JP2010261914A - 電機子検査方法及び検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電機子のコイルにおける短絡の有無をより確実に検査できる電機子検査方法を提供する。
【解決手段】U相コイル12、V相コイル13、W相コイル14の内の2つのコイルの端子間から得られるインダクタンス成分及びキャパシタンス成分の両方を測定してその測定値が既設の合格領域にあるか否かで短絡の有無が判断される。
【選択図】図3

Description

本発明は、電機子の巻線においてレアーショート等の短絡が発生しているか否かを検査する電機子検査方法及び検査装置に関するものである。
従来、回転電機の電機子においては、電機子コアのティース部に巻回されたコイル(例えばU相、V相及びW相の3相の各コイル)の端子間に検査パルスを印加して、端子間から得られる出力波形に基づいてコイルの短絡の有無を判定することが知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1の電機子検査方法では、端子間から得られる出力波形のばらつき度合い(出力波形の違い)に応じて短絡の有無を判定している。
特開2006−343235号公報
ところで、上記のような電機子検査方法では、短絡していない電機子(コイル)におけるばらつきの度合い(範囲)が小さい場合は短絡の有無を容易に検査することができている。
しかしながら、ばらつきの度合いが大きい電機子においては、上記のような電機子検査方法を適用した場合、コアの磁気特性のばらつきも大きくなり、端子間から得られる出力波形にばらつきが生じることとなる。特に回転電機としてのブラシレスモータの電機子コアが分割コアを一体化して構成される場合、分割コアの組合せによっては分割コア間の隙間量や歪み量等がばらつきやすい。この場合、コイルが短絡した電機子とそうでない電機子との差が小さくなり、コイルが短絡していない電機子であっても不良品として判断されかねず、これらの問題を解決する電機子検査方法の提案が望まれている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、電機子のコイルにおける短絡の有無をより確実に検査できる電機子検査方法及びその検査装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、電機子コアに設けられる複数のティース部のそれぞれにコイルを巻回してなる回転電機の電機子における前記コイルの短絡の有無を判定する電機子検査方法であって、前記コイルの端子間から得られるインダクタンス成分及びキャパシタンス成分の少なくとも一方を測定してその測定値が既設の合格領域にあるか否かで短絡の有無を判断することをその要旨とする。
この発明では、コイルの端子間から得られるインダクタンス成分及びキャパシタンス成分の少なくとも一方を測定してその測定値が既設の合格領域にあるか否かで短絡の有無が判断される。ここで、レアーショートについて説明すると、絶縁材料からなる被覆部材にて被覆された金属線(例えば銅線等)の被覆部材が破れて金属線同士が接触した状態のことであり、レアーショートが発生したコイルにおいては電気的に閉ループが形成されることとなる。そのため、この部分に電流を流すと磁束が損失(減少)することとなり、インダクタンス成分が大幅に低下、そしてキャパシタンス成分が大幅に上昇することとなる。一方、例えば電機子を所謂分割コアタイプにした場合においては、コア間の隙間量や歪み量等のばらつきによってインダクタンス成分及びキャパシタンス成分は変化するものの、その変化量はレアーショートの場合と比較して十分に小さい(図4参照)ため、既設の合格領域を逸脱するか否かによって短絡の有無を判断することが容易となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電機子検査方法において、前記コイルの端子間からインダクタンス成分及びキャパシタンス成分の両方を計測し、その計測値が合格領域にあるか否かで短絡の有無を判断することをその要旨とする。
この発明では、コイルの端子間からインダクタンス成分及びキャパシタンス成分の両方が計測され、その計測値が合格領域にあるか否かで短絡の有無が判断される。このように、両成分を確実に計測することで、両成分の計測値を利用してコイルの短絡の有無をより精度よく検査することが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の電機子検査方法において、前記コイルの端子間から前記インダクタンス成分のみを測定するとともに、その測定したインダクタンス成分の測定値を基にしてインダクタンスとキャパシタンスとの相関関係からキャパシタンス成分を算出し、測定したインダクタンス成分及び算出したキャパシタンス成分が合格領域にあるか否かで短絡の有無を判断することをその要旨とする。
この発明では、インダクタンス成分のみが測定され、インダクタンス成分とキャパシタンス成分との非常に強い相関関係(相関係数r=0.99)からキャパシタンス成分が算出され、そして両成分が合格領域にあるか否かで短絡の有無が判断される。このような検査方法を用いることで、両成分を測定する場合と比較して測定誤差を小さくすることができるため、測定誤差による検査精度の低下を抑えることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の電機子検査方法において、前記コイルの端子間から前記キャパシタンス成分のみを測定するとともに、その測定したキャパシタンス成分の測定値を基にしてインダクタンスとキャパシタンスとの相関関係からインダクタンス成分を算出し、測定したキャパシタンス成分及び算出したインダクタンス成分が合格領域にあるか否かで短絡の有無を判断することをその要旨とする。
この発明では、キャパシタンス成分のみが測定され、インダクタンス成分とキャパシタンス成分との非常に強い相関関係(相関係数r=0.99)からインダクタンス成分が算出され、そして両成分が合格領域にあるか否かで短絡の有無が判断される。このような検査方法を用いることで、両成分を測定する場合と比較して測定誤差を小さくすることができるため、測定誤差による検査精度の低下を抑えることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電機子検査方法において、前記電機子コアは、前記ティース部毎に周方向分割された分割コアの前記ティース部に導線を巻回して前記コイルが形成されるとともに、環状に配置された前記分割コア同士の端部が接合されて構成されるものであり、前記コイルの端子間にて測定された前記測定値が既設の合格領域にあるか否かで短絡の有無を判断することをその要旨とする。
この発明では、電機子コアは、ティース部毎に周方向分割された分割コアのティース部に導線を巻回してコイルが形成されるとともに、環状に配置された分割コア同士の端部が接合されて構成される。このような構成では分割コア同士の端部間を接合する際に分割コア間の隙間量がばらつく可能性があるが、このような場合であっても、その変化量はレアーショートの場合と比較して十分に小さい(図4参照)ため、既設の合格領域を逸脱するか否かによって短絡の有無を判断することが容易となる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電機子検査方法において、前記電機子コアは、ティース部毎に周方向分割された分割コアがハウジングの内周面に圧接固定されて構成されるものであり、前記コイルの端子間にて測定された前記測定値が既設の合格領域にあるか否かで短絡の有無を判断することをその要旨とする。
この発明では、電機子コアは、ティース部毎に周方向分割された分割コアがハウジングの内周面に圧接固定されて構成される。このような構成ではハウジングの内周面に圧接(例えば焼き嵌めなど)される際に、分割コアが歪む可能性があるが、このような場合であっても、その変化量はレアーショートの場合と比較して十分に小さい(図4参照)ため、既設の合格領域を逸脱するか否かによって短絡の有無を判断することが容易となる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の電機子検査方法を用いて電機子のコイルの短絡の有無を判定する判定手段を備えた電機子検査装置である。
この発明では、請求項1〜6のいずれか一項に記載の電機子検査方法を用いて電機子のコイルの短絡の有無を判定する判定手段を備えているため、請求項1〜6のいずれか一項に記載の効果と同様の効果を奏することができる。
従って、上記記載の発明によれば、電機子のコイルにおける短絡の有無をより確実に検査できる電機子検査方法及びその検査装置を提供することができる。
(a)はブラシレスモータの側面図、(b)は図1(a)におけるA−A線断面図。 (a)はステータの側面図、(b)は図2(a)におけるB−B線断面図。 コイルと電機子検査装置との結線図。 インダクタンス及びキャパシタンスの相関図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1(a)及び図1(b)に示す回転電機としてのブラシレスモータ1のハウジング2は、有底円筒状に構成され、その内周面には円筒状の電機子としてのステータ3が焼き嵌め等の圧接によって固定される。そして、ステータ3の径方向内側には、ロータ4が回転自在に配置されている。また、ステータ3におけるハウジング2の開口部側の端部には、絶縁性を有する例えば樹脂材料よりなるホルダ5が固定されるとともに、このホルダ5は、ステータ3の軸線方向一端側を覆っている。
図2(a)に示すように、前記ステータ3を構成する電機子コアとしてのステータコア6は、所定角度(図において30°)ごとに中心に向かって放射状に延びる複数のティース部7(本実施形態では12本)を有する分割コア6aの外周側の端部を連結部材8にて周方向に連結してなり、円筒状をなしている。そして、各ティース部7には、各ティース部7の軸方向の両端面及び周方向の両端面を被覆する絶縁性のボビン9が軸方向の両側から装着されるとともに、ボビン9の上から導線10が集中巻きにて複数回巻回されることによりコイル11がそれぞれ巻装されている。導線10は、導電性の金属材料(本実施形態では銅)よりなる金属線(例えば銅線等)の周囲を絶縁性の樹脂材料よりなる被覆部材にて被覆した構成である。尚、各コイル11は、ブラシレスモータ1に供給される駆動電源としての3相の励磁電流(U相、V相、W相)に応じて、U相コイル12、V相コイル13、W相コイル14とする。
U相コイル12、V相コイル13、W相コイル14は、それぞれ所定のティース部7に巻装されるとともに、他の相のコイルを跨いで離間した(隣り合わない)ティース部7に連続して1本の導線10にて巻装されている。本実施形態では、U相コイル12、V相コイル13、W相コイル14は、それぞれ所定の隣り合う2つのティース部7に巻回されるとともに、他の相に対応したティース部7を跨いで180°反対側の2つのティース部7に巻装される。
具体的には、U相コイル12は始端部12sから終端部12eまでそれぞれティース部7に巻装される。そして、図中上側に配置された2箇所のU相コイル13の終端部12eと図中下側に配置された2箇所のU相コイル12の始端部12sとの間には、渡り線12wが渡される(図2(b)参照)。同様に、V相コイル13は始端部13sから終端部13eまでそれぞれティース部7に巻装され、終端部13e及び始端部13sとの間には、渡り線13wが渡される。また同様に、W相コイル14は始端部14sから終端部14eまでそれぞれティース部7に巻装され、終端部14e及び始端部14sとの間には、渡り線14wが渡される。
各始端部12s〜14s、終端部12e〜14e及び渡り線12w〜14wは、ステータ3の軸方向の一側(図2(b)において左側)に配置される。尚、各始端部12s〜14s及び終端部12e〜14eは、各コイル11(U相コイル)の巻き始めと巻き終わりの端部である接続端部11aに相当するとともに、各接続端部11aは、導線10を覆う被覆部材が除去されて金属線が露出している。各始端部12s〜14s及び終端部12e〜14e(接続端部11a)は、ホルダ5のステータ3と反対側の面まで引き出されて(図1(a)参照)、ホルダ5におけるステータ3と反対側の面に配置された複数(本実施形態では4個)のターミナル15にそれぞれ結線される。
ターミナル15は、U相ターミナル15a、V相ターミナル15b、W相ターミナル15c及び中性点ターミナル15dとで構成されている。U相ターミナル15aには、U相コイル12の接続端部11a(例えば渡り線12wが接続されていない2つの始端部12s)が結線される。そして、V相ターミナル15bには、V相コイル13の接続端部11a(例えば渡り線13wが接続されていない2つの始端部13s)が結線される。W相ターミナル15cには、W相コイル14の接続端部11a(例えば渡り線14wが接続されていない2つの始端部14s)が結線される。中性点ターミナル15dには、各相コイル12〜14の残りの接続端部11a(渡り線12w〜14wが接続されていない終端部12e〜14e)が結線される。このように中性点ターミナル15dに各相コイル12〜14の接続端部11aが接続されるスター結線構造となっている。
図1(b)に示すように、前記ロータ4を構成する回転軸20は、前記ハウジング2の底部中央に設けられた軸受21にて軸支されている。そして、回転軸20には、円筒状のロータコア22が固定されるとともに、このロータコア22の外周面には所定角度ごとに異なる極性(N極、S極)に着磁されたマグネット23が固着されている。
上記のように構成されたブラシレスモータ1では、図示しない励磁回路からそれぞれ120°の位相差を持つU相、V相、W相の励磁電流がU相コイル12、V相コイル13、W相コイル14に対して供給される。すると、U相コイル12、V相コイル13、W相コイル14がそれぞれ励磁されてステータ3に回転磁界が発生し、その回転磁界によりロータ4が回転する。
次に、上記のように構成されたブラシレスモータ1のステータ3におけるコイル11が短絡しているか否かを検査する検査方法について説明する。
ここで、ステータ3を製造する途中でステータコア6の各ティース部7にコイル11を巻装する際に、コイル11の絶縁被覆部材が剥がれる等してレアーショート等の短絡が生じる場合があり、レアーショートが生じたステータ3は不良品として外部への流出を防止する必要がある。そのため、製造されたステータ3は検査装置30を用いて、レアーショートが生じているか否かが検査される。
検査装置30は、2つの各コイル11の端子であるターミナル15a〜15c(図3ではV相コイル13−W相コイル14間)に接続されるLCRメータ30aと、このLCRメータ30aからの出力信号を得てレアーショート等の短絡が生じているか否か分析する分析装置30bとで構成されている。分析装置30bには、モータ1やステータ3の仕様に合わせてコイル11が短絡しているか否か判断する指標である合格領域XL,XC(図4参照)が設定されている。
ここで、合格領域XL,XCを設定するにあたり、本発明者は従来の検査方法にてコイル11が短絡していない良品とコイル11が短絡している不良品とに分けられたステータを用いてインダクタンス成分及びキャパシタンス成分を測定した。その結果、図4に示すように、良品と不良品は概ね直線(相関線)CL上に位置することがわかる。つまり、良品及び不良品においてもインダクタンス成分とキャパシタンス成分とには強い負の相関関係(本実施形態においては相関係数r=0.99)が存在することがわかった。更に、良品と不良品とでは、相関線CL上において、一定以上離間した箇所に位置することが分かり、この事から不良品か否かを判断することが可能となっている。これは、不良品、つまりレアーショートした(絶縁性の樹脂材料よりなる被覆部材が剥がれた状態の)コイル11の場合では、導線同士が接触してコイル11内に閉ループができる。そのため、この部分(導線同士接触部分)に電流が流れて磁束損失となることから、良品と比較してインダクタンス成分が大幅に低下するとともにキャパシタンス成分が大幅に上昇することとなる。
つまり、良品と不良品とでは、インダクタンス成分及びキャパシタンス成分が大きく異なり、これらの境界域を合格領域XL,XCとし、分析装置30bでは、測定結果が合格領域XL,XCから逸脱するか否かで短絡の有無を判断するようになっている。
上記のように構成された検査装置30のLCRメータ30aは、先ず例えばターミナル15b,15cに接続され、各ターミナル15b,15c間にあるV相コイル13及びW相コイル14間のインダクタンス成分及びキャパシタンス成分を測定する。そして、その測定したインダクタンス成分及びキャパシタンス成分が図4に示すように既設の合格領域XL,XCにあるか否かでコイル13,14の短絡の有無が分析装置30bによって判断される。
次いで、LCRメータ30aは、例えばターミナル15a,15cに接続され、各ターミナル15a,15c間にあるU相コイル12及びW相コイル14間のインダクタンス成分及びキャパシタンス成分を測定する。そして、その測定したインダクタンス成分及びキャパシタンス成分が図4に示すように合格領域XL,XCにあるか否かでコイル12,14の短絡の有無が分析装置30bによって判断される。
次いで、LCRメータ30aは、例えばターミナル15a,15bに接続され、各ターミナル15a,15b間にあるU相コイル12及びW相コイル13間のインダクタンス成分及びキャパシタンス成分を測定する。そして、その測定したインダクタンス成分及びキャパシタンス成分が図4に示すように合格領域XL,XCにあるか否かでコイル12,13の短絡の有無が分析装置30bによって判断される。
上記の検査方法によって、コイル11(各相コイル12〜14)のレアーショート等の短絡を精度よく検査することができる。特に、本実施形態ではステータコア6を分割コア6a同士の端部を連結部材8にて接合し、僅かに分割コア6a間の隙間量にばらつきがあっても、不良品及び良品においてキャパシタンス成分及びインダクタンス成分の差が発生するため、容易に短絡しているか(良品か)否か検査することができる。また、ステータコア6をハウジング2の内周面に焼き嵌めし、僅かに分割コア6aが歪んだとしても、同様に不良品及び良品においてキャパシタンス成分及びインダクタンス成分の差が発生するため、容易に短絡しているか(良品か)否か検査することができる。また、インダクタンス成分及びキャパシタンス成分の両方を確実に測定し、その測定値を利用してコイル11の短絡の有無をより精度よく検査することが可能となる。また、各ターミナル15a〜15cの全パターンの検査を行うことで各相コイル12〜14の内でどの相のコイル12〜14が短絡しているのか判断することも可能となる。
次に、本実施の形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)コイル11(U相コイル12、V相コイル13、W相コイル14)の端子間から得られるインダクタンス成分及びキャパシタンス成分の両方を測定してその測定値が既設の合格領域XC,XLにあるか否かで短絡の有無が判断される。ここで、レアーショートについて説明すると、絶縁材料からなる被覆部材にて被覆された金属線(例えば銅線等)の被覆部材が破れて金属線同士が接触した状態のことであり、レアーショートが発生したコイルにおいては電気的に閉ループが形成されることとなる。そのため、この部分に電流を流すと磁束が損失(減少)することとなり、インダクタンス成分が大幅に低下、そしてキャパシタンス成分が大幅に上昇することとなる。一方、例えばステータ3(ステータコア6)を所謂分割コア6aタイプにした場合においては、コア6a間の隙間量等のばらつきによってインダクタンス成分及びキャパシタンス成分は変化するものの、その変化量はレアーショートの場合と比較して十分に小さい(図4参照)ため、既設の合格領域を逸脱するか否かによって短絡の有無を判断することが容易となる。また、インダクタンス成分及びキャパシタンス成分の両成分を確実に計測することで、両成分の計測値を利用してコイルの短絡の有無をより精度よく検査することが可能となる。
(2)ステータコア6は、ティース部7毎に周方向分割された分割コア6aがハウジング2の内周面に圧接固定されて構成される。このような構成ではハウジング2の内周面に圧接(例えば焼き嵌めなど)される際に、分割コア6aが歪む可能性があるが、このような場合であっても、その変化量はレアーショートの場合と比較して十分に小さい(図4参照)ため、既設の合格領域を逸脱するか否かによって短絡の有無を判断することが容易となる。
尚、本発明の実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、LCRメータ30aにてコイル11間のインダクタンス成分及びキャパシタンス成分を計測し、それら計測値が共に既設の合格領域XL,XCにあるか否かで短絡の有無を判断する電機子検査方法を用いたが、これに限らない。例えば、インダクタンス成分のみを計測し、計測したインダクタンス成分が合格領域か否かで短絡の有無を判断する電機子検査方法を用いてもよい。また、キャパシタンス成分のみを計測し、計測したキャパシタンス成分が合格領域か否かで短絡の有無を判断する電機子検査方法を用いてもよい。
更に、インダクタンス成分のみを計測した後に、相関線CL(図4参照)を基にキャパシタンス成分を算出し、計測したインダクタンス成分及び算出したキャパシタンス成分が共に合格領域か否かで短絡の有無を判断する電機子検査方法を用いてもよい。また、キャパシタンス成分のみを計測した後に、相関線CL(図4参照)を基にインダクタンス成分を算出し、計測したキャパシタンス成分及び算出したインダクタンス成分が共に合格領域か否かで短絡の有無を判断する電機子検査方法を用いてもよい。このように、両成分のいずれか一方のみを計測して、相関線CLを基に他方の成分を算出することによって、両成分を測定する場合と比較して測定誤差を小さくすることができるため、測定誤差による検査精度の低下を抑えることができる。
・上記実施形態では、分割コア6aをハウジング2の内周面に焼き嵌め等によって圧接固定してステータコア6を構成したが、これ以外の固定方法にてステータコア6を構成してもよい。
・上記実施形態では、LCRメータ30a及び分析装置30bにて電機子検査装置を構成したが、これに限らず、例えばLCメータ及び分析装置30bにて電機子検査装置を構成してもよい。要は、インダクタンス成分及びキャパシタンス成分のいずれか一方を測定する装置と分析装置にて構成すればよい。
・上記実施形態では、1つのステータ3に対し各コイル12〜14(各ターミナル15a〜15b)間の3度の測定及び分析を行ったが、少なくとも2度計測及び分析を行えばよい。このような構成とすることで、ステータ3の各コイル12〜14が短絡しているか否かを検査でき、ステータ3が良品か不良品か判定することができる。
・上記実施形態では、ステータコア6を周方向分割された分割コア6aにて構成したが、これに限らない。
・上記実施形態では、ブラシレスモータ1に本発明を適用したが、これに限らず、ブラシ付モータに適用してもよい。
1…回転電機としてのブラシレスモータ、2…ハウジング、3…電機子としてのステータ、6a…分割コア、7…ティース部10…導線、11…コイル、12…U相コイル、13…V相コイル、14…W相コイル、30…検査装置、30a…電機子検査装置を構成するLCRメータ、30b…電機子検査装置及び判定手段としての分析装置、XL…インダクタンス成分の合格範囲、XC…キャパシタンス成分の合格範囲。

Claims (7)

  1. 電機子コアに設けられる複数のティース部のそれぞれにコイルを巻回してなる回転電機の電機子における前記コイルの短絡の有無を判定する電機子検査方法であって、
    前記コイルの端子間から得られるインダクタンス成分及びキャパシタンス成分の少なくとも一方を測定してその測定値が合格領域にあるか否かで短絡の有無を判断する電機子検査方法。
  2. 請求項1に記載の電機子検査方法において、
    前記コイルの端子間からインダクタンス成分及びキャパシタンス成分の両方を計測し、その計測値が合格領域にあるか否かで短絡の有無を判断する電機子検査方法。
  3. 請求項1に記載の電機子検査方法において、
    前記コイルの端子間から前記インダクタンス成分のみを測定するとともに、その測定したインダクタンス成分の測定値を基にしてインダクタンスとキャパシタンスとの相関関係からキャパシタンス成分を算出し、測定したインダクタンス成分及び算出したキャパシタンス成分が合格領域にあるか否かで短絡の有無を判断する電機子検査方法。
  4. 請求項1に記載の電機子検査方法において、
    前記コイルの端子間から前記キャパシタンス成分のみを測定するとともに、その測定したキャパシタンス成分の測定値を基にしてインダクタンスとキャパシタンスとの相関関係からインダクタンス成分を算出し、測定したキャパシタンス成分及び算出したインダクタンス成分が合格領域にあるか否かで短絡の有無を判断する電機子検査方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の電機子検査方法において、
    前記電機子コアは、前記ティース部毎に周方向分割された分割コアの前記ティース部に導線を巻回して前記コイルが形成されるとともに、環状に配置された前記分割コア同士の端部が接合されて構成されるものであり、
    前記コイルの端子間にて測定された前記測定値が既設の合格領域にあるか否かで短絡の有無を判断することを特徴とする電機子検査方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の電機子検査方法において、
    前記電機子コアは、ティース部毎に周方向分割された分割コアがハウジングの内周面に圧接固定されて構成されるものであり、
    前記コイルの端子間にて測定された前記測定値が既設の合格領域にあるか否かで短絡の有無を判断することを特徴とする電機子検査方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の電機子検査方法を用いて電機子のコイルの短絡の有無を判定する判定手段を備えたことを特徴とする電機子検査装置。
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