JP2005067642A - 加熱処理用包装体および食品の加熱処理方法 - Google Patents

加熱処理用包装体および食品の加熱処理方法 Download PDF

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琢持 杉山
Tomohito Hayama
知人 葉山
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Abstract

【課題】食品等を充填する包装体において、食品等の内容物を包装のまま、電子レンジにより加熱調理できると共に、内部の加熱上昇圧による包装体の破裂を防止すると共、逃圧後の包装体の変形や破損を防止することができる加熱処理用包装体および食品の加熱処理方法を提供する。
【解決手段】フランジ1と凹状の内容物bの収容体2を設けた容器本体3と、フランジへ第一ヒートシールS1により貼着して密封包装を行う蓋体4とを備えた加熱処理用包装体Aにあって、蓋体は、一方部材4aと他方部材4bとからなるプラスチックフィルムであって、一方部材と他方部材とをそれぞれその内端縁部において合掌状に第二ヒートシールS2により接合させた帯状接合体を設け、この帯状接合体は、内容物が充填された収容体の上方に位置し、加熱手段による加熱によって加熱処理用包装体の内部圧力が上昇したとき、該内部圧力を外部へ逃圧させる易開封性シールである。
【選択図】 図4

Description

本発明は、食品等を充填する包装体において、食品等の内容物を包装のまま、電子レンジにより加熱調理できると共に、内部の加熱上昇圧による包装体の破裂を防止すると共、逃圧後の包装体の変形や破損を防止することができる加熱処理用包装体および食品の加熱処理方法に関する。
従来より、調理済あるいは半調理済等の食品を、耐熱性のプラスチック包装容器に充填して、プラスチックフィルムにより蓋をして、容器フランジ部においてヒートシールにより密封包装してあって、食する直前に、電子レンジにより加熱調理する包装食品が多く市場提供されている。
そして、これら包装食品は、電子レンジにより加熱すると、容器の内部の水蒸気や内部空気の熱膨張によって内圧が上昇し、ついには、この膨張圧により容器や蓋が破裂して内容物が飛散し、かつ、電子レンジ内を汚染してしまうため、これら包装食品には、前記欠点を防止する手段が高じられている。
例えば、包装食品内において前記内圧が一定以上に上昇したとき、ヒートシールの一部箇所が剥離して圧力を逃す通蒸手段を設けることが知られている。
しかし、容器フランジ部におけるヒートシール部は、輸送中や保管中などにおいて、容易に剥離することなく内容物を確実に密封包装するために高いヒットシール強度により接合されている。
一方、前記通蒸ヒートシール部は、加熱調理時に発生した容器内の内圧に対しては、比較的容易に剥離される構成であって、従来の包装体は、容器フランジ上面に、凸条体や凹状体を設けていた(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−315863号公報
しかしながら、この容器は、そのフランジ部に凸条体や凹状体を形成させるため、容器成形工程が複雑かつ面倒となるばかりか、製造コストが高騰し、包装食品等を廉価に市場提供することができにくいものであった。
特に、フランジ付き容器は、そのフランジと蓋とのヒートシール部に通蒸手段を設けてあるため、通蒸した後の、その通蒸口は水分等の付着すると共に、蓋が被さることによりフランジと蓋とが再密着して、容器全体や内容物の加熱温度が下がったとき、容器内に負圧が生じて、該容器を変形させたり破損させたりする不都合があった。フランジは内容物と直接的に接していない分、他の容器本体と比べて冷めやすく、フランジと蓋と開封によって通蒸させるタイプは、一層、前記した現象が生じやすい。
本発明は前記した問題点を解決するためになされたもので、周縁部にフランジを巡らせ、このフランジの内周部に凹状の収容体を設けた容器本体と、この容器本体の収容体内へ充填した内容物と、容器本体のフランジ上面全体へヒートシールにより貼着して容器本体内への密封包装を行う蓋体とを備えた加熱処理用包装体にあって、蓋体は、一方部材と他方部材とからなるプラスチックフィルムであって、一方部材と他方部材とをそれぞれその内端縁部において合掌状にヒートシールにより接合させた帯状接合体を設け、この帯状接合体は、内容物が充填された収容体の上方に位置し、加熱手段による加熱によって加熱処理用包装体の内部圧力が上昇したとき、該内部圧力を外部へ逃圧させる易開封性シールであることにより、食品等を充填する包装体において、食品等の内容物を包装のまま、電子レンジにより加熱調理できると共に、内部の加熱上昇圧による包装体の破裂を防止すると共、逃圧後の包装体の変形や破損を防止することができる加熱処理用包装体および食品の加熱処理方法を提供することを目的としている。
前記した目的を達成するための本発明の手段は、
周縁部にフランジを巡らせ、このフランジの内周部に凹状の収容体を設けた容器本体と、この容器本体の収容体内へ充填した内容物と、前記容器本体のフランジ上面全体へ第一ヒートシールにより貼着して、前記内容物の前記容器本体内への密封包装を行う蓋体とを備えた加熱処理用包装体にあって、
前記蓋体は、外層の基材層と最内層のシーラント層とを有する一方部材と他方部材とからなるプラスチックフィルムであって、
前記一方部材と前記他方部材とをそれぞれその内端縁部において、該一方部材と該他方部材における同一シーラント層面同士を合掌状に合わせて第二ヒートシールにより接合させた帯状接合体を設け、
この帯状接合体は、前記内容物が充填された前記収容体の上方に位置し、加熱手段による加熱によって前記加熱処理用包装体の内部圧力が上昇したとき、該内部圧力を前記加熱処理用包装体の外部へ逃圧させる易開封性シールであり、
前記フランジと前記蓋体との第一ヒートシールは易開封性シールである加熱処理用包装体の構成にある。
周縁部にフランジを巡らせ、このフランジの内周部に凹状の収容体を設けた容器本体と、この容器本体の収容体内へ充填した内容物と、前記容器本体のフランジ上面全体へ第一ヒートシールにより貼着して、前記内容物の前記容器本体内への密封包装を行う蓋体とを備えた加熱処理用包装体にあって、
前記蓋体は、外層の基材層と最内層のシーラント層とを有する一方部材と他方部材とからなるプラスチックフィルムであって、
前記一方部材と前記他方部材とをそれぞれその内端縁部において、該一方部材と該他方部材における同一シーラント層面同士を合掌状に合わせて第二ヒートシールにより接合させた帯状接合体を設け、
この帯状接合体は、前記内容物が充填された前記収容体の上方に位置し、加熱手段による加熱によって前記加熱処理用包装体の内部圧力が上昇したとき、該内部圧力を前記加熱処理用包装体の外部へ逃圧させる易開封性シールであり、
前記フランジと前記一方部材または前記他方部材との第一ヒートシールはタイトシールを施し、前記フランジと前記他方部材または前記一方部材との第一ヒートシールは易開封性シールを施した加熱処理用包装体の構成にある。
周縁部にフランジを巡らせ、このフランジの内周部に凹状の収容体を設けた容器本体と、この容器本体の収容体内へ充填した内容物と、前記容器本体のフランジ上面全体へ第一ヒートシールにより貼着して、前記内容物の前記容器本体内への密封包装を行う蓋体とを備えた加熱処理用包装体にあって、
前記蓋体は、外層の基材層と最内層のシーラント層とを有する一方部材と他方部材とからなるプラスチックフィルムであって、
前記一方部材と前記他方部材とをそれぞれその内端縁部において、該一方部材と該他方部材における同一シーラント層面同士を合掌状に合わせて、これらシーラント層の間に易開封性ヒートシールテープを介在させて第二ヒートシールにより接合させた帯状接合体を設け、
この帯状接合体は、前記内容物が充填された前記収容体の上方に位置し、加熱手段による加熱によって前記加熱処理用包装体の内部圧力が上昇したとき、該内部圧力を前記加熱処理用包装体の外部へ逃圧させる易開封性シールであり、
前記フランジと前記蓋体との第一ヒートシールはタイトシールである加熱処理用包装体の構成にある。
易開封性シールは、常態時の剥離力が、1.8kgf/15mm以下であるもので、90゜℃熱時の剥離力が、400〜1200gf/15mmである。
タイトシールは、蓋体の開封時、手で容易に第一ヒートシールを引き裂くことができない強度のシールである。
帯状接合体は、その長さ方向の中間部に、該帯状接合体の外端縁からこの帯状接合体の幅方向に対して内方へ向かって設けた通蒸誘導部を形成させる。
周縁部にフランジを巡らせ、このフランジの内周部に凹状の収容体を設けた容器本体と、この容器本体の収容体内へ充填した内容物と、前記容器本体のフランジ上面全体へ第一ヒートシールにより貼着して、前記内容物の前記容器本体内への密封包装を行う蓋体とを備えた加熱処理用包装体にあって、
前記蓋体は、外層の基材層と最内層のシーラント層とを有する一方部材と他方部材とからなるプラスチックフィルムであって、
前記一方部材と前記他方部材とをそれぞれその内端縁部において合掌状に第二ヒートシールにより接合させ、加熱手段による加熱によって前記加熱処理用包装体の内部圧力が上昇したとき、該内部圧力を外部へ逃圧させる易開封性シールである帯状接合体を設け、
前記加熱処理用包装体の加熱手段による加熱は、前記蓋体が上部へ向くように前記加熱手段に載置され、
前記帯状接合体は、
加熱手段による加熱前は、前記蓋体の上面に沿った略平滑状に傾倒し、加熱手段による加熱時には、前記加熱処理用包装体内の上昇した内部圧力によって前記蓋体の緊張により起立して、前記帯状接合体の外端縁が上方に向き、
前記帯状接合体の前記内部圧力に対する剥離強度の限界に達したとき、前記起立状態において、該帯状接合体に筒状の逃圧路を形成させ、前記加熱処理用包装体の内部圧力を外部へ逃がすと共に、
前記逃圧路において、前記加熱処理用包装体外の外気を導入させる筒状の導入路を形成させる食品の加熱処理方法にある。
前述のように構成される本発明は、食品等を充填する包装体において、食品等の内容物を包装のまま、電子レンジにより加熱調理できると共に、内部の加熱上昇圧による包装体の破裂を防止することができると共に、逃圧による加熱処理用包装体内の圧力低下による容器本体の変形や破損を防止させることができる。
特に、包装体の構成が簡単な上、内容物充填密封包装にあって、製造コストが低減させて、包装食品等を廉価に市場提供することができる等の特有な効果を奏するものである。
次に、この発明に関する加熱処理用包装体および食品の加熱処理方法の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1〜図2および図4〜図5,図7においてAは加熱処理用包装体で、周縁部にフランジ1を巡らせ、このフランジ1の内周部に凹状の収容体2を設けた容器本体3と、この容器本体3の収容体2内へ充填した内容物bと、容器本体3のフランジ1上面全体へ第一ヒートシールS1により貼着して、内容物bの容器本体3内への密封包装を行う蓋体4とを有する。
この加熱処理用包装体Aは、適宜その使用時に電子レンジ等の加熱手段により加熱処理し、フランジ1上部の蓋体4を引き開いて内容物bを取り出すためのものである。
また、使用する食品は、例えば、冷凍食品やチルド食品、レトルト食品など加熱手段により加熱することで食することができる任意の物品である。
そして、前記した容器本体3は、ポリプロピレン系やポリエチレン系,ポリエステル系,ポリカーボネート系,ポリスチレン系の合成樹脂またはこれらのブレンド物から構成される。その形状は、底部が安定載置が得られる平滑状に形成されて凹状に形成させた収容体2に、例えば、図1に示すように、該収容体2の上部に内容物bの出し入れを行うように、例えば、全体に開口させた出し入れ部5を有し、収容体2上部の周縁部における全周に、外方へ略水平に張り出して所定幅となるフランジ2を連続的に巡らせてある。
なお、前記した出し入れ部5は、電子レンジ等の加熱手段による加熱調理時は、上方に向けられ、内容物bは該容器本体3における収容体2よりこぼれ出ない。
この容器本体3の形態は、図1に示すように、前記した出し入れ部5やフランジ1の外周(収容体2)が角形や、他に、図7に示すように円形、あるいは図示してない楕円形等の任意の形態のものが用いられる。
また、前記した蓋体4は、容器本体3のフランジ1上面全体へ第一ヒートシールS1により貼着して、内容物bの容器本体3内への密封包装を行うものであり、輸送や管理状態時には、容易に剥離しない強度により接合される。このフランジ1に対するシール強度は、フランジ1の形状やヒートシール機の形態に異差あるいは後記する帯状接合体dの構成によって異なるもので、少なくとも、この第一ヒートシールS1のシール強度は、後記する帯状接合体dの第二ヒートシールS2強度より強く設定されていて、後記する通蒸時は、この帯状接合体dの易開封性シールが先に開封する。
更に、図7(a),(b)に示すように、必要に応じて、蓋体4の開封用つまみ30を該蓋体4の外周端縁部へ一箇所または複数箇所に延設してある。
この蓋体4は、フランジ1との第一ヒートシールS1にあって、その構成は、図6に示すように、蓋体4の外層に基材層8を設け、更に、該基材層8の一側面に、すなわち最内層にシーラント層9を有する一方部材4aと他方部材4bとからなるプラスチックフィルムであり、該一方部材4aと他方部材4bにおける基材層8およびシーラント層9は同一素材を用いるか、あるいは、異種フィルムや性質による素材を用いるものである。
そして、この蓋体4にあって、一方部材4aと他方部材4bとを、それぞれその内端縁部において、合掌状に第二ヒートシールS2により接合させた帯状接合体dを設けてある。帯状接合体dの蓋体4に対する取付位置は、一方に片寄った状態でも、また、蓋体4の中央部でも良いが、好ましくは、加熱処理用包装体Aの上昇する内部圧力が掛かりやすい中央部に設ける。
この合掌状とした第二ヒートシールS2による帯状接合体dは、一方部材4aと他方部材4bの最内層、すなわち、シーラント層9,9同士を互いに向けて重ね合わせ、その全長(全長とは、収容体2においてその凹状空間部を挟んで相対するフランジ1,1とを結ぶ長さ方向をいう)にわたって所定幅の帯状となるように接合させる。
この帯状接合体dは、内容物bが充填された収容体2の上方に位置し、加熱手段による加熱によって加熱処理用包装体Aの内部圧力が上昇したとき、この内部圧力などにより剥離・開封して、該内部圧力を加熱処理用包装体Aの外部へ逃圧させる易開封性シールである。
この易開封性シールの構成は、図3(a)に示すように、一方部材4aと他方部材4bとが、温度依存性の高いプラスチック素材であったり、慣用のイージーピーラブルのフィルムが用いられたりするものであり、あるいは、図3(b)および図7(c)に示すように、易剥離性を有するプラスチックテープ6を一方部材4aと他方部材4bとの間に介在させたりする手段などが用いられるものである。
いわゆる、内容物bの加熱処理時にあって、加熱手段による加熱によって密封包装された加熱処理用包装体Aの内部圧力が上昇したとき、該上昇圧により前記第二ヒートシールS2がなされた箇所に剥離・開封によって脱気用の逃圧路7が形成されて、前記上昇した内部圧力の外部への逃圧を行う易開封性シールの構成である。
この蓋体4の帯状接合体dにおける易開封性シールにあって、温度依存性の高いプラスチックフィルムを使用したときは、そのフィルム構成は、例えば、無延伸ポリプロピレンフィルム系のものであり、単層より共押出多層タイプが好ましい。
ここでいう、温度依存性の高いプラスチック素材(プラスチックフィルム)とは、帯状接合体dにおける一方部材4aと他方部材4bとが第二ヒートシールS2されたとき、常態時(加熱されない通常の温度下)の剥離力は、3kgf/15mm以上を有していて、該ヒートシール強度は、例えば、内圧強度で、5〜50KPa程度を有するため、輸送時や保管時などにおいて確実な内容物の密封性や包装性等を発揮する。
しかし、前記加熱手段による加熱調理時における加熱温度が80℃〜90℃に達すると、好ましくは、90℃によって容易に易開封性シール部が軟化して、この90℃熱時の剥離力が、400g/15mm〜1200gf/15mmとなる構成のフィルムであるものであって、フランジ1と蓋体4とのヒートシール強度力を弱める、いわゆる、容易に開封させて加熱処理用包装体A内に対する通蒸を行うことができる性状を有するものである。(ただし、剥離強度は、食品衛生法に基づく密封包装袋の試験方法・Z0238に従い、引張速度300mm/minで測定される値である。)
すなわち、加熱処理用包装体Aにおける内容物bの加熱処理時にあって、加熱手段による加熱によって密封包装された加熱処理用包装体Aの内部圧力が上昇したとき、該上昇圧により、図4および図5に示すように、前記第二ヒートシールS2がなされた箇所に脱気用の逃圧路7が形成されて、前記上昇した内部圧力の逃圧を行って膨張圧に起因する加熱処理用包装体Aの破裂や内容物bの飛散による加熱手段(電子レンジ)内の汚染の防止を行う易開封性シールの作用を有する帯状接合体dである。
また、この蓋体4における帯状接合体dの易開封性シール用いたプラスチック素材における、プラスチックフィルムがイージーピーラブルフィルム(易開封性シール)であったときは、例えば、二軸延伸6ナイロンフィルムまたは二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムあるいはこれら複合フィルムからなる基材の最内層に、イージーピーラブルとなる無延伸ポリプロピレンフィルム系のシーラントフィルムを積層させてある。
このプラスチック素材の蓋体4における一方部材4aと他方部材4bとが、ヒートシールバーによる帯状の第二ヒートシールS2によって形成されるものであり、該ヒートシール強度は、例えば、内圧強度で、5〜50KPa程度を有する。
また、このイージーピーラブルフィルム(易開封性シール)は、常態時の剥離力が、1.8kgf/15mm以下であるもので、90゜℃熱時の剥離力が、400〜1200gf/15mmであり、常態時は、内容物bの確実な密封性を発揮すると共に、例えば、電子レンジ等の加熱手段によって加熱したとき、逃圧路7から前記上昇した内部圧力の逃圧を行って、膨張圧に起因する加熱処理用包装体Aの破裂や内容物bの飛散による電子レンジ内の汚染の防止を行うことができる。
容器本体3のフランジ1と蓋体4との第一ヒートシールS1による接合に際して、図7(a)に示すように、フランジ1全周に対して、該第一ヒートシールS1は易開封性シールmに形成する。すなわち、帯状接合体dを挟んで、蓋材4の一方部材4aと他方部材4bとが易開封性シールmとなって、内容物bの取り出しに際しての蓋体4の開封時、該蓋体4のつまみ30を持って比較的容易に手で、この第一ヒートシールS1を引き裂くことができる。
また、図7(b)に示すように、フランジ1と蓋体4における一方部材4aまたは他方部材4b(同図においては他方部材4b)との第一ヒートシールS1はタイトシール(蓋体4の開封時、手で容易に第一ヒートシールS1を引き裂くことができない強度のシール)nを施し、フランジ1と他方部材4bまたは一方部材4a(同図においては一方部材4a)との第一ヒートシールS1は易開封性シールmを施してあって、この易開封性シールmにおいて、内容物bの取り出しに際しての開封時、つまみ30を持って比較的容易に手で、この第一ヒートシールS1を引き裂くことができる。
更に、図7(c)に示すように、フランジ1と蓋体4における一方部材4aおよび他方部材4bとの第一ヒートシールS1はタイトシール(蓋体4の開封時、手で容易に第一ヒートシールS1を引き裂くことができない強度のシール)nに形成してある。内容物bの取り出しに際しての開封時は、通蒸によって形成された帯状接合体dの逃圧路7,導入路12から該帯状接合体dを引き裂いて開封したり、他の適宜な手段により開封する。
なお、前記した帯状接合体dは、加熱手段による加熱前は、図2および図3に示すように、蓋体4の上面に沿った略平滑状(寝た状態)に傾倒し、加熱手段による加熱時には、加熱処理用包装体A内の上昇した内部圧力によって、図4および図5に示すように、蓋体4が膨張し、かつ、この膨張に伴って生ずる該蓋体4の緊張により第二ヒートシールS2と非ヒートシール部との境部を中心として起立し、帯状接合体dの外端縁d1が上方に向いた起立状態となる。
そして、帯状接合体dの前記内部圧力に対する剥離強度の限界に達したとき、前記起立状態において、該帯状接合体dの長さ方向の適所に、図4においてp部を拡大して示すように、筒状の逃圧路7が形成されて、この逃圧路7によって加熱処理用包装体A内と外気とが連通状態となって、加熱処理用包装体Aの内部圧力を外部へ逃がす。
また、この逃圧路7の形成によって、加熱処理用包装体Aの内部圧力が外部へ逃げた後は、該逃圧路7が、外気を加熱処理用包装体A内へ導入させる筒状の導入路12となる。
すなわち、加熱処理用包装体A内の逃圧後、この加熱処理用包装体Aの内容物bを食するまで少しの時間があると(通蒸したそのままの状態にしておくと)、一旦剥がれた逃圧路7は、その口が閉まろうとする。
しかし、逃圧路7は、その通蒸時に円筒状に形成されて、その形が保持されるために、逃圧路7の口は閉じることなく外気の導入路12となる。
したがって、前記逃圧によって生じた加熱処理用包装体A内の圧力低下により、すなわち、容器本体3内から抜け出た空気によって該容器本体3内が負圧になろうとすると、図8に示すように、この導入路12から容器本体3内に十分な外気が流入されるので、加熱処理用包装体Aにおける容器本体3や蓋体4などの変形や破損を未然に防止させることができる。
そのため、容器本体3が包装用容器として用いられるだけではなく、加熱調理時および加熱調理後において、この容器本体3を調理用容器として、食器として何の遜色もなく便利に使用することができる。
なお、この蓋体4は、フランジ1との第一ヒートシールS1にあって、図6に示すように、蓋体4の外層に基材層8を設け、更に、該基材層8の一側面に、すなわち最内層にシーラント層9を有するもので、該基材層8は、電子レンジ等の加熱手段の加熱に対する耐熱性を有するプラスチック素材を用いるものであって、例えば、ポリプロピレンやポリアミド,ポリエステル,エチレン−ビニルアルコール共重合体等からなる二軸延伸フィルム、塩化ビニリデン−アクリル酸エステル系共重合体フィルム、酸化アルミ蒸着二軸延伸ポリエステルフィルム、ポリメタキシリレンアジパミド系ポリアミド延伸フィルム(6−ナイロンとの共押出し積層フィルムを含む)等の適宜な基材が選定される。
また、蓋体4における帯状接合体dは、図9に示すように、その長さ方向(収容体2においてその凹状空間部を挟んで相対するフランジ1,1とを結ぶ線方向をいう)の中間部に、該帯状接合体dの外端縁d1からこの帯状接合体dの幅方向に対して内方(内容物bが収容された収容体2側へ向かって)へ向かって切り込んだ通蒸誘導部10を設けてある。
この通蒸誘導部10を蓋体4の帯状接合体dに設けることにより、帯状接合体dの幅方向における第二ヒートシールS2のシール幅が減少し、加熱時の加熱処理用包装体Aの内部圧力が上昇したとき、第二ヒートシールS2が施された帯状接合体dの通蒸誘導部10に対して、この箇所が最先に、逃圧路7を形成させる作用を助長させることができる。
該通蒸誘導部10の形態は、任意のものが選定できるもので、例示的に挙げるとすれば、図9(a)に示すように、帯状接合体dの外端縁d1側にその欠円部(開口部)が位置するように略半円形状に形成した第二ヒートシールS2の未シール部を設ける。この未シール部は、図9(b)に示すようにV字状とすることもできる。
更に、この通蒸誘導部10の形態にあって、図9(c)に示すように、帯状接合体dの外端縁d1から内方へ帯状接合体dを貫通しないように切り込む切れ目であったり、また、図9(d)に示すように、V字状に切り取る切り込みを設けたりする。この切り取りによる通蒸誘導部10は図示してない他の半円形やスリット状など任意の形態が選べる。
したがって、本発明に係る加熱処理用包装体Aおよび食品の加熱処理方法の一実施例は以下に述べる作用を奏する。
加熱処理用包装体Aを電子レンジ等の加熱手段により加熱すると、加熱処理用包装体A内の水分の蒸発や内部空気の膨張により内部圧力が生ずる。
すると、収容体2より上方にあり、かつ、収容体2より強度が弱い蓋体4へ前記内部圧力が掛かる。これにより、図4に示すように、蓋体4が外方へ向かって膨張し、かつ、この膨張に伴って生ずる該蓋体4の緊張により、帯状接合体dにあって、第二ヒートシールS2とこの第二ヒートシールS2が施されていない非ヒートシール部との境部(付け根部)を中心として起立し、帯状接合体dの外端縁d1が上方に向いた起立状態となる。
特に、帯状接合体dにおけるその長さ方向の中間部に、該帯状接合体dの内方へ向かって切り込んだ通蒸誘導部10を設けることにより、前記膨張時にあって、この帯状接合体dの通蒸作用が助長されて円滑に行われる。
そして、帯状接合体dの前記内部圧力に対応する剥離強度の限界に達したとき、前記起立状態において、該帯状接合体dの長さ方向の適所(中間部に発生しやすい)に筒状のオリフィスとなった逃圧路7が形成されて、この逃圧路7によって、加熱処理用包装体A内と外気とが自由に行き来できる連通状態となり、加熱処理用包装体Aの発生内部圧力を外部へ直ちに逃がす。
このとき、この逃圧路7は蓋体4の上面より上方に起立しているので、内容物bの流出が無い。
また、この逃圧路7の形成によって、加熱処理用包装体Aの内部圧力が外部へ逃げた後は、該逃圧路7が、外気を加熱処理用包装体A内へ導入させる筒状の導入路12となる。この導入路12は、前記逃圧路7の形成時に、その筒状で煙突状の形が成形され、かつ、その後、該形態が経時な変化(口が閉じるなど)をすることなく保持される。
そして、容器本体3内から抜け出た空気によって該容器本体3内が負圧になろうとすると、図8に示すように、この導入路12から容器本体3内に十分な外気が流入されるので、加熱処理用包装体Aにおける容器本体3や蓋体4などの変形や破損を未然に防止させることができる。
そのため、容器本体3が包装用容器として用いられるだけではなく、加熱調理時および加熱調理後において、この容器本体3を調理用容器として、食器として何の遜色もなく便利に使用することができる。
なお、帯状接合体dの起立作用に際しては、必ずしも、あらかじめ蓋体4と略平行となる寝た状態から、加熱処理用包装体Aの内部圧力が上昇したときはじめて起立する構成でなくてもよいもので、例えば、可撓性および弾性を帯状接合体dの付け根部(外端縁d1とは他側部)に付与させ、他物による抑止(例えば、重量のあるものがこの上部に載置され、強制的に帯状接合体dが寝かされた状態)が解除されたとき、自然に自立する構成や、前記付け根部に形状保持性(帯状接合部dが任意の角度で保持される状態)を付与させ、あらかじめ寝た状態から、加熱手段による加熱時に、この帯状接合体dを略垂直状態に起立させる構成などがある。
本発明に係る一実施例の食品の加熱処理方法を採用した加熱処理用包装体を示す収容体と蓋体を分離した状態の斜視図である。 図1における加熱処理用包装体を示す縦断正面図である。 図1における加熱処理用包装体の帯状接合体におけるヒートシール状態の各例を示す要部の拡大断面図である。 図1における加熱処理用包装体の通蒸状態を示す縦断正面図である。 図1における加熱処理用包装体の通蒸において帯状接合体が起立した状態を示す斜視図である。 図1における加熱処理用包装体のフランジと蓋体とのヒートシール状態を示す説明図である。 図1における加熱処理用包装体のフランジと蓋体とのヒートシール状態の各例を示す斜視図である。 図1における加熱処理用包装体の外気導入状態を拡大して示す断面図である。 図1における加熱処理用包装体の帯状接合体に施した通蒸誘導部の各例を示す斜視図である。
符号の説明
1…フランジ.2…収容体.3…容器本体.4…蓋体.4a…一方部材.4b…他方部材.5…出し入れ部.6…開口部.A…加熱処理用包装体.S1…第一ヒートシール.S2…第二ヒートシール.b…内容物.d…帯状接合体.10…通蒸誘導部.12…導入路.

Claims (7)

  1. 周縁部にフランジを巡らせ、このフランジの内周部に凹状の収容体を設けた容器本体と、この容器本体の収容体内へ充填した内容物と、前記容器本体のフランジ上面全体へ第一ヒートシールにより貼着して、前記内容物の前記容器本体内への密封包装を行う蓋体とを備えた加熱処理用包装体にあって、
    前記蓋体は、外層の基材層と最内層のシーラント層とを有する一方部材と他方部材とからなるプラスチックフィルムであって、
    前記一方部材と前記他方部材とをそれぞれその内端縁部において、該一方部材と該他方部材における同一シーラント層面同士を合掌状に合わせて第二ヒートシールにより接合させた帯状接合体を設け、
    この帯状接合体は、前記内容物が充填された前記収容体の上方に位置し、加熱手段による加熱によって前記加熱処理用包装体の内部圧力が上昇したとき、該内部圧力を前記加熱処理用包装体の外部へ逃圧させる易開封性シールであり、
    前記フランジと前記蓋体との第一ヒートシールは易開封性シールであることを特徴とする加熱処理用包装体。
  2. 周縁部にフランジを巡らせ、このフランジの内周部に凹状の収容体を設けた容器本体と、この容器本体の収容体内へ充填した内容物と、前記容器本体のフランジ上面全体へ第一ヒートシールにより貼着して、前記内容物の前記容器本体内への密封包装を行う蓋体とを備えた加熱処理用包装体にあって、
    前記蓋体は、外層の基材層と最内層のシーラント層とを有する一方部材と他方部材とからなるプラスチックフィルムであって、
    前記一方部材と前記他方部材とをそれぞれその内端縁部において、該一方部材と該他方部材における同一シーラント層面同士を合掌状に合わせて第二ヒートシールにより接合させた帯状接合体を設け、
    この帯状接合体は、前記内容物が充填された前記収容体の上方に位置し、加熱手段による加熱によって前記加熱処理用包装体の内部圧力が上昇したとき、該内部圧力を前記加熱処理用包装体の外部へ逃圧させる易開封性シールであり、
    前記フランジと前記一方部材または前記他方部材との第一ヒートシールはタイトシールを施し、前記フランジと前記他方部材または前記一方部材との第一ヒートシールは易開封性シールを施したことを特徴とする加熱処理用包装体。
  3. 周縁部にフランジを巡らせ、このフランジの内周部に凹状の収容体を設けた容器本体と、この容器本体の収容体内へ充填した内容物と、前記容器本体のフランジ上面全体へ第一ヒートシールにより貼着して、前記内容物の前記容器本体内への密封包装を行う蓋体とを備えた加熱処理用包装体にあって、
    前記蓋体は、外層の基材層と最内層のシーラント層とを有する一方部材と他方部材とからなるプラスチックフィルムであって、
    前記一方部材と前記他方部材とをそれぞれその内端縁部において、該一方部材と該他方部材における同一シーラント層面同士を合掌状に合わせて、これらシーラント層の間に易開封性ヒートシールテープを介在させて第二ヒートシールにより接合させた帯状接合体を設け、
    この帯状接合体は、前記内容物が充填された前記収容体の上方に位置し、加熱手段による加熱によって前記加熱処理用包装体の内部圧力が上昇したとき、該内部圧力を前記加熱処理用包装体の外部へ逃圧させる易開封性シールであり、
    前記フランジと前記蓋体との第一ヒートシールはタイトシールであることを特徴とする加熱処理用包装体。
  4. 易開封性シールは、常態時の剥離力が、1.8kgf/15mm以下であるもので、90゜℃熱時の剥離力が、400〜1200gf/15mmであることを特徴とする加熱処理用包装体。
  5. タイトシールは、蓋体の開封時、手で容易に第一ヒートシールを引き裂くことができない強度のシールであることを特徴とする請求項2または3記載の加熱処理用包装体。
  6. 帯状接合体は、その長さ方向の中間部に、該帯状接合体の外端縁からこの帯状接合体の幅方向に対して内方へ向かって設けた未シール部や切除部などの通蒸誘導部を形成させたことを特徴とする請求項1,2または3記載の加熱処理用包装体。
  7. 周縁部にフランジを巡らせ、このフランジの内周部に凹状の収容体を設けた容器本体と、この容器本体の収容体内へ充填した内容物と、前記容器本体のフランジ上面全体へ第一ヒートシールにより貼着して、前記内容物の前記容器本体内への密封包装を行う蓋体とを備えた加熱処理用包装体にあって、
    前記蓋体は、外層の基材層と最内層のシーラント層とを有する一方部材と他方部材とからなるプラスチックフィルムであって、
    前記一方部材と前記他方部材とをそれぞれその内端縁部において合掌状に第二ヒートシールにより接合させ、加熱手段による加熱によって前記加熱処理用包装体の内部圧力が上昇したとき、該内部圧力を外部へ逃圧させる易開封性シールである帯状接合体を設け、
    前記加熱処理用包装体の加熱手段による加熱は、前記蓋体が上部へ向くように前記加熱手段に載置され、
    前記帯状接合体は、
    加熱手段による加熱前は、前記蓋体の上面に沿った略平滑状に傾倒し、加熱手段による加熱時には、前記加熱処理用包装体内の上昇した内部圧力によって前記蓋体の緊張により起立して、前記帯状接合体の外端縁が上方に向き、
    前記帯状接合体の前記内部圧力に対する剥離強度の限界に達したとき、前記起立状態において、該帯状接合体に筒状の逃圧路を形成させ、前記加熱処理用包装体の内部圧力を外部へ逃がすと共に、
    前記逃圧路において、前記加熱処理用包装体外の外気を導入させる筒状の導入路を形成させることを特徴とする食品の加熱処理方法。
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