JP2005065971A - 使い捨てパンツ型オムツの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 股部分を開閉自在とした使い捨てパンツ型オムツを連続的に製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 脚用弾性部材11を挟んだ前身頃用シート部材127と、脚用弾性部材12を挟んだ後身頃用シート部材128を一部重ね、この重なった箇所で且つ脚周り開口53内となる箇所及びその近傍で、接合する(仮接合部35)[仮接合工程]。これに各種部材を取り付けた後、脚周り開口部分36を切除する[脚周開口形成工程]。仮接合部35によってシートの走行が安定する。この仮接合部35の大部分は脚周開口形成工程で切除されるので、問題は生じない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、使い捨てパンツ型オムツの製造方法に関し、特に股部分が開閉自在な使い捨てパンツ型オムツの製造方法に関するものである。
使い捨てオムツは、平板状のオムツ展開体から使用時に左右翼部及び股部を綴じ合わせて着用させる展開型オムツと、パンツの形状をしたパンツ型オムツに大別される。該パンツ型オムツは着用操作が立ち姿勢で容易に行え、また成人着用者にとっては下着感覚で着用できて抵抗感が比較的小さいといった利点を有することから、近年普及が進んでいる。
ところでパンツ型オムツは、これを取り替える際に、外側に着用しているズボンやタイツを一旦脱いで、汚れたパンツ型オムツを新しいパンツ型オムツに取り替え、再びズボン等を着用するという手順で替えなければならないことから、取り替えに手間を要する。
そこで特許文献1では、パンツ型オムツの股部分を開閉自在としたものが提案されており、具体的には図12〜14[図12は従来の使い捨てパンツ型オムツ(その1)77の斜視図、図13はその縦断面、図14はその着用手順を説明する為の斜視図]に示す様に該パンツ型オムツ77は、前身頃71の下方片72と後身頃73の下方片74とを着脱可能に取り付ける様にしたものであり(ループ状部材78にフック状部材79を係合する)、下方片72,74を係合させた際には左右一対の脚周り開口53がそれぞれ形成され、下方片72,74の係合を外した際には左右の脚周り開口53が一続きの開口76となる(即ちオムツが筒状になる)ものである。尚これら前・後身頃71,73(特に下方片72,74の部分)には吸収体75がそれぞれ設けられている。
該パンツ型オムツ77は着用に際して、膝下までずり下ろしたズボン等の上から、股部分を開けた状態のパンツ型オムツ77を通してウエスト部分まで引き上げ(図14)、次いでオムツの股部分を閉じた後(図12,13)、上記ずり下ろしたズボン等を引き上げる様にするというものであり、ズボン等を完全に脱いでしまう必要がなく、取り替え時の手間が省ける。該パンツ型オムツ77を取り外す際には、左右の脇線接合部(脇線部51)を剥離して、着用者の股間からオムツ77を引き出せる様になっている。
また他に特許文献2には、股部分が開閉自在なパンツ型オムツとして、股下よりも前側(腹側)の位置を前・後身頃の下端部分62b,62c,63b,63cの合わせ目とし、前身頃62の下端部分62bの肌側面に第1下部係合域64、及びこの第1下部係合域64よりも上方62cに第1上部係合域65を設け、また後身頃63の下端部分63bの肌側面に第2係合域66、及びこの第2係合域66よりも上方63cであって後身頃63の外面に第3係合域67を設けたものが示されている(図16:従来の使い捨てパンツ型オムツ(その2)の斜視図、図17:図16に示すA−A線断面図)。
着用に際しては、前身頃62の下方部分を捲り上げて第1上部係合域65と後身頃63肌側面の第2係合域66を係合し(図15:従来の使い捨てパンツ型オムツ(その2)の着用手順を説明する為の斜視図)、次いで上記後身頃63の下端部分63b(第2係合域66の存在する部分)を外側に折り返すと共に、捲り上げていた前身頃62を戻し、前身頃62の第1下部係合域64と後身頃63外面の第3係合域67を係合させるというものである(図16,17)。
特開平9−566号公報(特に図1〜3、段落〔0011〕,〔0023〕) 特開2001−252304号公報
上述の様に股部分を開閉自在としたパンツ型オムツは、ズボン等の外衣を完全に脱がずにずり下ろすだけで着用することができるという利点があり、有用であるものの、工業的に連続して製造する方法については上記特許文献1,2にも示されておらず、大量生産を可能化ならしめる為には、連続的製造方法の実現が要望されている。
そこで本発明は、股部分を開閉自在とした使い捨てパンツ型オムツを連続的に製造する方法を提供することを目的とする。
以下で本発明を述べるにあたり、理解の助けとなる様に、後述する図に用いた符号を適宜付して説明するが、本発明は図に示す例に限定されるものではない。
本発明に係る使い捨てパンツ型オムツの製造方法は、前身頃41が腹部片42とこれに続く下方片(以下、前身頃下方片と称することがある)43を備え、後身頃44が背部片45とこれに続く下方片(以下、後身頃下方片と称することがある)46を備え、前記腹部片42と前記背部片45が脇線部51で接合されてこれらの上縁において胴周り開口52を形成し、前記腹部片に続く下方片43と前記背部片に続く下方片46がそれぞれの着脱域同士で着脱自在に取り付けられて左右一対の脚周り開口53を形成し、前記胴周り開口近傍及び前記脚周り開口近傍にそれぞれ弾性部材(弾性部材10,11,12等)が配置され、前記前身頃用のシート部材と前記後身頃用のシート部材が、積層した少なくとも第1,第2の2枚のシート27a,27b,28a,28bでそれぞれ形成されている使い捨てパンツ型オムツを、オムツ横方向(左或いは右方向)に進行させつつ連続的に製造する方法であって、
前記第1の前身頃シート(前側内装シート27a)の原料反127aと前記第1の後身頃シート(後側外装シート28a)の原料反128aとの相対応する前記着脱域(例えば第2の係合域14と第3の係合域34)の少なくとも一方に、上記両着脱域を着脱可能とする着脱部材を設ける着脱部材取付工程と、
前記第1の前身頃シートの原料反127aと前記第1の後身頃シートの原料反128aを一部重ねる様にして供給し、この重なり部分において前記脚周り開口内の箇所(仮接合部35)で接合する仮接合工程と、
前記第2の前身頃シート(前側外装シート27b)の原料反127bと前記第1の前身頃シートの原料反127aの間、並びに前記第2の後身頃シート(後側内装シート28b)の原料反128bと前記第1の後身頃シートの原料反128aの間における前記脚周り開口近傍位置に前記弾性部材を挟む脚周弾性部材配置工程と、
前記第1,第2の前身頃シートの原料反127a,127bのいずれか一方或いは両方により前記弾性部材を挟み、また前記第1,第2の後身頃シートの原料反128a,128bのいずれか一方或いは両方により前記弾性部材を挟む胴周弾性部材配置工程と、
オムツの股の位置に吸収性部材18を配置する吸収体配置工程と、
前記着脱部材取付工程,前記仮接合工程,前記脚周弾性部材配置工程,前記胴周弾性部材配置工程,並びに前記吸収体配置工程の後に、前記各原料反における前記脚周り開口部分を切除する脚周開口形成工程と
を備えたことを特徴とする。
以上の方法により、股部分の開閉自在な使い捨てパンツ型オムツを、工業的に連続して製造することができる。
しかも上記仮接合工程により、第1の前身頃シート原料反127aと第1の後身頃シート原料反128aが接合されるから、この仮接合工程以降は第1の前・後身頃シート原料反127a,128aが一体となって流れることになり、走行が安定する。
また仮接合工程以降の製造過程は、股部分を開けることのできない通常の使い捨てパンツ型オムツ(以下、通常のパンツ型オムツと称することがある)の製造方法とほぼ同様に行うことができるので、既存の製造設備を利用することができる。
つまり上記通常のパンツ型オムツの製造方法は、まず左右の脇線部が開いた状態で形成し、製造過程の終盤でオムツの上下方向を折り返して左右の脇線部を接合するという方法で行われるものであり、つまり各種部品の取り付けは、前身頃・後身頃に分かれていない長尺シートに対して行われる。しかしこの製造法を股部分の開閉自在な使い捨てパンツ型オムツに応用しても、左右の脇線部を取り付けていない状態では、前身頃と後身頃が分かれていることから、シートの走行が不安定となる虞がある。しかし本発明においては上記仮接合工程以降で、前身頃側の原料反127aと後身頃側の原料反128aが接合されて一体となるので、通常のパンツ型オムツを製造する為の既存設備をほぼ利用できる。従って新規設備を導入しなくて済み、設備コストをあまりかけることなく、工業生産が可能となる効果もある。
そして上記仮接合工程において接合した箇所(仮接合部35)は、上記脚周開口形成工程において脚周り開口を空ける為に切除される部分であるから、たとえ上記接合箇所(仮接合部35)において強力に接合されていても、出来上がり製品に何ら支障がない。尤も、上記接合箇所(仮接合部35)を剥離可能な程度に接合する場合には、該接合箇所(仮係合部35)が上記切除範囲(脚周り開口部分36)をはみ出ても構わず、この場合は製品使用時に、上記はみ出た箇所の接合箇所(仮係合部35)を剥離して、股部分を開ける様にすれば良い。また、切除範囲(脚周り開口部分36)では強力に接合し、切除範囲からはみ出た部分では剥離可能に接合する様にしても良い。
なお本発明において、上記着脱部材取付工程,仮接合工程,脚周弾性部材配置工程,胴周弾性部材配置工程,吸収体配置工程の各工程は、いずれの順に行っても良い。
とは言え、仮接合工程をなるべく早い製造段階で行えば、既存の通常のパンツ型オムツ製造設備の利用割合を高くできるので好ましい。
また前身頃側,後身頃側のそれぞれに対して前記脚周弾性部材配置工程を行い、その後前記仮接合工程を行い、その後前記胴周弾性部材配置工程及び前記吸収体配置工程を行っても良い。この場合は、前身頃側と後身頃側で脚周弾性部材を別々の素材や制御条件(例えば伸長力,軌跡)で導入し易い。更に前身頃側と後身頃側で異なるシート材料を異なった制御条件で形成し易くなる。
或いは前身頃側,後身頃側のそれぞれに対して前記脚周弾性部材配置工程及び前記胴周弾性部材配置工程を行い、その後前記仮接合工程を行い、その後前記吸収体配置工程を行っても良い。上記と同様に、前身頃側と後身頃側で脚周弾性部材を別々の素材や制御条件(例えば伸長力,軌跡)で導入し易く、また前身頃側と後身頃側で異なるシート材料を異なった制御条件で形成し易くなる。
尚上記着脱部材取付工程において「相対応する前記着脱域の少なくとも一方に、…着脱部材を設ける」とは、着脱可能な一対の着脱部材を第1の前・後身頃シート原料反127a,128aにそれぞれ取り付けるか、或いは着脱可能な着脱部材を一方のみに取り付けるという意味である。着脱可能に着脱する部材としては、面ファスナー等の機械的係合部材が代表例として挙げられるが、この機械的係合部材のうちの雌型係合部材にあっては、第1の前身頃シート或いは第1の後身頃シートとして、雄型係合部材と係合可能な不織布や編物を用いた場合には、その第1の前・後身頃シート自身が雌型係合部材としての役目を果たすことから、敢えて雌型係合部材を取り付ける必要がない。従ってこの様な場合には第1の前・後身頃シート原料反127a,128aの一方のみに雄型係合部材を取り付ければ良い。
また本発明により製造される使い捨てパンツ型オムツのタイプとしては、前記第1,第2の前身頃シート27a,27b,前記第1,第2の後身頃シート28a,28bのうちの外側のシートに不透液性シート(バックシートとなる)を用い、肌側(内側)のシートに透液性シート(トップシートとなる)を用い、これらの間に吸収性部材を挟むタイプ(挟みタイプ)であっても良く、或いは前身頃用シート部材(前記第1,第2の前身頃シート27a,27b)及び/または後身頃側シート部材(前記第1,第2の後身頃シート28a,28b)上に吸収性部材18が載置されるタイプ(別載せタイプ)であっても良い。尚別載せタイプの場合は吸収性部材自身に、透液性のトップシートと不透液性のバックシートを備えたものを用いると良い。
ところで本発明の製造方法は、上記従来の使い捨てパンツ型オムツ(その1)77の様に、股部分における着脱域の組が1つのパンツ型オムツを連続的に製造することができるだけでなく、着脱域の組が2つのパンツ型オムツの場合にも連続的に製造することができる。
この2組の着脱域を有するパンツ型オムツの製造方法に関し、更に好ましい態様について述べると、
本発明において、前記腹部片42に続く下方片(前身頃下方片)43が、表側に位置する様に垂設される外側片48と、肌側に位置する様に垂設される肌側片17の2片を備え、前記肌側片17の外面に第1の着脱域13が設けられ、前記外側片48の肌側面に第2の着脱域14が設けられたものであり、
前記背部片45に続く下方片(後身頃下方片)46が、前記後身頃用のシート部材と前記吸収性部材18を備えたものであり、該後身頃下方片(背部片に続く下方片)46の外面に前記第2の着脱域14と着脱可能な第3の着脱域34を有すると共に、該後身頃下方片(背部片に続く下方片)46の前記吸収性部材18における肌側面に前記第1の着脱域13と着脱可能な第4の着脱域16を有するパンツ型オムツを製造する方法であって、
前記着脱部材取付工程において、前記第1の前身頃シートの原料反127aにおける着脱域が前記第2の着脱域で、前記第1の後身頃シートの原料反128aにおける着脱域が前記第3の着脱域であり、
また前記吸収体配置工程が、前記第1,第2の後身頃シートの原料反128a,128bに対して前記吸収性部材18を配置するものであり、
前記肌側片17と吸収性部材18との相対応する着脱域(第1の係合域13と第4雄型係合部材16)の少なくとも一方に、これら着脱域を着脱可能とする着脱部材を設ける(例えば第4雄型係合部材16)第1・4着脱部材取付工程と、
前記吸収体配置工程及び前記第1・4着脱部材取付工程の後、前記肌側片17の原料反を、前記吸収性部材18並びに前記第1,第2の前身頃シートの原料反127a,127b上に載置する肌側片載置工程と
を備えたことが好ましい。
これにより、上記の如く前身頃下方片43が外側片48と肌側片17の2片を有し、第1〜4の着脱域を備えた使い捨てパンツ型オムツを製造することができる。
更に前記第1・4着脱部材取付工程において、吸収性部材18の第4の着脱域に着脱部材(第4雄型係合部材16)を形成するのが好ましい。第1,4の係合域のいずれか一方に着脱部材を設ける場合において、肌側片17の第1の着脱域に着脱部材を形成することに比べて、吸収性部材18に着脱部材を形成する方が、第4の着脱域への着脱部材(第4雄型係合部材16)の位置決めが容易だからである。
加えて前記肌側片載置工程において、前記肌側片17の原料反117として、予めシート29,49に保形部材15及び/または肌側片用弾性部材31を設けたものを用い、これを前記吸収性部材18並びに前記第1,第2の前身頃シート27a,27bの原料反上に載置するのが好ましい。この製造方法によれば、予め保形部材15や肌側片用弾性部材31を備えた肌側片17の原料反としてから、吸収性本体18に載せていく構成であるので、吸収性本体18に対する保形部材15の位置決めを行い易い。
以上の様に本発明に係る製造方法によれば、股部分を開閉自在とした使い捨てパンツ型オムツを連続的に製造することができ、工業的に大量生産することが可能となる。
<実施形態1>
図1,2は、本発明の実施形態1に係る使い捨てパンツ型オムツの製造方法を説明する為の図であり、オムツ製造ラインを表す。オムツ製造ラインは、出来上がりオムツ製品の横方向に進行し(横流れ法)、図1,2では左側から右側に向かって流れている。また本実施形態1では、上記別載せタイプ(2枚の前身頃シートや2枚の後身頃シート上に吸収性部材18が載置されるタイプ)であって着脱域が1組の使い捨てパンツ型オムツが得られることになる。尚以下、位置関係を説明するにあたり、図における上側を上、下側を下と言うことがある。
製造のあたっては図1に示すように、先ず、第1の前身頃シート原料反127aに対して第2の前身頃シート原料反127bを供給しつつ、これら原料反127aと原料反127bの間に糸状の前側脚用弾性部材11を挟んで接着剤で接着する[前身頃側の脚周弾性部材配置工程]。一方第1の後身頃シート原料反128aに対して第2の後身頃シート原料反128bを供給しつつ、これら原料反128aと原料反128bの間に糸状の前側脚用弾性部材12を挟んで接着剤で接着する[後身頃側の脚周弾性部材配置工程]。尚この際、脚用弾性部材11,12は脚繰りの開口に沿う様に揺動させて配置する。
次いで第1の前身頃シート原料反127aにおける図での上側の側縁近傍に、第2雄型係合部材(第2の着脱域)14(着脱部材)を接着剤で接着する[着脱部材取付工程]。尚ヒートシールや超音波接着等により第2雄型係合部材14を取り付ける様にしても良い。
続いて前記第1の前身頃シート原料反127a−第2の前身頃シート原料反127b積層シート(前身頃用シート部材127)と、前記第1の後身頃シート原料反128a−第2の後身頃シート原料反128b積層シート(後身頃用シート部材128)とを、図に示す様に一部重ね、この重なった箇所で、且つ製品となった際に脚周り開口53内となる箇所及びその近傍で、上記前・後身頃用シート部材127,128を熱融着により接合する[仮接合工程]。この接合箇所を仮接合部35と称する。仮接合部35の接合強度は人が手で剥離できる程度とする。
そして吸収性部材18(トップシートとバックシートの間に吸収性コアを挟んだもの)を、上記前・後身頃用シート部材127,128のオムツの股の位置に載置し、後身頃用シート部材128に対して接着剤で接着する[吸収体配置工程]。
次に図2に示すように、糸状のウエスト用弾性部材10を供給しつつ、第2の前身頃シート原料反127bの図における下端部分(オムツ製品としては上端の胴回り部分)、及び前記第1の後身頃シート原料反128aの図における上端部分(オムツ製品としては上端の胴回り部分)をそれぞれ折返し(矢印G)、上記ウエスト用弾性部材10を挟んで接着する[胴周弾性部材配置工程]。
その後、前・後身頃用シート部材127,128における脚周り開口部分36を切除する[脚周開口形成工程]。この工程により脚周り開口53が形成され、開口53内の仮接合箇所35が取り除かれることとなる。尤も本実施形態1では、脚周り開口部分36から外れた仮接合箇所35は切除されずに残ることになるが、この仮接合箇所35は手で剥離可能な程度に接合されているだけであるので、出来上がり製品のオムツの着用にあたっては、これを剥離して簡単に股部分を空けることができる。尚仮接合箇所35が上記の様に除去されずに少し残っている方が、以降の工程においてシートの一体性を補強し続けることができて好ましい。尚上記脚周り開口部分36とは、脚周り開口53を空ける前の開口内シートのことを言う。また図中、2点鎖線で示す36aは切断予定線である。
続いて、オムツ製造ラインの流れの幅方向を2つ折りに折返し(矢印F)、パンツ型オムツの脇線部51に相当する箇所を手で剥離可能な程度に接合する。この隣接する2つの脇線部51の間の切断線82で切断し、個々のパンツ型オムツに分離する。
以上のようにして得られた使い捨てパンツ型オムツは股部分が開閉自在なものであり、具体的には前身頃下方片に設けられた第2雄型係合部材(フック型係合部材)14と、これに対向する後身頃下方片の部分(後身頃下方片の外側面は雌型係合部材としての機能を有する不織布からなる)とが係脱自在となっており、これにより股部分が開閉できる様になったものである。尚股部分を開けた際には、吸収性部材18は後身頃の一部として後身頃側に連なった形となる。上述の如く吸収性部材18を後身頃用シート部材128に対して接着してあるからである。
この様に実施形態1によれば股部分の開閉自在な使い捨てパンツ型オムツを連続的に製造し得る。また製造過程において、仮接合部35により前・後身頃用シート部材127,128が一体化されるから、両シート部材127,128が安定して走行する。そして上記仮接合部35は製造過程終盤の脚周開口形成工程においてその殆どが切除され、また切除されずに残った仮接合部35も手で剥離可能な程度の接合であるから、出来上がり製品を使用する上で何ら支障とならない。
<実施形態2>
以下に本発明に係る使い捨てパンツ型オムツの製造方法の実施形態2について説明するが、先ずこの実施形態2で製造される使い捨てパンツ型オムツ50の構成について説明する。尚このパンツ型オムツ50は上記別載せタイプ(前身頃用シート部材(前記第1,第2の前身頃シート27a,27b)や後身頃用シート部材(前記第1,第2の後身頃シート28a,28b)上に吸収性部材18が載置されるタイプ)であり、また上記着脱域の組が2つあって、これら着脱域の組には係脱可能な係合部材が用いられている。
図3は該使い捨てパンツ型オムツ50を示す正面図であり、図4は図3に示すB−B線断面図である。また図5,6はこの使い捨てパンツ型オムツ50の着用手順を説明する為の正面図であり、図7はこの使い捨てパンツ型オムツ50の両脇線部51を外して展開した状態を表す肌側面からの図、図8は図7に示すC−C線断面図、図9は図7に示すD−D線断面図である。
該パンツ型オムツ50は前身頃41と後身頃44からなり、前身頃41は腹部片42とこれに続く前身頃下方片43からなり、後身頃44は背部片45とこれに続く後身頃下方片46からなる。
この後身頃下方片46は、上記背部片45から連続する後身頃下方片シート47と、吸収性部材18からなり、この吸収性部材18は後身頃下方片シート47の肌側面にその垂下端47eを少し超えてはみ出る様に位置して取り付けられている。尚吸収性部材18と後身頃下方片シート47は接着剤32によって固定されている。この後身頃下方片46は着用者の股部を超えて腹部下方に至る長さとなっている。
上記背部片45及び後身頃下方片シート47は後側内装シート(第2の後身頃側シート)28bと後側外装シート(第1の後身頃シート)28aのそれぞれ一続きのシートが積層されて構成されたものであり、これらシート28b,28aの間に後側脚用弾性部材12が挟まれる様にして接着されている。また後側外装シート28aの端縁を折り返してウエスト用弾性部材10を挟み、接着されている。後側外装シート28aは、後述の雄型係合部材(第2の着脱域)14(例えばフック型係合部材)が係合可能な不織布からなる。当該不織布としては、後述する様にスパンボンド不織布やポイントボンド不織布,エアースルー不織布等が挙げられ、要は雄型係合部材14と係合可能であれば良い。尚この後側外装シート28aにおける後身頃下方片シート47の下側部分が第3の着脱域(第3の係合域34)となる。
上記吸収性部材18は肌側に透液性のトップシート20、外側に不透液性のバックシート21を配置して、これらシート20,21の間に吸収性コア(吸収体)19を挟んだ構造となっており、更に吸収性部材18の長手方向の両側縁部分には側縁取付シート26が取り付けられ、この側縁取付シート26に挟み込まれる様にして股下用弾性部材25が配置されている。また吸収性部材18の両側縁近傍にはその肌側に不透液性の横漏れ防止シート22が取り付けられている。この横漏れ防止シート22の中央側端縁22aは自由端になっており、この中央側端縁22a部分に立体ギャザー用弾性部材24が取り付けられている(長手方向側縁に弾性部材24が配されることとなる)。
また横漏れ防止シート22の垂下端46eの両角部分にはその肌側面に雄型係合部材16(例えばフック型係合部材)が取り付けられている。この2つの雄型係合部材16が第4の着脱域となる。尚、この係合部材16を第4雄型係合部材16と称することがある。
上記前身頃41の前身頃下方片43は肌側片17と外側片48の2片に分かれており、肌側片17は外側片48よりも短く、外側片48は肌側片17の外側面を覆う位置であり、肌側片17が外観から隠れる様になる。腹部片42及び外側片48は前側内装シート(第1の前身頃シート)27aと前側外装シート27bのそれぞれ一連のシートが積層されて構成されたものであり、これらシート27a,27bの間に前側脚用弾性部材11が挟まれる様にして接着されている。また前側外装シート(第2の前身頃シート)27bの端縁を折り返してウエスト用弾性部材10を挟み、接着されている。
外側片48の垂下端48eの近傍にはその肌側面に雄型係合部材14が取り付けられている。この雄型係合部材14が第2の着脱域となる。尚、この係合部材14を第2雄型係合部材14と称することがある。
上記肌側片17は、吸水性を有する保形部材15(例えば上記吸収性コア19と同じ素材でサイズの小さいものを用いると良い)を肌側の肌側片肌面シート29と外側の肌側片外面シート49で挟んだものであり、この肌面シート29及び外面シート49の上端部分17uが上記腹部片42に接続された構造となっている。上記保形部材15の肌側片17における位置は、左右方向としてはその中央であり、高さ方向としては下方部分である。肌面シート29は透液性であり、また肌側片外面シート49は上記第4雄型係合部材16が係合可能な不織布からなる。当該不織布としては、上記と同様にスパンボンド不織布等が挙げられ、要は第4雄型係合部材16と係合可能であれば良い。尚この肌側片外面シート49において保形部材15の位置する箇所が第1の着脱域(第1の係合域13)となる。更に保形部材15の左右両側には糸状の肌側片用弾性部材31が左右方向に肌側片肌面シート29と肌側片外面シート49に挟まれる様にして配置されている。尚肌面シート29と肌側片外面シート49を一続きのシートから構成し、このシートで保形部材15や肌側片用弾性部材31を包む様に挟んでも良い。
また第1の係合域13と第2雄型係合部材14の高さ方向の位置関係としては、第2雄型係合部材14が第1の係合域13よりも下方に位置しており、これらが上記第3の係合域34、第4雄型係合部材16と係合したとき、これら2つの係合が厚み方向に重ならない様になっている。
前身頃41の腹部片42及び前身頃下方片43の上方部分と、後身頃44の背部片45とは左右の脇線部51で剥離可能に接合されており、腹部片42,背部片45の上縁において胴周り開口52が形成される。また前身頃下方片43と後身頃下方片46を係合した際に形成される左右一対の開口が、脚周り開口53となる。尚ウエスト用弾性部材10によって胴周りがフィットする様になっており、前身頃41の前側脚用弾性部材11及び後身頃44の後側脚用弾性部材12と股下用弾性部材25によって、脚繰りがフィットする様になっている。また上記脇線部51は、股部分を開けることのできない通常の使い捨てパンツ型オムツと同様に、はき脱ぎするときには破れず、使用後に外すときには手で破れる程度に接合されたものとなっている。
次に上記使い捨てパンツ型オムツ50の製造方法の一例について述べる。
図10,11は、本発明の実施形態2に係る使い捨てパンツ型オムツの製造方法を説明する為の図であり、オムツ製造ラインを表す。オムツ製造ラインは、出来上がりオムツ製品の横方向に進行し(横流れ法)、図10,11では左側から右側に向かって流れている。尚製造過程における原料反と、出来上がり製品(オムツ50)の各シートとの対応関係については、第1の前身頃シート原料反127aが前側内装シート27a、第2の前身頃シート原料反127bが前側外装シート27b、第1の後身頃シート原料反128aが後側外装シート28a、第2の後身頃シート原料反128bが後側内装シート28bとなる。
まず上記実施形態1と同様に、脚周弾性部材配置工程、着脱部材取付工程、仮接合工程を行う。
他方、吸収性部材18として、トップシート20とバックシート21の間に吸収性コア19を挟み、この両側部分(脚繰り部分)に、股下用弾性部材25を挟んだ側縁取付シート26と、立体ギャザー用弾性部材24を挟んだ横漏れ防止シート22とを接着たものを作製する。尚この吸収性部材18の製造法は従来と同様である。更に該吸収性部材18の一方辺(出来上がり製品(オムツ50)における横漏れ防止シート22の垂下端46eに相当)の両角部分におけるその肌側面に、第4雄型係合部材16を接着する[第1・4着脱部材取付工程]。尚上記吸収性部材一方辺の両角部分はシートの段差の少ないところであるので、第4雄型係合部材16の位置決めをし易い。
この第4雄型係合部材16を備えた吸収性部材18を、上記仮接合工程後の前・後身頃用シート部材127,128におけるオムツの股の位置に載置し、後身頃用シート部材128(原料反128a,128bの積層シート)に対して接着剤で接着する[吸収体配置工程]。
次いで肌側片17の原料反117として、予めシート29,49に保形部材15及び肌側片用弾性部材31を挟んだものを用い、この肌側片原料反117を前記吸収性部材18上、並びに前身頃用シート部材127(前記第1,第2の前身頃シート原料反127a,127bの積層シート)上に載置して、図での下端縁(オムツ製品としては上端部分17u)で接着剤により接着する[肌側片載置工程]。
その後図11に示す如く、上記実施形態1の方法と同様に、糸状のウエスト用弾性部材10を供給しつつ、第2の前身頃シート原料反127bの図における下端部分(オムツ製品としては上端の胴回り部分)、及び前記第1の後身頃シート原料反128aの図における上端部分(オムツ製品としては上端の胴回り部分)をそれぞれ折返して(矢印G)、上記ウエスト用弾性部材10を挟んで接着し[胴周弾性部材配置工程]、次いで前・後身頃用シート部材127,128における脚周り開口部分36を切除して脚周り開口53を形成する[脚周開口形成工程]。この工程により脚周り開口53内の仮接合箇所35が取り除かれる。その後、オムツ製造ラインの流れの幅方向を2つ折りに折返し(矢印F)、パンツ型オムツの脇線部51に相当する箇所を手で剥離可能な程度に接合し、続いてこの隣接する2つの脇線部51の間の切断線82で切断して、個々のパンツ型オムツ50に分離する。
以上の様にして図3に示す使い捨てパンツ型オムツ50(2組の着脱域(第1〜4の着脱域)を備えたパンツ型オムツ)が連続的に製造される。また上記製造方法によれば、仮接合部35により前・後身頃用シート部材127,128が一体化されるから、両シート部材127,128が安定して走行する。そして上記仮接合部35は製造過程終盤の脚周開口形成工程においてその殆どが切除され、また切除されずに残った仮接合部35も手で剥離可能な程度の接合であるから、出来上がり製品を使用する上で何ら支障とならない。
以上本発明に係る使い捨てパンツ型オムツの製造方法に関して、例を示す図面を参照しつつ具体的に説明したが、本発明はもとより図示例に限定される訳ではなく、前記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
例えば上記仮接合工程のとき、後身頃用シート部材128の肌側面(第1の後身頃シート原料反128aの方の面)の第3の係合域34の箇所に第2雄型係合部材14を係合させる様にしても良い。或いは前身頃用シート部材127と後身頃用シート部材128を一部重ねるに際して、第3の係合域34と第2雄型係合部材14が対応しない様に、即ち対応位置からずれる様にしてシート部材127,128を重ねても構わない。具体的に説明すると、図1,2に示す例では後身頃用シート部材128における第3の係合域34の位置が第2雄型係合部材14に対して丁度対応するように、前身頃用シート部材127に対して後身頃用シート部材128が重ねられているが、この対応位置よりも、前・後身頃用シート部材127,128を深く重ねる、或いは浅く重ねるようにしても良い。この様にして製造しても、出来上がったパンツ型オムツ製品を着用するに際しては、上記深く重なった、或いは浅く重なった部分を着用に適した重なり程度に調節すれば済むので、支障はない。尚脚用弾性部材11,12の配置や吸収性部材18の配置を勘案して、前・後身頃用シート部材127,128の重ねる程度を決定すると良い。
加えて上記実施形態では仮接合部35を熱融着により接合する場合を示したが、例えば超音波接着や、ホットメルト接着剤を用いた接着によって接合しても良く、またその他の接着剤や粘着剤等を用いて接合する様にしても良い。
また上記実施形態では、2枚の第1,2の後身頃シート原料反128a,128b上に吸収性本体18を取り付けるものを示したが、2枚の第1,2の後身頃シート原料反128a,128bの間に吸収コアを配する様にしたもの(挟みタイプ)であっても良い。尚この場合は肌側(内装側)になるシート原料反に透液性シートを用い、外側(外装側)になるシート原料反に不透液性のシートを用いると良い。
更に製造するパンツ型オムツとして、腹部片42や背部片45(或いは前身頃71,62や後身頃73,63)(ウエスト用弾性部材10と脚用弾性部材11,12の間の任意の位置)に横方向に複数のボディフィット用弾性部材を適宜配置したものを製造する場合には、(1)上記脚周弾性部材配置工程において、脚用弾性部材11,12を供給配置するのと同時、或いはその手前で上記ボディフィット用弾性部材を供給配置して原料反127aと原料反127bの間や原料反128aと原料反128bの間に挟んで接着する、或いは(2)上記胴周弾性部材配置工程において、ウエスト用弾性部材10を供給配置するのと同時、或いはその前後で上記ボディフィット用弾性部材を供給し、第1の前身頃シート原料反127aと肌側片17原料反117の間や、第1の後身頃シート原料反128bとこの上に積層する押さえシートの間に挟んで接着する様にしても良い(尚、上記押さえシートや肌側片原料反117が重なる分だけ第2の前身頃シート原料反127bや第2の後身頃シート原料反128b等として幅の狭いものを用い、積層数が多くなって分厚くなるのを防ぐ様にしても良い)。
尚以下に、上記実施形態1,2等で製造するパンツ型オムツの各部品の素材について、より詳しく例示する。
前側内装シート27a(第1の前身頃シート原料反127a),後側内装シート28b(第2の後身頃シート原料反128b)としては、スパンボンド不織布,メルトブロー不織布,SMS不織布,ポイントボンド不織布,エアースルー不織布等の、通気性がある不織布材料が挙げられ、特に捲縮がかかった繊維を有するスパンボンド不織布が好適である。目付量としては10〜35g/m2が好ましい。その材料としてはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、ポリアミド等が挙げられ、これらの単一成分からなる繊維であっても良いし、芯鞘型や分割型の配置とした複合繊維であっても良い。芯鞘型繊維の場合は、芯の位置を偏心させておくことにより、溶融紡糸させて延伸する際に容易に捲縮をかけることができる。また異形の断面形状としておけば、溶融紡糸して延伸する際に、空気抵抗を受けて捲縮がかかり易くなる。このうちでもポリプロピレン単一成分の繊維で、断面を異形形状とし、且つ捲縮が掛かった繊維がより好ましい。更に好ましくは、繊維同士を熱圧着する際のエンボスパターンが、2.0〜5.0mmピッチで、エンボス率が6.0〜8.5%、各エンボス部分の直径が0.2〜1.5mmのものである。また親水化(界面活性剤を塗布する、或いは親水性繊維(レーヨン、コットン等)を若干混ぜる)しても良い。親水化することにより、肌に当接した場合の感触がより良好になったり、また吸汗したりする効果が期待できる。
前側外装シート27b(第2の前身頃シート原料反127b),後側外装シート28a(第1の後身頃シート原料反128a)としては、スパンボンド不織布,メルトブロー不織布,SMS不織布(メルトブロー不織布を2枚のスパンボンド不織布で両側から挟み込みヒートエンボス加工して得られる不織布)等の、通気性があって撥水性である不織布材料が挙げられる。好ましくは、目付10〜25g/m2の撥水性不織布材料である。殊に後側外装シート28aに、捲縮のかかった繊維を有するスパンボンド不織布や、嵩高なエアースルー不織布を用いれば第3の係合域34の箇所において第2雄型係合部材14と係合し易くなって好ましい。尚第3の係合域34に相当する部分のみに第2雄型係合部材14と係合可能な不織布や編布,織布を別付けで配置する様にしても良い。
肌側片17の肌側片肌面シート29や肌側片外面シート49としては、透液性の不織布材料、例えばセルロース,レーヨン,コットン等の親水性繊維を用いた不織布材料、あるいは疎水性繊維(ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリエステル,ポリアミド,ナイロン等)の表面を界面活性剤により処理して透液性とした不織布材料、また肌側面のみを親水化して通気性があり撥水性の不織布材料(スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、SMS不織布等)等が用いられる。殊に肌側片肌面シート29としては、目付10〜25g/m2の疎水性繊維の表面を界面活性剤により処理して透液性とした透液性の不織布材料(ポイントボンド不織布、エアースルー不織布、スパンボンド不織布等)が好適に用いられる。また肌側外面シート49としては前述の様に第4雄型係合部材16と係脱自在な不織布であることが好ましく、例えば捲縮がかかった繊維を有するスパンボンド不織布や、嵩高なエアースルー不織布が好適に用いられる。尚第1の係合域13に相当する部分のみに、第4雄型係合部材16と係合が可能な不織布や編布,織布を別付けで配置する様にしても良い。
保形部材15としては、上述の様に吸収体を用いるのが好ましく、透水性不織布やティッシュペーパーの間に高吸水性樹脂粉末を挟んだポリマーシートや、パルプ繊維を主体としたエアレイド不織布等のシート状吸収体が最も好ましい。
トップシート20としては、透液性の不織布材料が好ましく、例えば親水性繊維(セルロース,レーヨン,コットン等)を用いた不織布材料、あるいは疎水性繊維(ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリエステル,ポリアミド,ナイロン等)の表面を界面活性剤により処理して透液性とした不織布材料が挙げられる。好ましくは、目付10〜25g/m2の疎水性繊維の表面を界面活性剤により処理して透液性とした不織布材料(ポイントボンド不織布、エアースルー不織布)が挙げられる。
バックシート21としては、撥水性不織布材料(スパンボンド不織布,メルトブロー不織布,SMS不織布等)やプラスティックフィルム、またその複合材料が挙げられる。尚上記プラスティックフィルムは通気性であっても非通気性であっても良いが、より好適な態様としては通気性プラスティックフィルムが望ましい。より好ましくは目付15〜40g/m2の通気性ポリエチレンフィルムである。
吸収性コア19としては、粉砕したパルプ繊維やセルロース繊維等の親水性繊維集合層に粒状の高分子吸水体を混合した吸収コアを、ティッシュペーパー等の紙シートあるいは透液性不織布シート等の被覆シートで包み、所定の形状に成形した吸収体が挙げられる。加えて、着用者が歩いたり、寝返りを打ったりしても形状を保持できる様にする目的で、親水性繊維集合体中やシートに所定の形状保持手段(ホットメルト接着剤を塗布したり、合成繊維を混合したりする)を施しても良い。また上記繊維や高分子吸水体をシート状に成形したシート状吸収体(例えばエアレイド吸収体)などを所定の形状(長方形、砂時計型等)に成形して用いても良い。
側縁取付シート26や横漏れ防止シート22の素材としては、スパンボンド不織布,メルトブロー不織布,SMS不織布等の、通気性があって撥水性である不織布材料が挙げられ、好ましくは目付10〜25g/m2の撥水性不織布材料が挙げられる。更に側縁取付シート26としては通気性のプラスティックフィルムやその複合材料であっても良い。
ウエスト用弾性部材10,前側脚用弾性部材11,後側脚用弾性部材12,股下用弾性部材25,立体ギャザー用弾性部材24の素材,ボディフィット用弾性部材としては、使い捨ておむつに一般的に用いられる弾性伸縮材料を用いると良く(その形体としては糸条,紐状,或いはフィルム状のいずれであっても良く、具体的にはポリウレタン糸、ポリウレタンフィルム、天然ゴム等が挙げられる)、各種シートの間に伸張状態で、ホットメルト接着剤,熱接着,超音波接着等の好適な添設手段によって添設すると良い(添設手段としてはゴム系のホットメルト接着剤を用いることがより好ましい)。ウエスト用弾性部材10の場合は、繊度700〜2000デシテックスのポリウレタン糸を、倍率2.0〜4.0倍に伸張して添設するのが好ましく、前側脚用弾性部材11,後側脚用弾性部材12,股下用弾性部材25の場合は、繊度300〜1850デシテックスのポリウレタン糸を、倍率1.1〜3.0倍に伸張して添設するのが好ましい。立体ギャザー用弾性部材24の場合は、繊度300〜2000デシテックスのポリウレタン糸を、倍率1.1〜4.0倍に伸張して添設するのが好ましい。ボディフィット用弾性部材の場合は、繊度300〜2000デシテックスのポリウレタン糸を、倍率1.1〜5.0倍に伸張して添設するのが好ましい。
上記押さえシートとしては、透液性の不織布材料であっても、撥水性の不織布材料であっても良く、透液性の不織布材料の場合は、例えば親水性繊維(セルロース,レーヨン,コットン等)を用いた不織布材料、あるいは疎水性繊維(ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリエステル,ポリアミド,ナイロン等)の表面を界面活性剤により処理して(例えば界面活性剤を塗布する)透液性とした不織布材料、もしくは内面のみを親水化した通気性があり撥水性の不織布材料(スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、SMS不織布等)等が用いられる。また内面のみに親水性繊維(レーヨン,コットン等)の層を形成して内面を親水化したものであっても良い(肌に当接した際、感触が良く、また吸汗する効果が期待できる)。好ましくは目付10〜25g/m2の疎水性繊維の表面を界面活性剤により処理して透液性とした不織布材料(ポイントボンド不織布、エアースルー不織布、スパンボンド不織布等)が用いられる。撥水性の不織布材料の場合には、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、SMS不織布等の撥水性不織布材料が用いられ、好ましくは目付10〜25g/m2のものである。
尚各材料の接合方法としては、ホットメルト接着剤による接着、超音波シール、熱接合等の方法が挙げられる。ホットメルト接着剤としては、ゴム系,ポリオレフィン系,酢酸ビニル系等のホットメルト接着剤から適宜選択すると良く、接着剤の塗布方法としては、接着剤排出ノズルを接触させつつ塗布する方法、カーテンスプレーコータによるメルトブロー法やスパイラルスプレー法等の非接触式塗工法で網状に塗布する方法、ビード塗布法等が挙げられる。脇線部51については、熱接合による接合が好ましい。
本発明の実施形態1に係る使い捨てパンツ型オムツの製造方法を説明する為の図(その1)である。 本発明の実施形態1に係る使い捨てパンツ型オムツの製造方法を説明する為の図(その2)である。 本発明の実施形態2に係る製造方法で得られる使い捨てパンツ型オムツを示す正面図である。 図3に示すB−B線断面図である。 図3に示す使い捨てパンツ型オムツの着用手順を説明する為の正面図(その1)である。 図3に示す使い捨てパンツ型オムツの着用手順を説明する為の正面図(その2)である。 図3に示す使い捨てパンツ型オムツの両脇線部を外して展開した状態を表す肌側面からの図である。 図7に示すC−C線断面図である。 図7に示すD−D線断面図である。 本発明の実施形態2に係る使い捨てパンツ型オムツの製造方法を説明する為の図(その1)である。 本発明の実施形態2に係る使い捨てパンツ型オムツの製造方法を説明する為の図(その2)である。 従来の使い捨てパンツ型オムツ(その1)の斜視図である。 従来の使い捨てパンツ型オムツ(その1)の縦断面である。 従来の使い捨てパンツ型オムツ(その1)の着用手順を説明する為の斜視図である。 従来の使い捨てパンツ型オムツ(その2)の着用手順を説明する為の斜視図である。 従来の使い捨てパンツ型オムツ(その2)の斜視図である。 図16に示すA−A線断面図である。
符号の説明
10 ウエスト用弾性部材
11 前側脚用弾性部材
12 後側脚用弾性部材
13 第1の係合域
14 第2雄型係合部材
16 第4雄型係合部材
17 肌側片
18 吸収性部材
34 第3の係合域
35 仮接合部
36 脚周り開口部分
36a 切断予定線
50 パンツ型オムツ
51 脇線部
53 脚周り開口
117 肌側片原料反
127 前身頃用シート部材
127a 第1の前身頃シート原料反
127b 第2の前身頃シート原料反
128 後身頃用シート部材
128a 第1の後身頃シート原料反
128b 第2の後身頃シート原料反

Claims (4)

  1. 前身頃が腹部片とこれに続く下方片を備え、後身頃が背部片とこれに続く下方片を備え、前記腹部片と前記背部片が脇線部で接合されてこれらの上縁において胴周り開口を形成し、前記腹部片に続く下方片と前記背部片に続く下方片がそれぞれの着脱域同士で着脱自在に取り付けられて左右一対の脚周り開口を形成し、前記胴周り開口近傍及び前記脚周り開口近傍にそれぞれ弾性部材が配置され、前記前身頃用のシート部材と前記後身頃用のシート部材が、積層した少なくとも第1,第2の2枚のシートでそれぞれ形成されている使い捨てパンツ型オムツを、オムツ横方向に進行させつつ連続的に製造する方法であって、
    前記第1の前身頃シートの原料反と前記第1の後身頃シートの原料反との相対応する前記着脱域の少なくとも一方に、上記両着脱域を着脱可能とする着脱部材を設ける着脱部材取付工程と、
    前記第1の前身頃シートの原料反と前記第1の後身頃シートの原料反を一部重ねる様にして供給し、この重なり部分において前記脚周り開口内の箇所で接合する仮接合工程と、
    前記第2の前身頃シートの原料反と前記第1の前身頃シートの原料反の間、並びに前記第2の後身頃シートの原料反と前記第1の後身頃シートの原料反の間における前記脚周り開口近傍位置に前記弾性部材を挟む脚周弾性部材配置工程と、
    前記第1,第2の前身頃シートの原料反のいずれか一方或いは両方により前記弾性部材を挟み、また前記第1,第2の後身頃シートの原料反のいずれか一方或いは両方により前記弾性部材を挟む胴周弾性部材配置工程と、
    オムツの股の位置に吸収性部材を配置する吸収体配置工程と、
    前記着脱部材取付工程,前記仮接合工程,前記脚周弾性部材配置工程,前記胴周弾性部材配置工程,並びに前記吸収体配置工程の後に、前記各原料反における前記脚周り開口部分を切除する脚周開口形成工程と
    を備えたことを特徴とする使い捨てパンツ型オムツの製造方法。
  2. 前身頃側,後身頃側のそれぞれに対して前記脚周弾性部材配置工程を行い、
    その後前記仮接合工程を行い、
    その後前記胴周弾性部材配置工程及び前記吸収体配置工程を行う請求項1に記載の使い捨てパンツ型オムツの製造方法。
  3. 前身頃側,後身頃側のそれぞれに対して前記脚周弾性部材配置工程及び前記胴周弾性部材配置工程を行い、
    その後前記仮接合工程を行い、
    その後前記吸収体配置工程を行う請求項1に記載の使い捨てパンツ型オムツの製造方法。
  4. 前記腹部片に続く下方片が、表側に位置する様に垂設される外側片と、肌側に位置する様に垂設される肌側片の2片を備え、前記肌側片の外面に第1の着脱域が設けられ、前記外側片の肌側面に第2の着脱域が設けられたものであり、
    前記背部片に続く下方片が、前記後身頃用のシート部材と前記吸収性部材を備えたものであり、該背部片に続く下方片の外面に前記第2の着脱域と着脱可能な第3の着脱域を有すると共に、該背部片に続く下方片の前記吸収性部材における肌側面に前記第1の着脱域と着脱可能な第4の着脱域を有するパンツ型オムツを製造する方法であって、
    前記着脱部材取付工程において、前記第1の前身頃シートの原料反における着脱域が前記第2の着脱域で、前記第1の後身頃シートの原料反における着脱域が前記第3の着脱域であり、
    また前記吸収体配置工程が、前記第1,第2の後身頃シートの原料反に対して前記吸収性部材を配置するものであり、
    前記肌側片と吸収性部材との相対応する着脱域の少なくとも一方に、これら着脱域を着脱可能とする着脱部材を設ける第1・4着脱部材取付工程と、
    前記吸収体配置工程及び前記第1・4着脱部材取付工程の後、前記肌側片の原料反を、前記吸収性部材並びに前記第1,第2の前身頃シートの原料反上に載置する肌側片載置工程と
    を備えた請求項1〜3のいずれかに記載の使い捨てパンツ型オムツの製造方法。
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