JP3592659B2 - 耐食性に優れたマグネシウム合金およびマグネシウム合金部材 - Google Patents

耐食性に優れたマグネシウム合金およびマグネシウム合金部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた耐食性を有し、かつ耐熱性および鋳造性も良好なマグネシウム合金と、それを用いて金属射出成形、ダイカスト、スクイーズキャストなどの各種高圧鋳造法により作製するマグネシウム合金部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マグネシウム合金は軽量で室温強度だけでなく高温での強度にも優れており、各種用途への適用が期待されている。例えば、自動車分野で実用化が期待されているトランスミッションケースやオイルパンなどの耐食性に優れた耐熱性部材をマグネシウム合金で製造することができ、車体の軽量化が達成される結果、燃費の向上が期待でき、地球温暖化の抑制に貢献できる。また、家電分野においては内部に光源を有する液晶プロジェクターなどの耐食性とともに耐熱性を必要とするマグネシウム合金製筐体を製造できるため、高強度のポータブル機器の拡大に貢献できる。その他、電動工具やレジャー用品などの耐食性とともに耐熱性を必要とする軽量部材への適用が期待される。
【0003】
従来この種のマグネシウム合金としては、AS41、AS21と称される、Al−Si系合金およびAE42と称されるAl−Mm系合金があった。さらに実用化されていないが、以下の各種合金が提案されている。
なお、下記合金の成分量はいずれも質量%で示されている。
(1)Al:1〜6%、Ca:0.5〜4%、Si:0.5〜1.5%、Mn:0.15〜0.5%、Zn:0.1〜0.3%を含むMg合金(特公平3−17890号公報)。
(2)Al:2〜10%、Ca:1.4〜10%、Ca/Al≧0.7、Si、Zn:≦2%、希土類元素:≦4%を含むMg合金(特開平6−25790号公報)。
(3)Al:5〜10%、Si:0.2〜1.0%、Ca:0.05〜0.5%、Sr:≦0.1%を含むMg合金(特開平9−104942号公報)。
(4)Al:2〜10%、Ca:1.0〜10%、Si、Mn、Zn、Zrの少なくとも一種:≦2%、希土類元素:≦4%を含むMg合金(特開平9−271919号公報)。
(5)Al:2〜6%、Ca:0.5〜4%、Ca/Al≦0.8、Sr:≦0.15%を含むMg合金(特開平9−272945号公報)。
【0004】
次に、上記の各従来合金(上記の提案された合金を含む)における添加元素の作用について説明する。
AlはMgとの間で硬い金属間化合物(Mg17Al12)を形成し、その分散強化により合金の耐力および引張強さを高める。CaはAlあるいはMgとの間で高融点の金属間化合物を形成し、引張強さとクリープ抵抗性を高める。SiはMgとの間で高融点の金属間化合物(MgSi)を形成し、引張強さとクリープ抵抗性を高める。Znは時効効果能を向上させる。希土類元素(主としてミッシュメタル:Mm)はAlとの間で金属間化合物を形成し、高温の破断伸びとともにクリープ抵抗性および耐食性を向上させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来合金における添加元素の問題点について説明する。
Alは強度を向上させる元素であるが、Alの多量添加は、低融点かつ脆い金属間化合物であるMg17Al12を増加させるため、靭性の低下とともにクリープ抵抗性を低下させる。
CaやSiは、引張強さとともにクリープ特性を向上させる作用があるが、Caの多量添加は靭性を低下させる上、鋳造割れ感受性が高くなる。さらに添加量の増大とともに耐食性が急激に劣化する。
SiはCaとの間で化合物を形成しやすく、溶解途中で多量に晶出し、溶解歩留まりが低下する。
Znも強度を向上させる元素であるが、Znはクリープ抵抗性を低下させる上、鋳造割れ感受性が高くなる。
希土類元素はクリープ特性の向上には効果があるが材料コスト高を招く上、酸化しやすいため金型へ焼き付きやすくなる。また、従来合金は一般に高融点であるため、溶解温度を高くする必要があるので溶湯が燃えやすく、固相線温度も高いため溶湯の流動性が悪く、鋳造欠陥が生じやすかった。そのため、実用部品として機能するに至っていなかった。
この中でも特に、希土類元素を含まない低コスト耐熱合金として期待されるMg−Al−Ca合金では、充分なクリープ特性を得るために必要な2質量%以上のCaの添加が、耐食性を著しく劣化させるという重大な欠点があった。
【0006】
本発明は、上記のような従来合金の課題を解決するためになされたもので、特に従来合金では、ほとんど検討されていなかった耐食性に着目した合金設計を行い、低い溶解温度でも健全な鋳造性を確保するとともに、優れた耐食性ならびに良好な耐熱性を有するマグネシウム合金と、それを用いて製造されるマグネシウム合金部材を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、添加元素としてAl、Ca、Mn、Sr、希土類元素に着目し、各元素の組成を変化させたインゴットを作製した。さらにこのインゴットより高圧鋳造法の一つである金属射出成形法用原料チップを作製した後、試験片を作製し、100hまでの塩水噴霧試験、クリープ試験、高温引張試験、成形性試験をもとに成分の最適化を行うことにより、耐食性と耐熱性を両立し得るマグネシウム合金を見出した。
【0008】
すなわち、上記課題を解決するため本発明の耐食性および耐熱性に優れたマグネシウム合金のうち、請求項1記載の発明は、Al:5.2〜7質量%、Ca:2.2〜4質量%、Mn:0.1〜0.8質量%、Sr:0.001〜0.05質量%、希土類元素:0.1〜0.6質量%を含有し、残部がMgおよび不可避的不純物からなることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記不可避不純物のうち、Si、Zn、Cu、Ni、Fe、Clのすべてにおいて、Si:0.01質量%以下、Zn:0.01質量%以下、Cu:0.008質量%以下、Ni:0.001質量%以下、Fe:0.004質量%以下、Cl:0.003質量%以下を許容含有量とすることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の耐食性および耐熱性に優れたマグネシウム合金部材は、請求項1または2に記載の合金からなり、固相率50%以下の完全溶融あるいは半溶融状態で金型に射出して成形されたことを特徴とする。
【0011】
次に本発明における添加元素の作用について説明する。
Al:5.2〜7質量%
AlはMg母相にはほとんど固溶せず、Mg初晶の凝固前面に濃縮される結果、MgあるいはCaとの共晶化合物が形成されるまで、良好な流動性が得られる。このとき、Alが5.2質量%未満では高融点であるため、合金溶製時や鋳造時の溶解温度を高くする必要があり作業性が低下する。また、7質量%超では金属間化合物が増加するため、鋳造割れ感受性が増加し、かつ耐食性が劣化する。したがって、Alの含有量を上記範囲に限定する。なお、さらに上限を6.8%とするのが望ましい
【0012】
Ca:2.2〜4質量%
CaはMgおよびAlとの間で金属間化合物を形成し、主として結晶粒界にネットワーク状に晶出するが、これが転位の上昇運動に対する障害物として作用し、クリープ変形の抵抗性を高める。このとき、Caが2.2質量%未満の添加では効果が充分でなく、4質量%超では鋳造割れが発生しやすくなる。したがって、Caの含有量を上記範囲に限定する。なお、さらに上限を3.8%とするのが望ましい。
【0013】
Mn:0.1〜0.8質量%
MnはAlと化合して金属間化合物を形成し、不純物元素であるFeを固溶することにより、耐食性の劣化を抑制する。このとき、0.1質量%未満では効果が充分ではなく、0.8質量%超では溶解歩留まりが劣化する。したがって、Mnの含有量を上記範囲に限定する。なお、さらに下限を0.2%、上限を0.6%とするのが望ましい。
【0014】
希土類元素:0.1〜0.6質量%
希土類元素は、Alとの間で金属間化合物を形成し、耐食性を飛躍的に向上させる。このとき、0.1質量%未満では、十分な耐食性が得られず、2.0質量%以上では溶解歩留まりが劣化する。また、クリープ抵抗性に関しては、0.1質量%を添加することにより大幅に向上するが、1質量%以上の添加では特性が低下する。さらに、0.5質量%を越えると希土類元素含有量の増加により流動性が低下する。しかしながら、後述するSr添加により、希土類元素添加による成形性の低下が改善され、0.6質量%以下であれば、良好な成形性が確保される。なお、希土類元素は、該元素群の1種からなるものであってもよく、また、2種以上でもよく、さらにはミッシュメタルの形で添加されるものであってもよい。
【0015】
Sr:0.001〜0.05質量%
微量添加されるSrは、粒界の晶出物に固溶され、優れたクリープ特性を保持したまま、耐食性を向上させる作用を有する。また、0.5質量%超の希土類元素添加によって引き起こされる流動性の低下をSr添加により回復できることを見出した。このとき、Srが0.001質量%未満では耐食性および流動性の低下の回復が充分ではなく、0.05質量%超では溶湯中への溶解歩留まりが低下する。
【0016】
Si:0.01質量%以下
Zn:0.01質量%以下
Cu:0.008質量%以下
Ni:0.001質量%以下
Fe:0.004質量%以下
Cl:0.003質量%以下
Si、Zn、Cu、Ni、Fe、Clの不純物元素に関しては、耐食性を劣化させるため、許容値の管理は極めて重要となり、耐食性の劣化を阻止する目的において上記の全ての元素で上記条件を満たすことが必要である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のマグネシウム合金は、上記成分範囲を目標値として溶製される。本発明としては溶製方法が特に限定されるものではなく、一般に用いられている方法を採用することができる。溶製されたマグネシウム合金は、溶湯のまま、または一旦スラブとした後、後工程である鋳造工程に供することができる。
鋳造工程における鋳造方法としては、一般に知られている各種方法を採用することができるが、本発明のマグネシウム合金は優れた鋳造性を有しているので、鋳造性への要求は高いものの高品質材を得ることができるダイキャスト、スクイーズキャスト、金属射出成形法などの高圧鋳造法に好適な材料である。
これら鋳造法での条件は本発明としては特に限定されるものではないが、半溶融成形では、溶融金属の固相率を50%以下とするのが望ましい。これは、固相率が50%を越えると鋳造性が良好な本発明の合金によっても溶湯の流動性が低くなって良好な成形が困難になるおそれがあるためである。
【0018】
上記の高圧鋳造法では、溶解した合金(半溶融の場合も含む)が高い流動性を有するので、薄肉の製品に成形する際にも湯流れよく鋳造でき、高い製品歩留りが得られる。また得られた部材は、良好な湯流れによって欠陥が少なく、高強度材においても優れた特性が確保される。
したがって、本発明合金による成形性品は、各種用途において軽量、高強度で高温特性に、耐食性に優れた部材として使用することができる。したがって、これら特性が要求される自動車用部品や各種ポータブル機器への使用量の拡大が期待でき、さらに電動工具やレジャー用品等への用途の拡大も期待される。しかも、これらのマグネシウム合金製品は、従来のプラスチック製品に比べてリサイクル可能であり、地球環境の保全に貢献できる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図に基づいて説明する。
本発明合金および比較としての従来合金インゴットを溶製後、切削により各種原料チップを作製した。表1に原料チップの化学分析結果を示す。
鋳造は高圧鋳造法の一つである金属射出成形法(型締め力450t)にて実施し、平行部直径6mmの引張・クリープ試験片、肉厚2mmの平板(塩水噴霧用試験片)と肉厚1mmの平板(成形性評価用試験片)を作製した。成形条件は、組成のみを評価するため、シリンダ温度(903K)、金型温度(443K)、射出速度(1.7m/s)一定とし、固相率が0%であることを光学顕微鏡により確認した。成形性評価の場合のみ、射出速度を0.5〜1.9m/sと変化させ行った。耐熱性の評価は、473K、90MPaにおけるクリープ試験および室温から473Kまでの高温引張試験、耐食性の評価は、100hの塩水噴霧試験、成形性は、1mmの平板の充填性により評価した。
【0020】
【表1】
Figure 0003592659
【0021】
図1に、Al、Ca含有のMg合金において、100h後の塩水噴霧試験前後の重量減から算出した腐食速度およびクリープ試験により算出した最小クリープ速度とCa含有量の関係を示す。良好な耐食性および耐クリープ抵抗性を得るためには、2質量%以上のCa添加が必要となる。しかしながら、その一方で、Ca含有量が2質量%を超えると耐食性は急激に劣化する。
【0022】
Caを含まないMg−Al系合金の耐食性はAl含有量の増加とともに向上することが知られている。図2に、Al、Ca含有のMg合金における、腐食速度および最小クリープ速度におよぼすAl含有量の影響を示す。Al含有量の変化によるクリープ特性および耐食性の違いは認められない。すなわち、Ca添加合金においてはAl含有量の増加による耐食性の改善は期待できない。
【0023】
図3に腐食速度および最小クリープ速度におよぼすSr含有量の影響を示す。Al、Ca含有のMg合金にSrを添加することにより耐食性の改善はなされるが、従来合金であるAE42よりも大幅に劣る。
【0024】
図4に腐食速度および最小クリープ速度におよぼすMm含有量の影響を示す。Al、Ca含有のMg合金にMmを添加することにより耐食性は大幅に向上することが明らかになっている。0.5質量%までのMm含有では耐食性の向上が認められるが、それ以上ではあまり変化しない。クリープ特性は、0.1質量%Mmを添加することにより向上するが、1質量%を越えると低下する傾向にある。すなわち、Mm添加により耐食性の改善を見出したが、実用化させるにはさらなる改善が必要となる。従来合金であるAZ91D、AM60B、AE42の腐食速度はそれぞれ、0.02、0.06、0.08mg/cm/dayである。そこで実用化のために0.1mg/cm/day以下を目標として検討した。
【0025】
Al、Ca、Mm添加合金にSrを微量添加し、上記の目標達成を試みた。該合金について、図5に腐食速度および最小クリープ速度におよぼすAl含有量の影響を示す。Caを含まないMg−Al系合金とは対照的に、Mm添加合金にSrを微量添加した合金では、7質量%までのAl含有量では良好な耐食性を示し、7質量%を越えるAl含有では、Al含有量の増加に伴い耐食性が急激に劣化する。これは、Al含有量の増加に伴いAl−Ca系の粒界晶出物が増加し、この耐食性の低い金属間化合物の増加に伴い耐食性が劣化すると考えられる。
【0026】
Caが耐食性に悪影響を与えているため、Al、Ca、Mm、Srを含有するMg合金において、Ca含有量を減少させる試みを行った。図6に腐食速度および最小クリープ速度におよぼすCa含有量の影響を示す。Ca含有量の減少による耐食性の改善は、Mm無添加合金のときほど顕著に現れない。耐食性の向上にはMmが大きな影響を与えていることが分かる。
【0027】
図7に、Al、Ca、Mm、Srを含有するMg合金において、腐食速度および最小クリープ速度におよぼすSr含有量の影響を示す。耐食性、クリープ特性ともにSr含有量100ppmまで向上し、その後、Srの増量に伴い低下する傾向にある。また、100ppmのとき目標であった腐食速度0.1mg/cm/dayを達成した。
【0028】
図8に、耐食性、クリープ特性に最も優れた、本発明の6質量%Al−3質量%Ca−0.5質量%Mm−0.01質量%Sr−0.2質量%Mn添加合金の高温引張試験により求めた耐力および引張強さを示す。耐力に関しては、各温度においてAE42を上回る特性を示す。引張強さは、室温において、AE42の方が優れているが、本発明合金は423Kまで、ほとんど強度の低下が認められない。
【0029】
図9にSrを含有しないMm添加合金の平均射出速度と充填率の関係を示す。0.1質量%(ACaE6301)の合金では良好な成形性を示しているが、0.5質量%(ACaE6305)を越えるとMm含有量の増加により成形性は低下する。
【0030】
図10に、Srを含有した本発明合金の平均射出速度と充填率の関係を示す。図中には、比較として既存合金であるAM60Bの結果も併せ示す。0.5%超のMm添加による成形性の低下はSr添加(本発明合金;ACaEs6305100p)により改善が認められ、AM60Bと比較しても同等の成形性が得られた。さらに、AE42においても同様の条件にて試験を実施したが、成形が困難であり評価できなかった。
【0031】
なお、実施例には金属射出成形法に関するデータを示したが、健全な成形性が確保される射出前の固相率が50%以下であれば、その他の高圧鋳造法であるダイカストやスクウィーズなどにも本発明合金が適用可能である。
また、上記各実施例では、希土類元素としてMmを用いたが、本発明としては、希土類元素がMmの形態に限定されないことは勿論である。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、Al:5.2〜7質量%、Ca:2.2〜4質量%、Mn:0.1〜0.8質量%、Sr:0.001〜0.05質量%、希土類元素:0.1〜0.6質量%を含有し、残部がMgおよび不可避的不純物からなり、所望により、不可避不純物のうち、Si:0.01質量%以下、Zn:0.01質量%以下、Cu:0.008質量%以下、Ni:0.001質量%以下、Fe:0.004質量%以下、Cl:0.003質量%以下を許容含有量とするので、従来困難であった耐食性および耐熱性が要求される自動車部品などの輸送用機器の構造体などへの適用が可能となり、車体の軽量化が達成される結果、燃費の向上が期待でき、地球温暖化の抑制に貢献できる。また、その他の耐熱性が要求される家電分野などにも本発明合金および合金部材を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】腐食速度および最小クリープ速度におよぼすCa含有量の影響を示すグラフである。
【図2】腐食速度および最小クリープ速度におよぼすAl含有量の影響を示すグラフである。
【図3】腐食速度および最小クリープ速度におよぼすSr含有量の影響を示すグラフである。
【図4】腐食速度および最小クリープ速度におよぼすMm含有量の影響を示すグラフである。
【図5】腐食速度および最小クリープ速度におよぼすAl含有量の影響を示すグラフである。
【図6】腐食速度および最小クリープ速度におよぼすCa含有量の影響を示すグラフである。
【図7】腐食速度および最小クリープ速度におよぼすSr含有量の影響を示すグラフである。
【図8】高温引張試験から得られた本発明合金の耐力と引張強さを示すグラフである。
【図9】充填率におよぼすMmの影響を示すグラフである。
【図10】本発明合金の平均射出速度と充填率の関係を示すグラフである。

Claims (3)

  1. Al:5.2〜7質量%、Ca:2.2〜4質量%、Mn:0.1〜0.8質量%、Sr:0.001〜0.05質量%、希土類元素:0.1〜0.6質量%を含有し、残部がMgおよび不可避的不純物からなることを特徴とする耐食性および耐熱性に優れたマグネシウム合金
  2. 前記不可避不純物のうち、Si、Zn、Cu、Ni、Fe、Clのすべてにおいて、Si:0.01質量%以下、Zn:0.01質量%以下、Cu:0.008質量%以下、Ni:0.001質量%以下、Fe:0.004質量%以下、Cl:0.003質量%以下を許容含有量とすることを特徴とする請求項1記載の耐食性および耐熱性に優れたマグネシウム合金
  3. 請求項1または2に記載の合金からなり、固相率50%以下の完全溶融あるいは半溶融状態で金型に射出して成形されたことを特徴とする耐食性および耐熱性に優れたマグネシウム合金部材
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