JP2019124549A - 処理装置および測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】良否の判定に用いる判定領域の変更を確実かつ迅速にしかも直感的に容易に行う。【解決手段】2つのパラメータ(LCおよびRC)をX軸およびY軸とする平面上に測定対象についての各パラメータの測定値を示すポイントPをプロットしたときに、ポイントPが平面上の判定領域Fj内に属しているか否かによって測定対象の良否を判定するための判定領域Fjを設定する設定処理部と、平面上にポイントPをプロットした画像および平面上における判定領域Fjを示す判定領域画像Gfを表示部に表示させる表示処理部と、判定領域画像Gfの頂点Tを保持した状態で頂点Tを平面内で移動させるドラッグ操作が可能な操作部とを備え、表示処理部は、ドラッグ操作に応じて判定領域画像Gfを変形させて表示させる変形処理を実行し、設定処理部は、判定領域画像Gfの変形に応じて判定領域Fjを変更する変更処理を実行する。【選択図】図8

Description

本発明は、測定対象の良否を判定する際の判定領域を設定する処理および判定領域を示す判定領域画像を表示させる処理を実行する処理装置、その処理装置を備えた測定装置に関するものである。
測定対象についてのパラメータを測定する測定装置として、下記特許文献1において出願人が開示したLCRテスタが知られている。このLCRテスタは、外部信号源から出力された測定用交流電圧を被測定試料の両端間に供給しつつ、この試料を流れる交流電流の電流値と、試料の両端間電圧の電圧値とを測定し、各測定値を用いた演算処理によって測定対象(試料)のインダクタンス(以下「L」ともいう)、キャパシタンス(以下「C」ともいう)およびレジスタンス(以下「R」ともいう)等のパラメータを測定可能に構成されている。
また、出願人は、測定対象の良否の判定に用いる判定領域を、2つのパラメータをX軸(横軸)およびY軸(縦軸)とするXY平面上に設定し、測定対象についての2つのパラメータの測定値を示すXY平面上のポイントがその判定領域内か否かによって測定対象の良否を判定する測定装置を開発している。この測定装置では、処理部が、良品の測定対象について複数回測定した2つのパラメータの各測定値を示す各ポイントをXY平面上にプロットし、各ポイントを全て包含する矩形の範囲を判定領域として設定し、XY平面上に各ポイントをプロットした画像と、判定領域を示す矩形の判定領域画像とを表示部に表示させる。また、判定部が、ポイントが判定領域内か否かによって測定対象の良否を判定する。また、この測定装置では、処理部が設定した矩形の判定領域画像の4つの頂点の座標を操作部の操作によって変更することにより、判定領域を変更(大きさや形状を変更)することが可能となっている。
実開平6−30779号公報(第15−19頁、第1−5図)
ところが、出願人が開発した上記の測定装置には、改善すべき以下の課題がある。具体的には、上記の測定装置では、良品の測定対象について測定したパラメータに基づいて処理部が設定した矩形の判定領域画像の各頂点の座標を操作部の操作によって変更することで、判定領域を変更する構成が採用されている。しかしながら、この構成では、操作が煩雑で判定領域の変更に時間を要し、また判定領域の変更を直感的に行うことが困難であるという課題が存在し、その改善が望まれている。
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、良否の判定に用いる判定領域の変更を確実かつ迅速にしかも直感的に容易に行い得る処理装置および測定装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の処理装置は、2つのパラメータを横軸および縦軸とする平面上に測定対象についての当該各パラメータの測定値を示すポイントをプロットしたときに、前記ポイントが前記平面上の判定領域内に属しているか否かによって前記測定対象の良否を判定するための当該判定領域を設定する設定処理部と、前記平面上に前記ポイントをプロットした画像および当該平面上における前記判定領域を示す判定領域画像を表示部に表示させる表示処理部とを備えた処理装置であって、前記判定領域画像の縁部を保持した状態で当該保持した部位を前記平面内で移動させるドラッグ操作が可能な操作部を備え、前記表示処理部は、前記ドラッグ操作に応じて前記判定領域画像を変形させて表示させる変形処理を実行し、前記設定処理部は、前記判定領域画像の変形に応じて前記判定領域を変更する変更処理を実行する。
また、請求項2記載の処理装置は、請求項1記載の処理装置において、前記設定処理部は、矩形の前記判定領域を設定する。
また、請求項3記載の処理装置は、請求項2記載の処理装置において、前記表示処理部は、前記矩形の判定領域を示す判定領域画像の頂点を保持した状態で前記ドラッグ操作がされたときに前記変形処理を実行する。
また、請求項4記載の処理装置は、請求項1記載の処理装置において、前記設定処理部は、円形または楕円形の前記判定領域を設定する。
また、請求項5記載の測定装置は、請求項1から4のいずれかに記載の処理装置と、前記測定対象についての前記各パラメータを測定する測定部とを備えている。
また、請求項6記載の測定装置は、請求項5記載の測定装置において、前記ポイントが前記平面上の判定領域内に属しているか否かによって前記測定対象の良否を判定する判定部を備えている。
請求項1記載の処理装置、請求項5記載の測定装置、および請求項6記載の測定装置では、表示処理部が、判定領域画像の縁部を保持した状態で保持した部位を平面内で移動させるドラッグ操作に応じて判定領域画像を変形させて表示させる変形処理を実行し、設定処理部が、判定領域画像の変形に応じて判定領域を変更する変更処理を実行する。つまり、この処理装置および測定装置では、判定領域画像の縁部を保持してドラッグ操作を行うだけで判定領域を変更することができる。このため、この処理装置および測定装置によれば、判定領域(判定領域画像)の各頂点の座標を変更して判定領域を変更する従来の構成と比較して、判定領域を確実かつ迅速にしかも直感的に容易に変更することができる。
また、請求項2記載の処理装置、請求項5記載の測定装置、および請求項6記載の測定装置では、設定処理部が、矩形の判定領域を設定する。この場合、2つのパラメータの変化が線形関係にあるときには、各パラメータを横軸および縦軸とする平面上に各パラメータの測定値を示すポイントをプロットしたときに、各ポイントが横軸に対して傾斜する直線に沿って分布する。このため、測定対象の良否を判定する際に用いる判定領域は、その傾斜する直線に沿った矩形の領域であることが好ましい。したがって、この処理装置および測定装置によれば、線形関係にある2つのパラメータの測定値を示すポイントが判定領域内に属しているか否かによって測定対象の良否を判定する際の判定領域として好ましい矩形の判定領域を設定処理部によって自動的に設定させることができ、この判定領域をドラッグ操作によって確実かつ迅速にしかも直感的に容易に変更することができる。
また、請求項3記載の処理装置、請求項5記載の測定装置、および請求項6記載の測定装置では、表示処理部が、矩形の判定領域を示す判定領域画像の頂点を保持した状態でドラッグ操作がされたときに変形処理を実行する。この場合、判定領域画像の縁部における頂点以外の部位を保持した状態でドラッグ操作したときに変形処理を実行する構成では、判定領域が四角形以外の形状に変更されるおそれがある。これに対して、判定領域画像の頂点を保持した状態でドラッグ操作がされたときに変形処理を実行するこの処理装置および測定装置によれば、四角形を維持したまま判定領域を変更することができる。
また、請求項4記載の処理装置、請求項5記載の測定装置、および請求項6記載の測定装置では、設定処理部が、円形または楕円形の判定領域を設定する。この場合、2つのパラメータを横軸および縦軸とする平面上に各パラメータの測定値を示す複数のポイントをプロットしたときに、各ポイントが円形または楕円形の領域に分布するときには、測定対象の良否を判定する際に用いる判定領域は、円形または楕円形であることが好ましい。したがって、この処理装置および測定装置によれば、このような2つのパラメータの測定値を示すポイントが判定領域内に属しているか否かによって測定対象の良否を判定する際の判定領域として好ましい円形または楕円形の判定領域を設定処理部によって自動的に設定させることができ、この判定領域をドラッグ操作によって確実かつ迅速にしかも直感的に容易に変更することができる。
測定装置1の構成を示す構成図である。 判定領域設定処理50のフローチャートである。 判定領域設定処理50を説明する第1の説明図である。 判定領域設定処理50を説明する第2の説明図である。 判定領域設定処理50を説明する第3の説明図である。 判定領域設定処理50を説明する第4の説明図である。 判定領域設定処理50を説明する第5の説明図である。 変形処理および変更処理を説明する説明図である。 判定処理を説明する説明図である。 判定領域Fjの他の例を説明する説明図である。 変形処理および変更処理の他の例を説明する説明図である。 判定処理の他の例を説明する説明図である。
以下、処理装置および測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、測定装置の一例としての図1に示す測定装置1の構成について説明する。測定装置1は、同図に示すように、信号生成部11、測定部12、表示部13、記憶部14、操作部15および処理部16を備え、測定対象の一例としてのモータの巻線100についてのパラメータ(後述するLC,RC)を測定すると共に、パラメータの測定値に基づいて巻線100の良否を判定可能に構成されている。この場合、表示部13、記憶部14、操作部15および処理部16によって処理装置が構成される。
信号生成部11は、一例として、直流電圧源、スイッチおよびコンデンサ(いずれも図示せず)を備えて構成され、測定部12の指示に従って測定用のインパルス電圧を生成する。
測定部12は、信号生成部11によって生成されたインパルス電圧が巻線100に印加されたときに巻線100の両端部に生じる電圧信号を検出すると共に、その電圧信号に基づいて2つのパラメータを測定(算出)する測定処理を実行する。具体的には、測定部12は、予め決められた時間間隔の各時点における電圧信号の電圧値を特定する。また、測定部12は、巻線100と巻線100に接続された信号生成部11の上記コンデンサとによって構成される回路をRLC直列回路と見なしたときの等価回路におけるレジスタンスをR、インダクタンスをL、キャパシタンスをCとして、2つのパラメータに相当するLC(LとCとの乗算値:パラメータの1つに相当する)およびRC(RとCとの乗算値:パラメータの他の1つに相当する)の値を、各電圧値から算出する。この場合、測定部12は、一例として、擬似逆行列を用いた式からLC,RCの値を算出する。
表示部13は、処理部16の制御に従い、処理部16によって実行される判定処理の結果や、図8に示す画像G1を表示する。この場合、画像G1には、LC,RC(2つのパラメータ)の一方(例えばLC)を横軸(以下「X軸」ともいう)とすると共に他方(例えばRC)を縦軸(以下「Y軸」ともいう)とする平面(以下「XY平面」ともいう)上にLC,RCの測定値を示すポイントPをプロットした画像が含まれている。また、画像G1には、ポイントPが属しているか否かによって巻線100の良否を判定するためのXY平面上の判定領域Fjを示す判定領域画像Gfが含まれている。
記憶部14は、測定部12によって測定されたLC,RCの測定値を記憶する。また、記憶部14は、処理部16によって実行される後述する判定領域設定処理50(図2参照)において設定される判定領域Fjを示す判定領域データDfを記憶する。
操作部15は、各種のボタンやキーを備え、処理部16に対する各種の処理の実行を指示する操作が可能に構成されている。また、操作部15は、マウス等のポインティングデバイスを備え、上記した画像G1内の判定領域画像Gfの頂点T(縁部の一例:図8参照)を保持した状態で頂点T(保持した部位)を画像G1におけるXY平面内で移動させるドラッグ操作が可能に構成されている。
処理部16は、操作部15から出力される操作信号に従って各種の処理を実行する。具体的には、処理部16は、設定処理部として機能し、図2に示す判定領域設定処理50を実行して、巻線100の良否を判定する際に用いる判定領域Fjを設定する。また、処理部16は、表示処理部として機能し、上記した画像G1を表示部13に表示させる表示処理を実行する。また、処理部16は、表示部13に画像G1を表示させている状態において、上記したドラッグ操作がされたときに、ドラッグ操作(保持した部位の移動方向および移動量)に応じて判定領域画像Gfを変形させて表示部13に表示させる変形処理を実行する。また、処理部16は、判定領域画像Gfの変形に応じて判定領域Fjを変更する変更処理を実行する。さらに、処理部16は、判定部として機能し、測定部12によって測定された巻線100についてのLC,RC(2つのパラメータ)の測定値を示すポイントPが判定領域Fj内に属しているか否かによって巻線100の良否を判定する判定処理を実行する。
次に、測定装置1を用いて測定対象としてのモータの巻線100についてのLC,RC(パラメータ)を測定し、その測定値に基づいて巻線100の良否を判定する方法について図面を参照して説明する。
測定対象としての巻線100の良否を判定するのに先立ち、測定装置1を用いて判定領域Fjを設定する。この判定領域Fjの設定では、まず、測定対象としての巻線100と同種の巻線100であって、良品であることが知れている巻線100(以下「サンプル巻線100」ともいう)が組み込まれたモータを用意し、測定装置1を用いて、サンプル巻線100についてのLC,RCを測定する。具体的には、サンプル巻線100の両端に信号生成部11の出力端子(図示せず)を接続し、次いで、操作部15を操作して測定の開始を指示する。続いて、処理部16が、操作部15から出力された操作信号に従い、測定部12を制御して測定処理を実行させる。
この測定処理では、測定部12は、信号生成部11にインパルス電圧を生成させる。この際に、生成されたインパルス電圧がサンプル巻線100に印加される。また、測定部12は、インパルス電圧の印加によってサンプル巻線100の両端部に生じる電圧信号を検出する。次いで、測定部12は、予め決められた時間間隔の各時点における電圧信号の電圧値を特定する。続いて、測定部12は、サンプル巻線100とサンプル巻線100に接続された信号生成部11の上記したコンデンサとによって構成されるRLC等価回路におけるLC,RCの値を、例えば擬似逆行列を用いた式から算出する。次いで、処理部16が測定部12によって算出されたLC,RCの値(測定値)を記憶部14に記憶させる。
続いて、モータの回転子を任意の回動量(角度)だけ回動させ、次いで、上記した手順でLC,RCを測定して測定値を記憶部14に記憶させる。以下、回転子の回動量を変えつつ、LC,RCの測定を複数回行い(測定処理を複数回実行し)、各測定値を記憶部14に記憶させる。以上により、サンプル巻線100についてのLC,RCの測定が終了する。
続いて、操作部15を操作して判定領域設定処理50の実行を指示し、処理部16が、操作信号に従って図2に示す判定領域設定処理50を実行する。この判定領域設定処理50では、処理部16は、各測定処理によって測定されたLC,RCの測定値を記憶部14から読み出す(ステップ51)。
次いで、処理部16は、図3に示すように、LCをX軸としRCをY軸とするXY平面上に、LC,RCの測定値を示す(LCの測定値をX座標とし、RCの測定値をY座標とする)ポイントPをプロットする(ステップ52)。なお、ステップ52から後述するステップ60において説明する処理部16による「ポイントPのプロット」、「直線Aの描画」、「領域F1,F2および判定領域Fjの描画」および「ポイントPが判定領域Fj内に属しているか否かの判別」等の処理は、処理部16が仮想的に行う処理であり、図3〜図7に示す画像は、処理部16が仮想的に行う処理を概念的に図示している。
ここで、上記したように、各測定処理においてモータの回転子の回動量を異ならせたことにより、回動量に応じてRLC等価回路特性が変化し、LC,RCの測定値が回転子の回動量毎に異なることとなる。また、このように回動量を異ならせて複数回行った測定処理において測定したLC,RCをそれぞれ示す各ポイントPをXY平面上にプロットしたときには、図3に示すように、各ポイントPがX軸に対して傾斜する直線Oに沿って分布する(つまり、LC,RCの変化が線形関係にある)ことが知られている。
続いて、処理部16は、図4に示すように、各ポイントPをそれぞれ質量が互いに等しい質点としたときの各質点で構成される質点系の重心Cを特定する(ステップ53)。次いで、処理部16は、同図に示すように、各ポイントPのうちの重心から最も遠いポイントP(以下「ポイントP1」ともいう)を特定する(ステップ54)。続いて、処理部16は、同図に示すように、重心CとポイントP1との間の直線距離(以下「直線距離L1」ともいう)を特定する(ステップ55)。
次いで、処理部16は、図5に示すように、重心CとポイントP1とを通る直線(以下「直線A」ともいう)を特定(具体的には、X軸に対する直線Aの傾斜角度θを特定)する(ステップ56)。続いて、処理部16は、図6に示すように、各ポイントPのうちの直線Aに直交する直交方向(同図に示す矢印Bの方向)に沿って直線Aから最も遠いポイントP(以下「ポイントP2」ともいう)を特定する(ステップ57)。次いで、処理部16は、同図に示すように、ポイントP2と直線Aとの間の直線距離(以下「直線距離L2」ともいう)を特定する(ステップ58)。
続いて、処理部16は、図7に示すように、直線Aに平行で直線距離L1の2倍の長さの2つの辺(以下「辺S1」ともいう)と、各辺S1に対して直角をなして直線距離L2の2倍の長さの2つの辺(以下「辺S2」ともいう)とで構成されて重心Cを図心とするXY平面上の矩形(長方形や正方形)の領域F1を特定する(ステップ59)。次いで、処理部16は、同図に示すように、領域F1の周囲に枠状の領域F2を加えた矩形の領域を判定領域Fjとして設定して判定領域Fjを示す判定領域データDfを記憶部14に記憶させて(ステップ60)、判定領域設定処理50を終了する。この場合、領域F2は、測定誤差等を考慮して領域F1を拡げる(判定領域Fjに余裕を持たせる)ための領域であって、一例として、辺S1に沿った方向の幅が辺S1の長さの5%程度の幅で、辺S2に沿った方向の幅が辺S2の長さの5%程度の幅に規定されている。以上により、判定領域Fjの設定が終了する。
ここで、処理部16が判定領域設定処理50を実行することによって自動的に設定された判定領域Fjを変更したいときがある。例えば、図7に示すように、サンプル巻線100について複数回測定したLC,RCを示す複数のポイントPのうちの、同図における右側上部に分布するポイントPが判定領域Fjにおける右の長辺側に偏っていて、判定領域Fj内における各ポイントPの分布状態のバランスが悪いとには、判定領域Fjにおける右の長辺の傾斜角度を減少させるように判定領域Fjを変形することで、右側上部に分布するポイントPと判定領域Fjにおける右側の長辺との間隔が広がり、各ポイントPの分布状態のバランスを改善することができる。この測定装置1では、このような判定領域Fjの変形を容易に行うことが可能となっている。
上記した判定領域Fjの変形を行うときには、操作部15を操作して、変形処理の実行を指示する。これに応じて、処理部16が変形処理を実行する。この変形処理では、処理部16は、サンプル巻線100についてのLC,RCの各測定値、および判定領域データDfを記憶部14から読み出す。次いで、処理部16は、図8に示すように、LCをX軸とすると共にRCをY軸とするXY平面上にLC,RCの各測定値を示す各ポイントPをプロットした画像、および判定領域データDfによって特定される判定領域Fjを示す矩形の判定領域画像Gfを含む画像G1を表示部13に表示させる。また、処理部16は、画像G1内に操作部15(ポインティングデバイスとしてのマウス)の操作によって移動するマウスポインターMpを表示させる。
次いで、操作部15を操作して、図8に示すように、判定領域画像Gf(同図に破線で示す判定領域画像Gf)における例えば右上の頂点T(縁部の一例)にマウスポインターMpを移動させる。続いて、クリック操作によって頂点Tを保持した状態で、任意の向き(この例では、右下の向き)に任意の距離だけマウスポインターMpと共に頂点Tを移動させるドラッグ操作を行う。
これに応じて、処理部16は、図8に示すように、移動前(ドラッグ操作前)の判定領域画像Gf(同図に破線で示す判定領域画像Gf)を、移動後の頂点Tを新たな頂点Tとする新たな四角形の判定領域画像Gf(同図に実線で示す判定領域画像Gf)に変形して表示部13に表示させる。次いで、処理部16は、判定領域Fjを、変形処理後の新たな判定領域画像Gfに対応する新たな判定領域Fjに変更する変更処理を実行し、変更後の判定領域Fjを示す判定領域データDfを記憶部14に記憶させる。以上により、新たな判定領域Fjの設定が終了する。
上記したように、この測定装置1では、判定領域画像Gfの頂点Tを保持してドラッグ操作を行うだけで判定領域Fjを変更することが可能となっている。このため、この測定装置1では、判定領域Fj(判定領域画像Gf)の各頂点Tの座標を変更して判定領域Fjを変更する従来の構成と比較して、判定領域Fjを確実かつ迅速にしかも直感的に容易に変形することが可能となっている。
次に、測定対象としての巻線100についてのLC,RCを測定する。具体的には、上記した手順と同様にして、測定対象の巻線100が組み込まれたモータにおける巻線100の両端に信号生成部11の出力端子を接続し、続いて、操作部15を操作して測定の開始を指示する。次いで、測定部12が処理部16の制御に従って上記した測定処理を実行してLC,RCの値を算出し、処理部16がLC,RCの測定値を記憶部14に記憶させる。以上により、測定対象の巻線100についてのLC,RCの測定が終了する。なお、モータの回転子の回動量を変えつつ、測定処理を複数回実行し、各測定値を記憶部14に記憶させてもよい。
次いで、操作部15を操作して判定処理の実行を指示し、処理部16が、操作信号に従って判定処理を実行する。この判定処理では、処理部16は、測定対象としての巻線100についてのLC,RCの測定値を記憶部14から読み出し、続いて、図9に示すように、LC,RCの測定値を示すポイントPをXY平面上にプロットすると共に、XY平面に判定領域Fjを描画する。また、処理部16は、同図に示すように、XY平面にポイントPをプロットした画像と判定領域Fjを示す判定領域画像Gf(実線の画像)とを含む画像G1を表示部13に表示させる。
次いで、処理部16は、ポイントPが判定領域Fj内に属しているか否かを判別し、その結果に基づいて測定対象の巻線100の良否を判定する。この場合、ポイントPが判定領域Fj内に属していると判別したときには、測定対象の巻線100を良品と判定し、ポイントPが判定領域Fj内に属していないと判別したときには、測定対象の巻線100を不良と判定する。
この際に、上記したように変形処理によって判定領域Fjを変形したことにより、図9に示すように、変更処理前の判定領域Fj(同図に破線で示す判定領域Fj)との比較では、ポイントPが判定領域Fj内に属していないと判別されて不良と判定される巻線100が、変更処理後の判定領域Fj(同図に実線で示す判定領域Fj)との比較では、ポイントPが判定領域Fj内に属していると判別されて良品と判定される。このように、判定領域Fjを適正に変更することで、本来良品と判定されるべき巻線100が不良と判定される事態を防止することが可能となる。
このように、この処理装置および測定装置1では、処理部16が、判定領域画像Gfの縁部を保持した状態で保持した部位をXY平面内で移動させるドラッグ操作に応じて判定領域画像Gfを変形させて表示させる変形処理を実行すると共に判定領域画像Gfの変形に応じて判定領域Fjを変更する変更処理を実行する。つまり、この処理装置および測定装置1では、判定領域画像Gfの縁部を保持してドラッグ操作を行うだけで判定領域Fjを変更することができる。このため、この処理装置および測定装置1によれば、判定領域Fj(判定領域画像Gf)の各頂点Tの座標を変更して判定領域Fjを変更する従来の構成と比較して、判定領域Fjを確実かつ迅速にしかも直感的に容易に変更することができる。
また、この処理装置および測定装置1では、処理部16が、矩形の判定領域Fjを設定する。この場合、2つのパラメータの変化が線形関係にあるときには、XY平面上に各パラメータの測定値を示す複数のポイントPをプロットしたときに、各ポイントPがX軸に対して傾斜する直線Oに沿って分布する。このため、測定対象の良否を判定する際に用いる判定領域Fjは、直線Oに沿った矩形の領域であることが好ましい。したがって、この処理装置および測定装置1によれば、線形関係にある2つのパラメータの測定値を示すポイントPが判定領域Fj内に属しているか否かによって測定対象の良否を判定する際の判定領域Fjとして好ましい矩形の判定領域Fjを処理部16によって自動的に設定させることができ、この判定領域Fjをドラッグ操作によって確実かつ迅速にしかも直感的に容易に変更することができる。
また、この処理装置および測定装置1では、処理部16が、矩形の判定領域Fjを示す判定領域画像Gfの頂点Tを保持した状態でドラッグ操作がされたときに変形処理を実行する。この場合、判定領域画像Gfの縁部における頂点T以外の部位を保持した状態でドラッグ操作したときに変形処理を実行する構成では、判定領域Fjが四角形以外の形状に変更されるおそれがある。これに対して、判定領域画像Gfの頂点Tを保持した状態でドラッグ操作がされたときに変形処理を実行するこの処理装置および測定装置1によれば、四角形を維持したまま判定領域Fjを変更することができる。
なお、処理装置および測定装置は、上記の構成に限定されない。例えば、LCを横軸(X軸)としRCを縦軸(Y)とする例について上記したが、RCを横軸(X軸)としLCを縦軸(Y)とする構成を採用することもできる。
また、判定領域画像Gfの縁部としての頂点Tを保持してドラッグ操作したときに変形処理を実行する例について上記したが、頂点T以外の縁部を保持してドラッグ操作したときに変形処理を実行する構成を採用することもできる。
また、2つのパラメータとしてLC,RCを測定し、LC,RCについての判定領域Fjを設定する例について上記したが、2つのパラメータは、LC,RCに限定されず、2つのパラメータを横軸および縦軸とする平面上において一方のパラメータの変化に伴う他方のパラメータの変化が直線的に表される線形関係にある各種のパラメータについての判定領域Fjを設定する際に適用することができる。一例として、モータに供給する電力の値およびモータの出力(仕事)のように、一方のパラメータの値が増加するとそれに比例して他方のパラメータの値が線形的に増加するような2つのパラメータについての判定領域Fjを設定する際に適用することができる。
また、2つのパラメータの一方の変化に伴う他方の変化が直線的ではない(線形関係にない)各種のパラメータについての判定領域Fjを設定する際に適用することもできる。この場合、例えば、XY平面上に各パラメータの測定値を示す複数のポイントPをプロットしたときに、各ポイントPが円形または楕円形の領域に分布するときには、上記したように、矩形の判定領域Fjを設定したり、その判定領域Fjを示す矩形の判定領域画像Gfを表示させたりする構成に代えて、円形または楕円形の判定領域Fjを設定したり、その判定領域Fjを示す円形または楕円形の判定領域画像Gfを表示させたりする構成を採用することができる。
具体的には、例えば、特定の周波数帯の入力信号に対してのみ反応して検出信号を出力するセンサの良否を判定する際に、図10に示すように、入力信号の周波数fをX軸とすると共に検出信号の電圧値VをY軸とするXY平面上に、良品の複数のセンサ(サンプル)について測定した周波数fおよび電圧値Vの各測定値を示すポイントPをプロットして、これに基づいてポイントPが含まれる円形(または楕円形の)判定領域Fjを設定しその判定領域Fjを示す判定領域画像Gfを含む画像G1を表示させることができる。また、図11に示すように、このようにして表示させた画像G1内の判定領域画像Gf(同図に破線で示す判定領域画像Gf)の縁部における任意の部位を保持してドラッグ操作して変形処理を実行させることによって判定領域画像Gfを変形させ(同図に実線で示す判定領域画像Gf)、変更処理を実行させることによって同図に破線で示す判定領域Fjを同図に実線で示す判定領域Fjに変更することができる。
この構成においても、図12に示すように、同図に破線で示す判定領域画像Gfを変形処理によって同図に実線で示す変形処理後の判定領域画像Gfに変形させ、同図に破線で示す判定領域Fjを変更処理によって同図に実線で示す判定領域Fjに変更することで、変更処理前の判定領域Fj(同図に破線で示す判定領域Fj)との比較では、ポイントPが判定領域Fj内に属していないと判別されて不良と判定されるセンサが、変更処理後の判定領域Fj(同図に実線で示す判定領域Fj)との比較では、ポイントPが判定領域Fj内に属していると判別されて良品と判定される。このように、判定領域Fjを適正に変更することで、本来良品と判定されるべきセンサが不良と判定される事態を防止することが可能となる。
また、この構成においても、判定領域画像Gfの縁部を保持してドラッグ操作を行うだけで判定領域Fjを変更することができる。このため、この構成によれば、判定領域Fj(判定領域画像Gf)の縁部の座標を変更する等の操作によって判定領域Fjを変更する構成と比較して、判定領域Fjを確実かつ迅速にしかも直感的に容易に変更することができる。
また、判定領域Fj(判定領域画像Gf)の形状は、矩形、矩形以外の四角形、円形および楕円形に限定されず、任意の形状に規定することができる。
1 測定装置
12 測定部
13 表示部
15 操作部
16 処理部
100 巻線
Fj 判定領域
Gf 判定領域画像
P ポイント

Claims (6)

  1. 2つのパラメータを横軸および縦軸とする平面上に測定対象についての当該各パラメータの測定値を示すポイントをプロットしたときに、前記ポイントが前記平面上の判定領域内に属しているか否かによって前記測定対象の良否を判定するための当該判定領域を設定する設定処理部と、前記平面上に前記ポイントをプロットした画像および当該平面上における前記判定領域を示す判定領域画像を表示部に表示させる表示処理部とを備えた処理装置であって、
    前記判定領域画像の縁部を保持した状態で当該保持した部位を前記平面内で移動させるドラッグ操作が可能な操作部を備え、
    前記表示処理部は、前記ドラッグ操作に応じて前記判定領域画像を変形させて表示させる変形処理を実行し、
    前記設定処理部は、前記判定領域画像の変形に応じて前記判定領域を変更する変更処理を実行する処理装置。
  2. 前記設定処理部は、矩形の前記判定領域を設定する請求項1記載の処理装置。
  3. 前記表示処理部は、前記矩形の判定領域を示す判定領域画像の頂点を保持した状態で前記ドラッグ操作がされたときに前記変形処理を実行する請求項2記載の処理装置。
  4. 前記設定処理部は、円形または楕円形の前記判定領域を設定する請求項1記載の処理装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の処理装置と、前記測定対象についての前記各パラメータを測定する測定部とを備えている測定装置。
  6. 前記ポイントが前記平面上の判定領域内に属しているか否かによって前記測定対象の良否を判定する判定部を備えている請求項5記載の測定装置。
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