JP2005068550A - 耐熱性、鋳造性に優れ、安価な鋳造用耐熱マグネシウム合金 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性、鋳造性に優れ、安価な鋳造用の耐熱マグネシウム合金を提供する。
【解決手段】耐熱性、鋳造性に優れ、安価な鋳造用耐熱マグネシウム合金である。このマグネシウム合金は、アルミニウムを6〜12重量%、カルシウムを0.05〜4重量%、希土類元素を0.5〜4重量%、マンガンを0.05〜0.50重量%、スズを0.1〜14重量%含有し、残部がマグネシウムならびに不可避の不純物からなる。更に、ジルコニウムを0.05〜0.2重量%、炭素を0.03〜0.2重量%のうち少なくとも1種を含有することができる。
【選択図】図2
【解決手段】耐熱性、鋳造性に優れ、安価な鋳造用耐熱マグネシウム合金である。このマグネシウム合金は、アルミニウムを6〜12重量%、カルシウムを0.05〜4重量%、希土類元素を0.5〜4重量%、マンガンを0.05〜0.50重量%、スズを0.1〜14重量%含有し、残部がマグネシウムならびに不可避の不純物からなる。更に、ジルコニウムを0.05〜0.2重量%、炭素を0.03〜0.2重量%のうち少なくとも1種を含有することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は鋳造用耐熱マグネシウム合金に関する。
地球環境保全の観点から、自動車を主とした車両等の軽量化が国内外のカーメーカーにおいて、従来にも増して強く指向されている。これを解決する最も有効な手段の一つとして実用金属中最も軽量なマグネシウム合金を適用することが挙げられる。そして、これまでに耐熱性をあまり必要としない部位、すなわち、シリンダヘッドカバー、ステアリング心金、ペダルブラケット等の材質として適用されてきている。
今後のさらなる車両等の軽量化のためには、耐熱性がより必要とされる部位、例えばミッションケース、オイルパン、エンジンブロック等へのマグネシウム合金の適用が望まれている。しかし現在一般に多く使われているマグネシウム合金AZ91DならびにAM60合金は、120℃以上において耐熱特性が急激に低下するために、上述のように概ね120〜150℃以上の耐熱性を要求されるような部位への適用は、極めて困難とされている。このため、近年においてそのような問題を解決することを目的とした、より耐熱性に優れた以下の特許文献に係るマグネシウム合金の開発が行われているが、実用においては未だ問題を残している。
特許文献1によれば、耐熱性改良元素としてランタノイド0.5〜5重量%およびカルシウム2〜5重量%を規定しているマグネシウム合金が開示されている。
特許文献2によれば、耐熱性改良元素としてカルシウム1.2〜2.2重量%および希土類元素1〜3重量%を添加した際のアルミニウムの添加上限量が6重量%であるマグネシウム合金が開示されている。
特許文献3によれば、カルシウム量が0.3〜2重量%と耐食性ならびにコストを加味した実用的な範囲であるものの、アルミニウム添加量が2〜6重量%と低いことから鋳造性(湯流れ、鋳造割れ)に劣る。
特許文献4によれば、1〜10重量%アルミニウム、0.2〜5重量%希土類元素、0.02〜5重量%カルシウム、0.2〜10重量%シリコン、1.5重量%以下のマンガンを含有するマグネシウム合金が開示されている。
特許文献5によれば、耐熱性向上元素としてセリウム、セリウム系ミッシュメタルの1種または2種以上を0.5重量%〜2wt重量%を含有し、かつスズを0.5重量%〜15重量%含有しているマグネシウム合金が開示されている。
特許文献6によれば、6.0〜20.0重量%スズ、0.2〜2.0重量%シリコンを含有し、さらに少なくともアルミニウム、亜鉛のうちの一種以上4.0重量%以下を含むクリープ特性に優れたマグネシウム合金が開示されている。
特許文献7によれば、1〜10重量%亜鉛、0.3〜4重量%シリコン、0.05〜3重量%カルシウム、0.2〜1.5重量%マンガン、および不純物として2重量%以下のビスマス、鉛、スズ、カドミウムさらには、1重量%以下のアンチモン、希土類元素を含むマグネシウム合金が開示されている。
特許第2604670号公報
特許第3229954号公報
特開2001−316752号公報
特許第3326140号公報
特開平6−172909号公報
特開平7−3374号公報
特開平8−20835号公報
上記した特許文献1によれば、前述したように、耐熱性改良元素としてランタノイド0.5〜5重量%およびカルシウム2〜5重量%の添加を規定しているマグネシウム合金が開示されている。しかし特許文献1に係る合金はスズを含有するものではない。
特許文献2によれば、前述したように、耐熱性改良元素としてカルシウム1.2〜2.2重量%および希土類元素1〜3重量%を添加した際のアルミニウムの添加上限量が6重量%であるマグネシウム合金が開示されている。しかし特許文献2によれば、アルミニウム上限量が6重量%と低い為、鋳造性(湯流れ、鋳造割れ)に劣る。更に特許文献2に係る合金はスズを含有するものではない。
特許文献3によれば、カルシウム量が0.3〜2重量%と耐食性ならびにコストを加味した実用的な範囲であるものの、しかしアルミニウム添加量が2〜6重量%と低いことから鋳造性(湯流れ、鋳造割れ)に劣る。また特許文献3に係る合金はスズを含有するものではない。
特許文献4によれば、前述したように、1〜10重量%アルミニウム、0.2〜5重量%希土類元素、0.02〜5重量%カルシウム、0.2〜10重量%シリコン、1.5重量%以下のマンガンを含有するマグネシウム合金が開示されている。しかし含有アルミニウム量が比較的多いことから鋳造性は良好であるものの、0.2重量%以上のシリコン添加は切り欠き靱性の低い針状Mg2Si相の粒界への晶出を招き、これにより合金の靱性を低下させる。加えてシリコン元素は、耐熱性向上元素であるカルシウムおよび希土類と同様に、凝固時において比較的高温で金属間化合物を生成するため、シリコン添加を行った場合、実質的にはカルシウム、希土類元素による耐熱性向上の原因となる化合物の生成を妨げることとなり、耐熱性の低下を招く。したがって、シリコンは、無添加での使用が望ましいと言える。また、耐熱性を向上させるためには希土類元素の添加が必然となるが、希土類元素は高価な元素であるため、これによる鋳造品は著しいコストの上昇になるという問題を残していると言える。また特許文献4に係る合金はスズを含有するものではない。
特許文献5によれば、前述したように、耐熱性向上元素としてセリウム、セリウム系ミッシュメタルの1種または2種以上を0.5重量%〜2重量%を含有し、かつスズを0.5重量%〜15重量%含有しているマグネシウム合金が開示されている。しかし特許文献5によれば、鋳造性向上と母相(初晶α−マグネシウム相)の強化に大きく寄与するアルミニウムが無添加であるため、これらの特性に劣る。このように特許文献5によれば、アルミニウムが無添加であるため、特に、湯流れ性、耐鋳造割れ性等の鋳造性が劣り、実質的には工業レベルでの鋳造生産への適用は困難と言える。
特許文献6によれば、前述したように、耐熱性向上元素として6.0〜20.0重量%スズ、0.2〜2.0重量%シリコンを含有し、さらに少なくともアルミニウム、亜鉛のうちの一種以上4.0重量%以下を含むマグネシウム合金が開示されている。しかし特許文献6によれば、スズを含有するものの、上述の特許文献5と同様にアルミニウム添加量が4重量%以下と低いことから鋳造性(湯流れ、鋳造割れ)に劣る。
特許文献7によれば、前述したように、1〜10重量%亜鉛、0.3〜4重量%シリコン、0.05〜3重量%カルシウム、0.2〜1.5重量%マンガン、および不純分として2重量%以下のビスマス、鉛、スズ、カドミウムさらには、1重量%以下のアンチモン、希土類元素を含むマグネシウム合金が開示されている。しかしながら特許文献7に係る合金によれば、スズが不純物として含有されているものの、これの明細書に記載されているようにMg−Al系合金ではなく、Mg−Zn系合金であり、10重量%までの亜鉛を添加している。このような亜鉛の多量添加は、脆弱なMg7Zn3相の生成による鋳造割れの発現につながり易い。また、Mg中への亜鉛の最大固溶限6.2重量%以上での亜鉛添加では、共晶反応が340℃と低温で生じるようになるため、耐熱性が低下する問題がある。
このようなことから、上述にも述べたように鋳造性を向上させる元素としては亜鉛に比べてアルミニウムの方が優れており、現に市販のAZ91Dマグネ合金においてはアルミニウムを9重量%と多く添加し、かつ亜鉛を1重量%程度と微量に止めている。また特許文献7によれば、アルミニウムが添加されていないことから、実用的には鋳造性、とりわけ鋳造割れ性に大きな問題がある。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、耐熱性、鋳造性に優れ、安価な鋳造用の耐熱マグネシウム合金を提供することを課題とするにある。
第1発明に係る耐熱性、鋳造性に優れ、安価な鋳造用耐熱マグネシウム合金は、アルミニウムを6〜12重量%、カルシウムを0.05〜4重量%、希土類元素を0.5〜4重量%、マンガンを0.05〜0.50重量%、スズを0.1〜14重量%含有し、残部がマグネシウムならびに不可避の不純物からなることを特徴とするものである。
第2発明に係る耐熱性、鋳造性に優れ、安価な鋳造用耐熱マグネシウム合金は、アルミニウムを6〜12重量%、カルシウムを0.05〜4重量%、希土類元素を0.5〜4重量%、マンガンを0.05〜0.50重量%、スズを0.1〜14重量%を含有し、
さらにジルコニウムを0.05〜0.2重量%、炭素を0.03〜0.2重量%のうち少なくとも1種を含有し、残部がマグネシウムならびに不可避の不純物からなることを特徴とするものである。
さらにジルコニウムを0.05〜0.2重量%、炭素を0.03〜0.2重量%のうち少なくとも1種を含有し、残部がマグネシウムならびに不可避の不純物からなることを特徴とするものである。
本発明に係るマグネシウム合金において、耐熱性が向上する原因としては次のように推察される。即ち、カルシウムおよび希土類元素に比べて、スズは、マグネシウム合金を形成する初晶α−マグネシウム母相中に優先的に固溶する傾向がある。これによりスズ無添加のときに初晶α−マグネシウム母相に固溶していたカルシウム及び希土類元素は、スズ添加により、初晶α−マグネシウム母相の粒界に化合物として晶出することとなり易い。この結果、粒界すべりを効果的に防止できること、更に、マグネシウム合金を形成する初晶α−マグネシウム母相中に優先的に固溶したスズが、粒内のクリープ変形に伴う転位(ディスロケ−ション)の移動をより妨げること、の2つの原因によるものと推察される。
上記したようにスズ添加は鋳造性及び耐食性への影響を抑制しつつ、耐熱性を向上させることができる。このため、目標とする耐熱性が予め設定されている場合においては、使用する合金組成においてカルシウムおよび希土類元素よりも比較的安価なスズを添加することにより、高価なカルシウム量および希土類元素量を相対的に減じることができるので、材料コストが低減される。
第1発明によれば、アルミニウム、カルシウム、希土類元素、マンガン、スズが適量含有されているため、耐熱性、鋳造性に優れ、安価な鋳造用耐熱マグネシウム合金を提供することができる。
第2発明によれば、アルミニウム、カルシウム、希土類元素、マンガン、スズが適量含有されており、更に、ジルコニウム及びまたは炭素が適量含有されているため、耐熱性、鋳造性に優れ、安価であり、更に強度的にも有利な鋳造用耐熱マグネシウム合金を提供することができる。
第1発明、第2発明に係るマグネシウム合金によれば、アルミニウムを6〜12重量%、カルシウムを0.05〜4重量%、希土類元素を0.5〜4重量%、マンガンを0.05〜0.50重量%、スズを0.1〜14重量%含有する。以下、組成の限定理由について説明する。
(アルミニウム6〜12重量%)
アルミニウムは鋳造性、特に湯流れ性の向上に寄与すると共に、合金の強化に寄与し、機械的性質を向上させるが、過剰であると、靱性及び強度が低下する傾向がある。過少であると、湯流れ性が低下する。これらの事情を考慮し、アルミニウムは6重量%以上、6重量%超えとすることができる。故にアルミニウムは6〜10重量%、6〜9重量%、6〜8.5重量%とすることができる。なお、アルミニウムの下限値としては6.05重量%、6.1重量%、6.2重量%、6.4重量%、6.6重量%を例示でき、この下限値と組み合わせ得る上限値としては11.5重量%、10.5重量%、9.5重量%を例示できるが、これらに限定されるものではない。
アルミニウムは鋳造性、特に湯流れ性の向上に寄与すると共に、合金の強化に寄与し、機械的性質を向上させるが、過剰であると、靱性及び強度が低下する傾向がある。過少であると、湯流れ性が低下する。これらの事情を考慮し、アルミニウムは6重量%以上、6重量%超えとすることができる。故にアルミニウムは6〜10重量%、6〜9重量%、6〜8.5重量%とすることができる。なお、アルミニウムの下限値としては6.05重量%、6.1重量%、6.2重量%、6.4重量%、6.6重量%を例示でき、この下限値と組み合わせ得る上限値としては11.5重量%、10.5重量%、9.5重量%を例示できるが、これらに限定されるものではない。
(カルシウム0.05〜4重量%)
カルシウムは初晶α−マグネシウム母相に固溶し、耐熱性の向上に寄与する。またカルシウムは初晶α−マグネシウム母相の結晶粒界に化合物相を形成し、粒界すべりを抑え、耐熱性の向上に寄与する。しかしカルシウムが過剰であると、靱性、強度、耐食性が低下する傾向があり、コストも高くなる。これらの事情を考慮し、カルシウムは0.05〜4重量%とすることができる。
カルシウムは初晶α−マグネシウム母相に固溶し、耐熱性の向上に寄与する。またカルシウムは初晶α−マグネシウム母相の結晶粒界に化合物相を形成し、粒界すべりを抑え、耐熱性の向上に寄与する。しかしカルシウムが過剰であると、靱性、強度、耐食性が低下する傾向があり、コストも高くなる。これらの事情を考慮し、カルシウムは0.05〜4重量%とすることができる。
ここで、要請される特性に応じてカルシウムは0.1〜4重量%、0.5〜3.8重量%、0.7〜3.6重量%とすることができる。なお、この場合、カルシウムの下限値としては0.08重量%、0.15重量%、0.2重量%を例示でき、この下限値と組み合わせ得るカルシウムの上限値としては3.8重量%、3.7重量%、3.6重量%を例示できるが、これらに限定されるものではない。なおカルシウムは主にマグネシウム合金を形成する初晶α−マグネシウム母相に固溶すると共に、初晶α−マグネシウム母相の粒界にも化合物として生成する。
また、耐熱性の他に鋳造性を重視するときには、カルシウムの量を相対的に抑えて0.05〜2%とすることができる。この場合、上記した事情を考慮し、カルシウムは2重量%以下、または2重量%未満とすることができる。本明細書において、『以下』の語句はその数値の含有量を含む意味であり、『未満』の語句はその数値の含有量を含まない意味である。
上記した事情を考慮すると、耐熱性及び鋳造性を重視するときには、カルシウムは0.1〜2重量%、0.5〜2重量%、0.7〜1.95重量%とすることができる。この場合、カルシウムの下限値としては0.08重量%、0.15重量%、0.2重量%を例示でき、この下限値と組み合わせ得るカルシウムの上限値としては1.99重量%、1.95重量%、1.85重量%を例示できるが、これらに限定されるものではない。
また、耐熱性を更に重視するときには、カルシウムの量を相対的に増加し、2%超え〜4重量%とすることができる。この場合、上記した事情を考慮し、カルシウムは3.8重量%以下、3.6重量%以下、または3.3重量%以下、3.1重量%以下とすることができる。故に耐熱性、高温における強度を重視するときには、カルシウムは2.1〜3.8重量%、2.2〜3.6重量%、または、2.5〜3.5重量%とすることができる。この場合、カルシウムの下限値としては2.1重量%、2.2重量%、2.3重量%を例示でき、この下限値と組み合わせ得るカルシウムの上限値としては3.9重量%、3.8重量%、3.7重量%を例示できるが、これらに限定されるものではない。
(希土類元素0.5〜4重量%)
希土類元素は初晶α−マグネシウム母相に固溶し、固溶強化により耐熱性の向上に寄与する。また希土類元素は初晶α−マグネシウム母相の結晶粒界に化合物相を形成し、粒界すべりを抑え、耐熱性の向上に寄与する。しかし希土類元素が過剰であると、靱性及び強度、湯流れ性、耐食性が低下する傾向がある。これらの事情を考慮し、希土類元素は0.5〜3.8重量%、0.6〜3.5重量%、0.7〜3.0重量%とすることができる。なお、希土類元素の下限値としては0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%を例示でき、この下限値と組み合わせ得る希土類元素の上限値としては3.5重量%、3.4重量%、3.2重量%を例示できるが、これらに限定されるものではない。希土類元素は単体として分離することは困難であるため、希土類元素としてミッシュメタルを用いることができる。ミッシュメタルは一般的にはセリウム、ランタン、プラセオジム、ネオジムのうちの少なくとも1種を主要成分とする希土類合金である。セリウム系ミッシュメタルを用いても、ネオジム系ミッシュメタルを用いても、ランタン系ミッシュメタルを用いても良い。場合によっては、希土類元素としてはセリウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム等の単体を用いても良く、あるいは、他の希土類元素を用いても良い。なお希土類元素は、主に、マグネシウム合金を形成する初晶α−マグネシウム母相に固溶されるが、初晶α−マグネシウム母相の粒界にも化合物として生成し易い。
希土類元素は初晶α−マグネシウム母相に固溶し、固溶強化により耐熱性の向上に寄与する。また希土類元素は初晶α−マグネシウム母相の結晶粒界に化合物相を形成し、粒界すべりを抑え、耐熱性の向上に寄与する。しかし希土類元素が過剰であると、靱性及び強度、湯流れ性、耐食性が低下する傾向がある。これらの事情を考慮し、希土類元素は0.5〜3.8重量%、0.6〜3.5重量%、0.7〜3.0重量%とすることができる。なお、希土類元素の下限値としては0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%を例示でき、この下限値と組み合わせ得る希土類元素の上限値としては3.5重量%、3.4重量%、3.2重量%を例示できるが、これらに限定されるものではない。希土類元素は単体として分離することは困難であるため、希土類元素としてミッシュメタルを用いることができる。ミッシュメタルは一般的にはセリウム、ランタン、プラセオジム、ネオジムのうちの少なくとも1種を主要成分とする希土類合金である。セリウム系ミッシュメタルを用いても、ネオジム系ミッシュメタルを用いても、ランタン系ミッシュメタルを用いても良い。場合によっては、希土類元素としてはセリウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム等の単体を用いても良く、あるいは、他の希土類元素を用いても良い。なお希土類元素は、主に、マグネシウム合金を形成する初晶α−マグネシウム母相に固溶されるが、初晶α−マグネシウム母相の粒界にも化合物として生成し易い。
なお、カルシウムの量が相対的に多めであるとき(例えば2重量%超えているとき)には、鋳造性がやや低下するおそれがあるため、希土類元素の量を抑えて0.5〜2重量%とすることができる。この場合、希土類元素は0.5〜1.9重量%、0.6〜1.8重量%、0.6〜1.7重量%とすることができるが、これらに限定されるものではない。
(マンガン0.05〜0.50重量%)
マンガンは耐食性の向上に寄与するが、過剰であると、靱性及び強度が低下する傾向がある。これらの事情を考慮し、マンガンは0.08〜0.45重量%、0.09〜35重量%、0.1〜0.4重量%とすることができる。なお、マンガンの下限値としては0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%を例示でき、この下限値と組み合わせ得るマンガンの上限値としては0.45重量%、0.40重量%、0.35重量%、0.30重量%、0.20重量%、0.15重量%を例示できるが、これらに限定されるものではない。
マンガンは耐食性の向上に寄与するが、過剰であると、靱性及び強度が低下する傾向がある。これらの事情を考慮し、マンガンは0.08〜0.45重量%、0.09〜35重量%、0.1〜0.4重量%とすることができる。なお、マンガンの下限値としては0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%を例示でき、この下限値と組み合わせ得るマンガンの上限値としては0.45重量%、0.40重量%、0.35重量%、0.30重量%、0.20重量%、0.15重量%を例示できるが、これらに限定されるものではない。
(スズ0.1〜14重量%)
スズは初晶α−マグネシウム母相にカルシウムや希土類元素よりも優先的に固溶し、固溶強化により耐熱性の向上に寄与する。またスズは初晶α−マグネシウム母相にカルシウムや希土類元素よりも優先的に固溶するため、カルシウムや希土類元素を含む化合物相を初晶α−マグネシウム母相の結晶粒界に形成し易く、粒界すべりを抑え、耐熱性の向上に寄与する。しかしスズが過剰であると、靱性及び強度が低下する傾向がある。更に、スズは比重が約7.3と大きいため、スズが過剰であると、軽量化を図るマグネシウム合金として不利となる。但し、マグネシウム合金軽量化の要請が過酷でないときには、スズ量を5重量%超え、10重量%超え、12重量%超えのように増加させることができる。なお、マグネシウム−スズ系の状態図によれば、スズは、初晶α−マグネシウム相に最大14重量%程度含有することができる。
スズは初晶α−マグネシウム母相にカルシウムや希土類元素よりも優先的に固溶し、固溶強化により耐熱性の向上に寄与する。またスズは初晶α−マグネシウム母相にカルシウムや希土類元素よりも優先的に固溶するため、カルシウムや希土類元素を含む化合物相を初晶α−マグネシウム母相の結晶粒界に形成し易く、粒界すべりを抑え、耐熱性の向上に寄与する。しかしスズが過剰であると、靱性及び強度が低下する傾向がある。更に、スズは比重が約7.3と大きいため、スズが過剰であると、軽量化を図るマグネシウム合金として不利となる。但し、マグネシウム合金軽量化の要請が過酷でないときには、スズ量を5重量%超え、10重量%超え、12重量%超えのように増加させることができる。なお、マグネシウム−スズ系の状態図によれば、スズは、初晶α−マグネシウム相に最大14重量%程度含有することができる。
上記した事情を考慮し、スズは0.1〜13重量%、0.1〜12重量%、0.15〜5重量%、0.15〜2.0重量%、0.15〜1.2重量%とすることができる。更に、マグネシウム合金の軽量化を重視すると、スズを更に低下させて8重量%以下にでき、0.1〜8重量%とすることができる。
マグネシウム合金の更なる軽量化等を考慮すると、スズは3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満とすることができ、従って、0.1〜3.0重量%、0.1〜2.0重量%、0.1〜1.0重量%、0.1〜0.8重量%、0.1〜0.5重量%とすることができる。
上記した事情を考慮し、スズの下限値としては0.15重量%、0.2重量%、0.3重量%を例示でき、この下限値と組み合わせ得るスズの上限値としては12重量%、10重量%、8重量%、7重量%、6重量%、または6重量%未満を例示でき、更には、5重量%、4重量%、3重量%を例示できる。但しこれらに限定されるものではない。
なお、スズ量とカルシウム量とを比較すると、スズ量<カルシウム量でも良いし、スズ量>カルシウム量でも良いし、スズ量=カルシウム量でも良いし、スズ量≒カルシウム量でも良い。また、スズ量と希土類元素量とを比較すると、スズ量<希土類元素量でも良いし、スズ量>希土類元素量でも良いし、スズ量=希土類元素量でも良いし、スズ量≒希土類元素量でも良い。
第2発明に係るマグネシウム合金によれば、上記した組成に加えて、更に、ジルコニウムを0.05〜0.2重量%、炭素を0.03〜0.2重量%のうち少なくとも1種を含有する。
(ジルコニウム0.05〜0.2重量%)
ジルコニウムは組織の微細化に寄与し、常温領域の強度を高め得るが、過剰であると、Mg−Al−Zr,Al3Zr等の化合物の晶出量が増大し、靱性が低下する。これらの事情を考慮し、ジルコニウムは0.2重量%以下または0.2重量%未満とすることができ、従って、0.06〜0.19重量%、0.06〜0.18重量%、0.06〜0.17重量%とすることができる。なお、ジルコニウムの下限値としては0.055重量%、0.065重量%を例示でき、この下限値と組み合わせ得るジルコニウムの上限値としては0.19重量%、0.18重量%を例示できるが、これらに限定されるものではない。
ジルコニウムは組織の微細化に寄与し、常温領域の強度を高め得るが、過剰であると、Mg−Al−Zr,Al3Zr等の化合物の晶出量が増大し、靱性が低下する。これらの事情を考慮し、ジルコニウムは0.2重量%以下または0.2重量%未満とすることができ、従って、0.06〜0.19重量%、0.06〜0.18重量%、0.06〜0.17重量%とすることができる。なお、ジルコニウムの下限値としては0.055重量%、0.065重量%を例示でき、この下限値と組み合わせ得るジルコニウムの上限値としては0.19重量%、0.18重量%を例示できるが、これらに限定されるものではない。
(炭素0.03〜0.2重量%)
炭素は組織の微細化に寄与し、常温領域の強度を高め得るが、過剰であると、粒界に多く存在するようになり、強度及び靱性が低下する。これらの事情を考慮し、炭素は0.2重量%以下または0.2重量%未満とすることができ、従って、0.03〜0.19重量%、0.04〜0.18重量%、0.05〜0.17重量%とすることができる。なお、炭素の下限値としては0.04重量%、0.05重量%を例示でき、この下限値と組み合わせ得る炭素の上限値としては0.19重量%、0.18重量%を例示できるが、これらに限定されるものではない。
炭素は組織の微細化に寄与し、常温領域の強度を高め得るが、過剰であると、粒界に多く存在するようになり、強度及び靱性が低下する。これらの事情を考慮し、炭素は0.2重量%以下または0.2重量%未満とすることができ、従って、0.03〜0.19重量%、0.04〜0.18重量%、0.05〜0.17重量%とすることができる。なお、炭素の下限値としては0.04重量%、0.05重量%を例示でき、この下限値と組み合わせ得る炭素の上限値としては0.19重量%、0.18重量%を例示できるが、これらに限定されるものではない。
更に第1発明,第2発明に係るマグネシウム合金によれば、シリコン0.4重量%以下(0.4重量%未満)、ストロンチウム0.4重量%以下(0.4重量%未満)、チタン0.4重量%以下(0.4重量%未満)、チタン硼化物(TiB)0.4重量%以下(0.4重量%未満)、亜鉛0.8重量%以下(0.8重量%未満)のうちの少なくとも1種を含有することができる。
更に第1発明,第2発明に係るマグネシウム合金によれば、シリコン0.2重量%以下(0.2重量%未満)、ストロンチウム0.2重量%以下(0.2重量%未満)、チタン0.2重量%以下(0.2重量%未満)、チタン硼化物(TiB)0.2重量%以下(0.2重量%未満)、亜鉛0.5重量%以下(0.5重量%未満)のうちの少なくとも1種を含有することができる。
ここで、シリコンは0.05〜0.2重量%、ストロンチウムは0.005〜0.2重量%、チタンは0.05〜0.2重量%、チタン硼化物(TiB)は0.05〜0.2重量%、亜鉛は0.05〜0.5重量%とすることができる。
なお、シリコンが上記量よりも過剰であると、Mg2Si化合物の晶出量が増加し、靱性低下、強度低下となり易い。ストロンチウムが上記量よりも過剰であると、Mg−Al−Sr,Al4Srの生成量が増加し、靱性を低下させるおそれがある。チタンが上記量よりも過剰であると、Al−Ti系化合物の晶出量が多くなり、靱性を低下させるおそれがある。チタン硼化物(TiB)が上記量よりも過剰であると、TiB化合物が粒界に多く存在するので、靱性を低下させるおそれがある。亜鉛が上記量よりも過剰であると、Mg−Zn系化合物の晶出量が増加し、鋳造割れの頻度を増加させるおそれがある。
第1発明、第2発明に係るマグネシウム合金は、鋳造性が良好であり、ダイカスト鋳造、金型重力鋳造、砂型鋳造等に適する。ダイカスト鋳造はコールドチャンバー方式でも良いし、ホットチャンバー方式でも良い、組織の微細化促進機能を発揮するジルコニウム及びまたは炭素を含む第2発明に係るマグネシウム合金によれば、凝固速度がダイカスト鋳造よりも相対的に遅い金型重力鋳造、砂型鋳造、高圧鋳造等に適する。但し、第2発明に係るマグネシウム合金はダイカスト鋳造に適用しても良いことは勿論である。
第1発明、第2発明に係るマグネシウム合金は、軽量化及び耐熱性の双方が要請される部品に適用することができる。例えば、車両のシリンダヘッドカバー、シリンダブロック、ピストン、トランスミッションケース等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。表1に示す組成をもつように、各インゴット材をガス溶解炉においてフラックスレスにて溶解した。そして、溶湯を溶湯温度690℃に保持した後、7.8MNのダイカストマシンのダイカスト金型の成形キャビティに装填し、乗用車エンジンに使用されるオイルパン(素材重量約2.8kgの箱型形状部品)を鋳造品として実際に鋳造した。最初の5〜10ショットは捨て打ちとし、その後のダイカスト金型の温度が安定した10〜50ショットの鋳造品について、以下の測定を行った。なお、表1に示す組成は分析値である。
本実施例によれば、希土類元素としてはミッシュメタルを用いた。ミッシュメタルの基本組成は、ミッシュメタルを100重量%としたとき、セリウムが50重量%、ランタンが27重量%、ネオジムが11重量%、プラセオジムが5重量%含まれており、更に残部として他の希土類元素が含まれている。本実施例において用いたミッシュメタルを100重量%としたとき、主要成分であるセリウム、ランタン、ネオジム、プラセオジムの合計は100重量%のうちの93重量%を占める。
本実施例によれば、マグネシウム合金からセリウム、ランタン、ネオジム、プラセオジムの分析値を求め、それらの合計量(重量%)を求め、その合計量(重量%)×(100/93)をミッシュメタルの量(重量%)として算出した。そして、このミッシュメタルの量をRE(希土類元素)とし、これを表1のRE(希土類元素)の欄に示した。従って表1に示すREの含有量は、セリウム、ランタン、ネオジム、プラセオジムを含有する他に、他の希土類元素を含有するミッシュメタルの含有量に相当する。なお本実施例によれば、表1から理解できるように、一般的には、スズ量<カルシウム量、スズ量<希土類元素量(実施例22ではスズ量>希土類元素量)、またはスズ量≒希土類元素量とされている。
そして特性評価として、軸力保持率、鋳造割れ、焼き付き頻度、湯流れ性、耐食性を測定した。表1は測定結果を組成と共に示す。
(1)軸力試験においては、マグネシウム合金で形成されたオイルパンのフランジのボルト締結部(座面外径20mm、内径(ボルト貫通穴)9〜9.5mm、厚さ約10mm)を供試材100とした。そして図1に模式的に示すように、雄ネジをもつボルト200を、ワッシャ105(外径18mm、厚さ3mm、A6061−T6)を介して供試材100の挿通孔101に挿通すると共に、相手材300のネジ孔301に締結した。使用したボルト200はMS×25、強度区分10.9の鋼製とした。相手材300はJIS規格ADC12のアルミダイカスト合金部材とした。そして、ボルト200を初期軸力7.8KNで締結した。軸力は、ボルト200に付着させた歪みゲージ400を用いて測定した。その後、ボルト200で締結した供試材100及び相手材300からなる試験片を大気炉に装入し、150℃、300時間の条件で高温保持し、その後、室温まで冷却した。その後、ボルト200の軸力を再び測定した。そして前記した初期軸力に対する軸力保持率を求めた。この場合、軸力保持率は複数個の平均値として求めた。ここで、軸力保持率が76%であることは、上記した条件における高温保持により、初期軸力7.8KN×0.76の軸力に低下したことを意味する。なお、超音波軸力測定法によってもボルト200の軸力を測定したが、歪みゲージ400を用いた場合と同様な結果が得られた。
(2)鋳造割れについては、鋳造品であるオイルパンの外観検査を行い、割れの有無で判定した。
(3)焼き付き頻度については、鋳造品であるオイルパンの鋳造時における型開き後の鋳造品取り出しにおいて、鋳造品の一部が金型のキャビティ型面に部分的に付着した場合を焼き付きとして評価し、焼き付きの割合を求めた。
(4)湯流れ性については、鋳造品であるオイルパンの鋳造時において、溶湯のオーバフロー量、溶湯が進入するチルベントの空間における溶湯充填量の大きさを評価基準とした。ここで5段階評価とし、湯流れ性について優の評価を1とし、湯流れ性について劣の評価を5とした。
(5)耐食性については、塩水噴霧試験(JIS Z 2371に準拠、噴霧6時間)を、鋳造品であるオイルパンについて行い、耐食性の優劣を目視にて判定した。ここで5段階評価とし、耐食性について優の評価を1とし、耐食性について劣の評価を5とした。
(1)軸力試験においては、マグネシウム合金で形成されたオイルパンのフランジのボルト締結部(座面外径20mm、内径(ボルト貫通穴)9〜9.5mm、厚さ約10mm)を供試材100とした。そして図1に模式的に示すように、雄ネジをもつボルト200を、ワッシャ105(外径18mm、厚さ3mm、A6061−T6)を介して供試材100の挿通孔101に挿通すると共に、相手材300のネジ孔301に締結した。使用したボルト200はMS×25、強度区分10.9の鋼製とした。相手材300はJIS規格ADC12のアルミダイカスト合金部材とした。そして、ボルト200を初期軸力7.8KNで締結した。軸力は、ボルト200に付着させた歪みゲージ400を用いて測定した。その後、ボルト200で締結した供試材100及び相手材300からなる試験片を大気炉に装入し、150℃、300時間の条件で高温保持し、その後、室温まで冷却した。その後、ボルト200の軸力を再び測定した。そして前記した初期軸力に対する軸力保持率を求めた。この場合、軸力保持率は複数個の平均値として求めた。ここで、軸力保持率が76%であることは、上記した条件における高温保持により、初期軸力7.8KN×0.76の軸力に低下したことを意味する。なお、超音波軸力測定法によってもボルト200の軸力を測定したが、歪みゲージ400を用いた場合と同様な結果が得られた。
(2)鋳造割れについては、鋳造品であるオイルパンの外観検査を行い、割れの有無で判定した。
(3)焼き付き頻度については、鋳造品であるオイルパンの鋳造時における型開き後の鋳造品取り出しにおいて、鋳造品の一部が金型のキャビティ型面に部分的に付着した場合を焼き付きとして評価し、焼き付きの割合を求めた。
(4)湯流れ性については、鋳造品であるオイルパンの鋳造時において、溶湯のオーバフロー量、溶湯が進入するチルベントの空間における溶湯充填量の大きさを評価基準とした。ここで5段階評価とし、湯流れ性について優の評価を1とし、湯流れ性について劣の評価を5とした。
(5)耐食性については、塩水噴霧試験(JIS Z 2371に準拠、噴霧6時間)を、鋳造品であるオイルパンについて行い、耐食性の優劣を目視にて判定した。ここで5段階評価とし、耐食性について優の評価を1とし、耐食性について劣の評価を5とした。
上記した比較例1〜比較例9はスズを含有していないマグネシウム合金である。表1から理解できるように、比較例1(市販AZ91D)及び比較例2はカルシウム及び希土類元素を実質的に含まないため、耐熱性が低く、軸力保持率が極めて低い。比較例3は、カルシウム及び希土類元素を含むため、耐熱性が向上しており、軸力保持率が80%とかなり高いものの、アルミニウム量が5.2重量%とかなり低いことから、溶湯の湯流れ性が悪く、更に鋳造割れ及び焼き付き頻度が多く、鋳造性が非常に悪い。更に比較例3は、耐食性の評価は4であり、耐食性が劣る。
比較例4は、アルミニウム量が6.9重量%であることから、比較例3に比べて鋳造性(鋳造割れ、焼き付き頻度、湯流れ性)には優れるが、耐食性の評価は5であり、耐食性が劣る。
比較例5は、希土類元素を含むものの、カルシウムを含まないため、軸力保持率が低い。比較例6は、希土類元素及びカルシウムを含むため、軸力保持率が良好であるものの、耐食性の評価は4であり、耐食性が劣る。比較例7,8,9ではアルミニウム、カルシウム、希土類元素、マンガンの含有量が適量であり、鋳造割れが少なく、湯流れ性、耐食性が良好であるものの、スズを含まないため軸力保持率は60〜65%とあまり高くない。
これに対して実施例1〜実施例22は、アルミニウム、カルシウム、希土類元素、マンガン、スズの含有量が適量であり、耐熱性、鋳造性(鋳造割れ、湯流れ性)において総合的に優れており、しかもコストが高いカルシウム及び希土類元素の代替としてスズが機能しているため、安価な鋳造用の耐熱マグネシウム合金を提供することができる。実施例1〜実施例17はカルシウムが0.9〜1.9重量%の範囲内に設定されていると共に、実施例18〜実施例22はカルシウムが2.5〜3.8重量%の範囲内に設定されている。
実施例2,8,5の合金は、比較例7,8,9の合金にスズを0.4重量%程度添加した合金に相当する。即ち、実施例2の合金は、比較例7に匹敵する合金にスズを0.4重量%程度添加した合金に相当する。実施例8の合金は、比較例8に匹敵する合金にスズを0.4重量%程度添加した合金に相当する。実施例5の合金は、比較例9に匹敵する合金にスズを0.4重量%程度添加した合金に相当する。
このような実施例2,8,5の合金によれば、鋳造性(鋳造割れ、焼き付き頻度、湯流れ性)および耐食性については比較例7,8,9とほとんど同等である。しかし、軸力保持率については実施例2,8,5の方が比較例7,8,9よりも5〜6%程度高く、耐熱性が向上していることがわかる。
実施例4,5,6の合金はアルミニウム量が多いため、他の実施例よりも湯流れ性が良好とされている。
上記したように実施例に係る合金において、耐熱性が向上している原因としては次のように推察される。即ち、カルシウムおよび希土類元素に比べてスズは、マグネシウム合金を形成する初晶α−マグネシウム母相中に優先的に固溶する傾向がある。これによりスズ無添加のときに初晶α−マグネシウム母相に固溶していたカルシウム、希土類元素は、スズ添加により、初晶α−マグネシウム母相の粒界に化合物として晶出することとなり易い。このため粒界すべりを抑制する粒界上のマグネシウム−カルシウム系化合物相、アルミニウム−カルシウム系化合物相、マグネシウム−希土類元素系化合物相、マグネシウム−アルミニウム−カルシウム系化合物相等が、スズ添加合金(実施例1〜実施例22)において増加し、粒界すべりを効果的に防止できるものと推察される。更に、マグネシウム合金を形成する初晶α−マグネシウム母相中に優先的に固溶したスズが、粒内のクリープ変形に伴う転位(デスロケ−ション)の移動を、より妨げること、の2つの原因によるものと推察される。
このようにスズ添加は、マグネシウム合金の鋳造性及び耐食性の低下を抑えつつ、高温領域におけるボルトの軸力保持率を向上させることができる。このため、目標とする軸力特性が予め設定されている場合においては、使用するマグネシウム合金の組成において比較的安価なスズを添加することにより、高価なカルシウム量および希土類元素量を相対的に減少させることができるので、従来のマグネシウム合金よりも、材料コストが低減され、安価にできる利点が得られる。
更に説明を加える。実施例10は、実施例8の合金を基本組成とし、さらに、0.11重量%ジルコニウムを添加した場合である。実施例11は、実施例8の合金を基本組成とし、さらに、0.10重量%炭素を添加した場合である。このような実施例10,11の合金は、軸力保持率については実施例8の合金とあまり差が認められないが、常温領域における強度の増加に寄与している。ジルコニウム及び炭素による組織の微細化が寄与しているものと推察される。
また、実施例12は、実施例8の合金を基本組成とし、さらに、0.20重量%シリコンを添加した場合である。実施例13は、実施例8の合金を基本組成とし、さらに、0.22重量%ストロンチウムを添加した場合である。また、実施例14は、実施例8の合金を基本組成とし、さらに、0.15重量%チタンを添加した場合である。実施例15は、実施例8の合金を基本組成とし、さらに、0.12重量%チタン硼化物(TiB)を添加した場合である。
また、実施例16は、実施例8の合金を基本組成とし、さらに、0.15重量%イットリウムを添加した場合である。実施例16において、0.15重量%イットリウムは、表1のRE含有量には含まれていない。実施例17は、実施例8の合金を基本組成とし、さらに、0.45重量%亜鉛を添加した場合である。
このような実施例12〜17の合金は、軸力保持率については実施例8の合金とあまり差が認められない。換言すると、これらの元素(シリコン、ストロンチウム、チタン、チタン硼化物、イットリウム、亜鉛)は前記した記載の範囲内であれば、特に問題なく含有することができる。従って、溶湯精錬時にこれらの元素を除去する操作を廃止または低減できることから、材料コストの低減につながる利点が得られる。
更に、表1から理解できるように、実施例18〜実施例22はカルシウムを多め(2重量%以上)に含有した合金である。カルシウムが多めであるため、希土類元素の量がやや抑えられている。実施例18〜実施例22によれば、量産時に支障となる鋳造割れが発生しないばかりか、高温領域における軸力保持率が高く、耐熱性に優れている。特に実施例19〜実施例22は高温領域における軸力保持率が80%以上と高かくなり、耐熱性が更に改善されている。カルシウムが多めであるため、前述したように、スズ無添加のときに初晶α−マグネシウム母相に固溶していたカルシウム、希土類元素が、スズ添加により、母相の粒界に化合物として晶出することとなり、粒界すべりを効果的に防止しているものものと推察される。
(金属組織)
図2は実施例8の金属組織の写真を示す。図3は比較例8の金属組織の写真を示す。図4は実施例19の金属組織の写真を示す。各写真は95μm×73μmの視野を示す。金属組織は、グリコール液にてエッチングした後に観察したものである。比較例8,実施例8、実施例19の基本組成は近似している。但し、スズは、比較例8には含有されていないが、実施例8には0.42重量%含有されており、実施例19には0.48重量%含有されている。
図2は実施例8の金属組織の写真を示す。図3は比較例8の金属組織の写真を示す。図4は実施例19の金属組織の写真を示す。各写真は95μm×73μmの視野を示す。金属組織は、グリコール液にてエッチングした後に観察したものである。比較例8,実施例8、実施例19の基本組成は近似している。但し、スズは、比較例8には含有されていないが、実施例8には0.42重量%含有されており、実施例19には0.48重量%含有されている。
図2〜図4の比較から理解できるように、図2に示す実施例8の金属組織によれば、初晶α−マグネシウム母相の粒径のサイズは約30〜35μm程度であり、図3に示す比較例8の金属組織(約40〜50μm程度)よりも微細化していることがわかる。同様に、図4に示す実施例19の金属組織によれば、初晶α−マグネシウム母相の粒径のサイズは、約20〜30μm程度であり、実施例8と同様に、図3に示す比較例8の金属組織よりも微細化していることがわかる。スズは微細化にも寄与するものと推察される。
更に、スズ添加の図2に示す実施例8の金属組織によれば、Mg2Sn晶出相が、初晶α−マグネシウム母相の結晶粒界に生成している。また、スズ添加の図2に示す実施例8の組織によれば、スズ無添加の図3に示す比較例8に比べて、マグネシウム−カルシウム−アルミニウム系化合物相、マグネシウム−希土類元素−アルミニウム系化合物相が結晶粒界に多く生成している。図4に示す実施例19の金属組織においても同様である。
これらの化合物相により粒界すべりを効果的に防止でき、マグネシウム合金の耐熱性を高め得ることができるものと推察される。なお、これらの化合物相は走査型電子顕微鏡部とエネルギ分散形X線分析部とをもつ装置(SEM−EDX)により同定した。
その他、本発明は上記し且つ図面に示した実施例のみに限定されるものではなく、例えば、希土類元素としてはセリウム、ランタン、ネオジム、プラセオジムの他に、スカンジウム、ガドリニウム、テルビウム、サマリウム、ホルミウム、ツリウム、エルビウム、ユウロビウム、イッテリビウム等のうちの1種または1種以上を用いることにしても良い等、必要に応じて適宜変更して実施できるものである。表1に記載の各合金元素の含有量は、各請求項の組成を規定する上限または下限として記載することができるものである。
本発明は軽量化が期待されている車両、産業機械の部品に利用することができる。車両においては、オイルパン、ミッションケース、シリンダブロック、シリンダヘッド、ピストン等のエンジン関連部品、あるいは、軽量性及び耐熱性の双方を要請される部品等に利用することができる。
図中、100は供試材、200はボルト、300は相手材を示す。
Claims (7)
- アルミニウムを6〜12重量%、カルシウムを0.05〜4重量%、希土類元素を0.5〜4重量%、マンガンを0.05〜0.50重量%、スズを0.1〜14重量%含有し、残部がマグネシウムならびに不可避の不純物からなることを特徴とする耐熱性、鋳造性に優れ、安価な鋳造用耐熱マグネシウム合金。
- 請求項1において、カルシウムを0.05〜2重量%含有することを特徴とする耐熱性、鋳造性に優れ、安価な鋳造用耐熱マグネシウム合金。
- 請求項1において、カルシウムを2重量%超え〜4重量%含有することを特徴とする耐熱性、鋳造性に優れ、安価な鋳造用耐熱マグネシウム合金。
- 請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項において、希土類元素を0.5〜2重量%含有することを特徴とする耐熱性、鋳造性に優れ、安価な鋳造用耐熱マグネシウム合金。
- アルミニウムを6〜12重量%、カルシウムを0.05〜4重量%、希土類元素を0.5〜4重量%、マンガンを0.05〜0.50重量%、スズを0.1〜14重量%含有し、
さらにジルコニウムを0.05〜0.2重量%、炭素を0.03〜0.2重量%のうち少なくとも1種を含有し、残部がマグネシウムならびに不可避の不純物からなることを特徴とする耐熱性、鋳造性に優れ、安価な鋳造用耐熱マグネシウム合金。 - 請求項1〜請求項5のいずれか一項において、スズを0.1〜8重量%含有することを特徴とする耐熱性、鋳造性に優れ、安価な鋳造用耐熱マグネシウム合金。
- 請求項1〜請求項6のうちのいずれか一項において、ダイカスト鋳造、金型重力鋳造、砂型鋳造、高圧鋳造のいずれかに用いられることを特徴とする耐熱性、鋳造性に優れ、安価な鋳造用耐熱マグネシウム合金。
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