どである。
そこで、第2の変形例では、絶縁診断装置100とコイル2との接続におけるコイル端子7の高圧側端子と低圧側端子を入れ替えて、つまり、コイル2における、コイル端子7の高圧側に接続されていた端部をコイル2における、コイル端子7の低圧側に接続し直し、コイル2における、コイル端子7の低圧側に接続されていた端部をコイル2における、コイル端子7の高圧側に接続し直す。
そして、電圧モニタ6は、コイル2との接続関係を高圧側と低圧側とで入れ替える前の応答波形と、接続関係を高圧側と低圧側とで入れ替えた時の応答波形を比較すれば、上記のように正常時の応答波形が無くても、絶縁診断が可能とある。
(第3の変形例)
また、上記の説明では、回転電機1の運転を停止して、この回転電機1を電源から外した状態で絶縁診断を行なった。しかし、コイル2に電源が通電されていない状態で、このコイル2にインパルス電圧が印加できるのであれば、回転電機1の運転を停止して、この回転電機1を電源から外すこと自体は必要でない。
また、上記の説明では、回転電機1の運転を停止して、この回転電機1を電源から外した状態で絶縁診断を行なった。しかし、コイル2に電源が通電されていない状態で、このコイル2にインパルス電圧が印加できるのであれば、回転電機1の運転を停止して、この回転電機1を電源から外すこと自体は必要でない。
そこで、第3の変形例では、例えばコイル端子7に切替器(通電停止手段として用いる)を接続した上で、回転電機1を電源に接続して運転中の状態を保ったままで、切替器によりコイル2に電源の通電がなされないように切り替える。この状態で絶縁診断装置100を動作させて、コイル2にインパルス電圧を印加して絶縁診断を行えば、現場に設置される回転電機1について、絶縁診断のたびに電源から取り外さずとも、絶縁診断を行なうことが可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…回転電機、2…コイル、3…インパルス電源、4…波形調整器、5…電圧計測器、6…電圧モニタ、7…コイル端子、10…インパルス電圧の応答波形(調整前、正常時)、11… インパルス電圧の応答波形(調整前、第1コイル短絡時)、12… インパルス電圧の応答波形(調整前、第2コイル短絡時)、20…インパルス電圧の応答波形(調整後、正常時)、21… インパルス電圧の応答波形(調整後、第1コイル短絡時)、22… インパルス電圧の応答波形(調整後、第2コイル短絡時)。
Claims (7)
- 回転電機のコイルにインパルス電圧を印加するインパルス電圧印加手段と、
前記コイルにおける絶縁診断対象の部位に応じて前記インパルス電圧の立ち上がりのタイミングを調整する波形調整手段と、
前記波形調整手段により調整されたインパルス電圧が印加されたコイルから出力される電圧波形を計測する波形計測手段と、
前記波形計測手段で計測された波形をもとに、前記コイルの絶縁異常を判定する異常判定手段と
を備える回転電機の絶縁診断装置。 - 前記異常判定手段は、
前記波形計測手段で計測された波形と、前記絶縁異常がないコイルに前記インパルス電圧を印加したときの応答波形とを比較することで、前記コイルの絶縁異常を判定する
請求項1に記載の回転電機の絶縁診断装置。 - 前記波形計測手段で計測した波形をもとに前記コイルのパラメータを計算し、前記計算したパラメータをもとに、前記コイルにおける絶縁診断対象の部位に印加するインパルス電圧の波形パラメータを計算するパラメータ計算手段をさらに備え、
前記波形調整手段は、
前記パラメータ計算手段により計算した波形パラメータをもとに、前記インパルス電圧の立ち上がりのタイミングを調整する
請求項1に記載の回転電機の絶縁診断装置。 - 前記回転電機の運転中に、電源からの前記コイルへの通電を停止する通電停止手段をさらに備える
請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の回転電機の絶縁診断装置。 - 回転電機のコイルにインパルス電圧を印加し、
前記コイルにおける絶縁診断対象の部位に応じて前記インパルス電圧の立ち上がりのタイミングを調整し、
前記調整されたインパルス電圧が印加されたコイルから出力される電圧波形を計測し、
前記計測された波形をもとに、前記コイルの絶縁異常を判定する
回転電機の絶縁診断方法。 - 前記計測した波形をもとに前記コイルのパラメータを計算し、前記したパラメータをもとに、前記コイルにおける絶縁診断対象の部位に印加するインパルス電圧の波形パラメータを計算し、
前記計算した波形パラメータをもとに、前記インパルス電圧の立ち上がりのタイミングを調整する
請求項5に記載の回転電機の絶縁診断方法。 - 前記コイルの高圧側端子と低圧側端子の間に前記インパルス電圧を印加し、
前記高圧側端子と前記低圧側端子とを入れ替える前の応答波形と、前記高圧側端子と前記低圧側端子とを入れ替えた後の波形とを比較することで前記コイルの絶縁状態を判定する
請求項5または請求項6に記載の回転電機の絶縁診断方法。
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JP2017099913A JP2018194496A (ja) | 2017-05-19 | 2017-05-19 | 回転電機の絶縁診断装置および回転電機の絶縁診断方法 |
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